JP3534985B2 - 光プリンタヘッド - Google Patents

光プリンタヘッド

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LED等の発光素
子をライン状に配列して成る発光素子アレーから成り、
感光ドラム等を露光して画像を形成する光プリンタヘッ
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、LED(Light Emitting Diode:
発光ダイオード)アレーを用いた光プリンタヘッド(以
下、ヘッドという)は、64ドットや128ドットから
なる1ブロックのLEDアレーを数10ブロックライン
状に配列して成る。そして、1ブロック毎に各LEDに
対して駆動信号を送出する駆動用IC(アノードI
C)、駆動すべきブロックを順次切り替える切替用IC
(カソードIC)、前記駆動用ICに印画データをクロ
ックに同期して出力するデータ転送制御回路、前記デー
タを数ブロック分記憶しておきデータ転送制御回路の指
示により該データ転送制御回路へ印画データを順次送り
出すメモリ等を、前記LEDアレーに付加して構成され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなヘッドは、個々のLEDの発光輝度がばらつき易
く、そのためカラープリンタに使用した場合色合いが変
化し、所望の画像が得難いという問題があった。
【0004】また、個々のLEDの発光輝度がばらつい
ているために、各ドットのばらつきとブロック毎のばら
つきが生じる。各ドットのばらつきは、GaAs基板上
にGaAsPをエピタキシャル成長させ、発光部にZn
を拡散させてLEDを製造する際に、GaAs基板とG
aAsPとの間に格子欠陥が生じること、及び、前記G
aAsPのエピタキシャル成長状態は、一枚のウェハ内
だけでなくウェハ毎にも異なることが原因となってい
る。
【0005】従って、一般的に、1ブロックは64〜1
28ドットで構成され、1ブロック内でのばらつきは最
大で30%程度にもなる。
【0006】一方、ヘッドの駆動法としては、上記のよ
うに駆動すべきブロックを順次切り替えるダイナミック
駆動法と、個々のLEDと駆動用ICが一対一に対応す
るスタティック駆動法とがある。スタティック駆動法で
は、全LEDの発光輝度のばらつきデータをメモリ等に
格納しておき、駆動の度に各駆動用ICに補正データと
して入力することで、ばらつきを補正できる。しかしな
がら、このようなスタティック駆動法では、駆動用IC
の数が膨大になるため、高コストなものとなり実用的で
ない(特開平4−339465号公報参照)。
【0007】前記ダイナミック駆動法において、発光輝
度のばらつきを補正する方法には以下のようなものがあ
った。
【0008】(1)例えば4ビットデータに基づき16
階調で駆動可能なように、1レベル,2レベル,4レベ
ル,8レベルの駆動電流を出力する4種類の電流源を有
し、これらの電流源の出力を組み合わせて駆動用ICを
駆動する方法。また、4種類の電流源の代わりに、4種
類のパルス幅発生源とした方法もある。
【0009】しかしながら、この方法では1レベル,2
レベル,4レベル,8レベルのデータを一度ICに全部
転送し、それに対応するエネルギー源(電流源、パルス
幅発生源)を選択組み合わせてLEDを駆動するという
ものであり、階調数が増加すればエネルギー源の数も増
大して高コスト化し、制御及び駆動時間も長くなり高速
駆動に不向きである(特開平3−190765号公報参
照)。
【0010】(2)駆動周波数を2〜4倍にし、副走査
方向(LEDアレーのライン方向に垂直な方向で、紙送
り方向)のみを300DPI×2〜4=600〜120
0DPIとして印画する方法。
【0011】この方法では、周波数を4倍にしても4階
調にしかならず、また各LEDに対応するデータの転送
周波数を例えば5MHzから20MHzにすると、転送
速度が高速すぎて転送そのものが困難になる。
【0012】更に、上記のような補正方法においては、
印画データと補正データを合成して(アンドをとって)
駆動用ICに入力しLEDを駆動しているため、これら
