JP2002533201A - 基材から各成分を分離する装置 - Google Patents

基材から各成分を分離する装置

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、有害および無害な有機および無機成分を種々の基材から分離する有用な装置を提供する。このような成分を分離する方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 1950年代の初期以降、米国国防省(DOD)および米国エネルギー省(D
OE)の種々の部門が、種々の放射性物質を含む核兵器およびエネルギー構成要
素の開発および製造を積極的に行ってきた。核物質を精製する過程およびこの精
製過程などで使用された色々な装置を種々のタイプの有機および無機物質で汚染
除去する過程で、数10万トンの放射性核種および各種の有害および無害な有機
ならびに無機化学成分で汚染された土壌、スラッジ、がれきあるいはその他の残
留物が発生した。米国環境保護庁(EPA)は、放射性核種および各種の有害お
よび無害な廃棄物成分を含む廃棄物を混合廃棄物と規定した。
【0002】 歴史的に、混合廃棄物は通常、決められた封じ込め区域でコンテナーに入れる
か、貯蔵容器に入れて現場保管されるか、あるいは埋め立て槽か海溝に廃棄され
ていた。混合廃棄物のDODまたはDOEの埋立地または海溝への廃棄処分はも
はや許可されない。EPA規制が公布されたため、混合廃棄物は、各成分をおた
がいに分離および切り離しできるまで、EPAが承認する有害廃棄設備または放
射性廃棄設備で廃棄することが許可されない。
【0003】 DOEおよびDODが現在大掛かりな再構築の取り組みを行っているのに対し
て、多数の全国におよぶDOEとDODの設備が廃止されつつあり、軽工業、商
業また住宅用に汚染除去を行いつつあるという事実のために、これら場所におい
て混合廃棄物を矯正する要求に拍車がかかっている。これらの設備の多くは、E
PAが混合廃棄物と規定した土壌、スラッジまたはその他の残留物を収容してい
る。この問題に輪をかけて、場所によっては海溝や埋立地に埋められた混合廃棄
物が地下水の保全に重大な影響を与えている。これらの地域は、ほとんどのケー
スで環境破壊源物質(非液体物質)の除去と矯正を伴うEPAの規制にしたがっ
て矯正しなければならない。
【0004】 本発明は、放射性核種を不安定化あるいは拡散することなく非液体基材から有
害および無害な有機および無機成分を分離できる方法を開示している。分離後、
この放射性廃棄物の流れは、EPAの規制に沿ったDOEかDODの設備のどち
らかで廃棄処分されるか、またはEPAが承認する放射性廃棄設備で廃棄処分さ
れる。このことは、この廃棄物の流れをこのやり方で取り扱う経済的な利益が著
しいことを考慮している。現在、この廃棄物の流れを環境的に健全でかつ対費用
効果の高いやり方で分離する方法で実際に使用できるものはない。
【0005】 混合廃棄物に加えて、有害および無害(化学的に汚染された)な廃棄物の年間
発生量は、米国だけで数億トンの範囲にあると推定される。世界中の産業が、日
常的に廃棄生成物を発生する製造のプロセスに依存している。これらの廃棄生成
物の多くは非常に費用の掛かる有害廃棄物として処分されている。種々の基材か
ら汚染物質を分離することによっていくらかの原料を再使用のために回収する必
要性がある。これによって産業界は生成される廃棄物を最小にし、運転費用を下
げ現在の規制に適合することができる。
【0006】 これら各種の化学成分が有する、公共の健康および環境に対する危険性につい
てはよく知られており文書、試料も作成されている。各種の高沸点有害廃棄物の
破壊または分解方法は非常に費用が掛かる。高等なエネルギーを利用して有害廃
棄の基材全体を熱的に破壊することは、汚染自体が重量で全体量の一部である場
合は、対費用効果が非常に高いとはいえない。また、化学製品と接触したために
汚染された非液体の基材は、できれば再使用または再循環処理すべきである。一
般的には廃棄物流容積の75%から90%を占める非液体基材を分離することに
よって費用の掛かる破壊または分解方法が必要な廃棄物の流れを最小にすること
は、PCB、農薬、除草剤、PCP、ダイオキシン、フランなどの有害廃棄物で
汚染された基材に関してより大きな経済的な効果がある。
【0007】 そのため、工業的なプロセス廃棄物、混合廃棄物および有害廃棄物流を環境的
に健全でかつ対費用効果の高いやり方でうまく処理する技術に対する市場の要求
に応じて、本発明は、現在技術の代替の選択肢として経済的な廃棄物の最小化と
資源再利用の方法を提供する。O’Ham(米国特許第5127343号の全内
容は本明細書中で参考として採用する)は、土壌、特にガソリンや潤滑油などの
石油系炭化水素を含む土壌を、土壌が処理中固定されるバッチ式処理法で汚染除
去し浄化する装置と方法を教示している。この処理方法は、石油系炭化水素で汚
染された土壌の矯正が要求される「有害物質の地下貯蔵法(Undergrou
nd Storage of Hazardous Substances A
ct)」および関連法規の規制要求に対応して、ガソリンスタンドや他の石油製
品の関係ユーザーから、石油系炭化水素で汚染された土壌の現場処理技術開発が
強く望まれ、この市場要求に応じて特に設計された。
【0008】 従来技術では各基材の充填および取り出し中の一時的なほこりを抑える手段が
ない。土壌は通常ローダーによって貯蔵個所から処理装置まで搬送される。この
際に、土壌がこぼれたり風でほこりが飛んだりして汚染が拡散される。作業員や
たまたまその場に居合わせた人、または近辺の一般の人は汚染にさらされる可能
性がはるかに高く、また環境に対して汚染物が管理されずに放出される可能性が
ある。従来技術は処理装置の保守整備を行うのに20%以上の停止期間が必要で
ある。土壌は処理装置内で回りをフィルター媒体(豆粒状の石)で囲まれたスク
リーン(真空チューブ)上に直接置かれる。スクリーンは容易に閉塞状態になり
、各バッチ処理の間に定常的にクリーニングする必要がある。入口ドアは、フロ
ントエンドローダーがチャンバーに入り処理のためにその土壌を堆積できるよう
に下げられ、また、加熱機の運搬台が処理室の上部に進む進路を作るために上げ
