JP3543108B2 - フラーレン−カルボランリジッドロッドハイブリッド化合物およびその合成方法 - Google Patents

フラーレン−カルボランリジッドロッドハイブリッド化合物およびその合成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非線型材料としてのフラーレン−カルボランハイブリッド材料およびその合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
効率的な光遠隔通信ネットワークの開発においては電気−光信号変換が十分ではないが、二次非線形光学材料(NLO)は、直接な適用性を有しているので注目されている。これに関しては、Nonlinear Optical Effects in Molecules andPolymers(Prasad,P.N.;Willliams,D.J.,Wiley, New York,1991)およびNonlinear Optical Properties of Organic Materials (Prasad,P.,Plenum,New York,1991)に記載されている。現在まで、優れた超分極性(β)を得るためには、ドナーとアクセプターとの最適の組み合わせ(D−A)、およびDとAとの間の共役結合の最適の長さの両方を見出すことに向けられてきた(例えば、J.Am.Chem.Soc.1993, 115,3006(Marder,S.R.;Gorman,C.B.;Tiemann,B.G.;Cheng,L.-T)およびScience 1991,252, 103(Marder,S.R.;Beratan,D.N.;Cheng,L.-T))。
【0003】
長年の間、オルトカルボランは、高い分極性σ芳香族性を有する電子欠乏性クラスターであると知られてきた(J.Mater.Chem.1993,3(2),139(Murphy,D.M.; Mingos,D.M.P.;Haggitt,J.L.;Powell,H.R.;Westcott,S.A.;Marder,T.B.;Taylor, N.J.;Kanis,D.R.)。すでに、ある種の電子ドナー(D)基を含むカルボラン(A)が合成されているが、その超分極性は十分ではない(J.Mater.Chem.1993,3,67(Murphy, D.M.;Forward,J.M.;Mingos,D.M.P.))。
【0004】
さらに最近では、フラーレンは高い非局在性π電子を有する電子求引性カーボンクラスターであることが認識されている(Chem.Rev.1998,98,2527(Martin,N.;Sanchez,L.;Illescas,B.;Perez,I.))。実際に、電子ドナー(D)部分を含むフラーレン(A)は報告されているものの、これらの化合物について非線形光学特性の研究は全くなされていない(J.Chem.Rev.1994,94,195(Kanis,D.R.;Ratner, M.A.;Marks,T.J.))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、大きな二次高調波発生(SHG)を示す非線形光学材料として好適な化合物を提供することを目的とする。
【0006】
また本発明は、大きな二次高調波発生を示す非線形光学材料として好適な化合物の合成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、カルボランとフラーレンとが、共役架橋芳香族基により連結されているフラーレン−カルボランリジッドロッドハイブリッド化合物であり、前記カルボランは下記化学式(m−CB)または下記化学式(p−CB)で表され、前記フラーレンは下記化学式で表されるC60であり、前記共役架橋芳香族基は下記化学式(BA−1)で表されることを特徴とするフラーレン−カルボランリジッドロッドハイブリッド化合物を提供する。
【0008】
【化2】
Figure 0003543108
【0009】
また本発明は、1−(4−ブロモフェニル)−1,7−カルボランとメチルヨウ素とを反応させて1−(4−ブロモフェニル)−7−メチル−1,7−カルボランを得る工程、
前記1−(4−ブロモフェニル)−7−メチル−1,7−カルボランとトリメチルシリルアセチレンとを反応させて1−(4−(トリメチルシリルエチニル)フェニル)−7−メチル−1,7−カルボランを得る工程、
前記1−(4−(トリメチルシリルエチニル)フェニル)−7−メチル−1,7−カルボランを脱保護して、1−(4−エチニルフェニル)−7−メチル−1,7−カルボランを得る工程、および
1−(4−エチニルフェニル)−7−メチル−1,7−カルボランのリチウムアセチリドを得、これをフラーレンと反応させて、1−ヒドロ−2−[1−(4−エチニルフェニル)−7−メチル−1,7−カルボラン]フラーレンを得る工程を具備するフラーレン−カルボランリジッドロッドハイブリッド化合物の合成方法を提供する。
