JP3543651B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の変速制御装置、特に摩擦要素の作動油圧を低下時において適切に過渡制御するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機は、クラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素のうち、選択された摩擦要素を油圧作動させることにより対応変速段へのアップシフトが可能であり、同摩擦要素を作動油圧の低下で非作動にすることにより元の変速段へのダウンシフトが可能である。
【0003】
ここで、上記摩擦要素を油圧作動させて行うアップシフトに際しては、そのための作動油圧の上昇時に当該油圧を一時的に所定の棚圧に保って前記摩擦要素の作動を滑らかに進行させ、もって変速品質の向上を図る工夫が一般的にはなされている。
そして、上記摩擦要素を作動油圧の低下で非作動にすることにより行うダウンシフトに際しても、同様の工夫により摩擦要素の非作動を滑らかに進行させるようにして変速品質の向上を図ることが要求される。
【0004】
そこで従来、例えば特開平9−217825号公報に記載のように、前者のアップシフト時における要求を満足させるために設置した変速アキューム弁を利用する等して、摩擦要素の作動油圧をダウンシフトに際し低下させる時、この作動油圧を一時的に所定の棚圧に保って、後者のダウンシフト時における要求をも満足させ得るようにした自動変速機を本願出願人は先に提案済みである。
この棚圧設定技術は、図9に示すように瞬時t1 にアクセルペダルの踏み込みによってスロットル開度TVOを2/8から4/8に増大させたことで生ずる踏み込みダウンシフト、例えばバンドブレーキが作動油圧PO の低下により非作動にされることによって生ずる踏み込み2→1ダウンシフトの場合について説明すると、
バンドブレーキ作動油圧PO の棚圧PO1を制御するために上記変速アキューム弁に作用させているプレッシャーモディファイア圧Pm を、当該ダウンシフト変速指令瞬時t1 から変速時間をカバーする所定期間中、変速時用の低いエンジン負荷対応圧Pm1に低下させておき、これによりバンドブレーキ作動油圧PO にその低下中に棚圧(通常は抜き棚と称せられる)PO1を設定するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のようにプレッシャーモディファイア圧Pmを変速時用のエンジン負荷対応圧Pm1に低下させてバンドブレーキ作動油圧PO に低下中の棚圧(抜き棚)PO1を設定する場合、図9に示すようにアキューム弁の動作によって発生させる棚圧の棚圧発生期間が比較的短くなる傾向にあり、バンドブレーキ作動油圧PO が棚圧PO1から更に低下してバンドブレーキを完全に非作動状態に向かわせ始める棚圧終了瞬時t2に未だエンジン回転数Ne が変速後回転数に至っておらず、結局は棚圧終了瞬時t2 以後の瞬時t3 になって初めて変速が終了するといったような、所謂棚外れ変速になることがあった。
この場合、同図における変速機出力トルクTO の時系列波形から明らかなように、変速終了瞬時t3 の近くにおいて大きなピークトルクαが発生し、これが変速ショックを悪化させることになる。
【0006】
この傾向は、変速に要する変速時間が長くなって変速終了瞬時t3 が遅くなる高車速ほど顕著になる。
なお、プレッシャーモディファイア圧Pm に与える変速時用エンジン負荷対応圧Pm1を図9の1点鎖線で示すように低下させれば、バンドブレーキ作動油圧PO の抜き棚PO1も1点鎖線で示すように低くなり、結果としてアキューム弁の動作によって発生させる棚圧の棚圧発生期間が長くなることから、上記の棚外れ変速を防止することができる。
しかし、かようにして棚外れ変速を防止するのでは、バンドブレーキ作動油圧PO の抜き棚PO1がバンドブレーキの滑り結合を維持できないほどに低下してしまい、バンドブレーキ作動油圧PO が抜き棚PO1に低下したところでバンドブレーキが直ちに非作動状態にされ、この場合も変速ショックが悪化して有効な対策にはなり得ないことを確かめた。
【0007】
