JP3528634B2 - Usb信号の多値符号化方法および多値復号化方法 - Google Patents

Usb信号の多値符号化方法および多値復号化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、USB規格の拡張
機能におけるUSB信号の多値符号化方法および多値復
号化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ユニバーサル・シリアル・バス(以下、
USB)規格とは、従来からあるキーボード、マウス、
モデム、プリンタ、フロッピーディスク等のパーソナル
コンピュータ(以下、PC)周辺機器とPCとの間を、
従来から使われているキーボード信号、マウス信号、シ
リアル信号、パラレル信号、フロッピーインターフェー
ス信号を使わずにすべてを同一のシリアル信号上のプロ
トコルで接続するインターフェース規格である。
【0003】従来、USB規格は電気信号による伝送の
みについて決められている。この規格は企画立案グルー
プによって作成されたものであるが、それ以外のメンバ
ーでもワールドワイドウェブ(WWW)のUSBホーム
ページからダウンロードして閲覧できるデファクトスタ
ンダードである。
【0004】また、USBに関する他の技術としては、
特開平6−324988号公報に示されるようなもの
や、その他多くのものが知られている。
【0005】USBの特徴としては、USB対応周辺機
器に接続されたUSB電気信号ケーブル線をUSB対応
PCに接続するだけで、PCが周辺機器を自動的に認識
し、PCに標準搭載されているドライバのうち必要なも
のが自動的にロードされて、周辺機器が自動的に機能動
作出来るようになることを特徴としている。これによ
り、PCと周辺機器の接続が、AV機器同士の接続と同
様な感覚で容易に行えるようになった。
【0006】以下に、従来の技術として、電気信号によ
る伝送の方法を説明する。図5は、USBの電気信号の
物理モデルを示したブロック図である。図5において、
40はホスト、41はハブ、42,43は電気信号線、
44はプルアップ抵抗である。USB電気信号は、電気
信号線42,43において、信号D+と信号D−とで差
分信号となっている。
【0007】USBには、高速モードと低速モードがあ
るが、以下では、高速モードのときのみについて説明す
る。また、ホスト40からハブ41へのダウンストリー
ム伝送のみを説明する。
【0008】ホスト40からのダウンストリーム出力状
態として、(表1)に示すように、信号D+がロジック
ハイ(H)かつ信号D−がロジックロー(L)の時「J
状態」といい、信号D+がロジックロー(L)かつ信号
D−がロジックハイ(H)の時「K状態」といい、信号
D+がロジックロー(L)かつ信号D−がロジックロー
(L)の時「SE0状態」といい、信号D+がハイイン
ピーダンス(Z)かつ信号D−がハイインピーダンス
(Z)の時「IDLE状態」と呼んでいる。
【0009】
【表1】
【0010】但しIDLE状態をハブ41で受信した時
は、図5に示すように、電気信号線42(信号D+)側
にプルアップ抵抗44が入っているので、前述の出力状
態IDLEが「J状態」として検知される。それ以外
は、前述のホスト40の出力状態「J状態」、「K状
態」と「SE0状態」はそれぞれハブ41の入力状態と
して「J状態」、「K状態」と「SE0状態」として認
識される。
【0011】このようにして、USBは、2本の電気信
号線のみを使って4つの状態を伝送している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来例では、電気ケー
ブルを使用しているため、USB規格に基づいた「K状
態」、「J状態」、「IDLE状態」および「SE0状
態」のすべてを2本の線の状態で表すことができた。し
かるに電気ケーブルを使う限り、USBコネクタの挿抜
回数が1500回と制限される点と、リピータが無いと
距離をのばせないという課題があった。
【0013】本発明は、挿抜回数に制限されることがな
い非接触の光伝送、または、中距離伝送が容易なファイ
バーケーブルによる光伝送を実現するに適したUSB信
号の多値符号化方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、USB規格に準拠した光伝送を実現するに
際して、USB差分信号で表現される4状態または3状
態の状態遷移と、光伝送の特性を考慮し、K状態、ID
LE状態、J状態、SE0状態の4状態、または、K状
