JP3527430B2 - 導波路および光変換装置 - Google Patents

導波路および光変換装置

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JP3527430B2
JP3527430B2 JP03640499A JP3640499A JP3527430B2 JP 3527430 B2 JP3527430 B2 JP 3527430B2 JP 03640499 A JP03640499 A JP 03640499A JP 3640499 A JP3640499 A JP 3640499A JP 3527430 B2 JP3527430 B2 JP 3527430B2
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、波長多重や
時間多重を利用した光通信システムにおける光駆動型光
回路装置、具体的には、非線形光学媒質中で生じる差周
波発生効果を用いて信号光の波長を別の波長に変換する
光駆動型波長変換装置およびパラメトリック増幅効果を
利用して入力信号を増幅する光駆動型光増幅装置に適用
可能な導波路および光変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、二次非線形光学効果を有する非線
形光学媒質中で生じる差周波発生効果を利用した波長変
換装置が知られている。
【0003】図7は、この種の波長変換装置を示すもの
であり、情報を持った信号光の波長を制御光によって別
の波長へと変換する。
【0004】また、同様な構成において、制御光のパワ
ーが十分に大きい場合には、差周波光を発生するだけで
なく、パラメトリック増幅効果により入力光を増幅する
増幅装置として構成することもできる。
【0005】以下、簡単化のため、差周波発生効果を主
に利用した波長変換装置の場合について説明する。
【0006】図7において、信号光Aと制御光Bとを合
波する合波器11と、二次の非線形光学効果を有する非
線形の導波路12と、制御光Bと差周波光Cとを分波す
る分波器13とによって主に構成される。
【0007】そして、比較的小さな光強度を持つ信号光
Aと比較的大きな光強度を持つ制御光Bとを合波器11
で合波し、非線形の導波路12に入射する。これによ
り、導波路12中で信号光Aは、別の波長を持つ差周波
光Cへと変換され、制御光Bと共に導波路12から出射
される。差周波光Cと制御光Bは分波器13により分離
される。
【0008】例えば、制御光Bの波長λ1 =0.77μ
mとした場合、波長λ2 =1.55μmの信号光Aを波
長λ3 =1.53μmの差周波光Cへと変換することが
できる。
【0009】非線形光学媒質としては、種々の材料が研
究開発されているが、中でも、例えば、文献(1)とし
て、M.H.Chou el.al.,Optics
Letter vol.23 1004(1998)に
示されるように、LiNbO3 等の強誘電体結晶や、文
献(2)として、S.J.B.Yoo et.al.,
Applyed Physics Letter vo
1.63 2609(1996)に示されるように、G
aAs等の半導体結晶の非線形定数を周期的に変調し
た、いわゆる擬似位相整合型の媒質に導波路を形成した
構造が有望視されている。
【0010】一般に、非線形光学効果を利用する場合、
制御光、信号光の偏光方向がある一定の方向を満たす必
要がある場合が多い。ただし、文献(2)に示されるよ
うなZinc Blend型の結晶構造を持つ半導体材
料を用いると、信号光の偏波が変化しても、変換効率が
変化しない構成とすることができる。
【0011】しかし、半導体材料を用いた場合、擬似位
相整合構造を形成するために、基板の張り付け後、結晶
再成長を行うなど複雑なプロセスを経て製造が行われる
ため、散乱等による伝搬損失を小さくすることが困難で
ある。
【0012】さらに、一般に基礎吸収端が他の材料に比
較して長波長側に存在しているため、特に、短波長とな
る制御光の吸収による伝搬損失が大きく、実用に供する
に十分な波長変換効率が得られていない。
【0013】一方、文献(1)に示されるような、強誘
電体結晶を用いた場合は、電界の印加によって結晶の自
発分極を反転させるという簡単なプロセスによって擬似
位相整合構造を形成でき、吸収端も半導体材料に比較す
ると短波長にあるため、伝搬損失が小さく効率的な波長
変換が行える可能性がある。
【0014】しかし、強誘電体結晶を用いる場合、効率
的な波長変換を行うためには、信号光と制御光との両方
が自発分極と同方向に偏光している必要があり、入力偏
波に対して著しい依存性がある。
【0015】光通信システムヘの適用を考えた場合、制
御光の発生装置は、波長変換装置の近くに設置できると
考えられるので、偏光方向を一定にすることは比較的容
易に実現可能と考えられる。
【0016】しかし、光通信システムに用いられている
単一モードファイバ中の偏光方向は絶えず変動してお
り、長距離のファイバを伝搬してきた信号光を従来の装
置に入射して波長変換を行うと、信号光の偏光方向の揺
らぎによって、差周波光への変換効率が変動してしま
い、実用的でない。
【0017】このような問題を解決するために、特願平
8−228184号として本出願人により出願されてい
るものがある。これは、非線形光導波路の中間部分に位
相板を挿入し、該位相板が信号光波長においては2つの
直交する偏波成分間にほぼ1/2波長分の位相差を生
じ、制御光の波長に対しては2つの直交する偏波成分間
にほぼ1波長分の位相差を生じるように設計することに
より、信号光の偏波が変化しても波長変換効率が変化し
ない構成とされている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、擬似位相整
合構造を形成可能な強誘電体材料として知られるLiN
bO3 やLiTaO3 を用いて導波路を形成する場合、
一般的に用いられている方法としては、Ti拡散による
方法と、プロトン交換による方法とがある。
【0019】Ti拡散による方法では、結晶のZ軸に平
行な偏波に対する屈折率neと垂直な方向の偏波に対す
る屈折率noとも同程度上昇し、TE,TMの両モード
の偏波を伝搬させることができるため、上記の偏波無依
存型の装置構成に適している。
【0020】しかし、Ti拡散による屈折率変化が小さ
いため、光の閉じこめが弱く、パワー密度を高めること
が難しい。
【0021】また、高い強度の制御光を入射すると、光
損傷により波長変換効率も低下してしまうといった問題
がある。
【0022】一方、プロトン交換による方法では、屈折
率差がTi拡散に比べて大きいため比較的高いパワー密
度が得られ、光損傷の閾値も高いため比較的高い波長変
換効率が得られる。
【0023】しかし、このプロトン交換による方法で
は、屈折率neのみが上昇し、屈折率noは低下するた
め、例えばZ面に平行に切り出した基板を用いた場合、
TMモードしか伝搬させることができず、偏波無依存の
