JPH0347556Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案案はイーゼル（画架）が組込まれた卓上
用、携帯用のイーゼルボツクスに関するものであ
る。

（従来技術） 従来、卓上用または携帯用のイーゼルとして
は、小形の三脚式のものが使用されているが、振
動によつて動揺したり倒れたりしやすい等、使用
状態での安定性が悪く、とくに風等の影響を受け
る野外での使用に不便であつた。また、携帯用の
ものは一般に折畳み式となつてるが、折畳み状態
でも比較的嵩ばるため収納に不便であり、さらに
絵の具、パレツト等の他の絵画用品とばらばらに
袋等に収納して持ち運びするしかないため、携帯
にも不便となつていた。

（考案の目的） そこで本考案は、イーゼル使用状態での安定性
が良く、イーゼルの収納、携帯に便利なイーゼル
ボツクスを提供するものである。

（考案の構成） 本考案は、固定枠と開閉枠とが、互いの一端部
でヒンジ部材を介して枢支連結されて、内部にイ
ーゼルが収容される開閉自在なイーゼルボツクス
本体が構成され、このイーゼルボツクス本体の開
閉枠は、上記固定枠に枢支連結された側の基部セ
クシヨンと、これと反対側のイーゼル支持セクシ
ヨンとに二分割され、イーゼル支持セクシヨン
は、基部セクシヨンに対しヒンジ部材を介して起
伏回動可能に枢支連結され、かつ、上記開閉枠の
イーゼル支持セクシヨンを上記基部セクシヨンに
対して起伏状態に保持する手段と、イーゼル支持
セクシヨ起立状態でイーゼルをこのイーゼル支持
セクシヨンの前面部に保持する手段とを具備して
なるものである。

この構成により、イーゼル使用時には、ボツク
ス本体をイーゼル支持台としてイーゼルを安定良
く支持でき、またイーゼル不使用時または携帯時
にはイーゼルを他の絵画用品とともにボツクス本
体内に格納し、全体をアタツシユケースのように
して効率良く収納、そして簡単に持ち運びできる
こととなる。

（実施例） 本考案の実施例を図によつて説明する。

Ａはイーゼルボツクス本体（以下、単にボツク
ス本体という）、Ｂはこのボツクス本体Ａに組込
まれたイーゼルである。

ボツクス本体Ａは、扁平な直方形器状の固定枠
１と開閉枠２とが互いの一端部でヒンジ部材３，
３（第３，５図に示す）を介して水平軸まわりに
回動可能に枢支連結されることにより、縦長のア
タツシユケースのような外観を呈する開閉自在な
箱状に構成されている。

このボツクス本体Ａの開閉枠２は、固定枠１に
連結された側の基部セクシヨン２ａと、これと反
対側のイーゼル支持セクシヨン２ｂとに二分割さ
れ、この両セクシヨン２ａ，２ｂが相対向する端
部でヒンジ部材２１，２１（第２，３図に示す）
を介して水平軸まわりに回動可能に枢支連結され
ることにより、中折れ式に屈折可能に構成されて
いる。

ボツクス本体Ａは、イーゼル使用時には、第１
図及至第４図に示すように、固定枠１を下にした
水平状態とされ、かつ、開閉枠２の基部セクシヨ
ン２ａが固定枠１に接し、この基部セクシヨン２
ａに対しイーゼル支持セクシヨン２ｂが後傾起立
状態にセツトされる。

イーゼル支持セクシヨン２ｂをこの起立状態に
保持する手段として、開閉枠２の左右両側外面に
おいて両セクシヨン２ａ，２ｂに跨つて支持腕
４，４が取付けられている。この支持腕４は、一
端部がイーゼル支持セクシヨン２ｂに水平軸まわ
りに回動可能にピン着され、他端部が、支持腕長
さ方向に設けられた長孔４１、およびこの長孔４
１と基部セクシヨン２ａとに亘つて貫挿された取
付軸４２、ならびにこの取付軸４２の長孔貫通端
部に螺嵌された止め具（ナツト）４３を介して基
部セクシヨン２ａに取付けられている。こうし
て、イーゼル支持セクシヨン２ｂが長孔４１に対
する取付軸４２の移動範囲内で起立角度調整さ
れ、かつ、止め具４３の締付力によつて所望の起
立角度に固定されるように構成されている。

