JP3535764B2 - アブソリュートエンコーダ - Google Patents

アブソリュートエンコーダ

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JP3535764B2
JP3535764B2 JP08362699A JP8362699A JP3535764B2 JP 3535764 B2 JP3535764 B2 JP 3535764B2 JP 08362699 A JP08362699 A JP 08362699A JP 8362699 A JP8362699 A JP 8362699A JP 3535764 B2 JP3535764 B2 JP 3535764B2
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博 高橋
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NTT Docomo Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アブソリュートエ
ンコーダの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】角度を検出するためのセンサとして使用
されているアブソリュートエンコーダは、回転円板に角
度認識用マークを所定の角度間隔で形成し、この角度認
識用マークを読取ることによって前記回転円板の回転角
度を検出するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記アブソリュートエ
ンコーダから出力される角度情報に基づいて機構要素の
角度を所定の角度に設定しようとした場合、設定された
角度に比較的大きな誤差が含まれることになる。なぜな
ら、上記アブソリュートエンコーダは、角度認識用マー
クが回転円板の周方向に沿って幅広に形成されるので、
その周方向幅に対応した誤差範囲を有するからである。
もちろん、上記角度認識用マークの配列角度間隔を密に
すれば上記誤差範囲が小さくなるが、これは該マークの
加工コストの増大や、読取り素子の配列ビット数の増加
に伴うコストの増大をもたらす。本発明の課題は、この
ような状況に鑑み、角度認識用マークの配列角度間隔を
密にすることなく、機構要素の角度を精度良く設定する
ことが可能なアブソリュートエンコーダを提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、回転円板
に角度認識用マークを所定の角度間隔で形成し、この角
度認識用マークを読取ることによって前記円板の回転角
度を検出するアブソリュートエンコーダであって、前記
回転円板の円周上に、前記角度認識用マークよりも前記
円板の周方向の幅を小さく設定した位置決め用マークを
前記所定の角度間隔で形成するとともに、該位置決め用
マークを読取るためのマーク読取り手段を前記円周に沿
って3個配設し、前記マーク読取り手段の配列間隔を、
前記位置決め用マークの配列間隔の整数倍の長さに所定
の許容角度検出誤差範囲分の長さを付加した大きさに設
定している。第2の発明は、第1の発明において、前記
許容角度検出誤差範囲分の長さを、前記位置決め用マー
クの前記円周方向の幅に設定している。
【0005】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るアブソリュ
ートエンコーダの実施形態を示した平面図である。この
アブソリュートエンコーダAEは、角度認識用マークM
1〜M3および位置決め用マークM4を形成した遮光性
の回転円板10と、上記マークM1〜M3およびM4を
読取るために設けた読取ブロック20とを備えている。
【0006】角度認識用マークM1,M2およびM3
は、それぞれ円板10における等角度分割ラインL0〜
L6と同心円弧ラインC1〜C3の交点位置に設けら
れ、また位置決め用マークM4は、等角度分割ラインL
A,L0〜L6,LBと円弧ラインC4の交点位置に設
けられている。これらのマークM1〜M3は、円板10
を貫通する方形状の孔からなり、該円板10の周方向に
その長手軸線が沿っている。また、マークM4は円板1
0を貫通する細孔からなり、その径はマークM1〜M3
の長手方向長に比して格段に小さい。なお、マークM
1,M2およびM3には、それぞれ20 ,21 およ
び22の重みを持たせてある。また、この実施形態にお
いては、等角度分割ラインLA,L0〜L6およびLB
による分割角度θを10°に設定してある。
