JP3534055B2 - 高温・高圧状態の試料を測定可能とする流通型試料保持装置 - Google Patents
高温・高圧状態の試料を測定可能とする流通型試料保持装置Info
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- JP3534055B2 JP3534055B2 JP2000260937A JP2000260937A JP3534055B2 JP 3534055 B2 JP3534055 B2 JP 3534055B2 JP 2000260937 A JP2000260937 A JP 2000260937A JP 2000260937 A JP2000260937 A JP 2000260937A JP 3534055 B2 JP3534055 B2 JP 3534055B2
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、通常室温条件下で
使用されている可視紫外分光光度計の試料保持室の容積
内に組み込むことが可能な、可視紫外分光光度測定系に
対して完全に熱遮断して被測定試料を高温高圧状態で静
置あるいは流通させながら測定することができる、流通
型小型高温高圧試料保持ユニットに関するものである。
使用されている可視紫外分光光度計の試料保持室の容積
内に組み込むことが可能な、可視紫外分光光度測定系に
対して完全に熱遮断して被測定試料を高温高圧状態で静
置あるいは流通させながら測定することができる、流通
型小型高温高圧試料保持ユニットに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】試料の組成、状態などを紫外から可視光
の領域の光を用いてその吸収スペクトルの吸収強度から
該試料の成分の定量を、またスペクトルの形と吸収極大
の位置から定性（同定）する分光測定装置は良く知られ
ている。また、該分光測定を試料を静置した状態で行う
もの（回分型）および試料を測定系に連続的に供給して
行うもの（流通型）は共に知られている。しかし、前記
いずれの測定系も、試料の保持室や保持装置は、常温
（室温）で測定することを想定しており、付属品をあま
り必要としないのでスペース的に小さい。従って、高温
加熱した試料を従来の室温可視紫外分光光度計で測定し
ようとすると試料の熱が分光光度計の光学系や検出系に
流れ、光学系を構成する部品などに局部的加熱による歪
み（光軸のずれ、光路長の変化など）を発生させ、その
結果、測定値の信頼性を低下させてしまうという不都合
があった。
の領域の光を用いてその吸収スペクトルの吸収強度から
該試料の成分の定量を、またスペクトルの形と吸収極大
の位置から定性（同定）する分光測定装置は良く知られ
ている。また、該分光測定を試料を静置した状態で行う
もの（回分型）および試料を測定系に連続的に供給して
行うもの（流通型）は共に知られている。しかし、前記
いずれの測定系も、試料の保持室や保持装置は、常温
（室温）で測定することを想定しており、付属品をあま
り必要としないのでスペース的に小さい。従って、高温
加熱した試料を従来の室温可視紫外分光光度計で測定し
ようとすると試料の熱が分光光度計の光学系や検出系に
流れ、光学系を構成する部品などに局部的加熱による歪
み（光軸のずれ、光路長の変化など）を発生させ、その
結果、測定値の信頼性を低下させてしまうという不都合
があった。
【０００３】該熱の流れを防止するために断熱材を入れ
ても、例えば水の超臨界状態のような高温条件で長時間
にわたり試料を測定する場合には、十分な断熱効果を得
ることは到底できないというのが現状である。従って、
前記超臨界水のような条件で試料を測定しようとする時
は、光学系などに熱の伝達のないように、試料からの熱
の影響を取り除くのに充分な空間、特に測定可視紫外光
学系に影響を与えないように暗室とした空間に試料保持
室が配置されるようにすると共に、光学系などもそれに
あうように特別に設置することが必要であった。このよ
うに、超臨界水など高温の試料を分光測定する系は、装
置が複雑になるだけでなく、非常に大きな空間を必要と
するという不都合がある。特に、試料を連続的に測定す
る流通法（フローインジェクション法）は、いろいろな
装置の連続化と共にますます発展してきており、分光測
定系においても高温（高圧）試料を測定できる、特に市
