JP3527552B2 - 防犯装置付き懸吊具 - Google Patents

防犯装置付き懸吊具

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JP3527552B2
JP3527552B2 JP27019394A JP27019394A JP3527552B2 JP 3527552 B2 JP3527552 B2 JP 3527552B2 JP 27019394 A JP27019394 A JP 27019394A JP 27019394 A JP27019394 A JP 27019394A JP 3527552 B2 JP3527552 B2 JP 3527552B2
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秀夫 荒川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスプレイ、ハンガ
ー、パネル、ライト、額縁、又はその他のインテリア用
品を美術館、展示場、又は店頭などに陳列配備する際、
盗難防止用として使用する防犯装置付き懸吊具に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、貴重な絵画、版画、又は写真など
の芸術品が美術館などで盛んに展示されているが、芸術
品を美術館などに展示する場合には、芸術品を収容した
額縁のワイヤーを展示室の壁面のフックに掛止して額縁
を固定し、美術館の壁面に複数の芸術品を陳列配備して
いる。このような状態で芸術品は鑑賞に供されるが、そ
れだけでは盗まれる危険性が高く問題である。そこで従
来、芸術品の展示に際しては、複数の警備員に警備させ
たり、ロードセルを使用した盗難防止装置を採用した
り、あるいは美術館の施錠管理を厳重化したりして盗難
を防止するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、警備員
の警備や施錠管理の厳重化では、芸術品の盗難を必ずし
も防止することができず、しかも、芸術品の監視もまま
ならないので、保安管理が非常に煩雑化し、安全性を確
保し得ないという問題があった。また、ロードセルを使
用する従来の盗難防止装置では、誤差動が多く、誤報に
より支障を生じることが多いという欠点があった。
【0004】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、盗難を防止して安全性を確立することのできる防犯
装置付き懸吊具を提供することを目的としている。ま
た、誤差動に伴う弊害を防止することのできる防犯装置
付き懸吊具を提供することも目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明にお
いては上記目的を達成するため、壁面取り付け用のケー
シングに警報音発生回路を駆動させる駆動スイッチを内
蔵し、前記ケーシングの上部にはフックカムを回動可能
に枢着してそのカム部を該駆動スイッチの作動体に当接
可能とし、前記ケーシングには該フックカムを上方に付
勢する弾性体を取り付け、前記フックカムの上部にはフ
ック部を形成するとともに、このフック部には物品を懸
吊可能として前記フックカムを下方に付勢するようにし
ている。また、本発明の第2の発明においては上記目的
を達成するため、ケーシングの壁面部側に嵌合部を備
え、この嵌合部の壁面部側の面にはざぐりを備えた縦溝
部を形成し、壁面取付用の取付片の一部を反壁面側に折
曲してその下部にテーパ部を形成し、このテーパ部を前
記縦溝部を介して該ざぐりに嵌合させるとともに、前記
取付片に該ケーシングを嵌合支持させるようにし、前記
ケーシングには電源を備えた警報音発生回路と、この警
報音発生回路と接続した駆動スイッチをそれぞれ内蔵
し、前記ケーシングの上部にはフックカムを回動可能に
枢着してそのカム部を該駆動スイッチの作動体に当接可
能とし、前記ケーシングには該フックカムを上方に付勢
する弾性体を取り付け、前記フックカムの上部にはフッ
ク部を形成するとともに、このフック部には物品を懸吊
可能として前記フックカムを下方に付勢するようにして
いる。また、本発明の第3の発明においては上記目的を
達成するため、壁面取り付け用のケーシングに警報音発
生回路を駆動させる駆動スイッチを内蔵し、前記ケーシ
ングの内部下方には該駆動スイッチの作動体を上下動自
在に嵌入して駆動スイッチに当接可能に位置させるとと
もに、前記ケーシングと該作動体の間には弾性体を介在
して作動体を上方に付勢し、前記作動体にはフックを取
