JP3537560B2 - 電流−電圧変換器及び光受信器 - Google Patents

電流−電圧変換器及び光受信器

Info

Publication number
JP3537560B2
JP3537560B2 JP25523495A JP25523495A JP3537560B2 JP 3537560 B2 JP3537560 B2 JP 3537560B2 JP 25523495 A JP25523495 A JP 25523495A JP 25523495 A JP25523495 A JP 25523495A JP 3537560 B2 JP3537560 B2 JP 3537560B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transistor
current
voltage
power supply
resistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25523495A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0998033A (ja
Inventor
和則 西薗
哲司 船木
敦史 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP25523495A priority Critical patent/JP3537560B2/ja
Priority to US08/621,091 priority patent/US5804997A/en
Publication of JPH0998033A publication Critical patent/JPH0998033A/ja
Priority to US09/058,984 priority patent/US5880610A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3537560B2 publication Critical patent/JP3537560B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Amplifiers (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電流−電圧変換器
及び光受信器に関するものであり、特に、光を通信媒体
にした装置で、受光信号を電圧に変換するトランスイン
ピーダンス回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光を通信媒体にした装置が多く開
発され、これらの装置には光を受けて電圧を出力する光
受信器が使用されている。光受信器で受光信号を電圧に
変換するには、電流−電圧変換回路が必要になる。光受
信器を用いた装置は、商用電源によって駆動するもの、
バッテリー電源により駆動するものと多種多様である。
そこで、広い範囲の電源電圧で駆動が可能で、しかも、
広いダイナミックレンジの電圧が出力できるような回路
が望まれている。
【0003】図8は従来例に係る光受信器の構成図であ
る。図8において、1は赤外線等の光を受光して光電流
を発生する受光素子である。受光素子1にはフォトダイ
オード(PD)を用いる。2は、受光素子1の光電流を
電圧に変換する電流−電圧変換回路である。この変換回
路2は、2つのnpn型のバイポーラトランジスタQ
1、Q2と、1つのダイオードD1と、3つの抵抗R1
〜R3から成る。
【0004】トランジスタQ1のコレクタは抵抗R1の
一端とトランジスタQ2のベースに接続し、トランジス
タQ1のベース(入力)は受光素子1とダイードD1の
カソードと、抵抗R3の一端にそれぞれ接続し、そのエ
ミッタは接地線GNDに接続している。トランジスタQ2
のコレクタは電源線VCCに接続し、そのエミッタは、出
力と、抵抗R2の一端と、抵抗R3の他端と、ダイオー
ドD1のアノードとにそれぞれ接続している。抵抗R1
の他端は電源線VCCに接続し、抵抗R2の他端は接地線
GNDに接続している。R3はトランスインピーダンスと
呼ばれている。
【0005】ダイオードD1は、抵抗R3の電圧降下を
クランプするものである。D1は、受光素子1に流れる
光電流Ipdが大きくなったときにオンする。このときの
D1のオン条件は、抵抗R3の電圧降下がダイオードD
1の順方向の電圧降下VFを越えたときである。ダイオ
ードD1がオンすると、トランジスタQ2から電流を受
光素子1に流し込み、トランジスタQ1のベース電位を
固定してコレクタ電位が上がることを防いでいる。
【0006】3は、電流−電圧変換回路2の出力電圧V
2を入力に帰還する直流電圧帰還回路である。帰還回路
3は差動アンプから成り、出力電圧V2と基準電圧Vre
f とが同電位になるようにトランジスタQ1の入力電位
を制御する。次に、光受信器の動作を説明する。例え
ば、明と暗とが交互に繰り返される光が受光素子1によ
り受光されると、受光素子1に光電流Ipdが流れる。光
電流Ipdは、光の明と暗とに応じて「H」(ハイ)レベ
ル及び「L」(ロー)レベルの論理を構成する。
【0007】例えば、光電流Ipdが流れない場合、電流
−電圧変換器2は、トランジスタQ1,Q2,抵抗R
1,R2で負帰還回路を構成するため、入力V1と出力
V2のDC電位は、同電位(V1=V2=Vbe)にな
る。一方、光電流Ipdが流れる場合、電流−電圧変換器
2の出力V2の電圧変化量として、ΔV2=ΔIpd・R
3が得られる。このようにR3をトランスインピーダン
スとする電流−電圧変換ができる。なお、受光素子1に
流れる光電流Ipdが大きくなって、抵抗R3の電圧降下
がダイオードD1の順方向電圧VFを越えると、ダイオ
ードD1がオンしてトランジスタQ2から電流を受光素
子1に流し込む。これにより、トランジスタQ1をクラ
ンプする。
【0008】また、DCフィードバックアンプ3は、受
光素子1のリーク電流や光信号に重畳された外来光によ
るオフセット電流を除く(キャンセル)ものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
の電流−電圧変換回路2では、トランジスタQ1をクラ
ンプするダイオードD1が抵抗R3の両端に接続されて
いるため、次のような問題がある。 光電流Ipdが「H」レベルから「L」レベルに移る
ときに、図8の破線円内図に示すように、出力波形が尾
を引いたようになる。これは、受光素子1の内部の寄生
容量の影響と、ダイオードD1に溜まった電荷が放電す
るためである。この電荷は、受光素子1に電流を流し終
わったダイオードD1に溜まる。入力電流が大きい場合
には、更に、出力波形に尾を引くため、電流−電圧変換
回路のダイナミックレンジが狭くなる。そして、後段に
接続されるアナログ・デジタル変換回路等が誤動作する
恐れがある。また、ダイオードD1に溜まった電荷が抜