のデータを同じ周波数で転送しており、高速駆動しよう
とすれば両データを高速で転送しなければならない。ま
た、印画データと補正データを格納しておくラッチレジ
スタ、両者のアンドをとるアンド回路を新たに付加する
か、これらを備えた専用の補正用ICが新たに必要とな
り、ヘッドが大型化及び高コスト化するという問題点が
あった。
【0013】また、印画データと補正データのアンドを
とるのは、万一補正データだけが入力された場合、LE
Dが発光して非所望の画像を形成してしまうという概念
に基づいている。
【0014】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は、印画データと補正データ
のアンドをとる必要がなく、その結果簡易な構成のヘッ
ドとなるので小型化及び低コスト化に適しており、また
補正データの転送周波数のみを高くして階調補正を可能
とすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の光プリンタヘッ
ドは、発光素子アレーの光を感光体に照射して潜像を形
成する光プリンタヘッドであって、転送周波数fで転送
された印画データに基づく発光信号により、発光素子を
駆動する駆動用ICと、転送周波数n×f(nは2以上
の整数)で転送された補正データに基づくn種類の補正
発光信号を前記発光信号に追加印加して、発光輝度をn
階調で補正する補正用ICとを備えていることを特徴と
し、ダイナミック駆動用のヘッドにおいて、印画データ
と補正データのアンドをとる必要がなく、簡易な構成の
ヘッドとすることができ、補正データの転送周波数のみ
を高くして階調制御が可能となる。
【0016】また、本発明の光プリンタヘッドは、上記
の補正用ICを1個の駆動用ICに対してm個(mは1
以上の整数)付加し、n種類の補正発光信号を一つの発
光信号に対してm回追加印加し、発光輝度をn×m階調
で補正するよう構成したことを特徴とし、簡易な構成で
更に多階調の補正ができる。
【0017】そして、好ましくは、前記補正発光信号に
よる発光素子の発光輝度が露光可能レベル以下である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のヘッドを図1〜図4に示
す。図1はn階調で補正するヘッドH1 のブロック回路
図、図2は図1のものの駆動時のタイミングチャート、
図3はn×m階調で補正するヘッドH2 のブロック回路
図、図4は図3のものの駆動時のタイミングチャートで
ある。
【0019】図1において、1は発光素子としてのLE
Dをブロック毎に、つまり複数個ずつ順次駆動する駆動
用IC(アノードIC)、2はLEDの発光輝度をn階
調で補正する補正用IC、3は駆動すべきブロックを順
次切り替える切替用IC(カソードIC)、4はLED
が64ドット又は128ドット配列されたLEDアレー
の1ブロック、5はクロック(CLOCK)周波数をn
倍する周波数変換回路、6は駆動用IC1と補正用IC
2にそれぞれ印画データ(DATA)と補正データ(C
−DATA)を出力するデータ転送制御回路、7は外部
のコンピュータ等から転送されてきた印画データを1ブ
ロック〜数ブロック分一時的に保持し、データ転送制御
回路6の指示信号により印画データを送出するメモリで
ある。
【0020】また、同図中のAは数10個(例えば40
個程度)のブロックがライン状に配列されたLEDアレ
ー全体を示し、DATAは転送周波数f(例えば5MH
z)で駆動用IC1へ送出される印画データ、C−DA
TAは転送周波数n×f(例えば10MHz,15MH
z,20MHz等)で補正用IC2へ送出される補正デ
ータ、CLOCKは周波数fで印画データの同期をとる
クロック、C−CLOCKは周波数n×fで印画データ
の同期をとる補正用クロック、STROBEは印画デー
タに基づく発光信号(ストローブ信号)を駆動用IC1
からLEDへ入力するタイミングを規制する発光信号制
御端子、C−STROBEは補正データに基づく補正発
光信号(補正ストローブ信号)を補正用IC2からLE
Dへ、前記発光信号に追加印加して入力するタイミング
を規制する補正発光信号制御端子である。