なお、イーゼル使用時に開閉枠２の基部セクシ
ヨン２ａを固定枠１と一体の水平状態に固定する
ために、この両者の基部左右両側外面において、
固定枠１側に回動可能な掛け金２２、開閉枠基部
セクシヨン２ａ側にこの掛け金２２が掛けられる
受け金２３がそれぞれ設けられている。また、固
定枠１の前面には、持ち運びのための把手２４
と、ボツクス本体Ａを閉じた状態で固定枠１と開
閉枠２とを連結するための止め金２５が設けら
れ、開閉枠２のイーゼル支持セクシヨン２ｂの前
面に、止め金２５が掛け止められる受け金２６が
設けられている。さらに、イーゼル使用時に底面
となる固定枠１の底壁外面、および持ち運び時ま
たは収納時の底面となる両枠基端面の各隅部にそ
れぞれゴム製の接地具２７…が設けられている。

一方、イーゼルＢは、固定部としての基枠５
と、この基枠５にスライド自在に連結された可動
部としてのスライド枠６とによつて伸縮自在に構
成されている。基枠５は、左右一対の側柱５１，
５１と、この両側柱５１，５１の下端部前面間に
取付けられた受け板５２と、同上端部背面間に取
付けられた上桟５３とから成り、受け板５２にキ
ヤンバスまたは画板が載置支持される。スライド
枠６は、基枠５の側柱５１，５１間に嵌まり込む
主柱６１の上端部前面に、基枠５の受け板５２に
対応する押え板６２が直角に取付けられてＴ字形
に形成されている。このスライド枠６には、幅方
向中央部に全長近くに亘つてガイド溝６３が設け
られ、取付軸（ボルト）７が、このガイド溝６３
を介して基枠５の上桟５３に貫挿されるととも
に、第３，４図に示すようにその上桟貫通端部に
止め具（ナツト）７１が螺嵌されている。また、
スライド枠６における主柱６１の左右両側面に凸
部６４，６４、基枠５における両側柱５１，５１
の内側面に凸部６４，６４がスライド自在に係合
する係合溝５４，５４がそれぞれ設けられてい
る。こうして、スライド枠６が基枠５に対し、ガ
イド溝６３の長さ範囲内で、基枠両側柱５１，５
１に沿つてスライド自在に連結されて伸縮自在な
イーゼルＢが構成され、かつ止め具７１の締付力
によつてこのイーゼルＢが所望の長さ状態に固定
されるようになつている。

なお、７２は取付軸７の基端部に装着された取
付軸回り止め用のプレートで、このプレート７２
が嵌まり込む浅い凹部６５がスライド枠主柱６１
の前面にガイド溝６３に沿つて設けられている。

このイーゼルＢは、使用時に、開閉枠２の、起
立状態にセツトされたイーゼル支持セクシヨン２
ｂの前面部に装着される。このイーゼル取付構造
を次に説明する。

イーゼル支持セクシヨン２ｂには、基部セクシ
ヨン２ａに連結された端部（同セクシヨン起立状
態での下端部、以下、この方向を、同セクシヨン
起立状態を基準に上下方向として説明する）、お
よび同セクシヨン上端部の各内側に、それぞれ係
合凹部２８ａ，２９ａを備えた下部および上部両
支持金具２８，２９が、イーゼル支持セクシヨン
起立状態で係合凹部２８ａ，２９ａが上向き開口
する状態で設けられている。なお、上部支持金具
２９，２９は、第５，６図に示すイーゼル格納状
態でイーゼルＢに当たらない位置に退避しうるよ
うに、第４図に示す軸２９ｂまわりに回動可能に
取付けられている。一方、イーゼルＢには、基枠
５における受け板５２の左右両端面、および両側
柱５１，５１の中間部外側面にそれぞれ下部およ
び上部支軸５５，５６が横向きに突設されてい
る。これら支軸５５，５６は、それぞれ頭付き軸
状に形成され、下部支軸５５が下部支持金具２８
の係合凹部２８ａに、上部支軸５６が上部支持金
具２９の係合凹部２９ａにそれぞれ係合支持され
ることにより、イーゼルＢが、イーゼル支持セク
シヨン２ｂの前面部に装着される。なお、上部支
軸５６はねじ込み式に取付けられ、この上部支軸
５６の締込み力によつてイーゼルＢが確固と固定
されるようになつている。

