JP3534886B2 - 耐ポケットウエーブ性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板及びその製造方法 - Google Patents
耐ポケットウエーブ性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板及びその製造方法Info
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Description
成形品のウエブ部に発生しがちなポケットウエーブを抑
制し、屋根材,外板等の用途に供される形状特性が良好
なオーステナイト系ステンレス鋼板及びその製造方法に
関する。
性,高耐食性,高耐候性等に優れ、メンテナンスフリー
としての用途に適した材料であることから、屋根材,外
板等として使用されるようになってきている。この種の
用途では、ステンレス鋼板や塗装鋼板をロール成形機に
よって所定形状の建材に成形している。しかし、ロール
成形された成形品に形状不良が発生し易い。形状不良の
うち、代表的なものがポケットウエーブである。ポケッ
トウエーブは、ロール成形品の平坦な部分であるウエブ
部が長手方向に圧縮を受けて弾性的に座屈変形すること
により、長手方向に周期的な凹凸状の浅い撓みとなって
現れる。ポケットウエーブの発生原因である圧縮応力
は、ロール成形品の折曲げ部が長手方向に塑性収縮変形
することにより生成すると考えられているが、その詳細
な生成メカニズムは未だ解明されていない。低炭素鋼を
素材としたロール成形品のポケットウエーブに関して
は、「塑性と加工」第20巻(1979)第225号第
933〜939頁に報告されているように、素材の機械
的性質とポケットウエーブ生成の相関関係が明らかにさ
れつつある。この報告では、圧縮方向に直交する方向に
関して鋼板の引張り試験結果を着目し、(1)比例限応
力が高いほど、(2)上降伏点における歪み比が小さい
ほど、(3)降伏伸びが大きいほどポケットウエーブが
生成しにくいことを紹介している。
は、bcc構造をもつ低炭素鋼とは塑性変形挙動が基本
的に異なるfcc結晶構造をもっており、低炭素鋼にみ
られるような降伏点や降伏伸び等を示さない。そのた
め、低炭素鋼板の機械的性質とロール成形品のポケット
ウエーブ生成との関係は、オーステナイト系ステンレス
鋼に単純に適用できない。しかし、屋根材,外板等の需
要が増加するに伴って、普通鋼及びステンレス鋼兼用の
ロール成形機が使用され始めた。その結果、オーステナ
イト系ステンレス鋼の成形品についても、成形後の形状
を重視する傾向が強まり、ポケットウエーブの問題が顕
在化した。オーステナイト系ステンレス鋼板やその塗装
鋼板を製造する際、ポケットウエーブを抑制或いは防止
する種々の方法が提案されている。しかし、経済性を兼
ね備えた方法は、工業規模で採用される段階に至ってい
ない。
225618号公報は、カラー塗装後のレベラー加工で
形状矯正する際、伸び率を0.2%以下に抑えることを
紹介している。伸び率を小さくすると、ポケットウエー
ブは抑制されるものの、形状矯正が不十分になり易い。
その結果、ロール成形時に成形品に寸法誤差が発生し易
くなる。また、成形時に素板ロットごとの調整が必要に
なることから、生産性が低下する。特開平4−1682
27号公報では、調質圧延後に300〜799℃に5秒
〜50時間加熱する時効熱処理によってポケットウエー
ブを抑制している。しかし、通常のステンレス冷延鋼板
焼鈍設備における温度域が900〜1250℃であるこ
とを考慮すると、このような温度域の歪み取り焼鈍を通
常の焼鈍工程と並行して行うことは、炉を昇温又は降温
させる際の時間や加熱燃料のロスを招くことになり、生
産性を低下させる原因になる。また、600〜800℃
の温度域では鋭敏化が起こり、鋼板の結晶粒界に炭化物
が析出するため、ステンレス鋼板の耐食性を低下させ
る。
テンレス鋼板を素板とするロール成形では、ロール成形
条件を素板ごとに調整し、ポケットウエーブの生成を抑
制しているのが現状である。しかし、ロットごとに成形
ロールの調整を必要とすることから、生産性が低下す
る。しかも、ポケットウエーブの生成を抑制できても、
ポケットウエーブを完全に消失させるまでには至ってい
ない。本発明は、このような問題を解消すべく案出され
たものであり、成形素板の機械的性質とポケットウエー
ブの発生との間に相関関係が成立しているという知見に
基づき、成形素板の機械的性質を調整することによっ
て、ポケットウエーブの発生を防止したオーステナイト
系ステンレス鋼板を得ることを目的とする。
系ステンレス鋼板は、その目的を達成するため、C:
0.10重量%以下,Si:2.0重量%以下,Mn:
4.0重量%以下,P:0.045重量%以下,S:
0.030重量%以下,Ni:5〜30重量%,Cr:
13〜30重量%,N:0.20重量%以下,Mo:
6.0重量%以下及びCu:3.0重量%以下を含み、
残部が実質的にFeからなる組成を有し、鋼板の圧延方
向に関する引張り試験における応力−歪み曲線上での
0.01%耐力が220N/mm2以上であることを特
徴とする。更に、JIS G0551に規定される結晶
粒度番号(G.S.)が10番以下であり、C含有量,
N含有量及びJIS結晶粒度番号(G.S.)との間に
C/2+N+0.02×(G.S.−6.0)≧0.1
30の関係が成立しており、仕上げ圧延後の形状矯正に
よる合計伸び率が1.0%以下に規制されていることが
好ましい。
条件が緩和される。すなわち、前述した組成を持ち、J
IS G0551に規定される結晶粒度番号(G.