り付けて物品を懸吊可能にするようにしている。また、
本発明の第4の発明においては上記目的を達成するた
め、壁面取り付け用のケーシングに警報音発生回路を駆
動させる駆動スイッチを内蔵し、前記ケーシングの内部
上方にはフックレバーを回動自在に設けてこのフックレ
バーのフック部側を弾性体で上方に付勢するとともに、
このフックレバーの非フック部側には該駆動スイッチの
作動体を設けるとともに、前記フック部には物品を懸吊
可能にするようにしている。さらに、本発明の第5の発
明においては上記目的を達成するため、壁面取り付け用
のケーシングに警報音発生回路を駆動させる駆動スイッ
チを内蔵し、前記ケーシングの内部上方には操作レバー
を回動自在に枢着して該操作レバーの一端側に駆動スイ
ッチの作動体を設けるとともに、この一端側を弾性体で
下方に付勢し、前記ケーシングの上方にはフックレバー
を偏心させて枢着して物品を懸吊可能とし、このフック
レバーと該操作レバーの他端側をリンクで連結するよう
にしている。
【0006】
【作用】上記構成を有する本発明の第1の発明によれ
ば、芸術品などの物品を盗むため、物品を持ち上げた
り、条体を切断したりすると、フックカムに作用する荷
重が減少するので、弾性体の作用でフックカムが回転し
てそのカム部を変位させ、作動体が上下いずれかの方向
に変位し、駆動スイッチが作動して警報音発生回路を駆
動させ、この警報音発生回路が警報音を鳴らして盗難の
発生などを知らせる。また、本発明の第2の発明によれ
ば、芸術品などの物品を展示する場合には、壁面に取付
片を押さえ付けて固定し、取付片の一部に嵌合部の縦溝
部を上方から嵌入し、ケーシングを下方にスライドさせ
る。こうすれば、取付片の一部が嵌合部内に嵌入される
とともに、この取付片のテーパ部と嵌合部のざぐりが相
互に嵌合され、取付片にケーシングが嵌合支持される。
また、芸術品などの物品を盗むため、物品を持ち上げた
り、条体を切断したりすると、フックカムに作用する荷
重が減少するので、撓んでいた弾性体の作用により、フ
ックカムが回転してそのカム部を変位させ、作動体が上
下方向に変位し、駆動スイッチが作動して警報音発生回
路を駆動させ、この警報音発生回路が警報音を鳴らして
盗難の発生などを知らせることとなる。また、本発明の
第3の発明によれば、芸術品などの物品を盗むため、物
品を持ち上げたり、条体を切断したりすると、フックに
作用する荷重が減少するので、弾性体の作用により、フ
ックが上昇し、作動体の押圧で駆動スイッチが作動して
警報音発生回路を駆動させ、警報音発生回路が警報音を
鳴らして盗難などの発生を知らせる。また、本発明の第
4の発明によれば、芸術品などの物品を盗むため、物品
を持ち上げたり、条体を切断したりすると、フックレバ
ーに作用する荷重が減少するので、弾性体の作用によ
り、傾斜していたフックレバーが回動して駆動スイッチ
を作動させ、警報音発生回路が警報音を鳴らして盗難な
どの発生を知らせることとなる。さらに、本発明の第5
の発明によれば、芸術品などの物品を盗むため、物品を
持ち上げたり、条体を切断したりすると、フックレバー
に作用する荷重が減少するので、フックレバーが回動し
てリンクを変位させ、操作レバーが弾性体の作用により
回動して駆動スイッチを作動させ、警報音発生回路が警
報音を鳴らして盗難の発生などを知らせる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の第1の発明における一実施例
を図1ないし図3を参照して説明する。本実施例におけ
る防犯装置付き懸吊具は、図1や図2に示すごとく、ケ
ーシング1に警報音発生回路9と駆動スイッチ12をそ
れぞれ内蔵するとともに、ケーシング1の上部にはフッ
クカム15を枢着し、このフックカム15のフック部1
7には芸術品の額縁Fを条体であるワイヤーWを介して
懸吊させるようにしている。
【0008】ケーシング1は、図1に示すよう細長い略
円筒形に形成され、その内部上方には区画板2が水平に
設けられており、この区画板2により内部が上部空間と
下部空間の2つに区画されている。このケーシング1の
上部背面部は、その一部が垂直上方に伸長され、この上
部には取付孔3が穿設されており、この取付孔3には壁
面取付用のビス4が挿通される。また、上部空間を区画
するケーシング1の上部内周壁における背面部には、切
り欠き5が切り欠かれ、この切り欠き5がフックカム1
5の回転に支障が生じないよう作用する。また、区画板
2の中心部にはボール孔が穿設され、このボール孔には
ボール6が上下動自在に嵌入されている。そして、下部
空間を区画するケーシング1の内周面における下部は拡
