JP3540865B2 - 蒸気熱量制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、各種蒸気使用装置へ所望熱量の蒸気を供給制御するものに関する。ボイラ―で発生させた蒸気により被加熱物を加熱する場合、被加熱物の種類によっては、加熱する蒸気の温度よりも、供給する蒸気の熱量を正確に制御しなければならない場合がある。例えば、反応釜等においては反応熱を考慮した供給熱量制御が行なわれている。
【0002】
【従来技術】
従来、供給する蒸気の熱量を制御する場合は、所謂自動調節弁と温度センサ―と蒸気流量センサ―とコントロ―ラを組み合わせたものが用いられていた。温度センサ―により蒸気温度を、蒸気流量センサ―により供給蒸気量をセンシングしてコントロ―ラを介して自動調節弁を調節することにより、供給蒸気熱量を制御するものである。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
上記従来のものでは、供給蒸気熱量を正確に制御できない問題があった。これは、自動調節弁の入口側すなわち一次側の蒸気圧力が変動すると、自動調節弁を流下する蒸気量が大きく変化してしまうためである。蒸気量が変化すると流量センサ―が検知して自動調節弁の開度を調節するのであるが、フィ―ドバック制御となって少なからず時間遅れを生じてしまうことも、正確に供給蒸気量を制御できない要因となっていた。
【0004】
従って本発明の技術的課題は、供給蒸気熱量を正確に制御することのできる蒸気熱量制御装置を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の技術的課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、蒸気流量検出手段からの検出信号に応じて自動調節弁を開閉制御して、供給蒸気熱量を制御するものにおいて、自動調節弁の一次側に減圧弁を配置し、当該減圧弁が、圧力応動部材の一面に二次側流体圧力を受圧し他面に弾性部材の弾性力を受けて該圧力応動部材の変位により蒸気の流下する主弁部を開閉する弁から成り、該弁に弾性部材の弾性力を調節する弾性力調節手段を取り付けて弾性部材の弾性力と設定圧力と設定温度との関係を記憶する記憶部を設け、設定圧力または設定温度を入力する設定入力手段を設けて該設定入力手段からの入力値と記憶部内の関係から弾性力調節手段を所望量だけ駆動する駆動制御部を設けると共に、当該駆動制御部を蒸気流量検出手段としての流量センサーと自動調節弁と減圧弁に接続したことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】
上記の技術的手段の作用は下記の通りである。
減圧弁の弾性部材を弾性力調節手段で調節することにより、圧力応動部材に印加される弾性力が変化して、当該弾性力と釣り合うように減圧弁の二次側圧力が自動的に調整され、減圧弁の二次側圧力はこの蒸気圧力を自動的に維持するように作動する。従って、減圧弁の二次側に配置した自動調節弁の入口側すなわち一次側の蒸気圧力は減圧弁によって常に一定の蒸気圧力に維持されることになり、自動調節弁を流下する蒸気量の変動が防止され供給蒸気量も安定したものとなる。
【0007】
蒸気、より厳密には飽和蒸気、はその圧力と温度が1対1の関係にあり、蒸気圧力が決まると蒸気温度も自動的に決まる。従って、設定入力手段により減圧弁の設定温度を入力すると、記憶部内の設定温度即ち1対1の関係にある圧力と弾性部材の弾性力との関係から、設定温度と成るべく弾性力が演算されてその弾性力を生じるように弾性力調節手段が駆動されて、減圧弁は設定され、二次側の蒸気温度を設定温度に維持する。従って、蒸気温度を検出するための温度センサ―がなくても供給蒸気熱量を正確に制御することができる。
【0008】
【実施例】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する。
図1において、蒸気供給管2に順次配置した減圧弁1と、自動調節弁26と、図示しない蒸気使用装置への蒸気管27に取り付けた蒸気流量検出手段としての流量センサ―28、及び、駆動制御部5とで蒸気熱量制御装置を構成する。
【0009】
減圧弁1は図2に詳細断面図を示すように、蒸気を通過遮断する主弁8と、主弁8と協働するピストン9と、ピストン9の上部室10に一次側の高圧蒸気を供給遮断するパイロット弁部11と、パイロット弁部11を駆動する圧力応動部材としてのダイヤフラム12と、ダイヤフラム12の下部室13に二次側流体圧力を導入する二次圧導入通路14と、ダイヤフラム12の上面に作用する弾性部材としてのコイルバネ15と、コイルバネ15の弾性力を調節する弾性力調節手段としての調節ねじ16と、調節ねじ16を駆動する駆動部としてのモ―タ17及び減速機18とで構成する。
【0010】
駆動制御部5に、減圧弁1の設定圧力とコイルバネ15の弾性力との関係、及び、飽和蒸気の圧力と温度の関係を記憶する記憶部を内蔵すると共に、設定温度入力手段7と図1における流量センサ―28の入力部6を内蔵する。
【0011】
弾性部材としてのコイルバネ15は、本実施例においては、ダイヤフラム12の下方向に弾性力を作用する例を示したが、大気圧以下の所謂真空蒸気を減圧する場合には弾性力が反対方向、即ち上方向、に作用するコイルバネとすることもできる。