S.)が10番以下であり、C含有量,N含有量及びJ
IS結晶粒度番号(G.S.)との間にC/2+N+
0.02×(G.S.−6.0)≧0.110の関係が
成立しているオーステナイト系ステンレス鋼板を調質圧
延した後、500〜1200℃,好ましくは800〜1
200℃に0〜600秒均熱する歪み取り焼鈍を施し、
更に合計伸び率が1.0%以下の形状矯正を行うことに
より製造される。仕上げ焼鈍後、或いは歪み取り焼鈍後
の形状矯正は、調質圧延,テンションレベラー等によっ
て行われる。また、歪み取り焼鈍は、調質圧延後に限ら
ず、テンションレベラー等による形状矯正工程後に行っ
ても、ポケットウエーブの発生防止に有効である。
ブ生成量とその成形素板であるオーステナイト系ステン
レス鋼板及びその塗装鋼板の機械的性質の関係を調査検
討した。ロール成形品のポケットウエーブを定量的に評
価するため、幅方向に関してウエブ部の中央位置をレー
ザ変位計で長手方向に走査し、その凹凸状態を測定し
た。測定結果の曲線から、図1に示す急峻度を算出し、
ポケットウエーブ生成量PWとした。ポケットウエーブ
生成量PWは、ポケットウエーブの凹凸曲線の波周期を
L,波高さをhとした場合、PW=h/L×100
(%)として表される。一般に、ポケットウエーブ生成
量PWが0.1%以下の場合、ウエブ部が平坦であると
視認され、ポケットウエーブなしと判定される。ポケッ
トウエーブ生成量PWは、本発明者等の調査によると
き、図2に示す鋼板の長手方向における引張り試験にお
ける0.01%耐力σ0.01が高いほど小さくなることが
判った。この結果から、成形素板の0.01%耐力を大
きくすることによってポケットウエーブの生成防止が可
能になる。このポケットウエーブの生成防止は、0.0
1%耐力が大きくなることによりウエブ部が受ける長手
方向の圧縮応力に抗する座屈限が上昇することに起因す
るものと推察される。
耐力と製造条件との関係を調査・研究した結果、(1)
C及びN含有量を増加すること、及び(2)結晶粒径を
小さくすることがポケットウエーブの生成防止に有効で
あることを解明した。この知見を基にして製造したオー
ステナイト系ステンレス鋼は、0.01%耐力が大き
く、ロール成形品ではポケットウエーブの生成が防止さ
れる。C及びN含有量の増加は、オーステナイト系ステ
ンレス鋼の積層欠陥生成エネルギー(SFE)を小さく
し、鋼中に積層欠陥を発生させ易くする。それに伴っ
て、塑性変形に必要な転位の動きが阻止され、弾性変形
域が大きくなる。その結果、0.01%耐力が大きくな
るものと考えられる。また、結晶粒径を小さくすること
により、鋼中に結晶粒界が占める割合が増え、塑性変形
に必要な転位の動きが阻止され、弾性変形域が大きくな
る。その結果、結晶粒の微細化によっても0.01%耐
力が大きくなるものと考えられる。一般に、塗装用ステ
ンレス鋼板は、仕上げ冷間圧延,最終焼鈍・酸洗工程の
後、調質圧延,テンションレベラー工程を経て製造され
る。引き続き、塗装工程で塗装及び焼付が施された後、
テンションレベラー等の形状矯正工程を経て塗装ステン
レス鋼板としてロール成形に供される。
イト系ステンレス鋼板及びその塗装鋼板の0.01%耐
力を測定した。その結果、調質圧延又はテンションレベ
ラー等の形状矯正によって、0.01%耐力が低下する
ことを確認した。形状矯正により0.01%耐力が低下
する理由は、次のように考えられる。すなわち、形状矯
正によって鋼中に導入される転位は、これらの移動を阻
止する積層欠陥や結晶粒界に捕捉される。形状矯正工程
の伸び率が増加すると、積層欠陥や結晶粒界等の転位の
移動を阻止するサイトが減少する。このような状態の鋼
板は、塑性変形に必要な転位の移動が容易になるため、
弾性変形域が減少し、0.01%耐力が小さくなるもの