径に形成されている。さらに、ケーシング1の下部に
は、有底筒形の共鳴体7が一体的に嵌着され、この共鳴
体7の周面には円形の共鳴体開口部8が穿設されてい
る。
【0009】また、警報音発生回路9は、図1に示すよ
うに、バッテリケースで保護された交換可能なバッテリ
10と、このバッテリ10と電気的に接続されたブザー
11を備え、バッテリ10がケーシング1の下部空間
に、ブザー11が溝穴を介して共鳴体7の内部空間にそ
れぞれ内蔵配置され、このブザー11が警報音を鳴らし
て盗難などの発生を知らせる機能を有している。バッテ
リ10としては、入手が容易で小型の水銀電池などが使
用される。また、ブザー11の警報音は、2700〜3
400ヘルツ、特に効率が良く可聴可能な3000ヘル
ツ近傍の音波周波数であるのが望ましい。但し、盗難な
どの発生時に美術館内などで警報音、換言すれば、可聴
音を鳴り響かせたくない場合がある。このような場合に
は、直進性に優れる短波長や超音波などを発振し、後述
する音波型警報受信機で警報の発生を検知するようにす
れば良い。
【0010】また、駆動スイッチ12は、図1に示すご
とく、ボタン13を備えたマイクロスイッチからなり、
積層した複数のプリント配線基板14上に接続され、バ
ッテリ10とブザー11に電気的にそれぞれ接続されて
いる。そして、ケーシング1の下部空間における上位に
内蔵配置されてボール6の真下に当接位置し、このボー
ル6の下降によりON動作して警報音発生回路9を駆動
させるよう作用する。なお、複数のプリント配線基板1
4には、図示しないが、警報音を鳴り響かせるブザー1
1を停止させるためのブリッジ回路、トランジスタ、サ
イリスタおよび抵抗などが適宜印刷・実装されている。
【0011】さらに、フックカム15は、図1に示すよ
うに、ケーシング1の上部空間の中央部に軸16を介し
て回動可能に枢着されている。このフックカム15の壁
面側における上部にはフック部17が凹み形成され、こ
のフック部17に額縁FのワイヤーWが掛止されること
により、換言すれば、額縁Fの荷重が作用することによ
り、フックカム15が反時計方向、換言すれば、下方向
に回動する。また、フックカム15の上部には、ほぼU
字形の取り外れ防止リング18が回動可能に枢着され、
この取り外れ防止リング18が反時計方向に回動してワ
イヤーWの取り外しを防止する。この取り外れ防止リン
グ18は、例えば針金などで形成される。また、フック
カム15の側面には突起部19が突設され、この突起部
19が反時計方向に回動した取り外れ防止リング18に
係止してその動きを規制したり、あるいは、取り外れ防
止リング18を開放するよう作用する。さらに、フック
カム15の下部面には、拡径のカム面20と縮径の非カ
ム面21がそれぞれ隣接して形成され、フックカム15
に対する荷重の作用時には非カム面21がボール6の真
上に、フックカム15に対する荷重の非作用時にはカム
面20がボール6に当接するようになっている。さらに
また、フックカム15の壁面側の下部と区画板2の間に
は、弾性体であるばね22が略U字形に湾曲して介在さ
れ、このばね22がワイヤーWの取り外し時、換言すれ
ば、荷重減少時にフックカム15を時計方向に、換言す
れば、上方向に回動させる。
【0012】次に、使用方法について説明する。芸術品
を美術館などに展示する場合には、図2に示すごとく、
展示室の壁面23にケーシング1を押さえ付け、ケーシ
ング1の取付孔3にビス4を挿着して固定し、芸術品を
収容した額縁FのワイヤーWをフックカム15のフック
部17に掛止した後、取り外れ防止リング18をワイヤ
ーWに係止してその取り外しを防止するようすれば良
い。そして、取り外れ防止リング18を壁面23側に回
動させ、突起部19で係止すれば良い。こうして、図3
に示すように、複数の展示室に複数の芸術品をそれぞれ
陳列し終わったら、複数の展示室の天井などに集音用の
マイク (例えば、カーボンマイクなどが使用される) 2
4をそれぞれセットし、このマイク24を音波型警報受
信機25を介して管理室26の集中管理機器27に接続
し、管理室26で集中管理するようにすれば良い。な
お、音波型警報受信機25の詳細は、図示しないが、複
数の増幅回路、アナログフィルタ、緩衝増幅器、A/D
変換器、デジタルフィルタ、および音波受信機の警報音
発生回路などから構成されている。
【0013】このような管理体制下において、芸術品を
盗むため、額縁Fを持ち上げたり、ワイヤーWを切断し
たりすると、フックカム15に作用する荷重が減少する
ので、撓んでいたばねの復帰力により、フックカム15
が時計方向に回動してそのカム面20を時計方向に変位
