JP3540570B2 - インキュベータユニット - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物等を培養する恒温装置に用いるインキュベータユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
微生物等を培養するために、恒温槽内の被加熱体を設定された温度に保持するようにした恒温装置が実用に供されている。
また、従来より、マイクロチューブや試験管等の試料容器を、当該恒温装置により加熱又は冷却する際に用いるインキュベータブロックとして、金属製、特に熱伝導性が高いアルミニウム製の金属ブロックに、マイクロチューブや試験管等の被加熱体を収納支持する挿入穴が設けられたブロックタイプのインキュベータブロックが用いられている。
【0003】
このインキュベータブロックを用いて、上記被加熱体を加熱保温又は冷却保温する方法について、図4(A)、(B)及び図5(A)〜(C)を用いて説明する。
図4(A)は、上記インキュベータブロック30の平面図で、同図(B)は縦断側面図である。また、図5(A)は当該インキュベータブロック30により収納支持されるマイクロチューブ31の平面図で、同図(B)は側面図、同図(C)はマイクロチューブ31を装着し、恒温装置(図示せず)の温度制御機能としての温度制御部32にインキュベータブロック30を載せた状態を示す縦断側面図である。
【0004】
図4(A)、(B)に示すように、インキュベータブロック30は、金属ブロックに図5(A)、(B)に示すマイクロチューブ31を装着するための、断面が略円形状の挿入穴30aを所定の間隔をおいて16個形成することにより構成されている。
この構成で、インキュベータブロック30は、図5(C)に示すように、マイクロチューブ31をインキュベータブロック30の各挿入穴30aに装着し、温度制御部32に載せ、恒温槽(図示せず)内に所定の時間保存することにより微生物等の培養を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、分子生物学分野では、取り扱う試料容量が微量化しており、それに対応してマイクロチューブ等の試料容器の小型化や、多様化が進んでいる。
例えば、マイクロチューブのインキュベータブロックとしては上述の金属ブロックタイプのインキュベータブロックが最適であるが、このように、マイクロチューブ等の試料容器が多様化するのに対応して、それらを収納するインキュベータブロックも多種多様化すると、取り扱いが煩雑化してしまう。
また、多種多様のインキュベータブロックを総て用意するとなると維持コストが嵩むという問題が生じる。
従って、多種多様化したマイクロチューブ等の試料容器を収納支持する汎用性の高いインキュベータブロックを備えたインキュベータユニットが要望されている。
【0006】
また、恒温槽内の温度は極力均一になるように工夫されているが、多数の試料容器を収納して一度に多数の培養を行う場合、各試料容器に温度のむらがあると、培養の均一性が阻害されることになる。そこで、微生物等の培養が均質に行われるために、内部の温度分布が一様となるインキュベータユニットも要望されている。
本発明は、上記課題(問題点)を解決し、多種多様化したマイクロチューブ等の試料容器が収容可能で、内部温度の分布を一様とすることができるインキュベータユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のインキュベータユニットは、上記課題を解決するために、請求項1に記載のものでは、恒温槽と熱源と温度制御機能を備え、恒温槽内の被加熱体の温度を設定値に保持するようにした恒温装置において、インキュベータブロックと、前記インキュベータブロックに収容される所定量の顆粒状又は細粒状の部材を備え、前記顆粒状又は細粒状の部材により試料容器をインキュベータブロック内に収納支持するように構成した。
これにより、多種多様化したマイクロチューブ等の試料容器を、上記の顆粒状又は細粒状の部材に、所定容量埋設することにより自在に収納支持できるので、試料容器の多様化に充分に対応が可能なインキュベータユニットとすることができる。
また、試料容器の外面が顆粒状又は細粒状の部材により覆われることにより、熱伝導性が向上し、温度制御が高性能となり、またインキュベータユニット内の温度むらを無くすことができる。
【0008】
