JP3539650B2 - 水処理用セラミックス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に微小な孔や空隙を有し、磁性を帯びた水処理用セラミックス部材に関し、特に、水処理用セラミックス部材に含まれる成分を溶解させたり、内部に含まれる微小な空隙を用いて微生物の増殖作用を行わせることにより、水の処理を行うために用いる水処理用セラミックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
水道水を処理して塩素成分やその他の不純物を除去するために、従来より活性炭等のような多孔質の材料や、ゼオライトや麦飯石、その他の珪酸成分に富んだ天然の砂や石等を濾過材料として用いることが行われており、また、サンゴ砂のようなカルシウム成分に富んだ砂状のものが用いられることがある。また、前記サンゴ砂や麦飯石等を濾過材料として用いる場合には、その濾過材料中に含まれる珪酸や、カルシウム、その他の微量成分が水中に溶解することにより、水質が改良されて飲料水の味を向上させることができるといわれている。前記無機質の濾過材料を使用した水道水の浄化装置としては、例えば、特開平5−285471号公報等に示されるような装置が知られている。
【0003】
さらに、前述したような天然鉱物成分等を直接利用することの他に、ゼオライトや麦飯石、その他の珪酸成分に富んだ天然の成分を高温で焼成して板状または、任意の塊状のセラミックス部材を作成することも知られている。そして、前記セラミックス部材を湯沸し器に入れて、セラミックスを加熱した際に発生するといわれる遠赤外線を利用して、お湯の水質を良くすることも行われている。また、水質を改善するために、磁石部材を前記セラミックスと併用して用い、磁界を水に作用させることにより、水質を改善できるということもいわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来より使用されている活性炭や珪酸成分に富んだ濾過材料や、焼成したセラミックス材料を用いる場合には、それ等の水処理材料に含まれている成分が水に溶解する程度は、非常に少ないものであり、飲料水としての水質向上の効果を十分に発揮できるものではない。また、前記セラミックス部材は、汚水の微生物処理や、風呂水の活性化処理、有効成分を含ませて、その有効成分を処理する水に徐々に供給するような作用を持たせることができない等の問題を持っている。したがって、従来の水処理用のセラミックス材料は、何等かの水質改善には使用が可能であるものの、水質の改善のための効果が非常に少ないものであった。
【0005】
本発明は、前述したような従来のセラミックス部材をより有効に利用可能なものとして提供することを目的とし、特に、多孔質の材料を用いて多孔質のセラミックス部材を作成し、その材料が保有する微小な空隙を用いて微生物の増殖等に寄与させること、および、微小な空隙中に含浸させた有効成分を徐々に侵出させる等の作用を持たせ得るような水処理用セラミックスを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水処理用セラミックスに関するもので、請求項1の発明は、無機質の多孔質材料を、その多孔質の特性を残してセラミックス化させる温度で焼成処理して、粉末状の無機質材料を製造する工程と、前記粉末状の無機質材料に、粉末状のカルシウム成分に富む多孔質材料と、磁性体材料、活性炭、および、粘結材料としての多糖類を混合して混合物を作成し、前記混合物を一定の大きさの塊に成形して乾燥させる工程とを経て、
