JP3532831B2 - 樹脂シート成形システム - Google Patents

樹脂シート成形システム

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JP3532831B2
JP3532831B2 JP2000157019A JP2000157019A JP3532831B2 JP 3532831 B2 JP3532831 B2 JP 3532831B2 JP 2000157019 A JP2000157019 A JP 2000157019A JP 2000157019 A JP2000157019 A JP 2000157019A JP 3532831 B2 JP3532831 B2 JP 3532831B2
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resin sheet
machine
trimming
molding
sheet
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範男 豊嶋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂シート成形シ
ステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂シートを成形して、例えば、
カップ麺、ジュース等の食品や飲料、電気部品、日用
品、医薬品などを収容する容器、容器の蓋等の種々の樹
脂製品を製造するために、樹脂シート成形システム(ラ
イン)が使用されている。樹脂シート成形システムにお
いては、通常、連続した樹脂のシートを成形する成形機
と、成形された樹脂製品を樹脂シートから分離するトリ
ミング機とを有する。
【0003】樹脂シートの成形方法としては、熱成形が
一般的であり、さらに熱成形には、絞り成形、曲げ成
形、ツインシートフォーミング、プレス成形、マッチド
モールド成形などの成形方法が含まれるが、真空成形及
び圧空成形が最も一般的な熱成形方法である。
【0004】図5は従来の樹脂シート成形システムの構
成図、図6は従来の樹脂シート成形システムのシートた
るみ量検知センサーの構成図である。
【0005】これらの図において、51は樹脂シート6
1を成形する成形機で、該成形機51は下フレームと該
下フレームに立設された支柱と該支柱の上部に固定され
た上フレームから成る成形機フレーム67と、前記上フ
レームに設けられた駆動手段によって昇降自在に配設さ
れた上型テーブル52と、前記下フレームに設けられた
駆動手段によって昇降自在に配設された下型テーブル5
3とから構成されている。
【0006】54は成形された成形品を樹脂シートから
分離するトリミング機で、該トリミング機54は下フレ
ームと該下フレームに立設された支柱と該支柱の上部に
固定された上フレームから成るトリミング機フレーム6
8と、前記支柱に昇降自在に支持された打ち抜き刃テー
ブル55と、前記上フレームに設けられ前記打ち抜き刃
テーブル55を昇降させる打ち抜き刃テーブル駆動装置
56と、前記支柱に支持され前記打ち抜き刃テーブル5
5の下方に配設された打ち抜き下テーブル60と、該打
ち抜き下テーブル60と打ち抜き刃テーブル55の上流
側で樹脂シート61を案内するシートガイド59と、前
記打ち抜き刃テーブル55と打ち抜き下テーブル60の
下流側で樹脂シート61を搬送するシート送りロール5
7とから構成されている。
【0007】62は樹脂シート61のたるみを検出する
シートたるみ上限センサーで、該シートたるみ上限セン
サー62は成形機51、トリミング機54の樹脂シート
搬送ラインより下方で、成形機51の下流側とトリミン
グ機54の上流側に設けられている。63は樹脂シート
61のたるみを検出するシートたるみ下限センサーで、
該シートたるみ下限センサー63は、前記シートたるみ
上限センサー62の下方にある間隔をもって配設されて
いる。なお、58はトリミングされて堆積された製品で
ある。
【0008】図5に示した樹脂シート成形システムにお
いて、樹脂シート61は、図示されないシート供給装置
から繰り出され、図における左側から右側へ向かって搬
送される。シート供給装置は、通常、ロール巻きシート
装着機、シート送りロール等を備え、ロール状に巻かれ
たロール巻きシートから樹脂シートを所定の速度で連続
して繰り出すように構成されている。なお、前記シート
供給装置は、ロール巻きシート装着機に代えて、シート
押し出し装置を備え、押し出し装置から押し出し成形さ
れた樹脂シートを直接供給するように構成してもよい。
【0009】前記樹脂シート成形システムは、通常、樹
脂シート61を加熱するために、図示されない加熱装置
を備える。前記加熱装置は、樹脂シート61の搬送方向
に関して成形機51の手前、すなわち図において左側、
に該成形機51に隣接して設置される。前記加熱装置
は、通常、赤外線を放射するヒーターを備え、樹脂シー
ト61を成形に適した温度にまで加熱する。樹脂シート
61の搬送速度が速い場合、すなわち樹脂シート成形シ
ステムの処理速度が速い場合には、前記加熱装置の手前
に、さらに、予備加熱装置を備えてもよい。
【0010】成形機51は、絞り成形機、曲げ成形機、
ツインシートフォーミング機、プレス成形機、マッチド
モールド成形機、圧空成形機等、いかなる成形機であっ
てもよいが、ここでは、カップや皿等の食品容器を成形
するのに広く使用されている真空成形機に基づいて説明
する。
【0011】前記成形機51は、互いに向かい合って上
下動する上型テーブル52と下型テーブル53とを有す
る。
【0012】前記上型テーブル52は、雌型である凹型
を複数個、例えば、各列5個からなる凹型の列が5列で
あるとすると、合計5×5=25個、有する。つまり前
記上型テーブル52には、樹脂シート61の幅方向、す
なわち、図5において図面に対して垂直方向に5個ずつ
並設された凹型の列が、樹脂シート61の長さ方向、す
なわち樹脂シート61の搬送方向に、5列形成されてい
る。さらに各凹型には、真空引きのための真空孔が設け
られている。
【0013】前記下型テーブル53には、雄型である凸
型が、前記上型テーブル52の凹型と同一の数、すなわ
ち25個が対応する位置に形成されている。さらに、必
要であれば、各凸型に、圧縮空気を吹き出す噴気孔を設
けるようにしてもよい。
【0014】前記凹型及び凸型は、各々成形品の外側及
び内側の形状を有しており、型締めされると、すなわ
ち、互いに組み合わされると、間に挟まれた樹脂シート
61を所定の形状に形づける。前記成形機51において