構成を取ることができないといった問題がある。また、
Ti拡散、プロトン交換などの導波路形成法では、導波
層屈折率が徐々に基板の屈折率に近づいてゆく分布を持
ち、その境界が明確でない。このため光の電界分布が導
波路から広がりやすく電界強度を高めにくい。
【0024】これらの基板への拡散等を用いた方法に代
わる光導波路の形成法としては、例えば、文献(3)
T.Kawaguchi et.al.,Joumal
ofCrystal Growth vol.16
6,489(1996)や、特開平5−896号公報な
どに示されているように、組成や添加元素の異なるLi
NbO3 ,LiTaO3 、及びその混晶であるLiNb
x Ta1-x3 (0≦x≦1)の薄膜をエピタキシャル
成長等の方法により、LiNbO3 ,LiTaO3 基板
上に形成した多層薄膜導波路が知られている。この方法
では、屈折率の異なるコア層とクラッド層の境界が明確
で屈折率差も大きく取れるため、光の閉じ込めを強くす
ることができる。
【0025】また、この方法によれば、例えば、文献
(4)のW.M.Young et.a1.,Joum
al of Lightwave Technolog
y vo1.10,1238.(1992)に示される
ように、Znをコア部に添加することにより、屈折率n
e,noの両方の屈折率が大きくなり、光損傷に対する
耐性が大きくなることが知られているので、TE,TM
の両モードの偏波が伝搬可能とし、かつ、光損傷の閾値
の高い導波路を形成することも可能と考えられる。
【0026】しかし、こうした技術を用いても、従来例
では、TE,TMモードの屈折率差が等しくないため、
両者の電界分布が異なった形状となってしまう。この結
果、例えば、導波路の入出力に光ファイバとの結合を行
った場合、光の偏波によってファイバとのモードの重な
りが異なってしまい、挿入損失が偏波に依存するような
素子となってしまう。
【0027】また、前述の位相板を挿入して偏波無依存
型の波長変換装置を構成した場合、TE,TMモードの
電界分布が異なると、位相板によって偏波を変換したと
ころで損失が生じてしまい、挿入損失の増大、変換効率
の偏波依存性、変換効率の低下を招くといった問題があ
る。
【0028】以上説明してきたように、従来技術では、
光損傷を防ぎながら、光電界の閉じ込めを高く保ち、T
E,TMモードの電界分布を実質的に等しくする手段を
欠いており、高効率で挿入損失及び変換効率が偏波に依
存しない波長変換装置を実現することができない。
【0029】そこで、本発明の目的は、高い波長変換効
率が得られる共に、TE,TMの両偏波が伝搬可能で、
挿入損失及び変換効率が偏波に依存しない光駆動型光回
路装置、具体的には、光駆動型波長変換装置および光駆
動型光増幅装置に適用可能な導波路および光変換装置を
提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は、二次非線形光
学効果を有し、非線形定数を周期的に変調した非線形光
学媒質からなる擬似位相整合構造の導波路であって、該
導波路中のコア部は、該導波路中を伝搬する信号光波長
のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラッド部
との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中のコア
部とクラッド部との屈折率差とが一致するように、Zn
元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbOにより
形成され、該導波路中のクラッド部は、該導波路中を伝
搬する信号光波長のTEモードにおける該導波路中のコ
ア部とクラッド部との屈折率差と、TMモードにおける
該導波路中のコア部とクラッド部との屈折率差とが一致
するように、LiNbO により形成されたことによっ
て、導波路を構成する。
【0031】本発明は、二次非線形光学効果を有し、非
線形定数を周期的に変調した非線形光学媒質からなる擬
似位相整合構造の導波路であって、該導波路中のコア部
は、該導波路中を伝搬する信号光波長のTEモードにお
ける該導波路中のコア部とクラッド部との屈折率差と、
TMモードにおける該導波路中のコア部とクラッド部と
の屈折率差とが一致するように、Zn元素の屈折率上昇
元素が添加されたLiNbOにより形成され、該導波
路中のクラッド部は、該導波路中を伝搬する信号光波長
のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラッド部
との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中のコア
部とクラッド部との屈折率差とが一致するように、Mg
元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加されたL
iNbOにより形成されたことによって、導波路を構
成する。
【0032】本発明は、二次非線形光学効果を有し、非
線形定数を周期的に変調した非線形光学媒質からなる擬
似位相整合構造の導波路であって、該導波路中のコア部
は、該導波路中を伝搬する信号光波長のTEモードにお
ける該導波路中のコア部とクラッド部との屈折率差と、
TMモードにおける該導波路中のコア部とクラッド部と
の屈折率差とが一致するように、Zn元素の屈折率上昇
元素が添加されたLiNbOにより形成され、該導波
路中のクラッド部は、該導波路中を伝搬する信号光波長
のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラッド部
との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中のコア
部とクラッド部との屈折率差とが一致するように、Mg
元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加されたL
iNbTa1−x(0<x<1)により形成され
たことによって、導波路を構成する。
【0033】本発明は、導波路の非線形光学媒質中で生
じる差周波発生効果を用いて信号光の波長を別の波長に
変換する装置であって、二次非線形光学効果を有し、非
線形定数を周期的に変調した非線形光学媒質からなる擬
似位相整合構造の導波路と、該導波路中のコア部は、該
導波路中を伝搬する信号光波長のTEモードにおける該
導波路中のコア部とクラッド部との屈折率差と、TMモ
ードにおける該導波路中のコア部とクラッド部との屈折
率差とが一致するように、Zn元素の屈折率上昇元素が
添加されたLiNbOにより形成され、該導波路中の
クラッド部は、該導波路中を伝搬する信号光波長のTE
モードにおける該導波路中のコア部とクラッド部との屈
折率差と、TMモードにおける該導波路中のコア部とク
ラッド部との屈折率差とが一致するように、LiNbO
により形成され、前記導波路に信号光および制御光を