前記乾燥処理した塊に対して、多糖類を燃焼させるが、前記カルシウム成分の多孔質の性質を変質させず、かつ、カルシウム成分が溶出する性質を阻害しない温度で焼成する工程と、前記焼成処理した塊に強い磁界を作用させて磁界を固定する工程と、前記磁界を固定した塊を、微生物の栄養となる成分を混合した溶液中に浸漬して、前記溶液に含まれる成分を内部に含浸させる工程と、前記溶液を浸漬した後で乾燥処理する工程と、を経て作成することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、無機質の多孔質材料を、その多孔質の特性を残してセラミックス化させる温度で焼成して、粉末状の無機質材料を製造する工程と、前記粉末状の無機質材料に、粉末状のカルシウム成分に富む多孔質材料と、磁性体材料、活性炭、および、粘結材料としての多糖類、および、鉄分、ヒューマス、過酸化水素水を混合して混合物を作成し、前記混合物を一定の大きさの塊に成形する工程と、前記工程で混合されたカルシウム成分と過酸化水素とを反応させる工程と、前記成形した塊を乾燥処理する工程に続いて、
前記乾燥処理した塊に対して、多糖類を燃焼させるが、前記カルシウム成分の多孔質の性質を変質させず、かつ、カルシウム成分が溶出する性質を阻害しない温度で焼成する工程と、前記焼成した塊に強い磁界を作用させて磁界を固定する工程と、前記磁界を固定した塊を、微生物の栄養となる成分を混合した溶液中に浸漬して、前記溶液に含まれる成分を内部に含浸させる工程と、前記溶液を含浸させた塊を乾燥処理する工程と、を経て作成されることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、前記微生物の栄養となる成分を混合した溶液中には、多糖類、有機酸類、核酸生成物、および、植物のエキス成分のうちの1種または複数種類を、さらに、前記溶液に混合する有機酸として、リンゴ酸、コウジ酸、クエン酸、および酢酸のうちの1種または複数種を、各々混合して用いることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、前記無機質の多孔質材料として、ゼオライト、バーミキュライトのうちの1種または2種を、カルシウム成分に富む多孔質材料として、サンゴ砂の粉末、貝化石の粉末のうちの1種または2種を、磁性体材料としてストロンチウムフェライト磁石の微粉末を、各々混合して用いることを特徴とする。
【0011】
前述したようにして製造した水処理用セラミックスを、汚水の処理等に使用する場合には、セラミックスの内部に存在する微小な空隙を、微生物が生息して増殖する環境に提供できるとともに、セラミックスの空隙を介して多量の成分を溶出させることができるので、微生物の活動を活発にして、水処理の作用を効率良く行うことが可能になる。また、無機質の成分を高温で加熱処理する際に、多孔質の特性を残した状態で、遠赤外線を発生させ得る性質を持たせ、サンゴ等を混合した後では低温で熱処理するので、サンゴの多孔質の特性を変質させずに、カルシウム成分の溶出作用を阻害せずに、磁性を持たせる水処理用セラミックスを作成することが可能である。そして、成形して焼成したセラミックスに対して、微生物の生息と増殖に寄与する栄養成分を含浸させるので、汚水の微生物処理等を行うために使用する場合には、微生物の増殖に対して栄養成分の供給を行うことができ、セラミックスから溶解される微量成分と、磁界と遠赤外線との相乗効果により、微生物を活性化させて、水処理の効率を向上させることが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明の水処理用セラミックスを説明する。本発明の水処理用セラミックスは、ゼオライトのような無機質で多孔質の材料(以下無機質材料と呼ぶ)と、サンゴのようなカルシウム成分に富む多孔質の材料(以下石灰質材料と呼ぶ)とを主成分とし、活性炭、磁性体を所定の比率で混合し、多糖類等を結合材料として最大径が3cm程度で、ボール状、板状、または任意の形状で一定の大きさの塊に成形している。そして、前述したようにして成形したセラミックスの基本となる塊を、加熱処理することにより、結合材料として用いる多糖類を燃焼させて、塊の内部により多くの空隙を形成させることができる。また、前記塊の内部には、例えば、無機質材料、石灰質材料、活性炭等の構成成分が多孔質の特性をそのまま残した状態でセラミックス化されているので、非常に多くの微小な空隙を有するものとして構成される。