られる。入口ドアの蝶番は基材およびフィルター媒体で閉塞されバッチ処理後毎
にクリーニングしなければならない。これらのドアはこの処理によって容易に損
傷されやすく、密封することがほとんど不可能になって空気が土壌の中を通らず
にバイパスしてしまう結果、土壌処理が十分に行われない。さらに、蝶番が損傷
する結果、出入りのドアが合わなくなる。こうなった場合、加熱機運搬台がこの
装置の手前側で進路から外れて落下する可能性があり、その結果停止している時
間が増加する。
【0009】 従来技術は土壌処理における信頼性がない。固定台を通る空気の流れが不均等
で変化しやすく、その結果処理すべき基材の中で温度勾配が生じる。空気のバイ
パスはスクリーンや豆状石の目詰まり、および基材充填ドアが損傷によって密封
ができないことによって引き起こされる。また、真空スクリーンは固定土壌台の
下に直接、固定土壌台表面積の約50%分だけ設置されており、この結果、土壌
全体にわたって処理が不完全になるか、または「コールドスポット」が生じる。
加熱が不均等なため処理が適切に行われない。
【0010】 従来技術は高価なフィルター媒体を使用しており、このフィルターは廃棄によ
って廃棄物貯蔵量を増加させるとともに運転コストを増加させる。
【0011】 従来技術は各処理業務の間に費用の掛かるクリーニングを必要とする。汚染除
去の手順がうまく行かないことがしばしばある。これは基材を処理室内に直接入
れているためである。この基材は装置の入り口範囲にぎっしりと押し込められる
【0012】 従来技術ではほこりの粒子が同伴し、排気制御システム内に堆積して空気の流
れを制限し、保守整備の必要性を過大にする。
【0013】 従来技術で処理可能なのは炭化水素だけである。
【0014】 従来技術が適用できるのは熱処理による炭化水素の除去だけである。
【0015】 従来技術の再検討では、この技術は土壌からの炭化水素の除去に限定され、各
種の揮発性有機および無機化学製品および高沸点化学製品の処理には、経済性、
環境性、安全性の問題に関して、適さないことが示されている。
【0016】 その結果、非液体基材から揮発性有機および無機汚染物を分離し、これらの汚
染物質を捕集して再循環または再使用する経済的で、環境に優しい方法の必要性
が存在する。汚染除去された非液体基材の再使用を考慮したシステムの必要性も
存在する。この方法は廃棄物の流れを経済的なやり方で最小にする環境的に健全
な解決策を提供することによって社会的な利益をもたらす。
【0017】 (発明の概要) 本発明は、底部および上部を有し、この上部がガス除去用マニホルドを有する
容器と、好ましくは前記装置の底部に配置されこの前記容器の内部を加熱する手
段とを備える基材から廃棄成分を分離する装置を提供する。この装置はさらに取
り外し可能なトレイを備えることが好ましく、好ましくは1から4個のトレイを
備える。この装置は恒久的に固定することができ、または移動可能であることが
好ましい。好ましい実施形態においては、この装置はさらにこのマニホルドを通
してガスを引き出すために真空状態を発生する手段を備え、この真空状態は好ま
しくは0インチから約29インチ(737mm)水銀柱の範囲である。
【0018】 好ましい実施形態においては、この容器は矩形の形状で0から4個の側面を有
し、トレイをこの容器の底部または基部に挿入した場合にこのトレイの側面また
はトレイが効果的にこの容器の側面を形成する。好ましい実施形態によれば、こ
の容器には何ら側面がない。このトレイは、このトレイの底部が基材を支持する
ことができさらに空気が上に向けてオリフィスと基材を通りぬけることができる
ように好ましくはオリフィスを有する底部を備える。この底部は、例えばスクリ
ーンであってもよく、あるいは溝穴であってもよい。
【0019】 この装置は、処理すべき基材の量、処理場所の位置、またはこの装置を敷地に
固定して設計するか移動式にするかなどの要因によってその寸法を変えることが
でき、1つの実施形態においては、このトレイはフォークリフトで移動し容器内
へ積み込むことができるような大きさ、寸法および容量である。一般的には、大
規模な運転に対しては、このトレイは上部から基材を入れるように設計され、少
なくとも約2.5立方ヤード(1.9立法メートル)の充填容量を有する。この
トレイはフォークリフト用口の反対側に処理済みの基材を取り出す蝶番式の取り
出し口を備えることもできる。他の実施形態においては、この装置は小規模の用
途に適用され、この場合トレイは、例えば、約1立方フィート((0.03立法
メートル))の容量である。
【0020】 1つの実施形態によれば、この装置はさらにこの基材を機械的に撹拌する手段
を備えている。この装置はさらに化学処理剤を導入する手段を備えることもでき
る。
【0021】 さらに別の実施形態においては、上部またはマニホルドの底部表面に高温用シ
リコンまたは他の耐熱性ガスケットを備え、これによってトレイを上部またはマ
ニホルドに対して密封して空気がトレイのまわりではなくトレイとトレイ内に収
容された基材を通って導かれる。1つの実施形態によれば、この上部は垂直に取
り外しが可能である。他の実施形態においては、このマニホルドは随意に、パー
ジガス/空気の流れに同伴される基材微粒子を物理的に分離する1から100ミ
クロンメッシュの乾式フィルター媒体を含む。
【0022】 この装置はさらに、制御器装置を使用して前記装置の運転を遠隔で監視する手
段と、情報をコンピュータに伝える変換器とを備えることもできる。
【0023】 本発明はさらに、基材を容器内に置くことと、基材を加熱することと、この基
材の上部に真空状態を設定してこの基材内部に大気圧以下の圧力を生成すること
と、この基材からガス状成分を除去することを含む、基材から有害および無害な
有機および無機廃棄物成分を分離する方法を提供する。この各基材は放射性物質
、産業工程廃棄物の流れ、土壌、スラッジ、活性炭、触媒、砂利、バイオマス、
がれき、溶剤、掘削のかすや切り屑などから選択される。各成分の沸点は、例え
ば、華氏約30度(−1.1℃)から華氏約1600度(871℃)の範囲に及
ぶことができる。除去することが可能なこの各成分の例には、アンモニア、水銀
、水銀化合物、シアン化物、シアン化化合物、ヒ素、ヒ素化合物、セレニウム、
