JP3543708B2 - 耐硫化物応力腐食割れ性に優れた油井用鋼材およびそれを用いた油井用鋼管の製造方法 - Google Patents

耐硫化物応力腐食割れ性に優れた油井用鋼材およびそれを用いた油井用鋼管の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油井或いはガス井用のケーシングやチュービング、掘削用のドリルパイプ、さらに輸送用のラインパイプなどに用いられる、耐硫化物応力腐食割れ性に優れた高強度の油井用低合金鋼材、およびこれを用いた油井用鋼管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、石油採掘の分野では、エネルギー事情の逼迫にともない、従来敬遠されていた硫化水素を含む腐食雰囲気中での採掘となるサワー化対応が強く求められるようになり、硫化物応力腐食割れ(以下、「SSC」と略称する)に対する高い抵抗性を示す油井用鋼材が求められている。一方、油井やガス井の深井戸化への対応、例えば、数千mの長い油井管を吊り下げ、鋼管本体に大きな荷重が加わることから、油井用鋼管には高強度化も要求されている。
【0003】
具体的には、従来広く用いられていた耐硫化物応力腐食割れ性(以下、「耐SSC性」という)に優れ、降伏応力(YS)が552〜655N/mm2(80ksi級:80〜95ksi)、または655〜758N/mm2(95ksi級:95〜110ksi)の鋼管に代えて、最近では、SSC性に優れると同時にYSが758〜862N/mm2(110ksi級:110〜125ksi)を満足するような高強度の油井用鋼管に対する要請も高まりつつある。
【0004】
通常、上述の高強度鋼管の要請に対しては、その油井用鋼材としてMn−Cr鋼、またはCr−Mo鋼を採用して、焼入・焼戻しの熱処理を施すことで対応している。すなわち、製造工程における焼入・焼戻し処理によって、鋼管の高強度および高靭性を確保することとし、さらに鋼中の焼戻しマルテンサイト組織によって、優れた耐SSC性を期待するものである。しかしながら、鋼材における耐食性と高強度化は相反する特性であり、鋼材の強度が増加するほど、SSCを発生し易い特性を具備することになる。したがって、硫化水素を多く含む腐食環境下で使用される鋼材の高強度化に関しては、耐SSC性の改善が最も大きな課題となる。
【0005】
油井用鋼材の耐SSC性の改善に関しては、上述の通り、マルテンサイト組織が耐SSC性に優れた性能を発揮することから、鋼材組織をマルテンサイト組織(約90%以上)にすることが行われてきた。しかし、マルテンサイト組織を得るための焼入・焼戻し処理が煩雑な製造プロセスとなり、熱効率の面からその効果は十分なものとは言えない。さらに、その他の耐SSC性の改善に関して、鋼材を細粒組織にしたり、PやS等の不純物元素をできるだけ少なくし、鋼を高清浄度化する等の対策が提案されている。しかし、これらの対策についても、問題がある。
【0006】
まず、鋼材組織を細粒化する対策では、鋼材の強度が高くなると、その脆性割れは主として結晶粒単位で進展するので、組織を細粒化すると割れに対する抑止力が増加するとしている。しかも、細粒組織そのものも強度上昇に寄与し、さらに、細粒化による単位体積当たりの粒界面積が増加するので、結果として不純物元素の粒界偏析が軽減され粒界脆化が防止されるので、一層、耐SSC性の改善が図れることになる。
【0007】
特公昭63-54765号公報では、上述の観点から、鋼材組織を細粒化し耐SSC性に優れた高強度鋼を製造するため、所定の化学成分組成を有する鋼材に、製管工程後に第1回目および第2回目と2回に及ぶ焼入・焼戻し処理を施すことを必須とする製法が提案されている。しかし、提案の方法では、作業効率の悪化をきたし、工程簡略化による製造コスト低減の動向に反することになる。
【0008】