【0016】
(1)前記水処理用セラミックスは、次のa〜e工程を経て作成される。
a:無機質材料と石灰質材料の粉末に多糖類と水を加え、さらに、活性炭と磁性体を加えて攪拌混合する。
b:前記混合物を造粒機により一定のサイズの塊に形成する。
c:成形した後で、磁界を付与して塊の中の磁性体を整列させて、塊にN・Sの磁界の方向を設定する。
d:塊を350℃で焼結処理して多糖類を燃焼させ、塊の内部に小さな空隙を形成させる。
e:塊に対して強い磁場を作用させて、着磁を行う。
前述したようにして製造した塊は、多孔質のセラミックス(A)の製品として出荷することができる。そして、前記セラミックス(A)は、内部に非常に多数の微小な空隙を有することと、石灰質材料から水に滲出されるカルシウム成分や微量成分を利用して、水質の改善を行うとともに、水中の塩素等を吸着して分離することができる。
【0017】
(2)また、前記セラミックス(A)の製品に対して、さらに、以下のf、gの処理を追加して施し、多孔質のセラミックス(B)を構成することも可能である。
f:前記eの処理を行ったセラミックス塊を、オリゴ糖のような多糖類、リンゴ酸のような有機酸、核酸のような微生物の増殖に必要とされる栄養成分の溶液中に浸漬して、セラミックス塊の中に前記各成分を含浸させる。
g:前記栄養成分を含浸させたセラミックス塊を、乾燥して製品とする。
【0018】
前記セラミックス(B)の製品は、低温焼成を行ったセラミックスに対して、微生物の増殖に必要とされる有効成分を含浸させて作成するものであるから、水処理を微生物の作用を利用する際に使用できる。つまり、有効微生物の増殖の作用に対して、セラミックス(B)から滲出される栄養成分と、カルシウム成分(イオン)が有効に作用する。さらに、セラミックス塊の内部に存在する非常に多数の微小な空隙を利用して、水中の塩素等を吸着して分離する作用を行うことができる。また、石灰質材料から水に滲出されるカルシウム成分や微量成分を利用して、水質の改善を行うこともでき、微生物の活動を活発にすることと合わせて、汚水の処理等の作用に有効に使用が可能なものとなる。
【0019】
前記セラミックス(A)、(B)は、磁性体に対する着磁作用を付与しているので、水処理に際して使用される微生物の種類等に対応させて、磁界の強さを設定することができる。そして、セラミックスに磁性を持たせることにより、処理水に磁界を付与して、不純物の分離作用を促進させたり、微生物の増殖作用に磁界を寄与させることができる。つまり、ある種の微生物(例えば、光合成細菌等)では、磁界が作用する状態で増殖作用が活発になることが知られている。したがって、そのような微生物を利用して汚水の処理を行う場合には、セラミックスが磁界を帯びている性質を有効に利用できるもので、さらに、その他の微生物でも、磁界は有効に作用するものと言われている。
【0020】
なお、本発明の実施例の説明において、無機質の多孔質成分としてのゼオライトは、780℃以下の加熱温度では、多孔質の特性が変化しないものであり、カルシウム成分としてのサンゴは、380℃以下では多孔質の特性を失わないものである。そこで、以下の説明においては、ゼオライトに対しては780℃以下、サンゴに対しては350℃に加熱温度を設定して処理する場合で説明するが、前記加熱温度は、それぞれの主要な構成要素の性質を失わない温度の範囲であれば、厳密な温度に限定されるものではない。
【0021】
(3)本発明においては、次のa〜hに示すような処理工程を経て、セラミックス(C)を製造することもできる。
a:無機質材料を780℃で焼成して、セラミックス化した無機質材料を作成する。
b:セラミックス化した無機質材料、石灰質材料の粉末に多糖類と水を加え、さらに、活性炭と磁性体を加えて攪拌混合する。
c:前記混合物を造塊機により一定のサイズの塊に形成する。
d:成形した後で、磁界を付与して塊の中の磁性体を整列させて、塊にN・Sの磁界の方向を設定する。
e:塊を350℃で焼結処理する。……多糖類を燃焼させて塊の内部に小さな空隙を形成させる。