請求項2に記載のインキュベータユニットでは、恒温槽と熱源と温度制御機能を備え、恒温槽内の被加熱体の温度を設定値に保持するようにした恒温装置において、インキュベータブロックと、前記インキュベータブロックに収容される所定量の顆粒状又は細粒状の部材と、インキュベータブロックの内側に格子状に弾性材を配置することにより形成した試料容器ホルダを備え、前記顆粒状又は細粒状の部材及び前記試料容器ホルダとにより試料容器をインキュベータブロック内に収納支持するように構成した。
このように構成することで、上記同様の効果がある他に、試料容器は上記試料容器ホルダと上記顆粒状又は細粒状の部材の双方で収納支持されることになるので、インキュベータブロック内での収納支持の安定性が向上する。
【0009】
請求項3に記載のインキュベータユニットでは、上記インキュベータユニットに着脱自在の蓋体を備えるように構成した。
このように、蓋体を備えたインキュベータユニットとすることにより、更に、蓋体の作用によりインキュベータユニット内の温度分布を一様とすることができる。
【0010】
請求項4に記載のインキュベータユニットでは、上記顆粒状又は細粒状の部材をアルミニウムで形成するように構成した。
顆粒状又は細粒状の部材を熱伝導率に優れたアルミニウムで形成することにより、熱の伝達が良くなり、インキュベータユニット内の温度むらの解消に更に貢献する。
【0011】
請求項5に記載のインキュベータユニットでは、上記インキュベータブロックの形状を箱形形状に形成すると共に、材質をアルミニウムとした。
インキュベータブロックの形状を箱形形状とすることにより、試料容器の収納効率が向上する。
一方、インキュベータブロックの材質をアルミニウムとすることで熱伝導率が大きくなり、インキュベータユニット内の温度の一様化に一層貢献する。
また、試料容器に直接的に熱伝導できるので高精度に温度制御が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態:
本発明のインキュベータユニットの第1の実施の形態を図1(A)、(B)又は図2(A)、(B)を用いて説明する。なお、図1(A)、(B)及び図2(A)、(B)において、従来の技術を示した図4(A)、(B)及び図5(A)〜(C)と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略した。
図1は、本発明のインキュベータユニット10の第1の実施の形態を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は温度制御部32にインキュベータユニット10を載せた状態の縦断側面図である。
また、図2は、本発明のインキュベータユニット10の基本構成を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は縦断側面図である。
【0013】
本実施の形態のインキュベータユニット10は、図2(A)、(B)に示すように、箱形形状に形成され、また、熱伝導性の良いアルミニウム材で構成されたインキュベータブロック12と、アルミニウム製の所定量の顆粒状の部材11を収納した顆粒状部材収納容器(以下単に収納容器という)14をインキュベータブロック12に収容することにより構成される。
【0014】
この構成で、本実施の形態であるインキュベータユニット10により、被加熱体の試料容器であるマイクロチューブ31a〜31cを用いて微生物等の培養を行う場合は、先ず、当該マイクロチューブ31a〜31cを、図1(A)、(B)に示すように、インキュベータブロック12内に収納された顆粒状の部材11にマイクロチューブ31a〜31cを所定の容積だけ埋設する。これにより、各マイクロチューブ31a〜31cは、顆粒状の部材11に支持され、インキュベータブロック12内に安定した姿勢で収納される。
次に、当該インキュベータユニット10を恒温槽(図示せず)内の図1(B)に示す温度制御部32に設置し、この温度制御部32を作動し、所定の時間インキュベータユニット10を一定の温度に保温することにより培養を行う。
なお、温度制御部32は、例えばサーモモジュール等の制御可能な加熱手段により構成すればよい。
【0015】
このように、本発明であるインキュベータユニット10を用いると、上述したように種々の形状をしたマイクロチューブ31a〜31cに対して、顆粒状の部材11に所定の容積だけ埋設するだけで、安定した姿勢で収納支持できるので、試料容器の形状の変化に柔軟に対応でき、汎用性の高いインキュベータユニット10とすることができる。
また、インキュベータユニット10に、後述する図3(B)に示す着脱自在の蓋体15を備えて、恒温槽で加熱中に蓋体15を閉じるようにし、また、上述したように、インキュベータブロック12をアルミニウムで構成すると、インキュベータユニット10内の温度分布の偏りが無くなり、また、試料容器に直接的に熱伝導できるので高精度に温度制御が可能となり、微生物等の培養の均質性が向上する。