けるのに時間がかかると、光受信器の周波数応答特性が
悪くなる。
【0010】なお、ダイオードD1はトランジスタQ1
をクランプするために必要である。これは、受光素子1
に大きな光を照射すると、受光素子1に大電流が流れ、
トランジスタQ1のベース電位が接地線GNDの電位まで
下がる。これにより、Q1は動作点を外れてしまう。こ
のためにQ1をクランプするものである。 また、トランジスタQ1に流れる電流は、電源電圧
と、Q1の負荷抵抗R1によって決定される。したがっ
て、Q1に流れる電流は、電源電圧に比例して流れるこ
とになる。この結果、電源電圧が極めて低下したり、反
対に大きく上昇したりして、Q1に流れる電流が変化す
ると、Q1の周波数応答特性も変化するようになる。Q
1の周波数応答特性は、光受信器の周波数出力特性を大
きく変える。このため、電源電圧によって、Q1に流れ
る電流が大きく変化すると、光受信器の周波数出力特性
が大きく変化することになる。
【0011】 さらに、電流−電圧変換回路の低電圧
駆動時の動作限界を考えた場合、電源電圧VCCが、抵
抗R1の電圧降下+2×Vbe+VF以下になると、回
路が動作しなくなる。このため、光受光器の低電圧駆動
化の妨げとなっていた。なお、VbeはQ1やQ2のベ
ース・エミッタ間の電圧である。VFはダイオードD1
の順方向の電圧降下である。同一チップ内でのダイオー
ドとトランジスタは同じジャンクションによって形成さ
れるので、VF≒Vbeとなる。
【0012】本発明は、かかる従来例の問題点に鑑み創
作されたものであり、クランプ機能を維持しつつ、広い
範囲の電源電圧で電流を電圧に変換することが可能とな
る電流−電圧変換器及び光受信器の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の電流−電
圧変換器は、その実施の形態を図1に示すように、ベー
スを入力に接続した第1のトランジスタと、一端を前記
第1のトランジスタのコレクタに接続した第1の抵抗
と、一端を前記第1の抵抗の他端に接続し、かつ、他端
を第1の電源線に接続した第2の抵抗と、ベースを前記
第1の抵抗と第2の抵抗の接続点に接続し、かつ、コレ
クタを第1の電源線に接続した第2のトランジスタと、
一端を前記第2のトランジスタのエミッタ及び出力に接
続し、かつ、他端を第1の電源線に接続した第1の定電
流源と、一端を前記第2のトランジスタのエミッタに接
続し、かつ、他端を前記第1のトランジスタのベースに
接続した第3の抵抗と、一端を前記第1のトランジスタ
のエミッタに接続し、かつ、他端を第2の電源線に接続
した第2の定電流源と、一端を前記第1のトランジスタ
のエミッタに接続し、かつ、他端を第2の電源線に接続
した静電容量と、ベースを前記第1のトランジスタのコ
レクタに接続し、エミッタを前記第1のトランジスタの
ベースに接続し、かつ、コレクタを第1の電源線に接続
した第3のトランジスタを備えていることを特徴とす
る。
【0014】本発明の第1の電流−電圧変換器におい
て、前記第3の抵抗の両端の電圧を検出して前記第1の
トランジスタのベース電位を調整する帰還回路を設けて
いることを特徴とする。本発明の第1の電流−電圧変換
器において、前記帰還回路にローパスフィルタを設けて
いることを特徴とする。
【0015】本発明の第1の電流−電圧変換器におい
て、前記第1のトランジスタの入力が無いときに、前記
第3のトランジスタがカットオフするように前記第2の
抵抗の値を設定することを特徴とする。本発明の第2の
電流−電圧変換器は、その実施の形態を図4に示すよう
に、前記第3のトランジスタに代えて、ゲートを前記第
1のトランジスタのコレクタに接続し、ソースを前記第
1のトランジスタのベースに接続し、かつ、ドレインを
第1の電源線に接続した電界効果トランジスタを設け、
前記電界効果トランジスタは、第2のトランジスタがオ
ンするベース・エミッタ間の電圧降下よりも大きな値の
閾値電圧に調整されていることを特徴とする。
【0016】本発明の第3の電流−電圧変換器は、その
実施の形態を図5に示すように、第1の電流−電圧変換
器において、カソードを前記第1のトランジスタのコレ
クタに接続し、かつ、アノードを前記第1のトランジス
タのベースに接続したショットキーバリアダイオードを
設けていることを特徴とする。本発明の第4の電流−電
圧変換器は、その実施の形態を図6に示すように、第1
の電流−電圧変換器において、カソードを前記第1のト
ランジスタのコレクタに接続し、かつ、アノードを前記
第1の電源線に接続したダイオードを設けていることを
特徴とする。
【0017】本発明の第5の電流−電圧変換器は、その
実施の形態を図7に示すように、ゲートを入力に接続し
た第1の電界効果トランジスタと、一端を前記第1の電
界効果トランジスタのドレインに接続した第1の抵抗
と、一端を前記第1の抵抗の他端に接続し、かつ、他端
を第1の電源線に接続した第2の抵抗と、ゲートを前記
第1の抵抗と第2の抵抗の接続点に接続し、かつ、ドレ
インを第1の電源線に接続した第2の電界効果トランジ
スタと、一端を前記第2の電界効果トランジスタのソー
ス及び出力に接続し、かつ、他端を第1の電源線に接続
した第1の定電流源と、一端を前記第2の電界効果トラ
ンジスタのソースに接続し、かつ、他端を前記第1の電
界効果トランジスタのゲートに接続した第3の抵抗と、
一端を前記第1の電界効果トランジスタのソースに接続
し、かつ、他端を第2の電源線に接続した第2の定電流
源と、一端を前記第1の電界効果トランジスタのソース
に接続し、かつ、他端を第2の電源線に接続した静電容
量と、ゲートを前記第1の電界効果トランジスタのドレ
インに接続し、ソースを前記第1の電界効果トランジス
タのゲートに接続し、かつ、ドレインを第1の電源線に
接続した第3の電界効果トランジスタを備えていること
を特徴とする。
【0018】本発明の第6の電流−電圧変換器は、前記
第3の電界効果トランジスタの閾値電圧が、前記第2の
電界効果トランジスタの閾値電圧よりも大きな値に調整
されていることを特徴とする。本発明の光受信器は、受
けた光を電流に変換する受光素子と、前記光電素子に流
れる電流を電圧に変換する電流−電圧変換回路とを備
え、前記電流−電圧変換回路が第1〜第6のいずれかの
電流−電圧変換器から成ることを特徴とし、上記目的を
達成する。
【0019】本発明の第1の電流−電圧変換器の動作を
説明する。例えば、第1のトランジスタに入力電流が流
れない場合、電流−電圧変換器の入力と出力のDC電位
は、同電位となる。入力と出力のDC電位は、電源電圧
からほぼ抵抗R2の電圧降下と、第2のトランジスタの
ベース・エミッタ間の電圧降下とを引いた電位になる。
第1のトランジスタのエミッタ電位は、電流−電圧変換
器の入力電圧から第1のトランジスタのベース・エミッ
タ間の電圧降下を引いたDC電圧となる。また、第1の
トランジスタのエミッタは、容量によって、交流回路的
に接地されているので、このトランジスタ回路は、いわ
ゆるエミッタ接地回路になる。