f:塊に対して強い磁場を作用させて、着磁を行う。
g:前記fの処理を行ったセラミック塊を、オリゴ糖のような多糖類、リンゴ酸のような有機酸、核酸のような微生物の増殖に必要とされる栄養成分の溶液中に浸漬して、セラミック塊の中に前記各成分を含浸させる。
h:前記栄養成分を含浸させたセラミック塊を、乾燥して製品とする。
【0022】
前述したようにして作成したセラミックス(C)は、無機質材料をあらかじめ高温で焼成処理することによりセラミックス化し、その後に石灰質材料の性質を維持できる低温で塊を焼成処理している。したがって、石灰質材料を加えて焼成したセラミックス(C)では、無機質材料を焼成して作成したセラミックス成分により、遠赤外線を生じさせることができ、さらに、無機質材料の多孔質の性質を維持できることから、製造した塊の多孔質特性を有効に利用することが可能である。また、前記セラミックス(C)には、セラミックス(B)の場合と同様な有用栄養成分を含浸させているのであるから、微生物を利用して水処理を行う場合に、前記セラミックス(B)の場合に比較して、遠赤外線の効果を利用することができ、微生物の活動を活発にして水処理の効率を向上させることが可能になる。
【0023】
【実施例】
前記各実施例に示した水処理用セラミックスとは別に、本発明においては、無機質材料、石灰質材料と磁性体、バーミキュライト、ヒューマス、鉄分、酸化カルシウムを混合し、所定のサイズの塊等に成形してから焼成し、セラミックス(D)を製造することもできる。本セラミックスにおいては、次のようにして作成することができるもので、焼成前の段階で混入した過酸化水素成分を利用して、石灰質材料に含まれるカルシウム成分を水に溶解しやすい性質のものに変質させることにより、カルシウム成分をより有効に利用できるようにする。
【0024】
(4)前記セラミックス(D)は、次の工程a〜gを経て製造することができる。
a:無機質材料、石灰質材料の粉末に、活性炭、磁性体、および多糖類、バーミキュライト、ヒューマス、鉄分を加え、過酸化水素水を加えて攪拌混合する。
b:前記混合物を造粒機により一定のサイズの塊に形成する。
c:定温で塊を3〜4日間放置し、石灰質材料のカルシウム成分を酸化させる。
d:塊を乾燥させた後で、3〜30ガウスの磁界を印加して塊の中の磁性体を整列させて、塊にN・Sの磁界の方向を設定する。
e:塊を780℃で焼結処理し、多糖類を燃焼させて塊の内部に小さな空隙を形成させる。
f:前記eの処理を行ったセラミック塊を、微生物の増殖に必要とされる栄養成分としての、オリゴ糖のような多糖類、リンゴ酸のような有機酸、および、核酸の各成分を含む溶液中に含浸させる。
g:前記栄養成分を含浸させたセラミック塊を、乾燥して製品とする。
【0025】
前述したようにして作成したセラミックス(D)においては、高温で焼成するために、石灰質材料の多孔質の特性は影響を受けるが、無機質材料の多孔質の特性と、多糖類やその他の有機物が燃焼したことにより、塊の内部に非常に多くの微小な空隙が形成される状態となる。また、塊を焼成する前の段階で、カルシウム成分を水に溶解させ易い性質のものに変質させているので、特に、微生物を用いて汚水の処理等を行う場合には、水と微生物に対するカルシウム成分の供給を効果的に行うことができる。そして、塊に含まれる栄養成分と、微生物の増殖に適した塊の表面積の大きいこと等の条件を利用して、水処理の効果を向上させることができる。
【0026】
(5)前記セラミックスの製造法(4)に開示したセラミックス(D)に対して、無機質材料を先に高温で処理し、その後に石灰質材料やその他の成分を混合してから、石灰質材料の性質が変化しない温度で焼成し、無機質材料と石灰質材料のそれぞれの多孔質の特性を生かしたセラミックス(E)を作成することも可能である。前記セラミックス(E)は、次のa〜hの工程を経て、製造される。
a:無機質材料を780℃で焼成して、セラミックス化した無機質材料を作成する。