【0021】図2に示すように、クロックは周波数fで
クロックパルスを発生し、このクロックパルスは駆動用
IC1に入力され、駆動用IC1への印画データ転送の
タイミングを規制している。駆動用IC1へ1ブロック
分の印画データが入力された直後に、発光信号によりL
EDが発光(ON)する。この動作を順次繰返して、例
えば全ラインのLEDが発光する。
【0022】このとき、補正用クロックは周波数2fで
補正用のクロックパルスを発生し、このクロックパルス
は補正用IC2に入力され、補正用IC2への補正デー
タ転送のタイミングを規制している。補正用IC2へ1
ブロック分の補正データが入力された直後に、上記発光
信号に追加印加した補正発光信号により、LEDが補足
発光(ON)する。このとき、補正発光信号は補正デー
タに基づいて発光輝度を2段階に補正できるように、そ
の駆動電流のパルス幅を2段階に調整する。尚、同図に
おいて、実際には補正発光信号は発光信号に対して時間
的に遅延させて追加印加されるように、個々のLEDに
制御して入力される。
【0023】図2の場合、補正データの転送周波数を2
fとすることにより、2段階の階調補正ができる。例え
ば、発光輝度のばらつきを30%補正する場合、15%
刻みで2段階で階調補正できる。
【0024】例えば、A4用紙を300DPI(Dot Pe
r Inchi)のLED密度(解像度)のヘッドを用い、18
枚/分の印画速度となるようダイナミック駆動する場
合、1ライン当たり1.2ms、1ブロック当たり30
μsの駆動時間となる。ブロック内の発光輝度のばらつ
きは、一般に最大30%程度であり、これを2段階で補
正するには、15%の補正に対してブロックトータルで
4.5μs、30%の補正に対して9μsの発光時間の
補正を行えばよい。勿論、ブロック毎の補正、更にはL
ED毎の補正を行うこともできる。
【0025】本発明において、このような30%程度以
下の補正は、それ単独でLEDを発光させても露光に必
要な発光輝度に達しないため、補正データに関して印画
データとのアンドをとる必要はない。そして、本発明で
は、まず印画データによりLEDを発光させ十分露光さ
れた状態で補足的に補正発光させることにより、露光状
態を微妙に変化させ階調補正できる。
【0026】上記駆動用IC1には1ブロック分のシフ
トレジスタ,ラッチ回路,電流源,発光信号(ストロー
ブ信号)用アンド回路が設けられており、補正用IC2
は駆動用IC1と同じものを使用することができる。ま
た、一般に駆動用IC1は64ドット駆動用であり、1
28ドット駆動を行う場合は2個使用してもよい。
【0027】本発明において、補正データの転送周波数
は3f,4f,・・・等としてもよく、その場合3階
調,4階調,・・・等の多階調で補正ができる。本発明
の発光素子としては、LED,半導体レーザ素子,EL
(Electro Luminescent )素子、プラズマセル、蛍光素
子、液晶シャッタ等が使用できるが、LEDが発光輝度
の高さ、低駆動電圧、小型化、量産性の点で好ましい。
【0028】更に、図3,図4はm=2個の補正用IC
21,22を駆動用IC1に付加し、2fとして、2×
2=4の4階調補正を可能にしたものである。この実施
形態では、補正用IC21,22に対応して、補正デー
タがC1−DATA,C2−DATA、補正用クロック
がC1−CLOCCK,C2−CLOCCK、補正発光
信号制御端子がC1−STROBE,C2−STROB
Eと、各々2種づつ存在する。
【0029】図4に示すように、C1−CLOCCK,
C1−DATA,C1−STROBEの部分は図2の例
と同様であるが、更に追加印加してC2−STROBE
による補正発光を補足的に行うようにした。
【0030】例えば、A4用紙を300DPI(Dot Pe
r Inchi)のLED密度(解像度)のヘッドを用い、18
枚/分の印画速度となるようダイナミック駆動する場
合、1ライン当たり1.2ms、1ブロック当たり30
μsの駆動時間となる。ブロック内の発光輝度のばらつ
きは、一般に最大30%程度であり、これをブロック内
に4段階で階調補正するには、7.5%の補正に対して
2.25μs、15%の補正に対して4.5μs、2
