JP3544851B2 - スノーケル - Google Patents
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- B63C11/02—Divers' equipment
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、遊泳時に使用するスノーケルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊泳時に使用するスノーケルであって、使用状態において水面より上方に位置する通気・排水用開口部と、水面より下方に位置するマウスピース部と、水面より上方または下方に位置し、下方へ向かって開放可能な逆止弁を有する排水部とが通気用導管に形成されているスノーケルは、周知である。
【0003】
実用新案登録第2536368号公報に開示のこの種スノーケルでは、通気・排水用開口部が互いに並行する第1管状部と第2管状部とで構成されている。これら第1,2管状部は、連通部を介して側方から通気可能につながっている。第1管状部と第2管状部との間では導管が実質的に屈曲した状態にあり、通気・排水用開口からマウスピース部方向へ水が侵入しにくいように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
スノーケル使用時に水面よりも上方に位置する通気・排水用の開口部から侵入した水は、遊泳者の呼気によって排出しなければならない。それゆえ、侵入する水が多いほど、遊泳者の肉体的疲労が増す。その疲労を軽減するために、周知のスノーケルでは、前記開口部からの水の侵入を極力防止することが好ましい。前記公知スノーケルでは、導管を屈曲させることで、水の侵入を防止しているが、その防止能力を一層向上させることが好ましいことは明らかである。
【0005】
また、周知スノーケルおよび前記公知スノーケルに共通の現象として、スノーケル内の水を呼気によって排出しようとするときに、マウスピース直下の水が呼気の作用で踊ってしまい、通気・排水用開口部へ向かって速やかに移動しないということがある。排水のための呼気がこのように無駄に使われると、遊泳者の疲労が一層増すことになる。
【0006】
この発明では、これら従来のスノーケルにおいて生じる遊泳者の疲労を軽減すること、およびその疲労の原因を解消することを課題にしている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、この発明が前提とするのは、使用状態において水面より上方に位置する通気・排水用開口部と、水面より下方に位置するマウスピース部と、水面よりも上方または下方に位置し、下方へ向かって開放可能な逆止弁を有する排水部とが通気用の導管に形成されているスノーケルである。
【0008】
かかる前提において、前記導管の頂部が第1管状部とこれに並行する第2管状部とで構成されて、前記両管状部が通気路を介して側方からつながっており、前記第1管状部にはその下方に前記マウスピース部が位置するとともに内面から径方向内方へ突出して前記第1管状部の長手方向へ延び、前記第1管状部の周り方向を仕切る隔壁が少なくとも一つ形成され、前記第2管状部には上下両端に前記開口部が形成されるとともに内面の前記通気路と向かい合う部位に径方向内方へ突出して前記第2管状部の長手方向へ延びる複数の隔壁が形成されていることが、この発明の特徴である。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、この発明に係るスノーケルの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0011】
図1には、スノーケル1の側面と、それが使用状態にあるときの水面の位置Wとが示されている。スノーケル1は、図の上下方向へ延びる通気用導管2からなるもので、導管2は、上方に通気・排水用開口部3を有し、下方に後記逆止弁6が取り付けられた排水口4を有する。導管2は、排水口4の近傍に、上方へ向かって延びる分岐部7を有し、分岐部7の上端には、咬持部8を備えたマウスピース部9が形成されている。
【0012】
かかるスノーケル1は、咬持したマウスピース部9を使用して呼吸すれば、水面Wより上に位置する開口部3において吸気を導入し、呼気を排出することができる。スノーケル1内に侵入した水は、瞬間的な強い呼気によって開口部3から排出することができる。深く潜水していた遊泳者が水面W近くにまで浮上して、スノーケル1が図示の状態になったときには、水面Wよりも上方にあるスノーケル1内の水がその水圧によって逆止弁6を開放し、排水口4から流出する。その後にスノーケル内に残った水は、呼気によって排出する。
【0013】
図2は、開口部3近傍における導管2の部分破断斜視図である。導管2の内側には、管壁から径方向内方へ向かって突出し、開口部3に始まって導管2の長手方向へ延びる隔壁11が形成されている。隔壁11は、導管2の周り方向を仕切るもので、それが図示のように複数である場合には、前記長手方向へ互いに並行して延びるように形成される。かかる隔壁11は、開口部3からの水の侵入を妨げる邪魔板として作用すると同時に、開口部3から呼気によって排出される水や吸気として進入する新鮮空気を整流し、遊泳者の呼吸を楽にすることができる。