請求項1に記載の第1発明は上記の実情に鑑み、抜き棚自身に変更を加えることなく抜き棚の終了時期を遅らせ、これにより変速の終了時に未だ規定の棚圧が存在するようにして前記棚外れ変速の問題を回避し得るようにした自動変速機の変速制御装置を提案することを目的とする。
【0008】
請求項2に記載の第2発明は、如何なる車速のもとでも第1発明の狙いを達成し得るようにした自動変速機の変速制御装置を提案することを目的とする。
【0009】
請求項3に記載の第3発明は、前記抜き棚の終了時期に関する遅延をタイマ制御に頼ることなく、トルクコンバータの入出力回転比をもとに一層正確に制御し得るようにした自動変速機の変速制御装置を提案することを目的とする。
【0010】
請求項4に記載の第4発明は、如何なる車速のもとでも第3発明の狙いを達成し得るようにした自動変速機の変速制御装置を提案することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
これらの目的のため、第1発明による自動変速機の変速制御装置は、
選択された摩擦要素を油圧作動させることにより対応変速段へのアップシフトが可能で、該摩擦要素を作動油圧の低下で非作動にすることにより元の変速段へのダウンシフトが可能であり、該作動油圧を前記低下時に一時的にエンジントルクに基づくエンジン負荷対応圧に応じた棚圧に保つアキューム弁を有して、前記摩擦要素の非作動を滑らかに進行させるようにした自動変速機において、
前記ダウンシフトの開始から設定時間中、前記エンジン負荷対応圧をエンジントルクに基づく値よりも小さな値にして、前記作動油圧を前記棚圧よりも低い初期油圧に保ち、前記ダウンシフトの開始よりも該設定時間だけ遅れて前記エンジン負荷対応圧をエンジントルクに基づく値にして前記作動油圧を前記棚圧にし、前記アキューム弁の動作によって発生させる棚圧の棚圧発生期間を前記ダウンシフトの開始から設定時間だけ遅延させるよう構成したことを特徴とするものである。
【0012】
第2発明による自動変速機の変速制御装置は、第1発明において、
前記設定時間を高車速であるほど長くしたことを特徴とするものである。
【0013】
第3発明による自動変速機の変速制御装置は、第1発明において、
トルクコンバータの入出力回転比が設定回転比に低下するまでの時間を前記設定時間としたことを特徴とするものである。
【0014】
第4発明による自動変速機の変速制御装置は、第3発明において、
前記設定回転比を高車速であるほど、変速終了時におけるトルクコンバータの変速後入出力回転比に近い値としたことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の効果】
第1発明において自動変速機は、選択された摩擦要素の油圧作動により対応変速段へアップシフトされ、この摩擦要素を作動油圧の低下で非作動にすることにより元の変速段へダウンシフトされる。
そして後者のダウンシフト時に上記摩擦要素の非作動を滑らかに進行させるため、当該摩擦要素の作動油圧を上記の低下時に一時的に所定の棚圧に保つに際し第1発明においては、上記ダウンシフトの開始から設定時間中、前記エンジン負荷対応圧をエンジントルクに基づく値よりも小さな値にして上記作動油圧を上記棚圧よりも低い初期油圧に保ち、ダウンシフトの開始よりも該設定時間だけ遅れて前記エンジン負荷対応圧をエンジントルクに基づく値にして前記作動油圧を前記棚圧にし、前記アキューム弁の動作によって発生させる棚圧の棚圧発生期間を前記ダウンシフトの開始から設定時間だけ遅延させる。
【0016】
これがため、従来のように低下中の作動油圧をダウンシフトの開始から直ちに所定の棚圧に向かわせるのでは前記したごとく、アキューム弁の動作によって発生させる棚圧の棚圧発生期間が完了してこれが消失した後に変速が終了するといった棚外れ変速になるところながら、
第1発明においては、ダウンシフトの開始よりも上記設定時間だけ遅れて作動油圧を棚圧にする遅延制御により、棚圧発生期間が完了してこれが消失する前に変速が終了するようになすことができ、上記棚外れ変速の問題を解消して変速ショックが悪化するのを防止することができる。
【0017】
しかも、棚圧自身を低下させることなく上記の作用効果を達成し得るために、ダウンシフト時における摩擦要素の必要な引きずりトルクが損なわれることがなく、作動油圧が棚圧に低下した時に直ちに摩擦要素が解放されてしまって、これに伴う変速ショックが発生するという問題を生ずることもない。