セレニウム化合物、およびその他の金属とその金属塩などがある。
【0024】 1つの実施形態によれば、各成分は、各基材から各成分を分離する間、熱的に
破壊されたりあるいは燃焼されることはない。この方法は基材から分離された各
成分を凝縮、または物理的に濾過あるいは吸着することにより各成分を可逆的に
相変換することを含むことができる。1つの実施形態においては、各成分の脱着
温度に達した後、各成分は0.5秒未満の間基材内に保持される。
【0025】 この方法は、0.2から14ミクロンの間の発光スペクトルを持つ光エネルギ
ーにさらすことによって間接的なやり方で基材を加熱することを含むことができ
る。1つの実施形態によれば、赤外線エネルギーにさらされた基材の表面が二次
的な放射源となり、パージ空気が充填トレイの基材表面に対流作用で熱を伝える
。他の実施形態においては、光エネルギーにさらされた基材の表面が放射源とな
り、光エネルギーにさらされた表面の上部の基材層に熱伝導で熱を伝える。この
方法はさらに、基材の底部表面より上の基材層に熱を伝える対流による方法で各
基材を加熱することを伴うことができる。
【0026】 1つの特別な実施形態によれば、放射性核種および無機金属成分を含む基材か
ら有機化学製品が分離される。これらの各成分は循環処理のために回収および精
製することができる。この方法はさらに、ガス蒸気および各成分をパージして凝
縮、捕集する手段を含むことができる。さらに別の実施形態によれば、排出空気
の流れがトレイの下に再循環し、実質的にクローズドループシステムを形成する
【0027】 (発明の詳細な説明) 本発明は、様々な基材から、有害および無害な有機成分と無機成分を分離する
方法に関する。より詳細には、本発明は、1つまたは複数の以下の原理:低温熱
脱着、放射エネルギー、対流加熱、伝導加熱、空気ストリッピング、真空蒸留、
減圧揮発、および化学添加剤などの追加による化学揮発を使用することによって
、基材からこれらの様々な成分を分離する方法に関する。より具体的には、本発
明は、様々な基材を改善する方法に関し、プロセスの主要な結果は、最小限の廃
棄物と資源リサイクルする利益を提供することである。好ましくは、本発明は、
以下の廃棄物の流れの領域を改善する方法に関する:(1)原料と工業プロセス
の廃棄物の流れからの有害および無害な有機化学成分と無機化学成分の放射性核
種汚染分離を拡散または不安定化せずに、放射性核種で汚染された基材から有害
および無害な有機成分と無機成分を分離する、(2)スラッジ、汚損、活性炭素
、触媒、骨材、バイオマス、デブリなどを含むが、これに限定されるものではな
い、様々な基材から、有害および無害な有機化学成分と無機化学成分を分離する
【0028】 基材成分セパレータは、従来技術には欠如していた、制御された空気流の分布
を提供する。基材成分セパレータは、固定トレイまたは撹拌器トレイに含まれて
いる基材を通してドローされた空気流と熱の均一な空気流の分布を可能にし、確
実に基材の体積全体に含まれている成分を完全に脱着させる。揮発性および半揮
発性の有機化学物質と揮発性無機化学物質の脱着については、処理室の移動部分
が欠如していることにより、保持が低く、したがって、生産の増大と関連する経
済的な利益をもたらす。
【0029】 このプロセスにより、所望であれば、飛沫同伴した放射性核種を拡散または不
安定化せずに、放射性核種で汚染された基材から、全ての有害および無害な有機
化学成分と無機化学成分を完全に脱着、分離、および収集することを可能になる
【0030】 基材成分セパレータは、さらに処理が必要な廃棄物の量について著しい体積の
減少のために、有害成分のリサイクリング、再使用、経済的な処分、またはさら
なる処理に対して有害および無害な有機化学成分と無機化学成分および基材を回
収する効率的で費用効果の高い分離を提供する。
【0031】 本処理装置の設計は、経済的な利益と、放射エネルギーを生成するシステムで
使用する燃料の使用を最大にする。また、処理プロセス中に、基材から化学物質
を脱着するために、または基材からの脱着に続いて蒸発した成分を凝結および収
集するために補助燃料を使用しないので、プロセスは効率的である。
【0032】 プロセス全体により、廃棄物の流れで、大幅で望ましい体積と質量の低減が達
成され、次いで、リサイクルし、経済的な利益で再使用し、処分し、または著し
くより低いコストでさらに処理することができる。大気中に放出されたかまたは
埋め立てられた化学汚染物質の体積は、本発明の方法によって大幅に低減される
が、これは、本発明の方法が、基材自体を含む汚染された基材から、化学生成物
を分離、改善、収集、精製、および回収する手段を提供するからである。
【0033】 従来技術の方法は、上部から材料を加熱することを含み、空気を押し下げて材
料を通過させる。この作業は、物理の法則と矛盾しており、処理プロセスを遅ら
せる。従来技術では、空気がシステムを通って下方にドローされるとき、対流熱
はバーナから獲得されない。ほとんどの対流熱は上昇し、プロセスの上部から逃
げていくことを観測することができる。MCSは、底面から汚損を熱し、加熱器
の排気と加熱された空気は、基材を通ってシステムから出る。このプロセスは効
率的であり、熱は自然に上昇するので、空気が基材を通るようにするために、対
向する力を必要としない。空気の上昇運動は、基材を通る自由な空気の流れを見
込んでおり、基材を圧縮または凝集しない。従来技術は、基材の凝集を生じ、こ
れは、システムを通る空気の流れと処理の効率の両方を阻害する。
【0034】 処理する場所にユニットを輸送するコストは、基材を処理する場所に移動し、
埋め戻し材料として、または他の再使用あるいは処分のために基材を使用する場
所に再び戻すコストよりはるかに少ないので、MCSは携帯式であることが好ま
しい。
【0035】 方法は、底面を遮蔽したトレイ内に基材を装備することからなることが好まし
い。このトレイは、反射底面と3つの垂直側面を有し、上部が大気に開いており
、一般にゆるくパックされている基材を通る上昇気流を確立するために、コンテ
ナの上部を通って、真空または少なくとも部分的に真空を確立し、底面から基材
を加熱し、後ろからまたは気体と混合した熱気体を上方に引き上げて基材から汚
染物質の蒸気を放出し、所望であれば、トレイとマニホルドのフレームから基材