【0010】
さらに本発明は、1−(4−ブロモフェニル)−1,12−カルボランとメチルヨウ素とを反応させて1−(4−ブロモフェニル)−12−メチル−1,12−カルボランを得る工程、
前記1−(4−ブロモフェニル)−12−メチル−1,12−カルボランとトリメチルシリルアセチレンとを反応させて1−(4−(トリメチルシリルエチニル)フェニル)−12−メチル−1,12−カルボランを得る工程、
前記1−(4−(トリメチルシリルエチニル)フェニル)−12−メチル−1,12−カルボランを脱保護して、1−(4−エチニルフェニル)−12−メチル−1,12−カルボランを得る工程、および
前記1−(4−エチニルフェニル)−12−メチル−1,12−カルボランのリチウムアセチリドを得、これとフラーレンとを反応させて1−ヒドロ−2−[1−(4−エチニルフェニル)−12−メチル−1,12−カルボラン]フラーレンを得る工程を具備するフラーレン−カルボランリジッドロッドハイブリッド化合物の合成方法を提供する。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明者らは、見かけ上求引性のカルボランとフラーレンとをエチニルπ系を介して結合することによって、予測し得ない大きなβ値が得られることを見出し、本発明を成すに至った。本発明により、A−A系が高い超分極性を得るための有望な組み合わせとなる場合の指針を与えることができる。
【0013】
本発明のフラーレン−カルボランリジッドロッドハイブリッド化合物は、下記化学式で表される。
【0014】
【化3】
Figure 0003543108
【0015】
本発明の化合物5aは、以下に示すような手順で合成することができる。
【0016】
【化4】
Figure 0003543108
【0017】
まず、THF中で化合物1aであるメタ−カルボラン誘導体(1当量)とMeI(1.1当量)との混合物にnBuLi(1.05当量)を加えて、化合物2aを得る。原料となる化合物1aは、J.Organomet.Chem.1993,19(Coult,R;Fox,M. A.;Gill,W.R.;Herbertson,P.L.;Macbride,J.A.H.;Wade,K.)に記載されている方法を若干改良して合成することができる。
【0018】
なお、nBuLiを化合物1aのTHF溶液に加えた後にMeIを加えた場合には、化合物2aの収率は非常に低くなってしまうので、nBuLiは、化合物1aとMeIとの混合物に加えるのが望ましい。本発明においては、化合物2aは79%の収率で得ることができる。
【0019】
次いで、化合物2aのTHF溶液を調製し、このTHF溶液に、触媒量のPd(PPh34(2mol%)、CuI(4mol%)およびトリメチルアミン(1.5当量)の存在下でトリメチルシリルアセチレン(1.05当量)を加えて化合物3aを得る。
【0020】
その後、フッ化カリウムでの化合物3aの脱保護により、化合物4aを得る。化合物4aは79%の収率で得られる。
【0021】
本発明の化合物5aは、BuLi(1当量)で化合物4aを処理して化合物4a(1当量)のリチウムアセチリドを得て、これを、トルエン溶液としたC60に縮合することにより、60%の収率で合成することができる。
【0022】
また、化合物5bは、以下に示すような手順で合成することができる。
【0023】
【化5】
Figure 0003543108
【0024】
具体的には、出発原料としてパラ−カルボラン誘導体を用いる以外は、前述と同様の手順によって、化合物5bを得ることができる。
【0025】
本発明のハイブリッド化合物である化合物5aおよび5bの構造は、1H、および13C NMR、CVおよびFAB+により特定することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の化合物の合成例およびその分析結果の具体例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。
【0027】
なお、化合物は次の手法により分析した。
蛍光スペクトルおよびUV可視スペクトルは、F−4500分光蛍光光度計(日立製)およびU−3000UV可視分光計(日立製)をそれぞれ用いて分析した。
HRS測定は、q−スイッチNd:YAGレーザー(スペクロンLS−412,fwhm:6nm)を入射光ビームとして用いて行った。
基本光強度(λ=1064nm、I(ω))は、2つの偏光板の間に設けた半波長板を回転させることにより変化させた。
HRSシグナル、I(2ω)は、フォトマルチプライヤー(フィリップ社製、モデルXP2020Q)によりI(ω)の関数として検出した。
基本入射光強度、およびHRS光信号は、2つのゲートインテグレーター(スタンフォードリサーチシステム、モデルSR250)に供給し、ゲートインテグレーターからの出力信号は、ADコンバートしてパーソナルコンピューターで解析した。
