JP3534492B2 - 冷間圧延設備のロールシフト装置 - Google Patents

冷間圧延設備のロールシフト装置

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JP3534492B2
JP3534492B2 JP14925395A JP14925395A JP3534492B2 JP 3534492 B2 JP3534492 B2 JP 3534492B2 JP 14925395 A JP14925395 A JP 14925395A JP 14925395 A JP14925395 A JP 14925395A JP 3534492 B2 JP3534492 B2 JP 3534492B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被圧延材であるステン
レス鋼帯およびその他の高合金鉄帯などの金属帯を、次
工程で要求される平坦度などの目標形状に冷間圧延する
冷間圧延設備において、単基レバース式冷間圧延機およ
びタンデム式冷間圧延機などの多段冷間圧延機に備えら
れる中間ロールを圧延中に連続的にシフトするための装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷間圧延設備には、前工程で粗研磨され
た被圧延材であるステンレス鋼帯やステンレス鋼帯など
の金属帯が単基レバース式冷間圧延機およびタンデム式
冷間圧延機などの多段冷間圧延機によって圧延され、次
工程で連続焼鈍酸洗処理または光輝焼鈍処理された後、
調質圧延され、さらに製品仕様に応じて連続発色処理ま
たは仕上げ研磨処理が行われ、最終工程でテンションレ
ベラによるレベリングまたは裁断装置によって所定長さ
に裁断されて顧客が指定した仕様のコイル製品または板
製品として出荷される。このような最終製品は、顧客の
要求を満たしたものでなければならず、このような要求
は社会生活水準の上昇に伴う高級化および多様化によっ
て厳しくなり、このような要求を満たすためには、複数
の製造工程中で次工程の要求をその前工程で高精度にか
つ確実に達成しなければならない。特に仕上工程である
上述の連続発色処理および仕上研磨処理などを行う精整
工程およびその前工程である調質圧延工程ならびに連続
焼鈍酸洗工程および光輝焼鈍工程では、金属帯の形状を
大きく矯正することを目的としないため、その前工程で
ある冷間圧延工程に大きく依存することになり、そのた
めに冷間圧延工程では高精度の形状制御が望まれてい
る。
【0003】このような冷間圧延工程を担う冷間圧延設
備には、上述の単基レバース式冷間圧延機およタンデム
式冷間圧延機などの多段冷間圧延機が設けられる。この
多段冷間圧延機として代表的には、レバース式クラスタ
型冷間圧延機である20段センジミアミルが周知であ
る。この20段センジミアミルは、被圧延材である金属
帯に当接する上下一対のワークロールと、各ワークロー
ルを支持する上下各2本の第1中間ロールと、第1中間
ロールをそれぞれ支持する上下各3本の第2中間ロール
と、第2中間ロールをそれぞれ支持する上下各4本のバ
ックアップロールとがミルハウジング内に上下対称に配
置される。各バックアップロールは複数の分割ロールを
有し、各分割ロールを個別に偏心させながら第2中間ロ
ールへの接触圧を調整し、これによって各ワークロール
による金属帯へのロールベンダ圧力を幅方向に変化させ
て、熱影響によるクラウン変化や圧延荷重の乱れに対し
て形状修正を行うとともに、上下各一対の第1中間ロー
ルを軸線方向に交互に低速度で往復動させて各ワークロ
ールのロール表面性状の均一化を図り、分割ロールによ
るロールマークの金属帯への転写の防止および金属帯の
平坦度精度の向上が図られている。
【0004】このような20段センジミアミルは、ミル
ハウジングの一側方に前記第1中間ロールをシフトさせ
るためのシフト装置が、第2中間ロールの駆動ロールを
所定の圧延速度で回転駆動させるための減速機およびバ
ックアップロールの各分割ロール間で分割ロールを個別
に偏心させるためのサドルを駆動するためのバックアッ
プロールクラウン調整手段とともに設けられている。こ
のシフト装置2は、図16に部分的に拡大して示される
ように、前記中間ロールの軸線方向一端部に軸継手を介
して連結されるシフト駆動部材1を備える。シフト駆動
部材1は、その軸線3に沿って圧延機に近接する方向A
1および圧延機から離反する方向A2にたとえば200
mmのシフト幅を2mm/秒のシフト速度で往復動され
る。このようなシフト駆動部材1には、その軸線3に沿
ってキー溝4が形成され、このキー溝4にはシフト装置
2のハウジング5に複数のボルト6,7によって着脱交
換自在に固定されるキー8の嵌合部9が嵌まり込む。こ
れらのキー溝4とキー8とによって、シフト駆動部材1
の矢符A1,A2方向のシフト変位が案内される。
【0005】図17は、図16の切断面線B−Bから見
た断面図である。前記シフト駆動部材1は、たとえばニ
ッケルクロムモリブデン鋼(略称SNCM)から成り、
またキー8はクロムモリブデン鋼(略称SCM)から成
る。キー溝4およびキー8は、前記軸線3に垂直な一平
面内において、22mm程度の幅W1を有するととも
に、前記軸線3を含む仮想鉛直面内で高さH1および長
さL1にわたってキー8の両側面11a,11bがキー
溝4の相互に対向する内面12a,12bに摺接し、こ
のような状態でシフト駆動部材1の矢符A1,A2方向
の往復変位によって、前記中間ロールが同一方向に往復
変位されながら金属帯の圧延が行われる。
【0006】冷間圧延設備が複数基の冷間圧延機が圧延
ラインに配置されるタンデム式冷間圧延ラインである場
合は、1パスで冷間圧延が終了するため、金属帯13は
矢符Cで示されるように、シフト駆動部材1、したがっ
て前期中間ロールによって支持される各ワークロールに
関して上流側から下流側に向けて通板される。また前記
冷間圧延設備が単一基の冷間圧延機が圧延ラインに配置
されるレバース式冷間圧延ラインである場合には、矢符