を取り外し、空気放出制御システムで汚染蒸気を収集する加熱フレーム内に機械
的に配置されている。最後に、処理した基材を含んでいるトレイを加熱フレーム
から取り外し、他のトレイのセットを処理しながら、制御された方式で冷却する
ことが可能である。トレイ内に含まれている処理した基材を冷却した後は、制御
された方式で基材をトレイ内で再水和する。次いで、基材をトレイから取り外し
、一過性の放出またはダストを最小限に抑える。
【0036】 空気は、システムの開放基部を通って、熱源から最も遠い点に引かれる。この
空気流は、2つの機能を実施する:(1)源を通って対流熱をドローし、光エネ
ルギーに暴露されていない液体でない基材を加熱する、(2)処理室内の蒸気圧
を低減する。第2に、減圧することにより、処理した基材から解放されている汚
染物質の沸点を下げる。蒸気圧/沸点の関係は、特定の物質に対する以下のよく
知られた実験式によって表される。aとbの値は既知であり、p=圧力はmm水
銀柱、T=温度は絶対温度で表されている。aとbは、(とりわけ)CRC H
andbook of Chemist and Physics、69th
edition.(1988)のページD−212から始まるところで与えられ
ている定数である。 Log10p=0.05223aをTで割りbを加えたもの
【0037】 これにより、より低い温度で、より高い沸点を有する汚染物質を除去すること
が可能になる。システムを加熱するのに必要なエネルギーは、他の熱処理システ
ムが必要とするエネルギーのわずかに約4分の1である。同様に真空も物理的な
方式で機能する。処理した基材を物理的に空気でドローし飽和することによって
、加熱された空気は、存在している他の気体を変位させて、処理しているトレイ
から一掃し、システムの効率を上げる。
【0038】 本発明では、様々な廃棄物基材が、トレイ内へ配置され、加熱器の基部上に充
填されており、ファンは、遮蔽したトレイの底面全体を通じて基材に作用して、
システムを経て空気をドローする。加熱器は、2.54センチ(1インチ)未満
から91.44センチ(3フィート)を超える範囲の深さまで、基材を均等かつ
完全に加熱するように活動化される。通常、基材は、10.16センチ(4イン
チ)から45.72センチ(18インチ)の範囲の深さまで加熱される。加熱の
有効な深さは、当業者によって容易に決定することができ、熱源、基材の物理的
な特徴などのファクタによって影響される。また、基材より下の全ての位置でプ
ロセスに入ってくる周囲の空気も加熱され、基材を通って上方に引かれ、上層基
材に熱を搬送する。熱と減圧した圧力の組合わせは、基材から汚染物質を除去し
、空気流は、放出制御システムまたは収集システムを介して、処理プロセスから
除去された汚染物質をドローする。所望であれば、基材を攪拌することができ、
処理は非熱的な性質とすることができる。
【0039】 システムは、一括処理プロセスであり、これを使用して、様々な固体基材およ
び半固体基材から、有害および無害な有機化学成分と無機化学成分を分離する。
これらの基材は、放射性汚染基材、工業プロセス廃棄物の流れ、スラッジ、汚損
、活性炭素、触媒、骨材、バイオマス、デブリなどを含むが、これらに限定され
るものではない。化学成分は、基材を通る大量の空気または他の気体の体積をパ
ージしながら、トレイの基材を加熱することによって、基材から分離される。パ
ージ気体の流れは、物理的な分離、凝縮、および脱着によって空気から化学成分
を除去する一連の非破壊的放出制御構成要素を通って流れる。好ましい実施形態
では、本発明は、以下の構成要素を含むが、これに限定されるものではない。 ドライ粒子フィルタ 凝縮システム HEPAフィルタ 炭素吸収 液体スクラバ 逆浸透 化学沈殿 物理的な相分離 合体フィルタ
【0040】 本発明の装置は、以下の図を参照することによって記述することができる: 図2: 1.ベアリングと、基材混合フライトに接続されているシャフトを収容するシャ
フト支持ビーム。 2.処理中に汚染された基材を含むトレイのスロット付き遮蔽底面 3.処理中に、トレイに含まれている基材を通って移動し、基材の混合を容易に
する混合フライト 4.混合フライトを駆動する油圧モータ 5.パワー要件を低減し、フライトを駆動するスレーブ・スプロケット 6.スレーブ・スプロケットを駆動スプロケットに接続する駆動鎖 7.混合フライトを駆動する油圧モータに結合されている駆動スプロケット 8.劣悪な環境から油圧モータを守る保護ハウジング 9.混合フライトを駆動する油圧モータ 10.混合フライトを駆動する油圧モータに結合されている駆動スプロケット 11.スレーブ・スプロケットを駆動スプロケットに接続する駆動鎖 12.パワー要件を低減し、フライトを駆動するスレーブ・スプロケット 13.処理中に汚染された基材を含むスロット付き遮蔽底面 14.ある種の無機汚染物質の処理を可能にするために、化学添加剤の導入前、
導入中、および導入後に基材を処理することに使用する撹拌器トレイ 15.処理中に、トレイに含まれている基材を通って移動し、処理中の基材の混
合を容易にする混合フライト 16.スレーブ・シャフトが回転できるようにする高温支持ベアリング 17.フライトが取り付けられている中央駆動シャフト 図3: 18.処理中に汚染された基材を含むトレイのスロット付き遮蔽底面 19.処理に続いて基材を除去するためのダンプ・ゲートに対する蝶番 20.ダンプ基材に対して回転して開くダンプ・ゲート・ドア 21.処理中にゲートが開くことを防止するダンプ・ゲート・ラッチ 22.ピックアップ口により、フォークリフトは、トレイを移動、充填、取出し
、およびダンプすることが可能になる 23.処理中にゲートが開くことを防止するダンプ・ゲート・ラッチ 24.処理に続いて基材を除去するためのダンプ・ゲートに対する蝶番 25.フォークリフト・ピックアップ口により、フォークリフトは、トレイを移
動、充填、取出し、およびダンプすることが可能になる 26.処理中に汚染された基材を含むスロット付き遮蔽底面 27.トレイ内へ充填された基材の重量を支持する底面スクリーン支持 28.フォークリフト・ピックアップ口により、フォークリフトは、トレイを移
動、充填、取出し、およびダンプすることが可能になる 28a.フォークリフト・ピックアップ口により、フォークリフトは、トレイ移