【0028】
(実施例1:化合物5a)
(化合物1a)の合成
アルゴン雰囲気下、メタ−カルボラン(2.16g、15mol)に無水THF(20ml)を加えた後、0℃で15分間攪拌した。続いて、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.50M、11ml、16.5mmol)をゆっくり滴下し、室温にて1時間攪拌した。その後、CuI(4.4g、23.1mmol)を加えて30分間、ピリジン(9ml)を加えてさらに10分間、それぞれ室温にて攪拌することによって、銅(I)−カルボラン溶液を調製した。
【0029】
得られた溶液にp−ブロモヨードベンゼン(4.46g、15.75mmol)を加えて、100℃で5日間還流させた。原料のメタ−カルボランの大部分が消費されたことをGC−MSにより確認した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物をH2O/Et2O(20ml/60ml)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥した後、濃縮し、昇華(120〜150℃/0.5mmHg)によって精製し、収率31%で化合物1aを得た。
【0030】
得られた化合物1aの1H NMRスペクトルおよび13C NMRスペクトルを図1および図2のグラフにそれぞれ示し、その特性を以下にまとめる。
【0031】
1H NMR(300MHz、CD3COCD3):
δ 3.73(s,1H)、7.43(d,2H),7.52(d,2H)
13C NMR(75.45MHz、CD3COCD3):
δ 57.09,130.58,132.49
MS m/z:299(M+
以上の分析結果から、本合成例で得られた化合物1aは、下記化学式で表される1−(4−ブロモフェニル)−1,7−カルボランと同定した。
【0032】
【化6】
Figure 0003543108
【0033】
(化合物2a)の合成
上述の合成例で得られた1−(4−ブロモフェニル)−1,7−カルボラン(1.38g、4.62mmol)と、CH3I(286μL、4.67mmol)とを無水THF(50ml)に加えて、アルゴン雰囲気下−78℃で1.5時間攪拌した。得られたTHF溶液に、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.50M,3.06ml,4.62mmol)をシリンジポンプでゆっくり滴下し、−78℃で一晩反応させた。
【0034】
その後、溶媒を減圧留去し、粗生成物をH2O/Et2O(20ml/60ml)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥した後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン、Rf=0.62)によって精製して、収率79%で化合物2aを得た。
【0035】
得られた化合物2aの1H NMRスペクトルおよび13C NMRスペクトルを図3および図4にそれぞれ示し、その特性を以下にまとめる。
【0036】
Figure 0003543108
以上の分析結果から、本合成例で得られた化合物2aは、下記化学式で表される1−(4−ブロモフェニル)−7−メチル−1,7−カルボランと同定した。
【0037】
【化7】
Figure 0003543108
【0038】
(化合物4a)の合成
上述の合成例で得られた1−(4−ブロモフェニル)−7−メチル−1,7−カルボラン(1.17g,2.37mmol)、Pd(PPh34(430mg,0.37mmol)、CuI(97mg,0.52mmol)、およびトリエチルアミン(0.52ml,3.7mmol)に、無水THF(50ml)を加えて、アルゴン雰囲気下0℃で30分間攪拌した。得られたTHF溶液に、トリメチルシリルアセチレン(0.78ml,5.55mmol)を加えて、さらに0℃で2時間攪拌した後、100℃で1日間還流した。
【0039】
原料の化合物2aの消費をGC−MSで確認した後、溶媒を減圧留去し、KF(591.4mg,10.4mmol)、KOH(50mg,0.8mmol)、MeOH(50ml)を新たに加え、室温で1時間攪拌した。その後、溶媒を減圧留去し、粗生成物をH2O/Et2O(20ml/60ml)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥した後、濃縮し、ヘキサンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、収率79%で化合物4aを得た。
【0040】
得られた化合物4aの1H NMRスペクトルおよび13C NMRスペクトルを、図5および図6のグラフにそれぞれ示し、その特性を以下にまとめる。