は、1ショットの成形動作で、すなわち上型テーブル5
2と下型テーブル53とが型締め動作を1回行うと、樹
脂シート61に成形品が25個成形される。
【0015】なお、前記凹型及び凸型の数や配列は、樹
脂シート61の幅や送り速度等を考慮して、適宜変更で
きる。
【0016】さらに、前記成形機51は、通常、凹型及
び凸型を冷却するための冷却配管を上型テーブル52と
下型テーブル53中に有する。また、樹脂シート61を
間欠的に搬送するためのコンベア等の搬送機構も有す
る。前記搬送機構は、前記樹脂シート61の幅方向に関
する両側を把持するため、通常、上型テーブル52及び
下型テーブル53の両外側、すなわち、図5において図
面に対して垂直方向に手前側及び奥側に設置される。
【0017】前記樹脂シート成形システムにおいて、ト
リミング機54は、成形機51の樹脂シート61の搬送
方向に対して後方、すなわち図において右側に、間隔を
あけて設置されている。これは、成形機51とトリミン
グ機54において樹脂シート61を処理する速度に差が
あるので、この速度差を吸収するバッファとして、樹脂
シート61に若干のたるみを生じさせるためである。
【0018】前記トリミング機54は、成形品が成形さ
れた樹脂シート61を導入するシートガイド59、所定
の形状に成形された製品をトリミングするための、すな
わち前記樹脂シート61から成形品を打ち抜くための、
打ち抜き刃を有する打ち抜き刃テーブル55、前記打ち
抜き刃テーブル55を上下動させる打ち抜き刃テーブル
駆動装置56、打ち抜き刃と協働して製品をトリミング
するための下型を有する打ち抜き下テーブル60、及
び、成形された製品が打ち抜かれた後の樹脂シート61
を排出する送りロール57とを有する。
【0019】前記打ち抜き刃テーブル55は、所定の形
状に成形された製品をトリミングするための打ち抜き刃
を樹脂シート61の幅方向、すなわち、図5において図
面に対して垂直方向に複数個、例えば、1列だけ5個有
する。つまり前記打ち抜き刃テーブル55には、樹脂シ
ート61の幅方向に5個並設された打ち抜き刃の列が、
樹脂シート61の長さ方向、すなわち樹脂シート61の
搬送方向に、1列だけ形成されている。
【0020】前記打ち抜き刃は、成形機51における凹
型及び凸型の樹脂シート61の幅方向に並設される個数
と同一の個数だけ樹脂シート61の幅方向に並設され、
かつ、前記凹型及び凸型に対応する位置に形成されてい
る。なお、前記打ち抜き刃は樹脂シート61の長さ方向
には、複数列形成されていてもよいが、その場合、列と
列の間隔は、前記成形機51における凹型及び凸型の列
と列の間隔と同一に設定される。
【0021】前記打ち抜き下テーブル60は樹脂シート
61の搬送面の直下に設置されており、該打ち抜き下テ
ーブル60には、打ち抜き刃と協働して製品をトリミン
グするための下型が、前記打ち抜き刃テーブル55の打
ち抜き刃と同一の数だけ対応する位置に形成されてい
る。
【0022】前記打ち抜き刃及び下型は、各々成形品の
開口部の外周と同様の形状を有しており、打ち抜き刃テ
ーブル駆動装置56によって打ち抜き刃テーブル55が
下降することによって、互いに噛み合うと、該成形品の
開口部の外周を切断して、該成形品を樹脂シート61か
ら打ち抜く、すなわちトリミングする。トリミングされ
た成形品は、下型の穴を通過して落下し、図5に示され
るように、トリミング機54の下部に製品58として堆
積する。
【0023】前記製品58は一定数だけ堆積すると、オ
ペレーターの手によって、又は、自動的にプッシャーや
コンベア等の手段によって、トリミング機54の外部に
排出される。
【0024】送りロール57は間欠的に作動し、成形さ
れた製品が打ち抜かれた後の樹脂シート61をトリミン
グ機54の外部に排出する。前記送りロール57は、前
記トリミング機54のトリミング動作中は停止し、樹脂
シート61を一定位置に保持する。なお、シートガイド
59に把持機構を設け、前記トリミング動作時に、樹脂
シート61を前記シートガイド59によっても保持する
ようにすれば、前記樹脂シート61の位置はより安定す
る。
【0025】成形機51のトリミング機54側、すなわ
ち図5において右側の面、及び、トリミング機54の成
形機51側、すなわち図5において左側の面には、シー
トたるみ上限センサー62とシートたるみ下限センサー
63が取り付けられている。前記シートたるみ上限セン
サー62とシートたるみ下限センサー63は、共に、光
センサーから成り、例えば一対の発光素子と受光素子と
の組み合わせから成り、成形機51側には一方の素子
が、又、トリミング機54側には他方の素子が取り付け
られている。
【0026】ここで、前記シートたるみ上限センサー6
2は、樹脂シート61が該センサーを遮らなくなったと
き、すなわち図6において該樹脂シート61のたるみ部
が上記シートたるみ上限センサー62の一対の素子を結
ぶ線より上にあるとき、ON信号を発信する。また、前
記シートたるみ下限センサー63は、樹脂シート61が
該センサーを遮ったとき、すなわち図6において該樹脂
シート61のたるみ部が前記シートたるみ下限センサー
63の一対の素子を結ぶ線より下にあるとき、ON信号
を発信する。
【0027】なお、前記シートたるみ上限センサー62
及びシートたるみ下限センサー63は、成形機51及び
トリミング機54でなく、どこに取り付けられていても
よく、かつ、一対の発光素子と受光素子との組み合わせ
でなく、反射式のものであっても、あるいは光センサー
以外の方式のセンサーであってもよい。
【0028】次に、前記従来の樹脂シート成形システム
の動作について説明する。
【0029】図7は従来の樹脂シート成形システムにお
ける成形機とトリミング機を駆動するタイミング信号を
示す図、図8は従来の樹脂シート成形システムにおける
シートたるみ量検知センサーの信号とトリミング機を駆
動するタイミング信号との関係を示す図である。
【0030】これらの図において、64は成形機の成形
タイミング信号、65はトリミング機のトリミングタイ
ミング信号、66はシートたるみ上限センサー62及び
シートたるみ下限センサー63からの信号である。
【0031】成形機51においては、1ショットの成形
動作で、すなわち上型テーブル52と下型テーブル53
とが型締め動作を1回行うと、樹脂シート61に成形品
が、例えば5列成形されるのに対して、トリミング機5
4においては、1回のトリミング動作で、すなわち打ち
抜き刃テーブル55が下降して成形品の打ち抜き動作を
1回行うと、例えば1列の成形品が樹脂シート61から
