JP3530534B2 - Rnaおよびdnaの保存を目的とする培養ヒト細胞の凍結乾燥 - Google Patents

Rnaおよびdnaの保存を目的とする培養ヒト細胞の凍結乾燥

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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願の相互参照 該当事項なし。
米国連邦政府援助の研究または開発 該当せず。
発明の技術分野 この発明は、真核細胞を凍結乾燥し、その細胞から無
傷の核酸を単離する方法およびその核酸を使用するキッ
トに関する。
発明の背景 ウイルス、生物活性分子および細菌を凍結乾燥するす
なわち「フリーズドライ」する方法は、研究室で日常的
に利用されている。一般に、凍結乾燥される細胞または
分子は、凍結処理の後、所望の活性を回復できる溶液中
に懸濁される。凍結乾燥溶液用の理想的な製剤は、凍結
乾燥を行う前の限定された期間、安定化する環境を提供
し、凍結乾燥中は優れた熱特性と凍結特性を提供し、か
つ所望の活性を極低温に対して保護しなければならな
い。
従来の凍結乾燥法は、真核細胞のタンパク質の保存お
よび細菌の保存を行うのに糖類を使用することに主とし
て集中していた。例えば、細菌の細胞を凍結乾燥するの
に使用する溶液の主成分は濃度が5〜10%の糖であり、
この糖は前記細胞を安定化するために用いられている
「Greaves,Fundamental Aspects of Freeze−drying Ba
cterial and Living Cells,in Aspects Theoriques et
Industriels de la Lyophilisation,407〜410頁(Rey
編、1964年)」。しかし、核酸特にRNAを保持するのに
有効な真核細胞凍結乾燥法はまだ確立されていない。真
核細胞の等張凍結乾燥製剤中にラクトースなどの糖を含
有させると、核酸は、凍結乾燥細胞から高収率で単離さ
れなかった。低濃度のメタノールまたはエタノールなど
の保存剤を凍結乾燥溶液に含有させると、凍結乾燥後、
無傷の核酸を単離するのにやはり効果的でないことが見
出された。
真核細胞由来の核酸を長期間保存する方法が、疾患の
診断および法医学に対して分子生物学の方法を利用する
ために要望されている。かような検定法では、標準供給
源由来の陽性および陰性の対照(positive and negativ
e control)が特に有用である。以前の患者由来の臨床
試料および公知の遺伝子型を有する細胞系が、検査の対
照細胞の供給源として使用されることが多い。しかし、
患者由来の臨床試料は、一般に、限定された量しか入手
できない、培養細胞系は対照細胞の便利な供給源である
が、新たに培養された細胞を各検定毎に用いることは、
培養細胞の増殖と維持のために時間、経費および労力が
必要であるため問題がある。
発明の要約 したがって、この発明は、ヌクレアーゼを含有せず真
核細胞用の凍結乾燥溶液として使用され、該細胞から無
傷のDNAおよびRNAを単離できる等張溶液を提供するもの
である。この発明は、真核細胞由来の核酸を長期間にわ
たって貯蔵し保存するのに有用である。また、この発明
は、診断検定法および法医学検定法などの検定法に対照
として使用する標準の核酸試料も提供する。
一態様で、この発明は、真核細胞内に含有されている
核酸を長期間保存する方法であって、(1)無傷の真核
細胞の水溶液であって、該細胞に対して等張性でありヌ
クレアーゼを含有していない水溶液を凍結乾燥し、
(2)凍結乾燥された細胞を大気水分との接触を防止す
るのに十分な密閉条件下にて維持する工程からなる方法
を提供するものである。
一実施態様では、前記水溶液がジエチルピロカルボネ
ートで処理された。他の実施態様では、前記水溶液が0.
8〜1.0w/v%の濃度の塩化ナトリウムを含有している。
その他の実施態様では、前記水溶液が標準のリン酸緩衝
食塩水を含有している。さらに他の実施態様では、前記
溶液のpHは6.8〜8.2である。
一実施態様では、前記真核細胞が哺乳類の細胞であ
る。他の実施態様では、前記細胞がヒトの細胞である。
さらに別の実施態様では、前記細胞がリンパ球である。
さらに別の実施態様では、前記細胞が、RNAウイルスに
感染した細胞である。さらに別の実施態様では、前記細
胞は培養してから凍結乾燥される。
他の実施態様で、この発明は、凍結乾燥された細胞か
ら無傷の核酸を単離する方法であって、(1)生きてい
る真核細胞の水溶液であって、該細胞に対して等張性で
ありヌクレアーゼを含有していない水溶液を凍結乾燥
し;(2)凍結乾燥された細胞を密閉条件下にて少なく
とも30日間維持し;(3)その細胞を開放し;(4)そ
の細胞タンパク質を変性させて無傷の核酸と変性された
細胞タンパク質の混合物を生成させ;(5)前記細胞が
生き返ることがない条件下にて変性された細胞タンパク
質と核酸の混合物から無傷の核酸を単離する工程からな
る方法を提供するものである。
一実施態様では、単離される核酸がリボ核酸である。
他の実施態様では、前記細胞がリンパ球である。
他の実施態様で、この発明は、−20℃で4週間後の細
胞が電気泳動法で測定した場合その18SrRNAの50%以上
が無傷である、診断検定法で対照として使用する凍結乾
燥真核細胞を含んでいる標準化密閉バイアルびんのコレ
クションを提供するものである。
一実施態様では、前記細胞がリンパ球である。他の実
施態様では、前記細胞がRNAウイルスに感染した細胞で
ある。さらに別の実施態様では、前記バイアルびんがRN
Aの分解を減少させるのに有効な量のRNアーゼ阻害剤を
含んでいる。
他の態様では、この発明は、凍結乾燥された真核細胞
を有している核酸ハイブリッド形成キットを提供するも
のである。
一実施態様では、前記細胞がヒトの細胞である。他の
実施態様では、前記細胞がリンパ球である。さらに他の
実施態様では、前記細胞がRNAウイルスに感染した細胞
である。
他の実施態様では、上記のキットが、公知の標的核酸
とハイブリッドを形成させるために選択された細胞を含
有しない核酸を有している。他の実施態様では、上記キ
ットが、標識核酸を有している。さらに、他の実施態様
では、核酸ハイブリッド形成検定法が凍結乾燥された細
胞から抽出したRNAを使用する。
他の実施態様では、核酸ハイブリッド形成検定法が増
幅に基づいた検定法である。さらに他の実施態様では、
増幅に基づいて検定法が、リガーゼ連鎖反応に基づいた
検定法又はポリメラーゼ連鎖反応に基づいた検定法であ
る。さらに他の実施態様では、上記キットが、少なくと
も一つのPCRプライマー対を含んでいる。他の実施態様
では、上記キットが、逆転写酵素を含んでいる。さらに
他の実施態様では、RNAが検定中に相補的DNAに転写され
る。
他の実施態様では、上記キットが、細胞を含んでいる
バイアルびんであって、同バイアルびんが大気の水分に
細胞が接触しないように密閉されている。
図面の簡単な説明 図1は、DEPCで処理した1X PBS中で凍結乾燥された細
胞試料から単離されたRNAを含有するゲルを臭化エチジ
ウムで染色したものの写真を示す。レーンN1とN2は、−
20℃で3ヶ月間貯蔵された、HeLaS3試料由来のRNAを含
有し;レーンP1とP2は、−20℃で6ヶ月間貯蔵されたSA
M−1試料由来のRNAを含有し;そしてレーンP3とP4は、
25℃で2日間貯蔵された「これは−20℃で2年間貯蔵さ
れたのと等しい、下記応力負荷安定性計算法(stressed
stability calcμl a tion)参照」SAM−1試料由来の
RNAを含有している。このゲルを、デンシトメーターを
使用して走査して、28SrRNAのバンド/18SrRNAのバンド
の比率を判定した。
図2は、mRNA、β−2マイクログロブリンmRNAおよび
CATmRNAを融合したBCR/ABLを増幅するのに用いたPCRプ
ライマーの線図を示す。
発明の詳細な説明 I.諸言 この発明は、診断用キットに用いる凍結乾燥細胞の核
酸の安定な製剤を提供するものである。細胞が等張溶液
中で凍結乾燥されると、報告によれば、細胞膜が等張溶
液内ではその完全性(integrity)を維持するので、核
酸は全てのヌクレアーゼから保護されると予想される。
我々は、従来技術の等張溶液を用いて凍結乾燥された細
胞中で、核酸が迅速に分解することを発見した。予想に
反して、内因性細胞ヌクレアーゼ類が顕著ではないが細
胞の核酸を分解している。我々は、驚くべきことには、
等張溶液を使用しているにもかかわらず、細胞が、短時
間の低温凍結乾燥操作の直前または該操作中、外因性ヌ
クレアーゼ類に対して透過性になることを発見したので
ある。凍結乾燥緩衝液中の外因性ヌクレアーゼ類のこの
問題は、ヌクレアーゼを含有していない凍結乾燥を使用
することで解決した。