【0020】また、電流−電圧変換器の入力電圧と出力
電圧とは同電位であるので、帰還回路は、第1のトラン
ジスタの入力に制御信号を帰還しない。一方、クランプ
用の第3のトランジスタも、第2のトランジスタの同じ
プロセスを経ているので、ベース・エミッタ間の電圧降
下は同じである。したがって、第3のトランジスタのベ
ース電圧は、第2のトランジスタのベース電圧に比べ
て、第1の抵抗の電圧降下分だけ少なくなるので、第3
のトランジスタには、コレクタ電流が流れない。この結
果、第3のトランジスタはクランプ動作はしない。
【0021】次に、第1のトランジスタに入力電流が流
れる場合に、電流−電圧変換器の出力は、ΔV2=ΔI
pd×R3となる。但し、ΔV2は電流−電圧変換器の出
力変化分であり、ΔIpdは第1のトランジスタの入力電
流の変化分である。R3は第3の抵抗である。このよう
にR3をトランスインピーダンスとする電流−電圧変換
回路が動作する。
【0022】一方、第1のトランジスタに流れる入力電
流の振幅が大きい場合に、第1のトランジスタのコレク
タ電流が少なくなり、コレクタ電位が上がる。これによ
り、第3のトランジスタが電源電位より電流を引き込ん
で、第1のトランジスタをクランプする。このときの電
流−電圧変換器の出力は、先に記述したΔV2=ΔIpd
×R3の関係が成り立たなくなり、出力は、V2=VC
C−R2・I1−Vbeとなる。但し、V2は電流−電圧
変換器のDC出力であり、VCCは電源電圧であり、R
2は第2の抵抗であり、I1は第1のトランジスタを流
れる電流であり、Vbeは第2のトランジスタのベース・
エミッタ間の電圧降下である。
【0023】また、第1のトランジスタに流れる入力電
流が「H」レベルから「L」レベルに変化する場合に
は、第3のトランジスタのベースに蓄積された電荷は、
第1のトランジスタによって引き抜かれる。このように
本発明の第1の電流−電圧変換器によれば、第1のトラ
ンジスタのベース入力が、「H」レベルから「L」レベ
ルに立ち下がるとき、第3のトランジスタのベース・エ
ミッタに蓄積した電荷は、第1のトランジスタによって
引き抜かれるので、従来例ようなクランプダイオードを
用いる場合に比べて、出力波形を急激に立ち下げること
ができる。
【0024】したがって、出力波形が従来例に比べて急
激に立ち下がることで、当該電流−電圧変換回路のダイ
ナミックレンジを広くすることができる。また、本発明
の第1の電流−電圧変換器によれば、第1のトランジス
タに流れる電流は第1の定電流源によって決定されるの
で、電源電圧が変動しても、第1のトランジスタのコレ
クタ電流を一定にできる。この結果、第1のトランジス
タの周波数応答特性が安定する。
【0025】さらに、本発明の第1の電流−電圧変換器
によれば、回路の低電圧駆動時の動作限界を考えた場
合、電源電圧VCCが、抵抗降下(R1+R2)+2×
Vbe以下になるまで、回路を動作させることができ
る。なお、Vbeは第1のトランジスタや第2のトラン
ジスタのベース・エミッタの電圧降下である。また、本
発明の第1の電流−電圧変換器において、第3の抵抗の
両端の電圧を検出した帰還回路が、第1のトランジスタ
のベース電位を調整するので、入力信号にDCオフセッ
トが重畳していた場合に、これを除くことができる。ま
た、帰還回路内にローパスフィルタを設けることで、当
該電流−電圧変換器の高域カット周波数を決めることが
できる。ローパスフィルタは、この周波数よりも低い周
波数の信号を通すようになる。
【0026】本発明の第2の電流−電圧変換器によれ
ば、第3のトランジスタに代えて設けた電界効果トラン
ジスタが、第2のトランジスタがオンするベース・エミ
ッタ間の電圧降下よりも大きな値の閾値電圧に調整され
ているので、入力電流が大きくなったときに、この電界
効果トランジスタをオンさせることができる。これによ
り、この電界効果トランジスタの動作を決める抵抗R1
を省略することができる。したがって、回路の集積化に
寄与する。
【0027】本発明の第3の電流−電圧変換器によれ
ば、ショットキーバリアダイオードが第1のトランジス
タのベース・コレクタ間に接続されているので、第1の
トランジスタのベース電位を基準にして、そのコレクタ
の電圧が下がることが防げる。したがって、入力電流が
大きい場合でも、第1のトランジスタのコレクタ電圧が
下がらないので、回路動作が安定する。
【0028】本発明の第3の電流−電圧変換器によれ
ば、ダイオードが第1のトランジスタのコレクタと第1
の電源線との間に接続されているので、第1の電源線を
基準にして、第1のトランジスタのコレクタ電圧が下が
ることが防げる。したがって、入力電流が大きい場合で
も、第2の電流−電圧変換器と同様に第1のトランジス
タのコレクタ電圧が下がらないので、回路動作が安定す
る。
【0029】本発明の第5の電流−電圧変換器によれ
ば、第1〜第4の電流−電圧変換器において、信号入力
回路や信号出力回路が電界効果トランジスタから構成さ
れているので、回路の集積化が図れる。本発明の第6の
電流−電圧変換器によれば、第3の電界効果トランジス
タの閾値電圧が、第2の電界効果トランジスタの閾値電
圧よりも大きな値に調整されているので、入力電流が大
きくなったときに、第3の電界効果トランジスタをオン
させることができる。これにより、第3の電界効果トラ
ンジスタの動作を決める抵抗R1を省略することができ
る。したがって、回路の集積化に寄与する。
【0030】本発明の光受信器によれば、電流−電圧変
換回路が第1〜第6のいずれかの電流−電圧変換器から
構成されているので、広い範囲の電源電圧で駆動するこ
と、しかも、電流−電圧変換器のダイナミックレンジを
広げることができる。また、電流−電圧変換回路の第1
のトランジスタの周波数応答特性が電源電圧に依存しな
くなるので、光受信器の周波数出力特性も安定してい
る。さらに、電源電圧VCCが、抵抗降下(R1+R
2)+2×Vbe以下になるまで、電流−電圧変換回路
を動作させることができるので、光受光器の低電圧駆動
化が図れる。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、図を参照しながら本発明の
実施の形態について説明をする。図1〜7は、本発明の
実施の形態に係る電流−電圧変換器及び光受信器の説明
図である。 (1)第1の実施の形態 図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電流−電圧変
換器を用いた光受信器の構成図であり、図2は、そのD
Cフィードバック回路の構成図を示している。図1にお
いて、11は赤外線等の光を受光して光電流を発生する
受光素子(フォトダイオード:PD)である。受光素子
11は光を電流に変換する光電効果を利用している。
【0032】12は、受光素子11に流れる電流を電圧
に変換する電流−電圧変換回路である。電流−電圧変換
回路12は、本発明の第1の電流−電圧変換器から成