また第1発明においては、上記棚圧の遅延制御のために存在するダウンシフトの開始から設定時間中、上記作動油圧を上記棚圧よりも低い初期油圧に保つこととしたから、
当該低い初期油圧が摩擦要素の引きずりを助長して引きずりトルクを少なくするために、変速応答を高めて変速時間を短縮することができる。
【0018】
第2発明においては、上記設定時間を高車速であるほど長くしたから、以下の作用効果が得られる。
つまり、変速に要する変速時間は高車速ほど回転エネルギーの増大で長くなり、従って高車速ほど変速の終了時期が遅れて上記棚外れの度合いが強くなるが、第2発明のように上記設定時間を高車速であるほど長くする場合、高車速時ほど棚圧の消失時期が大きく遅延されて、如何なる車速のもとでも棚圧の消失後に変速が終了するような棚外れ変速が発生するのを確実に防止することができる。
【0019】
第3発明においては、トルクコンバータの入出力回転比が設定回転比に低下するまでの時間を前記設定時間としたから、第1発明の棚圧遅延制御をタイマによることなく、トルクコンバータの入出力回転比をもとに一層実情にマッチさせて正確に遂行することができる。
【0020】
第4発明においては、上記トルクコンバータの入出力回転比に係わる設定回転比を高車速であるほど、変速終了時におけるトルクコンバータの変速後入出力回転比に近い値としたから、
高車速ほど棚圧の遅延を大きくすることとなり、如何なる車速のもとでも棚圧の消失後に変速が終了するような棚外れ変速が発生するのを確実に防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明一実施の形態になる変速制御装置のシステム図で、本実施の形態においては、自動変速機における複数の摩擦要素のうち、特にバンドブレーキB/Bを油圧作動(締結)させることにより行われる1→2アップシフト変速と、バンドブレーキB/Bを非作動(解放)にすることにより行われる2→1ダウンシフト変速に対して、本発明の着想を適用する。
【0022】
バンドブレーキB/Bの作動油圧回路を説明するに、11は、1−2シフト弁、12は、1−2アキューム弁をそれぞれ示す。
1−2シフト弁11は、ソレノイド圧PS が存在しない常態でスプリング11aにより、出力ポート11bを入力ポート11cと通じた状態にされ、ソレノイド圧PS を供給されるときこの圧力により、出力ポート11bをドレンポート11dと通じた状態にされるものとする。
ここで上記の入力ポート11cには、前進走行レンジでライン圧PL を供給され続けるものとする。
【0023】
1−2アキューム弁12は、アキュムレータピストン13と、調圧弁14と、これら両者間に介在させたアキュムレータスプリング15とで構成する。
調圧弁14はアキュムレータスプリング15により、出力ポート14aを入力ポート14bと通じた状態にされているため、入力ポート14bに1−2シフト弁11からのライン圧PL を供給されるとき、このライン圧PL を元圧としてバンドブレーキB/Bの作動油圧PO をポート14aより出力し、この作動油圧PO を、回路16により調圧弁14へフィードバックすると共に、回路17によりバンドブレーキB/Bに向かわせるものである。
【0024】
回路17の作動油圧PO は更に、逆止弁18aおよびオリフィス18bの並列回路により構成した入り絞り18を経てアキュムレータピストン13のスプリング15から遠い受圧面に作用させ、これと対向するようアキュムレータピストン13の反対側の受圧面に、そしてアキュムレータピストン13と対面する調圧弁14の受圧面にそれぞれ、プレッシャモディファイア圧Pm を作用させる。
【0025】
なお逆止弁18aは、回路17からアキュムレータピストン13へ向かう油流に対して逆止機能を持つ向きに配置し、プレッシャモディファイア圧Pm は、エンジンスロットル開度に代表されるエンジン負荷の増大に比例して高くなるエンジン負荷対応圧とし、後で詳述するようにして作り出すものとする。
【0026】
ここで、1−2シフト弁11の出力ポート11bと、調圧弁14の入力ポート14bとは、逆止弁19aおよびオリフィス19bの並列回路により構成したワンウエイオリフィス19を介して接続し、逆止弁19aは、調圧弁14の入力ポート14bから1−2シフト弁11の出力ポート11bへ向かう油流に対して逆止機能を持つ向きに配置する。