C1,C2で示されるように、金属帯13は各ワークロ
ールに関して上流側から下流側へ、および下流側から上
流側へ複数回、通板される。そのためシフト駆動部材1
の嵌合部9は、キー溝4内で通板方向下流側の内面12
aまたは12bに大きな力で押付けられ、この状態でシ
フト駆動部材1が矢符A1,A2方向に往復変位駆動さ
れる。このときシフト駆動部材1は、金属帯13の圧延
下における張力によって金属帯13の走行方向に大きな
力で押圧され、走行方向下流側となる側面11aの内面
12aまたは側面11bの内面12bの接触圧が大きく
なり、このように大きな接触圧で接触する各側面11
a,11bと各内面12a,12bとが損耗する。この
ような損耗に対処するために、前述したように、シフト
駆動部材1をニッケルクロムモリブデン鋼によって形成
し、またキー8をクロムモリブデン鋼によって形成して
いる。すなわちキー8にシフト駆動部材1よりも軟質で
摩耗しやすい材料を用いることによって、キー8を損耗
させ、このキー8を各ボルト6,7によってハウジング
5に着脱交換可能に固定して、その嵌合部9を監視下に
置き、損耗量が大きくなったときあるいは定期的に新た
なキーと交換している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の技術
では、キー8の嵌合部9は連続的な冷間圧延によって激
しく損耗するため、キー8の損耗量が正常に機能し得る
限界に至るまでに新たなキーに交換しなければならな
い。このようなキー8の交換時期に至ったときには、冷
間圧延ライン全体を停止させて、各ボルト6,7を緩め
て損耗したキー8を取外し、新たなキーを正確に位置決
めして、再び各ボルト6,7で締付け固定するという一
連の交換作業を複数のキーについて行わなければなら
ず、生産性が低下してしまうという問題がある。また従
来の技術では、シフト駆動部材1をたとえば20ton
以上のシフト力でシフト動作させながら、しかも圧延速
度が30m/分以上という高速で圧延を行う場合には、
前記キー8の嵌合部9の損耗はさらに激しくなり、その
結果、キー8の交換回数が増加してしまい、冷間圧延ラ
インの停止による生産性の低下はより一層大きくなって
しまうという問題が生じる。
【0008】したがって本発明の目的は、キーの損耗を
可及的に少なくして、そのキーの交換回数を低減し、冷
間圧延ラインの稼働効率を向上して生産性を向上するこ
とができる冷間圧延設備のロールシフト装置を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、冷間圧延機に
設けられ、軸線方向にシフト可能な中間ロールの軸線方
向一端部と、固定位置に設けられるシフト装置のシフト
駆動部材とが、相互に回転自在にかつ中間ロールのシフ
ト方向の力を伝達可能な軸継手を介して連結され、シフ
ト駆動部材には、その軸線に沿うキー溝が形成され、ハ
ウジングには前記キー溝に嵌まり込むキーが着脱交換可
能に設けられる冷間圧延設備のロールシフト装置におい
て、前記キーは、キー溝に嵌まり込む嵌合部の少なくと
もキー溝内周面に接触する外周面がシフト駆動部材のキ
ー溝内周面よりも摩耗しやすい材料から成ることを特徴
とする冷間圧延設備のロールシフト装置である。 また
本発明は、前記キーの嵌合部は、この嵌合部に連なりか
つハウジングに着脱交換可能に固定される取付部よりも
シフト駆動部材の軸線方向に前後に突出して形成される
ことを特徴とする。 さらに本発明は、前記キーの嵌合
部のシフト駆動部材の軸線方向に沿う中間ロール寄りの
部分は、前記取付部に関して中間ロールと反対側の部分
に比べて、シフト駆動部材の軸線に垂直な方向に長く延
びて形成されることを特徴とする。 さらに本発明は、
前記摩耗しやすい材料は、シフト駆動部材よりも低硬度
のアルミニウム合金またはリン青銅から成ることを特徴
とする。 さらに本発明は、シフト駆動部材のキー溝に
臨む開口端部には、キー溝から外側方に拡がる側部傾斜
面が形成されることを特徴とする。 さらに本発明は、
前記キーの嵌合部のキー溝に沿う長手方向両端部には、
先細状に傾斜した端部傾斜面が形成されることを特徴と
する。 また本発明は、キー溝に嵌合する嵌合部と、こ
の嵌合部に連なる取付部とから成り、嵌合部は取付部の
厚み方向両側面から突出し、かつ取付部の前記キー溝の
延びる方向に垂直な方向に沿う幅よりも嵌合部の幅が狭
く形成され、嵌合部の外周面はキー溝の内周面よりも摩
耗しやすい材料から成り、取付部には長手方向に間隔を
あけて複数のボルト挿通孔が形成されることを特徴とす
る圧延設備のロールシフトのために用いられるキーであ
る。 さらに本発明は、嵌合部のキー溝の延びる方向に
沿う一端部は、前記取付部の長手方向に沿う高さがキー
溝の深さにほぼ等しく形成され、この嵌合部の前記キー
溝の延びる方向に沿う他端部は、前記取付部の長手方向
に沿う高さが前記キー溝の深さよりも大きく形成される
ことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明に従えば、冷間圧延機の中間ロールの軸
線方向一端部には、軸継手を介してシフト装置のシフト
駆動部材が連結される。シフト駆動部材には、その軸線
に沿ってキー溝が形成され、シフト装置のハウジングに
は前記キー溝に嵌まり込むキーが着脱交換可能に設けら
れる。シフト駆動部材がその軸線方向に往復変位駆動さ
れると、その変位は前記軸継手を介して中間ロールに伝
達され、この中間ロールは軸継手によって前記シフト駆
動部材に対する回転が許容された状態で軸線方向に変位
駆動され、圧延機によって冷間圧延される金属帯の形
状、特に平坦度が次工程で要求される目標値となるよう
に形状制御される。前記キーはキー溝に嵌まり込む嵌合
部を有し、この嵌合部の少なくともキー溝内周面に接触
する外周面は、前記シフト駆動部材のキー溝内周面より
も摩耗しやすい材料によって形成される。これによって
シフト駆動部材が軸線方向にシフトしながら冷間圧延が
行われても、シフト駆動部材のキー溝内周面が損耗する
ことを少なくして、キーの嵌合部の外周面だけを損耗さ
