JP3528578B2 - 木管楽器 - Google Patents

木管楽器

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JP3528578B2 JP05375298A JP5375298A JP3528578B2 JP 3528578 B2 JP3528578 B2 JP 3528578B2 JP 05375298 A JP05375298 A JP 05375298A JP 5375298 A JP5375298 A JP 5375298A JP 3528578 B2 JP3528578 B2 JP 3528578B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アンサンブルに適
した適度な音量と優れた集合音特性を有する新規な木管
楽器に関する。 【0002】 【従来の技術】異なった楽器の編成による合奏(アンサ
ンブル)形式のうち最も代表的なものとして管弦楽と吹
奏楽がある。管弦楽は弦楽器、木管、金管楽器、打楽器
による編成によって合奏されるもので、バイオリン属が
アンサンブルの中心的な楽器を担っている。吹奏楽は、
その名の通り木管、金管楽器を主体とし、それに打楽器
とごく一部の弦楽器(一般的にはコントラバスのみ)に
よる編成によって合奏されるもので、管弦楽のバイオリ
ン属に相当するアンサンブルの中心的な楽器としてクラ
リネット属がその役割を担っている。ところが、このク
ラリネット属の特質として、音域が広く、適度な音量を
もち、比較的軽量であり、その目的のためには好都合で
あるが、複数の奏者がユニゾンや和音を演奏した際に、
豊かな響きを醸し出す「集合音」についてはあまり好適
とはいえない。 【0003】そこで、他の管楽器で比較的「集合音」に
優れたサクソフォーン属をアンサンブルの中心的な楽器
とする試みもあった。サクソフォーンは、単簧(シング
ルリード)の木管楽器で、クラリネットのようなマウス
ピースを備えているが、その主要部分は円錐管からなり
その内径は他の木管楽器より著しく太いことから豊かな
音量と広い表現力を示し、しかも奏法も容易であるとい
う特長を有している。サクソフォーンには、ソプラノ
(サクソフォーン)、アルト、テノール、バリトン等の
種類がある。ソプラノは、一般に直管であり、アルト以
下は適当な箇所で管を湾曲させている。各型のサクソフ
ォーンは、約2オクターブ半の基本周波数範囲をカバー
している。すなわち、ソプラノはA♭3 からE♭6 、ア
ルトはD♭3 からA♭5 ,テノールはA♭2 からE♭5
、バリトンはC2 からA♭4 である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
サクソフォーンは、それが「ソロ楽器的特質」を追求し
発達してきた楽器であるため、「大きな音量」、「太く
厚肉の管体」、「径の大きな音孔」を有し、その結果多
人数によるアンサンブル楽器としては、これもまた適当
な楽器とはいえず、吹奏楽器における基幹楽器とはなり
得なかった。また、比較的重量も重く、初心者や体力の
劣る児童や高齢者にとっては扱い難い楽器といえる。 【0005】そこで、本発明者は木管楽器の中で最も集
合音が優れていると思われるサクソフォーンに着目し、
それのもつ「ソロ楽器的特質」を「アンサンブル楽器的
特質」を有するものに変えるためにはどのようにすれば
よいかについて研究した。 【0006】管楽器の管体形状には、大まかに円筒管状
のものと円錐管状のものの2種類があり、音程や音色は
管内空気振動の様式を決定するこれら管体の形状によっ
て定まる。一般的に主管部が円錐形を有する木管楽器に
おいては、その基本共振周波数f1 と第二次共振周波数
f2 との関係が1:2となるような管体形状に設計さ
れ、この条件を満足させるための要素として、管体の小
径端側の径および主管部テーパー形状があり、複数種の
適値が存在し得る。そして、この条件を満たして設計さ
れた木管楽器にあっては、その固有のスペクトラムに整
数倍音が存在することとなり、正しいオクターブ関係の
音程を有すると共に、併せて明るい音色も得られる。そ
して、管体の小径端側の径を小径化する程テーパーは緩
くなり、管長が短くても所望のピッチが得られ、楽器自
体を軽量、コンパクトに構成することができる。しか