次に、鋼の高清浄度化に関する対策では、SSCは遅れ破壊と同様に水素脆化の一種と認識して、粒界の脆化防止を図るため、不純物元素であるPやSを可能な限り少なくすることとしている。さらに、特公昭60-7697号公報では、鋼中の介在物に起因した破壊進展を防止するため、例えば、長く伸延したMnSの生成を抑制できるように、Caを添加して介在物を分散、球状化した耐SSC性と強度に優れる油井用鋼材が開示されている。
【0009】
しかしながら、特公昭60-7697号公報が開示するような、所定の化学組成であり、S量を低減し、さらにCaを添加した鋼材であっても、介在物の偏析低減が安定せず、耐SSC性評価試験として汎用されている NACE定荷重試験、例えば、NACE TM-0177 Method-Aに規定される定荷重試験において、耐SSC性が安定しないという問題がある。すなわち、開示された油井用鋼材で作製した直径6.4mmの丸棒引張試験片に定荷重を負荷し、772hrで破断しない限界負荷応力によって耐SSC性を評価した結果、高強度材で時々短時間で破断する現象が起こることがあり、性能上に問題があることが明らかになった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述の通り、従来から提案されていた油井用鋼材の耐SSC性の改善に関し、鋼材組織を細粒化しようとすると、作業効率の悪化をきたし、工程簡略化による製造コスト低減の動向に反することになる。また、鋼の高清浄度化に関する対策では、 NACE定荷重試験において耐SSC性が安定せず、高強度材で時々短時間で破断する現象が起こり、性能上に問題があった。
【0011】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたものであり、油井用として要求される高強度を有し、かつ、その強度に見合う優れた耐SSC性を有する油井用低合金鋼材、およびそれを用いた油井用鋼管を低廉な製造コストで工業的に、安定して製造することができる方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(1)の油井用鋼材、および(2)の油井用鋼管の製造方法を要旨とするものである。
【0013】
(1)質量%で、C:0.15〜0.30%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.10〜1.0%、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Cr:0.1〜1.5%、Mo:0.1〜1.0%、Al:0.003〜0.08%、N:0.008%以下、B:0.0005〜0.010%、Ca:0.001%以上およびCa+O(酸素):0.008%以下を含み、さらにTi:0.005〜0.05%、Nb:0.05%以下、Zr:0.05%以下、V:0.30%以下のうちの1種、または2種以上を含有し、残部はFeおよび不可避不純物からなり、かつ、鋼中の介在物性状が下記(a)および(b)式を満足することを特徴とする耐SSC性に優れた油井用鋼材である。
【0014】
Lx≦80μm ・・・ (a)
Kz≦10個/100mm2 ・・・ (b)
ただし、Lx:断面顕微鏡観察による連続した非金属介在物の最大長さ
Kz:断面顕微鏡観察による非金属介在物の粒径20μm以上の個数
(2) 上記(1)に記載の鋼材を用いて鋼管を製造するに際し、熱間加工により製管後、冷却することなく、そのまま直接焼入、若しくはAc3変態点以上の温度で保持した後焼入れし、次いでAcl変態点以下で焼戻しを行うことを特徴とする耐SSC性に優れた油井用鋼管の製造方法である。
【0015】
本発明者は、前述した課題を解決するために、SSC試験後の試験片を詳細に調査し、SSCの発生メカニズムについて検討した結果、Ca添加によってMnS系介在物の生成を抑制した鋼であっても、Ti(Nb、Zr)−C−N系の介在物、またはCa−Al−(Mg)−O系の介在物が大型介在物として存在すると、腐食環境下においてその部分が孔食発生の起点となり、耐SSC性を著しく悪化させることを明らかにした。
【0016】