させ、ボール6が下降し、駆動スイッチ12のボタン1
3がON作動して警報音発生回路9を駆動させ、この警
報音発生回路9のブザー11が警報音を鳴らして盗難の
発生を知らせることとなる。ブザー11が動作すると、
警報音は、マイク24で集音され、音波信号として音波
型警報受信機25に入力されるとともに、音波型警報受
信機25の複数の増幅回路で増幅され、アナログフィル
タ、緩衝増幅器およびA/D変換器を順次経由してパル
ス信号に変換される。そして、デジタルフィルタで特定
音波を中心として±300ヘルツ以外の成分が除去さ
れ、音波受信機の警報音発生回路が作動し、その後、警
報信号が集中管理機器27に受信される。こうして、管
理室26で待機していた警備員は、警報ランプを点滅さ
せたり、警察に通報するなどの警備活動を極めて容易に
行うことが可能となる。
【0014】上記構成によれば、額縁Fの取り外しに伴
い警報音発生回路9のブザー11が警報音を鳴らすの
で、額縁Fを容易に取り外すことができず、その結果、
盗難の虞れを確実に防止することができる。また、芸術
品の監視が極めて容易化するので、保安管理の煩雑化防
止が期待でき、安全性を確保することが可能となる。ま
た、音波を使用するので、電波使用時のような誤差動が
全くなく、誤報に伴う支障を確実に防止することができ
る。また、ケーシング1の下部に共鳴体7が一体的に設
けられているので、構造の著しいコンパクト化や省スペ
ース化が期待できる。そして、ケーシング1には共鳴体
7が一体的に嵌着され、この共鳴体7の周面には共鳴体
開口部8が穿設されているので、特定周波数の警報音の
拡大が期待できる。さらに、フックカム15かならる板
カムを使用しているので、簡単な構造で複雑、かつ必要
な運動を確実・容易に伝達することが可能となる。さら
にまた、フックカム15の壁面側上部にフック部17が
凹み形成されているので、額縁Fを壁面23に最大限接
近させることが可能となり、美観の大幅な向上・維持が
期待できる。
【0015】次に、図4および図5を参照して本発明の
第2の発明の一実施例を説明する。本実施例における防
犯装置付き懸吊具は、第1の発明のそれと基本的な構造
が略同一であるが、壁面23に対する取付構造が相違し
ている。即ち、本実施例における防犯装置付き懸吊具
は、ケーシング1の壁面部側に嵌合部28を一体的に突
設して壁面23の側に配置するとともに、壁面23には
壁面取付用の取付片32を固定し、これら嵌合部28と
取付片32を相互に嵌合させて取付片32にケーシング
1を支持させるようにしている。
【0016】ケーシング1は、略半円形に構成され、そ
の下部には有底筒形で縮径の共鳴体7が着脱自在に螺着
されており、この共鳴体7の周面には円形の共鳴体開口
部8が穿設されている。また嵌合部28は、図4および
図5に示すごとく、その上部に係止溝29が図5の奥方
向に穿設され、壁面23の側に位置する背面の中央部に
は縦長の縦溝部30が上下方向に形成されている。この
縦溝部30は、その下部が幅広の拡大部30aとして形
成され、この拡大部30aの上方にはざぐり31が形成
されている。また取付片32は、図4および図5に示す
ごとく、細長い板からなり、その上部に取付固定用のボ
ルト33が壁面23に螺着されるとともに、ストッパ3
4が回動可能に枢着され、このストッパ34が係止溝2
9に係止して額縁Fの吊り下げに伴いケーシング1が時
計方向に回動して落下するのを防止するよう作用する。
また取付片32の幅が狭くなった中央部32aは壁面2
3の反対側に折曲されて垂下し、下部32bには下方に
向かうほど幅が広くなるテーパ部35が形成されてい
る。このテーパ部35は、嵌合部28の拡大部30aに
嵌入され、ざぐり内31に嵌入されるとともに、このざ
ぐり31の肩部31aに支承され、取付片32からケー
シング1が反壁面23の方向 (図4の右方向)に抜けな
いよう機能する。その他の部分については、上記第1の
発明と略同様であるので省略する。
【0017】次に、取付方法について説明する。芸術品
を美術館などに展示する場合には、図4に示すごとく、
展示室の壁面23に取付片32を押さえ付け、この取付
片32の取付孔3にボルト33を挿着して固定し、取付
片32のテーパ部35に嵌合部28の拡大部30aを上
方から嵌入し、ケーシング1を下方にスライドさせれば
良い。すると、取付片32の中央部32a、下部32b
およびテーパ部35が縦溝部30および拡大部30aに
嵌入されるとともに、テーパ部35がざぐり31の肩部
31aに支承され、取付片32に嵌合部28を嵌合させ
た状態でケーシング1が支持される。こうして、取付片
