JP3541945B2 - 電子回路基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板上にDC−DCコンバータと集積回路がそれぞれ複数個搭載された電子回路基板に関し、特に集積回路のDC−DCコンバータに対する接続切換が可能な電子回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、この種の電子回路基板の一例を示す配線図である。プリント配線基板100上には、3個のDC−DCコンバータと3種類の集積回路(FPGA,DSP,G/A)が搭載されている。電源部から電圧−48Vが各DC−DCコンバータ(101〜103)へ入力される。
【0003】
DC−DCコンバータ101では、各FPGA(611〜614)で使用される電圧+3.3Vに変換をして出力する。DC−DCコンバータ102では、各DSP(621〜623)で使用される電圧+3.3Vに変換をして出力する。DC−DCコンバータ103では、G/A(631〜632)で使用される電圧+1.8Vに変換をして出力する。
【0004】
FPGA(611〜614)とDSP(621〜623)は同じ+3.3V電圧を用いているが、別々のDC−DCコンバータ101,102に振り分けて給電している。つまり、各DC−DCコンバータ(101〜103)には同種類の集積回路が接続されている。
【0005】
図7はプリント配線基板100に対するDC−DCコンバータ(101〜103)の実装図である。プリント配線基板100には、その一隅部にDC−DCコンバータ(101〜103)を並べて配置してある。プリント配線基板100の部品実装面104には、これらDC−DCコンバータ(101〜103)から給電される多数の高密度実装部品と電子部品が搭載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
集積回路のパッケージには、例えばQFP(Quad Flat Package)等のピン数、リードピッチの長さ、ピン番号の信号名が同じもの(以下、ピンコンパチブルという)がある。近年、集積回路の高速化、大容量化、低消費電力化が要求されている。そんな中、例えばFPGA(611)とFPGA(612)をピンコンパチブルのパッケージにより+3.3Vから+2.5Vの動作電圧のものに変更する必要が生じる。その場合、電圧+2.5V用と電圧+3.3V用のDC−DCコンバータが2個必要となるため、新規にプリント配線基板を製作しなければならず、時間とコストが掛かってしまう。
【0007】
また、大きなDC−DCコンバータ(101,102)をプリント配線基板100上に搭載しているため、他の高密度実装部品及び電子部品の配置スペースが制約を受け、信号線に負荷が掛かってしまうという欠点もある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑み、動作電圧の異なる集積回路への交換が可能で、高密度の部品実装に適した電子回路基板を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の電子回路基板は、単一の配線基板上に、複数のDC−DCコンバータと複数の集積回路とが搭載され、前記配線基板上に、前記複数のDC−DCコンバータのうちから選択されたDC−DCコンバータの出力端子を並列接続してそれら並列接続たDC−DCコンバータの出力電圧を出力する第1のスイッチ手段と、前記複数の集積回路のうちから選択された集積回路の電源入力端子を並列接続するとともにれら並列接続た電源入力端子に前記第1のスイッチ手段から出力された出力電圧を供給する第2のスイッチ手段とが設けられたことを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、集積回路を動作電圧の異なるものに変更する場合、第1、第2スイッチ手段を操作すると、変更する集積回路がその動作電圧用のDC−DCコンバータに接続される。
【0011】
また、DC−DCコンバータとして小型化したものを搭載すれば、他の高密度実装部品及び電子部品を配置するスペースが確保され、高密度の部品実装に適した最短で太い信号線の配線が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
マルチメディア移動通信の実現に適したW−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式の無線基地局装置で使用される、着脱が容易な電子回路基板に本発明を適用した場合について説明する。
【0013】
図3はプリント配線基板1の配線図である。このプリント配線基板1上には、伝送速度の高速化、伝送容量の増大化、低消費電力化が要求される高密度実装部品であるFPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)及びG/A(Gate / Array)が複数搭載されている。
【0014】
プリント配線基板1上には、n個のDC−DCコンバータ(51〜5n)が搭載されている。
これらDC−DCコンバータ(51〜5n)の入力端子は共通接続されており、電源部からの電圧が入力されるように構成されている。
これらn個のDC−DCコンバータ(51〜5n)のそれぞれは図6に示した従来のDC−DCコンバータ(101〜103)よりも小型かつ薄型であって出力電流も低いものである。
n個のDC−DCコンバータ(51〜5n)は、これらの全てによって供給される電圧および電流が図6に示した従来のDC−DCコンバータ(101〜103)の全てによって供給される電圧および電流と同等となるように構成されている。