販の室温用可視紫外分光光度計にセット可能な小型で簡
易な流通型測定ユニットが望まれている。
ても、例えば水の超臨界状態のような高温条件で長時間
にわたり試料を測定する場合には、十分な断熱効果を得
ることは到底できないというのが現状である。従って、
前記超臨界水のような条件で試料を測定しようとする時
は、光学系などに熱の伝達のないように、試料からの熱
の影響を取り除くのに充分な空間、特に測定可視紫外光
学系に影響を与えないように暗室とした空間に試料保持
室が配置されるようにすると共に、光学系などもそれに
あうように特別に設置することが必要であった。このよ
うに、超臨界水など高温の試料を分光測定する系は、装
置が複雑になるだけでなく、非常に大きな空間を必要と
するという不都合がある。特に、試料を連続的に測定す
る流通法（フローインジェクション法）は、いろいろな
装置の連続化と共にますます発展してきており、分光測
定系においても高温（高圧）試料を測定できる、特に市
販の室温用可視紫外分光光度計にセット可能な小型で簡
易な流通型測定ユニットが望まれている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高温
高圧試料を可視紫外分光測定する際の問題点をなくし、
かつ市販の室温用可視紫外分光光度計の試料保持室にセ
ット可能で、超臨界水のような高温高圧試料を流通法に
より測定できる小型の分光測定用試料保持ユニットを提
供することにある。そこで、本発明者は、被測定試料を
所望温度に保持する加熱手段を持ちながら、市販の室温
用可視紫外分光光度計の光学系などに熱を伝達しない小
型高温流通試料測定用ユニットをどうしたら実現できる
か鋭意検討した。その中で、被測定試料を超臨界水のよ
うな高温高圧条件で保持することが可能な加熱手段を持
つ高温高圧試料セルを配設し、かつ高温高圧試料セル全
体を流通液冷型熱遮断ジャケット、例えば水が流通する
ジャケットを持つ箱体内に配設することにより、高温高
圧試料セル内を所望の高温条件に保ちつつ、外部に該加
熱手段による熱を伝達することのないユニットを設計す
ることができることを確認し、前記本発明の課題を解決
した。
高圧試料を可視紫外分光測定する際の問題点をなくし、
かつ市販の室温用可視紫外分光光度計の試料保持室にセ
ット可能で、超臨界水のような高温高圧試料を流通法に
より測定できる小型の分光測定用試料保持ユニットを提
供することにある。そこで、本発明者は、被測定試料を
所望温度に保持する加熱手段を持ちながら、市販の室温
用可視紫外分光光度計の光学系などに熱を伝達しない小
型高温流通試料測定用ユニットをどうしたら実現できる
か鋭意検討した。その中で、被測定試料を超臨界水のよ
うな高温高圧条件で保持することが可能な加熱手段を持
つ高温高圧試料セルを配設し、かつ高温高圧試料セル全
体を流通液冷型熱遮断ジャケット、例えば水が流通する
ジャケットを持つ箱体内に配設することにより、高温高
圧試料セル内を所望の高温条件に保ちつつ、外部に該加
熱手段による熱を伝達することのないユニットを設計す
ることができることを確認し、前記本発明の課題を解決
した。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、高温高圧試料
セル(R)が室温可視紫外分光光度計(SM)の試料セルの可
視紫外光学系(15,16,17 あるいは15',16',17')および可
視紫外検出系（15',16',17'あるいは15,16,17）に光学
的に接続する窓（9,9'）および高温高圧試料流通のため
の被測定試料注入管（19）および試料排出管（20）を高
温耐圧容器(14)に設けられた装着部に装着するための貫
通口（10,26）が設けられた高温高圧試料セルの加熱部
材（39）および流通液冷型熱遮断ジャケット(B)内に配
置され、前記室温可視紫外分光光度計(SM)の暗室空間の
試料保持室配置空間に配置可能な小型高温流通試料測定
用ユニットである。好ましくは、加熱部材（39）が電気
的加熱手段を有するものであることを特徴とする前記小
型高温流通試料測定用ユニットであり、より好ましく
は、流通液冷型熱遮断ジャケット(B)の本体 (JB) およ
び蓋( L) は、冷却液体が蛇行して流通する様に画定さ
れていることを特徴とする前記各小型高温流通試料測定
用ユニットである。