合波して入力する入力手段と、前記導波路から出射され
る光の中から前記制御光とそれ以外の光とを分離する分
離手段とを具えることによって、光変換装置を構成す
る。
【0034】本発明は、導波路の非線形光学媒質中で生
じる差周波発生効果を用いて信号光の波長を別の波長に
変換する装置であって、二次非線形光学効果を有し、非
線形定数を周期的に変調した非線形光学媒質からなる擬
似位相整合構造の導波路であって、該導波路中のコア部
は、該導波路中を伝搬する信号光波長のTEモードにお
ける該導波路中のコア部とクラッド部との屈折率差と、
TMモードにおける該導波路中のコア部とクラッド部と
の屈折率差とが一致するように、Zn元素の屈折率上昇
元素が添加されたLiNbOにより形成され、該導波
路中のクラッド部は、該導波路中を伝搬する信号光波長
のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラッド部
との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中のコア
部とクラッド部との屈折率差とが一致するように、Mg
元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加されたL
iNbOにより形成され、前記導波路に信号光および
制御光を合波して入力する入力手段と、前記導波路から
出射される光の中から前記制御光とそれ以外の光とを分
離する分離手段とを具えることによって、光変換装置を
構成する。
【0035】本発明は、導波路の非線形光学媒質中で生
じる差周波発生効果を用いて信号光の波長を別の波長に
変換する装置であって、二次非線形光学効果を有し、非
線形定数を周期的に変調した非線形光学媒質からなる擬
似位相整合構造の導波路であって、該導波路中のコア部
は、該導波路中を伝搬する信号光波長のTEモードにお
ける該導波路中のコア部とクラッド部との屈折率差と、
TMモードにおける該導波路中のコア部とクラッド部と
の屈折率差とが一致するように、Zn元素の屈折率上昇
元素が添加されたLiNbOにより形成され、該導波
路中のクラッド部は、該導波路中を伝搬する信号光波長
のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラッド部
との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中のコア
部とクラッド部との屈折率差とが一致するように、Mg
元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加されたL
iNbTa1−x(0<x<1)により形成さ
れ、前記導波路に信号光および制御光を合波して入力す
る入力手段と、前記導波路から出射される光の中から前
記制御光とそれ以外の光とを分離する分離手段とを具え
ることによって、光変換装置を構成する。
【0036】
【0037】本発明は、前記導波路は、Mg元素若しく
はIn元素の屈折率低下元素が添加されたLiNbO
により形成された下部クラッド部と、Zn元素の屈折率
上昇元素が添加されたLiNbOにより形成されたコ
ア部と、Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が
添加され、前記コア部よりも屈折率が小さなLiNbO
により形成された上部クラッド部とから構成してもよ
い。
【0038】前記導波路は、Mg元素若しくはIn元素
の屈折率低下元素が添加されたLiNbO により形成
された下部クラッド部と、Zn元素の屈折率上昇元素が
添加されたLiNbOにより形成されたコア部と、前
記コア部よりも屈折率が小さなガラス材により形成され
た上部クラッド部とから構成してもよい。
【0039】前記導波路は、Mg元素若しくはIn元素
の屈折率低下元素が添加されたLiNb Ta 1−x
(0<x<1)により形成された下部クラッド部と、
Zn元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbO
より形成されたコア部と、Mg元素若しくはIn元素の
屈折率低下元素が添加され、前記コア部よりも屈折率が
小さなLiNb Ta 1−x (0<x<1)により
形成された上部クラッド部とから構成するか、又は、前
記導波路は、Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元
素が添加されたLiNb Ta 1−x (0<x<
1)により形成された下部クラッド部と、Zn元素の屈
折率上昇元素が添加されたLiNbOにより形成され
たコア部と、前記コア部よりも屈折率が小さなガラス材
により形成された上部クラッド部とから構成してもよ
い。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】信号光の波長に対しては2つの直交する偏
波成分間にほぼ1/2波長分の位相差を生じ、かつ、制
御光の波長に対しては2つの直交する偏波成分間にほぼ
1波長分の位相差を生じる位相板を用い、前記位相板
を、該位相板の複屈折の軸が前記制御光の偏波方向に対
してほぼ45度をなす角度で、前記導波路のほぼ中間部
分に配置することができる。
【0044】前記非線形光学媒質は、差周差発生効果を
用いて信号光の波長を変換する手段とすることができ
る。
【0045】前記非線形光学媒質は、パラメトリック増
幅効果を用いて信号光を増幅する手段とすることができ
る。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。
【0047】[概要]まず、本発明の概要について説明
する。
【0048】本発明は、波長多重や時間多重を利用した
光通信システムにおける光駆動型光回路装置に適用でき
るものである。
【0049】具体的には、二次の非線形光学効果を有し
非線形定数を周期的に変調した非線形光学媒質からなる
導波路と、該導波路内に信号光および制御光を合波して
入射する手段と、該導波路から出射する光から制御光と
それ以外の光を分離する手段とを少なくとも備え、該非
線形光学媒質中で生じる差周波発生効果を用いて該信号
光の波長を別の波長に変換する光駆動型の波長変換装
置、または、パラメトリック増幅効果を利用して入力信
号光を増幅する光駆動型の光増幅装置に適用できるもの
である。
【0050】このような装置において、導波路中の光を
導波するコア部にZnを添加したLiNbO3 を用いて
導波路を形成し、該コア部に添加されるZnの濃度を調
整してTE,TMモードの偏波における屈折率差をほぼ
等しくなるような構成にする。
【0051】また、以下の構成要件としてもよい。
【0052】導波路中の光を導波するコア部はZnを添
加したLiNbO3 を用い、コア部と隣接するクラッド
部はMgまたはInを添加したLiNbO3 を用いた導
波路を形成し、該コア部のZnの濃度及びクラッド部の
MgとInの濃度を調整して、TE,TMモードの偏波