せることができるので、従来のように冷間圧延ライン
を、シフト駆動部材を交換するために長時間にわたって
停止する必要がなくなり、これによって冷間圧延設備の
稼働効率の低下が防がれ、生産性が向上される。またキ
ーの嵌合部だけが大きく損耗して、キー溝の内周面はほ
とんど損耗を生じないので、キーだけを交換すればよ
く、低コストで交換作業を行うことができる。
【0011】また本発明に従えば、前記キーの嵌合部は
この嵌合部に連なる取付部よりもシフト駆動部材の軸線
方向に前後に突出して形成される。このようにしてキー
の嵌合部の外周面とキー溝の内周面との有効接触面積を
大きくし、シフト駆動部材のシフト動作の安定化を図る
ことができるとともに、嵌合部の外周面とキー溝の内周
面との接触圧を低減して、前記嵌合部の単位面積当たり
の損耗量を少なくし、これによってキーの耐久性を向上
し、損耗による交換回数を少なくすることができる。し
たがって冷間圧延機のキー交換による運転の停止回数あ
るいは停止時間を短くして、稼働効率を向上し、生産性
を向上することができる。
【0012】さらに本発明に従えば、前記嵌合部の中間
ロール寄りの部分はその反対側の部分に比べてシフト駆
動部材の軸線に垂直な方向、すなわち取付部の延びる方
向に長く延びて形成されるので、金属帯の通板によって
最も押圧力の影響を受けやすい前記嵌合部の取付部より
もシフト駆動部材の軸線方向の前後に突出する各部分の
うち中間ロール寄りの部分を補強される。これによって
第1中間ロールを大きなストロークでかつ大きなシフト
力でシフト動作させることができる。
【0013】さらに本発明に従えば、前記キーの嵌合部
の外周面を形成する前記キー溝内周面よりも摩耗しやす
い材料は銅アルミニウム合金またはリン青銅が用いられ
る。これらのアルミニウム合金およびリン青銅は商業的
に入手が容易であり、また安価でもあるため、キーの交
換を安価なコストで行うことが可能となる。
【0014】さらに本発明に従えば、シフト駆動部材の
キー溝に臨む開口端部、すなわちキー溝を挟んで両側で
対向する外周における周方向両端部には、側部傾斜面が
キー溝から外側方に広がって形成される。このような側
部傾斜面をシフト駆動部材のキー溝に臨む開口端部に形
成することによって、冷間圧延時に最も荷重がかかるエ
ッジ部分が存在しないため、キーの嵌合部が前記開口端
部の摺動によって局部的に大きく損耗することを回避す
ることができ、円滑にシフト駆動部材を長期にわたって
継続的にシフトさせることが可能となる。
【0015】さらに本発明に従えば、前記キーの嵌合部
の長手方向両端部には先細状に傾斜した端部傾斜面が形
成される。このような端部傾斜面を嵌合部に形成するこ
とによって、嵌合部がキー溝内周面を円滑に案内され
る。これによって冷間圧延時に、嵌合部の長手方向両端
部がシフト駆動部材のキー溝内周面に局部的に大きな接
触圧で接触して、そのキー溝内周面が局部的に大きく損
耗することが防がれ、円滑にシフト駆動部材をシフトさ
せることが可能となる。
【0016】さらに本発明に従えば、圧延設備に設けら
れるキー溝が形成される部材には、このような部材を軸
線方向の変位を妨害するために、キーが用いられる。こ
のキーは、前記キー溝で嵌合する嵌合部と、嵌合部に連
なる取付部とを有し、嵌合部は取付部の厚み方向両側面
から突出して前記キー溝に沿って延び、取付部の幅より
も狭く形成される。このような嵌合部の外周面は、キー
溝内周面よりも摩耗しやすい材料によって形成され、ま
た前記取付部にはその長手方向に間隔をあけて複数のボ
ルト挿通孔が形成される。
【0017】このように構成されるキーを用いて、前記
複数のボルト挿通孔にボルトを挿通し、前記部材が設け
られるハウジングなどの取付位置に着脱交換自在に固定
することができる。また嵌合部の外周面はキー溝の内周
面よりも損耗しやすい材料から成るので、前記部材が軸
線方向にシフトすることによって、嵌合部の外周面が損
耗し、換言すればキー溝の内周面は嵌合部の外周面より
も摩耗しにくいので、損耗量が大きくなったときには、
キーだけを交換すればよく、部材を交換する場合に比べ
て圧延設備の停止時間を格段に短くして、稼働率を向上
することができる。
【0018】さらに本発明に従えば、前記圧延設備のロ
ールシフトのために用いられるキーにおいて、その嵌合
部の一端部は、キー溝の深さにほぼ等しい高さを有し、
また嵌合部の他端部はキー溝の深さよりも大きい高さを
有するように形成される。これによって嵌合部の前記一
端部の強度を向上することができる。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の冷間圧延設備の
ロールシフト装置の一部を示す拡大断面図である。ロー
ルシフト装置21は、そのハウジング22の一側壁から
部分的に突出してほぼ水平な軸線23に沿って矢符F
1,F2方向に往復変位駆動され、硬質金属たとえばニ
ッケルクロムモリブデン鋼から成るシフト駆動部材24
を有する。このシフト駆動部材24には、軸線23に沿
って延びる一直線状のキー溝25が形成され、このキー
溝25にはハウジング22に2本のボルト26,27に
よってハウジング22に着脱交換自在に取付けられたキ
ー28の嵌合部29が嵌まり込む。ハウジング22には
シフト駆動部材24が挿通する軸孔30が形成され、軸
孔30には軸受メタル31が嵌着され、この軸受メタル
31によって前記シフト駆動部材24の後述する案内部
125が案内される。キー28は、クロムモリブデン鋼
から成り、前記キー溝25に嵌まり込む嵌合部29と、
嵌合部29に連なり前記各ボルト26,27によってハ
ウジング22に固定される取付部33とを有する。
【0020】図2は、図1の切断面線II−IIから見
た拡大断面図である。前記キー28は、その取付部33
の上部に前記嵌合部29が一体的に形成される。このよ
うなキー28の前記嵌合部29を含む上部34には、厚
みT1を有し、シフト駆動部材24よりも摩耗しやすい
材料から成る被覆層35が形成される。前記厚みT1は
たとえば2.5mmに選ばれる。また前記摩耗しやすい
