JP3539557B2 - 炭化処理装置および設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、炭化処理装置および設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、養鶏で生じた鶏糞、ビール醸造で生じたビール糟、コーヒー糟、お茶糟、油糟、おからなどの有機物糟は、現在、その一部しか再利用されておらず、そのほとんどは廃棄物として処分されている。なお、鶏糞は餌の穀物がほとんど消化されない状態でそのまま出てくるため、その他の有機物糟と非常に近い成分を有しており、有機物糟とほぼ同じに扱うことが可能であるため、有機物糟に含められる。これに対して、牛糞などの場合は、消化吸収の度合いが進んでいるため成分が異なっており、有機物糟として扱うことは困難である。このような有機物糟は、粉砕されたような性状を有し(糟状)、しかも、含水率が80〜50%と高くかなりの粘性を有しているため、扱いが難しいという特性を有している。
【0003】
そこで、このような有機物糟を有効に再利用するため、有機物糟を炭化して炭を作ることが検討されている。例えば、特許第2567549号には、鶏糞を傾斜した回転ドラムで加熱乾留することにより、鶏糞炭とする技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許第2567549号の鶏糞炭製造装置は、鶏糞という扱いづらい原料を連続供給する技術が確立されていないことから、バッチ式とせざるを得ず、よって連続生産ができなかったので、生産効率が低いという問題があった。
【0005】
また、上記鶏糞炭製造装置は、回転ドラムの内部に少なくとも1つの環状堰を設けて、環状堰で鶏糞を反転・撹拌させるようにしているが、環状堰だけでは、鶏糞を反転・撹拌する効果が不十分であるため、鶏糞に均等に熱を伝達することができず、得られた鶏糞炭に炭化されない芯の部分が残ってしまうという問題があった。
【0006】
また、傾斜した回転ドラムに環状堰を設けるというだけの構成では、先に投入した鶏糞が必ず先に排出されて来るという保証がないことから、処理時間の短い鶏糞炭や処理時間の長すぎる鶏糞炭が混在されることとなり、品質の不安定な鶏糞炭しか製造することができないという問題があった。
【0007】
更に、上記鶏糞炭製造装置で得られる鶏糞炭は、単なる炭にしか過ぎず、活性炭のように付加価値のある高品質なものにすることはできなかった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、有機物糟から高品質な活性炭を連続生産することのできる炭化処理装置および設備を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、燃焼室の内部にほぼ水平方向へ延びる円筒状のロータリーキルンを回転自在に設けて炭化炉を構成し、前記ロータリーキルンの内壁に螺旋状堰を設けると共に、該螺旋状堰の巻き数を、炭化処理時間をロータリーキルンの1回転に要する時間で割った値に設定し、前記螺旋状堰の間に、炭化原料をロータリーキルンの周方向へ反転・撹拌可能な縦堰を設け、該縦堰の先端に、炭化原料をロータリーキルンの軸線方向へ反転・撹拌可能な傾斜部を設けたことを特徴とする炭化処理装置。
【0010】
このように構成された請求項1にかかる発明によれば、燃焼室内に配置されたロータリーキルンに炭化原料を供給することにより、炭化原料を加熱して炭化することができる。この際、ロータリーキルンを回転することにより、炭化原料を反転・撹拌することができる。また、ロータリーキルンの内壁に沿って螺旋状堰を設けることにより、炭化原料を炭化しつつ入側から出側へ向けて炭化原料を搬送することができる。この際、螺旋状堰の巻き数を、炭化処理時間をロータリーキルンの1回転に要する時間で割った値とすることにより、ロータリーキルンを定速回転するだけで炭化処理時間を一定に管理することが可能となる。更に、螺旋状堰の間に設けた縦堰により、炭化原料をロータリーキルンの周方向へ反転・撹拌することが可能となる。また、縦堰の先端に傾斜部を設けることにより、炭化原料をロータリーキルンの軸線方向へ反転・撹拌することが可能となる。よって、炭化原料をまんべんなく反転・撹拌して均等且つ効率的に熱を伝達することが可能となり、製品に芯が残るようなことが防止される。
