JP3544725B2 - 画架 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、絵を描く時にキャンバスを固定したり、絵や写真を展示したり鑑賞する際に絵等を立てかける画架に係るものであり、画材を固定・展示する画架に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油絵等を描く際には、一般にキャンバス等の画材を画架に固定する。画架は、中世の頃から知られた道具であり、棹状や板状、あるいは枠状の支持部材に下受台が設けられた構成を基本とするものである。
しかしながら、旧知の画架はいずれも非常に嵩張るものであり、持ち運びや収納が困難であると言う問題点があった。
そこで本出願人は、実願平5−34135号において、収納時に箱状となる画架を提案した。
本出願人が先に提案した画架は、図12および、図13の様であり、図12は使用時の様子を示し、図13は収納時の様子を示す。
【0003】
従来技術の画架100は、上面が開口した箱体101と、この箱体101の蓋として機能すると共に画材を支持する支持部材102を備える。
従来技術の画架100では、支持部材102は、その一端がヒンジ103によって箱体101の端部に取り付けられている。
従来技術の画架100は、収納時や持ち運び時には図13の様に支持部材102が箱体101の開口を覆い、全体として密閉された一つの箱状となる。
そして画架100を使用する際には、ヒンジ103を中心として支持部材102を立てる。また支持棒105を伸ばして支持部材102を斜めに固定する。そして斜めに固定された支持部材102にキャンバスをもたれさせて絵を描く。
絵の具や筆等は、箱体101内に収納されており、使用者は、必要なものを適時取り出して使用する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の画架100は、収納時に全体が箱形になるので嵩張らず、持ち運びや収納が容易であると言う利点がある。また箱体101は物入れとして機能し、持ち運び時にはその内部に絵の具等が収納される。さらに絵を描く際には、前述の様に箱体101内に、絵の具や筆が入れておくことができる。そのため従来技術の画架100では、絵を描く際に絵の具や筆が周囲に散乱することが無く、筆に付いた絵の具によって周囲を汚したり、筆先に砂が付くと言った不都合が無い。
【0005】
しかしながら、従来技術の画架100は、絵を描く際に、箱体101から絵の具等を取り出し難いと言う問題がある。
即ち従来技術の画架100では、支持部材102は、前述の様にその一端がヒンジ103によって箱体101の端部に取り付けられている。従って支持部材102が立てられた状態では、支持部材102の下端は、図12の様に箱体101の手前側(使用者側)の端部に一致する。
【0006】
ここでキャンバスは、支持部材102に立てかけられるので、使用者は支持部材102に向かって立ちつつ絵を描き、筆を変える際には、画架100の箱体101から所望の筆を取り出すこととなる。
しかし従来技術の画架100では、箱体101は、使用者から見て支持部材102の影になり、使用者は箱体101の中を直接見る事ができず、所望の筆を選びだすことができない。
【0007】
特に画架100に大きなキャンバスを立てた場合は、箱体101は、キャンバスによって完全に遮られ、使用者から全く見えないばかりでなく、使用者側から箱体101内に手を入れることもできない事態となる。
そのため折角収納部として機能すべく設けられた箱体101ではあるが、使い勝手が悪い問題があった。
また箱体101内の物を取り出し易くするために、箱体101に引出しを設ける構成も考えられるが、引出しを設けると引出しの中箱の分だけ箱体101内の収納容積が減少する不満があった。さらに引出しを設ける構成では、どうしても遊びがあるために引出しを出した際に、中箱が斜めになったり、誤って中箱を引き抜いてしまうと言う不具合があった。