病理学者らは、癌、遺伝病、および感染症等の診断を
助成するため、分子生物学的方法を使うことが多い。そ
の上、法医学の技術分野の研究者達も、犯罪の研究およ
び父系の決定のためにDNAプローブ分子分析法を使用し
ている。この分子分析法は、真核細胞からDNAまたはRNA
を単離し、一般に、続いて増幅させゲル電気泳動法にか
ける形をとることが多い。これらの試験の主な問題点
は、陽性および陰性の核酸対照用の標準細胞供給源がな
いことである。この発明は、診断分析法と法医学分析法
で対照として用いる凍結乾燥真核細胞を提供するもので
ある。これらの細胞はヌクレアーゼを含有していない等
張溶液内で凍結乾燥される。何故ならば、その溶液が、
ヌクレアーゼ阻害剤で処理されているからであり、或い
はヌクレアーゼ阻害剤を含んでいるからである。この凍
結乾燥法は、細胞の長期間貯蔵方法を提供し、その細胞
から無傷の核酸を単離して、例えば分子生物学の検定法
の対照として使用できる。
II.諸定義 特に規定しな限り、この明細書で使用される技術用語
と科学用語はすべて、この発明の属する技術分野の当業
者が共通して理解している意味をもっている。以下の参
考文献は、当業技術者に、この発明に用いられる多数の
用語の一般的定義を提供している。すなわち、Singleto
n他、Dictionary of Microbiology and Molecμ l ar B
iology(第二版、1994年);The Cambridge Dictionary
of Science and Technology(Walker編、1988年);お
よびHale & Marham,The Harper Collins Dictionary o
f Biology(199年)である。この明細書に記載されてい
るのと類似または均等の方法と材料はこの発明の試験に
利用できるが、好ましい方法と材料が記載されている。
この明細書で使用される場合、以下の用語は、特に規定
しない限り、それら用語に与えられた意味をもってい
る。
「長期間の保存」は、核酸が、25℃またはそれ以下で
貯蔵されたとき、約1ヶ月以上の期間にわたって、比較
的分解せずに無傷であるように、凍結乾燥された細胞を
貯蔵することを意味する。
「凍結乾燥」は、溶液を凍結し乾燥する方法を意味す
る。
「等張」溶液は、例えば生きている細胞のような基準
細胞と同じ水ポテンシャル(浸透ポテンシャルと圧力ポ
テンシャルの合計)を有する溶液を意味する。従って、
基準細胞がその溶液内にあるとき一般に基準細胞の含水
量に正味の増減がなく、かつ基準細胞の細胞膜はその完
全性を保持している。
「密閉条件」は、大気中の水分との接触を避けるた
め、容器を閉じることを意味する。
「標準のリン酸緩衝食塩水」は、リン酸塩で緩衝され
た食塩水の化学的に許容できる配合物を意味し、市販配
合物と研究室の処方で製造される配合物がある。
「培養」細胞は反ビボで増殖される細胞を意味する。
「無傷の核酸」は、実質的に分解されていない核酸を
意味する。
「ヌクレアーゼを含有しない」溶液は、ヌクレアーゼ
を実質的に含有していない溶液を意味し、細胞をその溶
液に再懸濁し凍結乾燥した後、その細胞から無傷の核酸
を回収することができる。ヌクレアーゼを含有しない溶
液は、市販のヌクレアーゼを含有しない薬剤を用いる
か、または凍結乾燥のために使用する溶液を、特異的も
しくは非特異的ヌクレアーゼ阻害剤である化合物もしく
は方法で処理することによって得ることができる。非特
異的ヌクレアーゼ阻害剤としては、例えば、酵素を不活
性化するジエチルピロカルボネートによる溶液の処理;
またはグアニジンイソチオシアネートもしくはドデシル
硫酸ナトリウム(「SDS」)等のタンパク質を変性する
カオトロピック剤の添加がある。特異的ヌクレアーゼ阻
害剤としては、胎盤RNアーゼ阻害剤酵素(placental RN
ase inhinitor enzyme)などのRNアーゼ阻害剤(Blackb
urn,J.Biol.Chem.、254巻、12484頁、1970年)およびバ
ナジル−リボヌクレオシド複合体がある。
新しい(凍結乾燥されていない)対照細胞から単離さ
れたRNAと凍結乾燥された細胞から単離されたRNAを比較
することによって、溶液はヌクレアーゼなしと定義され
る。対照細胞および凍結乾燥された細胞由来のRNAは、
同じ方法で単離される。対照細胞は、RNA単離緩衝液中
に直接、再懸濁させて、凍結乾燥溶液に接触させない。
凍結乾燥細胞由来の28Sと18SのrRNAの完全性および全RN
Aの収率が、対照細胞由来のRNAの完全性と収率の90%以
内であれば、その溶液はヌクレアーゼを含有していない
とみなされる。培養細胞および血液などの組織試料の場
合、対照細胞は一般に、低速度遠心分離法を用いて培地
からペレット化し、次にRNA単離緩衝液中に直接、再懸
濁させる。組織試料の場合、新たに単離した組織をRNA
単離緩衝液中に直接再懸濁させる。
「核酸」は、ホスホジエステル結合によって連結され
たヌクレオチド単位(リボヌクレオチド、デオキシリボ
ヌクレオチド、類縁の天然産生構造変異体、およびその
合成の非天然産生類似体)からなるポリマー;類縁の天
然産生構造変異体;およびその合成の非天然産生類似体
を意味する。これらのポリマーは一本鎖型もしくは二本
鎖型でもよい。したがって、この用語には、ヌクレオチ
ドおよびヌクレオチド間の結合が非天然産生の合成類似
体を含んでいるヌクレオチドポリマーが含まれている。
このようなポリヌクレオチドは、例えば自動DNA合成機
を使用して合成することができる。用語「核酸」は、遺
伝子、cDNA、および遺伝子でコードされているmRNAと相
互に交換して使用される。ヌクレオチド配列がDNA配列
(すなわち、A、T、G、C)で表される場合、「T」
を「U」で代替するRNA配列(すなわちA、U、G、
C)も含むものとする。
標的核酸と「ハイブリッドを形成させる」ために選択
された核酸は、その標的配列が全細胞DNAもしくはRNAの
製剤中に存在している場合、その特定の標的のDNA配列
もしくはRNA配列とのみハイブリッドを形成するか、二
重になる(deplex)か、または結合する。
「相補的」核酸配列または「標的」核酸配列は、核酸
プローブと選択的にハイブリッドを形成する核酸配列を
意味する。適正なアニーリング条件は、例えば、プロー
ブの長さ、塩基組成およびプローブのミスマッチの数と
その位置によって決まり、試験によって決定しなければ
ならないことが多い「核酸プローブの設計とアニーリン
グ条件を考察する場合は、例えば、Sambrook他、Molecu
lar Cloning:A Laboratory Manual(第2版)(1989
年);Ausubel他、Current Protocols in Molecular Bio
logy(1987年)を参照のこと」。
「増幅」プライマーは、標的核酸配列を増幅する場合
の基礎として働く天然ヌクレオチドまたは類似ヌクレオ
チドを含んでなるオリゴヌクレオチドである。これらの
プライマーとしては、ポリメラーゼ連鎖反応のプライマ
ーとリガーゼ連鎖反応のオリゴヌクレオチドの両方があ
る。増幅に基づいた検定法または反応の例としては、例
えば、逆転写、ポリメラーゼ連鎖反応およびリガーゼ連
鎖反応がある。
「標識する」は、検出可能な指標、例えば放射性標識
ヌクレオチドまたはアビジンもしくはストレプタビジン
に結合するビオチニル部分のようなリガンドの組込みを
意味する。標識の例としては、制限はないが、以下のも
の、すなわち放射線同位元素(例えば3H、14C、35S、
125I、131I、32P)、蛍光もしくは燐光の標識(例えばF
ITC、ローダミン)、酵素の標識(例えば西洋ワサビペ
ルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラー
ゼ、アルカリ(性)ホスフアターゼ)、ビオチニル基お
よびエピトープがある。いくつかの実施態様において、
標識は、例えば、可能性がある立体障害を減らすため、
各種の長さのスペーサーアームによって結合されてい
る。
III.真核細胞と細胞培養物 この発明の方法は、診断検定法および法医学検定法に
おいて陽性および陰性の対照として一般に用いるため、
核酸が単離される真核細胞を提供するのに利用される。
生体内から取り出された細胞および生体内で培養された
細胞を含む適切な真核細胞を、この方法を使用して凍結
乾燥することができる。その細胞はヒトの細胞が好まし
い。生体内組織由来の一次細胞(primary cell)として
は腫瘤細胞、造血細胞、筋肉細胞、肝細胞および皮膚細
胞がある。好ましく一次細胞のタイプとしては、癌細
胞、造血細胞(例えばリンパ球)およびウイルスに感染
した細胞がある。生体内の組織由来の一次細胞は、標準
の方法、例えば、生検、解剖、吸引、静脈穿刺および掻
爬によって単離される。
