JP3527385B2 - マルチビーム走査装置 - Google Patents

マルチビーム走査装置

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JP3527385B2
JP3527385B2 JP10045497A JP10045497A JP3527385B2 JP 3527385 B2 JP3527385 B2 JP 3527385B2 JP 10045497 A JP10045497 A JP 10045497A JP 10045497 A JP10045497 A JP 10045497A JP 3527385 B2 JP3527385 B2 JP 3527385B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はマルチビーム走査
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光プリンタ等の画像形成装置に関連して
従来から広く知られた光走査装置は、単一の光束による
走査で画像の書込みを行なうシングルビーム方式である
が、近来、書込み速度の向上を目して、複数光束により
一度に複数の走査線を走査する「マルチビーム走査装
置」の実現が意図されている。
【0003】シングルビーム走査方式では、光源から放
射された光束は、その主光線が光学系の光軸に合致する
ようにして光偏向器に導かれ、光偏向器で偏向された光
束の主光線は、fθレンズ等の走査結像光学系の光軸を
含む面内で偏向する。このようなシングルビーム走査方
式では、光スポットの移動軌跡である走査線には「曲が
り」は殆ど生じない。
【0004】しかるにマルチビーム走査装置では、光源
からの複数光束の一部は、光源から被走査面に到る光路
が、光学系の光軸に対して副走査対応方向(光源から被
走査面に到る光路を直線的に展開した仮想的な光路上で
副走査方向に平行的に対応する方向、上記仮想的な光路
上で主走査方向に平行的に対応する方向を主走査対応方
向という)へずれ、このように光軸に対してずれた光束
による光スポットが走査する走査線は直線にならず、僅
かながら湾曲する。
【0005】図2(a),(b)は、4つの光源からの光束
により4つの光スポットを得、4本の走査線を同時に走
査する場合が例示されている。S1〜S4がそれぞれ走
査線を示す。破線で示す線Aは、「偏向光束の主光線
が、走査結像光学系の光軸を含み主走査対応方向に平行
な面内で偏向して走査を行なった場合の理想的な走査線
(シングルビーム走査方式の場合の走査線に相当し、曲
がりがない)」を示し、これを基準線A0と称する。
【0006】図2(a)に示す例では、走査線S1,S2
はそれぞれ基準線A0に対し、副走査方向(図の上下方
向)において走査線S3,S4と対称的である。走査線
S1,S2は図の上方へ向かって「単純に凸」に湾曲し
ており、走査線S3,S4は、図の下方に向かって「単
純に凸」に湾曲している。図2(a)は「4つの光スポッ
トによる同時の走査」が、相続いて2回行なわれたとき
の走査線の状態を示している。これら2回の走査のう
ち、先に行なわれたのが走査B1で、後に行なわれたの
が走査B2である。従って、光書込みは、走査B1,B
2のような走査が交互に繰り返されることにより行なわ
れる。
【0007】すると、走査線S1〜S4の湾曲のため、
図に「イ」で示す部分では、走査B1における走査線S
4と、走査B2における走査線S1との間隔(走査線の
ピッチ)が狭くなり、「ロ」で示す部分では、走査線S
2とS3とのピッチが広くなる。換言すれば、走査によ
り書き込まれる記録画像の、主走査方向中央部近傍の画
像密度が副走査方向に周期的に変動し、記録画像の像質
低下の原因になる。
【0008】図2(b)には、4つの光スポットS1〜S
4による同時の走査C1とこれに続く走査C2が描かれ
ている。走査線S1とS4、走査線S2とS3は、それ
ぞれ基準線A0に対して副走査方向に対称的である。走
査線S1,S2には、主走査方向(図の左右方向)にお
いて「なだらかな山」が2つあり、中央部に「緩やかな
谷」があるような湾曲であり、湾曲の程度は走査線S1
のほうが走査線S2より大きい。走査線S3,S4は、
主走査方向において「緩やかな谷」が2つあり、中央部
に「なだらかな山」があるような湾曲であり、湾曲の程
度は走査線S4のほうが走査線S3より大きい。
【0009】この場合は、走査C1における走査線S4
と、走査C2における走査線S1の「湾曲の向き」が逆
になるため、「ハ」で示す部分では走査線間のピッチが
大きく、「ニ」で示す部分ではピッチが小さくなる。従
って、記録画像における画像密度が「連続する2走査C
1,C2の境界部」で主走査方向に変動して画質を低下
させる原因となる。
【0010】このように、マルチビーム走査装置におい
て、走査線の湾曲に起因して生じる走査線間のピッチの