そこで、耐SSC性に及ぼす鋼材成分の影響、さらに非金属介在物の形状と分布状況について種々の調査を実施した結果、上記に示す化学組成と、介在物性状を規定することによって、油井用鋼材およびそれも用いた鋼管の耐SSC性を著しく向上させることができることを知見した。上記の本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において、油井用鋼材の化学組成および非金属介在物の性状、並びに鋼管の熱処理条件を上記のように限定した理由を説明する。以下の説明において、化学組成%は、質量%を示す。
【0018】
1.油井用鋼材の化学組成等
C:0.15〜0.30%
Cは、焼入性を高めて強度と靭性を確保するうえで必要な元素である。しかし、その含有量が0.15%未満では焼入性が低下し、一方、0.30%を超えると焼入れにともない焼割れが発生し易くなる。したがって、C含有量は、0.15〜0.30%とする。
【0019】
Si:0.05〜1.0%
Siは脱酸元素として有効な元素であるが、鋼の脱酸作用を発揮させるには、少なくても0.05%の添加が必要であり、一方、1.0%を超えて添加すると、靭性の低下および耐食性の劣化をきたすことになる。したがって、Si含有量は、0.05〜1.0%とする。
【0020】
Mn:0.10〜1.0%
Mnは、Siと同様に脱酸作用を発揮する元素であり、その効果を発揮させるため、少なくても0.10%の添加が必要であり、1.0%を超えて添加すると、靭性の低下をきたすとともに、凝固偏析を起因とする耐食性の劣化がある。したがって、Mn含有量は、0.10〜1.0%のとする。
【0021】
P:0.025%以下
Pは鋼中に不可避的に存在する不純物であり、粒界に偏析して耐食性を劣化させる。その含有量が0.025%を超えると、耐SSC性の劣化が著しくなる。したがって、P含有量は0.025%以下とし、可能な限り含有量を少なくするのが望ましい。
【0022】
S:0.005%以下
Sは鋼中に不可避的に存在する不純物であり、耐SSC性を低下させる非金属介在物を生成する元素である。鋼中の含有量が多くなると、硫化物系の非金属介在物であるMnSを形成し、水素誘起割れの要因となり、その含有量が0.005%を超えると、耐SSC性の劣化が著しくなる。したがって、S含有量は0.005%以下とし、可能な限り含有量を少なくするのが望ましい。
【0023】
Cr:0.1〜1.5%
Crは焼入れ性を向上させ、耐食性を確保するのに有効な元素である。この効果を確実に得るには、少なくとも0.1%以上を含有することが必要である。一方、1.5%を超えて含有させると、鋼中への水素侵入を助長し、耐SSC性を劣化させることになる。したがって、Cr含有量は、0.1〜1.5%とする。
【0024】
Mo:0.1〜l.0%
Moは、Crと同様に、焼入れ性を向上させるとともに、焼戻し軟化抵抗性を高め、高温焼戻しを可能にし、耐SSC性を向上させる元素である。しかし、その含有量が0.1%未満では、その効果が発揮されない。一方、1.0%を超えて含有させてもその効果は飽和し、さらに粗大な炭化物を生成し、却って靭性と耐SSC性を劣化させることになる。したがって、Mo含有量は、0.1〜l.0%とする。
【0025】
Al:0.003〜0.08%
Alは脱酸および靭性確保に有効な元素であるが、その含有量が0.003%未満では、その効果を得ることができない。一方、0.08%を超えて含有させると、アルミナ系のクラスター状介在物が多数生成しやすくなり、靱性および耐SSC性が低下する。したがって、Al含有量は、0.003〜0.08%とする。
【0026】
N:0.008%以下
Nは不純物として鋼中に存在し、含有量が0.008%を超えると、靭性を劣化させるとともに、炭窒化物が多くなり、連続した大型介在物を形成し易くなるので、耐SSC性を劣化させる。したがって、N含有量は0.008%以下とするが、望ましい上限は、0.004%である。
【0027】
B:0.0005〜0.010%