【0016】
第2の実施の形態:
本発明のインキュベータユニット10の第2の実施の形態を図3(A)、(B)を用いて説明する。
図3において、同図(A)は、インキュベータユニット10の第2の実施の形態を示す平面図で、同図(B)は縦断側面図である。
本実施の形態におけるインキュベータユニット10は、インキュベータブロック12と、インキュベータブロック12に収容される所定量の顆粒状の部材11の他に、インキュベータブロック12の内側に、格子状に弾性材としての複数本の縦、横方向のばね13a、13bを配置することにより形成した試料容器ホルダ13と着脱自在の蓋体15を加えたものである。
【0017】
この構成で、種々の形状をしたマイクロチューブ31a〜31cは、図3(A)に示すように、インキュベータブロック12内に格子状に複数本の縦、横方向に取り付けられたばね13a、13bの方形状の間隙に、顆粒状の部材11に所定の容積埋設することにより装着する。
これにより、マイクロチューブ31a〜31cは、上記試料容器ホルダ13と上記顆粒状の部材11の双方で収納支持されることになり、試料容器の安定度が一層向上し、また、着脱自在の蓋体15により、上述したように、温度むらを無くすことができる。
【0018】
本発明のインキュベータユニットは上記各実施の形態には限定されない。
例えば、インキュベータブロックの形状については、上記各実施の形態では箱形形状のもので説明したが、これをインキュベータユニットを収納する恒温槽の内部形状等に対応した種々の形状への変更が考えられる。
更に、顆粒状の部材の径についても、試料容器を収納支持するのに適する径であればよいので、特に上記各実施の形態には限定されず、例えば細粒の部材を用いるようにしても良い。
第2の実施の形態の説明では、試料容器ホルダの弾性材として、ばねを用いる例で説明したが、弾性材にゴムや樹脂等の他の弾性材を用いるようにしても良いのは勿論のことである。
【0019】
【発明の効果】
本発明のインキュベータユニットは、上述のように構成したために、以下のような優れた効果を有する。
(1)請求項1に記載のインキュベータユニットのように、インキュベータブロックと、インキュベータブロックに収容される所定量の顆粒状又は細粒状の部材を備え、顆粒状又は細粒状の部材により試料容器をインキュベータブロック内に収納支持するように構成すると、多種多様化したマイクロチューブ等の試料容器を、顆粒状又は細粒状の部材により自在に収納支持できるので、試料容器の多様化に充分に対応が可能なインキュベータユニットとすることができる。
(2)また、試料容器の外面が顆粒状又は細粒状の部材により覆われることにより、熱伝導性が向上し、温度制御が高性能となり、またインキュベータユニット内の温度むらを無くすことができる。
(3)請求項2に記載のインキュベータユニットのように、上記インキュベータユニットに、更にインキュベータブロックの内側に格子状に弾性材を配置することにより形成した試料容器ホルダを備えるように構成すると、試料容器は試料容器ホルダと顆粒状又は細粒状の部材の双方で収納支持されることになり、インキュベータブロック内での収納支持の安定性が向上する。
(4)請求項3に記載のインキュベータユニットのように、インキュベータユニットに着脱自在の蓋体を備えるように構成すると、蓋体の作用によりインキュベータユニット内の温度分布を一様とすることができる。
(5)請求項4に記載のインキュベータユニットのように、顆粒状又は細粒状の部材をアルミニウムで形成するように構成すると、熱の伝達が良くなり、インキュベータユニット内の温度むらの解消に更に貢献する。
(6)請求項5に記載のインキュベータユニットのように、インキュベータブロックの形状を箱形形状に形成すると、試料容器の収納効率が向上する。
(7)また、インキュベータブロックの材質をアルミニウムとすることで熱伝導率が大きくなり、インキュベータユニット内の温度の一様化に一層貢献する。
更に、試料容器に直接的に熱伝導できるので高精度に温度制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインキュベータユニットの第1の実施の形態を示す図で、同図(A)は、マイクロチューブを挿入した状態の平面図で、同図(B)は、温度制御部に載せた状態を示す縦断側面図である。