b:セラミックス化した無機質材料、石灰質材料の粉末に、活性炭、磁性体、多糖類、バーミキュライト、ヒューマス、鉄分を加え、過酸化水素水を加えて攪拌混合する。
c:前記混合物を造粒機により一定のサイズの塊に形成する。
d:定温で3〜4日間放置して、石灰質材料のカルシウム成分を酸化させる。
e:乾燥させた後で、3〜30ガウスの磁界を印加して塊の中の磁性体を整列させて、塊にN・Sの磁界の方向を設定する。
f:塊を350℃で焼結処理し、多糖類を燃焼させて塊の内部に小さな空隙を形成させる。
g:前記fの処理を行ったセラミック塊を、微生物の増殖に必要とされる栄養成分としてのオリゴ糖のような多糖類、リンゴ酸のような有機酸、および、核酸を含む溶液中に浸漬して、その栄養成分を含浸させる。
h:前記栄養成分を含浸させたセラミック塊を、乾燥して製品とする。
【0027】
前述したようにして製造したセラミックス(E)においては、ゼオライト、バーミキュライトのような無機質材料を多孔質の性質を残してセラミック化することと、他の成分を混合した後で、石灰質材料の性質が変化しない温度で低温焼成を行うので、各混合成分を有効に利用することができる。また、塊を製造する前に、過酸化水素水を混合することにより、カルシウム成分を水に溶解可能な性質に変化させるので、磁性と遠赤外線の相乗効果を発揮できる。さらに、焼成後に含浸させる栄養成分とカルシウム成分、および、サンゴや無機質材料に含まれる微量成分が、長い時間の間に少しずつ溶出するので、水処理に利用する微生物の増殖と活性化に大きく寄与するものとされる。そして、カルシウム成分と遠赤外線、微量成分が水の性質を良好に改良する作用を行って、水処理の作用を効率良く行わせることができる。
【0028】
(6)前記各実施例は、汚水やその他の水処理に際して用いるセラミックスの例で説明したが、本発明の水処理用セラミックスは、風呂の水質を改善するためのセラミックスとして構成することも可能である。前記セラミックスを風呂に使用する場合には、次の工程a〜hの工程を経て、セラミックス(F)が製造される。
a:無機質材料を780℃で焼成して、セラミックス化した無機質材料を作成する。
b:セラミックス化した無機質材料20部、石灰質材料15部に、活性炭、磁性体0.3部、多糖類、バーミキュライト5部、ヒューマス20部、鉄分(2価の鉄成分)1.5部、酸化カルシウム5部を加え、過酸化水素水を加えて攪拌混合する。
c:前記混合物を造粒機により一定のサイズの塊に形成する。
d:定温で3〜4日間放置して、石灰質材料のカルシウム成分を酸化させる。
e:乾燥させた後で、3〜30ガウスの磁界を印加して塊の中の磁性体と磁界方向に鉄分を整列させて、塊にN・Sの磁界の方向を設定する。
f:塊を350℃で焼結処理し、多糖類を燃焼させて塊の内部に小さな空隙を形成させる。
g:前記fの処理を行ったセラミック塊を、次のオリゴ糖のような多糖類、リンゴ酸、コウジ酸のような有機酸、核酸関連物質のよう栄養成分、イチョウの葉エキス、ヒノキチオール成分のような抗菌性質を有する天然成分、および、温泉に含まれる微量元素成分を混合した溶液中に24時間浸漬して、セラミック塊の中に各有効成分を含浸させる。
h:前記溶液に含まれる各成分を十分に含浸させたセラミック塊を、乾燥して製品とする。
【0029】
前述したようにして製造したセラミックス(F)においては、ゼオライト、バーミキュライトのような無機質材料を多孔質の性質を残してセラミック化することと、他の成分を混合した後で、石灰質材料の性質が変化しない温度で低温焼成を行うので、各混合成分を有効に利用することができる。また、塊に製造する前に、過酸化水素水を混合することにより、カルシウム成分を水に溶解可能な性質に変化させるので、カルシウム成分を容易に溶出させることができ、カルシウムイオンに富んだ風呂水に対して、磁性と遠赤外線の相乗効果を発揮できる。さらに、焼成後に含浸させる温泉成分や酸類、糖類、カルシウム成分、および、無機質材料に含まれる微量な金属または非金属成分が、長い時間の間に少しずつ溶出するので、風呂の水質を望む性質に維持して、入浴効果を高めることができる。そして、カルシウム成分と遠赤外線、微量成分が水の性質を改良する作用を行って、風呂の水質を良好に維持することができるものとなる。