培養細胞は、一次移植片、例えばマウスの胎仔、鶏の
胎仔、ニューロン、星状細胞、造血細胞、角質細胞およ
び繊維芽細胞のような皮膚細胞、肝細胞、筋肉細胞、腫
瘤細胞から取り出すことができる。培養細胞は、HeLa細
胞、SAM−1細胞、Dr11細胞、BALB/c細胞、CHO細胞、マ
ウスL細胞繊維芽細胞、COS細胞、およびBHK−21細胞な
どの株化細胞系からも得られる。培養細胞は、DNAウイ
ルスもしくはRNAウイルスに感染させてもよい。好まし
い培養細胞タイプとしては、リンパ球細胞系、ウイルス
感染した細胞、および腫瘤由来細胞系がある。一次細胞
の移植片培養物は、培養細胞系と同様に標準法によって
得られ、培養される「例えば、Freshney,Culture of An
imal Cells(3版、1994年);Ausubel他、前掲文献の付
録3F参照」。
細胞を培養する環境としては、細胞増殖用の基体、気
相、培地および温度などの因子が考慮される。細胞増殖
に用いる基体は、細胞が増殖する方式、例えば、基体に
付着させて行う(単層培養)とか、アガロースのような
半固体培地内で行うとか或いは液体内で行う(懸濁培
養)ことによって変化する。基体に付着して増殖する細
胞の場合、一般にプラスチック製の皿またはフラスコが
用いられる。ガラスおよび金属などで製造された他の人
工の基体も使用できる。基体は、エッチングによって、
またはコラーゲン、コンドロネクチン、フィブロネクチ
ンおよびラミニン等の物質でコーティングすることによ
って処理することが多い。細胞フィーダー層(cell fee
der layer)と微細な細管(microcapillary)も使用さ
れる。基体に付着させる必要がない非接着性細胞の場
合、細胞は寒天中にプレートされるかまたは循環培地
「スピナー培養物(spinner culture)」中で増殖する
ことができる。培養容器のタイプは、例えば、多数のウ
エルプレート、ペトリ皿、組織培養管、フラスコ、ロー
ラーボトル、マイクロキャリアおよびスピナーボトル等
の培養条件に依存する。細胞は、細胞タイプに基づいて
試験で決定される密度で増殖させる。例えば、HeLaのよ
うな細胞系の一般的な細胞密度は、培地1ml当たり1×1
05細胞〜10×105細胞の範囲内で変化する。
気相の重要な成分は酸素と二酸化炭素である。大部分
の細胞培養物に対して、一般に大気酸素の圧力が利用さ
れるが、いくつかの培養物は大気酸素より高いかまたは
低い酸素圧力を必要とする。培養容器は、大気透過性キ
ャップを用いることによって或いは培養容器を密閉しな
いようにすることによって、インキュベーターの大気と
通気させて気体交換を行えるようになっている。二酸化
炭素は、細胞培地中の緩衝剤とともにpHを安定化する役
割を果しており、一般に、インキュベーター内に1〜10
%の濃度で存在している。
培養細胞は、適切な温度、例えばその細胞が得られた
動物の体温を、領域によって温度が変化することを理解
しながら(皮膚細胞は僅かに低い温度を好む)もたらす
インキュベーター内で通常増殖される。一般に、37℃が
細胞培養に好ましい温度である。大部分のインキュベー
ターは、ほぼ大気の条件まで加湿される。
細胞の規定培地は、包装された、予め混合された粉末
または予め減菌した溶液として入手できる。通常用いら
れる培地の例としては、RPMI1640、DMEM、およびマッコ
イの培地(McCoy's Medium)がある(例えばGibcoBRL/L
ife Technologies Catalogue and Reference Guide参
照)。細胞の規定培養培地は、5〜20%の血清、例えば
馬、仔ウシおよびウシ胎仔の血清を補充される場合が多
い。この培地は通常緩衝されて、細胞を6.8〜8.2の範
囲、好ましくは7.4のpHに維持する。この培地に対する
他の補充物としては、例えば、抗生物質類、アミノ酸
類、糖類および成長因子類がある。
IV.凍結乾燥の手順 細胞を単離するか又は培養して増殖させた後、凍結乾
燥の準備を行う。接着性細胞は、トリプシン処理などの
標準の方法を利用して培養基体から取り外す。基体から
取り外されたか又は懸濁培養中の細胞を、低速遠心分離
を利用してペレット化し、次いで標準の方法によって凍
結乾燥溶液中に再懸濁させる。細胞は、約1×104〜1
×109細胞/mlの濃度で、好ましくは約1×106〜1×107
細胞/mlの濃度で凍結乾燥溶液中に再懸濁される。
細胞は、ヌクレアーゼを含有していない等張凍結乾燥
溶液中に再懸濁される。ヌクレアーゼとRNアーゼに対す
る阻害剤としては、例えば、ジエチルピロカルボネート
(「DEPC」)、胎盤RNアーゼ阻害剤酵素(Blackburn,J.
Biol.Chem.、254巻、12484頁、1970年)、タンパク質類
を変性するカオトロピック剤、バナジル−リボヌクレオ
シド複合体またはマカロイド(macaloid)のようなクレ
ーで溶液を処理する方法がある。好ましいヌクレアーゼ
阻害剤は、凍結乾燥溶液をDEPCで処理することである。
一般に、容器中の凍結乾燥溶液に0.05〜0.1%v/vのDEPC
を添加し次に容器を密閉して室温にて、4時間〜一夜、
振盪することによってDEPCで処理した凍結乾燥溶液が製
造される。次に、その溶液は標準の条件によってオート
クレーブで処理され冷却される。DEPCで処理した水はTR
ISを含有する溶液を作るのに使用できる。何故ならば、
DEPCはTRISと反応するからである。胎盤RNアーゼ阻害剤
酵素は、製造メーカーが提案する濃度、例えば250〜500
単位/ml溶液で使用される。バナジル−リボヌクレオシ
ド複合体は製造メーカーが提案する濃度で添加される。
上記凍結乾燥溶液は、核酸の単離に用いる方法と薬剤
に一般に適合する等張溶液である。リン酸緩衝食塩水
(「PBS」)およびTRIS緩衝食塩水(「TBS」)などの等
張再懸濁溶液が凍結乾燥溶液の例である。これら等張溶
液は、一般にpHが6.8〜8.3の範囲内、好ましくは7.2〜
7.4の範囲内である。これら等張溶液は、一般にNaClの
濃度が約0.1〜0.2の範囲内すなわち約0.8〜1.0%w/vの
範囲内である。NaClの濃度は、好ましくは0.15Mすなわ
ち0.9%w/vである。
好ましい凍結乾燥溶液は1XPBSである。1XPBSの標準の
配合物としては、市販の溶液または標準の研究室の処方
で作製した溶液を利用できる。1XPBSは一般にNaClとリ
ン酸イオンを含有し、そのpHは6.8〜8.3、好ましくは7.
2〜7.4である。NaClの濃度は一般に0.1〜0.2Mすなわち
0.8〜1.0%w/vの範囲内である。1XPBSは、塩化ナトリウ
ム、塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムに加えて、
約10〜40mMリン酸塩の範囲内で、一塩基リン酸カリウ
ム、一塩基もしくは二塩基のリン酸ナトリウムおよび他
のリン酸塩を含有してもよい。また、1XPBSはピルビン
酸ナトリウムのような追加の成分を含有してもよい(例
えば、GibroBRL/Life Technologies Product and Refer
ence Guide;Ausubel他の前掲文献;Sambrook他の前掲文
献参照)。1XPBSの一つの配合物は、0.15MのNaCl(0.9
%w/v)と4mMのリン酸イオンを7.2〜7.4のpHにて含有し
ている。他の1XPBSは、137mMのNaCl、2.7mMのKCl、4.3m
MのNa2HPO4、1.4mMのKH2PO4を7.3のpHにて含有している
(Ausual他の前掲文献)。
他の適切な等張凍結乾燥溶液はTBSである。TBSの一配
合物は、137mMのNaCl、5mMのKCl、0.5MgCl2、25mMのTRI
S塩基、0.7mMのNa2HPO4、および0.9mMのCaCl2を含有し
ている。このような溶液は市場で入手可能であり、粉末
の形態で、または予め混合された減菌溶液として販売さ
れている。細胞を適当な凍結乾燥溶液中に再懸濁させた
ならば、同細胞を約100μl〜1mlづつ適切なバイアルび
んに分取する。好ましくは、一凍結乾燥バイアルびん当
たり、溶液中の細胞100〜500μlを分取する。凍結乾燥
容器の大きさと試験の要求に応じて、細胞は分取量を増
減して使用される。この場合、凍結乾燥バイアルびんは
ヌクレアーゼなしでかつ減菌される。一般に、減菌オー
トクレーブ処理がなされたガラス製またはプラスチック
製のバイアルびんが使用されるが、ガラス製のバイアル
びんが好ましい。これらのバイアルびんは、細胞の試料
が大気中の水分と接触するのを避けるために、密閉でき
るキャップ又は蓋を備えている。適切なキャップの例
は、凍結乾燥が完了した後、金属リング付き端縁のまわ
りに圧着されるプラスチック製の蓋である。
細胞は、一般に、市販の自動凍結乾燥器を使って凍結
乾燥されるが、より小型の非自動式凍結乾燥器も使用で