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、箱体の収納箱としての利用を促進するものであり、使用者側から箱体内部を見ることができ、且つその収納容積を減少させることも無い画架を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そして上記した目的を達成するための本発明は、上部が開口した箱体と、該箱体の蓋となると共に画材を支持する支持部材を備え、前記支持部材の一端は箱体に揺動可能に支持され、且つ当該支持部材の一端は箱体に沿ってスライド可能であり、前記支持部材は蓋本体に下受台と上受部材が設けられたものであり、前記蓋本体にはガイド溝が設けられ、前記上受部材にはガイド棒が一体的に取り付けられており、前記ガイド棒は蓋本体のガイド溝内を摺動可能であり、前記上受部材は天地逆方向に差し替え可能であり、さらに前記上受部材は表裏逆方向に差し替え可能であることを特徴とする画架である。
【0009】
また同様の目的を達成するためのさらに別の発明は、上部が開口した箱体と、該箱体の蓋となると共に画材を支持する支持部材を備え、前記支持部材の一端は箱体に揺動可能に支持され、且つ当該支持部材の一端は箱体に沿ってスライド可能であり、前記支持部材は蓋本体に下受台と上受部材が設けられたものであり、前記蓋本体にはガイド溝が設けられ、前記上受部材にはガイド棒が一体的に取り付けられており、前記ガイド棒は蓋本体のガイド溝内を摺動可能であり、前記上受部材は天地逆方向に差し替え可能であり、下受台と蓋本体の間では、ガイド溝に対する長手方向の延長線上にスリットが形成され、ガイド棒を移動した時、ガイド棒の下端は下受台のスリットを通ることができることを特徴とする画架である。
【0010】
そして上記の発明の実施態様としての発明は、前記上受部材は表裏逆方向に差し替え可能であることを特徴とする画架である。
【0011】
さらに上記の発明の実施態様としての発明は、前記蓋本体にはスリットが設けられ、前記下受台は蓋本体のスリットにネジを介して取り付けられていてスリットに沿って移動することができ、位置調節が可能であることを特徴とする画架である。
【0012】
また同様の目的を達成するためのさらに別の発明は、上部が開口した箱体と、該箱体の蓋となると共に画材を支持する支持部材を備え、前記支持部材の一端は箱体に揺動可能に支持され、且つ当該支持部材の一端は箱体に沿ってスライド可能であり、支持部材の裏面には指入れ穴を有するパレットが装着され、支持部材には前記パレットの指入れ穴に相当する部位に突起が設けられ、当該突起には係止部材が設けられていることを特徴とする画架である。
【0013】
また上記の発明の実施態様としての発明は、支持部材はヒンジ部材によって箱体に揺動可能に支持され、ヒンジ部材は固定ネジおよび固定ナットとガイド片を備え、箱体の側面には当該側面の壁を貫通すると共に長手方向に延びる固定用スリットと、該固定用スリットに平行して延びるガイド用溝を有し、前記ヒンジ部材の固定ネジは、固定用スリットを貫通して固定ナットと嵌合し、ヒンジ部材のガイド片はガイド用溝と嵌合していることを特徴とする画架である。
【0014】
また同様の目的を達成するための本発明の特徴は、上部が開口した箱体と、該箱体の蓋となると共に画材を支持する支持部材を備え、前記支持部材の一端は箱体に揺動可能に支持され、支持部材の裏面には支持部材と略一致する形状のパレットが装着された画架において、パレットは指入れ穴を有し、支持部材には前記パレットの指入れ穴に相当する部位に突起が設けられ、当該突起には係止部材が設けられている画架である。
【0015】
【作用】
本発明の画架は、上部が開口した箱体と、該箱体の蓋となると共に画材を支持する支持部材を備え、収納時や携帯時には、箱体と支持部材が一体的な箱状となる。
また本発明の画架を使用する際には、支持部材が起こされる。そしてさらに支持部材が箱体に沿ってスライドされる。
その結果支持部材の端部は箱体の端部を離れ、箱体の開口面が使用者側に露出する。
【0016】
請求項6記載の画架では、支持部材がヒンジ部材によって支持され、当該ヒンジ部材によって起立可能である。また本発明の画架では、ヒンジ部材は固定ネジおよび固定ナットとガイド片を備え、両者はそれぞれ箱体に設けられた固定用スリットとガイド用溝とに嵌合しており、ヒンジ部材は箱体の側面に沿って平行移動する。従って本発明の画架では、支持部材の揺動端部は箱体の側面に沿ってスライド可能である。