【図2】本発明のインキュベータユニットの基本構成を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は縦断側面図である。
【図3】本発明のインキュベータユニットの第2の実施の形態を示す図で、同図(A)は、マイクロチューブを挿入した状態の平面図で、同図(B)は、蓋体をインキュベータブロックに被せた状態の縦断側面図である。
【図4】従来のインキュベータブロックの概略構成を示すもので、同図(A)は平面図、同図(B)は、温度制御部に載せた状態の縦断側面図である。
【図5】従来のインキュベータブロックの実施の形態を示すもので、同図(A)はインキュベータブロック用のマイクロチューブの平面図で、同図(B)はその側面図、同図(C)はマイクロチューブを装着し、温度制御部に載せた状態のインキュベータブロックの縦断側面図である。
【符号の説明】
10:インキュベータユニット
11:顆粒状の部材
12:インキュベータブロック
13:試料容器ホルダ
13a、13b:ばね(弾性体)
15:蓋体
31a〜31c:マイクロチューブ(試料容器)
32:温度制御部(温度制御機能)
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物等を培養する恒温装置に用いるインキュベータユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
微生物等を培養するために、恒温槽内の被加熱体を設定された温度に保持するようにした恒温装置が実用に供されている。
また、従来より、マイクロチューブや試験管等の試料容器を、当該恒温装置により加熱又は冷却する際に用いるインキュベータブロックとして、金属製、特に熱伝導性が高いアルミニウム製の金属ブロックに、マイクロチューブや試験管等の被加熱体を収納支持する挿入穴が設けられたブロックタイプのインキュベータブロックが用いられている。
【0003】
このインキュベータブロックを用いて、上記被加熱体を加熱保温又は冷却保温する方法について、図4(A)、(B)及び図5(A)〜(C)を用いて説明する。
図4(A)は、上記インキュベータブロック30の平面図で、同図(B)は縦断側面図である。また、図5(A)は当該インキュベータブロック30により収納支持されるマイクロチューブ31の平面図で、同図(B)は側面図、同図(C)はマイクロチューブ31を装着し、恒温装置(図示せず)の温度制御機能としての温度制御部32にインキュベータブロック30を載せた状態を示す縦断側面図である。
【0004】
図4(A)、(B)に示すように、インキュベータブロック30は、金属ブロックに図5(A)、(B)に示すマイクロチューブ31を装着するための、断面が略円形状の挿入穴30aを所定の間隔をおいて16個形成することにより構成されている。
この構成で、インキュベータブロック30は、図5(C)に示すように、マイクロチューブ31をインキュベータブロック30の各挿入穴30aに装着し、温度制御部32に載せ、恒温槽(図示せず)内に所定の時間保存することにより微生物等の培養を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、分子生物学分野では、取り扱う試料容量が微量化しており、それに対応してマイクロチューブ等の試料容器の小型化や、多様化が進んでいる。
例えば、マイクロチューブのインキュベータブロックとしては上述の金属ブロックタイプのインキュベータブロックが最適であるが、このように、マイクロチューブ等の試料容器が多様化するのに対応して、それらを収納するインキュベータブロックも多種多様化すると、取り扱いが煩雑化してしまう。
また、多種多様のインキュベータブロックを総て用意するとなると維持コストが嵩むという問題が生じる。
従って、多種多様化したマイクロチューブ等の試料容器を収納支持する汎用性の高いインキュベータブロックを備えたインキュベータユニットが要望されている。
【0006】
また、恒温槽内の温度は極力均一になるように工夫されているが、多数の試料容器を収納して一度に多数の培養を行う場合、各試料容器に温度のむらがあると、培養の均一性が阻害されることになる。そこで、微生物等の培養が均質に行われるために、内部の温度分布が一様となるインキュベータユニットも要望されている。
本発明は、上記課題(問題点)を解決し、多種多様化したマイクロチューブ等の試料容器が収容可能で、内部温度の分布を一様とすることができるインキュベータユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のインキュベータユニットは、上記課題を解決するために、請求項1に記載のものでは、恒温槽と熱源と温度制御機能を備え、恒温槽内の被加熱体の温度を設定値に保持するようにした恒温装置において、インキュベータブロックと、前記インキュベータブロックに収容される所定量の顆粒状又は細粒状の部材を備え、前記顆粒状又は細粒状の部材により試料容器をインキュベータブロック内に収納支持するように構成した。