変動を「ピッチ偏差」とよぶ。ピッチ偏差は上記のよう
に、記録画像の像質を低下させる原因となる。
【0011】上記の如き「ピッチ偏差」を軽減させる方
法として、特開平7−199109号公報記載の方法の
ように、走査結像光学系により「像面湾曲を意図的に発
生させる」方法が知られている。この方法ではピッチ偏
差自体は軽減されるものの、像面湾曲を意図的に発生さ
せたことに伴い、被走査面上における光スポットのスポ
ット径が像高とともに大きく変動し、特に像高の大きい
ところでスポット径が大きくなりやすく、やはり、記録
画像の像質を低下させる原因になる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、光スポッ
トのスポット径の大きな変動を伴うこと無く、ピッチ偏
差を有効に軽減できるマルチビーム走査装置の実現を課
題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明のマルチビーム
走査装置は「複数の光源からの複数の光束を、共通のカ
ップリングレンズにより平行光束化し、共通のシリンダ
レンズによりそれぞれ副走査対応方向に集束し、共通の
光偏向器であるポリゴンミラーの偏向反射面近傍に主走
査対応方向に長い線像として結像させ、共通の光偏向器
で偏向させ、複数の偏向光束を共通の走査結像光学系に
より、被走査面上に、副走査方向に互いに分離した複数
の光スポットとして集光させ、複数走査線を同時に走査
するマルチビーム走査装置」であって、走査結像光学系
が反射型結像素子を有する。 「反射型結像素子」は、
結像機能を持ち、共通の光偏向器により偏向された複数
の偏向光束は、上記反射型結像素子に入射して反射され
る。 反射型結像素子は、反射光束の光路が入射光束の
光路と重ならず、且つ、複数の光スポットの同時の走査
による複数の走査線の曲がりが、同じ向きとなるように
配備態位を定められる(請求項1)。
【0014】「複数の走査線の曲がりが同じ向きとな
る」とは、例えば、図2(a)の走査線S1とS2や、図
2(b)の走査線S1とS2のように、「各光スポットの
像高が同じ部分では、走査線が同じ向きに曲がってい
る」ことを意味する。この意味からすると、例えば図2
(a)の走査線S2とS3とは、走査線の曲がりが互いに
逆向きである。即ち、図2(a)の例では、4本の走査線
S1〜S4のうち、走査線S1,S2の曲がりが同じ向
きであり、走査線S3,S4の曲がりが同じ向きである
が、走査線S1,S2における曲がりの向きと、走査線
S3,S4における曲がりの向きは互いに逆である。
【0015】この発明においては、同時に走査される走
査線の本数がn(>1)本であるとすれば、これらn本
の走査線の曲がりが「全て同じ向きになる」ようにす
る。
【0016】図2に即して説明したように、走査線のピ
ッチ偏差は「隣接する走査線における曲がりの向きが逆
になる」ことにより発生するから、この発明におけるよ
うに「一度に走査されるn本の走査線の曲がりの向きを
揃える」ことにより、走査線のピッチ偏差を有効に軽減
させることができる。
【0017】また、この発明においては、走査線のピッ
チ偏差を軽減させるのに、意図的に像面湾曲を発生させ
ることがないから、光スポットのスポット径が像高によ
り大きく変動することもない。
【0018】反射型結像素子の「配備態位」は上記のご
とく、反射光束の光路が入射光束の光路と重ならず、且
つ、複数の光スポットの同時の走査による複数の走査線
の曲がりが同じ向きとなるように定められるが、このよ
うな配備態位は、反射型結像素子を主走査対応方向に平
行な軸の回りに回転させて、反射面を入射光束の入射方
向に対して副走査対応方向や主走査対応方向に傾けたり
(所謂「ティルト」)、反射型結像素子を副走査対応方向
へ平行移動させたり(所謂「シフト」)することであり、
このように反射型結像素子をティルトやシフトを持たせ
て配備することにより同時に、複数の走査線の曲がりを
「同じ向き」に揃え、且つ、ティルト量やシフト量を調
整することによって、走査線間のピッチ偏差を有効に軽
減することができる。
【0019】上記請求項1記載のマルチビーム走査装置
においては「反射型結像素子と被走査面との間に、少な
くとも副走査対応方向にパワーを持つ光学素子を有す
る」ことができる(請求項2)。「少なくとも副走査対
応方向にパワーを持つ光学素子」は、例えば、副走査対
応方向にパワーを有するシリンダレンズ、あるいはトロ
イダルレンズやその変形(樽型の面を持つ変形トロイダ
ルレンズ等)である。
【0020】上記請求項1または2記載のマルチビーム
走査装置において、走査結像光学系により被走査面上に
集光された複数の光スポットは、互いに隣接する走査線
を同時に走査するようにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1(a)は請求項1記載の発明の
