JP3532435B2 - 汚染物質の処理方法及び処理装置 - Google Patents
汚染物質の処理方法及び処理装置Info
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Description
沈殿物、泥、使用済み活性炭、及び木などの不活性の基
質材を浄化するための方法と装置とに関する。特に、本
発明は、水銀と、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、ペン
タクロロフェノール(PCP)、多環芳香族炭化水素
(PAH)、殺虫剤、除草剤、クレオソート(保存防腐
剤)、殺菌剤、ダイオキシン、及びフランなどの有機汚
染物質とを、汚染物質から熱で分離する方法と装置の改
良に関する。汚染物質は燃焼せずに蒸気にして除去さ
れ、さらに処理と復元をするために回収されて凝縮され
る。
などの産業廃棄物による環境汚染に伴い、公衆衛生に対
する関心が高まってきている。この関心が高まるにつ
れ、これらの化合物を元の廃棄用地の土壌中で最大許容
残留レベルまで除去することを義務づけるために、行政
機関による規制が行われてきている。
土壌や物質を、指定された安全なごみ投棄区域に移すプ
ロセスを含んでいる。しかし、指定されたごみ投棄区域
の数と容量は大幅に減少している。このため、土壌を、
効率がよく、経済的な方法で衛生的にする必要性が高ま
っている。
ステムが提案されており、例えば米国特許第4,66
7,609号公報には、種々の炭化水素によって汚染さ
れた土壌の赤外線加熱を行う移動装置が開示されてい
る。しかし、このような焼却システムにおいては、加熱
工程は完全燃焼の時点まで行われる。このため、このよ
うなシステムを運転することは、焼却システムからのガ
スなどの排出に関して極めて厳しい行政規制によって阻
害されやすい。
4,942号に示されている。該公報には、PCBなど
の有機化合物を、焼却する場合よりも十分に低い温度で
揮発させることによって土壌から除去する方法を開示し
てる。一般的に言って、これらの温度は1200°Fを
越えない。
焼させずに完全に揮発させる処理に必要な時間は非常に
長く、1時間以上は十分に要し、しかも水銀の場合には
完全な揮発はほとんど起こり得ない。
伝達を最大限にして、処理時間を最短にできる装置が望
まれる。さらに、処理チャンバーの熱膨張も問題となる
ので、処理工程の温度変化に対応できる処理チャンバー
が望まれる。
態様では、水銀又は有機化合物で汚染された不活性基質
材を、汚染物質は揮発させるが燃焼温度よりは低い温度
にするプロセスによって、汚染物質が、全ての蒸気を連
続して除去、回収、凝縮しながら、土壌、スラッジ、沈
殿物及び泥などの不活性基質材から分離される。そし
て、この処理は、不活性基質材から汚染物質を所望の程
度に除去するのに十分な時間行われ、汚染された排出物
は放出されない。
法と装置を適用するとき、この方法は、間接的に加熱さ
れた気密性の抽出チャンバーを用いて行われる。この気
密性の抽出チャンバーは、熱伝達を最大限にし、基質材
へのごみの付着を最小限にする一方、従来技術のチャン
バーにおいて熱膨張により引き起こされていた不具合の
生じない回転式オーガーを備え、かつ2重の樋型になっ
た吊り下げ式のチャンバーから構成されている。
に、600°Cまたはそれ以下で処理されている基質材
の平均土壌温度を維持するように制御される。汚染され
た基質材の揮発成分は、これらの温度で不活性の固相か
ら気化して気相となる。わずかな微細固体粒子、水蒸
気、空気、及びPCBなどの気化した汚染物質を含んだ
気相は、チャンバーから連続して排出され、次いで回
収、凝縮及び復元されて、適切な処置を経てリサイクル
や廃棄に供される。
分離する装置を含み、この装置は、基質材取り入れ口と
基質取り出し口とを有する、本質的に気密性で吊り下げ
られた処理チャンバーを備えている。このチャンバー
は、基質材を処理するための2以上の溝部を備えてい
る。そして、この装置は、チャンバーを間接的に加熱す
る手段と、基質材を基質材取り入れ口から基質取り出し
口へ2以上の溝部を介して移動させる手段と、蒸気をチ
ャンバーから排出して凝縮し、汚染物質を除去して復元
する蒸気凝縮処理システムとを備えている。
質材から水銀と有機性汚染物質を分離する方法を含んで
いる。この方法は、水銀及び/又は有機化合物によって
汚染された不活性の固体物質を、水銀と有機化合物が揮
発する温度まで外部から加熱手段によって加熱された吊
り下げ式の処理チャンバーに供給するステップと、不活
性の固体物質の表面を間接加熱に最大限にさらすよう