セル(R)が室温可視紫外分光光度計(SM)の試料セルの可
視紫外光学系(15,16,17 あるいは15',16',17')および可
視紫外検出系（15',16',17'あるいは15,16,17）に光学
的に接続する窓（9,9'）および高温高圧試料流通のため
の被測定試料注入管（19）および試料排出管（20）を高
温耐圧容器(14)に設けられた装着部に装着するための貫
通口（10,26）が設けられた高温高圧試料セルの加熱部
材（39）および流通液冷型熱遮断ジャケット(B)内に配
置され、前記室温可視紫外分光光度計(SM)の暗室空間の
試料保持室配置空間に配置可能な小型高温流通試料測定
用ユニットである。好ましくは、加熱部材（39）が電気
的加熱手段を有するものであることを特徴とする前記小
型高温流通試料測定用ユニットであり、より好ましく
は、流通液冷型熱遮断ジャケット(B)の本体 (JB) およ
び蓋( L) は、冷却液体が蛇行して流通する様に画定さ
れていることを特徴とする前記各小型高温流通試料測定
用ユニットである。
【０００６】
【本発明の実施の態様】本発明を図面を参照してより詳
細に説明する。 Ａ．図１は、本発明の重要な部分をなす熱遮断を確実に
する構成を示すものである。ＪＢは流通液冷型熱遮断ジ
ャケット(B)を構成するジャケット本体であり、その一
部分を切り欠いて示しており、Ｌは、流通液冷型熱遮断
ジャケット(B)を構成するジャケット蓋の分解図であ
る。該ジャケット本体ＪＢ内には蛇行する流路を画定す
るＵ字型仕切板(8)が配置されている。 5、5'、5''は該
ジャケットの外側を形成する液冷ジャケット本体外壁の
側板、上板、底板であり、6、6'はジャケットの内側を
形成する液冷本体内壁の側板、底板であり、これらの外
壁と内壁の間の空間に冷却液体を流通させる流路がＵ字
型仕切板(8)を用いて形成される。該ジャケットの蓋Ｌ
にも冷却液体を流通蛇行させる流路が作られている。流
通冷却液体は前後、左右および底部のジャケット本体Ｊ
Ｂに液体注入口（1）から流入され、流出口（2）から排
出される。更に該ジャケット蓋Ｌにおいては、液体注入
口(3または4)から流入され、流出口(4または3)から流出
される。流通液冷型熱遮断ジャケット(B)の一方の対向
する側壁には市販の室温可視紫外分光光度計の光学系お
よび検出系に光学的に結合させる窓（9,9'）（38,38'は
熱遮断石英板、13,13'熱遮断石英板ホルダーである）が
設けられている。 流通液冷型熱遮断ジャケット(B)内に
は、図３および図４に説明されている加熱部材（電気炉
39）、および該加熱部材内に配置された図２に説明され
る高温高圧試料セル（Ｒ）が一体として配置され（図
３，４参照）、固定部材（37）、例えば金属ベルトで固
定され、次いで、冷却液体が蛇行するジャケット本体Ｊ
Ｂにジャケットの蓋Ｌを固定することにより、本発明の
小型高温流通試料測定用ユニットの主たる構造が組み立
てられる。流通液冷型熱遮断ジャケット(B)を形成して
いるジャケット本体ＪＢの底部およびジャケット蓋Ｌに
は、それぞれ被測定試料注入および排出管（19,20）を
加熱部材（39）を貫通して高温高圧試料セル（Ｒ）の高
温耐圧容器（14）に装着するための貫通口（26,10）が
設けられている。
細に説明する。 Ａ．図１は、本発明の重要な部分をなす熱遮断を確実に
する構成を示すものである。ＪＢは流通液冷型熱遮断ジ
ャケット(B)を構成するジャケット本体であり、その一
部分を切り欠いて示しており、Ｌは、流通液冷型熱遮断
ジャケット(B)を構成するジャケット蓋の分解図であ
る。該ジャケット本体ＪＢ内には蛇行する流路を画定す
るＵ字型仕切板(8)が配置されている。 5、5'、5''は該
ジャケットの外側を形成する液冷ジャケット本体外壁の
側板、上板、底板であり、6、6'はジャケットの内側を
形成する液冷本体内壁の側板、底板であり、これらの外
壁と内壁の間の空間に冷却液体を流通させる流路がＵ字
型仕切板(8)を用いて形成される。該ジャケットの蓋Ｌ
にも冷却液体を流通蛇行させる流路が作られている。流
通冷却液体は前後、左右および底部のジャケット本体Ｊ
Ｂに液体注入口（1）から流入され、流出口（2）から排
出される。更に該ジャケット蓋Ｌにおいては、液体注入
口(3または4)から流入され、流出口(4または3)から流出
される。流通液冷型熱遮断ジャケット(B)の一方の対向