よってワンウエイオリフィス19は、作動油圧PO が低下するときに有効な、抜け側のワンウエイオリフィスとして機能するものとする。
【0027】
プレッシャモディファイア圧Pm は、変速制御のためのコントローラ21によりプレッシャーモディファイア弁22を介してデューティ制御下に作り出すこととし、プレッシャーモディファイア弁22には、ライン圧PL を元圧としてパイロット弁27が作り出した一定のパイロット圧PP を入力する。
プレッシャーモディファイア弁22はパイロット圧PP を元圧とし、コントローラ21からの駆動デューティDが増大するにつれてプレッシャモディファイア圧Pm を上昇させるよう機能するものであるが、
コントローラ21は、バンドブレーキB/Bを締結させて行う1→2変速に際しては終始プレッシャモディファイア圧Pm がエンジン負荷に比例して高くなるエンジン負荷対応圧となるようデューティDを決定するも、バンドブレーキB/Bを解放させて行う2→1変速に際しては本発明の目的のために後で詳述するごとく、プレッシャモディファイア圧Pm が当初の設定時間中エンジン負荷対応圧よりも低くなるよう、その後エンジン負荷対応圧となるようデューティDを決定するものとする。
【0028】
コントローラ21は、上記したようにプレッシャーモディファイア弁22の駆動デューティDを決定する他に、ソレノイド圧PS の出力および消失を含む本来の変速制御をも行うもので、
これらの目的のためコントローラ21には、エンジンスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ23からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ24からの信号と、エンジン回転数Ne を検出するエンジン回転センサ25からの信号と、変速機出力回転数NO を検出する出力回転センサ26からの信号とをそれぞれ入力する。
【0029】
上記実施の形態になる変速制御装置の作用を次に説明する。
コントローラ21は、スロットル開度TVOおよび車速VSPから予定の変速マップをもとに好適変速段を求め、当該好適変速段への変速が行われるよう変速信号を出力する。
そして、1→2変速すべきと判定した時はソレノイド圧PS を消失するような変速指令を発し、この時1−2シフト弁11はソレノイド圧PS の消失により、出力ポート11bを入力ポート11cに通ずる位置に切り換わる。
調圧弁14は、入力ポート14bに1−2シフト弁11から逆止弁19aを経てライン圧PL を供給され、このライン圧PL を元圧としてバンドブレーキB/Bの作動油圧PO をポート14aより出力し、バンドブレーキB/Bを油圧Po の上昇につれ締結進行させる。
【0030】
この作動油圧PO は一方で、回路16により調圧弁14へ図中上方へフィードバックされて、作動油圧PO の上昇につれ調圧弁14を、出力ポート14aがドレンポート14cに通じる傾向となし、他方で作動油圧PO は、オリフィス18bを経てアキュムレータピストン13に作用し、油圧PO の上昇につれてアキュムレータスプリング15を圧縮しつつ、またプレッシャモディファイア圧Pm に抗してアキュムレータピストン13をストロークさせる。
よって、作動油圧PO の上昇につれアキュムレータスプリング15は、調圧弁14を図中下方に押す力を増大させ、出力ポート14aを入力ポート14bに通じさせる傾向となす。
調圧弁14にはその他に、プレッシャモディファイア圧Pm が図中下向きに作用している。
【0031】
従って調圧弁14は、図中上下方向の力がバランスするよう作動油圧PO を調圧しつつ、これを上昇させる。
ところで当該1→2変速中は、調圧弁14を図中下方に押すプレッシャモディファイア圧Pm が前述のごとく終始、エンジン負荷の増大につれて高くなるエンジン負荷対応圧にされていることから、作動油圧PO はエンジン負荷に応じた棚圧を持った経時変化で上昇するよう過渡制御される。
付言すれば、作動油圧PO の棚開始圧は低エンジン負荷で低く、高エンジン負荷で高くなり、作動油圧PO の棚圧上昇勾配も低エンジン負荷で小さく、高エンジン負荷で大きくなる。
【0032】
よって、作動油圧PO により締結作動されるバンドブレーキB/Bは、如何なるエンジン負荷のもとでも、好適な時系列変化で締結を進行されることとなり、大きな変速ショックの発生や、変速が間延びするといった弊害を解消することができる。