に、該物質をチャンバー内で移動させて、該物質の急速
加熱と処理を促進するステップと、汚染物質を除去した
固体をチャンバーから取り出すステップと、気相成分を
チャンバーから排出するステップと、該気相成分を汚染
成分の凝縮と復元をする手段に導くステップとを含んで
いる。
基づいて詳細に説明する。なお、本発明はこの実施形態
に限定されるものではなく、逆に、全ての代替物、変更
態様、及び同等物は、特許請求の範囲に定められた本発
明の範囲内に含まれるものである。
る。第1段階は、汚染物質を基質材から揮発させるため
に、間接熱伝達を利用するプロセスであり、相分離プロ
セスと呼ばれる。また、第2段階は、揮発した蒸気/ガ
スを回収して冷却し、それらを凝縮して液化するプロセ
スである。この凝縮液は、油/水分離装置により汚染物
質(油分等)と水分とに分離される。この2段階の処理
プロセスを図1に模式的に示している。本発明の処理プ
ロセスは、4つの特有の処理工程を含んでいる。つま
り、供給処理、抽出チャンバー内での熱による相分離、
処理した基質材の取り扱い、そして蒸気の処理と復元で
ある。
破片を取り除くためにふるいにかけられ、それから供給
ホッパーに入れられる。この供給材は、供給ホッパーか
ら破砕機へ、水平コンベヤのベルトによって供給するの
が好ましい。供給材は、抽出チャンバーへ送出するため
に、破砕機から傾斜コンベヤ上に下ろされる。
(図2、14a及び14b参照)に下ろされ、さらに該
小型ホッパーから2つの平行な回転パドル式のロータリ
ーエアロック(気密)バルブ(16a,16b)に進
む。このエアロックバルブを通過すると、基質材は抽出
チャンバー(40)内に落下し、2本の平行なスクリュ
ーオーガー(52a,52b)によって、抽出チャンバ
ー内を移動する。
(11)内に配置されたバーナーから抽出チャンバーに
供給された熱が伝達され、汚染物質が気相となって基質
材から分離する。基質材は、抽出チャンバーの鋼のシェ
ルによって燃焼システムから物理的には分離した状態に
維持される。火室は市販されている燃料の燃焼によって
その熱を発生するものであり、汚染された基質材の温度
は、該基質材の汚染物質が揮発する温度まで上昇するよ
うに変えることができる。
ロータリーエアロックバルブ(24a,24b)を通過
して、再湿潤と環境への再導入に待機する。なお、排出
された基質材には水が散布され、塵が放出されないよう
にして搬出される。
縮及び処理システムに供給される。抽出チャンバー内で
生成された揮発した水分と汚染物質は、液状の汚染物質
の回収と復元のための蒸気/ガス凝縮及び浄化システム
での処理対象となる。蒸気/ガス凝縮及び浄化システム
は、連続した6の処理ステップからなっている。
した蒸気/ガスに、急冷チャンバー内で噴霧水がかけら
れて冷却される。この急冷ステップにより得られた水分
は、急冷チャンバーに沿って一定間隔で配置されたスプ
レーノズルに供給され、再循環する。第2に、蒸気/ガ
スの流れが、1以上のノックアウトポット(水分除去装
置)に通されて、好ましくは約0.3ミクロン程度の小
ささまでの残った微粒子成分と大きな水滴が除去され
る。第3に、蒸気の流れは、さらに冷却ファン(図示せ
ず)によって、周囲温度との温度差が10°Cより少な
い温度に冷却される。第4に、比較的乾燥した凝縮でき
ないガスの流れが、1以上のミスト集塵機(図示せず)
に送られて処理され、エーロゾルが除去される。
として残っているすべての微小な(例えば1ミクロン以
下)ミストや微粒子を除去するために、高効率空気濾過
システム(HEAF)に通される。この濾過システムに
は、基質材を微晶(マイクロライト)に濾過するガラス
材が使用され、フィルターは0.05ミクロン程度まで
のミストを除去する。最後に、ガスの流れは、一連の炭
素吸着床での最終処理が行われて、火室に戻される。炭
素床は、ガスの流れを最大限に処理するために、連続し
て運転される。
ている場合は、処理プロセスにおいても水分が発生し、
図示しない排水処理システムによって処理される。この
排水処理システムでの処理は、例えば、酸化や還元、p
H調整、沈殿、濾過、吸着などのプロセスを組み合わせ
て行われる。
染物質に関して、本発明のプロセスによって得られた土
壌の処理結果の概要を示している。
の炭化水素によって汚染された土壌を処理するのに効果
的に使用でき、土壌からの汚染物質の除去効率は99%
を越えている。
砂、スラッジ、沈殿物、泥、使用済み活性炭、木などの
汚染された多種の不活性の基質材を効果的に処理して、
水銀や、PCB,PCP,PAH,殺虫剤、除草剤、ク
レオソート、殺菌剤、ダイオキシン、フランなどのあら
ゆるタイプの有機化合物を除去することができる。そし