する側壁には市販の室温可視紫外分光光度計の光学系お
よび検出系に光学的に結合させる窓（9,9'）（38,38'は
熱遮断石英板、13,13'熱遮断石英板ホルダーである）が
設けられている。 流通液冷型熱遮断ジャケット(B)内に
は、図３および図４に説明されている加熱部材（電気炉
39）、および該加熱部材内に配置された図２に説明され
る高温高圧試料セル（Ｒ）が一体として配置され（図
３，４参照）、固定部材（37）、例えば金属ベルトで固
定され、次いで、冷却液体が蛇行するジャケット本体Ｊ
Ｂにジャケットの蓋Ｌを固定することにより、本発明の
小型高温流通試料測定用ユニットの主たる構造が組み立
てられる。流通液冷型熱遮断ジャケット(B)を形成して
いるジャケット本体ＪＢの底部およびジャケット蓋Ｌに
は、それぞれ被測定試料注入および排出管（19,20）を
加熱部材（39）を貫通して高温高圧試料セル（Ｒ）の高
温耐圧容器（14）に装着するための貫通口（26,10）が
設けられている。
【０００７】Ｂ．図２Ａ，Ｂは、本発明の流通試料セル
を構成する高温高圧試料セル（Ｒ）を説明するものであ
る。図２Ａは該セル（Ｒ）を中心軸を含む垂直面で切断
した断面図であり、図２Ｂは右側面図である。図２Ａ
は、被測定試料注入管（19）および該試料排出管（20）
が装着された状態を説明しており、注入される被測定試
料は、光学窓となる部材（15,15'）、例えばサファイヤ
からなる窓部材（該部材には、更に必要に応じてサファ
イヤ窓キャップ(18,18')がはめられている。）と耐熱耐
圧容器（14）により構成された高温高圧試料室（C）内
に静止（ストップトフローした試料など）または連続流
通して保持され、最終的には排出管（20）から排出され
る。該窓部材は窓プラグ（16,16'）の上に固定され、こ
れらの間で圧力のシールを形成し、該窓プラグは窓押し
ねじ（17,17'）により高温耐圧容器（14）に押し付けて
固定され、圧力の封止がなされている〔15,15'、16,1
6'、17,17'は高温高圧試料セル（R）の光学系を構成す
る〕。耐熱耐圧容器（14）には、高温高圧試料室（C）
内の温度を監視するための温度測定装置、例えば熱電対
を挿入できる孔（21）が設けられている。
を構成する高温高圧試料セル（Ｒ）を説明するものであ
る。図２Ａは該セル（Ｒ）を中心軸を含む垂直面で切断
した断面図であり、図２Ｂは右側面図である。図２Ａ
は、被測定試料注入管（19）および該試料排出管（20）
が装着された状態を説明しており、注入される被測定試
料は、光学窓となる部材（15,15'）、例えばサファイヤ
からなる窓部材（該部材には、更に必要に応じてサファ
イヤ窓キャップ(18,18')がはめられている。）と耐熱耐
圧容器（14）により構成された高温高圧試料室（C）内
に静止（ストップトフローした試料など）または連続流
通して保持され、最終的には排出管（20）から排出され
る。該窓部材は窓プラグ（16,16'）の上に固定され、こ
れらの間で圧力のシールを形成し、該窓プラグは窓押し
ねじ（17,17'）により高温耐圧容器（14）に押し付けて
固定され、圧力の封止がなされている〔15,15'、16,1
6'、17,17'は高温高圧試料セル（R）の光学系を構成す
る〕。耐熱耐圧容器（14）には、高温高圧試料室（C）
内の温度を監視するための温度測定装置、例えば熱電対
を挿入できる孔（21）が設けられている。
【０００８】Ｃ．図３は、本発明の小型高温流通試料測
定用ユニットが市販の室温可視紫外分光光度計の試料保
持室スペース（22、ハッチで囲む部分）に配置され、該
測定用ユニットの高温高圧試料室（C）まで高温高圧状
態、例えば水の超臨界状態を実質的に保持して供給する
熱遮断ジャケット本体ＪＢ壁、および加熱部材（39）を
貫通し前記測定ユニットの耐熱耐圧容器（14）の管装着
部に取付けられる試料注入管（19）が装着された状態の
ものを、高温高圧試料セル（Ｒ、図２参照）の中心軸を
含む垂直面で切断した断面図である。ここで、被測定試
料、例えば超臨界状態（臨界液体には水のほかに多くの
有機液体が含まれる。）で反応する試料、すなわち試薬
供給部（S1,S2）から試料導入管（19）を経て供給され
る試薬を超臨界状態で混合する混合室（30）（混合室加
熱炉(32)を備えている）を経て送られてくる試料は前記