と考えられる。したがって、0.01%耐力の低下を防
止するためには、仕上げ焼鈍後に行われる形状矯正の伸
び率を小さく規制することが必要である。この点、特開
平2−225618号公報によるとき、ステンレス冷延
板を製造する際、調質圧延による伸び率の増加と共にス
テンレス鋼板のポケットウエーブ生成量が大きくなって
いる。しかし、その後の塗装焼付け工程における加熱に
よりポケットウエーブ生成量が小さくなり、塗装ステン
レス鋼板では調質圧延の影響がないとしている。一方、
塗装工程後のテンションレベラー通板時に伸び率が大き
いと、ポケットウエーブ生成量が大きくなる。そこで、
テンションレベラー通板時の伸び率を0.2%以下に規
制している。
おいて調質圧延前のステンレス鋼板と塗装工程前、す
なわち調質圧延後にテンションレベラー通板したステン
レス鋼板と、更に塗装工程後のテンションレベラー通
板する前のステンレス鋼板を使用し、それぞれを素板
としたロール成形品のポケットウエーブ生成量PWと
0.01%耐力とを比較した。その結果、調質圧延前の
ステンレス鋼板は、0.01%耐力が最も大きく、最
も小さいポケットウエーブ生成量PWを示した。これに
対し、塗装工程前のステンレス鋼板及び塗装工程後の
ステンレス鋼板では、0.01%耐力が低下し、何れ
もポケットウエーブ生成量が同程度に大きくなることが
明らかになった。このことから、塗装工程における20
0〜250℃×60秒以下の通常の塗装焼付け加熱では
0.01%耐力が調質圧延前の水準に戻らず、調質圧延
が塗装ステンレス鋼板のポケットウエーブ生成量PWに
影響を及ぼしていることを確認した。すなわち、成分及
び結晶粒径を規制することなく鋼板製造条件のみでポケ
ットウエーブの生成を防止しようとする場合、塗装後の
テンションレベラー通板における伸び率だけではなく、
製造条件面も厳しく管理する必要が生じる。
は、鋼板の成分及び結晶粒度を規制して鋼板の0.01
%耐力を増大させると共に、合計伸び率及び歪み取り温
度を制御することにより0.01%耐力の低下を防止し
ている。これにより、ポケットウエーブの生成が防止さ
れたオーステナイト系ステンレス鋼板が得られる。以
下、本発明が対象とするオーステナイト系ステンレス鋼
板に含まれる合金元素,その含有量等を説明する。 C:0.10重量%以下 固溶強化作用を呈する合金元素であり、C含有量の増加
によって0.01%耐力が大きくなる。しかし、0.1
0重量%を超えるC含有量では、鋼板の耐食性が低下
し、更に素板の硬質化に起因して加工性の低下が顕著に
なる。 Si:2.0重量%以下 脱酸作用のために製鋼工程で有用な合金元素である。し
かし、Si含有量が2重量%を超えると、成形性が低下
する。 Mn:4.0重量%以下 本発明が対象とするオーステナイト系ステンレス鋼板に
おいては、必須の合金元素である。しかし、Mn含有量
が4重量%を超えると、加工性及び耐食性が劣化する。
0.045重量%を超えると靭性が低下する。 S:0.030重量%以下 耐食性を低下させる有害な元素であり、S含有量は低い
ほど好ましい。しかしながら、低S化は工業的規模の製
鋼工程における生産コストを上昇させる原因となるの
で、本発明においてはS含有量の上限を0.030重量
%に規定した。 Ni:5〜30重量% オーステナイトステンレス鋼の必須元素であり、オース
テナイト相を安定化させるために少なくとも5重量%以
上のNi含有量が必要である。しかし、30重量%を超
える多量のNiが含まれると、鋼材コストが高くなるば
かりでなく、熱間加工性や成形加工性が低下する。
満の含有量では耐食性が損なわれる。しかし、30重量
%を超えて多量のCrを含有させても、Crの増量に見
合った耐食性向上効果がなく、却って鋼材コストを上昇