【0011】
請求項2に記載された発明では、前記ロータリーキルンの入側と出側に、空気遮断装置を備えたことを特徴としている。
【0012】
このように構成された請求項2にかかる発明によれば、ロータリーキルンの入側と出側に、空気遮断装置を備えることにより、ロータリーキルン内部の酸素濃度を制御して活性炭を製造することが可能となる。また、空気遮断装置により、空気を遮断した状態での炭化原料の供給と製品の取出しとを支障なく行うことが可能となり、連続生産を行うことが可能となる。
【0013】
請求項3に記載された発明では、前記ロータリーキルンの入側に、炭化原料の定量供給装置を設け、該定量供給装置が、ホッパと、該ホッパ下部に設けられた押出シリンダ装置とを備え、前記ホッパが、傾斜した内壁に沿って周方向に往復摺動しほぼ上下に延びる掻取羽根を備え、該掻取羽根が所要の迎え角度を有していることを特徴とする炭化処理装置。
【0014】
このように構成された請求項3にかかる発明によれば、前記ロータリーキルンの入側に炭化原料の定量供給装置を設けることにより、連続生産を行うことが可能となる。この際、ホッパの炭化原料を押出シリンダ装置で押出すことにより、含水率が高く粘性を有している炭化原料であっても定量供給が可能となる。また、ホッパに内壁に沿って周方向に往復摺動しほぼ上下に延びる掻取羽根を設けることにより、含水率が高く粘性を有している炭化原料であっても、ホッパや掻取羽根に付着させることなく粘性を有する炭化原料を押出シリンダ装置へ向けて送ることができる。更に、掻取羽根に所要の迎え角度を付けることにより、含水率が高く粘性を有している炭化原料を無用に圧密せずに押出シリンダ装置へ向けて進めることができる。加えて、掻取羽根を定量供給装置の作動に同期して往復摺動させることにより、炭化原料を圧密させることなく取扱うことができる。
【0015】
請求項4に記載された炭化処理設備の発明では、請求項1ないし3記載の炭化処理装置を備えたことを特徴としている。
【0016】
このように構成された請求項4にかかる発明によれば、前記請求項1ないし3と、同様の作用効果を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図示例と共に説明する。
【0018】
図1〜図11は、この発明の実施の形態を示すものである。
【0019】
まず、構成を説明すると、この実施の形態の炭化処理設備1は、図1に示すように、上流側から順に、鶏糞などの有機物糟を炭化原料として搬入する搬入コンベア2、搬入コンベア2によって搬入された炭化原料を定量供給する定量供給装置3、定量供給装置3によって定量供給された含水率の高い(80〜50%)炭化原料を所定の含水率(ほぼ25%)にまで乾燥する乾燥機4、乾燥機4で乾燥された炭化原料を細かく粉砕する粉砕器5、粉砕器5で粉砕された炭化原料を供給する炭化原料供給機6、炭化原料供給機6によって供給された炭化原料を炭化原料自身が発する蒸気で賦活して活性炭化する炭化炉7、炭化炉7で得られた活性炭を冷却する冷却器8、冷却器8で冷却された活性炭を搬出する搬出コンベア9、搬出コンベア9によって搬出された活性炭を一時的に貯留する貯留タンク10を備えている。なお、図中、符号11は冷却器8などへ冷水を送る冷却搭、符号12は制御盤、符号13は燃焼用空気を送るファンである。
【0020】