【0012】
また、減圧弁1には、蒸気供給管2から供給される高圧蒸気中に含まれる凝縮水としての復水を分離するセパレ―タ20と、分離された復水により浮上降下して復水弁口21を開閉するフロ―ト22から成るスチ―ムトラップ部23を一体に取り付ける。
【0013】
次に作用を説明する。
駆動制御部5内の設定温度入力手段7から減圧弁1としての設定温度を入力すると、同じく駆動制御部5内の記憶部により設定温度に対する減圧弁の設定蒸気圧力とコイルバネ15の弾性力が演算され、この弾性力を生じるだけモ―タ17を回転駆動してコイルバネ15を圧縮する。従って、蒸気供給管2から供給される蒸気は減圧弁1の主弁8で絞られ、自動調節弁26へは設定温度及び圧力の蒸気となって流下する。
【0014】
減圧弁1の二次側の圧力が減少して設定値よりも低下すると、ダイヤフラム12がコイルバネ15の弾性力により押し下げられパイロット弁11が開弁して、一次側の高圧蒸気をピストン上部室10に供給してピストン9が下方に変位することにより、主弁8が開弁して更に蒸気を補給して、減圧弁1の二次側は設定圧力値に維持される。
【0015】
減圧弁1によって自動調節弁26の入口側すなわち一次側の蒸気圧力が一定に維持されることにより、自動調節弁26を流下する蒸気量の変動が防止され、蒸気管27から一定量の蒸気が供給される。流量センサ―28で蒸気流量を検出することにより所定量の熱量を精度良く供給することができる。
【0016】
【発明の効果】
自動調節弁の一次側の蒸気圧力変動を減圧弁により防止することができ、供給蒸気熱量を正確に制御することができる。
【0017】
また、温度センサ―を用いることなく、設定入力手段から設定温度を入力することにより、蒸気の圧力と温度の1対1の関係を利用して供給蒸気熱量を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸気熱量制御装置の実施例の構成図である。
【図2】図1における減圧弁の断面図である。
【符号の説明】
1 減圧弁
2 蒸気供給管
5 駆動制御部
7 設定温度入力手段
8 主弁
12 ダイヤフラム
15 コイルバネ
16 調節ねじ
17 モ―タ
26 自動調節弁
28 流量センサ―
Claims (1)
- 蒸気流量検出手段からの検出信号に応じて自動調節弁を開閉制御して、供給蒸気熱量を制御するものにおいて、自動調節弁の一次側に減圧弁を配置し、当該減圧弁が、圧力応動部材の一面に二次側流体圧力を受圧し他面に弾性部材の弾性力を受けて該圧力応動部材の変位により蒸気の流下する主弁部を開閉する弁から成り、該弁に弾性部材の弾性力を調節する弾性力調節手段を取り付けて弾性部材の弾性力と設定圧力と設定温度との関係を記憶する記憶部を設け、設定圧力または設定温度を入力する設定入力手段を設けて該設定入力手段からの入力値と記憶部内の関係から弾性力調節手段を所望量だけ駆動する駆動制御部を設けると共に、当該駆動制御部を蒸気流量検出手段としての流量センサーと自動調節弁と減圧弁に接続したことを特徴とする蒸気熱量制御装置。
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JP14121395A JP3540865B2 (ja) | 1995-05-15 | 1995-05-15 | 蒸気熱量制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14121395A JP3540865B2 (ja) | 1995-05-15 | 1995-05-15 | 蒸気熱量制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08314547A JPH08314547A (ja) | 1996-11-29 |
JP3540865B2 true JP3540865B2 (ja) | 2004-07-07 |
Family
ID=15286778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP14121395A Expired - Fee Related JP3540865B2 (ja) | 1995-05-15 | 1995-05-15 | 蒸気熱量制御装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3540865B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104289162A (zh) * | 2014-09-25 | 2015-01-21 | 中国石油化工股份有限公司 | 感温感压防爆装置 |
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1995
- 1995-05-15 JP JP14121395A patent/JP3540865B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN104289162A (zh) * | 2014-09-25 | 2015-01-21 | 中国石油化工股份有限公司 | 感温感压防爆装置 |
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