Bは微量で焼入性を向上させ、粒界に微細析出して粒界強化を図り、耐SSC性を向上させる有効な元素である。含有量が0.0005%未満ではその効果は十分でなく、一方、含有量が0.010%を超えると、靭性が著しく劣化する。したがって、B含有量は、0.0005〜0.010%とする。
【0028】
Ca+O(酸素):0.008%以下
CaおよびOは、いずれも鋼中に不可避的に存在する不純物であり、耐SSC性を低下させる非金属介在物を生成する元素であり、これらの含有量は少ないほどよい。前述の通り、Sは硫化物系非金属介在物(MnS)を形成し、水素誘起割れの要因となる。この抑制対策として、一般的に、Ca添加して形態制御を行うことが実施されているが、Ca含有量が多い場合には、Ca−Al−O系のクラスター状の非金属介在物が局部的に集まることがあり、この場合にはSSC発生の起点となり、耐食性を著しく低下させる。同様に、O(酸素)もCa−Al−O系の非金属介在物を形成する元素であり、含有量を低減することによって、介在物を低減することができる。したがって、CaおよびOを合わせて規定することとした。
【0029】
後述する図1は、実施例のSSC試験における、Ca+O量と鋼中に分散する非金属介在物の粒径20μm以上の個数Kz(個/100mm2)との関係を示す図である。同図に示すように、Ca+O量を制限することによって、SSC発生の起点となり得る大型介在物の発生を抑制でき、耐SSC性を向上させることができる。そこで、S含有量を0.005%以下に限定するとともに、Ca含有を不純物として残存するSを固定するのに必要な最小限の添加に留めるものとし、Ca+O量で0.008%以下に限定する。
【0030】
Ti:0.005〜0.05%
Tiは結晶粒を微細化させると同時に、窒素をTiNとして固定し耐SSC性を向上させる。さらにNを固定することによって、焼入性を向上させるために添加するBを固溶状態に維持して、鋼の焼入性を確保することができる。この効果を達成するには、少なくとも0.005%の含有が必要である。しかし、含有量が多くなると、炭窒化物系介在物の量が多くなるとともに、形状も大きく連続し耐SSC性を劣化させるので、上限を0.05%に限定する必要がある。したがって、添加する場合には、Ti含有量は0.005〜0.05%とする。
【0031】
Nb:0.05%以下、Zr:0.05%以下、V:0.30%以下
Nb、ZrおよびVは、いずれも結晶粒を微細化し、また焼戻し軟化抵抗性を高める元素であり、靭性および耐SSC性を向上させる。Nb、Zrは過剰に含有させると、炭窒化物の量や大きさが増加し耐SSC性を劣化させるので、添加する場合には上限を0.05%に限定する必要がある。また、Vを過剰に含有させると、靭性が劣化するので、添加する場合には上限を0.30%に限定する。
【0032】
したがって、上述した鋼の焼入性や焼戻し軟化抵抗性を確保して、靭性および耐SSC性を向上させる場合には、Ti、Nb、ZrおよびVのうちの1種、または2種以上を含有する。
【0033】
非金属介在物の最大長さLxおよび粒径20μm以上の個数Kz
前述の通り、鋼中に大型非金属介在物が存在すると、SSC発生の起点となる孔食を発生させるので耐食性を著しく劣化させる。そこで、断面顕微鏡観察で確認できる、Ti−C−N系、またはCa−Al−(Mg)−O系の大型介在物を抑制するため、非金属介在物の最大長さLxおよび粒径20μm以上の個数Kzを下記(a)、(b)式で規定することとしている。
【0034】
Lx≦80μm ・・・ (a)
Kz≦10個/100mm2 ・・・ (b)
非金属介在物の最大長さLxを上記(a)式によって規定しているのは、80μmを超える連続した長い介在物が存在すると、MnSと同様にその部分への水素吸蔵が集中し、水素脆化若しくはSSC発生の起点となるためである。
【0035】
