JP3547202B2 - 大型回転電機カップリング分解方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は大型回転電機カップリング分解方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
図２の従来の大型回転電機カップリング分解方法の要部断面図を用い従来技術について説明する。大型の回転電機のカップリング１はシャフト２に焼嵌されている。このカップリング１をシャフト２から加熱分解するため、シャフト２の中心孔部５を冷却水１３により冷却し、カップリング１は図示しないノズルから噴出されるガスバーナからの炎１４により加熱される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、大型回転電機のカップリング１は熱容量が大きく、また、シャフト２とカップリング１の接触面積が大きいため、ガスバーナからの炎１４による加熱ではカップリング１の温度上昇が緩やかであり、冷却水１３による中心孔部５の冷却では冷却能力に限度がありカップリング１とシャフト２の温度差がつきにくく、カップリング分解作業の作業性が悪く、また、分解作業に時間を要する問題点があった。
【０００４】
本発明は、大型回転電機のカップリングをシャフトから作業性良く、かつ、短時間に分解出来る大型回転電機カップリング分解方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明の大型回転電機カップリング分解方法は、回転電機のシャフト中心孔部の入り口側にフタを設け奥行き側と成る中心孔部に閉止栓を設け、シャフトの外径側から焼嵌されたカップリングに水冷却加熱コイルを周回させ、この水冷却誘導加熱コイルに電源を供給することによりカップリングを加熱させるとともにフタ、閉止栓および中心孔部の内面側により形成される空間部に冷却液を逐次流入させたことを特徴とする。
【０００６】
また、カップリングに焼嵌される回転電機の回転子コイルの断面中央部に通水管を有し、水冷誘導加熱コイルに電源を供給する際に通水管に冷却水を通水させたことを特徴とする。
【０００７】
【作用】
本発明の大型回転電機カップリング分解方法は、回転電機のシャフト中心孔部の入り口側にフタを設け奥行き側と成る中心孔部に閉止栓を設けることにより空間部に冷却液を注入することが可能となり、シャフトを内径側から冷却することが可能となり、シャフトの外径側から焼嵌されたカップリングに水冷却加熱コイルを周回し、水冷却誘導加熱コイルに電源を供給することによりカップリングを加熱し熱膨張させて、シャフトおよびカップリング間の締付力を低下することができる。
【０００８】
また、カップリングに焼嵌される回転電機の回転子コイルの断面中央部に通水管を設け、水冷誘導加熱コイルに電源を供給し、カップリングを高温加熱する際に通水管に冷却水を通水することにより回転子コイルの過熱を防止できるので、回転子コイルの絶縁層の健全性を確保できる。
【０００９】
【実施例】
本発明の一実施例を図１を参照して説明する。大型回転電機のカップリング１はシャフト２に焼嵌されている。カップリング１加熱用の図示しないコイルの断面中央に冷却水孔を有する水冷却誘導加熱コイル３はカップリング１の表面に図示しないスペーサを介し絶縁筒４の外表面に巻き付けられている。シャフト２を冷却するため中心孔部５に閉止栓６とフタ７を取付ける。フタ７には冷却液入口部８と冷却液出口部９および分流液１０が取付けられている。
【００１０】
次に本実施例の作用について述べる。冷却水入口部８から極低温の冷却液１１を中心孔部５に入れ中心孔部５に極低温の冷却液１１を充満させシャフト２を十分に冷却する。カップリング１を加熱する前に極低温の冷却液１１を中心孔から除去し、水冷却誘導加熱コイル３に大電流を通電しカップリング１の外周から迅速に加熱する。誘導加熱コイル３は図示しないコイル断面中央に冷却水孔を有し水冷却するため大電流を通電しても水冷却誘導加熱コイル３の温度上昇を抑えることが出来、水冷却誘導加熱コイル３の図示しない絶縁劣化防止をすることが出来る。カップリング１の温度上昇に伴いシャフト２の温度も上昇しシャフト２の中心孔部５の内径面１２の温度が冷却水４の温度より上昇したら、冷却水４を冷却水入口部８から中心孔部５に入れ中心孔部５内を冷却後、冷却水出口部９から出す。上記によりカップリング１とシャフト２の温度差が短時間でつき、カップリング１内径とシャフト２外径間に図示しない間隙が生じ、カップリング１をシャフト２から分解することが出来る。
【００１１】
【発明の効果】
本発明は水冷却誘導加熱コイルに大電流を流し迅速にカップリングの温度を上昇させ、かつ、シャフトの中心孔を極低温の冷却液と冷却水で冷却することにより、カップリングとシャフト間の温度差を短時間につけ、カップリングとシャフト間に間隙が生じ作業性良くカップリングを分解する大型回転電機加熱分解方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例の大型回転電機カップリング分解方法に係る要部断面図。
【図２】従来の大型回転電機カップリング分解方法に係る要部断面図。
【符号の説明】
１…カップリング
２…シャフト
３…水冷却誘導加熱コイル
４…絶縁筒
５…中心孔部
６…閉止栓
７…フタ
８…冷却液入口部
９…冷却液出口部
１０…分流板
１１…冷却液
１２…中心孔部の内径面
１３…冷却水
１４…炎。

Claims (2)

1. 回転電機のシャフト中心孔部の入り口側にフタを設け奥行き側と成る前記中心孔部に閉止栓を設け、前記シャフトの外径側から焼嵌されたカップリングに水冷却加熱コイルを周回させ、この水冷却誘導加熱コイルに電源を供給することにより前記カップリングを加熱させるとともに前記フタ、前記閉止栓および前記中心孔部の内面側により形成される空間部に冷却液を逐次流入させたことを特徴とする大型回転電機カップリング分解方法。
2. 前記カップリングに焼嵌される前記回転電機の回転子コイルの断面中央部に通水管を有し、前記水冷誘導加熱コイルに電源を供給する際に前記通水管に冷却水を通水させたことを特徴とする大型回転電機カップリング分解方法。

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