【0030】
前記セラミックス(F)においては、前記製造工程gに用いる溶液中に、キチン質成分を混合することができ、キチン質の有する特性を風呂に適用できる。また、前記セラミックス(F)を構成する各成分の配合比率は、任意に設定が可能であり、必ずしも前記配合比率に限定されるものではない。さらに、本発明においては、セラミックス塊を焼成した後で、溶液に浸漬する際に、前記溶液に混合する有機酸として、リンゴ酸、コウジ酸、クエン酸、酢酸のうちの1種または複数種を混合して用いることができ、それ等の有機酸類の1つまたは複数種類を組み合わせて使用することが可能である。
【0031】
前記セラミックス(F)は、風呂に使用することができるのみならず、トイレの匂い消しにも利用が可能である。例えば、従来より樟脳成分等の塊を男性用のトイレに用いているのに代えて、前記セラミックス(F)を用い、臭気成分と匂いの原因となる物質をセラミックスに吸着させる作用を行わせることができる。さらに、前記セラミックスに対して有害物質としての臭いの原因となる成分を分解する細菌を含浸させて使用すると、水分がある状態では、微生物を活発に活動させて、有害物質の分解作用を促進させることができる。なお、前記セラミックス(F)のみでなく、他の種類のセラミックスにおいても、トイレの臭気の防止のための処理成分を含浸させて使用することが可能である。
【0032】
なお、溶液中に混合する植物性エキスとして、イチョウの葉エキス、ヒノキチオール等を1種類または混合して使用可能である。さらに、前記焼成したものに含浸させる溶液に、温泉成分に含まれる元素を単独に、または化合物の状態で混合して用いることもでき、好みの温泉に特有な成分を追加してセラミックス(F)の塊に含有させることにより、粉末等の入浴剤を用いなくても温泉気分を味わうことができる。前記各含有させる成分に加えて、本発明においては、前記無機質の多孔質材料としてゼオライト、バーミキュライトを用い、カルシウム成分に富む多孔質材料としてサンゴ砂の粉末や、貝化石の粉末を用いることができる。
【0033】
前記構成に加えて、磁性体材料としてストロンチウムフェライト磁石の微粉末を用いることが可能であり、磁性体に対して印加する磁界の強さ等の条件も任意に設定することができる。その他に、セラミックスに混合する各々の成分は、同様な性質を有する他の成分に置き換えて使用することも可能である。また、本発明の水処理用セラミックスは、板状、ボール状、平らなまたは中高な円形の塊、その他の任意の形状のものとして構成することができ、それ等の形状は、使用する場所や対象物に対応させて構成することができるが、使用後に地面に還元することを考慮する場合には、比較的小さな塊状のものとして構成して、微生物や有効成分と、塊に吸着した成分を塊とともに地面に混入して、再利用を図ることもできる。
【0034】
【発明の効果】
本発明の水処理用セラミックスは、前述したようにして製造するものであるから、無機質材料を熱処理することによってセラミックス化して、セラミックスの持つ遠赤外線効果を発揮することが可能であり、その他に、石灰質材料等から分離されるカルシウム成分と、微量元素成分とを処理される水に供給することができる。また、前記水処理用セラミックスは、任意の形状のものとして構成することができるが、使用後に地面に還元することを考慮する場合には、比較的小さな塊として構成して、微生物や有効成分と、塊に吸着した成分を塊とともに地面に混入して、残存するセラミックスの有効成分と、内外に有する空隙を再利用するとともに、土壌中の微生物の増殖に利用することもできる。
【0035】