【0041】
Figure 0003543108
以上の分析結果から、本合成例で得られた化合物4aは、下記化学式で表される1−(4−エチニルフェニル)−7−メチル−1,7−カルボランと同定した。
【0042】
【化8】
Figure 0003543108
【0043】
なお、この化合物は下記化学式で表される化合物の脱保護により合成されたものである。
【0044】
【化9】
Figure 0003543108
【0045】
(化合物5a)の合成
上述の合成例で得られた1−(4−エチニルフェニル)−7−メチル−1,7−カルボラン(51.6mg,0.2mmol)の無水THF溶液に、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.50M,0.13ml,0.2mmol)を、アルゴン雰囲気下0℃にて加えた後、室温にて1時間攪拌した。これをA液とした。
【0046】
アルゴン雰囲気下、35℃にてC60(72mg,0.1mmol)の無水トルエン溶液に、前述のA液をゆっくりと加えた。反応溶液を35℃にて一晩攪拌した後、CF3COOH(2ml)を加えてさらに2時間攪拌し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をCHCI3に溶解し、ろ紙を用いて不溶物をろ過した後、CHCI3を減圧留去した。さらに粗生成物をグラスフィルターを用いて少量のヘキサンで洗浄し、未反応の化合物4aを除去した。最後に、フラッシュカラムクロマトフィラフィー(ヘキサン)にて精製し、収率60%で化合物5aを得た。
【0047】
得られた化合物5aの1H NMRスペクトルを図7のグラフに示し、その特性を以下にまとめる。
【0048】
Figure 0003543108
以上の分析結果から、本合成例で得られた化合物5aは、下記化学式で表される1−ヒドロ−2−[1−(4−エチニルフェニル)−7−メチル−1,7−カルボラン]フラーレンと同定した。
【0049】
【化10】
Figure 0003543108
【0050】
(実施例2:化合物5b)
(化合物1b)の合成
アルゴン雰囲気下、パラ−カルボラン(2.16g、15mol)に無水THF(20ml)を加えた後、0℃で15分間攪拌した。続いて、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.50M、11ml、16.5mmol)をゆっくり滴下し、室温にて1時間攪拌した。その後、CuI(4.4g、23.1mmol)を加えて30分間、ピリジン(9ml)を加えてさらに10分間、それぞれ室温にて攪拌することによって、銅(I)−カルボラン溶液を調製した。
【0051】
得られた溶液にp−ブロモヨードベンゼン(4.46g、15.75mmol)を加えて、100℃で5日間還流させた。原料のパラ−カルボランの大部分が消費されたことをGC−MSにより確認した後、溶媒を減圧留去し、粗生成物をH2O/Et2O(20ml/60ml)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥した後、濃縮し、昇華(125℃/0.5mmHg)によって精製し、収率36%で化合物1bを得た。
【0052】
得られた化合物1bの1H NMRスペクトルおよび13C NMRスペクトルを図8および図9のグラフにそれぞれ示し、その特性を以下にまとめる。
【0053】
1H NMR(300MHz、CD3COCD3):
δ 3.73(s,1H)、7.20(m,2H)、7.44(m,2H)
13C NMR(75.45MHz、CD3COCD3):
δ 57.09,130.58,132.49
MS m/z:299(M+
以上の分析結果から、本合成例で得られた化合物1bは、下記化学式で表される1−(4−ブロモフェニル)−1,12−カルボランと同定した。
【0054】
【化11】
Figure 0003543108
【0055】
(化合物2b)の合成
上述の合成例で得られた1−(4−ブロモフェニル)−1,12−カルボラン(867mg,2.9mmol)とCH3I(195μL、3.2mmol)とを無水THE(50ml)に加えて、アルゴン雰囲気下、−78℃で1.5時間攪拌した。得られたTHE溶液に、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.50M,1.93ml,2.9mmol)をシリンジポンプでゆっくり滴下し、−78℃で一晩反応させた。
【0056】
その後、溶媒を減圧留去し、粗生成物をH2O/Et2O(20ml/60ml)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥した後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン、Rf=0.60)によって精製して、収率72%で化合物2bを得た。