における屈折率差をほぼ等しくなるようにしてもよい。
【0053】また、導波路中の光を導波するコア部はZ
nを添加したLiNbO3 を用い、コア部と降接するク
ラッド部はMgまたはInを添加したLiNbx Ta
1-x3 (0<x<1)を用いた導波路を形成し、該コ
ア部のZnの濃度及びクラッド部のMg、InおよびT
aの濃度を調整してTE,TMモードの偏波における屈
折率差を大きくしかつ両者がほぼ等しくなるようにして
もよい。
【0054】また、制御光の波長は信号光の波長に対し
て約半分の波長にし、非線形の導波路の中間またはその
近傍に、信号光の波長では1/2波長板に、制御光の波
長では1波長板となる位相板を、その位相板の複屈折の
軸が制御光の偏波方向に対して約45度をなすように配
置してもよい。
【0055】また、LiNbO3 基板上に下部クラッド
部、コア部を形成し、下部クラッド部にMgまたはIn
が添加されたLiNbx Ta1-x3 を用い、コア部に
Znを添加したLiNbO3 を用いた構造としてもよ
い。
【0056】また、LiNbO3 基板上に下部クラッド
部、コア部、上部クラッド部を形成し、下部クラッド部
にMgまたはInが添加されたLiNbx Ta1-x3
を用い、コア部にZnを添加したLiNbO3 を用い、
上部クラッド部にMgまたはInが添加されたLiNb
x Ta1-x3 あるいはSiO2 等のガラス材料を用い
た構造としてもよい。
【0057】以下、具体的な例を挙げて説明する。
【0058】[第1の例]本発明の第1の実施の形態
を、図1〜図4に基づいて説明する。
【0059】本例では、二次非線形光学効果を有する非
線形光学媒質からなる導波路に信号光および制御光を入
射して差周波発生効果を用いて該信号光の波長を別の波
長に変換する光駆動型の波長変換装置を例に挙げて説明
する。
【0060】(導波路構造)まず、光駆動型の波長変換
装置を構成する導波路の構造を、図2〜図4に基づいて
説明する。
【0061】非線形光学媒質として一部の自発分極が周
期的に反転されているLiNbx Ta1-x3 (0≦x
<1)を用い、該媒質内に光を導波するコア部はZnを
添加したLiNbO3 により、コア部と隣接するクラッ
ド部はMgを添加したLiNbx Ta1-x3 により導
波路を形成する。この場合、コア部のZnの濃度、クラ
ッド部のMgとTaの濃度をそれぞれ調整することによ
って、TE,TMモードの偏波における屈折率差をほぼ
等しくなるように設定する。
【0062】図2は、LiNbO3 に屈折率上昇元素と
して知られるZnを添加した場合のZnの濃度に対する
屈折率変化を調べたものである。
【0063】ここでは何も添加されていないLiNbO
3 の屈折率を基準にした変化分を%表示として示す。こ
の図2からわかるように、Znの添加により、屈折率n
e,noの両者が上昇するが、ほとんどの濃度で屈折率
neの上昇分が屈折率noのそれを下回っている。
【0064】例えば、クラッド部を無添加のLiNbO
3 とすると、TE,TMの両モードにおけるコア−クラ
ッド間の屈折率差(Δn)を任意のZn濃度で同じにす
ることはできない。しかし、Zn濃度を10%程度とす
れば、両モードの屈折率差をほぼ同程度にすることがで
きる。
【0065】この場合、屈折率差は0.4%であるが、
光電界密度を高めるため、さらに大きな屈折率差を得る
には、クラッド部にMgまたはInなどの屈折率低下元
素を添加することが考えられる。
【0066】図3は、LiNbO3 にMgを添加した場
合の屈折率変化を調べたものである。
【0067】この図3からわかるように、Mgを添加し
た場合、屈折率ne,noの両者が低下するが、両者の
変化分は異なっており、例えば8mol%以下の濃度で
は屈折率neの変化分の方が大きい。
【0068】このように添加する元素によって、LiN
bO3 の屈折率の変化する様子が異なる性質を利用して
屈折率差を大きく確保しつつ、TE,TMの両モードの
屈折率差をほぼ等しくすることが技術的なポイントとな
る。
【0069】例えば、コア部にZnが8mo1%、クラ
ッド部にMgが7mol%添加されたLiNbO3 を用
いればコア−クラッド間の屈折率差をTE,TMの両モ
ードとも、0.55%に一致させることができる。
【0070】LiNbO3 やLiTaO3 の屈折率を変
化させる添加元素としては、Zn,Mg,In以外にも
数多くの元素が知られているが、この3つの元素を添加
することによって光損傷の閾値を高めることが知られて
いるため、これらの元素を添加するのがよい。
【0071】しかしながら、例えば、上述したZnとM
gの組み合わせだけではTE,TM両モードの屈折率差
を同じにしようとすると、両者の引き起こす屈折率変化
を最大限に利用しているとは言えない。
【0072】そこで、クラッド部の組成として、LiN
bO3 に代わって、LiNbO3 とLiTaO3 との混
晶であるLiNbx Ta1-x3 (0<x<1) を用い
ることによって、さらなる特性の改善を行うことができ
る。
【0073】図4は、LiNbx Ta1-x3 における
Taの組成比に対する屈折率の変化を調べたものであ
る。
【0074】ここでは、Taが含まれていないLiNb
3 の屈折率を基準にした変化分を%表示として示す。
この図4からわかるように、Taの組成比を増やしてゆ
くと、屈折率ne,noとも低下してゆくが、特に、屈
折率noの低下が著しい。この性質を利用すると、上述
したMg,Znの添加による屈折率変化を活かした上
で、TE,TMの両モードの偏波に対する屈折率差をほ
ぼ同じにすることができる。
【0075】例えば、コア部にZnが10mol%添加
されたLiNbO3 を用い、クラッド部にMgが5mo
l%添加されたLiNbx Ta1-x3 を用い、Taの
組成比を0.08とすると、コア部−クラッド部間の屈
折率差をTE,TMモード共に0.86%に一致させる
ことができる。
【0076】このようにして、TE,TMの両モードに
おける電界分布をほぼ等しくした導波路を作製すること
により、前後に光ファイバ等と結合を行っても、偏波に
よって挿入損失の変化しない波長変換装置を構成でき
る。
【0077】(波長変換装置)次に、上述した導波路を
用いた波長変換装置の構成例を、図1に基づいて説明す
る。
【0078】図1は、波長変換装置の構成例を示す。
【0079】1は、本発明を構成する導波路である。こ
の導波路1は、LiNbO3 基板31と、Mgが添加さ
れたLiNb0.08Ta0.92O3 からなるクラッ
ド層32と、Znが添加されたLiNbO3 からなるコ
ア層33とにより構成される。
【0080】波長変換装置として構成する場合、TE,
TMの両モードにおける電界分布をほぼ等しくした導波
路1のほぼ中間部分に、位相板34が挿入されている。
【0081】この位相板34は、信号光Aの波長(λ
2 )に対しては2つの直交する偏波成分38,39間に
ほぼ1/2波長分の位相差を生じ、制御光Bの波長(λ
1 )に対しては2つの直交する偏波成分38,39間に