各DC−DCコンバータ(51〜5n)の出力端子は、プリント配線基板1上に設けられた各ランド接続部31〜3n−1)のランドa,b(特許請求の範囲の第1のランドに相当)に接続されている。
図3に示すように、各ランド接続部(31〜3n−1)は、互いに離間して非接続状態にあるランドaとランドbとから構成されており、これらランドa、bはランド配線2(図1参照)によって接続可能となるように構成されている。
したがって、各ランド接続部(31〜3n−1)のランドaとランドbの間をランド配線2によって接続すれば、複数のDC−DCコンバータ(51〜5n)のうちから選択されたDC−DCコンバータの出力端子を並列接続することにより並列接続されたDC−DCコンバータの出力電圧が出力できるように構成されている。
本実施の形態では、これら各ランド接続部(31〜3n−1)によって本発明の第1のスイッチ手段が構成されている。
【0015】
プリント配線基板1上には、m行k列の複数の集積回路(11〜mk)が搭載されている。同じ行には後述のように同じ種類の集積回路が装着される。
各行の集積回路の電力供給用の入力端子のそれぞれには、独立した分岐線εを介して、プリント配線基板1上に設けられたランド接続部(511〜5mk)のランドa(特許請求の範囲の第2のランドに相当)が接続されている。
ランド接続部(511〜5mk)のランドbは、集合線δ(特許請求の範囲の共通線に相当)に共通接続され、この集合線δは別の集合線γを介してランド接続部(31〜3n−1)のランドa,bに接続されている。
各集合線γには、ランド(41〜4)がそれぞれ設けられている。
【0016】
各分岐線εには、ランド接続部(511〜5mk)がそれぞれ設けられている。
ランド接続部(511〜5mk)は、互いに離間して非接続状態にあるランドaとランドbとから構成されており、これらランドa、bはランド配線2によって接続可能となるように構成されている。
したがって、ランド接続部(511〜5mk)のランドaとランドbをランド配線2によって接続することによって、複数の集積回路のうちから選択された集積回路の電源入力端子を並列接続することができるとともに、これら並列接続された電源入力端子にランド接続部(31〜3n−1)のランドa,bに接続されている集合線γを介して前述した並列接続されたDC−DCコンバータの出力電圧を供給できるように構成されている。
本実施の形態では、これらランド接続部(511〜5mk)によって本発明の第2のスイッチ手段が構成されている。
なお、プリント配線基板1上の電圧信号線(α,β,δ,ε)は、太い配線である多層構造のベター配線であって、切断することができないものである。
ランド接続部(31〜3n−1)とランド(41〜4)との間にある前記集合線γは切断(パターンカット)可能な太い配線である。
また、電圧信号線(α,β,γ,δ,ε)はDC−DCコンバータから集積回路に対して供給される電源のロスやノイズを防止するために最短となるように構成されている。
【0017】
図1は、プリント配線基板1にDC−DCコンバータと集積回路を搭載した具体例を示す配線図である。
プリント配線基板1に出力電圧+3.3VのDC−DCコンバータ(21〜25)を装着するとともに、出力電圧+1.8VのDC−DCコンバータ26を装着する。これらDC−DCコンバータ(21〜26)は前記DC−DCコンバータ(51〜5n)に相当するものである。
一方、プリント配線基板1にFPGA(611〜614)、DSP(621〜623)G/A(631,632)を装着する。これらFPGA(611〜614)、DSP(621〜623)G/A(631,632)は前記集積回路(11〜mk)に相当するものである。
【0018】
ランド接続部32とランド接続部34に接続配線を施す。すなわち、ランド接続部32のランドa,bの間にランド配線2を接続するとともに、ランド接続部34のランドa,bの間にランド配線2を接続する。
集積回路の装着されたランド接続部(11〜32)だけに接続配線を施す。すなわち、ランド接続部(11〜32)のそれぞれのランドa,bの間にランド配線2の接続を行なう。
ランド接続部の接続は、図4に示すように、ランドaとランドbに最短で太いランド配線2を挿入して半田付けすることによってなされる。
【0019】
このような接続を行うと、電源部から電圧−48Vが各DC−DCコンバータ(21〜26)へ入力される。各DC−DCコンバータ(21〜25)では、電圧+3.3Vに変換をしてFPGA(611〜614)とDSP(621〜623)へ供給する。DC−DCコンバータ26では、電圧+1.8Vに変換をしてG/A(631,632)へ供給する。
【0020】
次に、FPGA(611)を動作電圧の異なるものに差し替える場合について説明する。
図2はこの場合の配線図であって、ピンコンパチブルな高密度実装部品であるFPGA(611)は、動作電圧+3.3Vのものから動作電圧+2.5Vのものに交換されている。
【0021】
この場合には、ランド接続部(31,511)の接続配線は行わず、その代わりにランド接続部31のランドaとランド接続部511のランドaをランド配線2によって接続する。その他のランド接続部は、図1と同様にする。さらに、DC−DCコンバータ21を電圧+2.5Vのものに変更をする。
【0022】
このように、動作電圧の異なる集積回路に変更する場合でも、ランド接続部(31〜3n−1)およびランド接続部(511〜5mk)の接続を切り換え、DC−DCコンバータを変更するだけで済むので、プリント配線基板を新規に製作する必要がなく、時間とコストの節約が図られる。
【0023】