【0033】
次いでコントローラ21が2→1変速させるべきと判定した時は、ソレノイド圧PS を発生させるような変速信号を出力し、この時1−2シフト弁11はソレノイド圧PS の発生により、出力ポート11bをドレンポート11dに通ずる位置に切り換わる。
この時、調圧弁14が当初、出力ポート14aを入力ポート14bに通じていても、1−2シフト弁11が出力ポート11bをドレンポート11dに通じることから、作動油圧PO は1−2シフト弁11によりドレンされて低下し、バンドブレーキB/Bの解放を進行させる。
【0034】
この作動油圧PO のドレンは、オリフィス19bにより速度を制限され、他方で、作動油圧PO のドレンに関与するアキュムレータピストン13の図中上方への戻りストロークが、アキュムレータスプリング15およびプレッシャモディファイア圧Pm により行われることから、作動油圧PO のドレン速度は、調圧弁14による前記の調圧作用と相俟って、プレッシャモディファイア圧Pm に応じた棚開始圧および棚圧低下勾配の棚圧を持つよう過渡制御される。
【0035】
ここで、アキュムレータピストン13および調圧弁14間に作用して、アキュムレータピストン13を図中上方へ押し戻し、且つ、調圧弁14を図中下方に押すプレッシャモディファイア圧Pm をコントローラ21は、当該2→1ダウンシフト時に図2のプログラムにより以下のごとくに制御する。
先ずステップ31において、図3に例示するマップを基に車速VSPから棚圧遅延用の設定時間Tを読み出す。この棚圧遅延用の設定時間Tは、棚圧の消失後に変速が終了するのを補償するような長さとして予め実験などにより決めておくが、高車速ほど変速時間が長くなって変速の終了が遅くなることから、図3に例示するごとく棚圧遅延用の設定時間Tを車速の上昇につれて長くする。
【0036】
次のステップ32では、遅延タイマTMを起動させて当該2→1ダウンシフトの開始からの経過時間(同じ符号TMで示す)を計測し、ステップ33で、2→1変速の開始から経過時間TMが上記の設定時間T以上を示しているか否かを、つまり図8の変速開始瞬時t1 から上記の設定時間Tが経過する瞬時t2 の後か否かを判定する。
設定時間Tが経過するまでの間、つまり図8の瞬時t2 よりも前なら、ステップ34において、図6に示す予定のマップを基に車速VSPから棚圧遅延中の初期油圧用モディファイア圧Pm0を検索し、プレッシャーモディファイア圧Pm が初期油圧用モディファイア圧Pm0となるようなデューティDをプレッシャーモディファイア弁22に出力する。
ここで初期油圧用モディファイア圧Pm0は、プレッシャーモディファイア圧Pm を前記したエンジン負荷対応圧Pm1(図8参照)にした時の棚圧PO1よりも低い値PO0に作動油圧PO がなるようなモディファイア圧とする。
【0037】
設定時間Tが経過した後、つまり図8の瞬時t2 よりも後なら、ステップ35において、図7に示す予定のマップを基に車速VSPから変速時棚圧用モディファイア圧Pm1を検索し、プレッシャーモディファイア圧Pm が変速時棚圧用モディファイア圧Pm1となるようなデューティDをプレッシャーモディファイア弁22に出力する。
ここで変速時棚圧用モディファイア圧Pm1は、前記したエンジン負荷対応圧そのものとし、従って図8に示すごとく当該瞬時t2 以後作動油圧PO を瞬時t4 までの間、従来通りのエンジン負荷に対応した変速時用の棚圧PO1にすることができる。
【0038】
なお、ステップ34によるプレッシャーモディファイア圧Pm の制御は、ステップ36で変速の終了が検知されない限りにおいて、ステップ33が変速開始から設定時間Tが経過したと判定するまで継続し、
またステップ35によるプレッシャーモディファイア圧Pm の制御は、ステップ36で変速の終了が検知されるまで継続する。
【0039】
上記のようにして図8に示すごとくにプレッシャーモディファイア圧Pm を制御するために、作動油圧PO は、変速開始瞬時t1 から上記の設定時間Tが経過する瞬時t2 までの間、エンジン負荷に応じた変速時用の棚圧PO1にされるのを遅延され、当該遅延中は作動油圧PO を棚圧遅延中の初期油圧PO0にしておくことができ、設定時間Tが経過する瞬時t2 以後に初めて作動油圧PO は、従来通りのエンジン負荷に対応した変速時用の棚圧PO1にされる。