一方、金属介在物の粒径20μm以上の個数Kzを上記(b)式で規定しているのは、粒径20μm以上のものが多く存在すると、腐食環境中で孔食発生の起点となり易く、孔食が発生すると、その部分からSSCが進展することになるからである。そして、その個数Kzは、後述の図1に示すように、Ca+O量を調整することによってコントロールが可能である。
【0036】
さらに、最大長さLxおよび個数Kzは、連続鋳造等による冷却速度を速くすると同時に、鋳込温度制御(タンデッシュヒータ採用等)の採用や大型介在物の浮上分離の促進を図ることによっても制御することができる。
【0037】
2.油井用鋼管の熱処理条件
対象となる油井用鋼管は、上記化学組成の鋼を溶解し、脱ガスを十分に行なった後、鋳込み条件を制御して大型のクラスター状介在物の浮上分離を十分にさせながら鋳込みを行い、耐SSC性に優れた高清浄性の鋼塊または連続鋳造によるブルーム若しくは丸ビレットを製造する。次いで、必要により分塊圧延等で所定径のビレットとした後、熱間加工により所定の寸法の鋼管とする。
【0038】
本発明の製造方法では、熱間加工により製管後、冷却することなく、そのまま直接焼入、若しくはAc3変態点以上の温度で保持した後焼入れし、次いでAcl変態点以下で焼戻しを行うものである。したがって、熱間製管後に冷却することなく、焼入・焼戻し処理することに大きな特徴がある。
【0039】
従来は、耐SSC性に優れた結晶粒度の微細なマルテンサイト組織にするために、一旦冷却後、再度Ac3変態点以上に加熱して焼入・焼戻し処理を行っていた。しかし、製造プロセスとしても煩雑となり、熱効率の面からも製造コストを押し上げる要因となっていた。
【0040】
そこで、耐SSC性に優れた低合金鋼材として最適な化学組成を選択して、これらを含有する鋼材を素管ビレットとして使用し、熱間製管後冷却することなく、そのまま直接焼入若しくはAc3変態点以上の温度で保持した後、焼入れし、次いで所定の強度になるようAcl変態点以下で焼戻しを行うことによっても、従来の製造プロセスと同等の耐SSC性を有することを確認した。これにより、製造プロセスを簡略化し、低廉な製造コストで耐SSC性に優れた高強度の油井用鋼管を安定して製造できるようになった。
【0041】
【実施例】
本発明方法で製造された油井用鋼材の効果を確認するため、ラボ溶解および実機溶解によって表1に示す化学組成の17種の鋼を溶製して、引張強度、非金属介在物の顕微鏡観察および耐SSC性の評価を実施した。鋼種No.1〜5および7〜12はそれぞれ150kgVIMでラボ溶解後、厚さ20mm、幅100mm板に鍛造し、920℃で20分加熱後水冷焼入れした後、降伏応力で720〜850N/mm2になるようにAc1変態点以下の所定の温度で焼戻しを行い供試材とした。
【0042】
一方、鋼種No.AおよびC〜Gは、150ton炉で実機溶解して鋳込み後、分塊圧延により丸ビレットにし、その後、マンネスマン方式による熱間圧延により外径250mm肉厚15mmの鋼管を製管し、そののち冷却することなく、Ac3変態点以上の950℃に保持した加熱炉で均熱後、水冷焼入し、その後所定強度になるようにAc1変態点以下の温度で焼戻しを行って供試材とした。
【0043】
【表1】
Figure 0003543708
【0044】
各供試材の清浄性を評価するため、ミクロ研磨後、断面顕微鏡観察によって、Ti−C−N系炭窒化物およびCa−Al−(Mg)−O系酸化物等の非金属介在物の最大長さLxと粒径20μm以上の個数Kzを測定した。介在物の最大長さは、個々の介在物の間が1μm以下の場合、連続したものと見なして最大長さLz(μm)とした。一方、介在物の個数Kzは、研磨面を顕微鏡で全視野観察し、粒径20μm以上の個数をカウントして、これを100mm2当たりの個数に換算した。
【0045】
耐SSC性の評価は、直径6.4mmで平行部25.4mmの丸棒引張試験片を供試材の肉厚中央から採取し、NACE TM-0177 Method-Aに規定される定荷重タイプのSSC試験を実施した。具体的な要領としては、硫化水素で飽和した25℃の0.5%酢酸+5%食塩水中での定荷重試験であり、硫化水素の分圧は1気圧とし、試験は負荷応力を降伏応力の80%とし、720時間浸漬後破断の有無により評価した。SSC試験はバラツキを確認するため、各供試材ともN数3個で評価した。その判定結果は、○:3個試験中3個とも破断なし、△:3個試験中1個破断、▲:3個試験中2個破断、および×:3個とも破断、とした。