る。変換回路12は、図1において、3つのnpn型の
バイポーラトランジスタ(以下単にトランジスタとい
う)Q1〜Q3と、3つの抵抗R1〜R3と、2つの定
電流源I1,I2と、1つの静電容量C1から成る。
【0033】トランジスタQ1は第1のトランジスタの
一例であり、そのベース(入力)は受光素子11とトラ
ンジスタQ3のエミッタと抵抗R3の一端にそれぞれ接
続し、そのコレクタはトランジスタQ3のベースと抵抗
R1の一端にそれぞれ接続する。トランジスタQ1のエ
ミッタは定電流源I1と静電容量C1の一端にそれぞれ
接続する。定電流源I1は第1の定電流源の一例であ
る。静電容量C1の他端は接地線GNDに接続する。静電
容量C1はトランジスタQ1の低域カット周波数を決定
するものである。
【0034】抵抗R1の他端はトランジスタQ2のベー
スと抵抗R2の一端にそれぞれ接続する。抵抗R2の他
端は電源線VCCに接続する。なお、抵抗R2は、トラン
ジスタQ1の入力が無いときに、トランジスタQ3がカ
ットオフするように値を設定することが望ましい。トラ
ンジスタQ2は第2のトランジスタの一例であり、その
コレクタは電源線VCCに接続し、そのエミッタは出力と
抵抗R3の他端と、定電流源I2とにそれぞれ接続す
る。定電流源I2は第2の定電流源の一例であり、その
他端は接地線GNDに接続する。抵抗R3はトランスイン
ピーダンスと呼ばれている。
【0035】トランジスタQ3は第3のトランジスタの
一例であり、クランプトランジスタを構成する。そのコ
レクタは電源線VCCに接続している。トランジスタQ3
は、トランジスタQ1をクランプするものである。トラ
ンジスタQ3は、受光素子11に流れる光電流Ipdが大
きくなったときにオンする。このときのQ3のオン条件
は、光電流Ipdが大きくなって、Q1のコレクタ電流が
少なくなり、コレクタ電圧が上昇したときである。トラ
ンジスタQ3がオンすると、電源線VCCから受光素子1
1へ電流を流し込み、トランジスタQ1のベース電位を
固定してコレクタ電位が下がることが防げる。
【0036】13は抵抗R3の両端の電圧を検出してト
ランジスタQ1のベース電位を調整するDCフィードバ
ック回路であり、帰還回路の一例である。図2(A)に
おいて、DCフィードバック回路13は、差動増幅器と
出力回路から成る。差動増幅器は3つのpnp型のバイ
ポーラトランジスタQ13〜Q15と、2つのnpn型のバ
イポーラトランジスタQ11, Q12と、2つの定電流源I
12, I12と、静電容量C11から成る。
【0037】図2(A)において、トランジスタQ11の
ベースは−端子に接続し、トランジスタQ12のベースは
+端子に接続する。トランジスタQ11とQ12のエミッタ
は定電流源I11に接続する。トランジスタQ11のコレク
タはトランジスタQ13のコレクタに接続する。トランジ
スタQ12のコレクタはトランジスタQ14のコレクタに接
続する。トランジスタQ13のベースはトランジスタQ14
のベースに接続して、トランジスタQ11のコレクタに接
続する。トランジスタQ13とQ14のエミッタは電源線V
CCに接続する。トランジスタQ14のコレクタはトランジ
スタQ15のベース及び静電容量C11の一端に接続する。
静電容量C11の他端は接地線GNDに接続する。トランジ
スタQ15のエミッタは電源線VCCに接続する。そのコレ
クタは出力と定電流源I12に接続する。
【0038】DCフィードバック回路13は、トランジ
スタQ1のベース電位を一定に調整することにより、出
力のDC電位を一定にすることができる。図2(B)に
おいて、13AはDCフィードバック回路13を変形した
帰還回路であり、フィルタ用抵抗R11を設けている。抵
抗R11は静電容量C11とともに、ローパスフィルタを構
成する。ローパスフィルタは、DCフィードバック回路
13の高域カット周波数を決定するものである。
【0039】また、図3(A)は、本発明の各実施の形
態に係る電流−電圧変換器を用いた光受信器と従来例の
光受信器の出力波形を比較する図を示している。図3
(B)は本発明の各実施の形態に係る光受信器の周波数
特性を示している。縦軸は利得であり、横軸は周波数で
ある。fL は低域カット周波数である。光受信器は、f
L より高い周波数の信号を通すようになる。
【0040】次に、図3(A)を参照しながら、本発明
の第1の実施の形態に係る電流−電圧変換器を用いた光
受信器の動作を説明する。例えば、明と暗とが交互に繰
り返される光(所定周波数)が受光素子11により受光
されると、受光素子11に光電流Ipdが流れる。光電流
Ipdは、図3(A)に示すように光の明と暗とに応じて
「H」(ハイ)レベル及び「L」(ロー)レベルの論理
を構成する。
【0041】例えば、トランジスタQ1に光電流Ipdが
流れない場合、電流−電圧変換回路12の入力V1と出
力V2のDC電位は、同電位となる。入力V1と出力V
2のDC電位は、電源電圧VCCからほぼ抵抗R2の電
圧降下R2・I1と、トランジスタQ2のベース・エミ
ッタ間の電圧降下Vbeとを引いた電位(≒VCC−R2
・I1−Vbe)になる。
【0042】トランジスタQ1のエミッタ電位は、電流
−電圧変換回路12の入力電圧V1からトランジスタQ
1のベース・エミッタ間の電圧降下を引いたDC電圧
(V1−Vbe)となる。また、トランジスタQ1のエミ
ッタは、容量C1によって、交流回路的に接地されてい
るので、このトランジスタ回路は、いわゆるエミッタ接
地回路になる。
【0043】DCフィードバック回路13は、電流−電
圧変換回路12の入力V1と出力V2とは同電位である
ので、トランジスタQ1の入力V1に制御信号を帰還し
ない。一方、クランプ用のトランジスタQ3のベース・
エミッタ間の電圧降下Vbeは、他のトランジスタQ1,
Q2のベース・エミッタ間の電圧降下Vbeよりも大きい
ため、トランジスタQ3には、コレクタ電流が流れな
い。
【0044】次に、トランジスタQ1に光電流Ipdが流
れる場合に、電流−電圧変換回路12の出力V2は、Δ
V2=ΔIpd×R3となる。但し、ΔV2は電流−電圧
変換回路12の出力変化分であり、ΔIpdはトランジス
タQ1に流れる光電流Ipdの変化分である。R3は抵抗
R3の値である。このようにR3をトランスインピーダ
ンスとする電流−電圧変換回路が動作する。
【0045】一方、トランジスタQ1に流れる光電流I
pdの振幅が大きい場合に、トランジスタQ1のコレクタ
電流が少なくなり、コレクタ電位が上がる。これによ
り、トランジスタQ3が電源電位より電流を引き込ん
で、トランジスタQ1をクランプする。このときの電流
−電圧変換回路12の出力V2は、先に記述したΔV2
=ΔIpd×R3の関係が成り立たなくなり、出力V2
は、V2=VCC−R2・I1−Vbeとなる。
【0046】但し、V2は電流−電圧変換回路12のD
C出力であり、VCCは電源電圧であり、R2は抵抗R
2の値であり、I1はトランジスタQ1を流れる電流で
あり、VbeはトランジスタQ2のベース・エミッタ間の
