JP3540618B2 - 移動電話によりユーザ指定情報を呼び出す方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報プロバイダにより提供されるユーザ指定情報を呼び出すプロセスに関して、該情報が移動電話のＳＭＳメッセージを用いて迅速且つ簡単に呼び出される。
【０００２】
【従来の技術】
現在、ＳＭＳ（Short Message Service）により移動電話を通じて情報を呼び出す３つの異なる方法が存在する。
【０００３】
正確なパラメータの入力：
この場合、ユーザは彼が要求した情報を正確に指定し、またそれを認可しなければならない（例えばＰＩＮ）。従って、例えばユーザが口座状況の照会を希望する場合、彼は口座番号、要求データ（すなわち彼の口座の状況）、及び彼のＰＩＮを入力しなければならない。複雑なパラメータの場合、このメッセージは非常に長く、すなわち押下されるキーの数が非常に多くなる。
【０００４】
短コマンドの入力：
この場合、ユーザは可能な短縮コマンドのセットを知らなければならない。これらの短コマンドは情報プロバイダ（例えば銀行）により確立され、全てのユーザにとって同じである。
【０００５】
上述の例では、コマンドそのものだけが短縮され、口座番号及びＰＩＮが入力される必要がある。
【０００６】
個々の短コマンド：
この方法は、ユーザに彼の情報を呼び出すための非常に便利な方法を提供する。しかしながら、情報プロバイダにより、コマンドの個々のリストがユーザに対して使用可能にされなければならない。その上、ユーザは彼の移動電話番号を情報プロバイダに提供しなければならない。この方法は情報プロバイダ側にとってだけ取り扱いが困難である。なぜなら、クライアント数が非常に増えると、非常に大量のデータが生成され、管理されなければならないからである。更に、クライアントによる変更（情報のタイプ、移動電話番号など）の実行が高価となる。
【０００７】
これらの上述の方法に共通な点は、ユーザがＳＭＳメッセージの支援により、問い合わせを定式化することである。このメッセージが情報プロバイダにより評価され、要求された情報が１つ以上のＳＭＳメッセージにより、移動電話に送信される。このプロセスの欠点は、１文字を印刷するために、最大４つのキーが押下されなければならないことである。
【０００８】
Europen Offenlegungsschrift EP 0731 590 A2は、選択キー及び無線キーを有するキーパッド及び表示フィールド、更に操作部に追加のキー（ソフト・キー）、及び任意的に（手で握れる）統合型送受信装置を有する移動電話について述べている。
【０００９】
この提案による解決策の欠点は、"イエス"により確認されるべき受信メッセージが、ソフト・キー・ボタンの操作及び追加の確認を伴う"イエス"入力により、送信者に返送されるという意味において、移動電話上に、メッセージを処理し送信するための追加の装置を要求することである。この発明はもっぱらイエス／ノー応答に限られ、複雑なメッセージの送信を単純化しない。その上、この方法は移動電話の変更を要求する。
【００１０】
上述の方法は、クライアントから非常に詳細な、従って長い入力を要求するか、或いは時にクライアントに、短コマンドの大きなセットを知ることを要求するといった欠点を有し、こうしたコマンドは、情報プロバイダが非常に大きな費用によってのみ管理することができる。
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、移動電話を通じて、ユーザ指定情報を呼び出す新たな方法を使用可能にし、該方法は移動電話自体が変更される必要性無しに、及びユーザが情報プロバイダにより予め指定されるコマンドを知る必要無しに、及び情報プロバイダ側に任意の追加の管理経費を要求すること無しに、移動電話を通じて単純なメッセージにより、複雑な情報の呼び出しを可能にする。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一態様では、情報プロバイダにより提供される情報のうちのユーザが指定する情報（以下、ユーザ指定情報という）を識別するコマンドを含む照会プロファイルを情報プロバイダに保管しておき、前記照会プロファイルに基いて、ユーザ指定情報を移動電話を介して呼び出す方法に関する。この方法は、ａ）前記コマンドを含む情報呼び出し要求を、前記移動電話により、ユーザから前記情報プロバイダへ送信するステップと、