きる。細胞は、凍結乾燥溶液中に再懸濁させた後、迅速
に凍結させ、次いで−20℃以下、好ましくは−40℃の温
度で凍結乾燥する。凍結乾燥の条件は、機械、凍結乾燥
溶液の容積、およびバイアルびんのタイプに応じて、標
準の手順で実験することによって決定される(例えば、
Jennings,IVD Technology、3巻、38〜49頁、1997年参
照)。一般に、試料は、乾燥するまで約4〜48時間、一
般に12〜24時間、凍結乾燥される。凍結乾燥は一般に約
100ミクロン(ミリトル)〜200ミクロンの範囲内の圧力
の減圧下で行われる。凍結乾燥手順の温度は、一般に約
−20℃〜−40℃で出発し、次いで凍結乾燥工程中に約室
温まで徐々に上昇する。
細胞は、凍結乾燥を行った後、約25℃〜約−70℃の温
度で貯蔵する。好ましくは、凍結乾燥された細胞は約−
20℃以下で貯蔵される。貯蔵温度は、リアルタイムテス
ト(real time test)および応力負荷安定性試験(stre
ssed stability test)を用いる標準方法によって決定
される。応力負荷安定性すなわち加速安定性の試験は、
貯蔵寿命を予備決定するために行う試験であり、一般
に、続いて行うリアルタイム安定性試験で確定される。
この試験は、高温で試料に応力をかけて薬剤の安定性を
監視することによって行われる。次に、通常用いられる
アレニウスのモデルのような適当なモデルを使って計算
を行い、高温時の安定性と、承認された貯蔵温度で予想
される安定性との関連づけを行う。
分解の動力学に関するアレニウスの式は、関係式:K2
=Ce−Ea/RT「式中、Cは衝突因子であり、R=1.9872
であり、Eaは活性化エネルギーであり(標準推定値20Kc
al/mol)、Tは温度であり、Kは遅延時間である」にし
たがって起こる反応の速度定数を規定する。擬一次速度
(pseudo first order rate)の場合、上記速度はd
[a]/dt=K[A]或いはe(E/RT2/Ea/RT1)=t2
/t1である。この計算によれば、25℃で1日間の貯蔵
は、−20℃で1年間の貯蔵にほぼ等しい(例えばConnor
s他、Chemical Stability of Pharmaceuticals,A handb
ook for Pharmacists、1979年参照)。
V.核酸の単離 選択した真核細胞を凍結乾燥して貯蔵した後、同真核
細胞が無傷の核酸を単離するのに使用される。前記細胞
から単離したDNAとRNAは、診断検定法と法医学検定法に
用いる陽性の対照と陰性の対照を提供することを含む適
切な分子生物学の用途に使用することができる。上記核
酸は変異した遺伝子または転写産物のために陽性または
陰性の対照として使用することができる。また、上記核
酸は、プロウイルス、エピソーマルゲノム、DNAもしく
はRNAのゲノムおよびウイルスゲノムからの転写産物の
存在に対する陽性もしくは陰性の対照としても役立つ。
また、上記核酸は、異なる形態のウイルスゲノム間、例
えば組み込まれたプロウイルスとエピソーマルゲノムの
間、DNAかまたはRNAかを識別するのにも使用できる。さ
らに、上記核酸は、両方の遺伝子および/またはそれら
の転写産物に対する対照として使用してこれら二つを識
別できる。
幾多の試薬が、凍結乾燥された細胞から無傷のRNAを
単離するのに役立つ。これらの試薬はそれぞれ細胞を溶
解し、それに伴い、RNA単離操作中、ヌクレアーゼの活
性を最小限にするか或いは除去する。これら試薬として
は、例えばグアニジン塩酸、グアニジンイソチオシアネ
ート、ドデシル硫酸ナトリウムもしくはサルコシル;お
よびプロテイナーゼKもしくはプロナーゼがある(例え
ば、Farrell,RNA Methodologies、1993年参照)。
凍結乾燥された細胞からRNAを単離するのに、標準の
試験室の方法が使用される(例えば、Sambrook他の前掲
文献;Ausubel他の前掲文献参照)。細胞からRNAを単離
する一つの好ましい方法は、Chomczynski,Biotechnique
s、15巻、532〜535頁、1993年の方法に基づいている。
この方法は、RNA、またはRNAとDNAを単離するために単
一の試薬を使用している。最初に、グアニジンイソチオ
シアネート−フェノール緩衝液を使って細胞を溶解す
る。試料をこの緩衝液内でホモジナイズし、次にクロロ
ホルムを添加し遠心分離を行うことによって、水性相と
有機相に分離する。次いでRNAを水性相から沈澱させRN
アーゼを含有していない溶液内に再懸濁させる。また、
DNAも、この方法を用いて、RNAとともに単離することが
できる。この方法に基づいたキット、例えばTRI Reage
nt(登録商標)(Molecular Research Center,Inc.)が
市販されている。また、各種の他の方法、例えばSDS又
はプロテイナーゼKを用いて処理し次いでフェノール溶
液で抽出するなどの方法がRNAを単離するのに適用され
得る。RNAは、塩化セシウム密度勾配遠心分離法を用い
てさらに精製することができる。また、RNAはシリカゲ
ル結合/アニオン交換法を使用して単離することもでき
る。RNアーゼを含有しないDRアーゼで処理することによ
って、DNAはRNAから除去することができる。
凍結乾燥された細胞からDNAを単離するのに、標準の
試験室の方法が使用される。先に述べたように、RNAとD
NAが同時に単離されるか、またはRNアーゼで処理するこ
とによってDNAが単離される。凍結乾燥された細胞からD
NAを単離する標準方法には、通常、細胞を溶解し、次い
で除タンパクを行い、DNAを回収する工程が含まれてい
る(例えば、Ausubel他の前掲文献;Sambrook他の前掲文
献参照)。また、凍結乾燥された細胞からDNAを単離す
るのに用いるキットの商品も利用できる。
核酸は、凍結乾燥された細胞から単離された後、無傷
であることを保証するため検査される。一般に、RNAとD
NAの両者は、標準の手順による電気泳動法を用いて完全
性(無傷であること)について分析することができる。
核酸を単離した後、溶液中の核酸の濃度を標準の分光測
光法で測定し、次に標準量をゲルに塗布する。電気泳動
を完了した後、そのゲルを臭化エチジウムで染色する。
この染色によって、核酸を視覚化することができる。RN
Aの場合、無傷RNAの一つの指標は、28SrRNA/18SrRNAの
比率である。前記ゲルの目視検査に基づいて、rRNA類
は、28SrRNA/18SrRNAの比率が少なくとも約1でゲル上
のバンドとして存在していなければならない。好ましく
は、rRNAの前記比率は1より大であり、例えば1.4〜1.5
である。また、28SrRNA/18SrRNAの比率は、例えば、前
記ゲルの写真のデンシトメトリーによって測定すること
もできる。無傷のRNAの他の指標は、mRNAの存在に起因
するゲル全体のバックグランドの蛍光である。またRNA
の安定性は、新たに増殖させた細胞と比較した相対的な
RNAの収率から測定することもできる。一般に、DEPCで
処理した1XPBSなどの等張溶液中で凍結乾燥した細胞
は、新たに増殖させペレット化した対照細胞とほぼ同量
のRNAを生成する。
また、DNAの完全性も、ゲル電気泳動法で検査され
る。無傷のゲノムDNAは、比較的高い分子量(一般に長
さが約10,000bpを超え、好ましくは20,000bpを超える範
囲内にある)で存在していなければならない。エピソー
マルDNAもこの方法で単離することができる。標準のゲ
ル電気泳動法とパルスフィールドゲル電気泳動法の両者
を使用してDNAを検査できる。
VI.診断検定法と法医学検定法 核酸は、凍結乾燥された細胞から単離されたならば、
広範囲の用途に使用することができる。また、この発明
は、凍結乾燥細胞入りのバイアルびんを備えた核酸のハ
イブリッド形成用キットのみならず、診断および法医学
の用途に用いるバイアルびんに入った凍結乾燥細胞を提
供するものである。この発明の凍結乾燥細胞の用途の例
としては、癌、遺伝病および感染症などの診断検定法
に、一般に検定法の対照として用いる用途がある。
凍結乾燥された細胞およびその細胞から単離して得ら
れた無傷の核酸は、ヒト免疫不全ウイルス(「HI
V」)、ヒト乳頭腫ウイルス(「HPV」)、肝炎ウイルス
A、B、CおよびD(「HAV、HBV、HCV、HDV」)、サイ
トメガロウイルス(「CMV」)、インフルエンザウイル
ス、マイコバクテリウム感染、トリパノソーム感染およ
びクラミジア感染などの感染症の病因を検出する検定法
に用いることができる(例えば、Castillo他、Digestio
n、48巻、149〜156頁、1991年;Faulkner−Jones他、J.V
irol.Methods、41巻、277〜296頁、1993年;Meyer他、Mo
l.Cell.Probes、8巻、261〜271頁、1994年;Mary他、J.
