JP3548983B2 - アルミニウム箔の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧延した硬アルミニウム箔の焼なまし方法、特に焼なまし工程においてコイルが変形し、焼鈍ダレが発生してアルミニウム箔にシワが発生することを防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム箔は、包装材、電気材料、工業用材料、日用品、装飾品等に広く利用されているが、その大半は焼なまし品が使用されている。本発明はこの焼なまし工程を管理するアルミニウム箔の製造法に関する。
アルミニウム箔の焼なましの目的は、箔自体の軟質化の他に箔を製造する際使用した圧延油の除去も目的としており、この後者の目的のために焼なましの温度、時間等が定められている。
【0003】
また熱処理に際しては、鉄製のラックに40〜150mmφのラック棒に巻き付けたアルミニウム箔を支え、中吊り状態で熱処理炉への出し入れを行なう。
熱処理においては焼なましと同時に圧延油の除去が行なわれるが、圧延油の除去が不充分であるとそれ以後行なわれる貼りあわせ、印刷、着色、化学処理等の工程においてトラブルの原因ともなり易いので、圧延油の除去を完全に行なうべく多くの対策がとられている。
油の除去についてはその温度や時間に影響を与える因子として圧延油の種類が問題となる他、製品の幅や巻径、巻硬さ等が大きく影響を与える。圧延油が低沸点であれば低温、短時間の熱処理でよく、高沸点であれば高温、長時間が必要となる。
【0004】
最近、ますます広幅、長尺製品の要求が多くなってきているが、これは圧延油のコイルからの逸失に抵抗を大きくする方向であり、熱処理に高温、長時間を必要とすることになる。
巻硬さも硬くなればコイル中の空隙が狭くなることを意味するので、圧延油のコイルからの逸失に抵抗となる。
このように効率的な圧延油の除去は多くの因子と関連を有するが、アルミニウム箔が薄いとき問題となるのは焼鈍ダレによるシワの発生と製品コイル内で箔と箔のくっつき(Stick)である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
圧延油の除去は、アルミニウム箔を高温、長時間熱処理することにより達成できるが、熱処理が高温、長時間になればなるほど製品コイル内で箔と箔同士のくっつきが問題となる。これはアルミニウム箔が薄い時ほど重大となる。
コイルの巻きほぐれが少し悪くなる程度なら我慢するとしても、巻きほぐしの際に薄箔であって幅方向にくっつきが部分的にあるときは、その部分が伸びてタルミジワを発生したり、厚めのときは細かな凹凸を生じたり、くっつきが強いときは箔自身の破断を引き起こす等、焼なましにとっては大きな問題となるものである。
【0006】
このくっつき防止のため、コイル巻の硬さを緩くすることによってある程度のくっつきの調整をすることも可能であるが、巻き崩れの原因となったり、それほどゆるい巻き方でなくとも焼き戻し工程の加熱により一層焼鈍ダレ(巻芯から表面までの半径方向の径の長さが重力及び熱膨張により差が出て、下側のたるみを生ずる現象)が発生し易くなる。
一方、焼鈍ダレを防ぐため巻硬さを硬くする(空隙率を小さくする。)と、一応焼鈍ダレの改善は可能となるが脱脂は困難となり、そのため焼鈍時間も長時間必要とするばかりでなく一層くっつきも強くなり、シワの発生、箔の破断の危険が増大することとなる。
【0007】
したがって適当な巻硬さ(空隙率)の計数化された測定法と共に、有効な焼鈍ダレ防止策の確立が要望されていた。
本発明は、焼鈍ダレによるシワ発生防止のための有効な手段の提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
[1] アルミニウム箔を、コイルの空隙率として次式により10〜17%の巻き硬さでコイル巻に巻き、
Figure 0003548983
次いで大気中において290〜330℃で20〜30時間、続いて240〜280℃で10〜30時間の二段階で焼鈍することにより、焼鈍ダレをコイル巻きとしたアルミニウム箔コイルの半径方向の上および下の長さの差として、
〔(A−B)/[(A+B)/2]〕<1%
[但しA=巻芯から真下のコイルの厚み、B=巻芯の真上のコイルの厚み]
になるようにし、炉出し後反転して冷却することを特徴とするアルミニウム箔の製造方法、を開発することにより、焼鈍ダレによるシワの発生を有効に防止できることを見出した。
【0009】
この製造方法によるときは、巻きくずれせず、それで焼鈍ダレの少ない計数化された測定法による適切な巻硬さを見出した。
【0010】
【発明の実施の形態】
焼鈍ダレは理論的には避けることが出来ないものである上、くっつき防止のため巻き硬さを緩くしたい要求もあって、その対応策の確立が要求されていた。