これにより、多種多様化したマイクロチューブ等の試料容器を、上記の顆粒状又は細粒状の部材に、所定容量埋設することにより自在に収納支持できるので、試料容器の多様化に充分に対応が可能なインキュベータユニットとすることができる。
また、試料容器の外面が顆粒状又は細粒状の部材により覆われることにより、熱伝導性が向上し、温度制御が高性能となり、またインキュベータユニット内の温度むらを無くすことができる。
【0008】
請求項2に記載のインキュベータユニットでは、恒温槽と熱源と温度制御機能を備え、恒温槽内の被加熱体の温度を設定値に保持するようにした恒温装置において、インキュベータブロックと、前記インキュベータブロックに収容される所定量の顆粒状又は細粒状の部材と、インキュベータブロックの内側に格子状に弾性材を配置することにより形成した試料容器ホルダを備え、前記顆粒状又は細粒状の部材及び前記試料容器ホルダとにより試料容器をインキュベータブロック内に収納支持するように構成した。
このように構成することで、上記同様の効果がある他に、試料容器は上記試料容器ホルダと上記顆粒状又は細粒状の部材の双方で収納支持されることになるので、インキュベータブロック内での収納支持の安定性が向上する。
【0009】
請求項3に記載のインキュベータユニットでは、上記インキュベータユニットに着脱自在の蓋体を備えるように構成した。
このように、蓋体を備えたインキュベータユニットとすることにより、更に、蓋体の作用によりインキュベータユニット内の温度分布を一様とすることができる。
【0010】
請求項4に記載のインキュベータユニットでは、上記顆粒状又は細粒状の部材をアルミニウムで形成するように構成した。
顆粒状又は細粒状の部材を熱伝導率に優れたアルミニウムで形成することにより、熱の伝達が良くなり、インキュベータユニット内の温度むらの解消に更に貢献する。
【0011】
請求項5に記載のインキュベータユニットでは、上記インキュベータブロックの形状を箱形形状に形成すると共に、材質をアルミニウムとした。
インキュベータブロックの形状を箱形形状とすることにより、試料容器の収納効率が向上する。
一方、インキュベータブロックの材質をアルミニウムとすることで熱伝導率が大きくなり、インキュベータユニット内の温度の一様化に一層貢献する。
また、試料容器に直接的に熱伝導できるので高精度に温度制御が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態:
本発明のインキュベータユニットの第1の実施の形態を図1(A)、(B)又は図2(A)、(B)を用いて説明する。なお、図1(A)、(B)及び図2(A)、(B)において、従来の技術を示した図4(A)、(B)及び図5(A)〜(C)と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略した。
図1は、本発明のインキュベータユニット10の第1の実施の形態を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は温度制御部32にインキュベータユニット10を載せた状態の縦断側面図である。
また、図2は、本発明のインキュベータユニット10の基本構成を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は縦断側面図である。
【0013】
本実施の形態のインキュベータユニット10は、図2(A)、(B)に示すように、箱形形状に形成され、また、熱伝導性の良いアルミニウム材で構成されたインキュベータブロック12と、アルミニウム製の所定量の顆粒状の部材11を収納した顆粒状部材収納容器(以下単に収納容器という)14をインキュベータブロック12に収容することにより構成される。
【0014】
この構成で、本実施の形態であるインキュベータユニット10により、被加熱体の試料容器であるマイクロチューブ31a〜31cを用いて微生物等の培養を行う場合は、先ず、当該マイクロチューブ31a〜31cを、図1(A)、(B)に示すように、インキュベータブロック12内に収納された顆粒状の部材11にマイクロチューブ31a〜31cを所定の容積だけ埋設する。これにより、各マイクロチューブ31a〜31cは、顆粒状の部材11に支持され、インキュベータブロック12内に安定した姿勢で収納される。
