JP3541251B2 - 軟水化装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、家庭用蒸気発生装置、加湿器、食器洗い器、洗濯機などに用いる軟水化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水道水や井戸水はカルシウム、マグネシウムイオンなどの硬度成分を含んでおり、このような水を蒸気発生装置などに用いると、その装置の缶体内にスケールが付着して伝熱状態が悪くなるなどの問題が生じ、この解決策として、電気分解による浄水装置や軟水化に用いるイオン交換樹脂の再生装置に関する発明がなされている(例えば実開昭56−42389号公報、実公昭58−54239号公報参照)。
【0003】
以下に従来の軟水化装置について説明する。
【0004】
図2に示すように、水道水や井戸水などの水は供給パイプ1を通って、例えば素焼き製の隔壁2により陽極室3と陰極室4に分離され、かつ各極室3,4にそれぞれ電極5,6が吊設されている電気分解装置7に供給される構成である。
【0005】
電気分解装置7は、陽極水出口パイプ8によって陽イオン交換樹脂9を充填した軟水器10に連結され、また陰極水出口パイプ11によって排水弁12に連結されている。なお、電極5,6にはフェライト電極を用い、水を下方向から上方向に通水するオーバーフロー方式としているので、水の電気分解で生じるガスが電気分解装置7内にたまることはない。
【0006】
軟水器10は、弁13を配設した軟水供給パイプ14によって蒸気発生装置15に連結され、かつ排水弁12に接続された排水パイプ16に連結されている。図中の17は電極5,6に直流電圧を印加する直流電源である。
【0007】
以上のように構成された軟水化装置について、以下その動作を説明する。
【0008】
イオン交換時には、排水弁12は閉じられており、水は陽極室3、陽極水出口パイプ8を通って、軟水器10に入り、陽イオン交換樹脂9により、水に含有されているカルシウム、マグネシウムなどの陽イオンが、水素イオンと置換されて軟化された水となって軟水供給パイプ14を通って、蒸気発生装置15に供給される。また、陽イオン交換樹脂9の再生時には、電気分解装置7の電極5,6に直流電源17から直流電圧を印加し、得られた酸性水を陽極水出口パイプ8を経て上部から軟水器10に供給し、陽イオン交換樹脂9を水素型に再生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来の構成では、陽イオン交換樹脂9の再生後の洗浄水が大量に必要とされ、樹脂洗浄に長時間かかるという問題点、また、電気分解装置7の電極5,6に汚れが付着して電極5,6の抵抗が増加し電流量が減少し、効率が低下するという問題点を有していた。
【0010】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、水の硬度成分を効率的に除去でき、軟水器の陽イオン交換樹脂の再生後の洗浄を短時間で行うことができる軟水化装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の軟水化装置は、電気分解装置の直流電源に切り換えスイッチを設け、電極間に直流電圧を印加して得られる酸性水を軟水器の陽イオン交換樹脂の再生水として供給し、かつ、電極間に逆電圧を印加して得られるアルカリ水を陽イオン交換樹脂の洗浄水として用いる構成としたものである。
【0012】
【作用】
この構成において、陽イオン交換樹脂で水の硬度成分を除去し、水の電気分解で得られる酸性水で陽イオン交換樹脂の再生を行うこととなり、また、陽イオン交換樹脂の洗浄時には電極間に逆電圧を印加して得られるアルカリ水で洗浄することで、アルカリ水の中和作用により短時間で洗浄を行うことができる。
【0013】
【実施例】
以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
本発明の一実施例において、前述の従来例について説明した構成部分と同じ部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0015】
(実施例)
図1に示すように、本実施例の特徴とするところは、前述従来の構成に直流電源17に連結した電極5,6に印加する直流電圧の方向の切り換えスイッチ18を付加したことにある。
【0016】
以上のように構成された軟水化装置について、以下その動作を説明する。
【0017】
陽イオン交換樹脂9の再生時には、電気分解装置7の電極5を直流電源17のプラス側に、かつ、電極6をマイナス側に連結し、電極5,6間に直流電圧を印加し、陽極室3で得られた酸性水を軟水器10に上部から供給し、陽イオン交換樹脂9を水素型に再生する。再生時には陰極水出口パイプ11を経て、排水パイプ16に接続されている排水弁12を開き排水し、弁13は閉じて蒸気発生装置15に水を供給しないようにする。
【0018】
また、陽イオン交換樹脂9の洗浄時には、電極5を直流電源17のマイナス側に、かつ電極6をプラス側に連結し、電極5,6間に逆電圧を印加し、陽極室3で得られたアルカリ水を軟水器10に上部から供給し、陽イオン交換樹脂9を洗浄するとともに、電極5,6に付着した汚れも洗浄する。
【0019】
以上のように本実施例によれば、電気分解装置7の下流側に陽イオン交換樹脂9を充填した軟水器10を設け、電気分解装置7の電極5,6に直流電源17の印加する直流電圧の方向の切り換えスイッチ18を設けることにより、水の中のカルシウムやマグネシウムイオンなどの硬度成分を水素イオンで置換して得られた軟水を蒸気発生装置15に供給することができるので、蒸気発生装置15の缶体に蓄積するスケールを防止できる。また、陽イオン交換樹脂9の再生には、水の電気分解で得られた酸性水を用いるので再生時の薬品供給が不要となり、メンテナンスが簡略化でき連続的に軟水を供給することができる。また、陽イオン交換樹脂9の洗浄時には電極5,6間に逆電圧を印加し、電極5,6を洗浄するとともにアルカリ水を軟水器10に通水するので、樹脂洗浄時間を短縮することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように本発明は、電気分解装置の直流電源に切り換えスイッチを設け、電極間に直流電圧を印加して得られる酸性水を軟水器の陽イオン交換樹脂の再生水として供給し、かつ、電極に逆電圧を印加して得られるアルカリ水を陽イオン交換樹脂の洗浄水として供給する構成により、水の硬度成分を効率的に除去でき、軟水器の陽イオン交換樹脂の再生後の洗浄を短時間で行うことができる優れた軟水化装置を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の軟水化装置の構成を示した断面略図
【図2】従来の軟水化装置の構成を示した断面略図
【符号の説明】
1 供給パイプ
2 隔壁
3 陽極室
4 陰極室
5,6 電極
7 電気分解装置
9 陽イオン交換樹脂
10 軟水器
13 弁
14 軟水供給パイプ
17 直流電源
18 切り換えスイッチ
Claims (1)
- 水を供給する供給パイプに連結されたそれぞれに電極を配設した陰極室と陽極室に隔壁で仕切られた電気分解装置と、前記電気分解装置の下流側に配設した陽イオン交換樹脂を充填した軟水器と、前記軟水器に連結した弁を配設した軟水供給パイプと、前記電極間に直流電圧を印加する直流電源と、前記直流電源に連結した前記電極に印加する直流電圧の方向の切り換えスイッチを備え、陽イオン交換樹脂の再生時には、電気分解装置の両電極間に直流電圧を印加して得られる酸性水を前記陽イオン交換樹脂の再生水として軟水器に供給し、また前記陽イオン交換樹脂の洗浄時には、前記電気分解装置の両電極間に逆電圧を印加して電極を洗浄するとともに得られるアルカリ水を前記陽イオン交換樹脂の洗浄水として前記軟水器に供給する構成とした軟水化装置。
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JP08499793A JP3541251B2 (ja) | 1993-04-13 | 1993-04-13 | 軟水化装置 |
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1993
- 1993-04-13 JP JP08499793A patent/JP3541251B2/ja not_active Expired - Fee Related
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