トリミングされるのであるから、前記成形機51とトリ
ミング機54は、互いに異なるタイミングで駆動され
る。
【0032】第1の従来例においては、図7で示される
ように、成形機51は成形タイミング信号64のパルス
部で成形を開示する。この成形タイミング信号64は、
予め成形機51の制御装置で設定されたサイクル時間に
相当するタイマからの信号等である。また、前記成形タ
イミング信号64により、1ショット分の成形が行われ
るが、成形タイミング信号64に同期したトリミングタ
イミング信号65のパルス部でトリミング機54がトリ
ミングを複数回(成形機51の1ショット分)連続して
行い、停止する。
【0033】前記成形機51とトリミング機54におけ
る樹脂シート61の送り速度を完全に同期させることは
非常に困難であるから、ここでは、成形機51の1サイ
クル時間よりトリミング機54の前記複数回のトリミン
グ時間が短くなるようにトリミング速度を速めに設定し
ている。
【0034】また、第2の従来例においては、図8に示
すように、トリミング機54の成形動作を開始させるト
リミングタイミング信号65の1連のパルスの最初のパ
ルスのリーディングエッジは、シートたるみ下限センサ
ー63からのON信号のリーディングエッジと同期する
ように設定されている。
【0035】そして、前記シートたるみ下限センサー6
3からのON信号が継続している期間は、トリミングタ
イミング信号65のパルスの間隔が狭くなるようにし
て、トリミング機54が通常よりも速い運転速度で運転
されるようにしている。前記シートたるみ下限センサー
63からのON信号が終了した後は、トリミングタイミ
ング信号65のパルスは通常の間隔で継続するように
し、トリミング機54が通常の運転速度で運転されるよ
うにしている。
【0036】そして、シートたるみ上限センサー62か
らのON信号が検出されると、トリミングタイミング信
号65のパルスが消えて停止時間となり、次にシートた
るみ下限センサー63からのON信号が検出されるま
で、トリミング機54が運転を停止するようにしてい
る。
【0037】上記したような従来例としては、例えば、
特開昭61−254455号公報に開示されるようなも
のがある。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の樹脂シート成形システムにおいては、いずれの従来
例においても、トリミング機54が運転を停止する停止
時間が設定されているので、システムのスループットが
低下する。また、トリミング機54の下部に堆積した製
品58を外部に排出する際に、トリミング機54の運転
を停止する場合もあるが、この場合にはシステムのスル
ープットがさらに低下する。
【0039】システムのスループットが低下しないよう
にするには、停止時間を補うためにトリミング機54の
運転速度を速める必要があるが、トリミング機54の運
転速度を速めると、トリミング動作中の樹脂シート61
の位置が不安定になりやすく、成形品を樹脂シート61
から打ち抜く精度が低下して、トリミングされた製品の
仕上がり精度が低下してしまう。
【0040】さらに、トリミング機54の運転速度を速
めると、打ち抜き刃テーブル55の打ち抜き刃と打ち抜
き下テーブル60の下型の寿命が低下してしまう。
【0041】特に、前記第2の従来例のように、シート
たるみ下限センサー63からのON信号が継続している
期間、トリミング機54が通常よりも速い運転速度で運
転されるようにしている場合には、その期間中製品の仕
上がり精度が大幅に低下する恐れがあり、また、打ち抜
き刃テーブル55の打ち抜き刃と打ち抜き下テーブル6
0の下型の寿命も大幅に低下してしまう。
【0042】また、トリミング機54が起動・停止を頻
繁に繰り返すので、トリミング機54やその制御装置の
寿命も低下してしまう。
【0043】本発明は、上記問題点を解決して、トリミ
ング機の運転速度を速めることなく、かつ、トリミング
機の起動・停止の頻度を下げて、トリミングされた製品
の仕上がり精度が高く、トリミング機等の寿命の長い樹
脂シート成形システムを提供することを目的とする。
【0044】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、樹脂シート成形システムにおいて、樹脂
シートを成形する成形機と、前記成形機の後方に間隔を
あけて設置されている成形品をトリミングするトリミン
グ機と、前記成形機の成形サイクル時間に基づき算出し
た平均運転速度での運転を実行し、必要に応じて予め設
定された増速率で増速運転を実行するよう前記トリミン
グ機の動作を制御して、前記成形機と前記トリミング機
において前記樹脂シートを処理する速度の差に起因する
ズレを解消する制御装置とを有することを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0046】図1は本発明の第1実施例を示す樹脂シー
ト成形システム構成図、図2は本発明の第1実施例を示
す樹脂シート成形システムのシートたるみ量検知センサ
ーの構成図である。
【0047】これらの図において、11は樹脂シート2
1を成形する成形機で、該成形機11は下フレームと該
下フレームに立設された支柱と該支柱の上部に固定され
た上フレームから成る成形機フレーム26と、前記上フ
レームに設けられた駆動手段によって昇降自在に配設さ
れた上型テーブル12と、前記下フレームに設けられた
駆動手段によって昇降自在に配設された下型テーブル1
3とから構成されている。
【0048】14は成形された成形品を樹脂シートから
分離するトリミング機で、該トリミング機14は下フレ
ームと該下フレームに立設された支柱と該支柱の上部に
固定された上フレームから成るトリミング機フレーム2
7と、前記支柱に昇降自在に支持された打ち抜き刃テー
ブル15と、前記上フレームに設けられ前記打ち抜き刃
テーブル15を昇降させる打ち抜き刃テーブル駆動装置
16と、前記支柱に支持され前記打ち抜き刃テーブル1
5の下方に配設された打ち抜き下テーブル20と、該打
ち抜き下テーブル20と打ち抜き刃テーブル15の上流
側で樹脂シート21を案内するシートガイド19と、前
記打ち抜き刃テーブル15と打ち抜き下テーブル20の
下流側で樹脂シート21を搬送するシート送りロール1
7とから構成されている。
【0049】22は樹脂シート21のたるみを検出する
シートたるみ上限センサーで、該シートたるみ上限セン
サー22は成形機11、トリミング機14の樹脂シート
搬送ラインより下方で、成形機11の下流側とトリミン
グ機14の上流側に設けられている。23は樹脂シート