【0007】図1のA−A断面図である図2に示すよう
に、読取ブロック20は、円板10の径方向に配列する
投光素子21,22,23および24Cと、円板10を
挟んで該投光素子21,22,23および24Cにそれ
ぞれ対向して配列する受光素子21′,22′,23′
および24C′とを備えている。なお、投光素子21,
22,23および24Cには、例えば発光ダイオードが
適用され、また、受光素子21′,22′,23′およ
び24C′には、例えばフォトトランジスタが適用され
る。
【0008】投光素子21,22および23は、それぞ
れ図1に示した円弧ラインC1,C2およびC3上に位
置している。したがって、上記マークM1,M2および
M3は、円板10の回転に伴って素子21,21′間、
素子22,22′間および素子23,23′間をそれぞ
れ移動することになる。そして、例えば、素子21,2
1′間にマークM1が介在した状態では、素子21から
投射された光が該マークM1を介して素子21′に入射
し、その結果、該素子21′がオンする。
【0009】一方、図1のB−B断面図である図8に示
すように、読取ブロック20には、上記投光素子24C
の左右に位置した投光素子24L,24Rと、円板10
を挟んでこの投光素子24L,24Rと対向する受光素
子24L′,24R′とを備えている。投光素子24
L,24Cおよび24Rは、それぞれ図1に示した円弧
ラインC4上に位置し、その配列間隔は、図8に示すよ
うに、前記位置決め用マークM4の配列間隔αに微少距
離Δα(この例では、マークM4の径の距離)を付加し
た大きさに設定されている。
【0010】円弧ラインC4上のマークM4は、円板1
0の回転に伴って素子24L,24L′間、素子24
C,24C′間および素子24R,24R′間を移動す
ることになる。そして、例えば、図8に示すように、素
子24C,24C′間にマークM4が介在した状態にお
いては、素子24Cから投射された光が該マークM4を
介して素子24C′に入射し、その結果、該素子24
C′がオンする。
【0011】図3は、移動通信用の基地局に設置するア
レーアンテナ30を示している。このアンテナ30の各
放射素子30a〜30fは、これらに対して各別に設け
られた可変位相器31a〜31fと分配合成器32とを
介して無線機33に接続されている。アンテナ30の放
射ビームのチルト角を変化させる場合には、可変位相器
31a〜31fによって分配合成器32の各出力の位相
を変化させる。すなわち、例えば、可変位相器31a,
31b,・・・31fによって分配合成器32の各出力
の位相をそれぞれ10°,20°,・・・60°だけ変
化させれば、図示のように放射ビームのチルト角が変化
する。
【0012】可変位相器31a〜31fは、それらを連
動させる共通の駆動軸34を備えており、この駆動軸3
4の回転角を駆動装置35で変化させることにより、そ
れぞれの位相変化量が同時に設定される。なお、可変位
相器31a〜31fの構成は従来公知であるので、ここ
では、それについての説明を省略する。上記駆動軸34
の回転角を制御するためには、該回転角を検出する角度
センサを必要とする。上記アブソリュートエンコーダA
Eは、この角度センサとして適用することができ、この
場合、上記駆動軸34が前記円板10の駆動軸10aに
なる。
【0013】コントローラ36は、上記アブソリュート
エンコーダAEの出力に基づいて駆動装置35を制御す
るものであり、図4に示す手順を実行して上記アンテナ
30の放射ビームのチルト角を変化させる。この手順で
は、まず、図2に示した素子21,21′,22,2
2′および23,23′によるマークM1,M2および
M3の読取り結果に基づいて、現在の駆動軸34の回転
角を認識する(ステップ100)。すなわち、図1は、
駆動軸34が30°回転した状態を示しているが、この
場合、受光素子21′,22′が共にオフし、受光素子
23′がオンした状態になる。そこで、これらの素子の
出力状態から、現在の駆動軸34の回転角30°を認識
する。
【0014】次に、駆動軸34の目標回転角と現在角と
に基ずいて、該駆動軸34の回転方向を決定するととも
に(ステップ101)、決定された回転方向が正転方向
であるか否かについて判断する(ステップ102)。い
ま、例えば、目標回転角が60°であるとすると、現在
角が30°であることから、ステップ101において駆
動軸34の回転方向が正転方向(図1における反時計回
り方向)であると決定される。そして、この場合、ステ
ップ102の判断結果はYESになる。