電圧降下である。また、トランジスタQ1に流れる光電
流Ipdが「H」レベルから「L」レベルに変化する場合
には、トランジスタQ3のベースに蓄積された電荷は、
トランジスタQ1によって引き抜かれる。
【0047】このように本発明の第1の実施の形態に係
る電流−電圧変換器を用いた光受信器によれば、トラン
ジスタQ1の光電流Ipdが、「H」レベルから「L」レ
ベルに変化するとき、トランジスタQ3のベースに蓄積
した電荷は、トランジスタQ1によって引き抜かれるの
で、従来例ようなクランプダイオードを用いた場合に比
べて、図3(A)に示すように、出力波形を急激に立ち
下げることができる。
【0048】したがって、出力波形が従来例に比べて急
激に立ち下がることで、当該光受信器のダイナミックレ
ンジを広くすることができる。後段に接続されたアナロ
グ・デジタル変換器等は、入力信号のパルス幅を正確に
二値化データに変換することができるようになる。ま
た、本発明に係る電流−電圧変換器によれば、トランジ
スタQ1に流れる電流は定電流源I1によって決定され
るので、電源電圧が変動しても、トランジスタQ1のコ
レクタ電流を一定にできる。この結果、トランジスタQ
1の周波数応答特性が安定するので、光受信器の周波数
出力特性も安定するようになる。
【0049】さらに、本発明の電流−電圧変換器によれ
ば、回路の低電圧駆動時の動作限界を考えた場合、電源
電圧VCCが、抵抗降下(R1+R2)+2×Vbe以
下になるまで、回路を動作させることができる。なお、
VbeはトランジスタQ1やトランジスタQ2のベース
・エミッタ間の電圧降下である。したがって、光受光器
の低電圧駆動化が図れる。
【0050】これにより、駆動電源の電圧範囲が広く、
しかも、ダイナミックレンジが広い光受信器が提供でき
る。なお、本発明に係る電流−電圧変換器において、抵
抗R3の両端の電圧を検出したDCフィードバック回路
13が、この抵抗R3の両端の電圧をトランジスタQ1
のベースにフィードバックして、ベース電位を調整する
ので、入力信号にDCオフセット(外来光による信号成
分)が重畳していた場合等に、これを除くことができ
る。
【0051】また、DCフィードバック回路13A内に、
図2(B)に示したようなローパスフィルタを設けるこ
とで、図3(B)に示すように、当該電流−電圧変換器
の高域カット周波数fL を決めることができる。さら
に、本発明の実施の形態では、図4に示すように、トラ
ンジスタQ3に代えて、クランプトランジスタとして電
界効果トランジスタTNを設けている。トランジスタT
NのゲートはトランジスタQ1のコレクタに接続し、ソ
ースをトランジスタQ1のベースに接続し、そのドレイ
ンを電源線VCCに接続している。そして、トランジスタ
TNは、トランジスタQ2がオンするベース・エミッタ
間の電圧降下Vbeよりも大きな値の閾値Vthに調整す
る。
【0052】このようにすると、光電流Ipdが通常の振
幅よりも極めて大きい「H」レベルのときに、トランジ
スタTNをオンさせることができる。これにより、トラ
ンジスタTNの動作電圧を決める抵抗R1を省略するこ
とができので、回路の集積化に寄与する。 (2)第2の実施の形態 図5は、本発明の第2の実施の形態に係る電流−電圧変
換器を用いた光受信器の構成図を示している。第2の実
施の形態では第1の実施の形態と異なり電流−電圧変換
器22にショットキーバリアダイオードが設けられるも
のである。図5において、22は受光素子11に流れる
光電流Ipdを電圧に変換する電流−電圧変換器である。
SBDは、トランジスタQ1のベース電位を基準にし
て、そのコレクタの電圧が下がるのを防ぐショットキー
バリアダイオードである。SBDのカソードは、トラン
ジスタQ1のコレクタに接続し、そのアノードをトラン
ジスタQ1のベースに接続している。なお、第1の実施
の形態と同じ符号及び名称のものは、同じ機能を有する
ため、その説明を省略する。
【0053】このようにして本発明の第2の実施の形態
に係る電流−電圧変換器を用いた光受信器によれば、シ
ョットキーバリアダイオードがトランジスタQ1のベー
ス・コレクタ間に接続されているので、トランジスタQ
1のベース電位を基準にして、そのコレクタの電圧が下
がるのを防げる。この結果、ベース入力の振幅が大きい
場合でも、トランジスタQ1のコレクタ電圧が下がらな
いので、回路動作が安定する。
【0054】(3)第3の実施の形態 図6は、本発明の第3の実施の形態に係る電流−電圧変
換器を用いた光受信器の構成図を示している。第3の実
施の形態では第1の実施の形態と異なり電流−電圧変換
器32に定電圧ダイオードが設けられるものである。図
6において、32は受光素子11に流れる光電流Ipdを
電圧に変換する電流−電圧変換器である。D11は、電源
線VCCを基準にして、トランジスタQ1のコレクタの電
圧が下がるのを防ぐダイオードである。D11のカソード
は、トランジスタQ1のコレクタに接続し、そのアノー
ドを電源線VCCに接続している。なお、第1の実施の形
態と同じ符号及び名称のものは、同じ機能を有するた
め、その説明を省略する。
【0055】このようにして本発明の第3の実施の形態
に係る電流−電圧変換器を用いた光受信器によれば、ダ
イオードD11がトランジスタQ1のコレクタと電源線V
CCとの間に接続されているので、電源線VCCを基準にし
て、そのコレクタの電圧が下がるのを防げる。この結
果、ベース入力の振幅が大きい場合でも、第2の実施の
形態と同様にトランジスタQ1のコレクタ電圧が下がら
ないので、回路動作が安定する。
【0056】(4)第4の実施の形態 図7は、本発明の第4の実施の形態に係る電流−電圧変
換器を用いた光受信器の構成図を示している。第4の実
施の形態では第1の実施の形態と異なり電流−電圧変換
器42のトランジスタがn型の電界効果トランジスタか
ら成るものである。
【0057】図7において、42は受光素子11に流れ
る光電流Ipdを電圧に変換する電流−電圧変換器であ
る。変換回路42は、3つのn型の電界効果トランジス
タ(以下単にトランジスタという)TN1〜TN3と、3つ
の抵抗R1〜R3と、2つの定電流源I1,I2と、1
つの静電容量C1から成る。トランジスタTN1は第1の
電界効果トランジスタの一例であり、そのゲート(入
力)は受光素子11とトランジスタTN3のソースと抵抗
R3の一端にそれぞれ接続し、そのドレインはトランジ
スタTN3のゲートと抵抗R1の一端にそれぞれ接続す
る。トランジスタTN1のソースは定電流源I1と静電容
量C1の一端にそれぞれ接続する。定電流源I1の他端
と、静電容量C1の他端は接地線GNDに接続する。抵抗
R1の他端はトランジスタTN2のゲートと抵抗R2の一
端にそれぞれ接続する。抵抗R2の他端は電源線VCCに
接続する。なお、抵抗R2は、トランジスタTN1の入力
が無いときに、トランジスタTN3がカットオフするよう
に値を設定することが望ましい。
【0058】トランジスタTN2は第2の電界効果トラン