21のたるみを検出するシートたるみ下限センサーで、
該シートたるみ下限センサー23は、前記シートたるみ
上限センサー22の下方にある間隔をもって配設されて
いる。なお、18はトリミングされて堆積された製品で
ある。
【0050】前記樹脂シート成形システムは、樹脂シー
トを成形して、例えば、カップ麺、ジュース等の食品や
飲料、電気部品、日用品、医薬品などを収容する容器、
容器の蓋等の種々の樹脂製品を製造するために使用され
る。
【0051】樹脂シート21の成形方法としては、熱成
形が一般的であり、さらに熱成形には、絞り成形、曲げ
成形、ツインシートフォーミング、プレス成形、マッチ
ドモールド成形などの成形方法が含まれるが、真空成形
及び圧空成形が最も一般的な熱成形方法である。
【0052】本発明の実施の形態において使用される樹
脂シート21は、いかなるものであってもよいが、例え
ば、PVC(ポリ塩化ビニル)、HIPS(耐衝撃用ポ
リスチレン)、OPS(二軸延伸ポリスチレン)、PS
P(発泡ポリスチレン)、低発泡ポリスチレン、PP
(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレ
ート)、A−PET(非晶性ポリエチレンテレフタレー
ト)、C−PET(結晶性ポリエチレンテレフタレー
ト)、PC(ポリカーボネイト)、ABS樹脂、PMM
A(メタクリル樹脂)等の樹脂からなるシートである。
また、耐水性、ガスバリヤー性等を考慮して、複数種類
の樹脂層を積層したシートであってもよい。
【0053】図1に示した樹脂シート成形システムにお
いて、樹脂シート21は、図示されないシート供給装置
から繰り出され、図における左側から右側へ向かって搬
送される。ここでは図示していないが、シート供給装置
は、通常、ロール巻きシート装着機、シート送りロール
等を備え、ロール状に巻かれたロール巻きシートから樹
脂シート21を所定の速度で連続して繰り出すように構
成されている。なお、前記シート供給装置は、ロール巻
きシート装着機に代えて、シート押し出し装置を備え、
押し出し装置から押し出し成形された樹脂シート21を
直接供給するように構成してもよい。
【0054】前記樹脂シート成形システムは、樹脂シー
ト21を加熱するために、図示されない加熱装置を備え
ていてもよい。その場合、加熱装置は、樹脂シート21
の搬送方向に関して成形機11の手前、すなわち図にお
いて、左側に該成形機11に隣接して設置される。前記
加熱装置は、通常は、赤外線を放射するヒーターを備
え、樹脂シート21を成形に適した温度にまで加熱す
る。樹脂シート21の搬送速度が速い場合、すなわち樹
脂シート成形システムの処理速度が速い場合には、前記
加熱装置の手前に、さらに、予備加熱装置を備えてもよ
い。
【0055】成形機11は、絞り成形機、曲げ成形機、
ツインシートフォーミング機、プレス成形機、マッチド
モールド成形機、圧空成形機等いかなる成形機であって
もよいが、ここでは、カップや皿等の食品容器を成形す
るのに広く使用されている真空成形機に基づいて説明す
る。
【0056】前記成形機11は、互いに向かい合って上
下動する上型テーブル12と下型テーブル13とを有す
る。
【0057】前記上型テーブル12は、雌型である凹型
を複数個、例えば、各列5個からなる凹型の列が5列で
あるとすると、合計5×5=25個有する。つまり前記
上型テーブル12には、樹脂シート21の幅方向、すな
わち、図において、図面に対して垂直方向に5個ずつ並
設された凹型の列が、樹脂シート21の長さ方向、すな
わち樹脂シート21の搬送方向に5列形成されている。
さらに各凹型には、好適にはコーナー部に、真空引きの
ための真空孔が設けられている。
【0058】前記下型テーブル13には、雄型である凸
型が、前記上型テーブル12の凹型と同一の数、すなわ
ち25個が対応する位置に形成されている。さらに、必
要であれば、各凸型に圧縮空気を吹き出す噴気孔を設け
てもよい。
【0059】前記凹型及び凸型は、各々成形品の外側及
び内側の形状を有しており、型締めされると、すなわ
ち、互いに組み合わされると、間に挟まれた樹脂シート
21を所定の形状に形づける。前記成形機11において
は、1ショットの成形動作で、すなわち上型テーブル1
2と下型テーブル13とが型締め動作を1回行うと、樹
脂シート21に成形品が25個成形される。
【0060】なお、前記凹型及び凸型の数や配列は、樹
脂シート21の幅や送り速度等を考慮して、適宜変更で
きる。
【0061】また、前記成形機11においては1ショッ
トの成形動作で所定の形状に成形するが、樹脂シート2
1の材質が成形性の低い場合や、成形品の形状がアスペ
クト比の高いもの、すなわち開口部の面積に比して深い
形状を有するものの場合等は、複数回のショットで段
階的に成形するようにしてもよい。この場合、凹型及び
凸型の形状が異なる成形機を複数個、樹脂シート21の
搬送方向に関して直列に、段階的にアスペクト比が高く
なるように設置してもよく、あるいは、1組の上型テー
ブル12と下型テーブル13に、形状が異なる凹型及び
凸型を、樹脂シート21の搬送方向に対して、段階的に
アスペクト比が高くなるように配置してもよい。
【0062】さらに、前記成形機11は、通常、凹型及
び凸型を冷却するための冷却配管を上型テーブル12と
下型テーブル13中に有する。また、樹脂シート21を
間欠的に搬送するためのコンベア等の搬送機構も有す
る。前記搬送機構は、前記樹脂シート21の幅方向に関
する両側を把持するため、通常、上型テーブル12及び
下型テーブル13の両外側、すなわち、図において図面
に対して垂直方向に手前側及び奥側に設置される。
【0063】前記樹脂シート成形システムにおいて、ト
リミング機14は、成形機11の樹脂シート21の搬送
方向に対して後方、すなわち図において右側に、間隔を
あけて設置されている。これは、成形機11とトリミン
グ機14において樹脂シート21を処理する速度に差が
あるので、この速度差を吸収するバッファとして、樹脂
シート21に若干のたるみを生じさせるためである。
【0064】前記トリミング機14は、成形品が成形さ
れた樹脂シート21を導入するシートガイド19、所定
の形状に成形された製品をトリミングするための、すな
わち前記樹脂シート21から打ち抜くための、打ち抜き
刃を有する打ち抜き刃テーブル15、前記打ち抜き刃テ
ーブル15を上下動させる打ち抜き刃テーブル駆動装置
16、打ち抜き刃と協働して製品をトリミングするため
の下型を有する打ち抜き下テーブル20、及び、成形さ
れた製品が打ち抜かれた後の樹脂シート21を排出する