また固定ネジを締めることにより、所定の位置で支持部材の揺動端部を固定することができる。
【0017】
請求項5、7記載の画架では、支持部材の裏面であって、パレットの指入れ穴に相当する部位に突起が設けられ、当該突起には係止部材が設けられている。そのため本発明の画架では、収納時や携帯時に、支持部材の突起にパレットの指入れ穴が挿入され、さらに係止部材によってパレットが抜けない様に保持される。
【0018】
【実施例】
以下さらに本発明の具体的実施例について説明する。尚本実施例の説明において、上下の関係は、画架を使用する状態に置いた場合、即ち図1、図2の様に、画架の六面の内最も面積の大きい2面を天地の方向に向けた状態を基準とする。図1は、本発明の具体的実施例の画架の使用時の斜視図である。図2は、図1の画架の携帯時の斜視図である。図3は、図1の画架の箱体の要部断面図である。図4は、図1の画架の支持部材を起こした状態での側面図である。図5は、図1の画架の使用時の側面図である。図6は、図1の画架の背面図である。図7は、図1の画架の背面の要部斜視図である。図8は、図1の画架の支持部材を垂直に立てた状態での部分正面図である。図9は、図8のA−A断面図である。図10は、図8のB−B断面図である。図11は、上受部材を差し替えた状態での図1の画架の部分正面図である。
【0019】
図1において、1は本発明の具体的実施例の画架を示す。本発明の画架1は、携帯用の画架であり、携帯時には、図2の様に箱形に収納される。本発明の画架1は、大きく分けて箱体2と支持部材5によって構成され、両者がヒンジ部材17によって結合されたものである。
順次説明すると、箱体2は、木で長方形に組み立てられたものであり、上面が開口し、他の5面は壁によって覆われている。
また箱体2は手で提げ易いように、把手9が設けられている(図5にのみ図示)。
【0020】
箱体2の長手側の両側面には、固定用スリット6とガイド用溝7が設けられている。
固定用スリット6は図1の様に箱体2の側面の長手方向の略全域に渡って設けられている。固定用スリット6の断面形状は、図3の様に箱体2の側壁を貫通するものであり、且つ固定用スリット6の箱体内面側は拡径されている。そのため箱体2の内面側では、当該拡径によって長手方向に延びる溝8が形成されている。
一方ガイド用溝7は、前記した固定用スリット6の下側にあって固定用スリット6と平行に延びる。そしてガイド用溝7は箱体2の一方の端部、即ち使用時に使用者側となる端部から箱体2全長の約2/3に渡って設けられており、前述の固定用スリット6に比べて短い。
【0021】
ガイド用溝7の断面形状は、図3の様に有底の溝であり、箱体2の外面側に設けられていて内部側には貫通していない。この様にガイド用溝7を有底とした理由は、主として箱体2の剛性を確保するためである。従って箱体の剛性が確保される場合には、ガイド用溝7は、固定用スリット6と同様に貫通構造のものであっても良い。
【0022】
支持部材5は、蓋本体12に下受台13と上受部材15が設けられたものである。蓋本体12は、周辺に高さの低い壁が設けられた板状の部材であり、携帯時には図2の様に箱体2の上蓋を構成するものである。また蓋本体12には、2筋のスリット14が設けられている。
【0023】
蓋本体12の表面側について説明すると、蓋本体12の表面側には溝部27と下受台13が一体的に設けられている。溝部27は蓋本体12の中心に沿って長手方向に2つの木片30が平行に配置されたものであり、両者の間でガイド溝31を形成するものである。ガイド溝31の断面形状は、図10のように、内部が広くなっており、中心線X−Xに関しても、中心線Y−Yに関しても左右対称である。ガイド溝31の底は蓋本体12自体の表面で構成される。
【0024】
ガイド溝31の底であって支持部材5を起こした状態の時、上端部分に相当する位置には図9に示すように開口36が設けられている。そして当該部分の背面には、補強部材41を介してメネジスリーブ42が内蔵されている。また開口36内であって、補強部材41の表面には、片持ち状の舌状片45が支持されている。また舌状片45の表面には、円盤状のゴム47が接着されている。
【0025】