材料としては、商業的に安価で加工性がよく、しかも熱
伝導性が良好な銅アルミニウム合金が用いられる。被覆
層35は、前記クロムモリブデン鋼から成る母材36の
凸状部分37の外表面38に、前記銅アルミニウム合金
を肉盛溶接した後、後述の所定寸法に研摩して形成され
る。このような被覆層35は、逆U字状部分41と、逆
U字状部分41の両端部45a,45bから外側方にほ
ぼ直角に屈直して延びる一対のフランジ部分42a,4
2bとを有する。前記嵌合部29は、母材36の凸状部
分37と被覆層35とによって構成される。
【0021】前記被覆層35の逆U字状部分41は、凸
状部分37の両側面43a,43bを覆う一対の平行な
側壁44a,44bと、各側壁44a,44bの前記フ
ランジ部分42a,42bに連なる各一端部45a,4
5bとは反対側の各他端部46a,46bに直角に連な
り、凸状部分37の上面47を覆う上壁48とを有す
る。前記外表面38は、両側面43a,43bと、上面
47と、各フランジ部分42a,42bによって覆われ
る段差面49a,49bとを含む。
【0022】前記キー溝25について説明する。上述し
たキー28が嵌まり込むキー溝25は、シフト駆動部材
24の軸部32にその軸線23に沿って平行に形成さ
れ、前記軸線23を含む一平面と軸部32の外周面51
とが交差する交点P0における接線と平行に形成され、
被覆層35の上壁48の上表面52に第1の間隔ΔL1
をあけて対向する底面53と、底面53の両端部から直
角に屈直して延び、相互に平行な一対の内面54a,5
4bとを有する。これらの底面53および各内面54
a,54bによって、キー溝24の内周面55が形成さ
れる。各内面54a,54bは、被覆層35の各外側面
56a,56bに図2の上下方向である高さ方向に高さ
H2にわたって対向し、この高さH2の領域でシフト駆
動部材24の軸線23方向のシフト動作時に相互に摺接
して、シフト駆動部材24のがたつきが防がれる。この
ようなシフト駆動部材24のキー溝25に臨む開口端部
である角部57a,57bには、各内面54a,54b
から外側方に広がって前記外周面51に連なる円弧状の
側部傾斜面58a,58bが、それぞれ形成される。各
側部傾斜面58a,58bの丸みR1は、0.5〜1.
0mm程度に選ばれる。この角部57a,57bは、各
フランジ部分42a,42bの上面から第2の間隔ΔL
2をあけて離間している。
【0023】図3は、キー28の側面図であり、図4は
キー28の平面図であり、図5はキー28を図3の右側
から見た正面図である。前記嵌合部29は、取付部33
よりもシフト駆動部材24の軸線23方向、すなわち図
3および図4の左右方向にそれぞれ突出する第1および
第2突部61,62が形成される。各突部61,62の
うちシフト駆動部材24の軸線23に沿う中間ロール寄
りの部分である第1突部61は、取付部33に関して前
記中間ロールと反対側の部分である第2突部62に比べ
てシフト駆動部材24の軸線23に垂直な方向、すなわ
ち図3の上下方向となる高さ方向に長く延びた補強部6
3を有する。
【0024】このような第1突部61の高さH3は、た
とえば27mmに選ばれ、厚みT2は16mmに選ばれ
る。また第2突部62の高さH4は、たとえば12mm
に選ばれ、厚みT3は14mmに選ばれる。このような
第1および第2突部61,62が形成される嵌合部29
の厚みT4は60mmに選ばれ、取付部33の厚みT5
は30mmに選ばれる。また嵌合部29の幅W2は、取
付部33の幅W3よりも狭く形成されており、この嵌合
部29の強度を向上するために、その母材36において
凸状部分37の入隅部64a,64bが円弧状に肉盛さ
れて形成される。
【0025】前記取付部33には、各ボルト26,27
が挿通するボルト挿通孔65,66が取付部33の長手
方向すなわちキー28の高さ方向に間隔をあけて形成さ
れ、各ボルト挿通孔65,66間にはねじ孔67が形成
される。このねじ孔67には、図1に示されるようにキ
ー取外し用ボルト68が螺着される。このようなキー取
外し用ボルト68を締付けることによって、ハウジング
22の壁面69に圧着した状態になっているキー28を
容易に取外し、効率よく新たなキーに交換することがで
きる。前記嵌合部29のキー溝25に沿う長手方向両端
部の第1および第2突部61,62には、先細状に傾斜
した端部傾斜面70a,70b;71a,71bがそれ
ぞれ形成される。これらの端部傾斜面70a,70b;
71a,71bは、キー28の高さ方向にそれぞれ平行
に延びるいわゆる面取がなされている。
【0026】図6は、センジミア冷間圧延機81にロー
ルシフト装置21が連結された状態を示す断面図であ
り、図7はセンジミア冷間圧延機81の各ロールの配置
構造を示す系統図である。代表的な多段レバース式クラ
スタ型冷間圧延機である20段センジミア冷間圧延機8
1は、圧延機本体82、圧延機本体82の通板方向D1
またはD2の上流側および下流側にそれぞれ配置され、
被圧延材である金属帯83が巻回されるリール84,8
5、および一対のデフレクタロール86,87などを含
む。金属帯83は、普通鋼帯、特殊鋼帯およびステンレ
ス鋼帯を主たる冷間圧延材とし、特に厚さ0.5mm以
下でかつ0.2mm以上の薄物と呼ばれるステンレス鋼
帯を冷間圧延対象とする。
【0027】前記圧延機本体82は、金属帯83に当接
する上下一対の小径ワークロール88a,88bと、各
ワークロール88a,88bを支持する上下各2本の第
1中間ロール89a,89b,89c,89dと、各第
1中間ロール89a〜89dを支持する上下各3本の第
2中間ロール90a〜90fと、各第2中間ロール90
a〜90fをそれぞれ支持する上下各4本のバックアッ
プロール91a〜91hとを備える。これらの各ワーク
ロール88a,88b、第1中間ロール89a〜89
d、第2中間ロール90a〜90fおよびバックアップ
ロール91a〜91hは、ミルハウジング92内に設け
られ、バックアップロール91a〜91hのクラウン変
化による第2中間ロール90a〜90fへの接触圧、お