【0057】
得られた化合物2bの1H NMRスペクトルおよび13C NMRスペクトルを図10および図11にそれぞれ示し、その特性を以下にまとめる。
【0058】
Figure 0003543108
以上の分析結果から、本合成例で得られた化合物2bは、下記化学式で表される1−(4−ブロモフェニル)−12−メチル−1,12−カルボランと同定した。
【0059】
【化12】
Figure 0003543108
【0060】
(化合物4b)の合成
上述の合成例で得られた1−(4−ブロモフェニル)−12−メチル−1,12−カルボラン(1.17g,2.37mmol)、Pd(PPh34(430mg,0.37mmol)、CuI(97mg,0.52mmol)、およびトリエチルアミン(0.52ml,3.7mmol)に、無水THF(50ml)を加えて、アルゴン雰囲気下0℃で30分間攪拌した。続いて、トリメチルシリルアセチレン(0.78ml,5.55mmol)を加えて、さらに0℃で2時間攪拌した後、100℃で1日間還流した。
【0061】
原料の化合物2bの消費をGC−MSで確認した後、溶媒を減圧留去し、KF(591.4mg,10.4mmol)、KOH(50mg,0.8mmol)、MeOH(50ml)を新たに加え、室温で1時間攪拌した。その後、溶媒を減圧留去し、粗生成物をH2O/Et2O(20ml/60ml)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥した後、濃縮し、ヘキサンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、収率79%で化合物4bを得た。
【0062】
得られた化合物4bの1H NMRスペクトルおよび13C NMRスペクトルを、図12および図13のグラフにそれぞれ示し、その特性を以下にまとめる。
【0063】
Figure 0003543108
以上の分析結果から、本合成例で得られた化合物4bは、下記化学式で表される1−(4−エチニルフェニル)−12−メチル−1,12−カルボランと同定した。
【0064】
【化13】
Figure 0003543108
【0065】
なお、この化合物は下記化学式で表される化合物の脱保護により合成されたものである。
【0066】
【化14】
Figure 0003543108
【0067】
(化合物5b)の合成
上述の合成例で得られた1−(4−エチニルフェニル)−12−メチル−1,12−カルボラン(51.6mg,0.2mmol)の無水THF溶液にn−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.50M,0.13ml,0.2mmol)を、アルゴン雰囲気下0℃にて加えた後、室温にて1時間攪拌した。これをA液とした。
【0068】
アルゴン雰囲気下、35℃にてC60(72mg,0.1mmol)の無水トルエン溶液に、前述のA液をゆっくりと加えた。反応溶液を35℃にて一晩攪拌した後、CF3COOH(2ml)を加えてさらに2時間攪拌し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をCHCI3に溶解し、ろ紙を用いて不溶物をろ過した後、CHCI3を減圧留去した。さらに粗生成物をグラスフィルターを用いて少量のヘキサンで洗浄し、未反応の化合物4bを除去した。これを、フラッシュカラムクロマトフィラフィー(ヘキサン)にて精製し、収率50%で化合物5bを得た。
【0069】
得られた化合物5bの1H NMRスペクトルおよび13C NMRスペクトルを図14および図15のグラフにそれぞれ示し、その特性を以下にまとめる。
【0070】
Figure 0003543108
以上の分析結果から、本合成例で得られた化合物5bは、下記化学式で表される1−ヒドロ−2−[1−(4−エチニルフェニル)−12−メチル−1,12−カルボラン]フラーレンと同定した。
【0071】
【化15】
Figure 0003543108
【0072】
得られた化合物5aおよびC60のサイクリックボルタノグラムを図16のグラフに示す。グラフ中、曲線aは化合物5aのサイクリックボルタノグラムを表しており、化合物5aはオルト−ジクロロベンゼン中で4×10-3Mとして用いた。また、曲線bは、C60のサイクリックボルタノグラムを表し、C60はオルト−ジクロロベンゼン中で2.5×10-3Mとして用いた。
【0073】
条件は次のとおりである。
【0074】
支持電解質:0.1MnBu4NClO4
作用電極:グラッシーカーボン
対向電極:Pt線
参照電解質:アセトニトリル中のAg/0.01N AgNO3で 0.1MnBu4ClO4を含む (E1/2(フェロセン/フェロセニウム)=180V)
走査速度:100mVs-1