32にケーシング1を嵌合支持させ、水平状態のストッ
パ34を嵌合部28の係止溝29に係止すれば、額縁F
の吊り下げに伴いケーシング1が時計方向に回動して落
下するのを確実に防止できる。さらに、ケーシング1の
上方向への抜き外しをも確実に規制することができる。
また、バッテリ10を交換したい場合には、支持状態の
ケーシング1の共鳴体7を回転させ緩めれば、バッテリ
10を収納した共鳴体7を取り外すことができる。その
他の部分については、上記第1の発明と同様であるので
省略する。本実施例においても上記第1の発明の実施例
と同様の作用効果が期待し得られ、しかも、取付片32
とケーシング1を別々に構成しているので、バッテリ1
0やブザー11などを極めて容易に交換することができ
るとともに、ケーシング1やその内部のメンテナンスな
どの容易化が期待できるのは明らかである。
【0018】なお、上記実施例のケーシング1、ボール
6、警報音発生回路9、ブザー11、フックカム15、
カム面20、および非カム面21などの配置箇所、大き
さ、材質、形状、構造、又は数などは、略同様の作用効
果が期待し得るものであれば、適宜修正変更することが
可能である。例えば、フックカム15が時計方向に回動
してその非カム面21を時計方向に変位させ、下降して
いたボール6が上昇し、駆動スイッチ12のボタン13
がON作動して警報音発生回路9を駆動させる、という
構造にすることもできる。また、カム面20と非カム面
21を滑らかな連続曲面や非連続曲面などに形成するこ
とも適宜自由に行うことができる。さらに、嵌合部28
と取付片32の形状や構造を適宜修正・変更することも
可能である。
【0019】次に、図6を参照して本発明の第3の発明
の一実施例を説明する。本実施例における防犯装置付き
懸吊具も、第1および第2の発明のそれと基本的な構造
が同一である。本実施例における防犯装置付き懸吊具
は、略円筒形のケーシング1を上下逆に備え、このケー
シング1の内部下方には、駆動スイッチ押圧座金36、
コイルばね37、調整キャップ38、およびキャップ3
9がそれぞれ配設されている。
【0020】ケーシング1の上位に位置する共鳴体7に
は取付孔3が穿設され、この取付孔3にはビス4が挿通
される。また、駆動スイッチ押圧座金36は、駆動スイ
ッチ12のボタン13の真下に位置する最拡径部、拡径
部、および縮径部を上から順に備えた段付き形に構成さ
れ、ケーシング1の内部下方に上下動可能に嵌入されて
いる。そして、駆動スイッチ押圧座金36の下方の中心
部には、ねじ穴が穿設され、このねじ穴には鉤形のフッ
ク40が螺着されており、このフック40がワイヤーW
を掛止するよう機能する。また、コイルばね37は、ケ
ーシング1の内部下方と駆動スイッチ押圧座金36の拡
径部の間に介在され、駆動スイッチ押圧座金36を上方
に弾圧付勢するよう作用する。また調整キャップ38
は、ケーシング1の内部下方と駆動スイッチ押圧座金3
6の縮径部の間に介在され、コイルばね38の付勢量を
調整するよう作用する。さらにキャップ39は、その中
心部にフック40に貫通される孔が穿設され、ケーシン
グ1の下部に螺着されて駆動スイッチ押圧座金36の脱
落を防止する機能を有している。なお、調整キャップ3
8とキャップ39を一体的に成形することも可能であ
る。
【0021】次に、使用方法について説明する。芸術品
を美術館などに展示する場合には、展示室の壁面23に
ケーシング1を押さえ付け、ケーシング1の共鳴体7の
取付孔3にビス4を挿着して固定し、芸術品を収容した
額縁FのワイヤーWをフック40に掛止すれば良い。こ
うして、複数の展示室に複数の芸術品をそれぞれ陳列し
終わったら、複数の展示室の天井などに集音用のマイク
24をそれぞれ1本ずつセットし、このマイク24を音
波型警報受信機25を介して管理室26の集中管理機器
27に接続し、管理室26で集中管理するようにすれば
良い (この点については、図3と同様である) 。
【0022】このような管理体制下において、芸術品を
盗むため、額縁Fを持ち上げたり、ワイヤーWを切断し
たりすると、フック40に作用する荷重が減少するの
で、圧縮されていたコイルばね37の復帰力により、フ
ック40が上昇し、駆動スイッチ押圧座金36の押圧で
駆動スイッチ12のボタン13がON作動して警報音発
生回路9を駆動させ、警報音発生回路9のブザー11が
警報音を鳴らして盗難の発生を知らせることとなる。そ
の他の部分については、上記説明と同様であるので省略
する。本実施例においても上記第1の発明の実施例と同
様の作用効果が期待し得られ、しかも、フック40にワ
イヤーWを掛止するので、芸術品を傾斜させることなく