【0015】そこで、駆動装置35のアクチュエータ
(例えば、直流モータ)を作動して、駆動軸34を正転
方向に回転させる(ステップ103)。これに伴い、図
8に示す円板10のマークM4は右方向に移動すること
になる。図1に示したマークM1〜M3の配列態様から
明らかなように、駆動軸34が目標角60°まで回転す
ると、受光素子21′,22′および23′がすべてオ
ンすることになる。そこで、これらの受光素子の出力状
態に基づいて駆動軸34が目標角60°まで回転したか
否かを判断する(ステップ104)。そして、目標角6
0°までの回転が判断されると、駆動装置35を減速し
て、それまでよりも低速で駆動軸34を正転させる(ス
テップ105)。
【0016】なお、上記受光素子21′,22′および
23′が全てオンする時点は、図1に示すマークM1,
M2およびM3の一端部がそれぞれ投光素子21,22
および23の光軸位置にさしかかった時点である。この
時点では、図6に示すように、投光素子24Cの光軸が
この光軸に最も近いマークM4の右方側に位置し(この
ときのずれ量は、マークM1の半幅程度である)、した
がって、受光素子24C′はオフした状態にある。
【0017】上記低速での駆動軸34の回転に伴って、
図7に示すように受光素子24L′がオンし、ついで、
図8に示すように受光素子24C′がオンすることにな
る。そこで、ステップ106および107で受光素子2
4L′および24C′がオンしたか否かをそれぞれ判断
し、該受光素子24C′のオン動作が判断された時点で
駆動装置35のアクチュエータを停止させる(ステップ
108)。
【0018】次に、受光素子24R′がオンしたか否か
を判断する(ステップ109)。そして、この受光素子
24R′がオンしないと判断された場合には、上記駆動
軸34が距離±Δα/2(図8参照)に相当する角度誤
差範囲内で目標回転角60°に精度良く位置決めされた
ことになる。
【0019】一方、慣性等のために上記駆動軸34がオ
ーバランした場合には、受光素子24C′のオン後、受
光素子24R′がオンすることになるので、ステップ1
09の判断結果がYESになる。そこで、駆動装置35
を作動して駆動軸34を低速で逆転作動させるとともに
(ステップ110)、受光素子24C′が再びオンした
か否かを判断し(ステップ111)、そのオンが判断さ
れると、駆動装置35を停止させる(ステップ11
2)。
【0020】つぎに、受光素子24L′がオンしたか否
か、つまり、駆動軸34が逆の方向にオーバランしたか
否かを判断する(ステップ113)。そして、受光素子
24L′がオンしないと判断された場合には、上記駆動
軸34が上記±Δα/2に相当する角度誤差範囲内で目
標回転角に精度良く位置決めされたことになるので手順
を終了する。また、上記逆方向のオーバランが判断され
た場合には、 手順がステップ105にリターンされ、
以後、ステップ109もしくはステップ113の判断結
果がNOになるまでステップ105〜ステップ113の
手順がくり返し実行される。
【0021】上記手順によれば、最終的に受光素子24
C′がオンし、受光素子24L′および24R′が共に
オフした図8に示す状態になるように駆動軸34の回転
角が制御されるので、該駆動軸34が目標回転角に極め
て精度良く位置決めされることになる。そして、この駆
動軸34の位置決めによって前記アンテナ30のビーム
チルト角がその位置決め角度に対応した角に設定され
る。なお、ステップ102で、駆動軸34が逆転方向に
回転されると判断された場合には、図5に示すように、
ステップ103′〜113′の手順が実行される。この
手順は、図4に示したステップ103〜113の手順に
準じた内容を有するので、ここでは、その説明を省略す
る。
【0022】ところで、図8に示した距離Δαは、上記
アブソリュートエンコーダAEの位置決め角度誤差を規
定し、該距離Δαが小さい程、この角度誤差が小さくな
る。例えば、図9に示すように、上記距離Δαをマーク
M4の径の1/2もしくはそれよりも若干小さく設定す
れば、上記誤差範囲が極めて小さくなる。なお、この図
9の例では、受光素子24L′、24C′および24
R′が全てオンするように駆動軸34の角度が最終調整
されることになる。
【0023】上記距離Δαは、駆動軸およびそれに連結
される負荷の慣性、位置決め精度の要求高さ等を勘案し
て適宜設定される。すなわち、例えば、慣性が大きい場
合には、前記オーバラン現象が繰り返されて回動軸34
が目標角度に制定されるまでに時間を要する虞があるの