これがため、変速が終了する図8の瞬時t3 に未だ変速時用の棚圧PO1が存在することとなり、前記した棚外れ変速を生ずることがなくて、変速機出力トルクTO の波形から明らかなように変速ショックが悪化するのを防止することができる。
【0040】
しかも、棚圧PO1自身を低下させることなく上記の作用効果を達成し得るために、2→1ダウンシフト時におけるバンドブレーキB/Bの必要な引きずりトルクが損なわれることがなく、作動油圧PO が棚圧PO1に低下した時に直ちにバンドブレーキB/Bが解放されてしまって、これに伴う変速ショックが発生するという問題を生ずることもない。
また本実施の形態においては、上記棚圧遅延制御のために存在する2→1ダウンシフトの開始t1 から瞬時t2 までの設定時間T中、作動油圧PO を棚圧PO1よりも低い初期油圧PO0に保つこととしたから、当該低い初期油圧がバンドブレーキB/Bの引きずりを助長して引きずりトルクを少なくするために、変速応答を高めて変速時間を短縮することができる。
【0041】
また、上記の設定時間Tを図4に示すように高車速である時ほど長くしたから、以下の作用効果が得られる。
つまり、変速に要する変速時間は高車速ほど回転エネルギーの増大で長くなり、従って高車速ほど変速の終了時期t3 が遅れて棚外れ変速の度合いが強くなるが、上記のように設定時間Tを高車速であるほど長くする場合、高車速時ほど棚圧の消失時期t4 が大きく遅延されて、如何なる車速のもとでも棚圧の消失後に変速が終了するような棚外れ変速が発生するのを確実に防止することが可能となる。
【0042】
なお上記した実施の形態においては、変速開始から設定時間Tの間、棚圧の発生を遅延させることとしたが、当該遅延の程度は図8から明らかなようにエンジン回転数Ne がNeSで示すような値に上昇した時と定めることもできる。
ところで、変速は極く短い期間に行われるから変速中は変速機出力回転数NO が一定であると見做すことができるため、エンジン回転数Ne が上記棚圧遅延用のエンジン回転数設定値NeSに上昇した時というは、
変速機出力回転数NO にギヤ比iを掛けて求め得る変速機入力回転数(トルクコンバータ出力回転数)とトルクコンバータ入力回転数であるエンジン回転数Ne との比で表されるトルクコンバータ入出力回転比r〔=(NO ×i)/Ne 〕が、図5に例示するごとく変速後のトルクコンバータ入出力回転比rF を基準に定めたトルクコンバータ入出力回転比設定値Rまで低下した時ということになる。
【0043】
図3はこの観点から、図2のステップ31〜33を図3のステップ41〜43に置換したもので、先ずステップ41において、図5の実線で示すマップをもとに車速VSPからトルクコンバータ入出力回転比設定値Rを検索し、次いでステップ42において、トルクコンバータ入出力回転比r〔=(NO ×i)/Ne 〕を算出する。
そしてステップ43では、トルクコンバータ入出力回転比rが設定値Rに低下したか否かにより図8の瞬時t2 に至ったか否かを判定し、当該瞬時t2 よりも前なら、ステップ34において、図6に示す予定のマップを基に車速VSPから棚圧遅延中の初期油圧用モディファイア圧Pm0を検索し、プレッシャーモディファイア圧Pm が初期油圧用モディファイア圧Pm0となるようなデューティDをプレッシャーモディファイア弁22に出力する。
【0044】
ステップ43で、トルクコンバータ入出力回転比rが設定値Rまで低下した図8の瞬時t2 以後である判定する時は、ステップ35において、図7に示す予定のマップを基に車速VSPから変速時棚圧用モディファイア圧Pm1を検索し、プレッシャーモディファイア圧Pm が変速時棚圧用モディファイア圧Pm1となるようなデューティDをプレッシャーモディファイア弁22に出力する。
【0045】
よって本実施の形態においても、図8に示すごとくにプレッシャーモディファイア圧Pm を制御することとなり、作動油圧PO は、変速開始瞬時t1 からトルクコンバータ入出力回転比rが設定値Rに低下する瞬時t2 までの間、エンジン負荷に応じた変速時用の棚圧PO1にされるのを遅延され、当該遅延中は作動油圧PO を棚圧遅延中の初期油圧PO0にしておくことができ、瞬時t2 以後に初めて作動油圧PO は、従来通りのエンジン負荷に対応した変速時用の棚圧PO1にされる。