動、充填、取出し、およびダンプすることが可能になる 図1: 29.プロセス・バーナ 30.放射管バーナ 31.燃焼排気口 32.加熱器基部アセンブリ 33.排気マニホルドをトレイの上部の縁に封止する高温シリコン・ガスケット 34.1から100ミクロンのフィルタ媒体と粒子が空気流に乗ってシステムを
出ることを防止する物理的な障壁として作用する支持フレーム 35.空気抽出マニホルド 36.排気マニホルドをリフトする油圧シリンダ 37.排気口 38.汚損処理トレイ
【0041】 化学物質は、再回収して、化学成分を破壊せずに、これらの様々な構成要素か
ら、再精製、さらなる処理、処分、またはリサイクルすることができる。結果と
して得られる排出空気流は、化学成分を含まないか、または化学成分が最小限に
濃縮したものを含む。このプロセスを使用して、放射性核種と化学成分を混合せ
ずに、放射性汚染固体から化学成分を分離することができる。
【0042】 好ましい実施形態では、本発明は、好ましくは赤外線加熱器である、複数の加
熱器を含んでいる基部を備える。加熱器は、基材の下に位置し、携帯式加熱器フ
レーム内に配置されており、基材のより低い表面に接して上方を向いている。ま
た、この装置は、ほとんどの用途に対して、加熱器の基部をマニホルドのフレー
ムに永続的に取り付けることができるようにする。抽出送風機または真空ポンプ
は、基材を通って汚染物質が上方に移動する機動力を提供し、これは、抽出送風
機または真空ポンプを通って出て行くか、あるいは所望であれば、空気放出制御
システムで収集することができる。真空マニホルドまたは排気マニホルドが、油
圧シリンダによって基部に取り付けられている。マニホルドの底面は、温度耐性
ガスケット材料でガスケットされている。マニホルドは、遮蔽底面基材トレイを
加熱器の基部上に充填および取出しすることを見込むように、油圧式に上昇され
る。充填された後は、上方のマニホルドは降下され、トレイの上部の縁に封止さ
れる。これは、トレイの回りではなく、基材とトレイを通って空気を上方にドロ
ーすることを見込んでいる。
【0043】 好ましい装置は、5つの主要な構成要素:マニホルド、プロセス・トレイ、加
熱器基部、パージ空気ファン、および放出制御システムからなる。好ましい実施
形態では、通常、トレイは、約8フィート×8フィート×17インチ(240c
m×240cm×423mm)のサイズであり、スロット付き平坦ステンレス鋼
スクリーンを含む。廃棄物基材は、遮蔽トレイ内に充填され、トレイは、加熱器
基部の上に配置される。
【0044】 加熱器の基部は、通常1から4またはそれを超えるトレイのレセプタクルから
なり、トレイを挿入するために、加熱器基部とマニホルドの間に十分な空間を備
えるレセプタクルに取り付けられている加熱器のラックを有する。トレイを上昇
および降下して、トレイの充填と取外しのプロセスを補助することができる。ト
レイを充填し、マニホルドを降下した後は、加熱器で汚損を照射しながら、抽出
ファンは強制的にパージ空気が基材を通るようにする。
【0045】 基材の表面を加熱し、パージ気体の流れは基材を通って対流して移動し、光エ
ネルギーに暴露されている基材の表面層から、トレイ内により深く配置されてい
る基材材料に熱を伝達する。伝導熱の伝達は、基材の粒子が、光エネルギーに暴
露されている粒子並びに対流して加熱されている粒子に接触するトレイで行われ
る。パージ空気の流れは、蒸気の状態が促進される平衡シフトを造り出す。基材
の化学物質は、平衡状態では、固体、液体、蒸気として存在する。熱は平衡をシ
フトし、より多くの蒸気を生成する。この蒸気は、パージ空気の蒸気を生成する
ことによって変位し、システム外へ移送されるので、システムが平衡状態に落ち
着こうとするとき、さらに促進される。
【0046】 基材成分セパレータは、貯蔵領域でのトレイの充填を見込んでおり、トレイは
、基材と汚染物質の両方を完全に含み、汚染物質を拡散または一過性の放射を放
出せずに、制御された方式で、処理ユニットに輸送することができる。また、こ
の新しいプロセスにより、作業者がプロセス・ユニットに入り、基材、使用した
豆砂利のフィルタ媒体、および真空管を清掃する必要性が排除される。これは、
汚染蒸気への暴露、熱によるストレス、やけど、および重い材料を持ちいて極度
に熱い環境で作業することに伴う背景問題に関する健康と安全に対する懸念を著
しく最小限に抑える。
【0047】 MCSプロセスにより、遮蔽底面トレイをフレーム上に充填し、スクリーンの
プラッギング、飛沫同伴したドア・フィルタ媒体の問題、および関連する保守の
中断時間を削除することが可能になる。この理由により、MCSプロセスには、
事実上中断時間がない。特定のトレイ上にあるスクリーンに何らかの保守が必要
である場合、他のトレイの処理を続行しながら、これを達成することができる。
従来技術では、プロセッサの保守は、製造の損失をもたらす。MCSプロセッサ
に埋め込まれている静的な表面領域は、完全にスクリーン上に配置されており、
100%の有効範囲となる。
【0048】 MCSプロセスは、ローディング・ドアを削除し、基材を通る均等な空気流と
均一な処理を促進する。高価なフィルタ媒体の必要性が排除され、プロセスのコ
ストを下げ、処分する残留廃棄物を最小限に抑える。MCSでは、基材がプロセ
スの設備とコンタクトしないので、これらの問題は全て排除されている。
【0049】 MCSプロセスでは、汚染物質と粒子が飛沫同伴し、放出制御システムに混入
することを、5から100ミクロンの物理的障壁が防止する。これにより、汚染
除去が容易で効率的になる。
【0050】 MCSプロセスは、機構的なアジテータを備えることができ、したがって、基
材は、混合と、トレイから引き込まれ放出制御システムで収集された汚染物質を
揮発または気化させるために使用した化学化合物の添加により、化学的に処理す
ることができる。
【0051】 MCSプロセスは、ダストを制御し、基材の再使用に備えるために、処理した
廃棄物を制御して再水和することを見込んでいる。これは、従来技術では実用的
でない。他のトレイの処理を続行しながらトレイの再水和を行うことができるの
で、製造には影響を及ぼさない。従来技術では、再水和は処理室で行わなければ