ほぼ1波長分の位相差を生じる特性をもつ。そして、こ
のような特性をもつ位相板34は、複屈折の主軸方向3
5が制御光Bの偏波方向310に対して約45度をなす
ように配置される。311,312は、差周波光Cの偏
波方向である。
【0082】この位相板34を導波路1間に挿入するこ
とにより、信号光AのTE,TMモードの偏波成分3
8,39が導波路1の前半部(入力側)、後半部(出力
側)においてそれぞれ偏波方向が入れ替わり、TM偏波
として伝搬しているときに制御光Bとの非線形相互作用
により波長変換が行われるため、両方の偏波を波長変換
できる。
【0083】入力側の光路上には、信号光Aと制御光B
とを合波する合波器36が配設されている。出力側の光
路上には、差周波光Cと制御光Bとを分波する分波器3
7が配設されている。
【0084】ここで、導波路1の作製方法について説明
する。
【0085】本例では、波長λ1 =0.771μmの制
御光Bを入射して、波長λ2 =1.535μmの信号光
Aを、波長λ3 =1.550μmの差周波光Cへ変換で
きるような装置として構成する。
【0086】導波路1は、TE,TMの両モードの電界
分布をほぼ等しくするため、厚さ500μmのLiNb
3 基板31上に、膜厚が20μmでMgが5mol%
添加されたLiNb0.08Ta0.92O3 のクラッ
ド層32と、膜厚が5μmでZnが10mol%添加さ
れたコア層33とをエピタキシャル成長により形成す
る。そして、イオンエッチングによりコア層33の幅を
5.5μmに加工することによって導波路1を作製す
る。
【0087】この導波路1は、信号光A、制御光B、差
周波光Cとの間の擬似位相整合条件を満たすように、周
期19μmで電界印加法によって分極反転処理が施され
る。導波路長は、20mmに設定される。
【0088】また、位相板34は、偏波無依存の構成と
するため、導波路1のほぼ中心に、主軸方向35が基板
面に対して45度の角度をなすように挿入される。この
位相板34は、LiNbO3 の基板を研磨して、信号光
Aの波長λ2 に対しては2つの直交する偏波成分38,
39の間にほぼ1/2波長分の位相差を生じ、制御光B
の波長λ1 に対しては2つの直交する偏波成分38,3
9の間にほぼ1波長分の位相差を生じるように、厚みを
調節することによって作製することができる。
【0089】このように構成された波長変換装置におい
て、偏波方向311に示すように、導波路1中でTMモ
ードとなるように、LiNbO3 基板31に対して垂直
な方向に偏光した制御光Bを入射する。
【0090】このとき、制御光Bの偏波成分は、位相板
34を通過しても変化しない。また、信号光Aの偏波成
分は、基板に垂直な偏波成分38、基板に平行な偏波成
分39、あるいは両者が混在したような任意の偏波成分
であっても、本例では、信号光Aの偏波成分38は導波
路1の前半部で、信号光Aの偏波成分39は導波路1の
後半部でそれぞれTMモードとなったとき、擬似位相整
合条件を満たして差周波光Cへ変換される。従って、任
意の偏波成分を有する信号光Aを入力しても、波長変換
を行うことが可能である。
【0091】本例では、TE,TMモードとも、信号光
Aの波長における強度がピークの13%になるモード直
径が、縦方向4.7μm、横方向4.4μmとなり、両
者の間に違いは見られなかった。
【0092】また、信号光Aを1mW、制御光Bを34
0mW入射したところ、1mWの差周波光Cが得られ、
100%という極めて高い波長変換効率が信号光Aの偏
波に依存せず得られることを確認することができた。
【0093】また、信号の入出力は、光ファイバとのレ
ンズ結合によって行ったが、信号光Aの偏波を変化させ
ても、素子全体の挿入損失の変化は観測されなかった。
【0094】上述したように、光損傷を防ぎながら、光
電界の閉じ込めを高く保ち、TE,TMモードの電界分
布を実質的に等しくすることができるため、高い波長変
換効率が得られ、TE,TMの両モードの偏波が伝搬可
能で、挿入損失及び変換効率が偏波に依存しない波長変
換装置を構成することが可能になる。
【0095】また、位相板34を導波路1内に挿入した
ことにより、偏波の変換の際にモードの不整合による損
失が生じず、光損傷が起きにくく、光電界の閉じ込めが
有効に行われるため、高効率で偏波無依存の波長変換装
置を構成することができる。
【0096】[第2の例]次に、本発明の第2の実施の
形態を、図5および図6に基づいて説明する。なお、前
述した第1の例と同一部分についての説明は省略し、同
一符号を付す。
【0097】図5は、本発明に係る導波路2の構成例を
示す。
【0098】LiNbO3 基板41上には、Mgが添加
されたLiNbx Ta1-x3 からなる下部クラッド層
42、Znが添加されたLiNbO3 からなるコア層4
3、Mgが添加されたLiNbx Ta1-x3 からなる
上部クラッド層44が順次積層されている。
【0099】ここで、導波路2の作製方法について説明
する。
【0100】厚さ500μmのLiNbO3 基板41上
に、膜厚が30μmでMgが5mol%添加されたLi
Nb0.08Ta0.92O3 からなる下部クラッド層
42、膜厚が3.5μmでZnが10mo1%添加され
たLiNbO3 からなるコア層43をエピタキシャル成
長により形成する。そして、イオンエッチングによりコ
ア層43の幅を3.5μmに加工した後、膜厚が10μ
mでMgが5mol%添加されたLiNb0.08Ta
0.92O3 からなる上部クラッド層44をエピタキシ
ャル成長することによって、導波路2を作製する。
【0101】この場合、波長λ1 =0.771μmの制
御光Bを入射し、波長λ2 =1.535μmの信号光A
を、波長λ3 =1.550μmの差周波光Cへ変換でき
るように、導波路2に周期19μmで電界印加法を用い
て分極反転処理を施した。
【0102】そして、長さ30mmの導波路2を2つ用
意し、LiNbO3 の基板を研磨して、信号光Aの波長
においては2つの直交する偏波成分間にほぼ1/2波長
分の位相差を生じ、制御光Bの波長に対しては2つの直
交する偏波成分間にほぼ1波長分の位相差を生じるよう
に、厚みを調節することによって位相板34を作製す
る。そして、この位相板34を挟んで2つの導波路2を
接合した。このとき、位相板34は、その主軸方向が基
板面に対して45度の角度をなすように配置した。
【0103】このように構成された導波路2を用いて、
前述した第1の例で述べたような波長変換装置を構成
し、信号光Aおよび制御光Bを合波して、同様な変換処
理を行う。
【0104】導波路2から出力された波長λ1 =0.7
71μmの制御光Bを第1の分波器で分離し、残った波
長λ2 =1.535μmの信号光Aと波長λ3 =1.5
50μmの差周波光Cとを第2の分波器を用いて分波し
た。
【0105】これにより、TE,TMモードとも、信号
光Aの波長における強度がピークの13%になるモード
直径が、縦方向4.2μm、横方向4.2μmとなり、