試料注入管（19）により該測定用ユニットの高温高圧試
料セル（Ｒ）内の高温高圧試料室（C）に注入される。
これにより、本発明の小型高温流通試料測定用ユニット
が、市販の室温用可視紫外分光光度計(SM)の試料保持室
（22）スペースに装着されて測定を行う様子が理解でき
るであろう。試料注入管（19）にも、小型高温流通試料
測定用ユニットと同様に、被測定試料を所望の測定温度
に保持し、かつ該試料による熱が外部の光学系、検出系
などに伝達しないように、試料注入管用保温用加熱部材
（25）および試料注入管用流通液冷型熱遮断ジャケット
（23）が配置されている。また、試料排出管（20）にも
試料による熱が外部の光学系、検出系などに伝達しない
ように試料排出管用流通液冷型熱遮断ジャケット（24）
が配置されている。このように、本発明の小型高温流通
試料測定用ユニット、試料注入管（19）および試料排出
管（20）を備えた光学系測定装置を用いれば、市販の室
温用可視紫外分光光度計内に配置された光学系、検出系
などへの熱の伝達が完全に遮断された条件において加熱
された静置試料および流通試料を測定できる。また、前
記完全な熱遮断をしながら、前記光学測定に必要な十分
な光路長を持つ高温高圧試料セル（Ｒ）の設計を可能と
することができた。
定用ユニットが市販の室温可視紫外分光光度計の試料保
持室スペース（22、ハッチで囲む部分）に配置され、該
測定用ユニットの高温高圧試料室（C）まで高温高圧状
態、例えば水の超臨界状態を実質的に保持して供給する
熱遮断ジャケット本体ＪＢ壁、および加熱部材（39）を
貫通し前記測定ユニットの耐熱耐圧容器（14）の管装着
部に取付けられる試料注入管（19）が装着された状態の
ものを、高温高圧試料セル（Ｒ、図２参照）の中心軸を
含む垂直面で切断した断面図である。ここで、被測定試
料、例えば超臨界状態（臨界液体には水のほかに多くの
有機液体が含まれる。）で反応する試料、すなわち試薬
供給部（S1,S2）から試料導入管（19）を経て供給され
る試薬を超臨界状態で混合する混合室（30）（混合室加
熱炉(32)を備えている）を経て送られてくる試料は前記
試料注入管（19）により該測定用ユニットの高温高圧試
料セル（Ｒ）内の高温高圧試料室（C）に注入される。
これにより、本発明の小型高温流通試料測定用ユニット
が、市販の室温用可視紫外分光光度計(SM)の試料保持室
（22）スペースに装着されて測定を行う様子が理解でき
るであろう。試料注入管（19）にも、小型高温流通試料
測定用ユニットと同様に、被測定試料を所望の測定温度
に保持し、かつ該試料による熱が外部の光学系、検出系
などに伝達しないように、試料注入管用保温用加熱部材
（25）および試料注入管用流通液冷型熱遮断ジャケット
（23）が配置されている。また、試料排出管（20）にも
試料による熱が外部の光学系、検出系などに伝達しない
ように試料排出管用流通液冷型熱遮断ジャケット（24）
が配置されている。このように、本発明の小型高温流通
試料測定用ユニット、試料注入管（19）および試料排出
管（20）を備えた光学系測定装置を用いれば、市販の室
温用可視紫外分光光度計内に配置された光学系、検出系
などへの熱の伝達が完全に遮断された条件において加熱
された静置試料および流通試料を測定できる。また、前
記完全な熱遮断をしながら、前記光学測定に必要な十分
な光路長を持つ高温高圧試料セル（Ｒ）の設計を可能と
することができた。
【０００９】Ｄ．図４は、本発明の小型高温流通試料測
定用ユニット（一部流通系を除く）を取り出して説明す
るものである。この図も高温高圧試料セル（Ｒ、図２参
照）の中心軸を含む垂直面で切断した断面図である。こ
こでは加熱部材（39）の構造を、加熱手段としてニクロ
ム線を用いた一具体例によって明確にしている。
定用ユニット（一部流通系を除く）を取り出して説明す
るものである。この図も高温高圧試料セル（Ｒ、図２参
照）の中心軸を含む垂直面で切断した断面図である。こ
こでは加熱部材（39）の構造を、加熱手段としてニクロ
ム線を用いた一具体例によって明確にしている。
【００１０】Ｅ．図５は、流通系である試料注入管（1
9）および試料排出管（20）を備えた、本発明の小型高
温流通試料測定用ユニットを、市販の室温用可視紫外分
光光度計（SM）内に配置した場合の全体の概略を説明す
るもので、被測定試料供給側には被測定試料を高圧で供