【0046】
【表2】
Figure 0003543708
【0047】
上記の引張強度、非金属介在物の顕微鏡観察および耐SSC性の評価結果を表2に示す。本発明例である鋼種No.1〜5ならびにNo.A、CおよびDは、ラボ溶解、実機溶解の別に拘わらず、引張強度がYSが738〜820N/mm2と100〜110ksi級に相当する高強度が確保され、同時に耐SSC値の判定結果も良好であった。
【0048】
図1は、本実施例のSSC試験における、Ca+O量と非金属介在物の粒径20μm以上の個数Kz(個/100mm2)との関係を示す図である。同図に示すように、Ca+O量を0.008%以下に制限し、さらに介在物の粒径20μm以上の個数Kzを10個/100mm2 以下と規定することによって、SSC発生の起点となり得る大型介在物の発生を抑制できる。
【0049】
比較例のうち、No.7〜11、No.E〜GはCa+O量または/および非金属介在物の粒径20μm以上の個数Kzの条件を満足しないため、耐SSC値の判定結果は劣るものとなっている。また、比較例のNo.12、No.Gは、非金属介在物の最大長さLzが90〜112μmと前記(b)式の規定範囲を外れるため、いずれも耐SSC性が劣っていることが分かる
【0050】
【発明の効果】
本発明の油井用鋼材によれば、化学成分を限定すると同時に、鋼中の非金属介在物の性状を限定することにより、油井用として要求される高強度を有し、かつ、その強度に見合う優れた耐SSC性を有する油井用低合金鋼材が得られる。しかも、これを用いれば、製造プロセスを簡略化し、低廉な製造コストで耐SSC性に優れた高強度の油井用鋼管を安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のSSC試験における、Ca+O量と非金属介在物の粒径20μm以上の個数Kz(個/100mm2)との関係を示す図である。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.15〜0.30%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.10〜1.0%、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Cr:0.1〜1.5%、Mo:0.1〜1.0%、Al:0.003〜0.08%、N:0.008%以下、B:0.0005〜0.010%、Ca:0.001%以上およびCa+O(酸素):0.008%以下を含み、さらにTi:0.005〜0.05%、Nb:0.05%以下、Zr:0.05%以下、V:0.30%以下のうちの1種、または2種以上を含有し、残部はFeおよび不可避不純物からなり、かつ、鋼中の介在物性状が下記(a)および(b)式を満足することを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性に優れた油井用鋼材。
    Lx≦80μm ・・・ (a)
    Kz≦10個/100mm2 ・・・ (b)
    ただし、Lx:断面顕微鏡観察による連続した非金属介在物の最大長さ
    Kz:断面顕微鏡観察による非金属介在物の粒径20μm以上の個数
  2. 請求項1に記載の鋼材を用いて鋼管を製造するに際し、熱間加工により製管後、冷却することなく、そのまま直接焼入、若しくはAc3変態点以上の温度で保持した後焼入れし、次いでAc1変態点以下で焼戻しを行うことを特徴とする耐硫化物応力腐食割れ性に優れた油井用鋼管の製造方法。
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