両者の間に違いは見られなかった。
【0106】また、信号光Aを1mW、制御光Bを35
mW入射したところ、1mWの差周波光Cが得られ、1
00%という極めて高い波長変換効率が信号光Aの偏波
成分に依存せず得られることを確認できた。
【0107】また、信号光Aを1mW、制御光Bを20
0mW入射したところ、6.8mWの差周波光Cが得ら
れると共に、信号光Aも7.2mWまで増幅できた。
【0108】これにより、信号光Aよりも大きな差周波
光Cを発生すると共に、信号光Aに対して増幅作用を持
つことを確認できた。
【0109】また、入力信号の偏波に依存せず、差周波
光、増幅信号光を安定して出力できることを確認でき
た。
【0110】[変形例]図6は、導波路の変形例を示
す。
【0111】本導波路3は、基板45上に、Mgが添加
されたLiNbx Ta1-x3 からなる下部クラッド層
46、Znが添加されたLiNbO3 からなるコア層4
7、上部クラッド層48が順次積層され、上部クラッド
層はリッジ状に加工されている。このようなリッジ状に
加工された導波路3を用いた場合にも、導波路2と同様
な効果を得ることができる。
【0112】上述したように、導波路を構成するコア部
に添加される元素(Zn)濃度及びクラッド部に添加さ
れる元素(Mg,In,Ta)濃度を調整してTE,T
Mモードの偏波における屈折率差をほぼ等しくするよう
にしたので、両偏波における電界強度をほぼ等しくする
ことができ、これにより、光波の閉じ込めをよくしたま
ま、光損傷を防ぎ、挿入損及び変換効率が偏波に依存し
ない光駆動型の波長変換装置および光増幅装置を実現す
ることができる。
【0113】なお、上記例では、信号光と差周波光とが
別々の波長となるように擬似位相整合条件を設定した
が、信号光の波長を制御光の2倍の波長としたときに擬
似位相整合条件を満たすように導波路の周期分極反転の
周期を設定すると、差周波光の波長は信号光の波長と同
一になるため、上記例のような差周波光を発生する場合
よりもさらに効率のよい増幅作用を得ることができる。
【0114】また、導波路の構造として、上部クラッド
部と下部クラッド部とに同一の材料を用いたが、上部ク
ラッド部はコア部に比較して屈折率の小さなものであれ
ば、他の材料であってもよく、Mgを添加したLiNb
x Ta1-x3 やSiO2 などのガラス材料、あるい
は、前述した第1の例のように上部クラッド部のないリ
ッジ構造としてもよい。
【0115】また、基板に下部クラッド部と同一の組成
を用いる場合は、基板が下部クラッド部の役割を果たす
ので、下部クラッド部の形成を省略してもよい。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
非線形光学媒質として一部の自発分極が周期的に反転さ
れているLiNbx Ta1-x3 (0≦x<1)を用
い、Znが添加されたLiNbO3 をコア部とし、Mg
またはInが添加されたLiNbx Ta1-x3 をクラ
ッド部として導波路を構成し、該コア部のZnの濃度及
びクラッド部のMg,In,Taの濃度を調整してT
E,TMモードの偏波における屈折率差をほぼ等しくす
るようにしたので、両偏波における電界強度をほぼ等し
くすることができ、これにより、入力信号の偏波が変化
しても波長変換効率が変化せず、かつ、高い変換効率が
得られる光駆動型光回路装置、具体的には、光駆動型波
長変換装置および光駆動型光増幅装置を作製することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である波長変換装置
の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に対応するものであ
り、Znを添加したときのLiNbO3 の屈折率変化を
示す特性図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に対応するものであ
り、Mgを添加したときのLiNbO3 の屈折率変化を
示す特性図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に対応するものであ
り、Taの組成xを変化させたときのLiNbx Ta
1-x3 の屈折率変化を示す特性図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態である導波路の構成
を示す断面図である。
【図6】図5の変形例を示す断面図である。
【図7】従来における波長変換の原理を説明する斜視図
である。
【符号の説明】
1〜3 導波路 31 LiNbO3 基板 32 クラッド層 33 コア層 34 位相板 35 位相板の複屈折の主軸方向 36 合波器 37 分波器 38,39 信号光の偏波方向 41 基板 42 下部クラッド層 43 コア層 44 上部クラッド層 45 基板 46 下部クラッド層 47 コア層 48 上部クラッド層 310 制御光の偏波方向 311,312 差周波光の偏波方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−34745(JP,A) 特開 平6−43331(JP,A) 特開 平10−68976(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/00 - 1/125 G02F 1/29 - 7/00 G02B 6/00

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次非線形光学効果を有し、非線形定数
    を周期的に変調した非線形光学媒質からなる擬似位相整
    合構造の導波路であって、 該導波路中のコア部は、該導波路中を伝搬する信号光波
    長のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラッド
    部との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中のコ
    ア部とクラッド部との屈折率差とが一致するように、Z
    n元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbOによ
    り形成され、 該導波路中のクラッド部は、該導波路中を伝搬する信号
    光波長のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラ
    ッド部との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中
    のコア部とクラッド部との屈折率差とが一致するよう
    に、LiNbOにより形成されたことを特徴とする導
    波路。
  2. 【請求項2】 二次非線形光学効果を有し、非線形定数
    を周期的に変調した非線形光学媒質からなる擬似位相整