させることになる。 N:0.20重量%以下 固溶強化作用を呈する合金元素であり、N含有量の増加
により0.01%耐力が上昇する。しかし、0.20重
量%を超える多量のN含有は、製造性を劣化させると共
に、素板の硬質化に起因して加工性を低下させる原因と
なる。 Mo:6.0重量%以下 耐食性の向上に有効な合金元素である。しかし、Mo含
有量が6.0重量%を超えると、熱間加工性や成形加工
性が低下する。 Cu:3.0重量%以下 耐食性の向上に有効な合金元素である。しかし、Cu含
有量が3.0重量%を超えると、成形加工性が低下す
る。
以下 結晶粒度番号を大きくすると、0.01%耐力が大きく
なる。したがって、ポケットウエーブ生成防止のために
は、結晶粒度番号を大きくすることが有効である。しか
し、0.01%耐力は、同一粒度であっても鋼板のC及
びN含有量に応じて異なる。この点、成分が異なる鋼板
においては、その成分に応じた適正結晶粒度が存在す
る。そこで、本発明者等は、ポケットウエーブ生成量P
WをC含有量,N含有量及びJISG0551に規定さ
れる結晶粒度番号(G.S.)との関係で調査したとこ
ろ、C/2+N+0.02×(G.S.−6.0)≧
0.130の関係が成立しているとき、ポケットウエー
ブの生成が効果的に抑制されることを見い出した。この
関係は、歪み取り焼鈍によってC/2+N+0.02×
(G.S.−6.0)≧0.110まで緩和される。こ
の関係式から、有効な結晶粒度番号(G.S.)は、
G.S.≧{0.130−(C/2+N)}/0.02
+0.12として表され、結晶粒度番号(G.S.)の
下限が規制される。他方、結晶粒径が小さすぎると鋼板
が過度に硬質化し、切断性,成形加工性等が劣化する。
この点で、本発明においては、結晶粒度番号(G.
S.)の上限を10番に規定した。
矯正工程により、0.01%耐力が低下する。本発明に
おいては、各形状矯正工程における伸び率を合計して
「合計伸び率」と定義し、合計伸び率の上限を1.0%
に規定している。ただし、歪み取り焼鈍が施される鋼板
では、歪み取り焼鈍後の形状矯正における伸び率を合計
し、「合計伸び率」として表す。なお、形状矯正工程
は、必ずしも通板する必要はない。合計伸び率の下限
は、仕上げ焼鈍又は歪み取り焼鈍のままの場合に相当す
る0%とする。合計伸び率が1.0%を超えるとき、前
述したように0.01%耐力が低下し、ポケットウエー
ブの発生が顕著になる。
600秒均熱 0.01%耐力は、調質圧延工程又はテンションレベラ
ー等の形状矯正工程後の歪み取り焼鈍により回復する。
歪み取り焼鈍温度が500℃以上になると、C/2+N
+0.02×(G.S.−6.0)≧0.110の関係
を満足するC含有量,N含有量及び結晶粒度G.S.の
とき、ポケットウエーブの生成が防止される。しかし、
1200℃を超える焼鈍温度は、結晶粒が大きく成長
し、更に酸化による板厚減少が大きくなるので好ましく
ない。また、600〜790℃の時効温度では、鋼板の
結晶粒界に炭化物が析出する鋭敏化が起きることを確認
した。したがって、屋根用等のように高耐食性が要求さ
れる用途では、焼鈍温度を800℃以上で1200℃以
下にすることが好ましい。本発明では、鋼板が500℃
以上1200℃以下の温度に到達したとき、0.01%
耐力が回復することを見い出した。焼鈍時間の下限は、
鋼板が所定の温度域に達した後、直ちに冷却することを
意味する0秒間であってもよい。他方、600秒より長
い焼鈍時間では、酸化による鋼板の板厚減少が大きくな
り、経済性の面から好ましくない。また、通常のオース
テナイト系ステンレス鋼板は連続焼鈍設備によって熱処
理される場合が多く、焼鈍時間は、加熱炉の炉長や通板
速度に応じて定まる。生産性や経済性等を考慮したとき
通板速度は早いほど好ましく、本発明では、焼鈍時間の