次に、当該インキュベータユニット10を恒温槽(図示せず)内の図1(B)に示す温度制御部32に設置し、この温度制御部32を作動し、所定の時間インキュベータユニット10を一定の温度に保温することにより培養を行う。
なお、温度制御部32は、例えばサーモモジュール等の制御可能な加熱手段により構成すればよい。
【0015】
このように、本発明であるインキュベータユニット10を用いると、上述したように種々の形状をしたマイクロチューブ31a〜31cに対して、顆粒状の部材11に所定の容積だけ埋設するだけで、安定した姿勢で収納支持できるので、試料容器の形状の変化に柔軟に対応でき、汎用性の高いインキュベータユニット10とすることができる。
また、インキュベータユニット10に、後述する図3(B)に示す着脱自在の蓋体15を備えて、恒温槽で加熱中に蓋体15を閉じるようにし、また、上述したように、インキュベータブロック12をアルミニウムで構成すると、インキュベータユニット10内の温度分布の偏りが無くなり、また、試料容器に直接的に熱伝導できるので高精度に温度制御が可能となり、微生物等の培養の均質性が向上する。
【0016】
第2の実施の形態:
本発明のインキュベータユニット10の第2の実施の形態を図3(A)、(B)を用いて説明する。
図3において、同図(A)は、インキュベータユニット10の第2の実施の形態を示す平面図で、同図(B)は縦断側面図である。
本実施の形態におけるインキュベータユニット10は、インキュベータブロック12と、インキュベータブロック12に収容される所定量の顆粒状の部材11の他に、インキュベータブロック12の内側に、格子状に弾性材としての複数本の縦、横方向のばね13a、13bを配置することにより形成した試料容器ホルダ13と着脱自在の蓋体15を加えたものである。
【0017】
この構成で、種々の形状をしたマイクロチューブ31a〜31cは、図3(A)に示すように、インキュベータブロック12内に格子状に複数本の縦、横方向に取り付けられたばね13a、13bの方形状の間隙に、顆粒状の部材11に所定の容積埋設することにより装着する。
これにより、マイクロチューブ31a〜31cは、上記試料容器ホルダ13と上記顆粒状の部材11の双方で収納支持されることになり、試料容器の安定度が一層向上し、また、着脱自在の蓋体15により、上述したように、温度むらを無くすことができる。
【0018】
本発明のインキュベータユニットは上記各実施の形態には限定されない。
例えば、インキュベータブロックの形状については、上記各実施の形態では箱形形状のもので説明したが、これをインキュベータユニットを収納する恒温槽の内部形状等に対応した種々の形状への変更が考えられる。
更に、顆粒状の部材の径についても、試料容器を収納支持するのに適する径であればよいので、特に上記各実施の形態には限定されず、例えば細粒の部材を用いるようにしても良い。
第2の実施の形態の説明では、試料容器ホルダの弾性材として、ばねを用いる例で説明したが、弾性材にゴムや樹脂等の他の弾性材を用いるようにしても良いのは勿論のことである。
【0019】
【発明の効果】
本発明のインキュベータユニットは、上述のように構成したために、以下のような優れた効果を有する。
(1)請求項1に記載のインキュベータユニットのように、インキュベータブロックと、インキュベータブロックに収容される所定量の顆粒状又は細粒状の部材を備え、顆粒状又は細粒状の部材により試料容器をインキュベータブロック内に収納支持するように構成すると、多種多様化したマイクロチューブ等の試料容器を、顆粒状又は細粒状の部材により自在に収納支持できるので、試料容器の多様化に充分に対応が可能なインキュベータユニットとすることができる。
(2)また、試料容器の外面が顆粒状又は細粒状の部材により覆われることにより、熱伝導性が向上し、温度制御が高性能となり、またインキュベータユニット内の温度むらを無くすことができる。
(3)請求項2に記載のインキュベータユニットのように、上記インキュベータユニットに、更にインキュベータブロックの内側に格子状に弾性材を配置することにより形成した試料容器ホルダを備えるように構成すると、試料容器は試料容器ホルダと顆粒状又は細粒状の部材の双方で収納支持されることになり、インキュベータブロック内での収納支持の安定性が向上する。
(4)請求項3に記載のインキュベータユニットのように、インキュベータユニットに着脱自在の蓋体を備えるように構成すると、蓋体の作用によりインキュベータユニット内の温度分布を一様とすることができる。