    合構造の導波路であって、 該導波路中のコア部は、該導波路中を伝搬する信号光波
    長のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラッド
    部との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中のコ
    ア部とクラッド部との屈折率差とが一致するように、Z
    n元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbOによ
    り形成され、 該導波路中のクラッド部は、該導波路中を伝搬する信号
    光波長のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラ
    ッド部との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中
    のコア部とクラッド部との屈折率差とが一致するよう
    に、Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加
    されたLiNbOにより形成されたことを特徴とする
    導波路。
  3. 【請求項3】 二次非線形光学効果を有し、非線形定数
    を周期的に変調した非線形光学媒質からなる擬似位相整
    合構造の導波路であって、 該導波路中のコア部は、該導波路中を伝搬する信号光波
    長のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラッド
    部との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中のコ
    ア部とクラッド部との屈折率差とが一致するように、Z
    n元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbOによ
    り形成され、 該導波路中のクラッド部は、該導波路中を伝搬する信号
    光波長のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラ
    ッド部との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中
    のコア部とクラッド部との屈折率差とが一致するよう
    に、Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加
    されたLiNbTa1−x(0<x<1)により
    形成されたことを特徴とする導波路。
  4. 【請求項4】 前記導波路は、 Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加され
    LiNbO により形成された下部クラッド部と、 Zn元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbO
    より形成されたコア部と、 Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加さ
    れ、前記コア部よりも屈折率が小さなLiNbO によ
    り形成された上部クラッド部とからなることを特徴とす
    請求項1又は2記載の導波路。
  5. 【請求項5】 前記導波路は、 Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加され
    LiNbO により形成された下部クラッド部と、 Zn元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbO
    より形成されたコア部と、 前記コア部よりも屈折率が小さなガラス材により形成さ
    れた上部クラッド部とからなることを特徴とする請求項
    1又は2記載の導波路。
  6. 【請求項6】 前記導波路は、 Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加され
    LiNb Ta 1−x (0<x<1)により形成
    された下部クラッド部と、 Zn元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbO
    より形成されたコア部と、 Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加さ
    れ、前記コア部よりも屈折率が小さなLiNb Ta
    1−x (0<x<1)により形成された上部クラッ
    ド部とからなることを特徴とする請求項3記載の導波
    路。
  7. 【請求項7】 前記導波路は、 Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加され
    LiNb Ta 1−x (0<x<1)により形成
    された下部クラッド部と、 Zn元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbO
    より形成されたコア部と、 前記コア部よりも屈折率が小さなガラス材により形成さ
    れた上部クラッド部とからなることを特徴とする請求項
    3記載の導波路。
  8. 【請求項8】 導波路の非線形光学媒質中で生じる差周
    波発生効果を用いて信号光の波長を別の波長に変換する
    装置であって、 二次非線形光学効果を有し、非線形定数を周期的に変調
    した非線形光学媒質からなる擬似位相整合構造の導波路
    と、 該導波路中のコア部は、該導波路中を伝搬する信号光波
    長のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラッド
    部との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中のコ
    ア部とクラッド部との屈折率差とが一致するように、Z
    n元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbOによ
    り形成され、 該導波路中のクラッド部は、該導波路中を伝搬する信号
    光波長のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラ
    ッド部との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中
    のコア部とクラッド部との屈折率差とが一致するよう
    に、LiNbOにより形成され、 前記導波路に信号光および制御光を合波して入力する入
    力手段と、 前記導波路から出射される光の中から前記制御光とそれ
    以外の光とを分離する分離手段とを具えたことを特徴と
    する光変換装置。
  9. 【請求項9】 導波路の非線形光学媒質中で生じる差周