よび第1中間ロール89a〜89dの軸線方向のシフト
量を、前記第1中間ロール89a〜89dによって支持
される各ワークロール88a,88b間への金属帯83
の通板前または通板後もしくは通板前および通板後の形
状に基づいて、目標形状となるように各ワークロール8
8a,88bによる金属帯83への圧延荷重を制御する
ように構成される。
【0028】前記センジミア冷間圧延機81の一側方に
は、ロールシフト装置21が設けられる。このロールシ
フト装置21は、固定位置であるたとえば第2中間ロー
ル90a〜90fのうち通板方向D1,D2の両方側に
配置される駆動ロールである第2中間ロール90a,9
0c,90d,90fを回転駆動するための減速機93
の側壁94に固定される。ロールシフト装置21は、基
本的に、上下各1本の前記シフト駆動部材24a,24
bを備えるシフト装置本体95と、各シフト駆動部材2
4a,24bに回転力を伝達する駆動手段96と、上下
各2本の連結部材97a〜97dと、各連結部材97a
〜97dの長手方向一端部と各シフト駆動部材24a,
24bとを連結する自在継手98a,98bと、各連結
部材97a〜97dの長手方向他端部と各第1中間ロー
ル89a〜89dのロールシフト装置21側に配置され
る軸線方向一端部とをそれぞれ回転自在に連結する軸継
手99a〜99dと、少なくともシフト装置本体95、
各連結部材97a〜97d、および自在継手98a,9
8bが収納されるハウジング100とを含む。このよう
なロールシフト装置21によって、上下各2本の第1中
間ロール89a〜89dは上2本と下2本とが交互に、
たとえば200mmのストロークを2mm/秒でシフト
駆動される。
【0029】図8は、シフト装置本体95の内部構造を
示す拡大断面図であり、図9は図8の右側から見たシフ
ト装置本体95の正面図である。前記シフト装置本体9
5は、ケーシング103と、ケーシング103内にラジ
アル軸受104a,104b;105a,105bおよ
びスラスト軸受106a,106b;107a,107
bを介して回転自在に軸支され、内周面に内ねじ108
a,108bがそれぞれ刻設されるナット109a,1
09bと、各ナット109a,109bに螺合する前記
シフト駆動部材24a,24bと、ケーシング103の
前記圧延機本体82側の一側部に固定され、前記軸受メ
タル31a,31bおよび各キー28a,28bがそれ
ぞれ装着される端板110a,110bと、各ナット1
09a,109bの前記端板110a,110bが設け
られる側とは反対側の各一端部にそれぞれ固定されるス
プロケットホイル111a,111bとを含む。
【0030】各スプロケットホイル111a,111b
には、前記駆動手段96から延びるチェーン112a,
112bがそれぞれ巻かけられて張架され、これらのチ
ェーン112a,112bによって付与された回転力
は、各スプロケットホイル111a,111bを介して
各ナット109a,109bに伝達され、各シフト駆動
部材24a,24bが各キー28a,28bによって回
り止めされた状態で軸線方向に往復変位駆動される。な
お、各シフト駆動部材24a,24bの周囲には、4本
の第2中間ロール90a,90c,90d,90fを回
転駆動するための駆動軸119a〜119dが設けられ
る。
【0031】図10は、駆動手段96の構成を説明する
ための系統図である。先ず、上方に配置されるシフト駆
動部材24aを駆動するための構成について説明する。
油圧モータ113aからの回転トルクは、トルクリミッ
タ114aによって設定値であるたとえば6.4kg・
mに制限され、減速機115aによってたとえば533
rpmから26.7rpm程度の回転数に減速される。
この減速機115aの出力軸116aには、スプロケッ
トホイル117aが固定され、スプロケットホイル11
7aには前記チェーン112aが巻掛けられ、前記ナッ
ト109aに固定されるスプロケットホイル111aに
回転力が伝達され、これによってナット109aが軸線
まわりに矢符G1,G2で示される双方向に1ストロー
ク毎に反転しながら回転駆動されて、前記シフト駆動部
材24aを矢符F1,F2方向に往復変位駆動すること
ができる。
【0032】また、もう一方の下方のナット109b
は、上述の上方のナット109aと同様な構成によっ
て、油圧モータ113bから逆向きに回転力が伝達され
て前記上方のナット109aに対して逆方向に交互に回
転方向を反転させながら双方向H1,H2に回転駆動さ
れ、対応する部分には同一の参照符に添字bを付す。各
ナット109a,109bの内周面に形成される前記内
ねじ108a,108bは、ねじの進行方向が同一であ
る。このようにして、駆動手段96によって各スプロケ
ットホイル111a,111bおよび各ナット109
a,109bが同時に逆方向にかつ回転方向を交互に反
転しながら回転駆動される。
【0033】図11は、シフト駆動部材24aを示す斜
視図である。前記シフト駆動部材24は、大略的に直円
柱状の軸121と、軸121の軸線方向一端部に一体的
に形成される連結ヘッド122とを有する。軸121
は、軸線方向他端部寄りに、前記ナット109aの内ね
じ108aに螺合する外ねじ123が刻設されるねじ部
124と、前記連結ヘッド122に連なり、前記キー溝
25aが連結ヘッド122からねじ部124に向かって
一直線状に形成される案内部125と、ねじ部124お
よび案内部125に同軸に連なり、内ねじ108aとの
接触を避けるためにねじ部124および案内部125よ
りも小径に形成される小径部126とを有する。
【0034】前記キー溝25aは、案内部125から連
結ヘッド122にいわば組込んで形成されているので、
シフト駆動部材24aが第1中間ロール89a、89b
から離反する方向F2に変位しても、キー28aの第1
突部61が連結ヘッド122に衝突することが防がれ
る。このように従来のシフト駆動部材の構成を大きく変
更することなしに、たとえば200mm程度の広い範囲
でシフトさせることが可能となる。もう一方の下方に配