さらに、図17、図18および図19には、化合物5b、以下に示す化合物6(TMS エチニル−1,2−ジヒドロ−[60]フラーレン)、および以下に示す化合物7(エチニル類似体)のサイクリックボルタノグラムをそれぞれ表す。化合物5bは、オルト−ジクロロベンゼン中で4×10-3Mとして用い、化合物6および化合物7は、それぞれオルト−ジクロロベンゼン中で5×10-3Mおよび3×10-3Mとして用いた。条件は前述と同様である。
【0075】
【化16】
Figure 0003543108
【0076】
下記表1には、化合物5a,5b、6および7についてのE1 red/E1 ox値、Eox値、およびβ値をまとめる。なお、簡略化のためにE1 red/E1 ox値のみを表1に示したが、3つの疑似可逆的還元/酸化ピークが観測された。
【0077】
【表1】
Figure 0003543108
【0078】
60末端基の電気化学特性について論じる際には、非帯電分子5aの一電子還元(E1 red)および分子5aへの一電子酸化(E1 ox)は、帯電した分子のさらなる還元(E2 redおよびE3 red)より重要である。
【0079】
曲線a(化合物5a)には、曲線b(C60)、化合物6(図18)、化合物7(図19)と同様の条件のもとで、同様に3つの疑似可逆的還元波が示されている。具体的には、曲線aには、(Ered ox mV;−1210:−581、−1674:−1024、−217:−1635)の3つの疑似可逆的還元波が示され、曲線b(C60)には、3つの疑似可逆的還元波(Ered:Eox mV;−1103:−631、−1516:−1083、−1989:−1595)が示されている。
【0080】
化合物5aについての−79mV(Eox)における非可逆的酸化波の存在は、共役スペーサフラグメントの酸化ピークに対応する。これは、化合物6および7もまた、−122.5mvおよび−286mvにおいて、それぞれ酸化ピークを示しているからである。図16のグラフに示されるように、化合物5aについての曲線aの3つの還元電位は、C60についての曲線bの還元電位よりも負の値に顕著にシフトしている。これは、C60の二重結合の飽和およびエチニルフェニル基の電子供与特性に起因するものである。したがって、化合物5aのC60骨格は、A基として作用することが明らかであり、化合物5bについても同様であることが表1に示される結果および図17のグラフからわかる。
【0081】
ここで重要なのは、カルボラン骨格が供与体として、あるいは従来のように求引体としてのいずれとして作用するかである。表1に示されるように、化合物4aおよび4bは、観測した範囲内では電気化学的に活性でなく、カルボラン骨格が供与体が求引体かは明確ではない。しかし、化合物7のEox値は−285mVと、最も負に大きな値である。これは、化合物7のエチニル基の電子密度が、化合物5aおよび5bより大きいことを示している。したがって、カルボラン末端基は、すでに確立されている(Tetrahedron Lett.1999,40,9073(Endo,T;Taoda, Y))ように求引体として作用することがわかる。
【0082】
本発明の化合物5aおよび5bのUV吸収スペクトルを、それぞれ図20および図21のグラフに示す。化合物5aおよび化合物5bは、それぞれクロロホルム中で5×10-6Mおよび1×10-6Mとして用いた。
【0083】
これらのグラフに示されるように、UV可視領域での化合物5a/CH3Clの吸収スペクトルおよび化合物5b/CH3Clの吸収スペクトルは、禁制遷移に起因した非常に弱い吸収バンドを430nmから620nmの間に有し、大きな2つの吸収バンドを257nmと330nmとに有している。クロロホルム中では、化合物5aおよび5bはUV−可視領域で透明であり、吸収は全く観測されない。
【0084】
参考のために、化合物4a、4b、6および7のUVスペクトルを、図22、23、24および25のグラフに示す。化合物4aおよび化合物4bは、それぞれクロロホルム中で5×10-6Mおよび1×10-6Mとして用い、化合物6および7は、いずれもクロロホルム中で2.5×10-6Mとして用いた。
【0085】
図22および23のグラフに示されるように、化合物4aおよび4bもまた、300nm以上では透明である。
【0086】
図26のグラフには、本発明の化合物5aのクロロホルム中での蛍光スペクトルを示す。グラフに示されるように、クロロホルム中での化合物5aの蛍光スペクトルは、257nmおよび330nmにおける励起に続いて、350から390nmの範囲での広い発光バンドを示し、これはクロロホルムのラーマン散乱によるものである(蛍光発光は、THF中およびCH3CN中でも存在する)。
【0087】
二重振動数532nmの範囲では、スペクトル吸収および/または発光は全く観測されず、化合物5aのβ係数の同時測定を行いβ値を得ることができる。
【0088】