上限を600秒に規定した。 0.01%耐力:220N/mm2以上 以上の条件を調整することにより、0.01%耐力が2
20N/mm2以上に上昇する。0.01%耐力は、後
述する図9に示されているように、220N/mm2を
境としてポケットウエーブの発生に顕著な影響を与え
る。すなわち、220N/mm2以上の0.01%耐力
ではポケットウエーブの生成が視認されないのに対し、
220N/mm2を下回る0.01%耐力ではポケット
ウエーブの発生によって形状精度が低下したロール成形
品となる。
ス鋼A〜Eを溶製し、熱延,焼鈍・酸洗,冷延工程を経
て板厚0.4mmの冷延鋼帯を製造した。各冷延鋼帯か
ら、仕上げ焼鈍温度の調整により結晶粒度が異なる鋼帯
を得た。それぞれの鋼帯を伸び率0.2〜1.0%で調
質圧延した後、伸び率0.1〜1.1%でテンションレ
ベラーに通板し、ステンレス鋼板を得た。更に、一部の
鋼帯については、塗装工程を経てテンションレベラーに
通板し、塗装鋼板を得た。
JIS結晶粒度番号及び各鋼板の圧延方向に引張り試験
により得た0.01%耐力を、表2に示す。なお、表2
には、以下に定義する値を併せ示した。 (1)鋼中のC含有量をC,N含有量をN,JIS結晶
粒度番号をG.S.とするとき、次式(1)により算出
される値 (2)次式で表される合計伸び率 (合計伸び率)=(調質圧延伸び率)+(テンションレ
ベラー伸び率) ―塗装鋼板の場合― (合計伸び率)=(調質圧延伸び率)+(テンションレ
ベラー伸び率)+(塗装後のテンションレベラー伸び
率)
を、図4に示す。なお、図4において、各プロットの横
に表2の試験番号を付した。図4から明らかなように、
合計伸び率が1.0%以下で且つ式(1)の値が0.1
30以上のとき、0.01%耐力が220N/mm2以
上になっている。試験番号1と2,4と5及び10と1
1とを比較すると、塗装工程の有無に拘らず、合計伸び
率が1.0%以下で且つ式(1)の値が0.130以上
の関係を満足する鋼板であれば、0.01%耐力が22
0N/mm2以上になっている。このことから、塗装工
程での塗膜焼付け加熱は、0.01%耐力に何ら影響を
及ぼしていないことが判る。試験番号2及び8は、合計
伸び率が同じであるが、式(1)の値が異なっているた
め、0.01%耐力に相違がみられる。この二つの鋼板
の結晶粒度番号は同一であるから、式(1)において
(C/2+N)の値によって0.01%耐力が決定され
ていることが判る。すなわち、同一の合計伸び率及び結
晶粒度番号であれば、C及びN含有量が多い鋼種ほど、
0.01%耐力が大きくなっていることが確認される。
び率であるが、式(1)の値が異なっている。この二つ
の鋼板の(C/2+N)が同値であるから、式(1)の
値は、結晶粒度によって決定されているといえる。すな
わち、同一の合計伸び率及び(C/2+N)値であれ
ば、結晶粒度番号が大きいほど、換言すれば結晶粒径が
小さい鋼種ほど、0.01%耐力が大きくなっているこ
とが確認される。試験番号7及び10は、式(1)の値
が0.130以上であっても、0.01%耐力が220
N/mm2以上になっていない。これは、合計伸び率が
1.0%よりも大きくなっていることに原因がある。一
方、試験番号6及び8は、合計伸び率が1.0%以下で
あっても、式(1)の値が0.130よりも小さいた
め、0.01%耐力が220N/mm2よりも小さくな
っている。また、試験番号3及び9は、合計伸び率及び
式(1)の値の何れもが本発明で規定した範囲を外れて
いるため、0.01%耐力が220N/mm2よりも小
さくなっている。
0.4mmの冷延鋼帯から、仕上げ焼鈍温度の調整によ
り結晶粒度が異なる鋼帯を製造した。それぞれの鋼帯を
伸び率0.2〜1.0%で調質圧延した後、伸び率0.