し、これに伴い共振鋭度(Q)は低くなるので、音量は
小さく共振周波数も定まり難くなり、度を越すと発振条
件を満たさなくなり、明快な発音が困難になる。そこ
で、本発明の目的とする「アンサンブル的特質」を有す
る木管楽器の創造にあたってはこれらを踏まえた上で、
複数種存在するそれら適値より、所望の特質を得るに最
も適した値を採り出すことが肝要である。 【0007】このようなことから本発明者は、特に管体
の吹込管部の最小径端部の内径と、主管部のテーパーの
異なる管体を種々コンピュータシミュレーションにより
2〜3種に絞り込んだ上で、それらを作製して実験をし
た結果、吹込管部の最小径端部の内径と主管部のテーパ
ーを一定の範囲で従来のサクソフォーンより小さくする
ことにより、アンサンブルに適した適度な音量と集合音
特性に優れた新規な木管楽器を開発することに成功し
た。 【0008】本発明は上記した実験結果に基づいてなさ
れたもので、その目的とするところは、発音原理がサク
ソフォーン属と同じでありながら、適度な音量と優れた
集合音特性を有し、アンサンブルに適した吹奏楽の基幹
楽器に相応しい全く新しい木管楽器を提供することにあ
る。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、少なくともベル、主管部、吹込管部を含む
構成からなりソプラノ音域を有する管体を備えたシング
ルリードの木管楽器において、前記吹込管部を最小径端
部の内径が6〜7mmの略円錐形状に形成し、主管部を
テーパーが3.5〜5%の円錐形状に形成したことを特
徴とする。 【0010】従来のソプラノサクソフォーンは、その管
体の最小径端部の内径が9.3mm程度、主管部のテー
パーが6%程度で、アルトサクソフォーンは、最小径端
部の内径が12.3mm程度、主管部のテーパーが5,
3%程度である。これに対して、本発明においては、吹
込管部の最小径端部の内径が6〜7mm、主管部のテー
パーが3.5〜5%で、上記したソプラノ、アルトサク
ソフォーンとは大きく異なる。これにより、適度な音量
と優れた集合音特性を有しアンサンブル楽器的特質を具
備した木管楽器となる。また、細目の管体と、比較的穴
径の小さい音孔を有するものとなり、軽量で、扱い易
い。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る木
管楽器の正面図、図2は管体の概略図である。これらの
図において、本発明に係る木管楽器1は発音原理が従来
のソプラノサクソフォーンと同じである。そのため、真
鍮などの金属によって製作された直管からなる管体(主
管)2と、シングルリードのマウスピース(吹口)3を
備え、マウスピース3から息を吹き込み鍵機構4によっ
て管体2に形成した多数の音孔5を選択的に開閉するこ
とにより演奏するものである。 【0012】前記管体2は、ベル(朝顔部)6と、円筒
管部(1番管部)7、主管部(2番管部)8、吹込管部
9および前記マウスピース3とからなり、ソプラノ音域
を有している。ベル6は内径が曲線的に増加するテーパ
ー管からなり開口面が最大内径を有している。円筒管部
7はベル6と主管部8とを接続するもので、この円筒管
部7、主管部8および吹込管部9の周面に合計25個の
音孔5が形成されている。主管部8は、長さがL、最小
径端部の内径がd1 、最大径端部の内径がd2からなる
円錐形に形成され、テーパー((d2 −d1 )/L)が
3.5〜5%の範囲とされる。吹込管部9はマウスピー
ス3と主管部8を接続する部分で、内径が緩やかに拡大
する略円錐形に形成され、その最小径端部の内径d0 が
6〜7mmの範囲とされる。なお、本実施の形態におい
ては、管体2の全長を425.0mm、主管部8の全長
を295.0mm、テーパーを4%、吹込管部9の全長
を130.0mm、最小径端部の内径d0 を6.5mm
に形成した例を示している。 【0013】前記鍵機構4は、管体2の外周面に立設し
た鍵柱10によって軸支され鍵11により回動される連
管12と、この連管12にアーム13を介して設けられ
タンポを収納するタンポ皿14と、前記連管12を介し
てタンポ皿14に閉方向の回動習性を付与する図示しな
いばね等からなり、鍵11の操作によってタンポ皿14
を動作させ音孔5を開閉制御することにより所望の音高
の音を発音させるものである。このような鍵機構4は、
