JP3540386B2 - プレキャストコンクリート函用一次止水材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、複数のプレキャストコンクリート函(以下、PC函という)を連結することにより構築される共同溝、枡等の連結部を水密にするため、PC函の連結端面に設けた止水部から構成されるPC函用一次止水材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、共同溝、枡等はPC函を連結して構成されており、連結部を水密に保つために、その連結部に一次止水材を設けている。従来のPC函用一次止水材の一例の構成を説明するため、PC函の連結状態の一例を図7に断面図として示すとともに、連結端面の一例を図8に平面図として示す。
【0003】
図7および図8に示す例において、31、32はPC函、33、34はPC函31、32の外周面、35、36はPC函31、32の内周面である。また、37はPC函32の連結端面、38はこの連結端面37の内周面36の周囲全体に設けた凹部、39はこの凹部38に接着して取り付けた一次止水材、40は凹部38のコーナー部である。一次止水材39の取付は、PC函32の凹部38に接着剤、主にクロロプレン系接着剤を塗布し、一次止水材39を接着施工していき、一次止水材39の接合部はシーラー類を上から覆って実施している。また、一次止水材39としては、水圧に応じてスポンジ単体、スポンジとシーラーの複合体、シーラー単体、弾性架橋体、水膨張型止水材等を使用する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来のPC函用止水材では、以下のような問題があった。
(1)一次止水材39を凹部38に接着剤を使用して取り付けているため、PC函31、32が雨水等で濡れている場合は、取り付けることができない。
(2)凹部38のコーナー部40へ一次止水材39を取り付けようとすると、直線の一次止水材39は無理に曲げられるため元の直線状態に戻ろうとする力が働き、一次止水材39が凹部38からはずれやすくなる。
【0005】
(3)PC函31、32を連結する場合、必ず微調整が必要となるが、一次止水材39は凹部38へ接着剤で接着されているだけなので、一旦一次止水材39に連結すべきPC函31が触れると一次止水材39に無理な力が加わり凹部38よりはずれ、微調整のため再度連結すると一次止水材39は正常な形状を保つことができない。
(4)一次止水材39の両末端のつなぎ目はシール材で覆うだけで、しかも両末端において一次止水材39は凹部38へ接着剤で接着されているだけなので、水圧に対しつなぎ目は極端に弱く漏水しやすい。
【0006】
本発明の目的は上述した課題を解消して、PC函連結部の確実な止水をすることができるPC函用一次止水材を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のPC函用一次止水材は、複数のPC函を水密に連結するため、PC函の連結端面に設けた止水部から構成されるPC函用一次止水材において、前記止水部と一体に、引き抜け防止用の凹部を有する加硫ゴム製の埋め込み部を形成し、前記止水部を、スポンジゴム製の止水部本体と、この止水部本体の全周を覆うとともにその端部が前記埋め込み部まで達するブチルゴム製のシール部とから構成し、前記埋め込み部と前記シール部の端部とを、前記PC函の連結端面に埋め込んだことを特徴とするものである。
【0008】
【作用】
上述した構成において、止水部と一体に埋め込み部を形成し、埋め込み部をPC函の連結端面に埋め込むこと、および止水部を止水部本体とそれを覆うシール部とから構成し、シール部の端部を埋め込み部と同様にPC函の連続端面に埋め込むことで、どのような力が加えられようとも、また微調整のために再度連結しようとも、止水部がPC函の連結端面からはずれて脱落することはない。また、予め埋め込み部およびシール部の端部をPC函の連続端面に形成することで、接着剤で止水部をPC函の連結端面に取り付ける際の問題を解消することができる。さらに、止水部を、引き抜け防止用の凹部を有する埋め込み部でPC函の連結端面に取り付けることで、つなぎ目でもはがれにくく、シール材でつなぎ目を覆うだけでも漏水することはない。その結果、止水性の良好なPC函用一次止水材を得ることができる。
【0009】
なお、上述した各部の材質は一次止水材として従来から使用されているものならば特に限定するものでないが、埋め込み部としては加硫ゴムまたはスポンジゴムを使用し、止水部のうち止水部本体としてはスポンジゴムを使用し、止水部のうちシール部としてはブチルゴムを使用すると、以下の実施例からもわかるように好ましい態様となる。
【0010】
【実施例】
図1は本発明のPC函用一次止水材の一例の構成を示す図である。なお、図1に示す一次止水材も、従来技術として説明した図7および図8に示すPC函の連結端面で使用されることはいうまでもない。図1に示す例において、止水部1は、止水部本体2と、この止水部本体2の全周を覆うシール部3とから構成されている。また、埋め込み部4は、引き抜け防止用の凹部5を有し、止水部1の止水部本体2と一体化されている。そして、埋め込み部4とシール部3の端部3aとを、PC函6を作製すると同時に連結端面7に埋め込んで固定することで、本発明のPC函用一次止水材を形成している。
【0011】
図1に示す例において、止水部本体2をスポンジゴムから構成した場合は、PC函6の不均一な仕上がり面から密着性をより良くし、且つ、耐水性を向上させるために、比重が0.2〜0.7のものを使用することが好ましい。シール部3をブチルゴムから構成した場合は、厚みが0.5〜3mmのものを使用することが好ましく、さらに好ましくは1〜2mmのものを使用する。ただ、厚みよりは、止水部本体2の全周をあますことなく覆うことが重要であり、PC函6の作製の際その端面3aを連結端面7に埋め込んでいる。
【0012】
また、埋め込み部4を加硫ゴムで形成する場合は、デューロA硬度で35〜90のものを使用することが好ましく、70〜80がさらに好ましい。さらに、埋め込み部4をスポンジゴムで形成する場合は、比重0.4以上のものを使用することが好ましく、且つ、止水部本体2を形成するスポンジゴムよりも大きい比重のものを使用することが好ましい。
【0013】
以下、実際の例について説明する。まず、以下に述べる構成の実施例1、比較例1および比較例2の一次止水材を準備した。
【0014】
(実施例1)