1〜1.1%でテンションレベラーに通板し、ステンレ
ス鋼板を得た。更に、一部の鋼帯については、塗装工程
を経てテンションレベラーに通板し、塗装鋼板を得た。
それぞれのステンレス鋼板及び塗装鋼板について、JI
S結晶粒度番号,歪み取り焼鈍温度,圧延方向に関する
0.01%耐力及び歪み取り焼鈍後の合計伸び率を調査
した。合計伸び率は、実施例1と同様に測定した。調査
結果を表3に示した。
(1)の値との関係を、図5に示す。なお、図5におい
て、各プロットの横に表3の試験番号を付した。図5か
ら明らかなように、合計伸び率が1.0%以下で且つ式
(1)の値が0.110以上のとき、0.01%耐力が
220N/mm2 以上になっている。すなわち、歪み取
り焼鈍によって、0.01%耐力が220N/mm2 以
上になる式(1)の下限値が0.130から0.110
に緩和されていることが判る。
レス鋼A及びCを溶製し、熱延,焼鈍・酸洗,冷延工程
を経て板厚0.4mmの冷延鋼帯を製造した。冷延鋼帯
から、仕上げ焼鈍温度の調整により鋼種Aでは結晶粒度
番号を6.5に、鋼種Cでは結晶粒度番号8.8の鋼帯
を得た。それぞれの鋼帯を伸び率0.6%で調質圧延し
た後、種々の温度で歪み取り焼鈍を施した。それぞれの
鋼板の0.01%耐力及び結晶粒度を測定し、歪み取り
焼鈍の温度による影響を調査した。なお、歪み取り焼鈍
温度は、鋼板表面における均熱温度で表した。また、焼
鈍時間は、所定温度に到達した後、直ちに冷却する場合
である0秒とし、図6に一例を示す温度ー時間パターン
を採用した。歪み取り焼鈍による0.01%耐力及び結
晶粒度の変化を、図7に示す。図7には、焼鈍後に鋭敏
化、すなわち結晶粒界に炭化物が析出した温度域を併せ
示している。
2 であった鋼種Aでは、520℃の焼鈍によって0.0
1%耐力が約320N/mm2 に増加し、それ以上の焼
鈍温度では飽和する傾向を示している。一方、焼鈍前に
0.01%耐力が約170N/mm2 であった鋼種Cで
は、520℃の焼鈍によって0.01%耐力が約230
N/mm2 に増加し、それ以上の焼鈍温度では飽和する
傾向を示している。このことから、鋼種A及びCの何れ
においても、520℃以上の歪み取り焼鈍により0.0
1%耐力が増加していることが確認された。0.01%
耐力の増加は、調質圧延によって鋼中に導入された転位
が焼鈍処理によって回復されることに起因するものと推
察される。また、600℃から790℃の時効温度で
は、図7に示すように鋼板が鋭敏化することを確認し
た。このことから、結晶粒界に炭化物が析出すると耐食
性が低下するため、特に高耐食性が要求される屋根材等
の用途に使用される場合、この温度域で歪み取り焼鈍を
行うことは好ましくないといえる。また。1200℃を
超える焼鈍温度では、結晶粒が粗大化し、更に酸化によ
る鋼板の板厚減少が著しくなるため、この温度域での歪
み取り焼鈍も好ましくない。以上のことから、800〜
1200℃の温度範囲で歪み取り焼鈍することにより、
鋼板の耐食性を損なわず、且つ結晶粒を粗大化させるこ
となく、0.01%耐力を増加できることが判る。しか
も、800〜1200℃の温度域は、ステンレス鋼板の
通常の焼鈍条件温度域に一致しているので、設定炉温を
変更することなく従来の焼鈍設備を使用した処理が可能
であることを示す。すなわち、炉温を上下動することに
よる燃料や時間のロスがなく、歪み取り焼鈍を通常の焼
鈍工程と並行して行うことができる。そのため、生産性
及び経済性の面でのメリットも大きくなる。
1〜18の鋼板及び実施例3で930℃で歪み取り焼鈍
を施した鋼種A,Cを素板として、一定にした成形条件
の下で断面形状を図8に示すロール成形品を作製した。
各鋼板の0.01%耐力と成形品のポケットウエーブ発
生量PWとの関係を、図9に示す。図9から明らかなよ
うに、0.01%耐力が220N/mm2 以上の鋼板
は、何れもポケットウエーブ生成量PWが0.10%以
下になっており、目視観察でポケットウエーブの発生が
検出されない形状精度の良好な成形品であることが判
る。
は、オーステナイト系ステンレス冷延鋼板のC含有量,
N含有量及び結晶粒度を規制し、更に製造時に仕上げ焼
鈍後の形状矯正の合計伸び率を制限している。これによ
り、ステンレス冷延鋼板又はその塗装鋼板からロール成
形品を製造したとき、ポケットウエーブの発生がない良
好なロール成形品が得られる。更に、オーステナイト系
ステンレス鋼板の調質圧延又はテンションレベラー等の
形状矯正を施した後、500〜1200℃の均熱温度で
0〜600秒の歪み取り焼鈍を行うことにより、ポケッ
トウエーブの生成が抑制又は防止された優れた素板が提
供される。
グラフ
装鋼板の製造工程で引張り試験片を採取する段階を示す
図