【0014】
図3,4は、マウスピース部9近傍の部分破断側面図と、同図のIV−IV線切断面を示す図である。マウスピース部9は、導管2の分岐部7につながる呼吸口13を有し、呼吸口13と向かい合う導管2の管壁内面には、第2の隔壁12が形成されている。第2隔壁12は、導管2の周り方向を仕切るもので管壁内面から径方向内方へ突出し、導管2の長手方向へ延びている。第2隔壁12は、少なくとも1つあればよいが、それが図示のように複数であるときには、導管2の長手方向に沿って互いに並行するように形成される。第2隔壁12を有するスノーケル1では、導管2内の水を強い呼気によって排出しようとするときに、呼吸口13直下の水は、その呼気で徒に踊ることがなく、第2隔壁12に沿って整流され、開口3方向へ速やかに移動する。このように、水の排出に呼気を効率よく使うことによって、遊泳者の疲労を軽減することができる。
【0015】
導管2の下端部に形成された排水口4には、導管2の外側から逆止弁6が取り付けられている。逆止弁6は、柔軟弾性材料からなるもので、下方に向かって開く。
【0016】
図5,6,7は、この発明の実施態様の一例を示すスノーケル51の側面図と、このスノーケル51の通気・排水用開口部3近傍の部分破断側面図と、部分破断斜視図とである。スノーケル51の構造は、通気・排水用開口部3の近傍を除けば、図1のスノーケル1のそれと同じである。スノーケル51の開口部3近傍の構造は、前記実用新案登録第2536368号公報に開示のものとほぼ同じであって、導管2の頂部が第1管状部53とこれに並行する第2管状部54とで構成され、両部53,54が通気路56を介して側方からつながっている。開口部3は、第2管状部54の上下両端の開口部3A,3Bからなり、これら両開口3A,3Bのいずれからも通気・排水可能である。第2管状部54の内壁には、通気路56と向かい合う部位から径方向内方へ突出し、第2管状部54の長手方向へ延びる複数の第1隔壁11が形成されている。かかる第1隔壁11は、開口部3からの水の侵入の妨げとなり、また、第2管状部に侵入した水を上下方向へ整流して、第1管状部53方向へ飛散しにくくすることができる。
【0017】
図示例のスノーケル51は、第1隔壁11と第2隔壁12とを備えているから、第1隔壁11によって水の侵入を防いで遊泳者の疲労を軽減することができることに加え、第2隔壁12によって呼気による排水の効率を向上させることでも遊泳者の疲労を軽減することができる。
【0018】
図8は、図1のVIII−VIII線矢視図であって、(A)〜(D)によって第1隔壁11の各種態様が示されている。図の(A)では、複数の第1隔壁11が、図の水平方向で互いに並行するものと、上下方向で互いに向かい合うものとの2つで構成されている。(B)では、複数の第1隔壁11が、導管2の中心へ向かって突出している。(C)では、第1隔壁11が1つであって、やや屈曲している。(D)では、第1隔壁が1つであって、中心へ向かって真直ぐに突出している。
【0019】
【発明の効果】
この発明に係るスノーケルは、第1隔壁によって水の侵入を防ぐことと、第2隔壁によって呼気による排水の効率を向上させることとによって、遊泳者の疲労を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スノーケルの側面図。
【図2】スノーケル頂部の部分破断斜視図。
【図3】スノーケルのマウスピース部近傍の部分破断側面図。
【図4】図3のIV−IV線切断面を示す図。
【図5】実施態様の一例を示す図1と同様の側面図。
【図6】図5の頂部の部分破断側面図。
【図7】図5の頂部の部分破断斜視図。
【図8】(A)〜(D)によって実施態様を示す、図1のVIII−VIII線矢視図。
【符号の説明】
1 スノーケル
2 導管
3 開口部
4 排水口
6 逆止弁
9 マウスピース部
11 隔壁
12 隔壁
13 呼吸口
Claims (1)
- 使用状態において水面より上方に位置する通気・排水用開口部と、水面より下方に位置するマウスピース部と、水面よりも上方または下方に位置し、下方へ向かって開放可能な逆止弁を有する排水部とが通気用の導管に形成されているスノーケルであって、
前記導管の頂部が第1管状部とこれに並行する第2管状部とで構成されて、前記両管状部が通気路を介して側方からつながっており、前記第1管状部にはその下方に前記マウスピース部が位置するとともに内面から径方向内方へ突出して前記第1管状部の長手方向へ延び、前記第1管状部の周り方向を仕切る隔壁が少なくとも一つ形成され、前記第2管状部には上下両端に前記開口部が形成されるとともに内面の前記通気路と向かい合う部位に径方向内方へ突出して前記第2管状部の長手方向へ延びる複数の隔壁が形成されていることを特徴とする前記スノーケル。
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