図1に示す構造の一次止水材で、止水部1を、比重0.45のスポンジゴムからなる止水部本体2と厚み1mmのブチル系接着剤からなるシール部3から構成するとともに、埋め込み部4をデューロA硬度70の加硫ゴムから構成する。
(比較例1)
図2に示す構造の一次止水材で、実施例1と同様、止水部1を止水部本体2とシール部3とから構成し、この止水部1と埋め込み部4を一体化し、埋め込み部4をPC函6の連結端面7に埋め込んでいる。ただ、止水部1のシール部3が埋め込み部4まで達しておらず、PC函6の連結端面7に埋まっていない。
(比較例2)
図3に示す構造の一次止水材で、止水部1だけで構成されており、止水部1は止水部本体2の全周をシール部3で覆って構成している。そして、止水部1のシール部3とPC函6の連結端面7とを接着剤で固定している。
【0015】
準備した実施例1、比較例1および比較例2のそれぞれの一次止水材に対し、以下のように、取り付け性、施工安定性および止水性を調べた。取り付け性の結果を表1に、施工安定性の結果を表2に、止水性の結果を表3にそれぞれ示す。
【0016】
(1)取り付け性
図4に示すように、300×300×50mmのコンクリート平板11に、上述した実施例1、比較例1および比較例2の構造の一次止水材12を半径150mmでそれぞれ取り付け、耐ローリング性および保持性を目視で評価した。ここで、耐ローリング性は、図4のA−A’断面における一次止水材12の形状変形の度合いを優5から劣1の5段階で表した。また、保持性は、図4のB方向を上として1週間保持後の一次止水材12の剥落の有無を調べた。
【0017】
【表1】
【0018】
(2)施工安定性
図5に示すように、図4に示したコンクリート平板11上に一次止水材12を形成した取り付け性試験体へ、別のコンクリート平板13を押しつけ、再度コンクリート平板13を離した後の一次止水材12の形状変化の度合いを優5から劣1の5段階で表した。ここで、コンクリート平板13の押しつけは、一次止水材12が3mm程度変形するまで押しつけ1分間保持後、引き離した。
【0019】
【表2】
【0020】
(3)止水性
図6(a)に示すように、コンクリート平板21に、上述した実施例1、比較例1および比較例2の構造の一次止水材22を300mm直径の円形状に取り付けた。次に、図6(b)に示すように、一次止水材22の厚みの1/2の厚みのライナープレート23を配し、コンクリート平板24を重ねて締結ボルト25で固定した。コンクリート平板24には、バルブ26を有する入水管27と圧力管28とを設け、入水管27より水を注入し、水圧0.5kgf/cm2 、1.0kgf/cm2 、1.5kgf/cm2 で、それぞれ1時間加圧保持し、漏水の有無を調べた。
【0021】
【表3】
【0022】
以上の結果から、本発明の実施例1の一次止水材は、比較例1および比較例2の一次止水材と比較して、止水部を埋め込み型にすることで水圧による変形を抑止でき、高い水圧に対しても止水効果が高く、コーナー追従性すなわち耐ローリング性の良く、取り付け性、施工安定性、止水性のすべての点で良好な性能を示し、PC函用止水材として最適であることがわかる。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、止水部と一体に埋め込み部を形成し、埋め込み部をPC函の連結端面に埋め込むため、および止水部を止水部本体とそれを覆うシール部とから構成し、シール部の端部を埋め込み部と同様にPC函の連続端面に埋め込むため、どのような力が加えられようとも、また微調整のために再度連結しようとも、止水部がPC函の連結端面からはずれて脱落することはなく、止水性の高いPC函用一次止水材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPC函用一次止水材の一例の構成を示す図である。
【図2】比較例1の一次止水材の構成を示す図である。
【図3】比較例2の一次止水材の構成を示す図である。
【図4】取り付け性の評価を行う試験体の状態を示す図である。
【図5】施工安定性の評価を行う試験体の状態を示す図である。
【図6】(a)は止水性の評価を行う試験体の状態を示す図であり、(b)はそのC−C断面を示す図である。
【図7】従来のPC函の連結状態の一例を示す図である。
【図8】従来のPC函の連結断面の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 止水部
2 止水部本体
3 シール部
3a 端部
4 埋め込み部
5 凹部
6 PC函
7 連結端面
Claims (1)
- 複数のプレキャストコンクリート函(以下、PC函という)を水密に連結するため、PC函の連結端面に設けた止水部から構成されるPC函用一次止水材において、前記止水部と一体に、引き抜け防止用の凹部を有する加硫ゴム製の埋め込み部を形成し、前記止水部を、スポンジゴム製の止水部本体と、この止水部本体の全周を覆うとともにその端部が前記埋め込み部まで達するブチルゴム製のシール部とから構成し、前記埋め込み部と前記シール部の端部とを、前記PC函の連結端面に埋め込んだことを特徴とするPC函用一次止水材。
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JP22959594A JP3540386B2 (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | プレキャストコンクリート函用一次止水材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22959594A JP3540386B2 (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | プレキャストコンクリート函用一次止水材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0893042A JPH0893042A (ja) | 1996-04-09 |
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Family
ID=16894649
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP22959594A Expired - Lifetime JP3540386B2 (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | プレキャストコンクリート函用一次止水材 |
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