なお、化合物5bについてのクロロホルム中での蛍光スペクトルも、前述と同様の結果が得られた。
【0089】
図27のグラフには、クロロホルム中における化合物5aの超レイリー散乱(HRS)シグナルを示す。このグラフは、高調波強度への二次高調波信号強度の二次依存性を表し、横軸および縦軸は、それぞれ基本強度および二次高調波強度である。
【0090】
なお、1014cm-3のユニットにおける3種類の異なる数密度について示しており、曲線c、dおよびeの数密度は、それぞれ15、60および150である。
【0091】
この図27のグラフに示された結果に基づいて、化合物5aの数密度と二次係数I(2ω)/I2(ω)との関係を図28のグラフに示す。
【0092】
本発明の化合物5aについてのβ値は、483×10-30esuと大きい。
【0093】
図29のグラフには、本発明の化合物5bのHRSシグナルを示す。ここでは、1014cm-3のユニットにおける4種類の異なる数密度について示しており、曲線f、g、hおよびiの数密度は、3.0、15、30および60である。また、数密度と二次係数との関係を図30のグラフに示す。化合物5bについてのβ値は、1189×10-30esuであり、パラ誘導体は極めて大きなβ値を有することが確認された。
【0094】
図31のグラフには、C60のHRSシグナルを示す。グラフ中、横軸および縦軸は、それぞれ基本強度および二次高調波強度を表しており、2.2、4.4、22および44×1014cm-3の4種類の数密度について示している。
【0095】
また、293Kにおけるクロロホルム中のC60の数密度と二次係数との関係を図32のグラフに示す。C60のベーター値はゼロであり、これはC60の中心対称構造に起因するものである。
【0096】
さらに、化合物6についての同様の結果を図33および図34のグラフに示し、化合物7についての同様の結果を、図35および図36のグラフに示す。こうした化合物6および化合物7は、典型的なD−A系であるが、そのβ値は、それぞれ87×10-30esuおよび139×10-30esuであった。
【0097】
また、化合物4aについての同様の結果を図37および図38のグラフに示し、化合物4bについての同様の結果を、図39および40のグラフに示す。図39では、1015cm-3のユニットにおける4種類の異なる数密度について示しており、曲線j、k、mおよびnの数密度は、60、150、300および450である。化合物4aおよび4bのβ値は、それぞれ28×10-30esuおよび48×10-30esuであった。なお、同様の条件下でのパラ−ニトロアニリンについてのβ値は23×10-30であることがわかった。
【0098】
このように、カルボランを結合することによって、最大で1189×10-30esuという大きなβ値を得ることができ、ホウ素クラスターの強い電子分極効果が確認された。
【0099】
特に、本発明のハイブリッドロッド化合物5bの非線形光学特性は、非常に興味深いものである。従来は、適切なドナーと組み合わせて電荷移動錯体を形成することによって、J.Phys.Chem.1992,96,530(Wang,Y.;Cheng,L.-T.)に記載されているように、C60の対称の中心がくずれると推測されていた。これに対して、本発明のロッドハイブリッド化合物5aおよび5bは、電荷錯体を形成することなく、大きなβ値を示す。
【0100】
本発明においては、種々の共役架橋芳香族基(チオフェン、アニリン)によりC60とカルボラン、特にそのメタロカルボランアニオン錯体とをつないで、トリアードを形成することも可能である。
【0101】
また本発明は、フラーレン−カルボラン(またはメタロカルボラン)ハイブリッドロッドの三次光学非線形材料に適用することが考えられる。
【0102】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、大きな二次高調波発生(SHG)を示す非線形光学材料として好適な化合物が提供される。また本発明によれば、大きな二次高調波発生を示す非線形光学材料として好適な化合物の合成方法が提供される。
【0103】
本発明のハイブリッド化合物は、高いベーター値を有するのみならず安定性も高いので、空気中で通常の化合物と同様に扱うことができる。本発明は非線形光学材料として最適であり、波長変換素子、非線形材料および光ディスク等、多くの用途に好適に用いることができ、その工業的価値は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物1aの1H NMRスペクトル図。
【図2】化合物1aの13C NMRスペクトル図。
【図3】化合物2aの1H NMRスペクトル図。
【図4】化合物2aの13C NMRスペクトル図。
【図5】化合物4aの1H NMRスペクトル図。
【図6】化合物4aの13C NMRスペクトル図。