本発明者らは、焼鈍ダレは避けられないとしても焼鈍したアルミニウム箔を巻き戻したとき、シワの発生のない場合とシワが発生する場合があることを知っていたが、その許容限界及び許容限界を越えないようにする対策等の検討を行ない、本発明を完成したものである。
すなわち、150mmφの鉄製の巻芯を用い、外径を800mmφとなるように硬アルミニウム箔を巻き、焼なましを行ない焼鈍ダレの距離を測定してみたところ半径方向の径の長さの差が1%以上となったときはコイルを巻き戻した際、箔にシワが発生することがわかった。
【0011】
したがって、焼鈍ダレの量はコイルの中心から最長径A(通常は巻芯から真下のコイルの厚み)から、最短径B(通常は巻芯の真上のコイルの厚み)を引いた値(A−B)が、その両者の平均値の1%以下、
〔(A−B)/[(A+B)/2]〕<1%
になるように抑えながら焼鈍するときは、巻き戻しをしてもシワが少ないことを見出したことに基づくものである。
【0012】
また、冷却工程においてコイルを回転させ反転して焼鈍ダレ防止をさせてみたところ焼鈍ダレは小さくなり、他は同一条件で反転しない場合にはシワの発生する条件であっても、反転することによりシワ発生を大幅に防止することが可能となった。
したがって、この範囲内に納まるようにくっつき対策のためのコイル巻硬さを調節、またはコイルの反転などにより焼戻しを行なえばよく、焼なましの時間を短縮してくっつきの少ない、また圧延油の残存量の少ない、アルミニウム箔を製造することが出来た。
【0013】
更に本発明においては、従来カンのみに頼っていた巻硬さを計数化した。
巻硬さ(コイルの空隙率)は、
Figure 0003548983
この空隙率を10〜17%とすればダレが少なく、脱脂も比較的よく行なわれ、くっつきも比較的弱く出来るバランスのとれた巻硬さである。
特に前記の巻硬さのコイルに対し、大気中において290〜330℃で20〜30時間、ついで240〜280℃で10〜30時間の二段階焼鈍をするか、不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲気下において12〜30時間の焼鈍するときは半径方向の径の長さの差は1%以下に押えられ、脱脂もよく行なわれ、焼鈍ダレもなく、且つくっつきも極めて小さい、巻き戻しの容易な、シワの発生のないアルミニウム箔のコイルが製造できる。
更に炉より取り出した後反転して冷却すれば一層優れたアルミニウム箔のコイルを製造できる。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により更に具体的に説明する。
(実施例1、参考例1−2、比較例)
アルミニウム1N30の厚さ7μm、幅1140mm、長さ18,000mのアルミニウム箔をコイル状に巻き、巻硬さ、焼鈍条件、焼鈍ダレ(A−B)、コイル巻ほぐし時のパタつきおよびシワの発生状況について検討した。その結果を第1表に示す。
【0015】
【表1】
Figure 0003548983
【0016】
【発明の効果】
より短時間の焼なまし工程によって、圧延油がより完全に除去され、シワやピンホールが少なく、破断もしないくっつきの少ないコイル状に巻いたアルミニウム箔の製造が要望されている。
そして、これらの要望を満たすための一つの対策が、他の要求と相容れない場合が数多く存在する。
【0017】
例えば、巻硬さを強くすれば焼鈍ダレが少なくなり、焼鈍ダレに基づきシワの減少を計ることが考えられるが、巻硬さを強くすると圧延油除去に長時間必要となり、またくっつきが強くなり、シワやピンホールの生成、さらには巻戻しの際にアルミニウム箔の破断等を招来することはよく知られている。したがって、この点からは逆に巻硬さは弱いことが望まれている。
本発明は、他の利点を失わずに焼鈍ダレに基づくシワを減少させる手段を開発すると共に、従来計数化されていなかった巻硬さについて計数化を行ない、これに適した値を見出したものであって、箔の品質向上を計るための実用的な技術である。

Claims (1)

  1. アルミニウム箔を、コイルの空隙率として次式により10〜17%の巻き硬さでコイル巻に巻き、
    Figure 0003548983
    次いで大気中において290〜330℃で20〜30時間、続いて240〜280℃で10〜30時間の二段階で焼鈍することにより、焼鈍ダレをコイル巻きとしたアルミニウム箔コイルの半径方向の上および下の長さの差として、
    〔(A−B)/[(A+B)/2]〕<1%
    [但しA=巻芯から真下のコイルの厚み、B=巻芯の真上のコイルの厚み]
    になるようにし、炉出し後反転して冷却することを特徴とするアルミニウム箔の製造方法。
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