ところで、集合線γを切断し、ランド接続部(31〜35)の別のランドa,bとランド(41〜43)を接続することができる。このようにすると、並列接続される集積回路数の増減による供給電流の変化に対処することができる。
【0024】
図5はこの電子回路基板の実装図である。
プリント配線基板1には、その両隅部にDC−DCコンバータ(21〜26)が並べて配置されている。プリント配線基板1上の部品実装面3には、DC−DCコンバータ(21〜26)から給電される多数の高密度実装部品と電子部品が搭載されている。
【0025】
この電子回路基板では、小型且つ薄型のDC−DCコンバータ(21〜26)をプリント配線基板1の両側に配置してあるので、多数混在する高密度実装部品や電子部品が配置しやすいように集積回路(FPGA、DSP、G/A)を種類毎に分けて配置することができる。
【0026】
つまり、部品実装が合理的に行われるので、部品配線に負荷が掛からなくなる。このため、多数混在する高密度実装部品及び電子部品への遅延タイミングによるヒゲが発生し、誤動作を起こすといった問題を防止することができる。
また、本実施の形態では、ランド接続部(611〜632)を用いて各集積回路の消費電力を測定することができる。
また、前記DC−DCコンバータが小型かつ薄型に構成されているので、このDC−DCコンバータを前記電子回路基板上に高密度に配置することで配線スペースを確保でき、これにより信号線の配線の太さを確保するとともに配線長を短くすることができる。
【0027】
以上、本発明の1つの実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ランド接続部による接続切換でなくて、テストピンやディップスイッチによる接続切換も可能である。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、集積回路を動作電圧の異なるものに変更する場合、第1、第2のスイッチ手段によって、変更する集積回路をその動作電圧用のDC−DCコンバータに接続することができるので、配線基板を新規に製作する必要がなくなる。
【0029】
また、従来のDC−DCコンバータとして小型で薄型に構成されたものを搭載すれば、高密度実装部品及び電子部品の配置スペースの密度に適合した、最短で太い信号線の配線が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子回路基板の具体例を示す配線図である。
【図2】図1の集積回路を変更した場合の配線図である。
【図3】本発明の電子回路基板の実施の形態を示す配線図である。
【図4】同電子回路基板のランド接続部の接続を示す説明図である。
【図5】同電子回路基板におけるDC−DCコンバータの実装図である。
【図6】従来の電子回路基板の配線図である。
【図7】従来の電子回路基板におけるDC−DCコンバータの実装図である。
【符号の説明】
1……プリント配線基板、2……ランド配線、3……部品実装面、21、22、23、24、25、26……DC−DCコンバータ、31、32、33、34、35……ランド接続部、41、42、43……ランド、511、512…532……ランド接続部、611、612…632……集積回路、α、β、γ、δ、ε……電圧信号線。

Claims (6)

  1. 単一の配線基板上に、複数のDC−DCコンバータと複数の集積回路とが搭載され、
    前記配線基板上に、前記複数のDC−DCコンバータのうちから選択されたDC−DCコンバータの出力端子を並列接続してそれら並列接続たDC−DCコンバータの出力電圧を出力する第1のスイッチ手段と、前記複数の集積回路のうちから選択された集積回路の電源入力端子を並列接続するとともにれら並列接続た電源入力端子に前記第1のスイッチ手段から出力された出力電圧を供給する第2のスイッチ手段とが設けられた、
    ことを特徴とする電子回路基板。
  2. 前記配線基板上に複数の第1のランドが設けられ、前記各DC−DCコンバータの出力端子にはそれぞれ前記第1のランドが接続され、前記第1ランド間がランド配線によって接続可能に構成され、前記第1のスイッチ手段による前記DC−DCコンバータの出力端子の並列接続は前記選択されたDC−DCコンバータの出力端子の前記第1ランド間をランド配線によって接続することによってなされることを特徴とする請求項1記載の電子回路基板。
  3. 前記配線基板上に複数の第2のランドが設けられ、前記各集積回路の電源入力端子にはそれぞれ前記第2のランドが接続され、前記第2のランドとの間にランド配線がなされることによって接続可能な共通線が設けられ、前記第2のスイッチ手段による前記集積回路の電源入力端子の並列接続は前記選択された集積回路の電源入力端子の前記第2ランドと前記共通線の間をランド配線によって接続することによってなされることを特徴とする請求項記載の電子回路基板。
  4. 前記第1のスイッチ手段から出力された出力電圧は前記共通線に入力されるように構成され、前記第2のスイッチ手段による並列接続された電源入力端子への出力電圧の供給は前記共通線を介して行なわれることを特徴とする請求項3記載の電子回路基板。
  5. 前記第1のランドと前記第2のランドとの間がランド配線によって接続可能に構成されていることを特徴とする請求項記載の電子回路基板。
  6. 前記複数のDC−DCコンバータは小型かつ薄型に構成され、前記複数のDC−DCコンバータを前記配線基板上に高密度に配置することで配線スペースを確保して配線を太くするとともに配線長を短くしたことを特徴とする請求項1記載の電子回路基板。
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