補強部材41のメネジスリーブ42には、背面側からネジ49が嵌合されており、ネジ49の先端は、メネジスリーブ42を貫通して舌状片45の背面に当接している。従って、ネジ49のハンドル50を回転することによって、ネジ49が軸方向に移動し、舌状片45を押圧する。
【0026】
下受台13は本実施例では、図1,図2の様に固定部33と可動部35の2つの部材によって構成される。即ち固定部33は、角棒状のものであり、一部に幅方向に延びる溝37が設けられている(図8参照)。そして固定部33は、蓋本体12のスリット14にネジ34を介して取り付けられている。ここで前記した溝37のある面は、蓋本体12の表面と当接しており、固定部33の溝37は、蓋本体12に取り付けられた状態で、蓋本体12との間でスリットを形成している。溝37によって形成されるスリットは、前記した溝部27に対して、長手方向の延長上に位置する。また当該スリットの断面形状は、溝部27のそれよりもわずかに大きい。
【0027】
固定部33は、常時は蓋本体12の表面の一端、より詳細には蓋本体12を起こした時に下端に相当する部分に一体的に固定されている。そして固定部33は、ネジ34を緩めることによってスリット14の長さだけ位置調整が可能である。また固定部33には、溝部27よりも大きい溝37が設けられているので、蓋本体12を起こした状態の時に上側に相当する方向に移動させると、蓋本体12の溝部27が溝37によって形成されるスリット内に入り込む。そのため、固定部33はネジ34を緩めてスリット14に沿って移動させると、溝部27の下端よりも更に上側にまで移動させることができる。
【0028】
可動部35は、図2の様にヒンジ38によって固定部33に取り付けられており、ヒンジ38を中心として蓋本体12に密着した状態(図2、図4参照)から蓋本体12に対して垂直に立設した状態(図1,図5参照)に開くことができる。また可動部35の裏面、即ち使用時に上方向を向く面、言い換えると携帯時に蓋本体12と密着する面には、長手方向に受け溝(図示せず)が設けられている。
【0029】
可動部35の側面には、切り欠き39が設けられている。この切り欠き39は、可動部35が蓋本体12に対して垂直に立設した状態の時、蓋本体12の表面との間でスリットを形成するものである。可動部35の切り欠き39によって形成されるスリットによって、溝部27と固定部33の溝37によって形成されるスリットは連通される。
【0030】
支持部材5の裏面、即ち携帯時に箱の内部を形成する面に目を移すと、蓋本体12の裏面には、前記した補強部材41等の他に、図6,図7の様に突起52と係止部材53が設けられており、この突起52と係止部材53によってパレット55が保持される。
本実施例の画架に収納されるパレット55は、油絵用のものであり、板状であってその形状および大きさは、支持部材5の背面に略等しい(図7参照)。また公知のそれと同様に指入れ穴56が設けられている。本実施例では、パレット55の指入れ穴56は、長穴であり、長径側と短径側の長さが異なるものが採用されている。
【0031】
支持部材5の裏面に設けられた突起52は、パレット55の指入れ穴56に相当する部位に設けられたものであり、指入れ穴56の長径と一致する長さを持ち、高さはパレット55のそれに略等しい。
係止部材53は、前記した突起52と略同一形状であり、突起52の上にピン54によって取り付けられており、蓋部材12の平面と平行に回転可能である。
パレット55の装着は、パレット55を支持部材5の背面に密着させ、パレット55の指入れ穴56に突起52を挿通させる。次いで係止部材53を回転し、係止部材53の長片をパレット55の指入れ穴56の短径側に倒し、パレット55が抜け落ちない様に支持する。
【0032】
上受部材15は、上受部57とガイド棒58が一体化されたものであり、正面から見ると概略「T」字状をしている。また上受部材15の側面から見た形状は、逆「L」形をしている。順次説明すると、上受部57は上下両面に受け溝59,60が形成された短い板状の部材である。ガイド棒58は、図10の様に、断面形状が、前記したガイド溝31に合致する対称形をした棒である。即ちガイド棒58の断面形状は、表面と裏面が平行であり、その厚さはガイド溝31の深さに等しい。また両側面は、木片30の内面形状に等しい。従ってガイド棒58の断面形状は、図7の様に、中心線X−Xに関しても、中心線Y−Yに関しても対称である。そしてガイド棒58はその端部の一面が上受部57の側面と当接した状態で上受部57と一体的に固定されている。従って上受部材15は、側面から見ると上受部57がガイド棒58の端面から突出した形状をしている。