これがため、変速が終了する図8の瞬時t3 に未だ変速時用の棚圧PO1が存在することとなり、前記した棚外れ変速を生ずることがなくて変速ショックが悪化するのを防止することができる。
【0046】
ところで本実施の形態においては、図2につき前述したようにタイマTMによることなく、トルクコンバータの入出力回転比rをもとに棚圧遅延制御を一層実情にマッチさせて正確に遂行することができる。
なお本実施の形態においては特に、トルクコンバータ入出力回転比の設定値Rを図5に示すように高車速であるほど、変速終了時における変速後トルクコンバータ入出力回転比rF に近い値とする。
これがため本実施の形態においても、高車速ほど棚圧の遅延を大きくすることとなり、如何なる車速のもとでも棚圧の消失後に変速が終了するような棚外れ変速が発生するのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になる変速制御装置を示す自動変速機の変速制御油圧回路図である。
【図2】同実施の形態においてコントローラが実行する2→1ダウンシフト時の変速制御プログラムを示すフローチャートである。
【図3】本発明の他の実施の形態になる2→1ダウンシフト時の変速制御プログラムを示すフローチャートである。
【図4】図2に示す実施の形態で設定する棚圧遅延用の設定時間に係わる変化特性を示した線図である。
【図5】図3に示す実施の形態で設定するトルクコンバータ入出力回転比の設定値に係わる変化特性を示した線図である。
【図6】変速時棚圧用プレッシャーモディファイア圧の変化特性図である。
【図7】棚圧遅延中における初期油圧用プレッシャーモディファイア圧の変化特性図である。
【図8】本発明による変速制御を採用した場合における棚圧制御の動作タイムチャートである。
【図9】従来の変速制御を採用した場合における棚圧制御の動作タイムチャートである。
【符号の説明】
11 1−2シフト弁
12 1−2アキュ−ム弁
13 アキュムレータピストン
14 調圧弁
15 アキュムレータスプリング
16 作動油圧フィードバック回路
17 作動油圧供給回路
18 入り絞り
18a オリフィス
18b 逆止弁
19 抜け側ワンウエイオリフィス
19a オリフィス
19b 逆止弁
21 コントローラ
22 プレッシャーモディファイア弁
23 スロットル開度センサ
24 車速センサ
25 エンジン回転センサ
26 出力回転センサ
27 パイロット圧弁

Claims (4)

  1. 選択された摩擦要素を油圧作動させることにより対応変速段へのアップシフトが可能で、該摩擦要素を作動油圧の低下で非作動にすることにより元の変速段へのダウンシフトが可能であり、該作動油圧を前記低下時に一時的にエンジントルクに基づくエンジン負荷対応圧に応じた棚圧に保つアキューム弁を有して、前記摩擦要素の非作動を滑らかに進行させるようにした自動変速機において、
    前記ダウンシフトの開始から設定時間中、前記エンジン負荷対応圧をエンジントルクに基づく値よりも小さな値にして、前記作動油圧を前記棚圧よりも低い初期油圧に保ち、前記ダウンシフトの開始よりも該設定時間だけ遅れて前記エンジン負荷対応圧をエンジントルクに基づく値にして前記作動油圧を前記棚圧にし、前記アキューム弁の動作によって発生させる棚圧の棚圧発生期間を前記ダウンシフトの開始から設定時間だけ遅延させるよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1において、前記設定時間を高車速であるほど長くしたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1において、トルクコンバータの入出力回転比が設定回転比に低下するまでの時間を前記設定時間としたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  4. 請求項3において、前記設定回転比を高車速であるほど、変速終了時におけるトルクコンバータの変速後入出力回転比に近い値としたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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