ならないので、さらなる製造は不可能である。また、室内での再水和は、室内の
水を蓄積することになり、次の一括実施製造の処理時間に影響を与え(増大し)
、生産に影響する。
【0052】 MCSプロセスは、変換器と熱電対を使用して、基材の温度、空気流、圧力、
およびプロセスの放出制御構成要素を監視することが実用的であるように構成さ
れている。これにより、オペレータは、正確に処理プロセスを制御することが可
能になる。従来技術では、これらの制御が欠如しており、基材の汚染物質容器で
実際に使用することができなかった。また、プロセス制御を使用することにより
、システムを操作するために必要な作業者の数を抑え、その結果健康と安全に対
する有害にさらす可能性を抑えることになる。これらの両方の利点により、シス
テムのコストはより競合的になる。
【0053】 MCSプロセスは、従来技術より、経済的で効率的な処理手段である。
【0054】 従来技術のプロセッサを充填および取出しする方法は、バッチ間に著しい中断
時間を必要とし、この技術の製造効率と経済的利益に直接影響を及ぼす。MCS
方法のプロセス設計は、従来技術と比較して、かなりな製造効率と経済的利益を
実現するが、これは部分的には、基材を処理室に充填および取出しするために、
バッチ間の中断時間が改善される結果である。
【0055】 本システムでは、全ての成分は蒸気に変換され、空気流によって空圧で放出制
御システムに移送される。パージ空気の体積は過多なので、パージ空気流に飛沫
同伴している粒子を物理的に分離する手段を使用することができる。通常1から
100ミクロンの範囲の間隙を有するドライ粒子フィルタが、トレイ・ガスケッ
トのすぐ上にあるマニホルドに組み込まれている。この物理的な障壁はこれらの
粒子を停止して、成分の蒸気から分離する。蒸気はコンデンサを通って進み、コ
ンデンサで液体に凝縮する。プロセスのこの段階から、蒸気とパージ気体は、通
常0.1ミクロンまでの粒子を遮蔽するように設計されているHEPAフィルタ
を通過する。パージ空気は炭素を通って進み、さらに浄化される。最終的には、
空気は大気中に放出されるか、またはパージ空気としてプロセスに再導入される
。スクラバ、段階的な凝縮などを使用して、パージ気体蒸気の除去を達成するこ
とができる。
【0056】 トレイの基材を機械的に攪拌することができ、化学添加剤を基材に導入して、
プロセスを促進し、または分離のために成分をより揮発性の形態に変換すること
ができる。これはトレイの内側で回転して基材を混合するフライとしたパドルを
使用して達成される。また、ドラッグ・バーを利用して達成することもできる。
【0057】 通常、抽出ファンは、システムを駆動する唯一の動く機械部分である。また、
システムは、ある種の化学成分の処理に利用する特定の実施形態では、アジテー
タのトレイを変更することができる。これらのトレイの底面をキャップし、約0
インチから約29インチ(737mm)水銀柱の範囲の真空を達成することがで
きる。これにより、さらに平衡シフトを促進することができる。その結果、化学
成分は基材から分離され、それらを破壊せずに、放出制御システムで収集される
【0058】 無機化学成分とある種の化学成分は、トレイ・アジテータの使用および/また
は化学物質の添加と組み合わせたシステムによって分離することができる。これ
らのプロセスのいくつかは、非熱的に達成することができる。例えば、基材の成
分と浸透性が同質である場合、シアン化物塩または有機的に結合したシアン化物
で汚染されている基材を、固定トレイの内側に配置することができ、または同質
でない場合は、撹拌器トレイに配置することができる。硫酸、硝酸、塩酸、また
は他の酸を添加することによって、シアン化水素の気体を生成し、これを基材か
ら引き込み、苛性スクラバを通過させて、シアン化ナトリウムを生成し、次いで
収集およびリサイクルすることができる。次いで基材を腐食薬で中和して、可能
な再使用に適しているようにすることができる。
【0059】 まず基材を酸性化し次いで酸化することによって、水銀、ひ素、セレニウム、
および他の遷移元素を基材から解放し、基底状態にある金属を得ることができる
。塩化第一スズまたは硫酸塩を添加して、化合物の水素気体を形成させ、収集し
、酸スクラバを通過した問題の化合物を放出する。
【0060】 腐食薬でpHを上げ、ホウ酸の蒸気を収集することによって、アンモニウムを
基材から除去することができる。
【0061】 機械的アジテータは、トレイの底面の下で駆動される鎖である可能性がある油
圧式に給電されたプロセスからなる。トレイの表面は、スクリーンの底面を横切
って乗っている2つのフライトを含む。フライトは、中央が約5.08センチ(
2インチ)持ち上がっており、基材を通ってプラウし、材料をリフトおよび混合
する。フライトは、トレイ・スクリーンの下に突き出しているシャフトに取り付
けられている。スクリーンの底面の下で、シャフトは、それに接続されているス
プロケットを有する。通常、このシャフトは、トレイの中央に配置されている。
また、油圧モータのシャフトは、トレイの遮蔽底面を通って延びている。同様に
、このシャフトに取り付けられているスプロケットが存在する。C駆動鎖は、2
つのスプロケットを接続する。モータのシャフトが回転するとき、スレーブ・シ
ャフトが回転して、基材を通してフライトを押す。
【0062】 通常、加熱器の基部は、基材に向かって上方を向いている8から12の放射加
熱器を含む。
【0063】 従来技術は、管状スクリーンが挿入され、一端でマニホルドに取り付けられて
いる、一連の陥没した室を有する。処理する汚損は、室の底面上とスクリーンの
上部の上にある。陥没した領域とスクリーンは迅速にプラグされる。このため、
汚損は不均等に加熱され、劣等で不均等な処理となる。スクリーンをプラグする
汚損は、手作業で除去しなければならず、プロセスの中断時間と作業者の健康と
安全の問題を引き起こす。
【0064】 本プロセスは、処理中に基材が内部に存在しているスクリーンを有する一連の
陥没した室を使用しない。プロセスの室は、処理トレイから分離されている。室
は、基材を含むトレイが配置されているフレームを備える。トレイは、ダンピン
グ・プロセス中に生じる可能性がある任意のプラッギングから自身をクリアにす
る自浄遮蔽底面を有する。