上記定量供給装置3は、図2〜図4に示すように、ほぼ逆円錐状のホッパ20と、このホッパ20下部に設けられた押出シリンダ装置21とを備えている。ホッパ20の軸心位置にはモータなどの駆動装置22や減速機構23を介して往復回転する回転軸24が設けられ、この回転軸24にほぼ半径方向へ延びる上下ほぼ3箇所のサポート25を介して掻取羽根26が回転可能に取付けられている。この掻取羽根26は、180度の位相で2枚設けられている。そして、この掻取羽根26は、ホッパ20の傾斜した内壁に沿ってほぼ上下に延び、ホッパ20の内壁に摺接するよう構成されている。この掻取羽根26は、垂直線に対し所要の迎え角度27(約5度)を有している。そして、この掻取羽根26は押出シリンダ装置21の作動と同期して正逆回転可能に構成されている(押出シリンダ装置21の押出時は逆回転、押出シリンダ装置21の引戻時は正回転)。また、図5、図6に示すように、各掻取羽根26の下端近傍には、ホッパ20の接線方向へほぼ延びる平面視ほぼコ字状をした安息角崩壊羽根28を有している。この安息角崩壊羽根28は上下に2箇所設けられている。
【0021】
上記炭化炉7は、図7に示すように、バーナ30を設けられた燃焼室31と、この燃焼室31の内部に配設されたほぼ水平方向へ延びる円筒状のロータリーキルン32とを備え、このロータリーキルン32はモータなどの駆動装置28などによって回転し得るようになっている。
【0022】
また、ロータリーキルン32の内壁には、螺旋状堰33が軸線方向に延設されている。螺旋状堰33の巻き数は、炭化処理時間をロータリーキルン32の1回転に要する時間で割った値に設定されている。例えば、炭化処理時間を1時間、ロータリーキルン32が1分間に1回転するものとした場合、螺旋状堰33の巻き数は60とする。
【0023】
そして、図8に示すように、螺旋状堰33の間には、炭化原料をロータリーキルン32の周方向へ反転・撹拌可能な縦堰34が設けられている。図8では、縦堰34は、周方向に3枚設けられている。この縦堰34は、炭化原料が螺旋状堰33を乗り越えないよう螺旋状堰33よりも低く設定する。また、縦堰34は、炭化原料の周方向への反転・撹拌性能を高めるため、ロータリーキルン32の半径方向に対し、ほぼ45度の角度35で寝かされている。
【0024】
また、図9に示すように、縦堰34の先端(反内壁側の端縁)には、炭化原料をロータリーキルン32の軸線方向へ反転・撹拌可能な傾斜部36が設けられている。この傾斜部36の傾斜角は、炭化原料の軸線方向への反転・撹拌可能を高めるためほぼ30度〜45度に設定されている。
【0025】
更に、図10、図11に示すように、ロータリーキルン32の入側と出側には、空気を遮断保持したまま製品を取出可能な空気遮断装置37,38が設けられている。入側の空気遮断装置37は、ホッパ39と、スクリューコンベヤ40とで構成されている。そして、このホッパ39には、ホッパ39内の炭化原料のレベルまたはロータリーキルン32内の酸素濃度を検出して炭化原料供給機6またはスクリューコンベヤ40に指令を送るレベル調節装置41が設けられている。また、出側の空気遮断装置38は、回転式のシャットゲート42の付いたホッパ43と、ホッパ44と、スクリューコンベヤ45とで構成されている。
【0026】
なお、入側と出側の空気遮断装置37,38として、それぞれ二段式のシャットゲートを用いても良い。なお、シャットゲートは、回転式ではなくスライド式としても良い。
【0027】
次に、上記各装置における、ガスの流れについて図1を用いて説明する。
【0028】
乾燥機4で発生した水蒸気と粉塵を含むガスは、ダクト50を介してサイクロン51へ送られるようになっている。サイクロン51で分離された粉塵はそのまま回収され、水蒸気と微粉塵を含むガスは、引込ファン52およびダクト53を介して炭化炉7の燃焼室31へ送られて燃焼されるようになっている。
【0029】
また、炭化炉7のロータリーキルン32内で発生された水蒸気を含む可燃ガスと微粉塵を含むガスは、ダクト54を介してサイクロン55へ送られるようになっている。サイクロン55で分離された微粉塵はそのまま回収され、水蒸気を含む可燃ガスは、引込ファン56およびダクト57を介して炭化炉7の燃焼室31へ送られて燃焼されるようになっている。