給するための高圧力発生ポンプ（40）が配置され、測定
済み試料の排出側には、高温高圧試料室（C）内の圧力
を所望の圧力に調整、維持するための背圧制御弁（41）
が設けられている。
9）および試料排出管（20）を備えた、本発明の小型高
温流通試料測定用ユニットを、市販の室温用可視紫外分
光光度計（SM）内に配置した場合の全体の概略を説明す
るもので、被測定試料供給側には被測定試料を高圧で供
給するための高圧力発生ポンプ（40）が配置され、測定
済み試料の排出側には、高温高圧試料室（C）内の圧力
を所望の圧力に調整、維持するための背圧制御弁（41）
が設けられている。
【００１１】
【実施例】実施例１
本発明の、試料注入管（19）および試料排出管（２0）
を備えた小型高温流通試料測定用ユニットを、市販の室
温用分光光度計（SM）内に配置し、試料として塩化ニッ
ケル（NiCl2）および硫酸ニッケル(NiSO4)水溶液を用い
て、水の超臨界条件が維持できる圧力（５０ＭＰａ）に
保ち（水の臨界点は約２２ＭＰａ、３７４℃）、温度を
２４、１００、２００、３００、３５０、４００および
４３０℃に変えたときの超臨界水中の NiCl2（実線）、
および NiSO4（破線）イオン状態を反映するスペクトル
を、室温用分光光度計を用いて、試料流通条件下で測定
した結果を示すものである。これらの結果は安定した高
温高圧力状態で信頼性のある測定結果が得られているこ
とを示している。
を備えた小型高温流通試料測定用ユニットを、市販の室
温用分光光度計（SM）内に配置し、試料として塩化ニッ
ケル（NiCl2）および硫酸ニッケル(NiSO4)水溶液を用い
て、水の超臨界条件が維持できる圧力（５０ＭＰａ）に
保ち（水の臨界点は約２２ＭＰａ、３７４℃）、温度を
２４、１００、２００、３００、３５０、４００および
４３０℃に変えたときの超臨界水中の NiCl2（実線）、
および NiSO4（破線）イオン状態を反映するスペクトル
を、室温用分光光度計を用いて、試料流通条件下で測定
した結果を示すものである。これらの結果は安定した高
温高圧力状態で信頼性のある測定結果が得られているこ
とを示している。
【００１２】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の小型高温流
通試料測定用ユニットは、市販の室温用分光光度計内に
配置して、該室温用可視紫外分光光度計の光学系、検出
系などに熱的影響を及ぼすことなく、簡易に高温高圧条
件下における反応などの光学計測による分析を可能にし
たという優れた効果がもたらされる。
通試料測定用ユニットは、市販の室温用分光光度計内に
配置して、該室温用可視紫外分光光度計の光学系、検出
系などに熱的影響を及ぼすことなく、簡易に高温高圧条
件下における反応などの光学計測による分析を可能にし
たという優れた効果がもたらされる。
【図１】 本発明の熱遮断を確実にする流通液冷型熱遮
断ジャケット(B)〔ジャケット本体ＪＢおよびジャケッ
ト蓋 Ｌ〕の一部切り欠き立体斜視図
断ジャケット(B)〔ジャケット本体ＪＢおよびジャケッ
ト蓋 Ｌ〕の一部切り欠き立体斜視図
【図２】 本発明の小型高温流通試料測定用ユニットを
構成する高温高圧試料セル（Ｒ）
構成する高温高圧試料セル（Ｒ）
【図３】 本発明の小型高温流通試料測定用ユニットを
市販の室温用可視紫外分光光度計(SM)の試料保持室スペ
ース（ハッチで囲む部分）に配置した状態を、光軸を含
む垂直面での断面図として図示したもの
市販の室温用可視紫外分光光度計(SM)の試料保持室スペ
ース（ハッチで囲む部分）に配置した状態を、光軸を含
む垂直面での断面図として図示したもの
【図４】 本発明の小型高温流通試料測定用ユニット主
要部の詳細断面図
要部の詳細断面図
【図５】 本発明の、試料注入管（19）および試料排出
管（20）を備えた小型高温流通試料測定用ユニットを、
市販の室温用可視紫外分光光度計（SM）内に配置した場
合の概念図
管（20）を備えた小型高温流通試料測定用ユニットを、
市販の室温用可視紫外分光光度計（SM）内に配置した場
合の概念図
【図６】 超臨界水に溶かした NiCl2（実線）および N
iSO4（破線）の吸収スペクトルを、本発明装置を用いて
測定したもの
iSO4（破線）の吸収スペクトルを、本発明装置を用いて
測定したもの
1. 流通液冷型熱遮断ジャケット本体冷却液注入口 2.