置されるシフト駆動部材24bは、上述の上方に配置さ
れるシフト駆動部材24aと同様に構成される。
【0035】このようなシフト駆動部材24a,24b
の連結ヘッド122は、前記自在継手98a,98bに
よって上方および下方でそれぞれ対を成す各連結部材9
7a〜97dに連結される。
【0036】図12は、上方に配置される自在継手98
aを部分的に切欠いて示す平面図である。シフト駆動部
材24aの連結ヘッド122に形成されるピン孔128
には、水平ピン129が挿通され、水平ピン129の軸
線方向両端部は一対の連結ブロック130a,130b
のピン孔131a,131bにそれぞれ挿通され、ワッ
シャ132a,132bおよびナット133a,133
bによって抜止めされる。各連結ブロック130a,1
30bは、連結部材97a,97bの各端部134a,
134bが嵌まり込むU字状の嵌合部135a,135
bを有し、各嵌合部135a,135bには鉛直ピン1
36a,136bがそれぞれ挿通するピン孔137a,
137bに各嵌合部135a,135bの上下2カ所に
それぞれ形成される。
【0037】各連結部材97a,97bの各端部134
a,134bにはピン孔138a,138bが形成さ
れ、嵌合部135a,135bに端部134a,134
bがそれぞれ嵌まり込んだ状態で、上下に連通する各ピ
ン孔137a,137b;138a,138bに前記鉛
直ピン136a,136bがそれぞれ挿通されて、各連
結部材97a,97bがシフト駆動部材24aに水平お
よび鉛直軸線まわりに角変位自在に連結される。
【0038】このような自在継手98aは、もう一方の
下方に配置される自在継手98bと同様に構成される。
これらの自在継手98a,98bによって各シフト駆動
部材24a,24bと各第1中間ロール89a〜89d
とを連結することによって、各ワークロール88a,8
8b間に通板される金属帯83の厚みの変化あるいは圧
延荷重の変動によって、各ワークロール88a,88b
の上下方向および水平方向の変位ならびにクラウン変化
などが生じて第1中間ロール89a〜89dが変位して
も、その変位がシフト駆動部材24a,24bに伝達さ
れることが防がれる。
【0039】図13は、軸継手99aの構成を示す拡大
断面図である。軸継手99aは、連結部材97aの他端
部141が嵌まり込む嵌合部凹所142を有する支持部
材143と、この支持部材143に同軸に連結され内周
部には環状の突条144が一体的に形成されるスリーブ
145とを有する。支持部材143は、前記スリーブ1
45の軸線方向一端部が嵌まり込む基部146と、基部
146に一体的に形成され軸直角断面が略U字状の顎状
部147とを有し、この顎状部147内に前記凹所14
2が形成される。顎状部147には、前記他端部141
に挿通されるロックピン148の頭部149が嵌まり込
む透孔150が形成され、他端部141と支持部材14
3とが着脱自在に連結される。
【0040】前記スリーブ145内において、突条14
4の両側には一対のスラスト軸受151,152がそれ
ぞれ設けられ、各スラスト軸受151,152の両側に
は環状のスペーサ153,154がそれぞれ設けられ、
さらに各スペーサ153,154の両側にはラジアル軸
受155,156が設けられる。第1中間ロール89a
の端部には、複数のボルト158によって挿入軸159
が同軸に固定され、この挿入軸159の直円柱状の挿入
部160に前記スラスト軸受151,152、スペーサ
153,154およびラジアル軸受155,156が装
着される。
【0041】挿入部160の軸線方向一端部には、小径
部161とねじ部162とが形成され、ねじ部162に
は固定ナット163が螺着される。この固定ナット16
3を締付けることによって、小径部161に装着された
スラスト玉軸受164および押し輪165を介して、前
記突条144によって支持されるスラスト軸受151、
スペーサ153およびラジアル軸受155の内輪166
が挟圧される。挿入部160の軸線方向他端部には、大
径部167と端板168とが形成され、端板168は前
記複数のボルト158によって第1中間ロール9aに固
定される。大径部167の前記挿入部160に連なる端
部には環状の支持面169が形成される。前記突条14
4は、前記固定ナット163の締付け力を受けて、もう
一方のスラスト軸受152、押し輪165、ラジアル軸
受156の内輪170が挟圧される。このようにスラス
ト軸受151,152、スペーサ153,154、ラジ
アル軸受155,156およびスラスト玉軸受164が
収納されるスリーブ145内には、連結部材97a内に
形成される油路171からたとえばスピンドル油などの
潤滑剤が供給される。
【0042】このような構成を有する軸継手99aによ
って、第1中間ロール89a,89bと前記連結部材9
7a,97bを介するシフト駆動部材24aとを下方の
第1中間ロール89c〜89dに対してシフト方向を逆
にして正確なシフト量で変位させることができる。
【0043】次に、動作について説明する。以上のよう
な構成を有するロールシフト装置21によって金属帯8
3を各ワークロール88a,88b間に通板して冷間圧
延が開始されると、第1中間ロール89a,89bは図
14(1)に示される退避位置から図14(2)に示さ
れる前進位置に移動し、また下方の第1中間ロール89
c,89dは図14(1)に示される前進位置から図1
4(2)に示される退避位置に変位する。このときの各
第1中間ロール89a〜89dのシフト量は200mm
である。したがって各ワークロール88a,88b間の
金属帯83の幅方向両端部83a,83bは、各第1中
間ロール89a〜89dによる各ワークロール88a,
88bの軸線方向両端部の接触圧の加圧解放が交互に繰
返されることによって圧延荷重が増減し、各第1中間ロ
ール89a〜89dのシフト速度、シフト量、圧延速
度、および圧延荷重を、金属帯83の形状が目標形状と
なるように制御することによって、各バックアップロー
ル91a〜91hのクラウン変化による圧延荷重の幅方