【0030】
このように、乾燥機4やロータリーキルン32で発生されたガスを燃焼室31で燃焼することにより、臭気分を焼却して外へ出さない構成とする。
【0031】
燃焼室31で燃焼された燃焼ガスは、ダクト58および排気ファン59を介して乾燥機4へ送られて熱源とされ、その後、ダクト60を介して排ガスとして煙突61から大気へ放出されるようになっている。また、燃焼ガスの一部は、分岐ダクト62を介して乾燥機4のキャリアガスとして使用されるようになっている。更に、燃焼室31からの余剰の燃焼ガスは、直接煙突61から大気へ放出されるようになっている。
【0032】
次に、この実施の形態の作用について説明する。
【0033】
この炭化処理設備1では、図1に示すように、鶏糞などの有機物糟は、炭化原料として搬入コンベア2によって定量供給装置3へ搬入される。この炭化原料は定量供給装置3によって乾燥機4へ定量供給される。
【0034】
炭化原料は含水率が高い(80〜50%)ため、乾燥機4によって所定の含水率(ほぼ25%)にまで乾燥される。乾燥機4で乾燥された炭化原料は、粉砕器5で細かく粉砕される。このように炭化原料を粉砕することにより、後工程での熱効率が向上される。
【0035】
粉砕器5で粉砕された炭化原料は、炭化原料供給機6によって、炭化炉7へ供給され、炭化炉7で蒸し焼きにされることにより、炭化原料自身が発する蒸気によって賦活されて活性炭化する(蒸気賦活)。
【0036】
炭化炉7で得られた活性炭は冷却器8によって冷却され、搬出コンベア9によって、貯留タンク10へ搬出され一時的に貯留される。
【0037】
この実施の形態によれば、ロータリーキルン32の入側に炭化原料の定量供給装置3を設けることにより、連続生産を行うことが可能となる。
【0038】
この際、ホッパ20の炭化原料を押出シリンダ装置21で押出すことにより、含水率が高く粘性を有している炭化原料であっても定量供給が可能となる。
【0039】
また、ホッパ20に内壁に沿って周方向に往復摺動しほぼ上下に延びる掻取羽根26を設けることにより、含水率が高く粘性を有している炭化原料であっても、ホッパ20や掻取羽根26に付着させることなく粘性を有する炭化原料を押出シリンダ装置21へ向けて送ることができる。これは、ホッパ20の内周壁に付着しようとする炭化原料を掻取羽根26がうまく掻出すことによる。これに対して、ホッパ20内にスクリュウなどを設けた場合には、粘性を有する炭化原料はホッパ20や掻取羽根26に付着したままとなってしまうため、最終的に押出シリンダ装置21へ送れなくなってしまう。
【0040】
更に、掻取羽根26に所要の迎え角度27を付けることにより、掻取羽根26の正転時には炭化原料に下へ推進させる力を与え、逆転時には炭化原料を下への推進力を解放することができるようになるので、掻取羽根26の正転・逆転をうまく行うことにより、含水率が高く粘性を有している炭化原料を無用に圧密せずに押出シリンダ装置21へ向けて進めることができる。
【0041】
特に、掻取羽根26を押出シリンダ装置21の作動と同期して往復摺動させることにより、炭化原料をほとんど圧密させることなく送ることができる。即ち、押出シリンダ装置21の押出時に掻取羽根26を逆回転させて下への推進力を解放し、押出シリンダ装置21の引戻時に掻取羽根26を正回転させて下への推進力を与えることにより、効率良く炭化原料を押出シリンダ装置21へ送ることができる。
【0042】
また、図5、図6に示すように、各掻取羽根26の下端近傍に、ホッパ20の接線方向へほぼ延びる平面視ほぼコ字状をした安息角崩壊羽根28を設けることにより、ホッパ20の出口付近の炭化原料を効率良く突き崩して出口から落とすことができる。また、安息角崩壊羽根28を平面視ほぼコ字状とすることにより、正転時も逆転時も機能させることができる。
【0043】