【0065】 液体の沸点は、物質の分圧が蒸気圧に等しくなる温度である。最終処理温度と
システムの動作圧力との間には、直接的な関係が存在する。システムが動作して
いるとき、圧力は下がり、揮発によって化合物を除去するために必要な処理温度
は減少する。MCSは、システムの圧力を下げることによって、この沸点降下の
原理を使用する。システムの圧力は、約0インチ水銀柱から約1インチ(25m
m)から30インチ(762mm)水銀柱まで低減される。表1は、水、アセト
ン、TCE、およびPCEのこの関係の例を示す。
【0066】 表1を参照すると、沸点とシステムの圧力との関係は、直接的ではあるが、線
形ではないことが容易にわかる。この非線形は、クラジウス・クライペロンの式
によって記述される。 式1p=p*×exp−C C=(デルタHvap)×(l−1) R TT* 上式で、 p*は、温度T**R)での蒸気圧(気圧) pは、温度T(*a)での蒸気圧(気圧) Rは、普遍気体定数(BTU/モル−*R) デルタHvapは、気化熱(BTU/1b)
【0067】 上式が成り立つために、3つのことを仮定している:1)モル体積の変化は、
気体のモル体積の変化に等しい;2)気体は理想気体として振る舞う;3)気化
のエンタルピー(デルタHvap)は、温度に依存しない。表1は、表のデータの
沸点と、約25インチ(635mm)水銀柱の圧力で、いくつかの化学物質に対
してクラウジウス・クライペロンの式で計算した沸点とを比較する。
【0068】 空気流に関係する他の重要なパラメータは、空気ストリッピングである。空気
ストリッピングは、搬送気体である空気を使用して、流体でない材料から汚染物
質を除去するプロセスである。汚損から汚染物質をストリップするレートは、そ
の蒸気圧と水の安定性に依存する。このプロセスは、以下の式によって表される
ヘンリーの法則によって記述することができる。 式2 Pa=Xa×k(T) 上式で、 Paは、構成要素aの分圧 kは、温度Tでの構成要素aに対するヘンリーの法則の定数 Xaは、溶液であるaのモル分率(Xaは小さい)
【0069】 したがって、各汚染物質の脱着は、各化合物の沸点に到達するときだけでなく
、全プロセスを通じて行われている。
【0070】 化学揮発は、以下で示す、2つのステップの化学反応からなる。 式3 T0 でのC(l) 熱 TbpでのC(l) デルタHt 式4 TbpでのC(l) 熱 TbpでのC(g) デルタHv 上式において、Cは、定義された沸点(Tbp)を有する特定(および純粋)の
化学物質 C(l)は、液相で、ある温度Tでの上記化学物質 C(g)は、気相で、ある温度Tでの上記化学物質 T0は、周囲の温度 Tbpは、沸点の温度
【0071】 第1反応では、汚染物質(または化学物質)の温度は、沸点に達するまで上昇
する。開始温度から沸点まで温度を上昇するのに必要なエネルギーの量は、(液
相の)熱容量と汚染物質の量に依存する。例えば、液相の水は、1lbの温度を
摂氏0.56度(華氏1度)上昇するために、1BTUのエネルギーを必要とす
る。第2反応は、汚染物質がその沸点に達した後、液体が蒸発する間は温度が一
定であることを示す。気化熱は、液相から気相への相変化を生成するのに必要な
エネルギーの量である。水では、気化熱は950BTU/lb(摂氏100度(
華氏212度))である。必要な熱の合計は、個々の反応のエンタルピーの和ま
たはデルタHtとデルタHvの和である。
【0072】 基材には3つの主要な構成要素が存在する:1)汚染物質;2)水;および3
)基材自体。汚染物質と水は、基材の加熱のみを行っている間に、2つのステッ
プの化学気化反応を経る。汚染物質は、百万分の一(ppm)の単位の濃度で存
在し、水は10から20%の範囲の濃度であり、残りの80から90%が基材で
ある。
【0073】 汚染物質は比較的低濃度で存在するので、必要なエネルギーの入力に対する2
つの主要な駆動体は、水と基材である。上記で説明したように、水を沸点まで加
熱するためにエネルギーを使用し、水を蒸発させ、システムを最終目標の処理温
度まで加熱するために、エネルギーは断続的に追加される。したがって、目標の
処理温度に達するために必要な全エネルギー量を決定する際には、基材と水(お
よびそれらの対応する熱容量)の相対量、並びに最も沸点が高い汚染物質に依存
する最終目標の処理温度を考慮に入れなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置の側面図である。
【図2】 撹拌器トレイの平面図、底面図および側面図を示す。
【図3】 本発明を実施する時に使用されるいくつかの固定または移動式トレイの図を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09C 1/06 B09B 5/00 T G21F 9/02 511 Z 9/28 511 3/00 303B 303P 303Z (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4D004 AA01 AA02 AA41 AA47 AB03 AB05 AB09 CA08 CA12 CA22 CA43 CA50 CB04 CB50 DA03 DA20 4D019 AA01 BB02 BD01 CB04 4D076 AA01 AA02 AA07 AA08 AA15 AA16 BA07 BA21 CA08 DA02 DA26 DA27 HA03 JA01

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部を有し前記上部がガス除去用マニホルドを有する容器と
    、底部と、前記容器の内部を加熱する手段とを備える、基材から廃棄成分を分離
    する装置。
  2. 【請求項2】 さらに前記マニホルドを通してガスを引き出すために真空状
    態を発生する手段を備える請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 さらに取り外し可能なトレイを備える請求項2に記載の装置
  4. 【請求項4】 前記容器がさらに0から4個の側面を有する請求項3に記載
    の装置。
  5. 【請求項5】 前記容器が側面を持たず、トレイが前記容器に挿入した場合