Virol.Methods、49巻、9〜23頁、1994年;およびMcPhe
rson,J.Clin.Lab.Anal.、8巻、369〜377頁、1994年参
照)。凍結乾燥された細胞と単離された核酸は、p53、
c−myc、pS2、BCR/ABLなど癌に関連する遺伝子およびm
RNAの変化を検出する検定法に使用できる(例えば、Dan
te他、Lab.Invest.、71巻、188〜192頁、1994年参
照)。また凍結乾燥細胞と核酸は、Ig再配列(Ig rear
rangement)、β−サラセミア、嚢胞性線維症、ハンチ
ントン舞踏病および鎌状赤血球貧血などの疾患に関連す
る遺伝子変異を検出する検定法にも使用できる。また、
凍結乾燥細胞と核酸は、例えばDNA指紋鑑定法を含む法
医学検定法と父系検定法にも使用である(例えば、Budo
wle他、J.Forensic Sci.、40巻、38〜44頁、1995年;Kas
i他、J.Forensic Sci.、35巻、1196〜1200頁、1991年参
照)。
診断および法医学の用途に用いられる技法としては、
核酸ハイブリッド形成法に基づいた広範囲の技法があ
り、例えば、ノーザンブロット法、サザーンブロット
法、ドットブロット法、DNA指紋鑑定法、RNアーゼ保護
法およびフィルターハイブリッド形成法がある。核酸ハ
イブリッド形成法の一つの変形に、核酸の増幅に基づい
たものがあり、例えば、逆転写(「RT」)、ポリメラー
ゼ連鎖反応(「PCR」)、リガーゼ連鎖反応(「LCR」)
および核酸配列ベースの増幅(「NASBA」)がある。
ハイブリッド形成検定法に用いられる核酸のプローブ
とプライマーは、標的の遺伝子または転写産物とハイブ
リッドを形成するよう選択される。前記プローブは、DN
AもしくはRNAの分子、およびこれら分子の合成の非天然
産生類似体でもよい。ハイブリッド形成条件は、この明
細書で考察されているように、当業者が選択する。プラ
イマーとプローブは配列と長さが異なっているが、主な
識別因子は、プライマーが一般にRT反応およびPCR反応
の場合のように標的核酸のDNA合成を行う際の開始点と
して働き、一方、プローブが一般に標的核酸とのハイブ
リッド形成および標的核酸の検出に用いられるという機
能である。プライマーまたはプローブの一般的な長さ
は、約7〜約50個のヌクレオチドの範囲内である。ま
た、プライマーまたはプローブは、同プライマーまたは
プローブと標的核酸とのハイブリッド形成を検出するた
めに検出可能な部分によって標識してもよい。
プライマーまたはプローブと標的核酸とのハイブリッ
ド形成を検出するあらゆる適切な方法を利用できる。こ
れらの方法に使用される検出可能部分としては、例えば
標識されたプローブ;増幅反応またはRT反応における標
識の直接組込み;および標識されたプライマーがある。
一つの好ましいハイブリッド形成検定法は逆転写法で
ある。逆転写法は、RNAをDNAにコピーする増幅法であ
る。逆転写反応は、第一ストランドのcDNAを合成する反
応であるが、RNAをランダム六量体のプライマーもしく
は特異的プライマーと混合し、70℃で5分間加熱して核
酸を変性し「この工程ではサーマルサイクラー(therma
l cycler)を使用できる」、次いて氷上で冷却すること
によって行われる。酵素の製造業者の説明書またはキッ
トの説明書にしたがって調製した反応混合物を、上記変
性RNAと六量体の混合物に加え、次いで適切な温度、通
常42℃でインキュベートする。上記反応混合物が入って
いるチューブを70℃で10分間加熱することによって反応
を停止させる。沈降させて短時間遠心分離を行うことに
よって、第一ストランドcDNAを収集し、新しい複数のチ
ューブに分取する。そのcDNAは、ドライアイス上で迅速
に凍結させ、必要に応じて後に使用するため−70℃で貯
蔵することができる。
別の好ましいタイプのハイブリッド形成検定法はPCR
(ポリメラーゼ連鎖反応)およびLCR(リガーゼ連鎖反
応)などの増幅に基づいた検定法である。これらの検定
法を実施する標準技法は当該技術分野で公知である(PC
R Technology:Principles and Applications for DNA A
mplification(Erlich編、1989年);PCR Protocols:A G
uide to Methods and Applications(Innis,Gelfland,S
ninsky & White編、1990年);Mattila他、Nucleic Aci
ds Res.、19巻、4967頁、1991年;Eckert & Kunkel,PCR
Methods and Applications、1巻、17頁、1991年;Wall
ace他、Ligase Chain Reaction,in Technologies for D
etection of DNA Damage and Mutations、307〜322頁
(Pfiefer編、1996年)」。RT反応とPCR反応は同じ検定
法で用いられることが多いので、RT−PCRと呼ばれてい
る。RT−PCRは、RNAのDNAへの逆転写をこれに続くDNA増
幅反応と組み合わせて単一の反応にしたものである。最
適の逆転写、ハイブリッド形成および増幅の条件は、利
用されるプライマーと標的の配列の組成と長さ、および
専門家が選択する試験方法によって変わる。適当なプラ
イマーの配列およびハイブリッド形成条件を選択するた
め、各種の指針を利用できる(例えば、Sambrook他の前
掲文献参照)。
例えば、PCRは、好ましくはpHが7〜9の緩衝された
水溶液中で行われる。デオキシリボヌクレオシド三リン
酸を十分な量の前記合成混合物に加え、得られた混合物
の溶液を、約1〜10分間、約85〜100℃で加熱する。任
意の加熱時間の後、その溶液を、プライマーのハイブリ
ッド形成のため、約20〜40℃まで冷却させる。重合用の
試薬を前記混合物に添加して、一般にサーモサイクラー
を使って、当該技術分野で公知の条件下で反応を起こさ
せる。この合成反応は、室温からその温度を超えると重
合試薬がもはや有効に機能しない温度で生じる。重合試
薬は、プライマー伸長産物の合成を達成するため機能す
る化合物または系であり、酵素を含んでいる。この目的
に適切な酵素としては、例えば、イ.コリ(E.coli)の
DNAポリメラーゼIまたはクレノウ フラグメント、Taq
DNAポリメラーゼ、および他の入手可能なDNAポリメラー
ゼ類がある。
また、この発明は、上記の核酸ハイブリッド形成検定
法を実施するためのキットを提供するものである。この
キットは、容易に入手できる材料と試薬から製造するこ
とができる。例えば、以下の材料:バイアルびんに入っ
た凍結乾燥真核細胞、酵素、反応管、緩衝剤、界面活性
剤、細胞を含有しないプライマーおよび公知の核酸を標
的とするプローブのうちの一つ以上、ならびに説明書を
上記キットが備えている。キットの凍結乾燥細胞はヒト
の細胞が好ましい。一実施態様では、ヒトの細胞がリン
パ球である。広範囲のキットと構成要素を、キットの予
定されている使用者および使用者の特別の要求に基づい
て、この発明により提供することができる。このキット
は、好ましくは、PCRまたはLCRなどの増幅ベースの検定
法用として少なくとも一つのプライマー対をもってい
る。
この明細書で引用される刊行物と特許願は、すべて個
々の各刊行物または特許願があたかもこの明細書に参照
用に包含されているように、この明細書に援用するもの
である。
前述の発明は、明確に理解することを目的として、例
示と実施例によって、いくつか詳細に説明してきたが、
特定の変更と変形は、添付した特許請求の範囲の精神ま
たは範囲から逸脱することなく実施できることは、この
発明の前記教示に照らして、当業技術者は容易に分かる
であろう。
実施例 以下の実施例は、この発明を例示することだけを目的
とするものであり、この発明を限定するものではない。
当業技術者には、変更または変形を行っても、本質的に
類似の結果が得られる各種の決定的でないパラメーター
が容易に分かるであろう。
実施例I:真核細胞の凍結乾燥に用いる配合物。
A.三つの異なる溶液中で凍結乾燥された細胞のリアルタ
イム/短時間の安定性とRNAの完全性 細胞凍結乾燥用配合物を、続いて単離される核酸の完
全性を保持する溶液を確認するため、試験した。この試
験では以下の3種類の配合物を、真核細胞を凍結乾燥す
る前に細胞と再懸濁させる溶液「凍結乾燥溶液」として
使用した。すなわち(1)DEPCで処理した水;(2)1X
ラクトース緩衝液(12.5mMのTRIS、35mMのNaCl、1mg/ml
のアルギニン、5mg/mlのヒト血清アルブミン、および50
mg/mlのラクトース、pH7.4);および(3)TRI Reage
nt(登録商標)(Molecular Research Center Inc.が市
販しているフェノール/グアニジンイソチオシアネート
溶液)である。0.05%〜0.1%のDEPCを水に加え、次い
で密閉容器内にて室温で4時間振盪することによって、
水をDEPCで処理した。次に、その溶液を、標準条件によ
ってオートクレーブ処理を行い次いで冷却した。凍結乾
燥細胞の短時間の安定性を、室温と−70℃で5日間細胞
を貯蔵することによって試験した。この貯蔵期間の後の
RNAの完全性を、陽性対照として、新たにペレット化し
た細胞由来のRNAを用いて、凍結乾燥細胞から全RNAを単
離して測定した。RNAの完全性は、ゲル電気泳動法を実
施した後、28SRNAのバンドの強度を18SRNAのバンドの強