送りロール17とを有する。
【0065】前記打ち抜き刃テーブル15は、所定の形
状に成形された製品をトリミングするための打ち抜き刃
を樹脂シート21の幅方向、すなわち、図において図面
に対して垂直方向に、複数個、例えば、1列だけ5個有
する。つまり前記打ち抜き刃テーブル15には、樹脂シ
ート21の幅方向に5個並設された打ち抜き刃の列が、
樹脂シート21の長さ方向、すなわち樹脂シート21の
搬送方向に1列だけ形成されている。
【0066】前記打ち抜き刃は、成形機11における凹
型及び凸型の樹脂シート21の幅方向に並設される個数
と同一の個数だけ樹脂シート21の幅方向に並設され、
かつ、前記凹型及び凸型に対応する位置に形成されてい
る。なお、前記打ち抜き刃は、樹脂シート21の長さ方
向に、複数列形成されていてもよいが、その場合、列と
列の間隔は、前記成形機11における凹型及び凸型の列
と列の間隔と同一に設定される。
【0067】前記打ち抜き下テーブル20は樹脂シート
21の搬送面の直下に設置されており、該打ち抜き下テ
ーブル20には、打ち抜き刃と協働して製品をトリミン
グするための下型が、前記打ち抜き刃テーブル15の打
ち抜き刃と同一の数だけ対応する位置に形成されてい
る。
【0068】前記打ち抜き刃及び下型は、各々成形品の
開口部の外周と同様の形状を有しており、打ち抜き刃テ
ーブル駆動装置16によって打ち抜き刃テーブル15が
下降することによって、互いに噛み合うと、該成形品の
開口部の外周を切断して、該成形品を樹脂シート21か
ら打ち抜く、すなわちトリミングする。トリミングされ
た成形品は、下型の穴を通過して落下し、図に示される
ように、トリミング機14の下部に製品18として堆積
する。
【0069】前記製品18は一定数だけ堆積すると、オ
ペレーターの手によって、又は、自動的にプッシャーや
コンベア等の手段によって、トリミング機14の外部に
排出される。
【0070】送りロール17は間欠的に作動し、成形さ
れた製品が打ち抜かれた後の樹脂シート21をトリミン
グ機14の外部に排出する。前記送りロール17は、前
記トリミング機14のトリミング動作中は停止し、樹脂
シート21を一定位置に保持する。なお、シートガイド
19に把持機構を設け、前記トリミング動作時に、樹脂
シート21を前記シートガイド19によっても保持する
ようしてもよい。この場合、トリミング時の樹脂シート
21の位置はより安定する。
【0071】成形機11のトリミング機14側、すなわ
ち、図において右側の面、及び、トリミング機14の成
形機11側、すなわち、図2において左側の面には、シ
ートたるみ上限センサー22とシートたるみ下限センサ
ー23が取り付けられている。上記シートたるみ上限セ
ンサー22とシートたるみ下限センサー23は、共に、
光センサーから成り、例えば一対の発光素子と受光素子
との組み合わせから成り、成形機11には一方の素子
が、又、トリミング機14には他方の素子が取り付けら
れている。
【0072】ここで、前記シートたるみ上限センサー2
2は、樹脂シート21が該センサーを遮らなくなったと
き、すなわち図2において該樹脂シート21のたるみ部
が上記シートたるみ上限センサー22の一対の素子を結
ぶ線より上にあるとき、ON信号を発信する。また、前
記シートたるみ下限センサー23は、樹脂シート21が
該センサーを遮ったとき、すなわち図において該樹脂シ
ート21のたるみ部が前記シートたるみ下上限センサー
23の一対の素子を結ぶ線より下にあるとき、ON信号
を発信する。
【0073】なお、前記シートたるみ上限センサー22
及びシートたるみ下限センサー23は、成形機11及び
トリミング機14以外の場所に取り付けられていてもよ
く、かつ、一対の発光素子と受光素子との組み合わせで
なく、反射式のものであっても、あるいは光センサー以
外の方式のセンサーであってもよい。
【0074】さらに、本発明における樹脂シート成形シ
ステムは、図示されていないが、制御装置を有する。前
記制御装置は、入出力装置、CPU、記憶装置、時間、
速度、回数等を計測する計測装置等を有しており、成形
機11、トリミング機14、樹脂シート21の搬送機
構、シート供給装置、加熱装置等樹脂シート成形システ
ムに含まれる装置や機器の動作を制御する。
【0075】次に、前記構成の樹脂シート成形システム
の動作について説明する。
【0076】図3は本発明の第1実施例を示す成形機と
トリミング機を駆動するタイミング信号を示す図、図4
は本発明の第1の実施例における成形機とトリミング機
を駆動するフローチャートである。
【0077】これらの図において、24は成形機の成形
タイミング信号、25はトリミング機のトリミングタイ
ミング信号である。
【0078】T1はトリミング機14の1回の運転サイ
クルにおける運転開始から停止までの時間(秒)、T2
はトリミング機14の運転サイクルにおける停止時間
(秒)、T3はトリミング機14の2回目以降の運転サ
イクルにおける増速運転を行う時間(秒)、T4はトリ
ミング機14の1回の運転サイクル時間(秒)、T5は
成形機11の1ショットのサイクル時間(秒)である。
【0079】aはT3(秒)間のトリミング回数、mは
成形機11が1ショットの成形動作で、すなわち上型テ
ーブル12と下型テーブル13とが型締め動作を1回行
うと成形される成形品の列数、nはT1(秒)間のトリ
ミング回数、S1はトリミング機14の平均運転速度、
すなわち1分間当たりの平均トリミング回数(spm:
サイクル/分)、S3はトリミング機14の増速運転に
おける運転速度、すなわち増速運転における1分間当た
りのトリミング回数(spm:サイクル/分)、αはト
リミング機14の増速率(%)である。
【0080】本発明の成形機11においては、1ショッ
トの成形動作で、すなわち上型テーブル12と下型テー
ブル13とが型締め動作を1回行うと、樹脂シート21
に成形品が、例えば5列成形されるのに対して、トリミ
ング機14においては、1回のトリミング動作で、すな
わち打ち抜き刃テーブル15が下降して成形品の打ち抜
き動作を1回行うと、例えば1列の成形品が樹脂シート
21からトリミングされるのであるから、前記成形機1
1とトリミング機14は、互いに異なるタイミングで駆
動される。すなわち、成形機11とトリミング機14に
おいて樹脂シート21を処理する速度に差がある。
【0081】前記成形機11とトリミング機14におい
て樹脂シート21を処理する速度の差に起因するズレ
を、次に説明するように、主としてトリミング機14の
動作を、又、必要に応じて成形機11の動作も、制御す
ることにより解消する。