    波発生効果を用いて信号光の波長を別の波長に変換する
    装置であって、 二次非線形光学効果を有し、非線形定数を周期的に変調
    した非線形光学媒質からなる擬似位相整合構造の導波路
    であって、 該導波路中のコア部は、該導波路中を伝搬する信号光波
    長のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラッド
    部との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中のコ
    ア部とクラッド部との屈折率差とが一致するように、Z
    n元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbOによ
    り形成され、 該導波路中のクラッド部は、該導波路中を伝搬する信号
    光波長のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラ
    ッド部との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中
    のコア部とクラッド部との屈折率差とが一致するよう
    に、Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加
    されたLiNbOにより形成され、 前記導波路に信号光および制御光を合波して入力する入
    力手段と、 前記導波路から出射される光の中から前記制御光とそれ
    以外の光とを分離する分離手段とを具えたことを特徴と
    する光変換装置。
  10. 【請求項10】 導波路の非線形光学媒質中で生じる差
    周波発生効果を用いて信号光の波長を別の波長に変換す
    る装置であって、 二次非線形光学効果を有し、非線形定数を周期的に変調
    した非線形光学媒質からなる擬似位相整合構造の導波路
    であって、 該導波路中のコア部は、該導波路中を伝搬する信号光波
    長のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラッド
    部との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中のコ
    ア部とクラッド部との屈折率差とが一致するように、Z
    n元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbOによ
    り形成され、 該導波路中のクラッド部は、該導波路中を伝搬する信号
    光波長のTEモードにおける該導波路中のコア部とクラ
    ッド部との屈折率差と、TMモードにおける該導波路中
    のコア部とクラッド部との屈折率差とが一致するよう
    に、Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加
    されたLiNbTa1−x(0<x<1)により
    形成され、 前記導波路に信号光および制御光を合波して入力する入
    力手段と、 前記導波路から出射される光の中から前記制御光とそれ
    以外の光とを分離する分離手段とを具えたことを特徴と
    する光変換装置。
  11. 【請求項11】 前記導波路は、 Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加され
    LiNbO により形成された下部クラッド部と、 Zn元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbO
    より形成されたコア部と、 Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加さ
    れ、前記コア部よりも屈折率が小さなLiNbO によ
    り形成された上部クラッド部とからなることを特徴とす
    請求項8又は9記載の光変換装置。
  12. 【請求項12】 前記導波路は、 Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加され
    LiNbO により形成された下部クラッド部と、 Zn元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbO
    より形成されたコア部と、 前記コア部よりも屈折率が小さなガラス材により形成さ
    れた上部クラッド部とからなることを特徴とする請求項
    8又は9記載の光変換装置。
  13. 【請求項13】 前記導波路は、 Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加され
    LiNb Ta 1−x (0<x<1)により形成
    された下部クラッド部と、 Zn元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbO
    より形成されたコア部と、 Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加さ
    れ、前記コア部よりも屈折率が小さなLiNb Ta
    1−x (0<x<1)により形成された上部クラッ
    ド部とからなることを特徴とする請求項10記載の光変
    換装置。
  14. 【請求項14】 前記導波路は、 Mg元素若しくはIn元素の屈折率低下元素が添加され
    LiNb Ta 1−x (0<x<1)により形成
    された下部クラッド部と、 Zn元素の屈折率上昇元素が添加されたLiNbO
    より形成されたコア部と、 前記コア部よりも屈折率が小さなガラス材により形成さ
    れた上部クラッド部とからなることを特徴とする請求項
    10記載の導波路。
  15. 【請求項15】 信号光の波長に対しては2つの直交す
    る偏波成分間にほぼ1/2波長分の位相差を生じ、か
    つ、制御光の波長に対しては2つの直交する偏波成分間
    にほぼ1波長分の位相差を生じる位相板を用い、 前記位相板を、該位相板の複屈折の軸が前記制御光の偏
    波方向に対してほぼ45度をなす角度で、前記導波路の
    ほぼ中間部分に配置したことを特徴とする請求項8ない
    し14のいずれかに記載の光変換装置。
  16. 【請求項16】 前記非線形光学媒質は、差周差発生効
    果を用いて信号光の波長を変換する手段であることを特
    徴とする請求項8ないし14のいずれかに記載の光変換
    装置。
  17. 【請求項17】 前記非線形光学媒質は、パラメトリッ
    ク増幅効果を用いて信号光の波長を増幅する手段である
    ことを特徴とする請求項8ないし14のいずれかに記載
    の光変換装置。
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