【0033】
上受部材15はガイド棒58がガイド溝31内に挿入されて使用される。ここで、ガイド棒58は、前記したように中心線X−Xに関しても、中心線Y−Yに関しても対称であり、且つ上受部57はガイド棒58の端面から突出した形状をしているので、上受部材15はガイド溝31に天地いずれの方向に向いた状態でも抜き差しすることができる。即ち上受部材15には、上受部57が上に位置しガイド棒58が下に位置した状態でガイド溝31に挿入することができ、逆に上受部57が下に位置しガイド棒58が上に位置した状態でガイド溝31に挿入することができる。加えて上受部57が上に位置しガイド棒58が下に位置した状態に限っては、上受部材15は裏表いずれの向きにでもガイド溝31に装着することができる。即ち上受部57を蓋本体12の前面に向かって突出して装着することも、裏面に向かって突出して装着することもできる。
【0034】
ヒンジ部材17は、金属の板をプレス加工して作られたものであり、図1の様に略三角形状をした板体である。そしてヒンジ部材17はその一辺が折り返されており、当該部位によってガイド片70が構成されている。
またヒンジ部材17には、固定ネジ71と固定ナット72が付属する。固定ネジ71は、端部に撮みが設けられたものであり、ヒンジ部材17を貫通している。また固定ナット72は、図3の様に木片73に金属ナット75が埋め込まれたものである。
【0035】
ヒンジ部材17は、ガイド片70が箱体2のガイド用溝7に嵌合している。またヒンジ部材17の固定ネジ71は、箱体2の固定用スリット6を貫通し、箱体2の内側に設けられた固定ナット72と嵌合している。さらに固定ナット72は箱体2の内面側に形成された溝8と嵌合している。従ってヒンジ部材17は、箱体2の固定用スリット6およびガイド用溝7の双方と嵌合し、箱体の側面に沿って長手方向に平行移動する。
またヒンジ部材17は支持部材5の一端にピン77(図3参照)によって結合されている。従って支持部材5の一端は、箱体2に対して揺動可能であり、且つ箱体2に沿って長手方向にスライド可能である。
【0036】
また、支持部材5の背面と箱体2の間には、支え部材18が取り付けられている。支え部材18は、図4,5のように溝20の中に棒状部材21が摺動可能に挿入されたものであり、棒状部材21を移動することによって、全長を変化させることができる。また、溝20の中心には、スリット23が設けられている。そしてネジ25が該スリット23を貫通し、棒状部材21の一端に設けられたメネジ孔と嵌合している。従って、棒状部材21は溝20から抜け落ちることがない。またネジ25を締めつけることにより、棒状部材21は溝20に押しつけられ、支え部材18の全長を一定に保ことができる。
蓋本体12の背面と支え部材18との取り付けは図示しないピンによって行われている。
また支え部材18と箱体2との取り付けは、箱体2の固定用スリット6に挿通された固定ネジ78を介して行われている。従って支え部材18の箱体2との接続部位は、箱体2の長手方向にスライド可能である。
【0037】
次に本発明の画架1の各部の作用を、使用手順を追って説明する。まず本発明の画架1の携帯時、および収納時は、前記した図2のように、箱形になっている。即ち支持部材5の端部は、箱体2の端部近くに位置され、支持部材5は箱体2の開口を完全に覆っていて全体として箱形状をなしている。
またパレット55は支持部材5の背面に装着され、さらに箱体2内には筆や絵の具が収納されている。
【0038】
次に、本発明の画架1を使用してキャンバスを固定する場合について説明する。本発明の画架1を使用する場合は、図示しない台や机を準備し、本発明の画架1を当該台等の上に置く。
【0039】
次に支持部材5を起こし、ヒンジ部材17を中心として、支持部材5を任意の角度で起立させる。この時ヒンジ部材17は箱体2の端部にあり、支持部材5は、箱体2の端部を中心に揺動する。
支持部材5を起こす作業と前後して支え部材18の固定ネジ78を緩め、支え部材18の下端を箱体2の他端まで移動させる。この時の様子は、図4の様である。