    に効果的にこの容器の側面を形成する請求項4に記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記トレイがオリフィスを有する底部を備え、前記底部が基
    材を支持しこれによって空気が上に向けて基材とオリフィスを通りぬけることが
    できる請求項3に記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記底部はスクリーンである請求項6に記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記底部は溝穴である請求項6に記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記トレイが、フォークリフトで移動し容器内へ積み込むこ
    とができるような大きさ、寸法および容量である請求項3に記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記トレイは、基材を上部から入れ、少なくとも約2.5
    立方ヤード(1.9立法メートル)の充填容量を有する請求項3に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記トレイがフォークリフト用口の反対側に処理済みの基
    材を取り出す蝶番式の取り出し口を有する請求項3に記載の装置。
  12. 【請求項12】 さらに基材を機械的に撹拌する手段を備える請求項1に記
    載の装置。
  13. 【請求項13】 さらに化学処理剤を導入する手段を備える請求項1に記載
    の装置。
  14. 【請求項14】 マニホルドの底部表面に高温用シリコンまたは他の耐熱性
    ガスケットを備え、これによってトレイをマニホルドに対して密封して空気がト
    レイのまわりではなく実質的にトレイとトレイ内に収容された基材を通って導か
    れる請求項1に記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記マニホルドが、パージガス/空気の流れに同伴される
    基材微粒子を物理的に分離する1から100ミクロンメッシュの乾式フィルター
    媒体を含む請求項1に記載の装置。
  16. 【請求項16】 さらに、制御器装置を使用して前記装置の運転を遠隔で監
    視する手段と、情報をコンピュータに伝える変換器とを備える請求項1に記載の
    装置。
  17. 【請求項17】 1から4個のトレイを備える請求項3に記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記装置は恒久的に固定されているまたは移動可能である
    請求項1に記載の装置。
  19. 【請求項19】 前記上部は垂直に移動可能な請求項1に記載の装置。
  20. 【請求項20】 基材を容器内に置くことと、基材を加熱することと、この
    基材の上部に真空状態を設定してこの基材内部に大気圧以下の圧力を生成するこ
    とと、この基材からガス状成分を除去することを含む、基材から有害および無害
    な有機および無機廃棄物成分を分離する方法。
  21. 【請求項21】 前記各基材が放射性物質、産業工程廃棄物の流れ、土壌、
    スラッジ、活性炭、触媒、砂利、バイオマス、がれき、溶剤、掘削のかすや切り
    屑から選択される請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記各成分の沸点が華氏約30度(−1.1℃)から華氏
    約1600度(871℃)の範囲にある請求項20に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記各成分がアンモニア、水銀、水銀化合物、シアン化物
    、シアン化化合物、ヒ素、ヒ素化合物、セレニウム、セレニウム化合物、および
    その他の金属とその金属塩から選択される請求項20に記載の方法。
  24. 【請求項24】 さらに、各成分を熱的に破壊したりあるいは燃焼したりせ
    ずに各基材から各成分を分離することを含む請求項20に記載の方法。
  25. 【請求項25】 さらに、基材から分離された各成分を凝縮、または物理的
    に濾過あるいは吸着して各成分を可逆的に相変換することを含む請求項20に記
    載の方法。
  26. 【請求項26】 各成分の脱着温度に達した後、各成分は0.5秒未満の間
    基材内に保持される請求項20に記載の方法。
  27. 【請求項27】 さらに、0.2から14ミクロンの間の発光スペクトルを
    持つ光エネルギーにさらすことによって間接的なやり方で基材を加熱することを
    含む請求項20に記載の方法。
  28. 【請求項28】 赤外線エネルギーにさらされたこの基材の表面が二次的な
    放射源となり、パージ空気が充填トレイの基材表面に対流作用で熱を伝える請求
    項20に記載の方法。
  29. 【請求項29】 光エネルギーにさらされた基材の表面が放射源となり、光
    エネルギーにさらされた表面の上部の基材層に熱伝導で熱を伝える請求項20に
    記載の方法。
  30. 【請求項30】 対流による方法で加熱された各基材が基材表面より上の基
    材層に熱を伝える請求項20に記載の方法。
  31. 【請求項31】 さらに、放射性核種および無機金属成分を含む基材から有
    機化学製品を分離することを含む請求項20に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記真空状態が0から29インチ(737mm)水銀柱の
    範囲である請求項20に記載の方法。
  33. 【請求項33】 さらに循環処理のために精製可能な成分を回収する手段を
    含む請求項20に記載の方法。
  34. 【請求項34】 ガス蒸気および各成分をパージして凝縮、捕集する手段を
    含む請求項20に記載の方法。
  35. 【請求項35】 排出空気の流れをトレイの下に再循環し、実質的にクロー
    ズドループシステムを形成する請求項20に記載の方法。
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