【図7】化合物5aの1H NMRスペクトル図。
【図8】化合物1bの1H NMRスペクトル図。
【図9】化合物1bの13C NMRスペクトル図。
【図10】化合物2bの1H NMRスペクトル図。
【図11】化合物2bの13C NMRスペクトル図。
【図12】化合物4bの1H NMRスペクトル図。
【図13】化合物4bの13C NMRスペクトル図。
【図14】化合物5bの1H NMRスペクトル図。
【図15】化合物5bの13C NMRスペクトル図。
【図16】化合物5aおよびC60のサイクリックボルタノグラム。
【図17】化合物5bのサイクリックボルタノグラム。
【図18】化合物6のサイクリックボルタノグラム。
【図19】化合物7のサイクリックボルタノグラム。
【図20】化合物5aのUV吸収スペクトル図。
【図21】化合物5bのUV吸収スペクトル図。
【図22】化合物4aのUV吸収スペクトル図。
【図23】化合物4bのUV吸収スペクトル図。
【図24】化合物6のUV吸収スペクトル図。
【図25】化合物7のUV吸収スペクトル図。
【図26】化合物5aのクロロホルム中での蛍光スペクトル図。
【図27】クロロホルム中における化合物5aの超レイリー散乱信号を表すグラフ図。
【図28】化合物5aの数密度と二次係数I(2ω)/I2(ω)との関係を表すグラフ図。
【図29】クロロホルム中における化合物5bの超レイリー散乱(HRS)信号を表すグラフ図。
【図30】化合物5bの数密度と二次係数I(2ω)/I2(ω)との関係を表すグラフ図。
【図31】C60のHRSシグナルを表すグラフ図。
【図32】C60の数密度と二次係数との関係を表すグラフ図。
【図33】クロロホルム中における化合物6のHRSシグナルを表すグラフ図。
【図34】化合物6の数密度と二次係数との関係を表すグラフ図。
【図35】クロロホルム中における化合物7のHRSシグナルを表すグラフ図。
【図36】化合物7の数密度と二次係数との関係を表すグラフ図。
【図37】クロロホルム中における化合物4aのHRSシグナルを表すグラフ図。
【図38】化合物4aの数密度と二次係数との関係を表すグラフ図。
【図39】クロロホルム中における化合物4bのHRSシグナルを表すグラフ図。
【図40】化合物4bの数密度と二次係数との関係を表すグラフ図。

Claims (3)

  1. カルボランとフラーレンとが、共役架橋芳香族基により連結されているフラーレン−カルボランリジッドロッドハイブリッド化合物であり、前記カルボランは下記化学式(m−CB)または下記化学式(p−CB)で表され、前記フラーレンは下記化学式で表されるC60であり、前記共役架橋芳香族基は下記化学式(BA−1)で表されることを特徴とするフラーレン−カルボランリジッドロッドハイブリッド化合物。
    Figure 0003543108
  2. 1−(4−ブロモフェニル)−1,7−カルボランとメチルヨウ素とを反応させて1−(4−ブロモフェニル)−7−メチル−1,7−カルボランを得る工程、
    前記1−(4−ブロモフェニル)−7−メチル−1,7−カルボランとトリメチルシリルアセチレンとを反応させて1−(4−(トリメチルシリルエチニル)フェニル)−7−メチル−1,7−カルボランを得る工程、
    前記1−(4−(トリメチルシリルエチニル)フェニル)−7−メチル−1,7−カルボランを脱保護して、1−(4−エチニルフェニル)−7−メチル−1,7−カルボランを得る工程、および
    1−(4−エチニルフェニル)−7−メチル−1,7−カルボランのリチウムアセチリドを得、これをフラーレンと反応させて、1−ヒドロ−2−[1−(4−エチニルフェニル)−7−メチル−1,7−カルボラン]フラーレンを得る工程を具備するフラーレン−カルボランリジッドロッドハイブリッド化合物の合成方法。
  3. 1−(4−ブロモフェニル)−1,12−カルボランとメチルヨウ素とを反応させて1−(4−ブロモフェニル)−12−メチル−1,12−カルボランを得る工程、
    前記1−(4−ブロモフェニル)−12−メチル−1,12−カルボランとトリメチルシリルアセチレンとを反応させて1−(4−(トリメチルシリルエチニル)フェニル)−12−メチル−1,12−カルボランを得る工程、
    前記1−(4−(トリメチルシリルエチニル)フェニル)−12−メチル−1,12−カルボランを脱保護して、1−(4−エチニルフェニル)−12−メチル−1,12−カルボランを得る工程、および
    前記1−(4−エチニルフェニル)−12−メチル−1,12−カルボランのリチウムアセチリドを得、これとフラーレンとを反応させて1−ヒドロ−2−[1−(4−エチニルフェニル)−12−メチル−1,12−カルボラン]フラーレンを得る工程を具備するフラーレン−カルボランリジッドロッドハイブリッド化合物の合成方法。
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