度と比較することによって測定した。
ゲル電気泳動分析の結果は、DEPCで処理した水中で凍
結乾燥したSAM−1細胞から単離した全RNAが約50%分解
していたことを示した。室温および−70℃で、5日間貯
蔵した細胞は、RNAの完全性について類似の結果を示し
た。これは、これらの条件下での細胞の短期間の安定性
が類似していることを示している。1Xラクトース緩衝液
またはTRI Reagent中で凍結乾燥したSAM−1細胞由来
の全RNAはほぼ100%分解していた。
これらの試験の結果は、ラクトースなどの等張性炭水
化物の配合物が、細菌細胞の凍結乾燥に使用して成功し
ているが、これらの溶液は、RNAの完全性を保持する真
核細胞の凍結乾燥配合物として有効でないことを示して
いる。同様に、TRI Reagentは、全RNAの完全性を保持
して真核細胞を凍結乾燥するのに有効でない。
10%のウシ胎仔血清(「FBS」)と抗生物質を補充し
たRPMI 1640中で、標準条件を用いて、SAM−1細胞を
培養した(例えば、Sambrook他の前掲文献参照)。SAM
−1細胞はフィラデルフィア染色体および生成する融合
BCR/ABL転写産物を含有するヒト腫瘤細胞である。3種
の凍結乾燥配合物中に再懸濁させるため、培養物を三つ
の等量部分に分割した。その細胞を、標準の低速遠心分
離条件下でペレット化し、次いで、上記溶液類のうちの
一つに、100μl当り1×106個の細胞の濃度で再懸濁さ
せた。凍結乾燥を行うため、1バイアルびん当り100〜5
00μlづつ分取した。
これらの細胞を、自動凍結乾燥器を使用し、標準条件
下で凍結乾燥した。凍結乾燥した細胞を、−70℃と室温
でそれぞれ5日間貯蔵した後、全RNAを単離した。
製造業者の説明書にしたがって、TRI Reagentを使用
して、凍結乾燥した細胞試料から全RNAを単離した。次
に、単離された全RNAを、標準の手順にしたがって、1.5
%アガロースゲルと1XTAE緩衝液を用いるゲル電気泳動
法を利用して分析した(例えば、Sambrook他の前掲文
献;Ausubel他の前掲文献参照)。全RNAの完全性は、前
記ゲルを臭化エチジウム(「EtBr」)で染色し、次に28
S、18Sおよび5.8SのリボソーマルRNAのバンドの強度を
試験することによって評価した。前記ゲルのレーン全体
にわたってバックグランドがEtBrによって染色されてい
るのは、全RNA製剤中にmRNAが存在していることを示し
ている。無傷のRNAの場合、28SrRNAバンドの強度は、18
SrRNAバンドの強度と等しいまたは大きいはずであり、
これは全RNA製剤における大きさの大きい方のRNAの相対
的完全性を示している。上記のように、この試験で、rR
NAバンドの相対強度で評価した結果、RNAはほぼ50〜100
%分解していた。
B.DEPCで処理した1XPBS中で凍結乾燥された細胞の応力
負荷安定性とRNAの完全性 DEPCで処理した1XPBSを試験して、次に単離される核
酸の完全性を保持する凍結乾燥溶液を確認した。細胞の
凍結乾燥用の試験配合物として以下の溶液:(1)DEPC
で処理した1Xリン酸緩衝食塩水(「PBS」);および
(2)DEPCで処理した水を代わりに用いて、上記A項の
試験を繰返した。1XPBSは標準配合品が市販されてお
り、これを、上記A項に記載したのと同様にしてDEPCで
処理した。
37℃で4日間、応力負荷安定性条件下で貯蔵した(−
20℃で3年間を超えて貯蔵したのに等しい)凍結乾燥SA
M−1細胞、およびRNA完全性に関する対照としての新た
に増殖させた細胞から、全RNAを上記A項に記載したの
と同様にして単離した。分光測光分析法、ゲル電気泳動
法および18Sと28SのrRNAの比較で測定すると、DEPCで処
理した1XPBS中で凍結乾燥した細胞から単離した全RNA
は、TRI Reagentを用いて単離した後、無傷である。凍
結乾燥細胞から得た全RNAの収量は、対照の新たに増殖
させた細胞から得たのとほぼ同一である。しかし、DEPC
で処理した水で凍結乾燥した細胞から単離したRNAは一
部分解していた。
応力負荷安定性試験の結果は、DEPCで処理した1XPBS
中で凍結乾燥された細胞由来の全RNAは、37℃で少なく
とも4日間(−20℃で3年間を超える貯蔵に等しい)安
定であることを示した。比較してみると、下記C項に記
載したようにして実施した応力負荷安定性試験の結果
は、DEPCで処理した水の中で凍結乾燥した細胞の全RNA
は殆ど分解したことを示している。
上記のようにして行った第二の試験では、DEPCで処理
した1XPBS内で凍結乾燥した細胞を異なる条件下で貯蔵
した。SAM−1細胞を凍結乾燥し、次いで25℃で2日
間、応力負荷安定性条件下で貯蔵した。また、HeLaS3細
胞とSAM−1細胞の試料を凍結乾燥し、次いで、−20℃
でそれぞれ3ヶ月間および6ヶ月間貯蔵した。各試料か
らRNAを単離し、次いで、28Sと18SのrRNAデンシトメト
リーでRNAの完全性を比較した。
図1は、28Sと18SのrRNAデンシトメトリー走査に用い
た染色ゲルの写真を示す。この試験のHeLaS3(レーンN1
〜2)試料とSAM−1(レーンP1〜2)試料は上記のよ
うに−20℃で貯蔵した。第二のSAM−1試料(レーンP3
〜4)は25℃で2日間、貯蔵した。表1は、上記ゲルか
ら、rRNAバンドとバックグランドについて得たデンシト
メトリーの値、およびバックグランドについて補正した
後の28SrRNA/18SrRNAの比率を示す。これらの試験結果
は、DEPCで処理した1XPBS中で凍結乾燥を行い、次いで
−20℃にてリアルタイム条件下でまたは−20℃にて2年
間の貯蔵に等しい応力負荷安定性の条件下で貯蔵する
と、全RNAは分解されず安定であることを示している。
また、これら6個のすべての試料から得た全RNAは、バ
ックグランドmRNAの染色と5.8SrRNAのバックグランドを
示している。
C.DEPCで処理した水の中で凍結乾燥された細胞の応力負
荷安定性とRNAの完全性 この試験は、DEPCで処理した水中で凍結乾燥された異
なる細胞由来の全RNAが、高い全RNAの完全性をもって単
離できるかどうかを試験するために行った。DEPCで処理
した水中で凍結乾燥された細胞由来の全RNAの応力負荷
安定性も試験した。
SAM−1細胞およびGM07405細胞を培養し、凍結乾燥配
合物としてDEPCで処理した水を代わりに用いてA項に記
載したように凍結乾燥した。GM07405細胞は、米国ニュ
ージャージー州キャムデン所在のMIGMS Human Genetic
Mutant Cell Repository,Coriell Institute for Medic
al Researchから入手したヒトリンパ芽球細胞系であ
る。凍結乾燥した試料を、37℃で4日間貯蔵して、B項
に先に記載したようにして応力負荷安定性を測定した。
全RNAを、凍結乾燥細胞から単離し、次いで、A項に先
に記載したようにして、ゲル電気泳動分析法を用いるこ
とにより、新たに増殖させた細胞から単離したRNAと比
較した。
ゲル電気泳動法の分析結果は、DEPCで処理した水中で
凍結乾燥させたSAM−1細胞から単離した全RNAが部分的
に分解して、DEPCで処理した水中で凍結乾燥させたGM07
405細胞から単離した全RNAが激しく分解していることを
示した。顕微鏡による観察結果は、上記試験結果が、DE
PCで処理した水中での細胞の細胞膜崩壊が原因であるこ
とを示した。
D.DEPCで処理した1XPBS中で凍結乾燥した細胞の応力負
荷安定性とRNAの完全性 この試験は、DEPCで処理した1XPBS中で凍結乾燥され
た異なる細胞由来の全RNAが、高い全RNAの完全性をもっ
て単離できるかどうかを試験するために行った。凍結乾
燥された細胞を、B項に記載したようにして応力負荷安
定性条件下で貯蔵した。Dr11細胞とSAM−1細胞を培養
し、凍結乾燥配合物としてDEPCで処理した1XPBSW代わり
に用いて、A項に先に記載したようにして凍結乾燥し
た。Dr11細胞は、EBVで形質転換されたヒト白血球細胞
系である。TRI Reagentまたはthe RNeasy Kit(Qiag
en)を用いてA項に先に記載したようにして、全RNAを
単離し、次いでRNAの完全性をゲル電気泳動法で分析し
た。
DEPCで処理した1XPBS中で凍結乾燥させた上記2種の
細胞系から得た全RNAは、新たな細胞から得たRNAと比較
したところ無傷であった。その上に、DEPCで処理した1X
PBS中で凍結乾燥された2種の細胞系由来の全RNAは、TR
I Reagentまたはthe RNeasy Kitを用いて、高い完全
性と純度で単離することができる。B項に先に記載した
条件を用いて実施した応力負荷安定性の試験は、DEPCで
処理した1XPBS水中で凍結乾燥した細胞の全RNAが、−20
℃で貯蔵された場合、3年を超える期間、安定であるこ
とを示した。
実施例II:診断検定法用の陽性対照と陰性対照として
の、凍結乾燥されたSAM−1細胞とHeLaS3細胞の用途。
この試験は、凍結乾燥された細胞を診断検定法ににお
いて、陽性対照および陰性対照として用いることの有効
性を立証するために実施した。慢性骨髄性白血病(「CM
L」)に関連がある融合遺伝子の転写産物を検出するた
めに設計されたRT/PCR検定法ににおいて、SAM−1細胞
とHeLaS3細胞をそれぞれ陽性対照と陰性対照として使用
した。
A.CMLの診断検定法 フィラデルフィア染色体は、第22染色体と第9染色体
の相互転座によって生成した染色体であり、CML症例の9