【0082】図3に示されるように、成形機11は成形
タイミング信号24の各パルスの立ち上がり、すなわち
リーディングエッジが入力された時点で成形動作を開始
し、トリミング機14はトリミングタイミング信号25
の各パルスの立ち上がり、すなわちリーディングエッジ
が入力された時点で成形動作を開始する。
【0083】成形タイミング信号24の各パルスの間
隔、すなわち成形機11の1回のショットのサイクル時
間T5は、樹脂シート21の特性、成形形状、成形機1
1や加熱装置の性能等を考慮して予め設定されている。
なお、前記成形機11を実際に運転して1ショットのサ
イクル時間を実測することにより、前記サイクル時間T
5を決定してもよい。
【0084】さらに、一定数だけ堆積した製品18を、
オペレーターの手によって、又は、自動的にプッシャー
やコンベア等の手段によって、トリミング機14の外部
に排出する際に、前記トリミング機14の運転を停止す
る場合には、製品の排出に要する停止時間T2がリアル
タイムで実測され、以下の計算式でこの数値が使われ
る。
【0085】次に、トリミング機14の平均運転速度、
すなわち1分間の平均トリミング回数S1(spm)
を、成形機11が1ショットの成形動作で成形される成
形品の列数m、及び、成形機11の1ショットのサイク
ル時間T5(秒)に基づき、式(1)に従って算出す
る。
【0086】 S1=60×m/T5 …(1) 1回目の運転サイクルにおける運転開始から停止までの
時間T1(秒)の間、トリミング機14は運転速度S1
(spm)で運転され、n回だけトリミングが行われ
る。
【0087】停止時間T2(秒)中は、成形機11は運
転されているが、トリミング機14は運転を停止し、製
品18を排出する。
【0088】トリミング機14は、停止時間T2(秒)
経過後運転を再開するが、再開後の一定時間T3(秒)
の間、停止時間T2(秒)の遅れを取り戻すため、通常
よりも速い運転速度で運転される、すなわち増速運転が
行われる。
【0089】増速運転を行う場合、時間T3(秒)間の
トリミング機14のトリミング回数は、停止時間T2
(秒)と時間T3(秒)を合わせた間に、平均運転速度
で運転を行う場合のトリミング回数に等しいのであるか
ら、 (S1/60)×(T2+T3)=(S3/60)×T3 …(2) となる。
【0090】ところで、トリミング機14の増速率はα
(%)であるから、増速運転を行う場合、時間T3
(秒)間のトリミング機14の運転速度S3(spm)
は、 S3=S1×(100+α)/100 …(3) となる。
【0091】前記式(2)及び(3)から、 (S1/60)×(T2+T3) =S1×(100+α)×T3/(100×60) …(4) となる。
【0092】前記式(4)の両辺を整理すると、 (T2+T3)/60={T3×(100+α)}/6000 …(5) となり、さらに整理して、 100×T2+100×T3=T3×(100+α) …(6) となる。
【0093】したがって、 100×T2=T3×α …(7) であるから、T2とT3との関係は、 T3=T2×(100/α) …(8) ということになる。
【0094】増速運転を行うT3(秒)間のトリミング
回数aは、 a=T3/(60/S3) …(9) であるから、前記式(3)及び(8)から、 a=T2×S1×100×(100+α)/(α×6000) …(10) となる。
【0095】例えば、トリミング機14の平均運転速度
S1を60(spm)、増速率αを20%、停止時間T
2を4秒とすると、増速運転を行うT3(秒)間のトリ
ミング回数aは、前記式(10)から、24となる。
【0096】このように、平均運転速度S1(sp
m)、増速率α(%)、停止時間T2(秒)に基づい
て、式(10)に従って、増速運転を行うT3(秒)間
のトリミング回数aを算出し、該算出したトリミング回
数aだけトリミング機14の増速運転を行う。これによ
り、製品の排出に要する停止時間T2(秒)の間運転を
停止したことに起因する樹脂シート21の滞留分を挽回
することができる。
【0097】前記トリミング回数aだけ増速運転した
後、運転速度を平均運転速度S1(spm)に戻して、
トリミング機14の運転を続行する。そして、2回目の
サイクルにおいては、n−a回だけ平均運転速度S1
(spm)でトリミングを行った後、製品の排出に要す
る停止時間T2(秒)の間運転を停止する。
【0098】以後のサイクルにおいては、前記の増速運
転、平均運転速度の運転及び運転停止のサイクルを繰り
返して、トリミング機14の運転を行う。
【0099】さらに、本発明においては、前記のように
トリミング機14の運転を行っても、成形機11とトリ
ミング機14において樹脂シート21を処理する速度の
差に起因するズレが完全に解消されない場合に備えて、
常時計測している成形機11の1ショットのサイクル時
間T5(秒)、及び、トリミング機14の停止時間T2
(秒)に基づいて、停滞ショット数bを算出する。
【0100】ここで停滞ショット数bは、トリミング機
14の停止時間T2(秒)に相当する成形機11のショ
ット数であり、 b=T2/T5 …(11) で算出される。
【0101】停滞ショット数bは、図1に示される成形
機11とトリミング機14の間の樹脂シート21のたる
みの量、すなわち、トリミング機14手前に停滞する樹
脂シート21のたるみの長さを、成形機11のショット
数で代表したものと考えることができる。
【0102】前記樹脂シート21のたるみは、成形機1
1とトリミング機14において樹脂シート21を処理す
る速度に差があるので、この速度差を吸収するバッファ
として機能するものであるから必要なものである。しか
しながら、たるみが大きすぎると、送りロール17等の
搬送機構に過大な負荷がかかったり、樹脂シート21が
床に接触して汚染されたりする等の問題が発生するし、
又、小さすぎると、樹脂シート21が成形機11とトリ
ミング機14に引っ張られる等の問題が発生するので、
常に一定の許容範囲内に納める必要がある。
【0103】本実施の形態においては、前記算出した停
滞ショット数bが、所定の最大値b(max)を超えて
大きくなると成形機11の運転を一定時間停止させ、所
定の最小値b(min)を割って小さくなると、トリミ
ング機14の運転を一定時間停止させる。成形機11や
トリミング機14の運転を停止させる最適な時間は、停
滞ショット数の算出の場合と同様に、容易に算出でき
る。
【0104】さらに、シートたるみ上限センサー22と
シートたるみ下限センサー23を、樹脂シート21が前
記許容範囲を超えた場合にON信号を発信する位置に設