そして、炭化炉7では、燃焼室31内に配置されたロータリーキルン32に炭化原料を供給することにより、炭化原料を加熱して炭化することができる。この際、ロータリーキルン32を回転することにより、炭化原料を反転・撹拌することができる。また、ほぼ水平なロータリーキルン32の内壁に沿って螺旋状堰33を設けることにより、炭化原料を炭化しつつ入側から出側へ向けて炭化原料を順送りに搬送することができる。
【0044】
この際、螺旋状堰33の巻き数を、炭化処理時間をロータリーキルン32の1回転に要する時間で割った値とすることにより、ロータリーキルン32を定速回転するだけで炭化処理時間を一定に管理することが可能となる。
【0045】
更に、螺旋状堰33の間に設けた縦堰34を乗り越えさせることにより、炭化原料をロータリーキルン32の周方向へ反転・撹拌することが可能となる。
【0046】
また、縦堰34の先端に設けた傾斜部36を乗り越えさせることにより、炭化原料をロータリーキルン32の軸線方向へ反転・撹拌することが可能となる。よって、炭化原料をまんべんなく反転・撹拌して均等且つ効率的に熱を伝達することが可能となり、製品に芯が残るようなことが防止される。
【0047】
更に、ロータリーキルン32の入側と出側に、空気遮断装置37,38を備えることにより、ロータリーキルン32内部の酸素濃度を制御して炭化原料を蒸し焼きにすることができる。ここで、炭化原料の含水率を乾燥機4でほぼ25%としたことにより、炭化原料自身が発する蒸気により蒸気賦活を行わせて活性炭を製造することが可能となる。また、空気遮断装置37,38により、空気を遮断した状態での炭化原料の供給と製品である活性炭の取出しとを支障なく行うことが可能となり、連続生産を行うことが可能となる。
【0048】
ここで、入側と出側の空気遮断装置37,38として、それぞれ二段式のシャットゲートを用いることができる。しかし、二段式のシャットゲートを用いた場合、二段式のシャットゲートの開閉操作が煩雑となるが、シャットゲートを一段にして二段目に気密性の高いスクリューコンベヤ40,45を用いることにより、煩雑なシャットゲートの開閉操作を簡略化することができる。また、シャットゲートも回転式のものとすることができる。
【0049】
更に、入側の空気遮断装置37は、含水率がほぼ25%の炭化原料が入るところであるため、炭化原料自体の持つ密閉性を利用することにより、シャットゲートを不要化することができる。即ち、レベル調節装置41により、ホッパ39内の炭化原料のレベルまたはロータリーキルン32内の酸素濃度を検出して炭化原料供給機6またはスクリューコンベヤ40に指令を送り、ホッパ39内の炭化原料を所定レベルに保たせることにより、所要の密閉性が得られるので、シャットゲートを不要化することができる。なお、ホッパ39内の炭化原料のレベルが低いと、密閉性が破壊され、ホッパ39内の炭化原料のレベルが高いと炭化原料が圧密されて詰まりを生じることとなる。
【0050】
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0051】
例えば、炭化原料には、鶏糞以外にも、ビール醸造で生じたビール糟、コーヒー糟、お茶糟、油糟、おからなどの有機物糟を使用可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、燃焼室内に配置されたロータリーキルンに炭化原料を供給することにより、炭化原料を加熱して炭化することができる。この際、ロータリーキルンを回転することにより、炭化原料を反転・撹拌することができる。また、ロータリーキルンの内壁に沿って螺旋状堰を設けることにより、炭化原料を炭化しつつ入側から出側へ向けて炭化原料を搬送することができる。この際、螺旋状堰の巻き数を、炭化処理時間をロータリーキルンの1回転に要する時間で割った値とすることにより、ロータリーキルンを定速回転するだけで炭化処理時間を一定に管理することが可能となる。更に、螺旋状堰の間に設けた縦堰により、炭化原料をロータリーキルンの周方向へ反転・撹拌することが可能となる。また、縦堰の先端に傾斜部を設けることにより、炭化原料をロータリーキルンの軸線方向へ反転・撹拌することが可能となる。よって、炭化原料をまんべんなく反転・撹拌して均等且つ効率的に熱を伝達することが可能となり、製品に芯が残るようなことが防止される。