ｂ）前記ステップａ）で前記情報呼び出し要求を送ったユーザがユーザ指定情報を呼び出す資格があることを確認したとき、前記情報プロバイダに保管されている当該ユーザの前記照会プロファイルのコマンドと、前記ステップａ）で送信されたコマンドとを比較するステップと、
ｃ）ステップｂ）においてコマンドが一致したとき、前記情報プロバイダにおいて、前記コマンドによって識別される情報を収集するステップと、
ｄ）前記ステップｃ）で収集された情報を前記情報プロバイダから前記移動電話に送信するステップと、
ｅ）前記移動電話により前記情報を再生するステップと
を含む。
好ましくは、前記ステップａ）は、前記移動電話のＳＭＳを介して実行される。また、前記ステップａ）においては、前記情報呼び出し要求と一緒にＰＩＮ（Personal Identification Number：個人識別番号）を前記移動電話から前記情報プロバイダへ送信し、前記ＰＩＮにより、ユーザ指定情報を呼び出す資格があるかを確認することができ、また、前記情報呼び出し要求と一緒に前記移動電話の電話番号を前記移動電話から前記情報プロバイダへ送信し、前記電話番号により、ユーザ指定情報を呼び出す資格があるかを確認することができる。
本発明は、もう１つの態様では、情報プロバイダにより提供される情報のうちのユーザ指定情報を移動電話で呼び出す方法に関する。この方法は、
ａ）ユーザ指定情報を識別するコマンドを含む照会プロファイルをユーザが準備するステップと、
ｂ）ステップａ）で準備された前記照会プロファイルを、前記情報プロバイダに保管するために、ユーザから前記情報プロバイダへ送信するステップと、ｃ）ユーザ指定情報を識別するコマンドを含む情報呼び出し要求を、前記移動電話により、前記情報プロバイダに送信するステップと、
ｄ）前記ステップｃ）で前記情報呼び出し要求を送ったユーザがユーザ指定情報を呼び出す資格があることを確認したとき、前記情報プロバイダに保管されている当該ユーザの前記照会プロファイルのコマンドと、前記ステップｃ）で送信されたコマンドとを比較するステップと、
ｅ）前記ステップｄ）においてコマンドが一致したとき、前記情報プロバイダにおいて、前記コマンドによって識別される情報を収集するステップと、
ｆ）収集された前記情報を前記情報プロバイダから前記移動電話に送信するステップと、
ｇ）前記移動電話により前記情報を再生するステップと
を含む。
好ましくは、前記ステップｃ）は前記移動電話のＳＭＳを介して実行される。また、前記ステップａ）はデータ処理システムを介して実行され、前記ステップｂ）は前記移動電話のユーザのデータ処理システムと前記情報プロバイダのデータ処理システムとの間のデータ・リンクを介して実行される。また、前記ステップｃ）において、前記情報呼び出し要求と一緒にＰＩＮを前記移動電話から前記情報プロバイダへ送信し、前記ＰＩＮにより、ユーザ指定情報を呼び出す資格があるかを確認することができ、また、前記ステップｃ）において、前記情報呼び出し要求と一緒にユーザの電話番号を前記移動電話から前記情報プロバイダへ送信し、前記電話番号により、ユーザ指定情報を呼び出す資格があるかを確認することができる。
【００１３】
本発明の利点は、異なる２つの通信媒体の組み合わせにより、それらの両方の利点を利用することにある。移動電話を用いて任意の時刻に任意の場所で情報を呼び出すために、ＳＭＳメッセージが使用される。所望の情報を指定するために、及び短コマンドを定義するために、移動電話のユーザはデータ処理装置をデータ・リンク、例えばインターネット接続と一緒に使用し、それにより照会プロファイルが情報プロバイダに保管される。更に、照会プロファイルが音声コンピュータを介して生成され得る。ユーザは単純な短コマンドにより、記録された照会プロファイルを呼び出し、所望の情報を獲得することができる。所望の情報は移動電話を通じて、聴覚的にまたは視覚的に再生される。従って、両方の媒体の特性が互いに理想的に結合され、移動電話のハードウェア及びその操作方法が変更されずに維持される。