イーゼルＢは、不使用時には、第５図に示すよ
うに縮小状態でボツクス本体Ａ内に格納される。
この場合、絵の具、絵筆等が収容される扁平な絵
の具箱ＣおよびパレツトＤを、イーゼルＢととも
にボツクス本体Ａ内に格納することができる。こ
のように絵画用品一式を一括してボツクス本体Ａ
内にコンパクトに格納でき、かつ、この格納状態
で全体をアタツシユケース風に持ち運ぶことがで
きるため、携帯、収納に便利となる。

一方、イーゼル使用時には、イーゼルＢをボツ
クス本体Ａから取出した後、ボツクス本体Ａを水
平にして開閉枠２のイーゼル支持セクシヨン２ｂ
を起立させ、イーゼルＢをこのセクシヨン２ｂに
装着したうえで、同セクシヨン２ｂの起立角度お
よびイーゼル長さ（高さ）を調整することによつ
て簡単に組立てることができる。そしてこの組立
状態で、ボツクス本体Ａが、固定枠１全体を接地
面として地面等に安定良く支持され、かつイーゼ
ルＢがこのボツクス本体Ａをイーゼル支持台とし
て安定良く支持されるため、イーゼル使用時の安
定性が良く、従来の三脚式のイーゼルのように振
動等によつてたやすく動揺したり倒れたりするお
それがなくなる。また、この組立状態で、ボツク
ス本体Ａが大きく開口するため、絵の具箱Ｃを同
本体Ａ内に収容したまま絵の具を出し入れするこ
とができる。なお、キヤンバス、画板等は、イー
ゼルＢの受け板５２に載せられて、基枠側柱５
１，５１およびスライド枠主柱６１に背面が支持
され、かつ必要に応じて押え板６２によつて上方
から押え固定される。

ところで、ボツクス本体ＡおよびイーゼルＢ
は、通常、ともに木製とするが、いずれか一方
（とくにボツクス本体Ａ）または双方を金属製と
してもよい。一方、開閉枠２のイーゼル支持セク
シヨン２ｂは、上記実施例のように自由に角度調
整しうるように構成するのが望ましいが、実際上
は一定角度で使用される場合が多いため、同セク
シヨン２ｂを角度一定に構成してもよい、また、
イーゼルＢの伸縮構造および長さ固定構造は上記
実施例以外に種々変更することができる。さら
に、このイーゼルを長さ不変とし、あるいはこの
長さ一定のイーゼルのうち押え板のみ上下スライ
ド自在としてもよい。

（考案の効果） 上記のように本考案によるときは、イーゼル使
用時には、ボツクス本体をイーゼル支持台として
イーゼルを安定良く支持でき、またイーゼル不使
用時または携帯時には、イーゼルを他の絵画用品
とともにボツクス本体内に格納し、全体をアタツ
シユケースのようにして効率良く収納、そして簡
単に持ち運ぶことができる等、実用上のすぐれた
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかるイーゼルボツ
クスのイーゼル使用状態の斜視図、第２図は同正
面図、第３図は同側面図、第４図は第２図−
線拡大断面図、第５図はイーゼル格納状態でかつ
ボツクス本体開放状態の斜視図、第６図は同ボツ
クス本体を閉じた状態の斜視図である。 Ａ……イーゼルボツクス本体、１……同本体の固
定枠、２……同開閉枠、３……両 枠連結用のヒ
ンジ部材、２ａ……開閉枠の基部セクシヨン、２
ｂ……同イーゼル支持セクシヨン、２１……両セ
クシヨン連結用のヒンジ部材、２２……イーゼル
支持セクシヨンを起立状態に保持する支持腕、Ｂ
……イーゼル、２８，２９……イーゼルをイーゼ
ル支持セクシヨンに保持するための支持金具、５
５，５６……同支軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定枠と開閉枠とが、互いの一端部でヒンジ部
   材を介して枢支連結されて、内部にイーゼルが収
   容される開閉自在なイーゼルボツクス本体が構成
   され、このイーゼルボツクス本体の開閉枠は、上
   記固定枠に枢支連結された側の基部セクシヨン
   と、これと反対側のイーゼル支持セクシヨンとに
   二分割され、イーゼル支持セクシヨンは、基部セ
   クシヨンに対しヒンジ部材を介して起伏回動可能
   に枢支連結され、かつ、上記開閉枠のイーゼル支
   持セクシヨンを上記基部セクシヨンに対して起伏
   状態に保持する手段と、イーゼル支持セクシヨン
   起立状態でイーゼルをこのイーゼル支持セクシヨ
   ンの前面部に保持する手段とを具備してなること
   を特徴とするイーゼルボツクス。