態、J状態、SE0状態の3状態を、電圧レベルの高い
方から設定するよう符号化するものである。
【0015】これにより、最も回路規模が少なく、光伝
送固有の交流化を実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の第1の発明は、USB規
格に規定された2本の電気信号線D+とD−が取り得る
状態であるK、IDLE、J、SE0を、複数の電圧レ
ベルを有する電気信号の所定の電圧レベルの電気信号に
各々割り当てる多値符号化方法であって、状態Kを最も
電圧の高いレベルの電気信号に割り当て、状態IDLE
を2番目に電圧の高いレベルの電気信号に割り当て、状
態Jを3番目に電圧の高いレベルの電気信号に割り当
て、状態SE0を最も電圧の低いレベルの電気信号に割
り当てるものであり、これにより、USB信号の状態遷
移に基づいて、光伝送に適した交流化が行えるという作
用を有する。
【0017】また本発明の第2の発明は、USB規格に
規定された2本の電気信号線D+とD−が取り得る状態
であるK、J、SE0を、複数の電圧レベルを有する
信号の所定の電圧レベルの電気信号に各々割り当てる
多値符号化方法であって、状態Kを最も電圧の高いレベ
ルの電気信号に割り当て、状態Jを2番目に電圧の高い
レベルの電気信号に割り当て、状態SE0を最も電圧の
低いレベルの電気信号に割り当てるものであり、これに
より、光伝送に適した交流化をJ状態とSE0状態とで
行うことができる。
【0018】以下、本発明の実施の形態について、図面
を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1による
USB信号の多値変換符号化方法の状態遷移図である。
また、図2は、本実施の形態による符号化のタイミング
チャートである。
【0019】本実施の形態は、4値符号化に関するもの
である。USB信号の4つの状態を考えた場合、遅延時
間がクリティカルな信号遷移について考慮する必要があ
る。即ち、J状態とK状態の間の遷移14は、一般のデ
ータで起こり、J状態またはK状態からSE0状態への
遷移17,16は、一般のデータからエンド・オブ・パ
ケット(EOP)へ変わる時起こり、SE0状態からJ
状態への遷移17は、EOPの最後の部分で起こり、I
DLE状態からK状態への遷移15は、スタート・オブ
・パケット(SOP)で起こる。
【0020】このようなUSB信号の状態遷移の特性を
うまく割り付けることができれば、光伝送に適した変換
が可能となる。
【0021】そこで、本実施の形態は、1段のハブの内
部を光信号に符号化する際において、図1に示すよう
に、K状態10を最も電圧の高いレベルに設定し、ID
LE状態11を2番目に電圧の高いレベルに設定し、J
状態12を3番目に電圧の高いレベルに設定し、SE0
状態13を最も電圧の低いレベルに設定するものであ
る。
【0022】遷移14,15,16,17は、状態遷移
の時間がUSB規格でクリティカルに決められているも
のを示し、遷移18,19はそうでないものを示す。
【0023】図2において、信号D+と信号D−で示さ
れるUSB電気信号は、それぞれのハイ・ローで4つの
状態を示す。これを図1に示したような、電圧レベルに
変換符号化することで、図2に示した4値信号となる。
【0024】図2に示したように、信号遷移を考慮し
て、変換符号化を行っているので、光伝送に適した、交
流化を実現することができる。
【0025】なお、復号化の際には、例えば、図1に示
したようにコンパレータ1〜3で示した電圧レベルで識
別することで、容易に復号化可能である。
【0026】(実施の形態2)図3は、本発明の実施の
形態2によるUSB信号の多値変換符号化方法の状態遷
移図である。また、図4は、本実施の形態による符号化
のタイミングチャートである。
【0027】本実施の形態は、3値符号化に関するもの
である。実施の形態1での説明と同様に、USB信号の
特性をうまく割り付けることができれば、光伝送に適し
た変換が可能となる。
【0028】そこで、本実施の形態は、2段のハブのそ
れぞれの内部を光信号に符号化する際において、図3に
示すように、K状態30を最も電圧の高いレベルに設定
し、J状態31を2番目に電圧の高いレベルに設定し、
SE0状態32を最も電圧の低いレベルに設定すること
を示したものである。
【0029】遷移33,34,35は、状態遷移の時間
がクリティカルに決められているものを示し、遷移36
はそうでないものを示す。