【００１４】
【発明の実施の形態】
本発明に従う体系が図１に示され、これはユーザの移動電話、ユーザのデータ処理装置（ＰＣ）、及び情報プロバイダのデータ処理装置（サーバ）を含み、ＰＣは例えばインターネットなどのネットワークに接続され、サーバはインターネットを介してＰＣに接続される。
【００１５】
移動電話のユーザは、データ処理装置を通じて情報プロバイダのコンピュータに接続し、いわゆる照会プロファイル（すなわち、情報プロバイダにより提供される情報のうちのユーザ指定情報を識別するデータを含むユーザ照会データ）を生成する。照会プロファイルは、照会され得る任意の情報に対応する単純な短いコマンド（以下、短コマンドという）を含み、ユーザは将来的にこの情報を移動電話を通じて便利に獲得できる。ユーザが照会プロファイルを情報プロバイダに転送する技法は多数の形態を取り得る。好適な形態は、インターネット及びイントラネット、及びそれら上で確立されるユーザ対話のための方法及び技術、例えばＨＴＭＬ、ＣＧＩ、ＪＡＶＡ、ActiveＸなどを使用する。これらの技術は、製作者／ユーザが作成される照会及びその短コマンドを有する照会プロファイルを簡単に入力し、それを情報プロバイダに送信することを可能にする。これらの照会プロファイルは、情報プロバイダにより管理され、記憶される。将来のある時点で、ユーザがＳＭＳによりこれらの短コマンドの１つを彼の移動電話を通じて情報プロバイダに送信する場合、情報プロバイダはユーザの電話番号及び送信された短コマンドを以前にユーザにより生成され、その情報プロバイダに送信された照会プロファイルと照合する。それらが一致すると、所望の情報がＳＭＳにより移動電話のユーザに送信される。
【００１６】
本発明の別の実施例では、インターネットの代わりに"コール・センタ"を使用する。この場合、ユーザは音声コンピュータまたは人間のいずれかによる構成メニューに従う。照会プロファイルはユーザにより、電話キーパッドを通じてまたは口頭で入力される。
【００１７】
更に別の実施例では、移動電話のユーザが彼のモデムにより、電話網を通じて情報プロバイダに直接ダイヤルする。これはインターネットへの代替伝送手段を用いるだけであるので、インターネットに関して上述されたコメントが適用される。
【００１８】
最後の実施例では、移動電話のユーザが（電話／ファックス／レターなどにより）照会プロファイルを情報プロバイダに伝達し、情報プロバイダがこの情報を記憶する。
【００１９】
図２は、銀行体系における本発明の実施例を示す。
【００２０】
銀行体系は本来ＳＭＳサーバを含み、これが要求される情報を準備する１つ以上のシステムに接続される。更に、ＳＭＳサーバはインターネットに接続される。ＳＭＳサーバはＷＷＷサーバ・プログラムへのアクセスを有し、顧客はＷＷＷサーバ・プログラムを通じてＪＡＶＡアプレットを引き出し、その支援により求められる情報及びその短コマンドを定義することができる。更に、ＳＭＳサーバは、この情報を管理するＳＭＳプログラムへのアクセスを有し、入力メッセージを入力される短コマンドと比較し、それらが一致すると、接続されるシステムの支援により所望の情報を収集する。この収集情報の送信は、ＳＭＳサーバ上に導入される別のプログラムにより実行される。幾つかのプログラムに渡る機能の分離は論理的な性質にもとづき、技術的な要求ではない。従って、専門家により別途解決され得るものである。
【００２１】
情報は情報プロバイダの移動電話の１つを通じて送信されるか、或いはデータ・リンクを介して、情報プロバイダから移動電話網オペレータに送信され、オペレータが電話網を通じて、情報を移動電話ユーザに送信する。
【００２２】
情報は通常、移動電話の表示上に示される。しかしながら、情報を聴覚的に用意し、それを移動電話ユーザに送信することも可能である。
【００２３】
銀行分野では、本発明に従う方法は例えば次の照会のために使用され得る。
【００２４】
勘定残高照会：