ジスタの一例であり、そのドレインは電源線VCCに接続
し、そのソースは出力と抵抗R3の他端と、定電流源I
2とにそれぞれ接続する。定電流源I2の他端は接地線
GNDに接続する。トランジスタTN3は第3の電界効果ト
ランジスタの一例であり、第1〜第3の実施の形態と同
様に、クランプトランジスタを構成する。そのドレイン
は電源線VCCに接続している。トランジスタTN3は、ト
ランジスタTN1をクランプするものである。トランジス
タTN3は、受光素子11に流れる光電流Ipdが大きくな
ったときにオンする。このときのTN3のオン条件は、T
N1のゲート電位が下がって、TN1のドレイン電流が少な
くなり、ドレイン電圧が上昇したときである。トランジ
スタTN3がオンすると、電源線VCCから受光素子11へ
電流を流し込み、トランジスタTN1のゲート電位を固定
してドレイン電位が下がることを防ぐ。なお、第1の実
施の形態と同じ符号及び名称のものは、同じ機能を有す
るため、その説明を省略する。
【0059】次に、本発明の第4の実施の形態に係る電
流−電圧変換器を用いた光受信器の動作を説明する。例
えば、トランジスタTN1に光電流Ipdが流れない場合、
電流−電圧変換回路42の入力V1と出力V2のDC電
位は、同電位となる。入力V1と出力V2のDC電位
は、電源電圧VCCからほぼ抵抗R2の電圧降下R2・
I1と、トランジスタTN2の閾値Vthとを引いた電位
(≒VCC−R2・I1−Vth)になる。
【0060】トランジスタTN1のソース電位は、電流−
電圧変換回路42の入力V1からトランジスタTN1の閾
値を引いたDC電圧(V1−Vth)となる。また、トラ
ンジスタTN1のソースは、容量C1によって、交流回路
的に接地されているので、このトランジスタ回路は、い
わゆるソース接地回路になる。また、電流−電圧変換回
路42の入力V1と出力V2とは同電位であるので、D
Cフィードバック回路13は、トランジスタTN1の入力
V1に制御信号を帰還しない。一方、クランプ用のトラ
ンジスタTN3の閾値Vthは、他のトランジスタTN1,T
N2の閾値Vthよりも大きいため、他のトランジスタTN
1,TN2のゲート電圧よりも高いゲート電圧が入力され
ないと、トランジスタTN3がオンしない。このため、現
時点ではトランジスタTN3にはドレイン電流I1が流れ
ない。
【0061】次に、トランジスタTN1に光電流Ipdが流
れる場合に、電流−電圧変換回路42の出力V2は、Δ
V2=ΔIpd×R3となる。但し、ΔV2は電流−電圧
変換回路42の出力変化分であり、ΔIpdはトランジス
タTN1に流れる光電流Ipdの変化分である。R3は抵抗
R3の値である。このようにR3をトランスインピーダ
ンスとする電流−電圧変換回路が動作する。
【0062】なお、光電流Ipdが「L」レベルのときの
電流をIpdL とし、光電流Ipdが「H」レベルのときの
電流をIpdH とすれば、入力電流の変化量は、ΔIpd=
IpdH −IpdL であるから、電流−電圧変換回路42の
出力V2は、ΔV2=ΔIpd×R3となる。一方、トラ
ンジスタTN1に流れる光電流Ipdの振幅が大きい場合
に、トランジスタTN1のドレイン電流が少なくなり、ド
レイン電位が上がる。これにより、トランジスタTN3の
ゲート電圧が上がることで、トランジスタTN3がオンす
るので、電源電位より電流を引き込んで、トランジスタ
TN1をクランプする。このときの電流−電圧変換回路4
2の出力V2は、先に記述したΔV2=ΔIpd×R3の
関係が成り立たなくなり、出力V2は、V2=VCC−
R2・I1−Vthとなる。
【0063】但し、V2は電流−電圧変換回路42のD
C出力であり、VCCは電源電圧であり、R2は抵抗R
2の値であり、I1はトランジスタTN1を流れる電流で
あり、VthはトランジスタTN2の閾値である。また、ト
ランジスタTN1に流れる光電流Ipdが「H」レベルから
「L」レベルに変化する場合には、トランジスタTN3の
ゲートに蓄積された電荷は、トランジスタTN1のドレイ
ンによって引き抜かれる。
【0064】このように本発明の第4の実施の形態に係
る電流−電圧変換器を用いた光受信器によれば、トラン
ジスタTN1のゲート入力が、「H」レベルから「L」レ
ベルに変化するとき、トランジスタTN3のゲートに蓄積
した電荷は、トランジスタTN1によって引き抜かれるの
で、第1の実施の形態と同様に、出力波形を急激に立ち
下げることができる。
【0065】したがって、第1の実施の形態と同様に、
電流−電圧変換回路42のダイナミックレンジを広くす
ることができる。当該光受信器の後段に接続されるアナ
ログ・デジタル変換回路等では、入力信号のパルス幅を
正確に二値化データに変換できるようになる。また、本
発明に係る電流−電圧変換器によれば、トランジスタT
N1に流れる電流は定電流源I1によって決定されるの
で、電源電圧が変動しても、トランジスタTN1のドレイ
ン電流を一定にできる。この結果、トランジスタTN1の
周波数応答特性が安定するので、光受信器の周波数出力
特性も安定するようになる。
【0066】さらに、本発明の電流−電圧変換器によれ
ば、第1の実施の形態と同様に、回路の低電圧駆動時の
動作限界を考えた場合、電源電圧VCCが、抵抗降下
(R1+R2)+2×Vth以下になるまで、回路を動
作させることができる。したがって、光受光器の低電圧
駆動化が図れる。なお、VthはトランジスタTN1やト
ランジスタTN2の閾値電圧である。
【0067】これにより、第1の実施の形態と同様に、
駆動電源の電圧範囲が広く、しかも、ダイナミックレン
ジが広い光受信器が提供できる。また、電流−電圧変換
器42がn型の電界効果トランジスタTN1〜TN3から構
成されているので、回路の集積化が図れる。なお、本発
明の実施の形態では、トランジスタTN3の閾値Vthをト
ランジスタTN2の閾値Vthよりも大きな値に調整するこ
とにより、光電流Ipdが通常の振幅よりも極めて大きい
「H」レベルのときに、トランジスタTN3をオンさせる
ことができる。これにより、トランジスタTN3の動作電
圧を決める抵抗R1を省略することができる。したがっ
て、回路の集積化が図れる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電流−電
圧変換器によれば、第1のトランジスタのベース入力が
変化するとき、第3のトランジスタのベースに蓄積した
電荷が、第1のトランジスタによって引き抜かれるの
で、従来例ようなクランプダイオードを用いる場合に比
べて、出力波形を急激に立ち下げることができる。この
ため、電流−電圧変換器のダイナミックレンジを広くす
ることができる。
【0069】本発明の他の電流−電圧変換器によれば、
ショットキーバリアダイオードが第1のトランジスタの
ベース・コレクタ間に接続されているので、第1のトラ
ンジスタのベース電位を基準にして、そのコレクタの電
圧が下がることが防げる。また、ダイオードが第1のト