流通液冷型熱遮断ジャケット本体冷却液出口 3. 流
通液冷型熱遮断ジャケット蓋冷却液入(出)口 4. 流通
液冷型熱遮断ジャケット蓋冷却液出(入)口 5, 5',
5''. 流通液冷型熱遮断ジャケット本体外壁,上板、底板
6,6'. 流通液冷型熱遮断ジャケット本体内壁側板、
底板 8. U字型仕切板 9,9'. 光路(光学系、検出系
の光学窓) 10.試料注入管貫通口 11. 流通液冷型熱
遮断ジャケット蓋本体 12. 流通液冷型熱遮断ジャケ
ット蓋上板 13,13'. 熱遮蔽用石英板ホルダー 14.
耐熱耐圧容器 15,15'. 光学窓(サファイアやダイヤモ
ンドなど) 16. 窓プラグ 17,17'. 窓プラグ押しネ
ジ 18,18'. 光学窓キャップ 19. 被測定試料注入管
20.試料排出管 21. 熱電対用穴 22. 市販の室温用
分光光度計の試料保持室 23. 試料注入管用流通液冷
型熱遮断ジャケット 24. 試料排出管用流通液冷型熱
遮断ジャケット 25. 試料注入管保温用加熱部材(電気
炉) 26. 試料排出管貫通口 29,29'. 試料入・排出
管用流通液冷型熱遮断ジャケット固定ボルト 30. 試
料混合室 31. 予備加熱試料導入管 32. 混合室加熱
炉 33. 予備加熱試料混合室温度測定用熱電対 34.
床 35. 高温電気絶縁体 36. 電気炉発熱体(例えば
ニクロム線やタンタル線など） 37. 固定部材（フレ
キシブルな金属ベルトなど） 38,38'. 熱遮蔽用石英窓
39. 加熱部材 40. 高圧力発生ポンプ 41. 背圧制
御弁 A. 加熱試験時温度測定点 C. 高温高圧試料室
B.流通液冷型熱遮断ジャケット JB. 流通液冷型熱
遮断ジャケット本体 L. 流通液冷型熱遮断ジャケット
蓋 R. 高温高圧試料セル S1,S2. 試薬供給予備加熱
部 SM. (市販の)室温用可視紫外分光光度計
流通液冷型熱遮断ジャケット本体冷却液出口 3. 流
通液冷型熱遮断ジャケット蓋冷却液入(出)口 4. 流通
液冷型熱遮断ジャケット蓋冷却液出(入)口 5, 5',
5''. 流通液冷型熱遮断ジャケット本体外壁,上板、底板
6,6'. 流通液冷型熱遮断ジャケット本体内壁側板、
底板 8. U字型仕切板 9,9'. 光路(光学系、検出系
の光学窓) 10.試料注入管貫通口 11. 流通液冷型熱
遮断ジャケット蓋本体 12. 流通液冷型熱遮断ジャケ
ット蓋上板 13,13'. 熱遮蔽用石英板ホルダー 14.
耐熱耐圧容器 15,15'. 光学窓(サファイアやダイヤモ
ンドなど) 16. 窓プラグ 17,17'. 窓プラグ押しネ
ジ 18,18'. 光学窓キャップ 19. 被測定試料注入管
20.試料排出管 21. 熱電対用穴 22. 市販の室温用
分光光度計の試料保持室 23. 試料注入管用流通液冷
型熱遮断ジャケット 24. 試料排出管用流通液冷型熱
遮断ジャケット 25. 試料注入管保温用加熱部材(電気
炉) 26. 試料排出管貫通口 29,29'. 試料入・排出
管用流通液冷型熱遮断ジャケット固定ボルト 30. 試
料混合室 31. 予備加熱試料導入管 32. 混合室加熱
炉 33. 予備加熱試料混合室温度測定用熱電対 34.