向分布の制御だけによる場合に比べて金属帯83の形状
制御効果を大とすることができる。
【0044】図15は、圧延速度とシフト速度との関係
を圧延荷重P1〜P4毎に示すグラフである。ラインP
1は圧延荷重が220ton、ラインP2は514to
n、ラインP3は834ton、ラインP4は1088
tonで冷間圧延を行ったときの圧延速度とシフト速度
との関係をそれぞれ示す。これらのラインP1〜P4に
よれば、金属帯83が代表的なステンレス薄物と呼ばれ
る0.5mm厚以下の金属帯である場合、代表的な形状
不良である耳伸びおよび腹伸びを効果的に修正し得るこ
とが本件発明者によって確認されている。この耳伸びと
は、金属帯83の幅方向両端部83a,83bから内側
に約250mm前後の範囲にしわが生じることであり、
このようなしわは、次工程である光輝焼鈍工程で光輝焼
鈍を行っても、修正不可能となるからである。したがっ
て冷間圧延時に次工程で要求される形状を得ることがで
きるように金属帯83の形状、特に高度の平坦度を達成
しなければならず、このような形状修正が本発明に従う
ロールシフト装置21によって圧延中に連続的に中間ロ
ールをシフトさせて確実に達成することが可能となる。
【0045】以上の実施例では、シフト駆動部材24
a,24bのキー溝25a,25bに臨む角部57a,
57bに円弧状の側部傾斜面58a,58bを形成する
ようにしたけれども、本発明の他の実施例として、キー
溝25a,25bを挟んで対向する内面54a,54b
から相互に離反する方向に傾斜する平坦な側部傾斜面を
形成するようにしてもよい。
【0046】上述の実施例では、冷間圧延機として単基
レバース式20段センジミア型冷間圧延機について説明
したけれども、その他の冷間圧延機、たとえばタンデム
式20段クラスタ型冷間圧延機に対しても本発明を好適
に実施することができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、シフト駆動部材のキー
溝に嵌まり込むキーの嵌合部の外周面は、前記キー溝の
内周面よりも摩耗しやすい材料によって形成されるの
で、前記キー溝内周面の摩耗が防がれ、キーだけを容易
にかつ短時間で交換することができ、冷間圧延設備の稼
働停止時間が短縮されて生産性を向上することができ
る。
【0048】また本発明に従えば、前記キーの嵌合部
は、シフト駆動部材の軸線方向に前後に突出して形成さ
れるので、キー溝内周面と嵌合部の外周面との接触面積
を大きくすることができ、これによって前記摩耗しやす
い材料から成る嵌合部の外周面の損耗量を可及的に少な
くして、キーの交換回数を低減することができる。
【0049】さらに本発明によれば、キーの嵌合部のシ
フト駆動部材の軸線方向に沿う中間ロール寄りの部分
は、取付部に関して中間ロールと反対側の部分に比べ
て、前記軸線に垂直な方向に長く形成されるので、前記
取付部に関して中間ロールと反対側の部分よりも大きな
荷重を受ける前記中間ロール寄りの部分を補強すること
ができ、これによって前記中間ロール寄りの部分の変形
や損傷を防ぐことができる。
【0050】さらに本発明によれば、前記摩耗しやすい
材料は、アルミニウム合金またはリン青銅から成るの
で、キーの嵌合部がシフト駆動部材のキー溝内周面によ
って大きな力で押圧されても、前記摩耗しやすい材料が
容易に割れや亀裂が発生せず、嵌合部の外周面の損傷が
防がれて、かつキー溝内でキー溝内周面に摺接させるこ
とができる。しかもこれらのアルミニウム合金またはリ
ン青銅は安価であり、キーの交換に要するコストが高価
にならず、経済性を向上することができる。
【0051】さらに本発明によれば、シフト駆動部材の
キー溝の開口端部には側部傾斜面が形成されるので、冷
間圧延時に前記開口端部に大きな荷重が作用することを
回避することができる。これによって過大な力で嵌合部
の外周面が損耗してしまうことが防がれる。
【0052】さらに本発明によれば、キーの嵌合部の長
手方向両端部には先細状に傾斜した端部傾斜面が形成さ
れるので、冷間圧延時の通板方向の押圧力によって前記
長手方向両端部が過大に損耗してしまうことが防がれ
る。
【0053】さらに本発明によれば、外周面がキー溝内
周面よりも摩耗しやすい材料から成り、かつ取付部の隅
方向両側面から突出する嵌合部を有し、前記取付部には
複数のボルト挿通孔が形成されるので、このキーをたと
えば冷間圧延機の第1中間ロールを軸線方向にシフトさ
せるためのシフト駆動部材を案内するために用いること
によって、シフト駆動部材の前記キー溝内周面の摩耗に
よる交換回数を少なくし、キーだけを交換することによ
って長期にわたって冷間圧延を行うことができ、前記シ
フト駆動部材の交換する場合に比べて圧延の停止時間を
少なくして生産性を向上することができる。また高価な
シフト駆動部材を購入する必要がなくなり、経済性を向
上することができる。
【0054】さらに本発明によれば、前記キーの嵌合部
の一端部はキー溝の深さに等しく形成され、また前記嵌
合部の一端部はキー溝の深さよりも大きく形成されるの
で、前記他端部の強度を大きくして、金属帯の通板など
による水平方向の強度を大きくして、金属帯の通板など
による水平方向の押圧力に対して大きな強度で抗するこ
とができ、またこれによってキー溝が形成される方向に
沿って円滑に案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のロールシフト装置21の一
部の断面図である。
【図2】図1の切断面線II−IIから見た拡大断面図
である。
【図3】キー28を示す側面図である。
【図4】図3の上方から見たキー28の平面図である。
【図5】図3の右側から見たキー28の正面図である。
【図6】ロールシフト装置21およびこのロールシフト
装置21によってシフト駆動されるセンジミア冷間圧延
機81を簡略化した断面図である。
【図7】図6に示されるセンジミア冷間圧延機81の各
ロールの配置状態を示す簡略化した系統図である。
【図8】ロールシフト装置21の具体的な構成を示す拡
大断面図である。
【図9】図8の右側から見たロールシフト装置21の正