て、この方法は、汚染された固体物質に含有される多種
の汚染物に対して効果的である。なお、本願の特許請求
の範囲に記載された熱分離方法を適用できるすべての汚
染物質を一覧にはしていないが、有機汚染物質の例は、
上述したようなものである。
ている。この実施形態の処理装置10は、火室シェル1
1と非常用排気管12とを備えている。装置10の第1
端部には、供給ホッパー14a及び14bがあり、これ
らは、それぞれ取り入れ口用のロータリーエアロックバ
ルブ16a及び16bに連結されている。ホッパー14
a及び14bの下方には、第1及び第2スクリュードラ
イブ18a及び18bが設けられている。装置10の第
2端には、取出し口用のロータリーエアロックバルブ2
4a及び24bが設けられている。この処理装置10
は、車輪付きのトレーラーに装着された複数の支持脚2
2を有する支持台20上に設けるのが好ましい。
く表れている。処理チャンバー40は火室シェル11内
に吊り下げられている。好ましくは、チャンバー40
は、吊り下げ部材44から吊り下げられたクロスビーム
サポート42を使って適所に吊られている。この方法に
おいて、処理装置10全体は、標準のトレーラー車46
の内部に装着することができる。この方法において、抽
出チャンバー40は、抽出チャンバー40内での温度変
化に起因する熱膨張を可能とするように、チャンバー4
0を支持する一定加重支持システムにより火室11内に
支持されている。クロスビームサポート44は、図6に
示されているように、抽出チャンバー40を吊り下げ、
チャンバー40に一定した上向きの力を与えて、処理速
度と鋼の温度が変化するときに土壌の重量によって生じ
る下向きの力に対抗する。このため、チャンバー40に
作用する下向きの力が変化して、支持システムが適切な
対抗力を生じるように自動的に調整される。この支持の
方法によれば、抽出チャンバー40における全応力が低
減する。
ャンバー40の表面の温度変化によって引き起こされる
熱膨張の結果として抽出チャンバー40が長手方向に大
きくなっても、摩擦力に打ち勝つようにしなくてもよ
い。これは、チャンバー40が膨張したり収縮したりす
るときにシステムがスイングするように、支持構造体が
ピボット動作するためである。摩擦力がなくなること
は、局部的な応力の大幅な減少につながる。また、この
支持システムを用いることにより、局部的な温度上昇も
防止できる。
成され、オーガー52a及び52bがそれぞれ設けられ
た2つの平行な溝部48a及び48bを有している。チ
ャンバーの溝部は装置10の第1端において、取り入れ
口のロータリーエアロックバルブ16a及び16bのす
ぐ下で始まり、装置10の第2端において、取出し口の
ロータリーエアロックバルブ24a及び24bで終わっ
ている。
14bに運ばれ、例えば石などを除去することによっ
て、供給の処理能力を高めるための前処理が施される。
必要な場合には、基質材は、さらに処理能力を高めるた
めに粉末状にされる。前処理を行う量は、供給材が湿っ
ているか乾燥しているかによって異なる。仮に供給材が
湿ったスラッジである場合、前処理として、乾燥処理さ
れた砂などの乾燥剤を供給ホッパーの供給材に加えた
り、灰や石灰を加えたりすることが行われる。
タリーエアロックバルブ16aまたは16bの一方を通
り、それに対応するチャンバーの溝部48aまたは48
bに入る。抽出チャンバー40は火室シェル11によっ
て囲まれており、そのシェル11の中には、抽出チャン
バー40を加熱するために複数のバーナーが配置されて
いる。汚染された基質材は、オーガー手段52a及び5
2bによって抽出チャンバー40内を移動する。
中で、例えばガスバーナーなどの外部に配置されたヒー
ターによって間接的に加熱される。バーナーは抽出チャ
ンバー40のシェルを加熱し、その熱が抽出チャンバー
40の金属シェルによってチャンバー40の内部に伝達
される。その際、オーガー48a及び48bの早い動き
によって熱伝達が促進される。バーナーは、処理を望み
の速度で実行するのに十分な熱を供給するように調整さ
れる。好ましくは、抽出チャンバー40内のセンサで平
均温度を測定して、土壌の最高温度を約600°Cの範
囲内で所望のレベルに維持するようにし、処理効率を最
大限にするとよい。
ギーを受けると、揮発性成分が気化する。供給材がチャ
ンバー40内に長く止まっていれば、基質材の汚染物質
の処理の度合いが高くなる。
の基部は、ほぼ腎臓状に形成され、その中に、汚染され
た基質材を抽出チャンバー40内で移動させるために2
つのオーガー52a,52bが配置される。このように
すると、チャンバー40内の基質材の表面積が増えるこ