0%以上に観察される(Rowley,Nature、243巻、290〜29
3頁、1973年;Shtivelman他、Nature、315巻、550〜554
頁、1985年)。分子レベルで、第9染色体上のc−ABL
遺伝子が転座によってフィラデルフィア染色体内の第22
染色体上のBCR遺伝子の方に移って、BCR/ABL融合遺伝子
が生成する。また、この融合遺伝子は、RT/PCR検定法を
用いて検出できる融合RNA転写産物を発現する。この検
定法の場合、PCRアンプリコンに対する標準を提供し
て、偽陽性と偽陰性を監視するため、陽性対照の細胞と
陰性対照の細胞が必要である。
SAM−1細胞は、融合転写産物を発現するBCL/ABL融合
遺伝子を含有しているので、この検定法において、陽性
の対照として有用であり、一方、HeLaS3細胞は、正常な
転写産物を発現する正常なBCR遺伝子とABL遺伝子だけを
含有しているので、有用な陰性の対照である。DEPCで処
理した1XPBS中で凍結乾燥された細胞をRT/PCR試験で試
験して、これら凍結乾燥された細胞の診断検定法におけ
る対照としての有効性を立証した。
また、この検定法は凍結乾燥された細胞のRNAの完全
性に対する対照も含んでいる。上記両細胞系は、構成要
素として、β−2マイクログロブリン遺伝子を発現す
る。したがって、この遺伝子からの転写産物を、RT/PCR
反応における凍結乾燥細胞のRNA完全性に対する対照と
して使用した。BCR/ABLの融合をRT/PCR検定法で検出す
るのに用いる対照物質を提供するように設計された診断
キットの商品に、対照商品として使用するため、凍結乾
燥されたSAM−1細胞とHeLaS3細胞の入った約2000個の
バイアルびんを準備した。
B.凍結乾燥、RNAの単離、およびRNAの完全性の測定 凍結乾燥された対照細胞から単離されたRNAの完全性
を、CMLの診断検定法の対照として使用する前に、試験
した。3種の方法すなわち合計収量、光学濃度比および
電気泳動分析法を用いて、RNAの完全性を測定した。
SAM−1細胞とHeLaS3細胞を実施例1に記載したよう
にして、凍結乾燥し、次いで−20℃で貯蔵した。BCR/AB
L転写産物とB2M転写産物のRT/PCRを行うため、SAM−1
細胞とHeLaS3細胞の各々の二つのバイアルびんから全RN
Aを単離した。TRI Reagentを使用し、製造業者が提供
したプロトコルを、細胞の溶解について少し修正したプ
ロトコルにしたがって、凍結乾燥したSAM−1細胞とHeL
aS3細胞から、全RNAを調製した。TRI Reagentを添加す
る前に、細胞の洗浄と細胞のペレット化を行うことなし
に、バイアルびん中にTRI Reagentを直接添加すること
によって、バイアルびん中に入っている凍結乾燥細胞を
溶解した。
全RNAを調製した後、最終のRNAのペレットを、DEPCで
処理しアプリコンを含有していない水中で再水和した。
その再水和した全RNAの一部は、260nmと180nmにおける
光学濃度測定に用いて濃度を測定するのに使用できる。
全RNA製剤のμg収量を、A260における1ODが水中の全RN
A40μgに等しくなる関係を利用して評価した。DEPCで
処理した1XPBS中で凍結乾燥された細胞の場合、その凍
結乾燥細胞に対する収量は、対照として用いた新たに増
殖させた細胞に対する収量とほぼ同じであった。全RNA
溶液のμg収量を下記表2に列挙する。
また、RNAの完全性は、RNA溶液の260nmおよび280nmに
おける吸光度を測定することによって評価できる。純粋
なRNA製剤は、A260/A280比が1.6〜1.9のはずである。以
下の表3に示すように、凍結乾燥されたSAM−1細胞とH
eLaS3細胞が入った二つのバイアルびんから調製した全R
NAはすべて、A260/A280比が1.6〜1.8の間にあり、これ
は全RNAの純度が高いことを立証している。
全RNAの完全性を評価する第三の方法には、1.5%のア
ガロースゲルと1XTAE緩衝液を用いる全RNA溶液のアガロ
ースゲル分析法が含まれている。電気泳動法に続いて、
全RNAの完全性は、先に実施例1に記載したように、臭
化エチジウム(「EtBr」)で染色し、28S、18Sおよび5.
8SのリボソーマルRNAのバンドの強度を検査することに
よって推定される。凍結乾燥されたSAM−1細胞とHeLaS
3細胞の各バイアルびんから単離した全RNAを含んでいる
EtBr染色レーンは、ヒト細胞由来の全RNAの典型的なパ
ターンを示した。その上、28Sのバンドを18Sのバンドの
相対比も全RNAの高い完全性を示した(表1参照)。こ
れらの試験結果は、凍結乾燥されたSAM−1細胞とHeLaS
3細胞からTRI Reagentを使用して単離した全RNAの完全
性が診断検定法の対照として使用するのに適切なもので
あることを示している。
C.RT反応 RNAを凍結乾燥された細胞から単離した後に、逆転写
させ、CMLの診断検定法用の陽性および陰性の対照とし
て使用した(例えば、Kawasaki他、PNAS USA、85巻、56
98〜5702頁、1988年参照)。BCR/ABL融合遺伝子からも
たらされるmRNAを検出するRT/PCR検定法は、(1)逆転
写酵素を用いて行う全RNAからのcDNAの調製;(2)BCR
とABLのプライマーによるネステッドPCR(nested PC
R);(3)β−2マイクログロブリン(B2M)の2ラウ
ンドのPCR;および(4)PCRアンプリコンのアガロース
ゲル分析のステップを含んでいる(この検定法で使用さ
れるプライマーの説明については、図2と表4〜5を参
照)。
標準の反応条件と市販のキットを用いて、凍結乾燥さ
れたSAM−1細胞とHeLaS3細胞由来の全RNA1μgからcDN
Aに逆転写を行った。CAT転写産物が、RT/PCRの有効性に
対する対照として、市販のキットに提供されている。使
用した市販のcDNA製剤キットは、SuperScript(登録商
標)preamplification System for First Strand cDNA
Synthesis Kit(GibcoBRL/Life Technologies)であっ
た。プライマーとSuperScript II RT酵素に加えて、各
cDNA反応には、10XPCR緩衝液、MgCl2、dNTPmix、DTTお
よびRNアーゼHが含まれている。使用したプロトコル
は、上記キットの製造業者が提供したものと同一であ
る。下記表4に記載した特定のRTプライマーをRT反応に
使用した。CAT RNA用のプライマーは、SuperScriptの
使用説明書(GibcoBRL/Life Techologies)に記載され
ている。BCR/ABLとβ−2マイクログロブリンの転写産
物に用いるプライマーは、Lee他、PCR Methods and App
lications、4巻、283〜287頁、1995年に記載されてい
る(上記プライマー類、およびこれらプライマーの遺伝
子/転写産物上の相対的位置を示す線図として図2を参
照)。
E.PCR反応の条件 BCR/ABL融合転写産物を検出する検定法には、一般
に、以下の反応、すなわち(1)BCRとABLのプライマー
によるネステッドPCR;(2)β2−マイクログロブリン
転写産物(B2M)に対するコントロールPCR反応(RNAの
完全性を測定するため);およびCATに対するコントロ
ールPCR反応(RT/PCRの有効性を測定するため)が含ま
れている。RT/PCRの試料を、PCRアンプリコンのアガロ
ースゲル分析法で分析した。BCR/ABLのRT/PCR検定法
は、一反応に対する内部セットプライマー(inner set
primer)と一反応に対する外部セットプライマーをそれ
ぞれ用いてネステッドPCRを使用した(図2参照)。ま
た、B2M遺伝子のPCRには、第一ラウンドのPCRと第二ラ
ウンドのPCRに同じプライマー対を用いる二つの遂次PCR
反応(consecutive PCR reaction)が含まれている(図
2参照)。
第一PCR反応において、SAM−1細胞とHeLaS3細胞の全
RNAから調製した(cDNAの全容積20μlのうちの)cDNA5
μlを、鋳型供給源に使用した。第二PCR反応におい
て、第一PCRの1μlを鋳型供給源として使用した。
下記のサイクリング条件を、上記診断検定法のPCR反
応に使用した。
PCR#1: 1サイクル−94℃,5min.+ 25サイクル−94℃,1min.,60℃,25sec.;74℃,1min. 1サイクル−74℃,8min. PCR#2: 1サイクル−94℃,3min.+ 25サイクル−94℃,1min.,48℃,25sec.;74℃,1min. 1サイクル−74℃,8min. PCR反応混合物に、10XPCR緩衝液(MgCl2含有、Perkin
Elmerから入手);AmpliTaq DNAポリメラーゼ;dATP、d
TTP、dGTP、dCTPの貯蔵品(各々10mM);アンプリコン
なしの水;cDNA鋳型;およびTE緩衝液中10μMのPCRプラ
イマーを含有させた。反応混合物におけるこれら成分の
最終濃度(最終反応容積50μl)を以下の表7と8に示
す。異なるRT/PCR反応に使用されるcDNAの鋳型を下記表
9に列挙してある。PCR#2の場合、PCR#1反応混合物
1μlを、鋳型供給源としてPCR#2に添加した。
F.RT/PCRの試験結果 この試験結果全体が、BCR/ABL融合遺伝子を検出する
ためのRT/PCRにおいて、凍結乾燥されたSAM−1細胞とH
eLaS3細胞をそれぞれ陽性対照と陰性対照として使用す