この場合、ユーザは図１に示される方法により、インターネットを通じて、短コマンド、例えば"口座１＝口座番号ｘｙの勘定残高としてＫＳ１"を定義する。更に、ユーザは移動電話の番号を提供し、そこから照会が作成される。
【００２５】
株価、預金値、預金利回り：
この場合、顧客は例えば、インターネットを介して彼のシステムにダウンロードするアプレットを介して、短コマンド、例えば"ＩＢＭ株の現相場としてＡＫＩ"を定義することができる。更に、顧客は照会が作成され得る移動電話の番号を提供する。
【００２６】
セキュリティ上の理由から情報に対する呼び出しと一緒に、ＰＩＮ及び電話番号が情報プロバイダに送信され得る。ＰＩＮは、指定情報が許可されたユーザによってのみ要求され得ることを確認する。電話番号の包含は、情報プロバイダによりセット・アップされる照会プロファイルが、許可された電話からだけ要求され得ることを保証する。
【００２７】
本発明は、移動電話のユーザにとって関心のある人、物、または特殊な関係に関する情報を情報プロバイダが記憶する、ほとんど全ての分野において使用され、それらには保険業、交通情報などが含まれる。
【００２８】
本発明の利点は、２つの異なる通信媒体の組み合わせにより、それらの両方の利点を利用することにある。移動電話を用いて、任意の時刻に任意の場所で情報を呼び出すために、ＳＭＳメッセージが使用される。所望の情報を指定するために、及び短コマンドを定義するために、移動電話のユーザはデータ処理装置をデータ・リンク、例えばインターネット接続と一緒に使用し、それにより照会プロファイルが情報プロバイダに保管される。更に、照会プロファイルが音声コンピュータを介して生成され得る。ユーザは単純な短コマンドにより、保管された照会プロファイルを呼び出し、所望の情報を獲得することができる。所望の情報は移動電話を通じて、聴覚的にまたは視覚的に提供される。従って、２つの媒体の特性が互いに理想的に結合され、移動電話のハードウェア及びその操作方法が変更されずに維持される。
【００２９】
まとめとして、本発明の構成に関して以下の事項を開示する。
【図面の簡単な説明】
【図１】インターネット分野での本発明の実施例を示す図である。
【図２】本発明に従う体系、及び銀行分野でのその実施例を示す図である。

Claims (3)

1. 情報プロバイダにより提供される情報のうちのユーザ指定情報を移動電話で呼び出す方法であって、
   ａ）ユーザ指定情報を識別するコマンドを含む照会プロファイルをユーザが準備するステップと、
   ｂ）ステップａ）で準備された前記照会プロファイルを、前記情報プロバイダに保管するために、データ処理装置により、データ・リンクを介してユーザから前記情報プロバイダへ送信するステップと、
   ｃ）ユーザ指定情報を識別するコマンドを含む情報呼び出し要求を、前記移動電話により、ＳＭＳを介して前記情報プロバイダに送信するステップと、
   ｄ）前記ステップｃ）で前記情報呼び出し要求を送ったユーザがユーザ指定情報を呼び出す資格があることを確認したとき、前記情報プロバイダに保管されている当該ユーザの前記照会プロファイルのコマンドと、前記ステップｃ）で送信されたコマンドとを比較するステップと、
   ｅ）前記ステップｄ）においてコマンドが一致したとき、前記情報プロバイダにおいて、前記コマンドによって識別される情報を収集するステップと、
   ｆ）収集された前記情報を前記情報プロバイダから前記移動電話に送信するステップと、
   ｇ）前記移動電話により前記情報を再生するステップと
   を含む、方法。
2. 前記ステップｃ）において、前記情報呼び出し要求と一緒にＰＩＮを前記移動電話から前記情報プロバイダへ送信し、前記ＰＩＮにより、ユーザ指定情報を呼び出す資格があるかを確認する、請求項１に記載の方法。
3. 前記ステップｃ）において、前記情報呼び出し要求と一緒にユーザの電話番号を前記移動電話から前記情報プロバイダへ送信し、前記電話番号により、ユーザ指定情報を呼び出す資格があるかを確認する、請求項１に記載の方法。

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