ランジスタのコレクタと第1の電源線との間に接続され
ているので、第1の電源線を基準にして、そのコレクタ
の電圧を上げることができる。この結果、ベース入力の
振幅が大きい場合でも、第1のトランジスタのコレクタ
電圧が下がらないので、回路動作が安定する。
【0070】本発明の電流−電圧変換器によれば、信号
入力回路や信号出力回路が電界効果トランジスタから構
成されているので、回路の集積化が図れる。本発明の光
受信器によれば、電流−電圧変換回路が本発明の電流−
電圧変換器から構成されているので、駆動電源の電圧範
囲を広くすること、及び、電流−電圧変換器のダイナミ
ックレンジを広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電流−電圧変
換器を用いた光受信器の構成図である。
【図2】本発明の各実施の形態に係るDCフィードバッ
ク回路の構成図である。
【図3】本発明の各実施の形態に係る光受信器と従来例
の光受信器の出力波形を比較する図及び光受信器の周波
数特性図である。
【図4】本発明の第1実施の形態に係る他の電流−電圧
変換器を用いた光受信器の構成図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る電流−電圧変
換器を用いた光受信器の構成図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る電流−電圧変
換器を用いた光受信器の構成図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る電流−電圧変
換器を用いた光受信器の構成図である。
【図8】従来例に係る電流−電圧変換器を用いた光受信
器の構成図である。
【符号の説明】
1,11…受光素子、2,12,22,32,42…電
流−電圧変換回路、3,13…DCフィードバック回
路、Q1〜Q3, Q11, Q12…npn型のバイポーラト
ランジスタ、Q13〜Q15…pnp型のバイポーラトラン
ジスタ、TN1〜TN3…n型の電界効果トランジスタ、R
1〜R3…抵抗、I1,I2, I11,I12…定電流源、
C1, C11…静電容量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04B 10/28 (56)参考文献 特公 平7−52371(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03F 3/08 H04B 10/04 H04B 10/06 H04B 10/14 H04B 10/26 H04B 10/28

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースを入力に接続した第1のトランジ
    スタと、 一端を前記第1のトランジスタのコレクタに接続した第
    1の抵抗と、 一端を前記第1の抵抗の他端に接続し、かつ、他端を第
    1の電源線に接続した第2の抵抗と、 ベースを前記第1の抵抗と第2の抵抗の接続点に接続
    し、かつ、コレクタを第1の電源線に接続した第2のト
    ランジスタと、 一端を前記第2のトランジスタのエミッタ及び出力に接
    続し、かつ、他端を第1の電源線に接続した第1の定電
    流源と、 一端を前記第2のトランジスタのエミッタに接続し、か
    つ、他端を前記第1のトランジスタのベースに接続した
    第3の抵抗と、 一端を前記第1のトランジスタのエミッタに接続し、か
    つ、他端を第2の電源線に接続した第2の定電流源と、 一端を前記第1のトランジスタのエミッタに接続し、か
    つ、他端を第2の電源線に接続した静電容量と、 ベースを前記第1のトランジスタのコレクタに接続し、
    エミッタを前記第1のトランジスタのベースに接続し、
    かつ、コレクタを第1の電源線に接続した第3のトラン
    ジスタを備えていることを特徴とする電流−電圧変換
    器。
  2. 【請求項2】 前記第3の抵抗の両端の電圧を検出して
    前記第1のトランジスタのベース電位を調整する帰還回
    路を設けていることを特徴とする請求項1記載の電流−
    電圧変換器。
  3. 【請求項3】 前記帰還回路にローパスフィルタを設け
    ていることを特徴とする請求項2記載の電流−電圧変換
    器。
  4. 【請求項4】 前記第1のトランジスタの入力が無いと
    きに、前記第3のトランジスタがカットオフするように
    前記第2の抵抗の値を設定することを特徴とする請求項
    1記載の電流−電圧変換器。
  5. 【請求項5】 前記第3のトランジスタに代えて、ゲー
    トを前記第1のトランジスタのコレクタに接続し、ソー
    スを前記第1のトランジスタのベースに接続し、かつ、
    ドレインを第1の電源線に接続した電界効果トランジス
    タを設け、 前記電界効果トランジスタは、第2のトランジスタがオ
    ンするベース・エミッタ電圧よりも大きな値の閾値電圧
    に調整されていることを特徴とする請求項1記載の電流
    −電圧変換器。
  6. 【請求項6】 カソードを前記第1のトランジスタのコ
    レクタに接続し、かつ、アノードを前記第1のトランジ
    スタのベースに接続したショットキーバリアダイオード
    を設けていることを特徴とする請求項1記載の電流−電
    圧変換器。
  7. 【請求項7】 カソードを前記第1のトランジスタのコ
    レクタに接続し、かつ、アノードを前記第1の電源線に
    接続したダイオードを設けていることを特徴とする請求
    項1記載の電流−電圧変換器。
  8. 【請求項8】 ゲートを入力に接続した第1の電界効果
    トランジスタと、 一端を前記第1の電界効果トランジスタのドレインに接
    続した第1の抵抗と、 一端を前記第1の抵抗の他端に接続し、かつ、他端を第
    1の電源線に接続した第2の抵抗と、 ゲートを前記第1の抵抗と第2の抵抗の接続点に接続
    し、かつ、ドレインを第1の電源線に接続した第2の電
    界効果トランジスタと、 一端を前記第2の電界効果トランジスタのソース及び出
    力に接続し、かつ、他端を第1の電源線に接続した第1
    の定電流源と、 一端を前記第2の電界効果トランジスタのソースに接続
    し、かつ、他端を前記第1の電界効果トランジスタのゲ
    ートに接続した第3の抵抗と、 一端を前記第1の電界効果トランジスタのソースに接続
    し、かつ、他端を第2の電源線に接続した第2の定電流
    源と、 一端を前記第1の電界効果トランジスタのソースに接続
    し、かつ、他端を第2の電源線に接続した静電容量と、 ゲートを前記第1の電界効果トランジスタのドレインに
    接続し、ソースを前記第1の電界効果トランジスタのゲ
    ートに接続し、かつ、ドレインを第1の電源線に接続し