面図である。
【図10】ロールシフト装置21の各シフト駆動部材2
4a,24bをシフト駆動するための系統図である。
【図11】シフト駆動部材24aを示す斜視図である。
【図12】シフト駆動部材24aと各第1中間ロール9
7a,97bとを連結するための自在継手98aを示す
一部を切欠いた平面図である。
【図13】軸継手99aの内部構成を示す拡大断面図で
ある。
【図14】第1中間ロール89a,89bのシフト動作
を説明するための図であり、図14(1)は上方の第1
中間ロール89aが退避位置にあり、下方の第1中間ロ
ール89cが前進位置に配置された状態を示す図であ
り、図14(2)は上方部の第1中間ロール89aが前
進位置にあり、下方の第1中間ロール89cが退避位置
に配置された状態を示す図である。
【図15】各圧延荷重P1,P2,P3,P4における
圧延速度とシフト速度との関係を示すグラフである。
【図16】典型的な先行技術のロールシフト装置2の構
成を示す一部の拡大断面図である。
【図17】図16の切断面線B−Bから見た断面図であ
る。
【符号の説明】
21 ロールシフト装置 22 ハウジング 23a,23b 軸線 24a,24b シフト駆動部材 25a,25b キー溝 26,27 ボルト 28a,28b キー 29 嵌合部 51 外周面 55 内周面 58 側部傾斜面 61 第1突部 62 第2突部 63 補強部 65,66 ボルト挿通孔 70a,70b,71a,71b 端部傾斜面 81 センジミア冷間圧延機 82 圧延機本体 83 金属帯 88a,88b ワークロール 89a〜89d 第1中間ロール 90a〜90f 第2中間ロール 91a〜91h バックアップロール 93 シフト装置本体 96 駆動手段 97a〜97d 連結部材 98a,98b 自在継手 99a〜99d 軸継手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−87911(JP,A) 特開 平2−284718(JP,A) 特開 平7−60319(JP,A) 特開 平6−271960(JP,A) 実開 昭58−128701(JP,U) 実開 平7−9502(JP,U) 実開 平6−15803(JP,U) 実開 昭63−174906(JP,U) 実開 平3−111404(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 31/18 B21B 13/14

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷間圧延機に設けられ、軸線方向にシフ
    ト可能な中間ロールの軸線方向一端部と、固定位置に設
    けられるシフト装置のシフト駆動部材とが、相互に回転
    自在にかつ中間ロールのシフト方向の力を伝達可能な軸
    継手を介して連結され、シフト駆動部材には、その軸線
    に沿うキー溝が形成され、ハウジングには前記キー溝に
    嵌まり込むキーが着脱交換可能に設けられる冷間圧延設
    備のロールシフト装置において、 前記キーは、キー溝に嵌まり込む嵌合部の少なくともキ
    ー溝内周面に接触する外周面がシフト駆動部材のキー溝
    内周面よりも摩耗しやすい材料から成ることを特徴とす
    る冷間圧延設備のロールシフト装置。
  2. 【請求項2】 前記キーの嵌合部は、この嵌合部に連な
    りかつハウジングに着脱交換可能に固定される取付部よ
    りもシフト駆動部材の軸線方向に前後に突出して形成さ
    れることを特徴とする請求項1記載の冷間圧延設備のロ
    ールシフト装置。
  3. 【請求項3】 前記キーの嵌合部のシフト駆動部材の軸
    線方向に沿う中間ロール寄りの部分は、前記取付部に関
    して中間ロールと反対側の部分に比べて、シフト駆動部
    材の軸線に垂直な方向に長く延びて形成されることを特
    徴とする請求項2記載の冷間圧延設備のロールシフト装
    置。
  4. 【請求項4】 前記摩耗しやすい材料は、シフト駆動部
    材よりも低硬度のアルミニウム合金またはリン青銅から
    成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    冷間圧延設備のロールシフト装置。
  5. 【請求項5】 シフト駆動部材のキー溝に臨む開口端部
    には、キー溝から外側方に拡がる側部傾斜面が形成され
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷
    間圧延設備のロールシフト装置。
  6. 【請求項6】 前記キーの嵌合部のキー溝に沿う長手方
    向両端部には、先細状に傾斜した端部傾斜面が形成され
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の冷
    間圧延設備のロールシフト装置。
  7. 【請求項7】 キー溝に嵌合する嵌合部と、この嵌合部
    に連なる取付部とから成り、嵌合部は取付部の厚み方向
    両側面から突出し、かつ取付部の前記キー溝の延びる方
    向に垂直な方向に沿う幅よりも嵌合部の幅が狭く形成さ
    れ、嵌合部の外周面はキー溝の内周面よりも磨耗しやす
    い材料から成り、取付部には長手方向に間隔をあけて複
    数のボルト挿通孔が形成されることを特徴とする圧延設
    備のロールシフトのために用いられるキー。
  8. 【請求項8】 嵌合部のキー溝の延びる方向に沿う一端
    部は、前記取付部の長手方向に沿う高さがキー溝の深さ
    にほぼ等しく形成され、この嵌合部の前記キー溝の延び
    る方向に沿う他端部は、前記取付部の長手方向に沿う高
    さが前記キー溝の深さよりも大きく形成されることを特
    徴とする請求項7記載の圧延設備のロールシフトのため
    に用いられるキー。
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