【0053】
請求項2の発明によれば、ロータリーキルンの入側と出側に、空気遮断装置を備えることにより、ロータリーキルン内部の酸素濃度を制御して活性炭を製造することが可能となる。また、空気遮断装置により、空気を遮断した状態での炭化原料の供給と製品の取出しとを支障なく行うことが可能となり、連続生産を行うことが可能となる。
【0054】
請求項3の発明によれば、ロータリーキルンの入側に炭化原料の定量供給装置を設けることにより、連続生産を行うことが可能となる。この際、ホッパの炭化原料を押出シリンダ装置で押出すことにより、含水率が高く粘性を有している炭化原料であっても定量供給が可能となる。また、ホッパに内壁に沿って周方向に往復摺動しほぼ上下に延びる掻取羽根を設けることにより、含水率が高く粘性を有している炭化原料であっても、ホッパや掻取羽根に付着させることなく粘性を有する炭化原料を押出シリンダ装置へ向けて送ることができる。更に、掻取羽根に所要の迎え角度を付けることにより、含水率が高く粘性を有している炭化原料を無用に圧密せずに押出シリンダ装置へ向けて進めることができる。加えて、掻取羽根を定量供給装置の作動に同期して往復摺動させることにより、炭化原料を圧密させることなく取扱うことができる。
【0055】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3と、同様の作用効果を得ることができる、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の全体構成図である。
【図2】図1の定量供給装置の正面図である。
【図3】図1の定量供給装置の側面図である。
【図4】(a)〜(d)は図2の各部(A〜D部)の断面図である。
【図5】図3の部分拡大断面図である。
【図6】(a)(b)は図2の各部(E,F部)の断面図である。
【図7】図1の炭化炉の側方断面図である。
【図8】図7の螺旋堰の正面図である。
【図9】図7の螺旋堰の部分拡大側面図である。
【図10】炭化炉出側の空気遮断装置を示す断面図である。
【図11】図10の側面図である。
【符号の説明】
3 定量供給装置
7 炭化炉
20 ホッパ
21 押出シリンダ装置
26 掻取羽根
27 迎え角度
31 燃焼室
32 ロータリーキルン
33 螺旋状堰
34 縦堰
36 傾斜部
37 空気遮断装置
38 空気遮断装置
Claims (4)
- 燃焼室の内部にほぼ水平方向へ延びる円筒状のロータリーキルンを回転自在に設けて炭化炉を構成し、
前記ロータリーキルンの内壁に螺旋状堰を設けると共に、該螺旋状堰の巻き数を、炭化処理時間をロータリーキルンの1回転に要する時間で割った値に設定し、
前記螺旋状堰の間に、炭化原料をロータリーキルンの周方向へ反転・撹拌可能な縦堰を設け、
該縦堰の先端に、炭化原料をロータリーキルンの軸線方向へ反転・撹拌可能な傾斜部を設けたことを特徴とする炭化処理装置。 - 前記ロータリーキルンの入側と出側に、空気遮断装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の炭化処理装置。
- 前記ロータリーキルンの入側に、炭化原料の定量供給装置を設け、
該定量供給装置が、ホッパと該ホッパ下部に設けられた押出シリンダ装置とを備え、
前記ホッパが、傾斜した内壁に沿って周方向に往復摺動しほぼ上下に延びる掻取羽根を備え、該掻取羽根が所要の迎え角度を有していることを特徴とする請求項1または2記載の炭化処理装置。 - 請求項1ないし3記載の炭化処理装置を備えたことを特徴とする炭化処理設備。
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