とになり、汚染された基質材を最大限に処理できる。
は好ましくは長さが12メートルで、チャンバーの底部
の各溝部は、好ましくは直径が0.62メートルで壁の
厚さが0.013メートルである。抽出チャンバー40
の上部は、好ましくは直径が1.47メートルで、壁の
厚さが0.006メートルである。図6に示されている
抽出チャンバー40の形状により、土壌への熱伝達が最
大限に行われ、チャンバー40の熱膨張が最小限にな
る。抽出チャンバーに2つの溝部48a,48bを設け
ることにより、基質材がチャンバー40内で溝部48
a,48bの中を移動するときに該基質材の層の厚さが
低減され、高温のチャンバー40の鋼と汚染された基質
材の間での面接触を大きくすることができる。2つの独
立した溝部48a,48bを有する場合の従来の不具合
を排除するために、溝部48a,48bは、単一のチャ
ンバーを形成する共通の屋根で覆われている。なお、チ
ャンバー40は、耐食性に優れたステンレス鋼などで形
成することができ、そうすることによって、基質材から
気化した汚染物質によってチャンバー40が腐食するの
を防止できる。
脚のトレーラに装着できる。可搬型にすることによっ
て、この処理システムは、処理場所に移動させて設置す
ることができる。このようにすれば、不活性の汚染され
た大量の基質材を処理施設へ移すコストを削減できる点
において、かなりの経済効果を有する。
基質材をチャンバーの溝部の中で移動させながら間接的
に加熱して汚染物質を揮発させるようにしているので、
汚染物質を極めて効率よく除去できる。また、チャンバ
ーを吊り下げ式に構成しているので、チャンバーの熱膨
張による問題も生じない。
成して、その中に、汚染された基質材を抽出チャンバー
内で移動させる2本のオーガーを配置しているので、チ
ャンバー内の基質材の表面積が増えることになり、汚染
された基質材を最大限に処理できる。
で、不活性の汚染された大量の基質材を処理施設へ移す
ことが不要となり、コストを削減できる。
ムである。
面図である。
の抽出チャンバーの断面図である。
オーガーの配置と一定荷重支持システムを示している。
Claims (6)
- 【請求項1】 不活性の基質材から汚染物質を分離する
装置であって、 基質材取り入れ口と基質材取出し口とを有する本質的に
気密で吊り下げられた処理チャンバーを有し、該チャン
バーは、基質材を処理するための2以上の溝部を有し、 チャンバーを間接的に加熱する手段と、 基質材を基質材取り入れ口から基質材取出し口へチャン
バーの2以上の溝部を通じて移動させる手段と、 汚染物質を除去して復元する処理のためにチャンバーか
ら蒸気を排出する蒸気凝縮処理システムと、を備えてい
る装置。 - 【請求項2】 処理チャンバーの基部が大略腎臓状に構
成されている請求項1記載の装置。 - 【請求項3】 1以上のプラットフォームに装着された
請求項1記載の装置であって、 該プラットフォームが可搬に構成されている装置。 - 【請求項4】 基質材を移動させる手段がスクリューオ
ーガーである請求項1記載の装置。 - 【請求項5】 基質材を移動させる手段が、基質材を処
理するための2以上の溝部の各々の内部に設けられたス
クリューオーガーである請求項1記載の装置。 - 【請求項6】 汚染された不活性の基質材から水銀と有
機汚染物を分離する方法であって、 水銀又は有機成分が揮発する温度に加熱手段で外部から
加熱される吊り下げ式処理チャンバーに、汚染された有
機成分を含む不活性の固体、スラッジ、沈殿物を供給す
るステップと、 基質材の急速加熱、揮発及び処理を促進するために、チ
ャンバーの表面に基質材の表面を最大限に触れさせるよ
うに該基質材をチャンバー内で移動させるステップと、 汚染物質が除去された固体をチャンバーから排出するス
テップと、 チャンバーから気相成分を排出し、汚染物質の回収、凝
縮及び復元のための手段に導くステップと、を備えてい
る方法。
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JP02716099A JP3532435B2 (ja) | 1999-02-04 | 1999-02-04 | 汚染物質の処理方法及び処理装置 |
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CN111889495A (zh) * | 2020-07-14 | 2020-11-06 | 诸暨华匠工程设计咨询有限公司 | 一种土壤修复热脱附设备及其工艺 |
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