    た第3の電界効果トランジスタを備えていることを特徴
    とする電流−電圧変換器。
  9. 【請求項9】 前記第3の電界効果トランジスタの閾値
    電圧は、前記第1及び第2の電界効果トランジスタの閾
    値電圧よりも大きな値に設定されていることを特徴とす
    る請求項8記載の電流−電圧変換器。
  10. 【請求項10】 受けた光を電流に変換する受光素子
    と、前記光電素子に流れる電流を電圧に変換する電流−
    電圧変換回路とを備え、前記電流−電圧変換回路が請求
    項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求
    項6、請求項7、請求項8及び請求項9記載のいずれか
    の電流−電圧変換器から成ることを特徴とする光受信
    器。
JP25523495A 1995-09-19 1995-10-02 電流−電圧変換器及び光受信器 Expired - Fee Related JP3537560B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25523495A JP3537560B2 (ja) 1995-10-02 1995-10-02 電流−電圧変換器及び光受信器
US08/621,091 US5804997A (en) 1995-09-19 1996-03-22 Current-to-voltage converting device and light receiver
US09/058,984 US5880610A (en) 1995-09-19 1998-04-13 Current-to-voltage converting device and light receiver

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25523495A JP3537560B2 (ja) 1995-10-02 1995-10-02 電流−電圧変換器及び光受信器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0998033A JPH0998033A (ja) 1997-04-08
JP3537560B2 true JP3537560B2 (ja) 2004-06-14

Family

ID=17275902

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25523495A Expired - Fee Related JP3537560B2 (ja) 1995-09-19 1995-10-02 電流−電圧変換器及び光受信器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3537560B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005236831A (ja) 2004-02-23 2005-09-02 Rohm Co Ltd 信号生成回路及びそれを備えた光ピックアップ装置
JP4080488B2 (ja) 2005-01-27 2008-04-23 富士通株式会社 A/d変換器
JP2008141358A (ja) 2006-11-30 2008-06-19 Mitsumi Electric Co Ltd 利得可変増幅回路

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0998033A (ja) 1997-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6788152B2 (en) Amplification circuit and optical communication apparatus provided with the amplification circuit
US5880610A (en) Current-to-voltage converting device and light receiver
US6275541B1 (en) Digital receiver circuit
JP3475877B2 (ja) 前置増幅回路
US6166566A (en) Adaptive threshold circuit for comparators
US20050052231A1 (en) Transimpedance amplifier with adjustable output amplitude and wide input dynamic-range
US4446443A (en) Amplifier having reduced power dissipation and improved slew rate
US4492926A (en) Amplitude modulation detector
US10326416B2 (en) Amplifier
US7231152B2 (en) Infrared remote control receiver (IRCR) having semiconductor signal processing device therein
EP0862264A2 (en) Feedback amplifier and optical receiver using the same
JP2003168933A (ja) 光受信回路
JP3537560B2 (ja) 電流−電圧変換器及び光受信器
US6762596B2 (en) Constant voltage circuit and infrared remote control receiver using the same
US9837969B2 (en) Transimpedance circuit
JP3479966B2 (ja) 光電流モニタ回路及び光受信器
US6229371B1 (en) Clamp circuit
JPH11284444A (ja) プリアンプ回路およびプリアンプ方法
EP0680144B1 (en) Receiver arrangement
US4904860A (en) Optical signal detection circuit with constant current sources
JPH0282804A (ja) 光受信用前置増幅器
JP2001168374A (ja) 光電気変換回路
KR20050056154A (ko) 광수신 장치 및 이를 구비하는 데이터 통신 장치
JP2804678B2 (ja) 光検出装置
JP3450975B2 (ja) 積分器付コンパレータ回路および赤外線受光装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040316

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees