JP3534895B2 - ラベル用ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents
ラベル用ホットメルト接着剤組成物Info
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Description
学的硬化を行なわずに架橋し得るために、接着剤組成物
に益々広く使用されている。これらのブロック共重合体
は、US−A−3,239,478に記載されている共
重合体と同様に、ほとんどが線状または放射状のスチレ
ン−ブタジエンまたはスチレン−イソプレンブロック共
重合体である。上記の線状共重合体は、スチレン−ブタ
ジエン−スチレンまたはスチレン−イソプレン−スチレ
ン構造を有する。これらのスチレン−ジエンブロック共
重合体の高い凝着強さは主としてそれらの分域(domain)
形成により絡み合った網目状構造に帰せられる。しか
し、高い凝着強さは、ある種の用途には好ましくない特
性であることが多い。例えば、天然ゴムまたはSBR−
系接着剤では、タック(粘着力)は凝着強さに逆比例す
ることが良く知られている。つまり、ゴムが架橋する
と、凝着強さは増加するが、タックは減少する。US−
A−4,096,203は、ブロック共重合体を基剤と
する接着剤組成物の凝着強さを制御する方法を記載して
いる。上記の方法は、カップリング剤を使用することに
より、20〜80%のカップリング効率で末端カップリ
ングを行なう。しかし、該方法により得られる共重合体
組成物には、熱安定性が乏しいという欠点がある。
発見された。該組成物を製造する新規な方法も開発され
た。そこで、本発明は、モノアルケニル−アレーン(are
ne )および4〜5個の炭素原子を有する共役ジエンの共
重合から得られるブロック共重合体組成物であって、 − 30〜55重量%、好ましくは34〜50重量%の
カップリングしていない線状構造、 − 25〜40重量%、好ましくは30〜35重量%の
カップリングした線状構造、および − 20〜40重量%、好ましくは24〜35重量%の
分枝鎖構造 を含んで成り、該3成分の含有量百分率の合計が100
%であることを特徴とする組成物に関する。
は、AB型の構造を意味する。“カップリングした線状
構造”とは、n=2である(AB)n −X、(B1 −A
−B2 )n −X、(B1 TA−B2 )n −X型の構造を
意味する。“分枝鎖構造”とは、n≧3である(AB)
n −X、(B1 −A−B2 )n −X、(B1 TA−
B2 )n −X型のカップリングした構造を意味する。さ
らに、−A−はポリ−モノアルケニル−アレーン性ブロ
ックを、−B−はポリジエン性ブロックを意味し、B1
およびB2 は互いに同一であるか、または異なってお
り、−T−はジエン性およびアルケニル−アレーン性モ
ノマー単位により形成されるランダム共重合体部分であ
る。−T−共重合体部分の組成および長さは、極性物
質、例えばエーテルおよびアミン、を反応系に加えるこ
とにより、変えることができる。最後に、−X−は原子
価“n”を有するカップリング基を意味する。4〜5個
の炭素原子を含むジエン性モノマーは、ブタジエンおよ
びイソプレンから選択される。モノアルケニル−アレー
ンは好ましくはスチレンである。他のモノアルケニル−
アレーン性モノマーとしては、α−メチルスチレン、t
−ブチル−スチレンおよび他の、様々にアルキル化され
たスチレンが含まれる。各ブロックの重量平均分子量
は、当業者には良く知られている技術により、所望によ
り変えることができる。モノアルケニル−アレーンによ
り構成されるブロック共重合体は、重量平均分子量が4
000〜60,000、好ましくは5000〜40,0
00であり、モノアルケニル−アレーンの量は、ブロッ
ク共重合体の総重量に対して8〜40重量%、好ましく
は10〜25重量%である。
の製造方法に関する。共重合体鎖のカップリングを行な
うために2官能性または多官能性カップリング剤が必要
であることは良く知られている。これらのカップリング
剤は、存在する重合体と相互作用し得る少なくとも2個
の官能基を含む。これらのカップリング剤の代表例は、
ポリエポキシド、ポリイソシアネート、ポリアルデヒ
ド、ポリイミン、ポリケトン、ポリエステル、ポリハロ
ゲン化物、等である。US−A−4,096,203の
記載によれば、カップリング効率は次の2通りの操作に
より減少させることができる。 (1)重合体の完全なカップリングに必要な化学量論的
な量よりも少ない量のカップリング剤を加え、続いて、
カップリングされていない活性箇所を不活性化するため
に、急冷剤(例えば水およびアルコール)を加える。 (2)急冷剤を部分的に加え、続いてカップリング剤を
加える。 US−A−4,096,203に開示されている方法に
は、2つの工程、すなわち2種類の異なった反応体であ
るカップリング剤および急冷剤を加える工程、を制御し
なければならない、という欠点がある。
ことにより、部分的カップリングおよび急冷を1工程で
実行できる、より有利な方法を見出だした。そこで本発
明は − 30〜55重量%、好ましくは34〜50重量%の
カップリングしていない線状構造、 − 25〜40重量%、好ましくは30〜35重量%の
カップリングした線状構造、および − 20〜40重量%、好ましくは20〜35重量%の
分枝鎖構造 を含んでなり、該3成分の含有量百分率の合計が100
%になる、ブロック共重合体を、(a)モノアルケニル
−アレーンを、一般式R−Li(式中、Rは2〜20個
の炭素原子を有する脂肪族および環状脂肪族基から選択
されるヒドロカルビル基である。)を有するリチウム誘
導体と反応させる工程、(b)上記(a)工程から得ら
れた混合物を共役ジエンと反応させる工程、および
(c)上記(b)工程から得られた混合物を、リチウム
に対して実質的に化学量論的な量のカップリング剤と反
応させる工程により製造する方法であって、(c)工程
のカップリング剤が、一般式R´−Br(式中、R´は
アルキル、シクロアルキルおよびアリール基から選択さ
れる単官能性C1 〜C10ヒドロカルビル基である。)を
有するモノブロモ誘導体から選択されることを特徴とす
る方法に関する。好ましい実施態様では、R´はC1 〜
C3 アルキル基であり、より好ましくはR´はエチルで
ある。
するブロモ誘導体がカップリング剤および急冷剤の両方
として作用し、したがって、水およびアルコール型の反
応体を使用する別の急冷工程がもはや必要ない、という
利点がある。上記の臭素化誘導体は、一方で、リチウム
と通常通りに反応してLiBrを形成し、他方、カップ
リングを行ない、その結果分子量を増加させることがで
きるラジカル種を形成する、という仮説(その様な仮説
は立証する必要があるが)を立てることができよう。本
発明の方法により製造されるブロック共重合体は、30
%〜70%、好ましくは40%〜65%のカップリング
効率を示す。“カップリング効率”とは、カップリング
された重合体分子の、カップリングされた、およびカッ
プリングされていない重合体分子の総数に対する比率で
ある。上記のカップリング効率は、理論的には、完全に
カップリングさせるのに必要な量と比較した、実際に使
用した多官能性薬剤の量から求められる。重合体画分の
種類および分子量を決定するには、ゲル透過クロマトグ
ラフィーの様な分析方法も使用できる。
ーン、好ましくはスチレン、を不活性溶剤中で有機アル
キル−リチウム誘導体と反応させ、簡単な構造A−Li
の重合体を形成する。非エラストマー性熱可塑性ブロッ
ク“A”の形成に使用できる他のアルケニル−アレーン
は、α−メチル−スチレン、t−ブチルスチレン、さら
に他の環状アルキル化スチレンおよびそれらの混合物で
ある。不活性溶剤は、所望によりアルカンまたはアルケ
ン、例えばペンテンまたはペンタン、の存在により変性
された、芳香族またはナフテン性炭化水素、例えばベン
ゼンまたはシクロヘキサンでよい。好適な溶剤の例は、
n−ペンタン、n−ヘキサン、イソオクタン、シクロヘ
キサン、トルエン、ベンゼン、キシレン、等である。式
R−Liの有機リチウム誘導体の例は、エチルリチウ
ム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n
−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチ
ルリチウム、t−オクチルリチウムおよびデシルリチウ
ムである。該有機リチウム誘導体は好ましくはn−ブチ
ルリチウムおよびsec−ブチルリチウムから選択す
る。分子量を調整するために、アルキルリチウム開始剤
の濃度を変えることができる。上記開始剤の濃度は一般
的に0.25〜50mmol/モノマー100gであるが、
より大きな量を使用する上での制限はない。上記製法の
(a)工程中の温度は、モノマーを液相に維持するため
に、0〜100℃、一般的に20〜60℃である。
消費されたら[その時存在する重合体はA−Li構造
(式中、“A”は重合したモノアルケニル−アレーンの
ブロックを表わす。)を有する]、(a)工程から得ら
れる溶液に、4〜5個の炭素原子を有する共役ジエンを
加える[(b)工程]。該共役ジエンは、好ましくはイ
ソプレンまたはブタジエンである。この工程は、(a)
工程とほとんど同じ温度で行なう。ジエン型モノマーが
ほとんど完全に消費されたら[したがって(b)工程の
最後に]、得られた重合体はA−B−Li型(式中、
“B”は共役ポリジエンの重合に由来するブロックを表
わす)、またはB1 −A−B2 −Li、またはB1 TA
−B2 −Li(式中、“T”は両モノマーのランダム重
合に由来する“先細りになった(tapered )”重合体を
表わす)のブロック構造を有することができる。また、
(b)工程が終了した時に、重合体溶液を、一般式R´
−Brを有するカップリング剤で、40〜120℃、好
ましくは70〜110℃の温度で処理する。本発明で使
用できる式R´−Brを有する化合物の例は、ブロモメ
タン、ブロモエタンおよびより高級の同族体、ブロモシ
クロヘキサン、ブロモベンゼンおよびそのアルキル誘導
体である。(c)工程は実際には5〜30分間で完了す
る。その様にして得られた本発明の重合体組成物は、平
均分子量が一般的に100,000〜300,000で
ある。カップリングされていない線状構造は通常、重量
平均分子量が40,000〜150,000であり、カ
ップリングされた線状構造は80,000〜300,0
00であり、分枝鎖構造は120,000〜450,0
00である。本発明の方法により製造されたブロック共
重合体は、当業者には公知の技術で操作することにより
回収される。例えば、重合体を含む溶液を減圧下で蒸発
させるか、あるいは蒸気蒸留にかける。本発明の重合体
組成物は接着剤組成物、特に接着性ラベルに有用であ
る。
上の粘着付与樹脂、および所望により1種以上の酸化防
止剤および流動化剤樹脂および/または流動化剤オイル
を含んで成る、接着性テープおよびラベル製造用の接着
性組成物であって、該基本重合体が、モノアルケニル−
アレーンおよび4〜5個の炭素原子を有する共役ジエン
の共重合から得られるブロック共重合体組成物であり、
上記の組成物が実質的に a) 30〜55重量%、好ましくは34〜50重量%
の、線状構造のカップリングしていないブロック共重合
体、 b) 25〜40重量%、好ましくは30〜35重量%
の、線状構造のカップリングしたブロック共重合体、お
よび c) 20〜40重量%、好ましくは20〜35重量%
の、分枝鎖構造のブロック共重合体 を含んで成り、該3成分の含有量百分率の合計が100
%であることを特徴とする接着性組成物である。
のに十分高い接着性を有していない。したがって、共役
ジエンのエラストマー性ブロックと相容性がある粘着付
与樹脂を加える必要がある。その様な配合に非常に広く
使用されている樹脂は、軟化点が約95℃であるジエン
−オレフィンピペリレン:メチル−2−ブテン共重合体
である。上記の樹脂は“Wingtack 95 ”または“Piccot
ac 95 ”の商標で市販されている。同じ型の、樹脂共重
合体がピペリレン20〜80重量%、および2−メチル
−2−ブテン80〜20重量%を含んで成る他の樹脂も
使用できる。これらの樹脂は軟化点(ボール/リング
法)が約80〜約115℃である。軟化点が高い、およ
び低い樹脂の混合物も使用できる。本発明の組成物で有
用な他の粘着付与樹脂には、水素化樹脂、樹脂エステ
ル、ポリテルペン、テルペン−フェノール樹脂および重
合した混合オレフィンが含まれる。本発明の配合物中に
含まれる粘着付与樹脂の量は、ゴム100部あたり50
〜200部(phr) 、好ましくは50〜150 phrであ
る。
化物質も含むことができる。これらの中で、液体ポリテ
ルペン、例えば“Wingtack 10 ”の商標で市販されてい
る軟化点約10℃の樹脂を挙げることができる。本発明
の接着剤配合物に有用な他の液体樹脂は、ロジンエステ
ルまたはトール油から得られる脂肪族樹脂および脂肪族
炭化水素樹脂である。これらの流動化樹脂は約10〜約
100 phr、好ましくは20〜80 phrで含まれる。本
発明の接着剤組成物はさらに可塑剤、例えばエクステン
ダー油を含むことができる。通常、該油は当業者には良
く知られており、大量の飽和物質を含む油および大量の
芳香族成分を含む油の両方、ナフテン性またはナフテン
性/パラフィン性油、ブテンテロマーを含む。上記のエ
クステンダー油は10〜100 phr(ゴム100重量部
あたりの部数)、好ましくは20〜60 phrの量で含ま
れる。所望により、アレーンと相容性のブロック樹脂も
使用できる。相容性は、US−A−3,917,607
に記載されている方法により判定される。一般的に、こ
の樹脂は、ASTM E28により測定して、約100
℃より高い軟化点を示すべきである。また、高および低
軟化点を有するアレーン−相容性樹脂の混合物も使用で
きる。その様な樹脂の例はインデン−クマロン樹脂、ポ
リスチレン樹脂、トルエン−α−メチルスチレン共重合
体およびポリインデン樹脂である。インデン−クマロン
樹脂がより好ましい。アレーン性ブロックと相容性があ
る樹脂の量は約10〜約200 phrである。
顔料、充填材、さらに安定剤および酸化防止剤、等によ
り変性できる。通常、安定剤および酸化防止剤は、接着
剤組成物の製造および使用の際に重合体が劣化するのを
防止するために、重合体組成物に添加する。異なった重
合体は異なった劣化機構を示すので、単一の酸化防止剤
よりも、酸化防止剤を組み合わせる方がより効果的であ
ることが多い。公知のほとんどの酸化防止剤の中で、こ
こではヒンダードフェノール、有機金属化合物、芳香族
アミンおよび硫黄含有化合物を挙げておく。下記の物質
が特に有効である。(a)ベンゾチアゾール、例えば2
−(ジアルキル−ヒドロキシベンジル−チオ)ベンゾチ
アゾール、(b)ヒドロキシベンジルアルコールのエス
テル、例えば3,5−ジアルキル−1−ヒドロキシベン
ジルアルコールの安息香酸エステル、フタル酸エステ
ル、ステアリン酸エステル、アジピン酸エステルまたは
アクリル酸エステル、(c)スズフェニルカテコレー
ト、(d)ジチオ炭酸ジアルキル亜鉛、(e)アルキル
フェノール、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノール、(f)ジラウロイルチオ−ジプロピオネ
ート。市販されている酸化防止剤の例は、 *“Ionox 220 ”、すなわち4,4−メチレン−ビス−
(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、 *“Ionox 330 ”、すなわち3,4,6−トリス(3,
5−ジ−t−ブチル−p−ヒドロキシベンジル)−1,
3,5−トリメチルベンゼン、 *“Dalpac 4C ”、すなわち2,6−ジ−(t−ブチ
ル)−p−クレゾール、 *“Naugawhite”、すなわちアルキル化ビス−フェノー
ル、 *“Butyl Zimate”、すなわちジチオカルバミン酸ジブ
チル亜鉛、 *“Agerite Geltrol ”、すなわちアルキル化−アリー
ル化ビスフェノールホスファイト、 *“Irganox 1010”、すなわちt−ブチルヒドロキシフ
ェニルプロピオネート、および *“Irganox 565 ”、すなわちチオトリアジン誘導体。 一般的に、ホットメルト接着剤組成物は、1種以上の酸
化防止剤を約0.01〜約5.0重量%の量で含む。
ルエン)中で、ブロック共重合体、粘着付与樹脂および
流動化物質、例えば液体樹脂、を混合し、溶剤を除去す
ることにより、製造できるが、別の方法では、上記の組
成物は、各成分を単純に高温、例えば約150℃で、混
合(ホットメルト)することにより製造できる。本発明
の重合体組成物の好ましい用途は、技術文献から公知の
方法による、例えばUS−A−3,676,202に記
載されている方法による感圧接着性テープ(PSA:
“感圧接着剤”)の製造、またはラベルの製造である。
感圧接着性テープおよびラベルは、たわみ性の支持体シ
ート、およびその支持体シートの片面に塗布した、本発
明の感圧接着剤組成物の層から構成される。支持体シー
トは、プラスチック材料、紙または他の適当な材料のウ
ェブでよく、テープは幾つかの他の層または被覆、例え
ばプライマー、剥離被覆、等を含むことができる。
明する。実施例1 温度調整ジャケットおよび各成分の導入に必要なすべて
の装置を備えた2リットルのステンレス鋼製反応器に、
テトラヒドロフラン100 ppmおよびスチレン17gを
含むシクロヘキサン700gをいれる。混合物を温度5
0℃に加熱し、これにn−ヘキサン中0.046gのn
−ブチルリチウムを加える。25分間の反応後、温度を
55℃に増加する。試料を採取してスチレンが完全に転
化されたことを確認し、次いでイソプレン83gを加
え、第二のモノマーが完全に転化されるまで、反応をさ
らに20分間進行させる。最終的な混合物の温度は約9
0℃になる。こうして2種類のスチレン−イソプレンブ
ロック(S−I)からなるリビング重合体が得られるの
で、この重合体をモノブロモエタンでカップリング反応
させ、2つの対称的なアームを有する線状重合体、およ
び加えたモノブロモエタンの量により変化する、一般的
に30〜60%の、カップリングされていない重合体画
分を得る。この目的のために、ブロック共重合体を含む
溶液にモノブロモエタン0.078gを90℃で加え、
反応を約15分間進行させる。重合体溶液を反応器から
取り出し、これに酸化防止剤Irganox 565 (0.05
g)およびTNPP、すなわち亜リン酸トリノニル(0.5
g)を加える。次いで溶剤を水蒸気蒸留により除去し、
残留する線状共重合体を、塊として、真空オーブン中、
約60℃で3時間乾燥させる。テトラヒドロフラン中、
25℃でGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により
行なった分子量分析は、得られた生成物が、重量平均分
子量256,000(Mw )を有し、(a)137,0
00(Mピーク)の、カップリングしていないS−I画
分45%、(b)260,000(Mピーク)の、カッ
プリングした(S−I)2 −X画分30%、および
(c)386,000(Mピーク)の、(S−I)3 −
Xおよび微量の高級化合物からなる画分25%で構成さ
れる共重合体であることを示している。ポリスチレン性
ブロックの分子量は、やはりGPCで測定して、23,
000u.m.a.であった。線状ポリスチレン含有量は17
重量%であった。その様な値は、フーリエ変換赤外分析
(FT−IR)により測定した。カップリング効率
(C.E.)は、式 [(S−I)2 +(S−I)3 +(S−I)n ]/A
tot. (式中、Atot.は全区域である。)により与えられる。
この場合、カップリング効率は約53%である。
サン中0.11gのn−ブチルリチウムを使用してスチ
レン16gを重合させ、続いてイソプレン84gを加え
る。次いで、得られた重合体を、モノブロモエタン0.
18gを加えてカップリングさせる。重合体は、57,
000(Mピーク)の、カップリングしていないS−I
画分36%、115,000(Mピーク)の、カップリ
ングした(S−I)2 −X画分30%、および168,
000(Mピーク)の、(S−I)3 −Xおよび高級ラ
ジカル種からなる画分34%で構成される。流動性はM
F値=6である。
カップリング反応をイソプレン(上記の実施例に記載す
る様に)に対してではなく、ブタジエンに対して行な
う。スチレンモノマー17gにn−ブチルリチウム0.
04gを50℃で加える。25分間の反応後、同じ反応
の完了を確認してからブタジエン83gを加え、反応が
完了するまで反応をさらに25分間進行させる。最終温
度は約90℃である。次いで、モノブロモエタン0.0
65gを加え、さらに15分間反応させる。試料の乾燥
および分析手順は上記と同様である。
の装置を備えた2リットルのステンレス鋼製反応器に、
テトラヒドロフラン100 ppmおよびイソプレン9gを
含むシクロヘキサン700gをいれる。得られた混合物
を温度45℃に加熱し、これにn−ヘキサン中0.04
6gのn−ブチルリチウムを加える。20分間の反応
後、温度を58℃に増加する。試料を採取してイソプレ
ンが完全に転化されたことを確認し、次いでスチレン1
7gを加え、第二のモノマーも完全に転化されるまで、
反応をさらに20分間進行させる。最終的な混合物の温
度は約63℃になる。こうして2ブロックのイソプレン
−スチレンリビング重合体(I−S)が得られる。第三
の反応工程で、イソプレン74gを加えることにより、
(I1 −S−I2 )型の3ブロック共重合体が得られる
ので、この重合体をモノブロモエタンでカップリング反
応させる。この目的のために、ブロック共重合体を含む
溶液にモノブロモエタン0.078gを90℃で加え、
反応を約15分間進行させる。得られた重合体溶液に酸
化防止剤Irganox 565 (0.05g)およびTNPP(0.
5g)を加える。次いで溶剤を水蒸気蒸留により除去
し、残留する線状共重合体を、塊として、真空オーブン
中、約60℃で3時間乾燥させる。テトラヒドロフラン
中、25℃でGPCにより行なった分子量分析は、得ら
れた生成物が、重量平均分子量260,000(Mw )
を有し、(a)137,000(Mピーク)の、カップ
リングしていないI1 −S−I2画分45%、(b)2
70,000(Mピーク)の、カップリングした(I1
−S−I2 )2−X画分30%、および(c)386,
000(Mピーク)の、(I1 −S−I2 )3 −Xおよ
び微量の高級化合物からなる画分25%で構成される共
重合体であることを示している。ポリスチレン性ブロッ
クの分子量は、やはりGPCで測定して、23,000
u.m.a.であった。線状共重合体中のポリスチレンの総量
は17重量%であった。その様な値は、フーリエ変換赤
外分析により測定した。
pmおよびブタジエン9gを含むシクロヘキサン700g
をいれる。混合物を温度45℃に加熱し、これにn−ヘ
キサン中にn−ブチルリチウム0.06gを溶解させた
溶液を加える。20分間の反応後、温度を58℃に増加
する。試料を採取してブタジエンモノマーが完全に転化
されたことを確認し、次いでスチレン17gを加え、第
二のモノマーも完全に転化されるまで、反応をさらに2
0分間進行させる。最終的な混合物の温度は約63℃に
なる。こうして2ブロックのブタジエン−スチレンリビ
ング重合体(B−S)が得られる。第三の反応工程で、
ブタジエン74gを加えることにより、(B1 −S−B
2 )型の3ブロック共重合体が得られるので、この重合
体を、2つの対称的なアームを有する重合体、および加
えたモノブロモエタンの量により変化する、30〜60
%の、カップリングされない重合体画分を得るために、
モノブロモエタンでカップリング反応させる。この目的
のために、ブロック共重合体を含む溶液にモノブロモエ
タン0.10gを65℃で加え、反応を約15分間進行
させる。得られた重合体溶液を反応器から取り出し、こ
れに酸化防止剤Irganox 565 (0.05g)およびTNPP
(0.5g)を加える。次いで溶剤を水蒸気蒸留により
除去し、残留する線状共重合体を、塊として、真空オー
ブン中、約60℃で3時間乾燥させる。THF中でGP
Cにより行なった分子量分析は、得られた生成物が、重
量平均分子量194,000(Mw )を有し、(a)1
07,000(Mピーク)の、カップリングしていない
B1 −S−B2画分46%、(b)210,000(M
ピーク)の、カップリングした(B1 −S−B2 )2−
X画分30%、および(c)386,000(Mピー
ク)の、(B1 −S−B2 )3 −Xおよび微量の高級化
合物からなる画分24%で構成される共重合体であるこ
とを示している。ポリスチレン性ブロックの分子量は、
やはりGPCで測定して、18,000u.m.a.であっ
た。線状共重合体中のポリスチレン総含有量は17重量
%であった。その様な値は、フーリエ変換赤外分析(F
T−IR)により測定した。
およびイソプレン9gおよびスチレン18gからなる混
合物を含むシクロヘキサン700gをいれる。混合物を
温度45℃に加熱し、これにn−ヘキサン中にn−ブチ
ルリチウム0.053gを溶解させた溶液を加える。3
0分間の反応後、温度を60℃に増加する。試料を採取
してすべてのモノマーが完全に転化されたことを確認
し、次いでイソプレン73gを加え、第二のモノマーも
完全に転化されるまで、反応をさらに30分間進行させ
る。最終的な混合物の温度は約87℃になる。こうして
ポリイソプレン性ブロック、それに続く様々に分布した
イソプレン−スチレン区域、および(ITS)型構造を
有する末端のポリスチレンブロックからなるリビング重
合体“A”が得られる。第三の反応工程で、イソプレン
73gを加えることにより、(I1 −TS−I2 )型の
リビングブロック共重合体が得られるので、この重合体
を、(I1 TS−I2 )2 −X型の2つの対称的なアー
ムを有する線状重合体、およびモノブロモエタンの量に
より変化する、一般的に30〜60%の、カップリング
されない重合体画分を得るために、モノブロモエタンで
カップリング反応させる。
む溶液にモノブロモエタン0.09gを90℃で加え、
反応を約15分間進行させる。重合体溶液を反応器から
取り出し、これに酸化防止剤Irganox 565 (0.05
g)およびTNPP(0.5g)を加える。次いで溶剤を蒸
気蒸留により除去し、残留する線状共重合体を、塊とし
て、真空オーブン中、約60℃で3時間乾燥させる。テ
トラヒドロフラン中、25℃でGPCにより行なった分
子量分析は、得られた生成物が、重量平均分子量22
5,000(Mw )を有し、(a)120,000(M
ピーク)のカップリングしていないI1 TS−I2 画分
45%、(b)238,000(Mピーク)のカップリ
ングした(I1 TS−I2 )2 −X画分30%、および
(c)358,000(Mピーク)の、(I1 TS−I
2 )3 −Xおよび微量の高級化合物からなる画分25%
で構成される共重合体であることを示している。ポリス
チレン性ブロックの分子量は、やはりGPCで測定し
て、21,000u.m.a.であった。線状共重合体中のポ
リスチレン総含有量は18重量%で、ポリスチレンブロ
ックの含有量は約9〜10%であった。その様な値は、
四酸化オスミウム(OsO4 )で熱劣化させて行なう分
析により測定した。
ラン30 ppmおよびブタジエン9gおよびスチレン18
gからなる混合物を含むシクロヘキサン700gをいれ
る。混合物を温度45℃に加熱し、これにn−ヘキサン
中にn−ブチルリチウム0.053gを溶解させた溶液
を加える。30分間の反応後、温度を60℃に増加す
る。試料を採取してスチレンおよびブタジエンが完全に
転化されたことを確認し、次いでブタジエン73gを加
え、第二のモノマーも完全に転化されるまで、反応をさ
らに30分間進行させる。最終的な混合物の温度は約8
7℃になる。こうしてポリブタジエン性ブロック、それ
に続く様々に分布したブタジエン−スチレン区域、およ
び(BTS)型構造を有する末端のポリスチレンブロッ
クからなるリビング重合体が得られる。第三の反応工程
で、ブタジエン73gを加えることにより、(B1 TS
−B2 )型のリビングブロック共重合体が得られるの
で、この重合体を、(B1 TS−B2 )2 −X型の2つ
の対称的なアームを有する線状重合体、およびモノブロ
モエタンの量により変化する、一般的に30〜60%
の、カップリングされない重合体画分を得るために、モ
ノブロモエタンでカップリング反応させる。この目的の
ために、ブロック共重合体を含む溶液にモノブロモエタ
ン0.09gを90℃で加え、反応を約15分間進行さ
せる。重合体溶液を反応器から取り出し、これに酸化防
止剤Irganox 565 (0.05g)およびTNPP(0.5
g)を加える。次いで溶剤を蒸気蒸留により除去し、残
留する線状共重合体を、塊として、真空オーブン中、約
60℃で3時間乾燥させる。THF中、25℃でGPC
により行なった分子量分析は、得られた生成物が、重量
平均分子量225,000(Mw )を有し、(a)12
0,000(Mピーク)のカップリングしていないB1
TS−B2 画分45%、(b)238,000(Mピー
ク)のカップリングした(B1 TS−B2 )2 −X画分
30%、および(c)358,000(Mピーク)の、
(B1 TS−B2 )3 −Xからなる画分25%で構成さ
れる共重合体であることを示している。ポリスチレン性
ブロックの分子量は、やはりGPCで測定して、23,
000u.m.a.であった。線状共重合体中のポリスチレン
総含有量は18重量%で、ポリスチレンブロックの含有
量は約9〜10%であった。その様な値は、四酸化オス
ミウムで熱劣化させて行なう分析により測定した。
で成る幾つかの配合物を、ラベル用接着剤としての安定
性に関して特性決定する。比較目的に、ラベル製造の分
野で一般的に使用されている、(SI)2 −X型のカッ
プリングされた構造およびカップリングされていないS
I構造で構成される、カップリング効率60%でポリス
チレン含有量15%の、市販の重合体を含む配合物を製
造した。得られる全体的な平均分子量(Mw )は13
5,000で、カップリングされていない画分の分子量
は87,000であった。幾つかの標準的な試験方法を
使用し、接着剤組成物の接着および凝着特性を測定し
た。これらの中で最も良く知られている試験方法は、
(a)ローリング ボール タック、Pressure Sensiti
ve Tape Council(PSTC)PSTC法No. 6、(b)ポリ
ケン プローブ タック、ASTM D−2979、
(c)180°剥離接着性、PSTC法No. 1、(d)
鋼に対する瞬間粘着、PSTC法No. 5、(e)鋼に対
する保持力、PSTC法No. 7、である。本発明の重合
体組成物を、“ホットメルト”技術により、重合体組成
物を様々な量の粘着付与樹脂(Wingtack 95) および液体
樹脂(Wingtack 10) と混合することにより製造した。得
られた配合物を、Ciba-Geigy製のIrganox 565 およびIr
ganox 1010を加えて安定化させた。
記の標準的な試験方法を使用した。 − 180°剥離接着性は、180°で剥離することに
より、鋼およびポリエチレンに対する接着能力を測定す
るために使用される。標準PSTC 1により行なう該
測定の結果はN/2.5cm で表示する。 − ポリケン タックは、接着能力を測定する。AST
M D−2979/71により行なう該測定の結果はg
として表示する。 − 瞬間粘着は、90°剥離することにより、鋼および
ポリエチレンに対する接着性を測定するために使用され
る。標準PSTC 5試験法により行なう該測定の結果
はN/2.5cm で表示する。 − 保持力は、鋼に対する凝着能力を測定する。標準P
STC 7試験法により行なう該測定の結果は時間で表
示する。 本発明の重合体組成物を評価するために、それぞれ
“A”および“B”と呼ぶ2種類の配合物を製造した。
“A”配合物は、重合体100部、重合体100部あた
り130重量部(phr)のWingtac 95、40 phrのWingtac
10および1 phrの安定剤により構成される。“B”配
合物は、重合体100部、130 phrのWingtac 95、6
0 phrのWingtac 10および1 phrの安定剤により構成さ
れる。上記配合物の特性をそれぞれ表1および2に示
す。上記の表中、160℃における溶融材料の粘度を、
配合物を製造してから、空気中、180℃で24および
48時間後に測定した。“保持力”に関しては、接触表
面積1平方インチ、荷重1kgで行なった。
を含む配合物(実施例2、4および5)は、比較重合体
から配合した組成物と同等の接着性および凝着性を示す
ことが分かる。比較重合体から配合した組成物と比較し
て、本発明の組成物には、対酸化性が高いという利点が
ある。この特性は溶融粘度によりこれらの表から立証さ
れる。180℃で24および48時間の促進エージング
後の粘度低下は、比較重合体を含む配合物と比較して、
本発明の重合体組成物を含む配合物の方がはるかに少な
い。粘度低下と、脱カップリングした重合体“AB”
(後者は凝着性が不足している)との相関関係により、
促進エージング後の粘度安定性が高いことから、凝着性
および接着性の値のバランスが改善されている。応用の
観点から、粘度値がより安定しているために、最終的な
技術的特性がより効果的に再現される。反対に、重合体
が、したがって配合物が劣化し易い場合、最終的な特性
が不釣合になり、タックが増加し、凝着性が損なわれ
る。その様なタックの増加により、ダイ切断作業の際、
完成製品(ラベル)処理の際に切断の問題が生じる。実
施例2、4、5の重合体組成物の、ならびに比較重合体
の耐酸化性は、空気オーブン中、150℃で4時間エー
ジングした後のイエローインデックスを測定することに
より評価した。この測定は、標準ISO R 457試
験方法にしたがい、Datacolor Elephro 2000 Instrumen
t, Lighting Unit D65を使用し、10°で行なった。結
果を下記の表3に示す。
も黄変が少ないことは明らかである。
Claims (4)
- 【請求項1】(a) モノアルケニル−アレーンを、一
般式R−Li(式中、Rは2〜20個の炭素原子を有す
る脂肪族および環状脂肪族基から選択されるヒドロカル
ビル基である。)を有するリチウム誘導体と反応させる
工程、 (b) 前記(a)工程から得られた混合物を共役ジエ
ンと反応させる工程、および (c) 前記(b)工程から得られた混合物を、リチウ
ムに対して実質的に化学量論的な量のカップリング剤と
反応させる工程 を含んで成る、ブロック共重合体の製造方法であって、 前記ブロック共重合体が、モノアルケニル−アレーンお
よび4〜5個の炭素原子を有する共役ジエンの共重合か
ら得られるブロック共重合体組成物であって、(a)線
状構造の、カップリングしていないブロック共重合体3
0〜55重量%、(b)線状構造の、カップリングした
ブロック共重合体25〜40重量%、および(c)分枝
鎖構造のブロック共重合体20〜40重量%を含んで成
り、前記3成分の含有量百分率の合計が100%であ
り、 前記(c)工程のカップリング剤が、一般式R´−Br
(式中、R´は、アルキル、シクロアルキルおよびアリ
ール基から選択される単官能性C1 〜C10ヒドロカルビ
ル基である。)を有するモノブロモ誘導体から選択され
る、ことを特徴とする方法。 - 【請求項2】R´がC1 〜C3 アルキル基から選択され
る、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 R´がエチルである、請求項2に記載の
方法。 - 【請求項4】前記(c)工程において、温度が70〜1
00℃である、請求項1に記載の方法。
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