+0.02×(G.S.−6.0)との関係を示すグラ
フ
N+0.02×(G.S.−6.0)との関係を示すグ
ラフ
ン
温度が及ぼす影響を示したグラフ
Wとの関係を示すグラフ
Claims (4)
- 【請求項1】 C:0.10重量%以下,Si:2.0
重量%以下,Mn:4.0重量%以下,P:0.045
重量%以下,S:0.030重量%以下,Ni:5〜3
0重量%,Cr:13〜30重量%,N:0.20重量
%以下,Mo:6.0重量%以下及びCu:3.0重量
%以下を含み、残部が実質的にFeからなる組成を有
し、鋼板の圧延方向に関する引張り試験における応力−
歪み曲線上での0.01%耐力が220N/mm2以上
である耐ポケットウエーブ性に優れたオーステナイト系
ステンレス鋼板。 - 【請求項2】 JIS G0551に規定される結晶粒
度番号(G.S.)が10番以下であり、C含有量,N
含有量及びJIS結晶粒度番号(G.S.)との間にC
/2+N+0.02×(G.S.−6.0)≧0.13
0の関係が成立しており、仕上げ圧延後の形状矯正によ
る合計伸び率が1.0%以下に規制された請求項1記載
のオーステナイト系ステンレス鋼板。 - 【請求項3】 C:0.10重量%以下,Si:2.0
重量%以下,Mn:4.0重量%以下,P:0.045
重量%以下,S:0.030重量%以下,Ni:5〜3
0重量%,Cr:13〜30重量%,N:0.20重量
%以下,Mo:6.0重量%以下及びCu:3.0重量
%以下を含み、残部が実質的にFeからなる組成を有
し、JIS G0551に規定される結晶粒度番号
(G.S.)が10番以下であり、C含有量,N含有量
及びJIS結晶粒度番号(G.S.)との間にC/2+
N+0.02×(G.S.−6.0)≧0.110の関
係が成立しているオーステナイト系ステンレス鋼板を調
質圧延した後、500〜1200℃に0〜600秒均熱
する歪み取り焼鈍を施し、更に合計伸び率が1.0%以
下の形状矯正を行うことを特徴とする耐ポケットウエー
ブ性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方
法。 - 【請求項4】 請求項3記載の歪み取り焼鈍を800〜
1200℃の温度で行うオーステナイト系ステンレス鋼
板の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP09145295A JP3534886B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 耐ポケットウエーブ性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09145295A JP3534886B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 耐ポケットウエーブ性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08260111A JPH08260111A (ja) | 1996-10-08 |
JP3534886B2 true JP3534886B2 (ja) | 2004-06-07 |
Family
ID=14026764
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP09145295A Expired - Lifetime JP3534886B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 耐ポケットウエーブ性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板及びその製造方法 |
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KR102120700B1 (ko) | 2018-09-13 | 2020-06-09 | 주식회사 포스코 | 확관가공성 및 내시효균열성이 우수한 오스테나이트계 스테인리스강 |
KR20230026705A (ko) * | 2021-08-18 | 2023-02-27 | 주식회사 포스코 | 오스테나이트계 스테인리스강 및 그 제조 방법 |
-
1995
- 1995-03-24 JP JP09145295A patent/JP3534886B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH08260111A (ja) | 1996-10-08 |
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