置しておくと、樹脂シート成形システムの安全性が大き
く向上する。
【0105】以上説明した樹脂シート成形システムの動
作は、樹脂シート成形システムが有する制御装置によっ
て制御される。
【0106】次に、フローチャートについて図4を参照
しながら説明する。 ステップS11:樹脂シート成形システムの動作が開始
される。 ステップS12:成形機11が1ショットの成形動作で
成形される成形品の列数m、T1間のトリミング回数
n、トリミング機14の増速率α等の数値が入力され
る。 ステップS13:成形機11の1回のショットのサイク
ル時間T5、トリミング機14の停止時間T2等が測定
される。 ステップS14:トリミング機14の平均運転速度S1
が算出される。 ステップS15;時間T1の間、トリミング機14が平
均運転速度S1で運転され、n回だけトリミングが行わ
れる。その後、トリミング機14がT2 (秒)の間運転
が停止される。 ステップS16:増速運転を行うT3間のトリミング回
数aが算出される。 ステップS17:トリミング機14がトリミング回数a
だけ増速運転される。 ステップS18:トリミング機14がn−a回だけ平均
運転速度S1で運転される。 ステップS19:停止命令があるか否か確認される。停
止命令がある場合はステップS20に、停止命令がない
場合はステップS16に進む。
【0107】このように、本実施の形態においては、下
部に堆積した製品18を外部に排出するために要する極
短い停止時間T2及びトラブルによる停止を除いて、ト
リミング機14の運転を停止しないので、システムのス
ループットが低下せず、トリミング機14の運転速度S
1を必要以上に速める必要がない。
【0108】したがって、トリミング時の樹脂シート2
1の位置が安定しやすく、成形品を樹脂シート21から
打ち抜く精度が低下せず、トリミングされた製品の仕上
がり精度も低下しない。そして、打ち抜き刃テーブル1
5の打ち抜き刃と打ち抜き下テーブル20の下型の寿命
が低下してしまうこともない。
【0109】また、トリミング機14が起動・停止を頻
繁に繰り返さないので、トリミング機14や制御装置の
寿命が低下してしまうこともない。
【0110】さらに、トリミング機14の手前に停滞す
る停滞ショット数bを算出して、該停滞ショット数が、
所定の範囲を超えると成形機11やトリミング機14の
運転を自動的に一定時間停止させるので、オペレーター
が成形機11とトリミング機14の間の樹脂シート21
のたるみの量を監視する必要がなく、省力化が可能にな
る。
【0111】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。
【0112】なお、第1実施例と同じ構造のもの及び同
じ動作については、その説明を省略する。
【0113】第2実施例においては、シートたるみ上限
センサー22を定常状態における成形機11とトリミン
グ機14の間の樹脂シート21のたるみ部分の高さに設
置し、シートたるみ下限センサー23をトリミング機1
4の増速運転を開始すべき程度に前記樹脂シート21の
たるみ部分が下がった高さに設置する。すなわち、第1
実施例の場合と比較して、シートたるみ上限センサー2
2をかなり低い位置に、シートたるみ下限センサー23
をかなり高い位置に設置する。
【0114】第2実施例における樹脂シート成形システ
ムの動作は、トリミング機14の増速運転を開始及び終
了するタイミングを決定する方法が、第1実施例と相違
する。すなわち、トリミング機14の運転サイクルにお
ける停止時間T2(秒)等に起因して、成形機11とト
リミング機14の間の樹脂シート21のたるみが増加し
て、たるみ部分の位置が下がり、シートたるみ下限セン
サー23がON信号を発信した時に、運転速度S3(s
pm)でトリミング機14の増速運転を開始する。増速
運転時のトリミング機14の増速率α(%)は予め設定
されており、例えば、20%である。
【0115】増速運転を継続すると、トリミング機14
における樹脂シート21の処理量が成形機11における
樹脂シート21の処理量よりも増大するので、それによ
り前記成形機11とトリミング機14の間の樹脂シート
21のたるみが減少して、たるみ部分の位置が上がり、
シートたるみ上限センサー22がON信号を発生した時
に、トリミング機14を平均運転速度S1(spm)で
の運転に戻す。
【0116】したがって、トリミング機14の増速運転
の開始は、シートたるみ下限センサー23がON信号を
発信した時であり、終了はシートたるみ上限センサー2
2がON信号を発生した時である。
【0117】このように、第2実施例においては、下部
に堆積した製品18を外部に排出するために要する極短
い停止時間T2を除いて、トリミング機14の運転を停
止しないので、システムのスループットが低下せず、ト
リミング機14の運転速度を速める必要がない。
【0118】したがって、トリミング時の樹脂シート2
1の位置が安定しやすく、成形品を樹脂シート21から
打ち抜く精度が低下せず、トリミングされた製品の仕上
がり精度も低下しない。そして、打ち抜き刃テーブル1
5の打ち抜き刃と打ち抜き下テーブル20の下型の寿命
が低下してしまうこともない。
【0119】また、トリミング機14が起動・停止を頻
繁に繰り返さないので、トリミング機14や制御装置の
寿命が低下してしまうこともない。
【0120】さらに、成形機11とトリミング機14の
間の樹脂シート21のたるみ部分の高さを検出して、ト
リミング機14の増速運転の開始及び終了を制御するの
で、オペレーターが成形機11とトリミング機14の間
の樹脂シート21のたるみの量を監視する必要がなく、
省力化が可能になる。
【0121】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。
【0122】なお、第1及び第2実施例と同じ構造のも
の及び同じ動作については、その説明を省略する。
【0123】第3実施例において、トリミング機14の
平均運転速度、すなわち1分間当たりの平均トリミング
回数S1(spm:サイクル/分)は、トリミング機1
4の1回の運転サイクル時間T4(秒)から、予め設定
された運転サイクルにおける停止時間T2(秒)を差し
引きした時間に基づいて、式(12)に従って算出す
る。
【0124】 S1=(60×m/T5)×{T4/(T4−T2)} …(12) 1回の運転サイクルにおける運転開始から停止までの時
間T1(秒)の間、トリミング機14は運転速度S1
(spm)で運転され、時間T2(秒)だけ停止した
後、再び運転速度S1(spm)で運転される。これに