で、上記距離Δαを大き目に設定する。
【0024】なお、図8および図9に示した例では、素
子24C(24C′)に対して素子24L(24L′)
および24R(24R′)を隣接して配設しているが、
これらの図に鎖線で示したように、素子24C(24
C′)に対して素子24L(24L′)および24R
(24R′)を離隔して配設しても良い。また、素子2
4L(24L′)および24R(24R′)は、素子2
4C(24C′)に対して必ずしも対称な位置に配設し
なくても良い。
【0025】上記アブソリュートエンコーダAEは、図
3に示した移相器31の駆動軸34の回転角度制御に適
用しているため、その検出角度範囲が0ないし60°に
限定されているが、もちろん、360°の角度検出に適
用できるように構成することも可能である。また、上記
アブソリュートエンコーダAEでは、マークM1ないし
M3およびマークM4を貫通穴によって形成している
が、これらのマークを遮光性材料で形成しても良い。そ
の場合、受光素子21′〜23′,24L′,24C′
および24R′は、マークによって遮光されることにな
る。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、回転円板の円周上に、
角度認識用マークよりも該記円板の周方向の幅を小さく
設定した位置決め用マークを所定の角度間隔で形成する
とともに、該位置決め用マークを読取るためのマーク読
取り手段を前記円周に沿って3個配設し、この第2の読
取り手段の配列間隔を、位置決め用マークの配列間隔の
整数倍の長さに所定の許容角度検出誤差範囲分の長さを
付加した大きさに設定している。したがって、機構要素
の角度を所定の角度に設定する場合の角度確認手段とし
て適用すれば、第2の読取り手段による位置決め用マー
クの読取り結果に基づいて、該機構要素の角度を精度良
く設定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアブソリュートエンコーダに用い
る回転円板の構成を例示した平面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】アレーアンテナのビームチルト角を制御する手
段を例示したブロック図。
【図4】図3に示すコントローラにおいて実行される制
御手順の一部分を例示したフローチャート。
【図5】上記制御手順の他部分を例示したフローチャー
ト。
【図6】位置決め用マークの読取り態様を示した断面
図。
【図7】位置決め用マークの他の読取り態様を示した断
面図。
【図8】図1のB−B断面図。
【図9】位置決め用マークを読取る素子の配列間隔を変
化させた状態を示す断面図。
【符号の説明】
M1〜M3,M4 マーク 10 回転円板 20 読取ブロック 21〜23,24L,24C,24R 投光素子 21′〜23′,24L′,24C′,24R′ 受光
素子 30 アレーアンテナ 30a〜30f 放射素子 31a〜31f 移相器 34 駆動軸 35 駆動装置 36 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−32958(JP,A) 特開 昭64−1912(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/00 - 5/62

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転円板に角度認識用マークを所定の角
    度間隔で形成し、この角度認識用マークを読取ることに
    よって前記円板の回転角度を検出するアブソリュートエ
    ンコーダであって、 前記回転円板の円周上に、前記角度認識用マークよりも
    前記円板の周方向の幅を小さく設定した位置決め用マー
    クを前記所定の角度間隔で形成するとともに、該位置決
    め用マークを読取るためのマーク読取り手段を前記円周
    に沿って3個配設し、 前記読取り手段の配列間隔を、前記位置決め用マークの
    配列間隔の整数倍の長さに所定の許容角度検出誤差範囲
    分の長さを付加した大きさに設定したことを特徴とする
    アブソリュートエンコーダ。
  2. 【請求項2】 前記許容角度検出誤差範囲分の長さが、
    前記位置決め用マークの前記円周方向の幅に設定されて
    いることを特徴とする請求項1に記載のアブソリュート
    エンコーダ。
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