そして、前記水処理用セラミックスを汚水の処理等に使用する場合には、セラミックスの内部に存在する微小な空隙を、微生物が生息して増殖する環境に提供できるとともに、セラミックスの空隙を介して多量の成分を溶出させることができるので、微生物の活動を活発にして、水処理の作用を効率良く行うことが可能になる。また、無機質の成分を高温で加熱処理することにより多孔質の特性を残した状態で、遠赤外線を発生させ得る性質を持たせ、サンゴ等を混合して低温で熱処理することにより、サンゴの多孔質の特性を変質させずに、カルシウム成分の溶出作用を阻害せずに、磁性を持たせた水処理用セラミックスを作成することが可能である。さらに、成形して焼成したセラミックスに対して、微生物の生息と増殖に寄与する栄養成分を含浸させるので、汚水の微生物処理等を行うために使用する場合には、微生物の増殖に対して栄養成分の供給を行うことができる。したがって、セラミックスから溶解される微量成分と、磁界と遠赤外線との相乗効果により、微生物を活性化させて、水処理の効率を向上させることが可能都なり、より強い磁界を設定することができるので、微生物の増殖の作用を向上させることができる。

Claims (4)

  1. 無機質の多孔質材料を、その多孔質の特性を残してセラミックス化させる温度で焼成処理して、粉末状の無機質材料を製造する工程と、
    前記粉末状の無機質材料に、粉末状のカルシウム成分に富む多孔質材料と、磁性体材料、活性炭、および、粘結材料としての多糖類を混合して混合物を作成し、前記混合物を一定の大きさの塊に成形して乾燥させる工程とを経て、
    前記乾燥処理した塊に対して、多糖類を燃焼させるが、前記カルシウム成分の多孔質の性質を変質させず、かつ、カルシウム成分が溶出する性質を阻害しない温度で焼成する工程と、
    前記焼成処理した塊に強い磁界を作用させて磁界を固定する工程と、
    前記磁界を固定した塊を、微生物の栄養となる成分を混合した溶液中に浸漬して、前記溶液に含まれる成分を内部に含浸させる工程と、
    前記溶液を浸漬した後で乾燥処理する工程と、を経て作成することを特徴とする水処理用セラミックス。
  2. 無機質の多孔質材料を、その多孔質の特性を残してセラミックス化させる温度で焼成して、粉末状の無機質材料を製造する工程と、
    前記粉末状の無機質材料に、粉末状のカルシウム成分に富む多孔質材料と、磁性体材料、活性炭、および、粘結材料としての多糖類、および、鉄分、ヒューマス、過酸化水素水を混合して混合物を作成し、前記混合物を一定の大きさの塊に成形する工程と、
    前記工程で混合されたカルシウム成分と過酸化水素とを反応させる工程と、
    前記成形した塊を乾燥処理する工程に続いて、
    前記乾燥処理した塊に対して、多糖類を燃焼させるが、前記カルシウム成分の多孔質の性質を変質させず、かつ、カルシウム成分が溶出する性質を阻害しない温度で焼成する工程と、
    前記焼成した塊に強い磁界を作用させて磁界を固定する工程と、
    前記磁界を固定した塊を、微生物の栄養となる成分を混合した溶液中に浸漬して、前記溶液に含まれる成分を内部に含浸させる工程と、
    前記溶液を含浸させた塊を乾燥処理する工程と、を経て作成されることを特徴とする水処理用セラミックス。
  3. 前記微生物の栄養となる成分を混合した溶液中には、多糖類、有機酸類、核酸生成物、および、植物のエキス成分のうちの1種または複数種類を、
    さらに、前記溶液に混合する有機酸として、リンゴ酸、コウジ酸、クエン酸、および酢酸のうちの1種または複数種を、各々混合して用いることを特徴とする請求項1または2に記載の水処理用セラミックス。
  4. 前記無機質の多孔質材料として、ゼオライト、バーミキュライトのうちの1種または2種を、
    カルシウム成分に富む多孔質材料として、サンゴ砂の粉末、貝化石の粉末のうちの1種または2種を、
    磁性体材料としてストロンチウムフェライト磁石の微粉末を、各々混合して用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の水処理用セラミックス。
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