ることが有効であること立証している。対照の細胞は、
試験試料細胞と共に、RT/PCRの最初のステップ(全RNA
を単離するステップ)から使用できる。凍結乾燥細胞か
らRNAを単離する場合のプロトコルは、通常使用される
全RNAの試薬を使用し、比較的容易である。さらに、最
後に臭化エチジウムで染色されたアガロースゲルは、BC
R/ABL融合遺伝子およびβ2−マイクログロブリン遺伝
子のRT/PCRに用いられる明確なアンプリコンのサイズの
標準を提供する。AmpliTaqまたはRTを用いないで実施し
たすべての陰性対照のPCR反応は、アンプリコンのバン
ドを全く生成しなかった。
例えば、特定の523bpのアンプリコンが、SuperScript
IIキットで供給されるCAT対照RNAから調製されたcDNA
鋳型を用いてPCR反応を行うことによって産生された。
この結果は、上記のcDNA反応とPCR反応の効率が高いこ
とを示している。
凍結乾燥されたSAM−1細胞および凍結乾燥されたHeL
aS3細胞由来のcDNA鋳型を用いて、β2−マイクログロ
ブリン(B2M)転写産物のPCR反応を行うことによって、
ほぼ同量の特定の370bpアンプリコンが産出された。こ
の結果は、凍結乾燥されたSAM−1細胞とHeLaS3細胞内
に、ほぼ同量の正常なB2M RNAが存在していることを示
している。
凍結乾燥されたSAM−1細胞から調製されたcDNA鋳型
を用いて、BCR/ABL遺伝子のネステッドPCRを行うことに
よって特定の304bpアンプリコンが産出されたが、凍結
乾燥されたHeLaS3細胞からは産出されなかった。この結
果は、BCR/ABLmRNAが、凍結乾燥されたSAM−1細胞内に
のみ存在し、HeLaS3細胞内には存在しないことを示して
いる。
実施例III:診断検定法のための陽性および陰性の対照と
しての、凍結乾燥されたSAM−1細胞とDr11細胞の用
途。
HeLaS3細胞の代わりにDr11細胞を用いて、先に実施例
IIで述べた試験を繰り返した。この試験で類似の試験結
果が得られた。
実施例IV:診断の対照としての、凍結乾燥された細胞由
来のDNAの用途。
凍結乾燥された細胞中のDNAの完全性およびDNA検定法
のための対照としての凍結乾燥細胞の用途を立証するた
め、ゲノムDNAを、凍結乾燥されたSAM−1細胞とDr11細
胞から単離した。
ゲノムDNAは、DNA単離用キットの商品または高濃度の
ラウリル硫酸ナトリウムを用いる通常の細胞溶解法を利
用して、凍結乾燥された培養SAM−1細胞および培養Dr1
1細胞から単離した。このDNAの完全性は、標準の条件下
にてアガロースゲル電気泳動法を利用して分析した(例
えば、Sambrook他の前掲文献;Ausubel他の前掲文献参
照)。標準条件下にて臭化エチジウムで染色した後、前
記DNAは大部分、高分子量であった。これは、前記DNAが
比較的分解されていなかったことを示している。
アガロースゲル分析によるこれらの試験結果は、収量
と完全性が類似しているDNAを、凍結乾燥されたDr11細
胞とSAM−1細胞および新たに増殖させたこれらの細胞
から得ることができることを示している。その上に、RN
Aの完全性と同様に、凍結乾燥されたDr11細胞とSAM−1
細胞から単離されたゲノムDNAも、DNAを単離するために
−20℃で貯蔵した場合、1年間を超える期間、安定であ
ることも見出された。ゲノムDNAについて実施したパル
スフィールドゲル分析法から得た結果は、新たに増殖さ
せた細胞または凍結乾燥細胞から単離されたDNAの大き
さと収量が、試験した両細胞系について、著しく類似し
ていることを立証した。
凍結乾燥細胞から単離したDNAの完全性をさらに立証
するため、Dr11細胞またはSAM−1細胞から単離したゲ
ノムDNAを、ABL遺伝子とz−フィンガー遺伝子のPCRに
使用した。z−フィンガー遺伝子とABL遺伝子のRT/PCR
実験で得たアンプリコンの大きさはそれぞれ約350bpと1
000bpであった(これらの大きさは、両遺伝子の公知の
配列から予想される大きさであった)。凍結乾燥されま
た新たに増殖されたDr11細胞もしくはSAM−1細胞から
単離したゲノムDNA100ngから、ABL遺伝子もしくはz−
フィンガー遺伝子の両者について、ほぼ同じ収量のアン
プリコンを得ることができる。
類似の実験で、Dr11細胞およびSAM−1細胞から単離
したDNAを鋳型として用いると共にVNTRマーカー(DIS8
0)から選択した二つのオリゴヌクレオチドをPCRプライ
マーとして使用して、PCRを実施した(Kasai他の前掲文
献)。ヒトの第1染色体上に位置しているDIS80遺伝子
座は、16個のヌクレオチドの長さのDNAの繰り返し単位
で構成されている。この繰り返し回数は、異なる個体で
15〜41回の範囲内であると報告されている(Budowle他
の前掲文献)。DIS80遺伝子内の繰り返し回数がこのよ
うに変化することは、DNA指紋鑑定法(DNA推定法)の基
礎になっている。
Dr11細胞とSAM−1細胞から単離したDNAを使用して、
DIS80マーカー上で実施したPCRは、大きさが異なる別個
のアンプリコンの対を生成した。凍結乾燥細胞または新
たに増殖させた細胞由来のDNA鋳型を用いたPCRで得たア
ンプリコンの大きさは同一であり、これはDIS80のDNAが
凍結乾燥細胞中に保存されていたことを示している。こ
れらの結果は、凍結乾燥細胞がDNA指紋鑑定試験や遺伝
子推定試験(gene profiling experiment)のための対
照細胞の優れた供給源であることを示している。これら
の凍結乾燥細胞は、異なるタイプの試験の対照として使
用できるDNAの安定した供給源を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コスマン,ジェフレイ アメリカ合衆国 20854 メリーランド 州 ポトマック グラインシイアー コ ート 11603 (72)発明者 フレンチ,シンシィア アメリカ合衆国 92612 カリフォルニ ア州 アーヴィン ヴィジィル コート 14 (56)参考文献 特開 昭57−159486(JP,A) 特表 平9−500723(JP,A) 特表 平4−501112(JP,A) 特表 平6−510031(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】i.無傷の真核細胞を、等張性でかつジエチ
    ルピロカルボネートで処理されてヌクレアーゼを含有し
    ていない水溶液に接触させるステップと、 ii.前記無傷の真核細胞を凍結乾燥するステップと、 iii.前記凍結乾燥された細胞を大気水分との接触を防ぐ
    のに十分な密閉条件下で維持するステップとを含んでな
    り、 −20℃で4週間後に前記細胞が電気泳動法で測定してそ
    の18SrRNAの50%以上を無傷で有することを特徴とする 真核細胞内に含有されている核酸を長期間保存する方
    法。
  2. 【請求項2】前記水溶液が塩化ナトリウムを0.8〜1.0%
    w/vの範囲内の濃度で含有している請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】前記真核細胞が哺乳類の細胞である請求項
    1に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記真核細胞がヒトの細胞である請求項3
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記水溶液が標準のリン酸緩衝食塩水を含
    有している請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記溶液のpHが6.8〜8.2の範囲内である請
    求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記真核細胞がリンパ球である請求項1に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】前記真核細胞を培養した後凍結乾燥する請
    求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記真核細胞がRNAウイルスに感染してい
    る請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】i.生きている真核細胞を、該細胞に対し
    て等張性でかつジエチルピロカルボネートで処理されて
    ヌクレアーゼを含有していない水溶液に接触させるステ
    ップと、 ii.前記真核細胞を凍結乾燥するステップと、 iii.凍結乾燥された細胞を密閉条件下で少なくとも30日
    間維持するステップと、 iv.該細胞を密閉状態から開放するステップと、 v.細胞タンパク質を変性して無傷の核酸と変性された細
    胞タンパク質の混合物を生成するステップと、 vi.変性された細胞タンパク質と核酸の混合物から無傷
    の核酸を単離するステップとを含んでなる 凍結乾燥細胞から無傷の核酸を単離する方法。
  11. 【請求項11】単離される核酸がリボ核酸である請求項
    10に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記細胞がリンパ球である請求項10に記
    載の方法。
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