【0030】図4において、USB信号は、信号D+と
信号D−と表現される。これを、図3で示した状態遷移
図に基づいて、適切な電圧レベルの信号に変換すること
で、3値符号が得られる。そして、復号化においては、
図4の3値符号を、図3に示したコンパレータ1〜3で
示した電圧レベルで識別することで、図4の下段に示し
たUSB信号が得られる。
【0031】このように、図4の上段のUSB信号から
3値符号を介して下段のUSB信号となり、一意に復号
可能であることがわかる。
【0032】なお、図2または図4において、IDLE
状態を交流化する為に、比較的大きな周期で交流化して
いるが、復号化の際は、この周期性を考慮して、基の信
号に復号できることは、いうまでもない。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明は、従来、電気ケー
ブルでしか伝送できなかったUSB信号を、光伝送に適
した符号に変換符号化するので、光信号として送信・受
信が可能となる。また、復号化の際には、状態遷移変化
の早い遅いに関わらず、レベルコンパレータのみの簡単
な構成で復号できる。従って、実際に回路で実現すると
きには、時間軸方向のサンプリングなどの制御が不必要
なため、回路規模を最も少なくでき、よって、コスト的
にも優れた符号化方法とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるUSB信号の多値
符号化方法を示す状態遷移図
【図2】同多値符号化方法でのタイミングチャート
【図3】本発明の実施の形態2によるUSB信号の多値
符号化方法を示す状態遷移図
【図4】同多値符号化方法でのタイミングチャート
【図5】従来のUSB電気信号の物理モデルを示すブロ
ック図
【符号の説明】
10 K状態 11 IDLE状態 12 J状態 13 SE0状態 14〜19 遷移
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 3/00 - 11/00 H04B 10/00 G06F 3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 USB規格に規定された2本の電気信号
    線D+とD−が取り得る状態であるK、IDLE、J、
    SE0を、複数の電圧レベルを有する電気信号の所定の
    電圧レベルに各々割り当てる多値符号化方法であって、 状態Kを最も電圧の高いレベルの電気信号に割り当て、 状態IDLEを2番目に電圧の高いレベルの電気信号に
    割り当て、 状態Jを3番目に電圧の高いレベルの電気信号に割り当
    て、 状態SE0を最も電圧の低いレベルの電気信号に割り当
    てるUSB信号の多値符号化方法。
  2. 【請求項2】 複数の電圧レベルを有する電気信号の所
    定の電圧レベルの電気信号を、USB規格に規定された
    2本の電気信号線D+とD−が取り得る状態であるK、
    IDLE、J、SE0に各々割り当てる多値復号化方法
    であって、 最も電圧の高いレベルの電気信号を状態Kに割り当て、 2番目に電圧の高いレベルの電気信号を状態IDLEに
    割り当て、 3番目に電圧の高いレベルの電気信号を状態Jに割り当
    て、 最も電圧の低いレベルの電気信号を状態SE0に割り当
    てるUSB信号の多値復号化方法。
  3. 【請求項3】 USB規格に規定された2本の電気信号
    線D+とD−が取り得る状態であるK、J、SE0を、
    複数の電圧レベルを有する電気信号の所定の電圧レベル
    電気信号に各々割り当てる多値符号化方法であって、 状態Kを最も電圧の高いレベルの電気信号に割り当て、 状態Jを2番目に電圧の高いレベルの電気信号に割り当
    て、 状態SE0を最も電圧の低いレベルの電気信号に割り当
    てるUSB信号の多値符号化方法。
  4. 【請求項4】 複数の電圧レベルを有する電気信号の所
    定の電圧レベルの電気信号を、USB規格に規定された
    2本の電気信号線D+とD−が取り得る状態であるK、
    J、SE0に各々割り当てる多値復号化方法であって、 最も電圧の高いレベルの電気信号を状態Kに割り当て、 2番目に電圧の高いレベルの電気信号を状態Jに割り当
    て、 最も電圧の低いレベルの電気信号を状態SE0に割り当
    てるUSB信号の多値復号化方法。
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