2.5%の補正に対して6.75μs、30%の補正に
対して9μsの発光時間の補正を行えばよい。勿論、ブ
ロック毎の補正、更にはLED毎の補正を行うこともで
きる。
【0031】本発明において、nを3以上、mを3以上
とすることにより多階調の補正ができることはいうまで
もない。
【0032】また、本発明のヘッドはアモルファスSi
や有機感光体の感光体ドラムを用いた電子写真プリンタ
等に使用されるが、勿論前記電子写真プリンタ以外に、
光により感光体上に潜像を形成しそれに基づいて被画像
形成材(紙、樹脂シート等)上に画像を印刷するもので
あれば応用できる。
【0033】かくして、本発明は、印画データと補正デ
ータのアンドをとる必要がなく、その結果、専用の補正
用ICを作製せずに従来の駆動用ICを補正用として使
用可能であり、また、ラッチレジスタ、アンド回路を新
たに付加せずに済むため、簡易な構成のヘッドとなるの
で小型化及び低コスト化に適しており、また補正データ
の転送周波数を高くする、又は補正データの転送周波数
を高くすると同時に1個の駆動用ICに対して補正用I
Cを複数設けるだけで、多階調補正及び高印画品質が可
能となるという作用効果を有する。
【0034】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更は何等差し支えない。
【0035】
【発明の効果】本発明は、転送周波数fで転送された印
画データに基づく発光信号により、発光素子を順次駆動
する駆動用ICと、転送周波数n×fで転送された補正
データに基づくn種類の補正発光信号を発光信号に追加
印加して、発光輝度をn階調で補正する補正用ICを有
することにより、印画データと補正データのアンドをと
る必要がなく、印画データと補正データを格納しておく
ラッチレジスタ、両者のアンドをとるアンド回路等を新
たに付加したり、これらを備えた専用の補正用ICを新
設せずに済むため、簡易な構成のヘッドとなり小型化及
び低コスト化に適している。また補正データの転送周波
数を高くする、又は補正データの転送周波数を高くする
と同時に1個の駆動用ICに対して補正用ICを複数設
けるだけで、多階調補正が可能となるという作用効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光プリンタヘッドH1 を示し、n階調
で補正するもののブロック回路図である。
【図2】図1のものにおいて、2階調で補正する場合の
駆動時のタイミングチャートである。
【図3】本発明の光プリンタヘッドH2 を示し、n×m
階調で補正するもののブロック回路図である。
【図4】図3のものにおいて、4階調で補正する場合の
駆動時のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1:駆動用IC 2:補正用IC 3:切替用IC(カソードIC) 4:LEDアレーの1ブロック 5:周波数変換回路 6:データ転送制御回路 7:メモリ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光素子アレーの光を感光体に照射して潜
    像を形成する光プリンタヘッドであって、転送周波数f
    で転送された印画データに基づく発光信号により、発光
    素子を駆動する駆動用ICと、転送周波数n×f(nは
    2以上の整数)で転送された補正データに基づくn種類
    の補正発光信号を前記発光信号に追加印加して、発光輝
    度をn階調で補正する補正用ICとを備えていることを
    特徴とする光プリンタヘッド。
  2. 【請求項2】請求項1の補正用ICを1個の駆動用IC
    に対してm個(mは1以上の整数)付加し、n種類の補
    正発光信号を一つの発光信号に対してm回追加印加し、
    発光輝度をn×m階調で補正するよう構成した光プリン
    タヘッド。
  3. 【請求項3】前記補正発光信号による発光素子の発光輝
    度が露光可能レベル以下である請求項1又は2記載の光
    プリンタヘッド。
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