従来のソプラノサクソフォーンにおける鍵機構と略同一
である。なお、音孔5は、管体2に突設した分岐管15
の開口部とされる。 【0014】ここで、吹込管部9の最小径端部の内径d
0 を6〜7mmの範囲に設定した理由は、マウスピース
3の大きさと音量を考慮したからである。すなわち、リ
ード16の大きさは略一定で従来のサクソフォーンに用
いられるものが使用されるため、このリード16によっ
てマウスピース3の大きさが制約されるからである。最
小径端部の内径d0 を6mm以下にすると、マウスピー
ス3が小さくなりすぎてリード16の取付けが困難にな
るため好ましくない。7mm以上にすると、音量が増大
し好ましくない。主管部8のテーパーを3.5〜5%の
範囲とした理由は、アンサンブルに適した適度な音量と
集合音特性を得るためで、この範囲を超えるとソロ楽器
的特質が強くなるため好ましくない。 【0015】図3は本発明に係る木管楽器と従来のサク
ソフォーンにおける吹込管部の最小径端部の内径と主管
部のテーパーを示す図表である。図4は本発明に係る木
管楽器の音孔名、音孔位置、管体外径、音孔内径、音孔
高を示す図表である。これらの図表から明らかなよう
に、本発明に係る木管楽器の最小径端部の内径(d0 )
とテーパーは、従来のソプラノ、アルト、テナーサクソ
フォーンに較べて十分小さい。そのため、管体2は従来
のサクソフォーンの管体に較べて相対的に細く、かつ音
孔5も小さい。ただし、鍵柱10および音孔5の高さ
は、従来のサクソフォーンとの操作上の違和感を少なく
するため、および求める音色を得るため、管体2が細く
なった分だけ高くしている。 【0016】このような木管楽器1にあっては、吹込管
部9の最小径端部の内径d0 と主管部8のテーパーが従
来のサクソフォーンより小さく細い管体2と、比較的穴
径の小さい音孔5を備えているので、適度な音量と優れ
た集合音特性を有し、サクソフォーン属に属するとはい
え従来の「ソロ楽器的特質」をもつサクソフォーンとは
異なり「アンサンブル楽器的特質」を具備した全く新し
い木管楽器を得ることができる。また、従来のサクソフ
ォーンと基本的構成が同じであるため違和感がなく、そ
の上管体2が細いため楽器全体が軽量で扱い易く、初心
者や体力の劣る児童や高齢者であっても容易に演奏する
ことができる。 【0017】なお、上記した実施の形態においては、主
管部8の先端側に円筒管部7を設けた木管楽器について
示したが、本発明はこれに必ずしも特定されるものでは
なく、円筒管部を備えない主管部であってもよい。 【0018】 【発明の効果】以上説明したように本発明に係る木管楽
器によれば、円錐形状に形成したソプラノ領域の管体を
備え、その吹込管部の最小径端部の内径を6〜7mm、
主管部のテーパーを3.5〜5%としたので、吹奏楽の
基幹楽器に相応しい諸特性をもった全く新しい木管楽器
を提供することができる。また、従来のソプラノサクソ
フォーンとの比較で相対的に細い管体であるため軽量で
扱い易く、その上発音原理やキイメカニズムがサクソフ
ォーン属と同じであるため、サクソフォーンの奏者であ
っても違和感なく演奏することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に係る木管楽器の正面図である。 【図2】 管体の概略図である。 【図3】 本発明に係る木管楽器と従来のサクソフォー
ンにおける吹込管部の最小径端部の内径と主管部のテー
パーの比較を示す図表である。 【図4】 本発明に係る木管楽器の音孔名、音孔位置、
管体外径、音孔内径、音孔高を示す図表である。 【符号の説明】 1…木管楽器、2…管体、3…マウスピース、4…鍵機
構、5…音孔、6…ベル、7…円筒管部、8…主管部、
9…吹込管部、16…リード。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくともベル、主管部、吹込管部を含
    む構成からなりソプラノ音域を有する管体を備えたシン
    グルリードの木管楽器において、 前記吹込管部を最小径端部の内径が6〜7mmの略円錐
    形状に形成し、前記主管部をテーパーが3.5〜5%の
    円錐形状に形成したことを特徴とする木管楽器。
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