そして次に、図5の様にヒンジ部材17を固定用スリット6およびガイド用溝7に沿って箱体2の中央側にスライドさせる。その結果支持部材5の端部は箱体の中心側に移動し、図1,図5の様に箱体2の上部の開口が露出する。
そして所定の位置で固定ネジ71を締め、支持部材5の一端を固定する。また支持部材5の傾斜角度が所定の角度になったところで、ネジ25を締めつけ、支え部材18の長さを規制して支持部材5の角度を固定する。
【0040】
次いで下受台13の可動部35を起こし、可動部35を蓋本体12に対して垂直状態にする。
【0041】
次に上受部材15を蓋本体12のガイド溝31から抜き去る。そして、上受部材15を裏表逆方向に差し替える。より詳細に述べると、蓋本体12の天地方向は、ガイド棒58が下に向かって延び、上受部57は上側に位置されると共に蓋本体12の正面に向かって突出する方向に上受部材15を差し替える(図5)。
【0042】
この状態で、まず支持部材5の下受台13にキャンバスを乗せる。そして上受部材15のガイド棒58をガイド溝31内で摺動し、キャンバスの上端に上受部材15の上受部57が当接する様に上受部57の位置を調節する。そして、キャンバスの上下の辺が、下受台13の受け溝40と、上受部57のガイド棒側の溝60に嵌合し、且つキャンバスの背面が、溝部27の木片30の表面と当接する位置へ上受部57を移動させる。ここでキャンバスが蓋本体12よりも大きなものであっても、ガイド棒58は、下側だけが溝と嵌合し、上受部57及びガイド棒58の上受部周辺は、蓋本体12から上に突出させることによって固定することができる。即ち本実施例の画架1は、ガイド棒58がガイド溝31と嵌合可能な最大位置まで、上受部57を上昇することができ、大きなキャンバスでも無理なく固定することができる。
【0043】
逆にキャンバスが蓋本体12よりも少しだけ小さいものである場合は、ガイド棒58を蓋本体12の上端よりも下側に移動させてキャンバスを押さえる。この時、ガイド棒58の下端は、下受台13のスリットを通って、引出し10側へ抜ける。尚ネジ34を緩めて下受台13をスリット14に沿って上に移動させ、小型のキャンバスを固定することもできる。
【0044】
この様にして上受部57の位置を調節した後、補強部材41の背面のハンドル50を締め込みガイド棒58を押圧する。そのためキャンバスは、しっかりと固定される。
【0045】
尚キャンバスの大きさが、蓋本体12よりも相当に小さい場合は図8の様に、ガイド棒58の先端側を上に向け、上受部57を下に向けて溝内に装着する。上受部材15を上記した様に天地逆方向に装着した場合は、下受台13の受け溝40と、上受部57の先端側の受け溝59との間をもってキャンバスが固定される。
【0046】
そして使用者によって所望の絵が描かれるが、本実施例の画架1では、支持部材5の下端部が、箱体2の中央部まで後退しており、箱体2の開口は使用者側に露出している。そのため使用者は、絵を描く最中に、難なく箱体2の中を見る事ができ、所望の絵の具や筆を選択して取り出すことができる。
【0047】
以上の実施例では、脚部を有しない画架を例に本発明の構成を説明したが、勿論本発明は、従来技術の図面に示した様な脚部を一体的に備えた画架にも応用することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明の画架は、携帯時や収納時には、箱体と支持部材が一体的な箱状となるので、収納や持ち運びが便利である。また本発明の画架は、支持部材が箱体に沿ってスライド可能であるので、箱体の開口面を、使用者側に露出させることができ、使用者側から箱体の内部を見たり、直接内部の筆等を取り出すことができる効果がある。
【0049】
請求項6記載の画架では、ヒンジ部材は固定ネジおよび固定ナットとガイド片を備え、両者はそれぞれ箱体に設けられた固定用スリットとガイド用溝とに嵌合しており、ガイド片は箱体の側面に沿って平行移動する。本発明の画架では、この様にヒンジ部材が固定用スリットとガイド用溝の双方に案内されるので、ヒンジ部材の動きは円滑であり、使い勝手が良い効果がある。
【0050】