床 35. 高温電気絶縁体 36. 電気炉発熱体(例えば
ニクロム線やタンタル線など） 37. 固定部材（フレ
キシブルな金属ベルトなど） 38,38'. 熱遮蔽用石英窓
39. 加熱部材 40. 高圧力発生ポンプ 41. 背圧制
御弁 A. 加熱試験時温度測定点 C. 高温高圧試料室
B.流通液冷型熱遮断ジャケット JB. 流通液冷型熱
遮断ジャケット本体 L. 流通液冷型熱遮断ジャケット
蓋 R. 高温高圧試料セル S1,S2. 試薬供給予備加熱
部 SM. (市販の)室温用可視紫外分光光度計
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
G01N 21/00 - 21/61
ＪＩＣＳＴファイル（ＪＯＩＳ)
Claims (3)
- 【請求項１】 高温高圧試料セル(R)が室温可視紫外分
光光度計(SM)の試料セルの可視紫外光学系(15,16,17 あ
るいは15',16',17')および可視紫外検出系（15',16',1
7'あるいは15,16,17）に光学的に接続する窓（9,9'）お
よび高温高圧試料流通のための被測定試料注入管（19）
および試料排出管（20）を高温耐圧容器(14)に設けられ
た装着部に装着するための貫通口（10,26）が設けられ
た高温高圧試料セルの加熱部材（39）および流通液冷型
熱遮断ジャケット(B)内に配置され、前記室温可視紫外
分光光度計(SM)の暗室空間の試料保持室配置空間に配置
可能な小型高温流通試料測定用ユニット。 - 【請求項２】 加熱部材（39）が電気的加熱手段を有す
るものであることを特徴とする請求載項１に記載の小型
高温流通試料測定用ユニット。 - 【請求項３】 流通液冷型熱遮断ジャケット(B)の本体
(JB) および蓋( L)は、冷却液体が蛇行して流通する様
に画定されていることを特徴とする請求項１または２に
記載の小型高温流通試料測定用ユニット。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000260937A JP3534055B2 (ja) | 2000-08-30 | 2000-08-30 | 高温・高圧状態の試料を測定可能とする流通型試料保持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000260937A JP3534055B2 (ja) | 2000-08-30 | 2000-08-30 | 高温・高圧状態の試料を測定可能とする流通型試料保持装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002071551A JP2002071551A (ja) | 2002-03-08 |
| JP3534055B2 true JP3534055B2 (ja) | 2004-06-07 |
Family
ID=18748870
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000260937A Expired - Fee Related JP3534055B2 (ja) | 2000-08-30 | 2000-08-30 | 高温・高圧状態の試料を測定可能とする流通型試料保持装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3534055B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20230393079A1 (en) * | 2022-06-06 | 2023-12-07 | International Business Machines Corporation | Portable inspection, collection, and delivery apparatus for fluid-based systems |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JP4171672B2 (ja) * | 2003-06-17 | 2008-10-22 | 日本分光株式会社 | 分光測定用試料容器 |
| WO2010026997A1 (ja) * | 2008-09-04 | 2010-03-11 | 独立行政法人科学技術振興機構 | クライオスタット |
| JP5714977B2 (ja) * | 2010-06-28 | 2015-05-07 | 株式会社堀場製作所 | 光学測定装置 |
| CN102435573B (zh) * | 2011-08-31 | 2013-12-25 | 陕西师范大学 | 在线监测超临界体系的高压原位红外光谱装置 |
| JP7147952B2 (ja) * | 2019-02-21 | 2022-10-05 | 株式会社島津製作所 | クロマトグラフ用検出器 |
-
2000
- 2000-08-30 JP JP2000260937A patent/JP3534055B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20230393079A1 (en) * | 2022-06-06 | 2023-12-07 | International Business Machines Corporation | Portable inspection, collection, and delivery apparatus for fluid-based systems |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2002071551A (ja) | 2002-03-08 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| A711 | Notification of change in applicant |
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| RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20040213 |
|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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