より、製品の排出に要する停止時間T2(秒)の間運転
を停止したことに起因する樹脂シート21の滞留分を、
増速運転を行うことなく、挽回することができる。
【0125】ここで、樹脂シート成形システムの実際の
運転中に実測した停止時間T2(秒)が、前記予め設定
した停止時間T2(秒)よりも長い場合には、その差を
補うようにトリミング機14の増速運転を行い、短い場
合には減速運転を行う。
【0126】このように、第3実施例においては、下部
に堆積した製品18を外部に排出するために要する極短
い停止時間T2を除いて、トリミング機14の運転を停
止しないので、システムのスループットが低下せず、ト
リミング機14の運転速度を速める必要がない。
【0127】したがって、トリミング時の樹脂シート2
1の位置が安定しやすく、成形品を樹脂シート21から
打ち抜く精度が低下せず、トリミングされた製品の仕上
がり精度も低下しない。そして、打ち抜き刃テーブル1
5の打ち抜き刃と打ち抜き下テーブル20の下型の寿命
が低下してしまうこともない。
【0128】また、トリミング機14が起動・停止を頻
繁に繰り返さないので、トリミング機14や制御装置の
寿命が低下してしまうこともない。
【0129】さらに、実測した停止時間T2(秒)が設
定したものと相違する場合を除いて、原則としてトリミ
ング機14の運転速度が一定なので、仕上がり精度が一
定の製品を得ることができる。
【0130】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、樹脂シート成形システムは、樹脂シートを成形
する成形機と、前記成形機の後方に間隔をあけて設置さ
れている成形品をトリミングするトリミング機と、前記
成形機の成形サイクル時間に基づき算出した平均運転速
度での運転を実行し、必要に応じて予め設定された増速
率で増速運転を実行するよう前記トリミング機の動作を
制御して、前記成形機と前記トリミング機において前記
樹脂シートを処理する速度の差に起因するズレを解消す
る制御装置とを有する。
【0131】この場合、下部に堆積した製品を外部に排
出するために要する極短い停止時間T2を除いて、トリ
ミング機の運転を停止しないので、システムのスループ
ットが低下せず、トリミング機の運転速度を速める必要
がない。
【0132】したがって、樹脂シートの位置が安定しや
すく、成形品を樹脂シートから打ち抜く精度が低下せ
ず、トリミングされた製品の仕上がり精度も低下しな
い。そして、打ち抜き刃テーブルの打ち抜き刃と打ち抜
き下テーブルの下型の寿命が低下してしまうこともな
い。
【0133】また、トリミング機が起動・停止を頻繁に
繰り返さないので、トリミング機や制御装置の寿命が低
下してしまうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す樹脂シート成形シス
テム構成図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す樹脂シート成形シス
テムのシートたるみ量検知センサーの構成図である。
【図3】本発明の第1実施例における成形機とトリミン
グ機を駆動するタイミング信号を示す図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す成形機とトリミング
機を駆動するフローチャートである。
【図5】従来の樹脂シート成形システム構成図である。
【図6】従来の樹脂シート成形システムのシートたるみ
量検知センサーの構成図である。
【図7】従来の樹脂シート成形システムにおける成形機
とトリミング機を駆動するタイミング信号を示す図であ
る。
【図8】従来の樹脂シート成形システムにおけるシート
たるみ量検知センサーの信号とトリミング機を駆動する
タイミング信号との関係を示す図である。
【符号の説明】
11 成形機 12 上型テーブル 13 下型テーブル 14 トリミング機 15 打ち抜き刃テーブル 16 打ち抜き刃テーブル駆動装置 17 シート送りロール 18 製品 19 シートガイド 20 打ち抜き下テーブル 21 連続した樹脂シート 22 シートたるみ上限センサー 23 シートたるみ下限センサー 24 成形タイミング信号 25 トリミングタイミング信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−254455(JP,A) 特開2001−105395(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 51/00 - 51/46 B26D 5/20 - 5/36

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)樹脂シートを成形する成形機と、
    (b)前記成形機の後方に間隔をあけて設置されている
    成形品をトリミングするトリミング機と、(c)前記成
    形機の成形サイクル時間に基づき算出した平均運転速度
    での運転を実行し、必要に応じて予め設定された増速率
    で増速運転を実行するよう前記トリミング機の動作を制
    御して、前記成形機と前記トリミング機において前記樹
    脂シートを処理する速度の差に起因するズレを解消する
    制御装置とを有することを特徴とする樹脂シート成形シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 前記トリミング機の停止時間の終了後
    に、前記増速運転を実行して、前記停止時間の間の滞留
    分を挽回する請求項1記載の樹脂シート成形システム。
  3. 【請求項3】 前記成形機と前記トリミング機の間の前
    記樹脂シートのたるみ量を検出して、前記増速運転の開
    始及び終了を制御する請求項1又は2記載の樹脂シート
    成形システム。
  4. 【請求項4】 前記平均運転速度の算出において、前記
    トリミング機の停止時間を考慮して算出し、前記トリミ
    ング機の停止時間が予め設定された停止時間よりも長い
    場合に前記増速運転を実行する請求項1記載の樹脂シー
    ト成形システム。
  5. 【請求項5】 前記成形機のサイクル時間及び前記トリ
    ミング機の停止時間に基づいて算出した停滞ショット数
    が所定の範囲を超えた場合に、前記成形機又は前記トリ
    ミング機の運転を停止する請求項1、2,3又は4記載
    の樹脂シート成形システム。
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