壁面23に可能な限り近接させた状態で懸吊することが
でき、美観の大幅な向上・維持が期待できる。さらに、
駆動スイッチ押圧座金36、コイルばね37、およびフ
ック40などから構成しているので、構造の著しい簡易
化が期待できるのは明らかである。
【0023】次に、図7および図8を参照して本発明の
第4の発明の一実施例を説明する。本実施例における防
犯装置付き懸吊具も、第1、第2および第3の発明のそ
れと基本的な構造が同一である。本実施例における防犯
装置付き懸吊具は、図5に示すようなL字形のフックレ
バー41を備え、このフックレバー41がケーシング1
の上部空間に取付軸42を介して水平に枢着されて上下
方向に回動可能とされるとともに、当接受部を備えたケ
ーシング1の前部には弾性体であるコイルばね43が内
蔵され、このコイルばね43がフックレバー41の屈曲
したフック部側を上方に弾圧付勢するよう作用する。フ
ックレバー41は、その長辺の一端側に駆動スイッチ1
2のボタン13に当接するピン44が挿着され、その露
出したフック部側にはワイヤーWが掛止される。
【0024】次に、使用方法について説明する。芸術品
を美術館などに展示する場合には、展示室の壁面23に
ケーシング1を押さえ付け、ケーシング1の取付孔3に
ビス4を挿着して固定し、芸術品を収容した額縁Fのワ
イヤーWをフックレバー41のフック部付近に掛止すれ
ば良い。こうして、複数の展示室に複数の芸術品をそれ
ぞれ陳列し終わったら、複数の展示室の天井などに集音
用のマイク24をそれぞれ1本ずつセットし、このマイ
ク24を音波型警報受信機25を介して管理室26の集
中管理機器27に接続し、管理室26で集中管理するよ
うにすれば良い(この点については、図3と同様である)
【0025】このような管理体制下において、芸術品を
盗むため、額縁Fを持ち上げたり、ワイヤーWを切断し
たりすると、フックレバー41に作用する荷重が減少す
るので、圧縮されていたコイルばね43の復帰力によ
り、傾斜していたフックレバー41が反時計方向に回動
して駆動スイッチ12のボタン13をON作動させ、警
報音発生回路9のブザー11が警報音を鳴らして盗難の
発生を知らせることとなる。その他の部分については、
上記説明と同様であるので省略する。本実施例において
も上記第1の発明の実施例と同様の作用効果が期待し得
られ、しかも、芸術品を傾斜させることなく懸吊するこ
とができるとともに、構造の簡素化が期待し得るのは明
らかである。
【0026】次に、図9を参照して本発明の第5の発明
の一実施例を説明する。本実施例における防犯装置付き
懸吊具は、第1、第2、第3、および第4の発明のそれ
と基本的な構造が同一である。本実施例における防犯装
置付き懸吊具は、図9に示す如く、ほぼへ字形の操作レ
バー45を備え、この操作レバー45がケーシング1の
内部上方に取付軸46を介して枢着されて上下方向に回
動可能とされるとともに、この操作レバー45の長辺の
一端部には駆動スイッチ12のボタン13に当接するピ
ン47が挿着されている。また、ケーシング1の内部上
方には、弾性体であるコイルばね48が内蔵され、この
コイルばね48が操作レバー45を上方に引っ張るよう
作用する。そして、操作レバー45の傾斜した他辺側に
はリンク49が枢着され、このリンク49の先端部に
は、変形したほぼY字形のフックレバー50の右側が偏
心して枢着されている。このフックレバー50は、その
屈曲した下部がケーシング1の上部に回動自在に枢着さ
れ、ワイヤーWを掛止するよう作用する。以上のことか
ら明らかなように、本実施例においては、フックレバー
50により荷重支持点をできるだけ壁面23の側に寄
せ、懸吊物である額縁Fを略垂直に吊り下げるようにし
ている。
【0027】次に、使用方法について説明する。芸術品
を美術館などに展示する場合には、展示室の壁面23に
ケーシング1を押さえ付け、ケーシング1の取付孔3に
ビス4を挿着して固定し、芸術品を収容した額縁Fのワ
イヤーWをフックレバー50に掛止すれば良い。この
際、コイルばね48は引き伸ばされた状態となる。こう
して、複数の展示室に複数の芸術品をそれぞれ陳列し終
わったら、複数の展示室の天井などに集音用のマイク2
4をそれぞれ1本ずつセットし、このマイク24を音波
型警報受信機25を介して管理室26の集中管理機器2
7に接続し、管理室26で集中管理するようにすれば良
い (この点については、図3と同様である) 。
【0028】このような管理体制下において、芸術品を
盗むため、額縁Fを持ち上げたり、ワイヤーWを切断し
たりすると、フックレバー50に作用する荷重が減少す
るので、フックレバー50が反時計方向に回動し、リン