さらに請求項5、7記載の画架では、パレットの収納が確実であると言う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的実施例の画架の使用時の斜視図である。
【図2】図1の画架の携帯時の斜視図である。
【図3】図1の画架の箱体の要部断面図である。
【図4】図1の画架の支持部材を起こした状態での側面図である。
【図5】図1の画架の使用時の側面図である。
【図6】図1の画架の背面図である。
【図7】図1の画架の背面の要部斜視図である。
【図8】図1の画架の支持部材を垂直に起こした状態での部分正面図である。
【図9】図8のA−A断面図である。
【図10】図8のB−B断面図である。
【図11】上受部材を差し替えた状態での図1の画架の部分正面図である。
【図12】従来技術の画架の使用時の斜視図である。
【図13】従来技術の画架の収納時の斜視図である。
【符号の説明】
1 画架
2 箱体
5 支持部材
6 固定用スリット
7 ガイド用溝
17 ヒンジ部材
70 ガイド片
71 固定ネジ
72 固定ナット
Claims (7)
- 上部が開口した箱体と、該箱体の蓋となると共に画材を支持する支持部材を備え、前記支持部材の一端は箱体に揺動可能に支持され、且つ当該支持部材の一端は箱体に沿ってスライド可能であり、前記支持部材は蓋本体に下受台と上受部材が設けられたものであり、前記蓋本体にはガイド溝が設けられ、前記上受部材にはガイド棒が一体的に取り付けられており、前記ガイド棒は蓋本体のガイド溝内を摺動可能であり、前記上受部材は天地逆方向に差し替え可能であり、さらに前記上受部材は表裏逆方向に差し替え可能であることを特徴とする画架。
- 上部が開口した箱体と、該箱体の蓋となると共に画材を支持する支持部材を備え、前記支持部材の一端は箱体に揺動可能に支持され、且つ当該支持部材の一端は箱体に沿ってスライド可能であり、前記支持部材は蓋本体に下受台と上受部材が設けられたものであり、前記蓋本体にはガイド溝が設けられ、前記上受部材にはガイド棒が一体的に取り付けられており、前記ガイド棒は蓋本体のガイド溝内を摺動可能であり、前記上受部材は天地逆方向に差し替え可能であり、下受台と蓋本体の間では、ガイド溝に対する長手方向の延長線上にスリットが形成され、ガイド棒を移動した時、ガイド棒の下端は下受台のスリットを通ることができることを特徴とする画架。
- 請求項2に記載の画架において、前記上受部材は表裏逆方向に差し替え可能であることを特徴とする画架。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の画架において、前記蓋本体にはスリットが設けられ、前記下受台は蓋本体のスリットにネジを介して取り付けられていてスリットに沿って移動することができ、位置調節が可能であることを特徴とする画架。
- 上部が開口した箱体と、該箱体の蓋となると共に画材を支持する支持部材を備え、前記支持部材の一端は箱体に揺動可能に支持され、且つ当該支持部材の一端は箱体に沿ってスライド可能であり、支持部材の裏面には指入れ穴を有するパレットが装着され、支持部材には前記パレットの指入れ穴に相当する部位に突起が設けられ、当該突起には係止部材が設けられていることを特徴とする画架。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の画架において、支持部材はヒンジ部材によって箱体に揺動可能に支持され、ヒンジ部材は固定ネジおよび固定ナットとガイド片を備え、箱体の側面には当該側面の壁を貫通すると共に長手方向に延びる固定用スリットと、該固定用スリットに平行して延びるガイド用溝を有し、前記ヒンジ部材の固定ネジは、固定用スリットを貫通して固定ナットと嵌合し、ヒンジ部材のガイド片はガイド用溝と嵌合していることを特徴とする画架。
- 上部が開口した箱体と、該箱体の蓋となると共に画材を支持する支持部材を備え、前記支持部材の一端は箱体に揺動可能に支持され、支持部材の裏面には支持部材と略一致する形状のパレットが装着された画架において、パレットは指入れ穴を有し、支持部材には前記パレットの指入れ穴に相当する部位に突起が設けられ、当該突起には係止部材が設けられていることを特徴とする画架。
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