(5)請求項4に記載のインキュベータユニットのように、顆粒状又は細粒状の部材をアルミニウムで形成するように構成すると、熱の伝達が良くなり、インキュベータユニット内の温度むらの解消に更に貢献する。
(6)請求項5に記載のインキュベータユニットのように、インキュベータブロックの形状を箱形形状に形成すると、試料容器の収納効率が向上する。
(7)また、インキュベータブロックの材質をアルミニウムとすることで熱伝導率が大きくなり、インキュベータユニット内の温度の一様化に一層貢献する。
更に、試料容器に直接的に熱伝導できるので高精度に温度制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインキュベータユニットの第1の実施の形態を示す図で、同図(A)は、マイクロチューブを挿入した状態の平面図で、同図(B)は、温度制御部に載せた状態を示す縦断側面図である。
【図2】本発明のインキュベータユニットの基本構成を示す図で、同図(A)は平面図、同図(B)は縦断側面図である。
【図3】本発明のインキュベータユニットの第2の実施の形態を示す図で、同図(A)は、マイクロチューブを挿入した状態の平面図で、同図(B)は、蓋体をインキュベータブロックに被せた状態の縦断側面図である。
【図4】従来のインキュベータブロックの概略構成を示すもので、同図(A)は平面図、同図(B)は、温度制御部に載せた状態の縦断側面図である。
【図5】従来のインキュベータブロックの実施の形態を示すもので、同図(A)はインキュベータブロック用のマイクロチューブの平面図で、同図(B)はその側面図、同図(C)はマイクロチューブを装着し、温度制御部に載せた状態のインキュベータブロックの縦断側面図である。
【符号の説明】
10:インキュベータユニット
11:顆粒状の部材
12:インキュベータブロック
13:試料容器ホルダ
13a、13b:ばね(弾性体)
15:蓋体
31a〜31c:マイクロチューブ(試料容器)
32:温度制御部(温度制御機能)
Claims (5)
- 恒温槽と熱源と温度制御機能を備え、恒温槽内の被加熱体の温度を設定値に保持するようにした恒温装置において、
インキュベータブロックと、前記インキュベータブロックに収容される所定量の顆粒状又は細粒状の部材を備え、前記顆粒状又は細粒状の部材により試料容器をインキュベータブロック内に収納支持するようにしたことを特徴とするインキュベータユニット。 - 恒温槽と熱源と温度制御機能を備え、恒温槽内の被加熱体の温度を設定値に保持するようにした恒温装置において、
インキュベータブロックと、前記インキュベータブロックに収容される所定量の顆粒状又は細粒状の部材と、インキュベータブロックの内側に格子状に弾性材を配置することにより形成した試料容器ホルダを備え、前記顆粒状又は細粒状の部材及び前記試料容器ホルダとにより試料容器をインキュベータブロック内に収納支持するようにしたことを特徴とするインキュベータユニット。 - 上記インキュベータユニットに着脱自在の蓋体を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のインキュベータユニット。
- 上記顆粒状又は細粒状の部材をアルミニウムで形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインキュベータユニット。
- 上記インキュベータブロックの形状を箱形形状に形成すると共に、材質をアルミニウムとしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインキュベータユニット。
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JP27793497A JP3540570B2 (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | インキュベータユニット |
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JP27793497A Expired - Fee Related JP3540570B2 (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | インキュベータユニット |
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-
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