ク49が牽引しつつ右方向に揺動変位し、操作レバー4
5がコイルばね48の復帰力により時計方向に回動して
駆動スイッチ12のボタン13から離隔し、駆動スイッ
チ12がON作動して警報音発生回路9を駆動させ、警
報音発生回路9のブザー11が警報音を鳴らして盗難の
発生を知らせることとなる。その他の部分については、
上記説明と同様であるので省略する。本実施例において
も上記第1の発明の実施例と同様の作用効果が期待し得
られ、しかも、リンク機構を使用しているので、摩擦損
失が少なく、構造の軽快化が期待できるのは明白であ
る。なお、リンク機構は、周知・既存のものを適宜組み
合わせて使用しても良い。
【0029】次に、図10を参照して本発明の第4の発
明における第2の実施例を説明する。本実施例における
防犯装置付き懸吊具は、図10に示すごとく、図9と同
様の目的により、フックレバー50を採用しているが、
フックレバー50の下部が反対側の左側に指向する点、
およびコイルばね48が操作レバー45を下方に弾圧付
勢する点で第1の実施例と異なる。その他の点では第1
の実施例と構造が同一であるので、その説明を省略す
る。
【0030】したがって、芸術品を盗むため、額縁Fを
持ち上げたり、ワイヤーWを切断したりすると、フック
レバー50に作用する荷重が減少するので、フックレバ
ー50が時計方向に回動し、リンク49が押圧しつつ左
方向に揺動変位し、操作レバー45がコイルばね48の
付勢力により反時計方向に回動して駆動スイッチ12の
ボタン13に当接し、駆動スイッチ12がON作動して
警報音発生回路9を駆動させ、警報音発生回路9のブザ
ー11が警報音を鳴らして盗難の発生を知らせることと
なる。その他の部分については、上記説明と同様である
ので省略する。本実施例においても上記第1の発明の実
施例と同様の作用効果が期待し得られ、しかも、リンク
機構を使用しているので、摩擦損失が少なく、構造の軽
快化が期待できるのは明白である。
【0030】なお、上記説明ではワイヤーWや額縁Fを
使用するものを示したが、これら以外の紐などの懸吊可
能な一切の条体やディスプレイ、ハンガー、パネル、ラ
イト、又はその他のインテリア用品などの懸吊可能な一
切の物品を使用しても良い。また、上記説明では駆動ス
イッチ12を単に使用するものを示したが、a接点やb
接点の駆動スイッチ12を適宜変更して使用しても良い
のはいうまでもない。また、上記説明のばね22やコイ
ルばね37・43・48の代わりに他の弾性体を使用し
ても良く、又その配置箇所、付勢方向 (上方向への付勢
を下方向、下方向への付勢を上方向に、適宜変更するこ
とも可能である) 、種類、又は数などは適宜増減変更し
ても良い。さらに、上記説明以外に他のカム機構、リン
ク機構、クランク機構などを適宜組み合わせて使用して
も良い。さらにまた、上記防犯装置付き懸吊具を単数の
みならず複数個使用しても良いのはいうまでもない。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明の第1、2、3、4
および第5の発明によれば、物品の取り外しに伴い警報
音発生回路が駆動するので、物品を容易に取り外すこと
ができず、その結果、盗難の虞れを防止することができ
るという格別の効果がある。また、芸術品などの物品の
監視が容易化するので、保安管理の煩雑化防止が期待で
き、安全性を確保することが可能になる。そして、誤差
動がなく、誤報に伴う支障を確実に防止することができ
る。また、本発明の第2の発明によれば、取付片とケー
シングを別々に構成しているので、ケーシングやその内
部のメンテナンスなどの容易化が期待できるとともに、
電源などを容易に交換することができる。さらに、本発
明の第3、4および第5の発明によれば、構造の簡素
化、摩擦損失の減少、又は構造の軽快化を図ることがで
きるという顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の発明に係る防犯装置付き懸吊具
の実施例を示す断面説明図である。
【図2】本発明の第1の発明に係る防犯装置付き懸吊具
の実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る防犯装置付き懸吊具の実施例を示
す管理システム図である。
【図4】本発明の第2の発明に係る防犯装置付き懸吊具
の実施例を示す側面図である。
【図5】本発明の第2の発明に係る防犯装置付き懸吊具
の実施例を示す背面図である。
【図6】本発明の第3の発明に係る防犯装置付き懸吊具
の実施例を示す断面説明図である。
【図7】本発明の第4の発明に係る防犯装置付き懸吊具
の実施例を示す説明図である。
【図8】本発明の第4の発明に係る防犯装置付き懸吊具
の実施例を示す正面図である。
【図9】本発明の第5の発明に係る防犯装置付き懸吊具
の第1の実施例を示す説明図である。
【図10】本発明の第5の発明に係る防犯装置付き懸吊
具の第2の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ケーシング 6…ボール (作動体) 9…警報音発生回路 10…バッテリ (電源) 11…ブザー 12…駆動スイッチ 15…フックカム 17…フック部 20…動作カム面 21…非カム面 22…ばね (弾性体) 23…壁面 28…嵌合部 30…縦溝部 31…ざぐり 32…取付片 32a…取付片の中央部 32b…取付片の下部 35…テーパ部 36…駆動スイッチ押圧座金 (作動体) 37・43・48…コイルばね (弾性体) 40…フック 41・50…フックレバー 44・47…ピン (作動体) 49…リンク F…額縁 (物品) W…ワイヤー (条体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47F 5/08 A47G 29/00 G08B 13/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 壁面取り付け用のケーシングに警報音発
    生回路を駆動させる駆動スイッチを内蔵し、前記ケーシ
    ングの上部にはフックカムを回動可能に枢着してそのカ
    ム部を該駆動スイッチの作動体に当接可能とし、前記ケ
    ーシングには該フックカムを上方に付勢する弾性体を取
    り付け、前記フックカムの上部にはフック部を形成する
    とともに、このフック部には物品を懸吊可能として前記
    フックカムを下方に付勢するようにしたことを特徴とす
    る防犯装置付き懸吊具。
  2. 【請求項2】 ケーシングの壁面部側に嵌合部を備え、
    この嵌合部の壁面部側の面にはざぐりを備えた縦溝部を
    形成し、壁面取付用の取付片の一部を反壁面側に折曲し
    てその下部にテーパ部を形成し、このテーパ部を前記縦
    溝部を介して該ざぐりに嵌合させるとともに、前記取付
    片に該ケーシングを嵌合支持させるようにし、前記ケー
    シングには電源を備えた警報音発生回路と、この警報音
    発生回路と接続した駆動スイッチをそれぞれ内蔵し、前
    記ケーシングの上部にはフックカムを回動可能に枢着し
    てそのカム部を該駆動スイッチの作動体に当接可能と
    し、前記ケーシングには該フックカムを上方に付勢する
    弾性体を取り付け、前記フックカムの上部にはフック部
    を形成するとともに、このフック部には物品を懸吊可能
    として前記フックカムを下方に付勢するようにしたこと
    を特徴とする防犯装置付き懸吊具。
  3. 【請求項3】 壁面取り付け用のケーシングに警報音発
    生回路を駆動させる駆動スイッチを内蔵し、前記ケーシ
    ングの内部下方には該駆動スイッチの作動体を上下動自
    在に嵌入して駆動スイッチに当接可能に位置させるとと
    もに、前記ケーシングと該作動体の間には弾性体を介在
    して作動体を上方に付勢し、前記作動体にはフックを取
    り付けて物品を懸吊可能としたことを特徴とする防犯装
    置付き懸吊具。
  4. 【請求項4】 壁面取り付け用のケーシングに警報音発
    生回路を駆動させる駆動スイッチを内蔵し、前記ケーシ
    ングの内部上方にはフックレバーを回動自在に設けてこ
    のフックレバーのフック部側を弾性体で上方に付勢する
    とともに、このフックレバーの非フック部側には該駆動
    スイッチの作動体を設けるとともに、前記フック部には
    物品を懸吊可能としたことを特徴とする防犯装置付き懸
    吊具。
  5. 【請求項5】 壁面取り付け用のケーシングに警報音発
    生回路を駆動させる駆動スイッチを内蔵し、前記ケーシ
    ングの内部上方には操作レバーを回動自在に枢着して該
    操作レバーの一端側に駆動スイッチの作動体を設けると
    ともに、この一端側を弾性体で下方に付勢し、前記ケー
    シングの上方にはフックレバーを偏心させて枢着して物
    品を懸吊可能とし、このフックレバーと該操作レバーの
    他端側をリンクで連結したことを特徴とする防犯装置付
    き懸吊具。
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