実施の1形態を示している。図1(a)に示すように、光
源部100から放射された4本の光束は共通のカップリ
ングレンズ200により平行光束化され、シリンダレン
ズ250によりそれぞれ副走査対応方向に集束され、共
通の光偏向器であるポリゴンミラー30の偏向反射面近
傍に主走査対応方向に長い線像として結像され、ポリゴ
ンミラー30により同時に偏向され、「走査結像光学
系」をなす結像機能を持つ反射型結像素子である凹面鏡
41(主走査を等速化する機能を有するので、以下、f
θミラー41と呼ぶ)に反射され、fθミラー41の作
用により被走査面に周面を合致させた光導電性の感光体
500上に「副走査方向に互いに分離した4つの光スポ
ット」として集光し、4本の走査線S1,S2,S3,
S4を同時に走査する。
【0022】図1(b)は、ポリゴンミラー30から感光
体500に到る光路状態を、主走査対応方向から見た状
態を示している。この図に示すように、反射型結像素子
であるfθミラー41は、反射光束CFの光路が入射光
束BFの光路と重ならないように、副走査対応方向のテ
ィルト角:βやシフト量:ΔZを与えられており、この
配備態位により、4本の走査線S1〜S4の曲がりを同
じ向きに揃え、ピッチ偏差を有効に軽減させている。
【0023】図3は請求項1,2記載の発明の実施の1
形態を示す図である。図3(a)に示すように、光源部1
00から放射された4本の光束は共通のカップリングレ
ンズ200により平行光束化され、シリンダレンズ25
0により副走査対応方向に集光され、共通の光偏向器で
あるポリゴンミラー30の偏向反射面近傍の位置に主走
査対応方向に長い線像として結像し、ポリゴンミラー3
0により同時に偏向されてfθミラー42に入射する。
fθミラー42に反射された各光束は、長尺トロイダル
レンズ45(請求項2記載の発明における「少なくとも
副走査対応方向にパワーを持つ光学素子」)を介して、
感光体500上に集光する。集光作用はfθミラー42
と長尺トロイダルレンズ45により行なわれる。集光さ
れた4光束は感光体500上に「副走査方向に互いに分
離した4つの光スポット」を形成し、4本の走査線S
1,S2,S3,S4を同時に走査する。
【0024】図1(b)に倣って図3(b)に示すように、
fθミラー42は、反射光束CF’の光路が入射光束B
F’の光路と重ならないように、副走査対応方向のティ
ルト角:βやシフト量:ΔZを与えられており、この配
備態位により、4本の走査線S1〜S4の曲がりを同じ
向きに揃え、ピッチ偏差を有効に軽減させている。
【0025】図1に示した実施の形態では、走査線S1
〜S4の曲がりは図3(c−1)に示すように「副走査方
向の一方に凸の単純な湾曲」であるが、図3(a)に示す
実施の形態では、長尺トロイダルレンズ45の作用によ
り、走査線S1〜S4の曲がりの形態は図3(c−2)に
示す如く「主走査中央部が谷状」になり、湾曲量も、
(c−1)の湾曲量:W1から(c−2)の湾曲量:W2に減
少する。
【0026】図1、図3の実施の形態において、カップ
リングレンズ200の作用をコリメート作用に換え、光
源部100からの4光束をそれぞれ「弱い発散性の光
束」や「弱い集束性の光束」にすることもできる。
【0027】図1,図3に即して説明した上記実施の形
態で、同時に走査される走査線S1〜S4は「記録画像
において互いに隣接する走査線」となっている。しか
し、マルチビームにより同時に走査される複数の走査線
は、記録画像上において必ずしも隣接しなくてもよい。
例えば、図1や図3において、走査線S1とS2の間、
走査線S2とS3の間、走査線S3とS4の間は、記録
画像を形成する走査線ピッチの整数倍となっていてもよ
い。しかし、走査線間の間隔が開きすぎると、各偏光光
束に対する反射型結像素子の結像作用がかなり異なるも
のとなり、各走査線の曲がりの向きは揃っても、曲がり
の程度が走査線ごとに異なる状況に成り、このようにな
ると、走査線間のピッチ偏差が大きくなるので、上記整
数倍における整数としては10以下程度の小さい値が適
当である。
【0028】
【実施例】以下、図3に即して説明した実施の形態に類
する具体的な実施例を2例説明する。図4は、以下に説
明する「実施例に関する光学配置」を説明するための図
である。繁雑を避けるため、混同の虞れがないと思われ
るものに就いては図3におけると同一の符号を用いた。
【0029】図4は、光源部100から被走査面500
(感光体の周面)に至る光路を直線的に展開し、これを
fθミラー42による反射位置で折り返した状態を示
す。実際の光学系配置は図3(a)に示す如くである。図
3の実施の形態では、光源部100として4つの光源を
有するものを説明したが、以下に説明する実施例1では
光源(発光部)が3個であり、実施例2では光源は2個
である。以下の説明において「長さの次元を持つ量」の
単位は、特にことわらない限り「mm」である。
【0030】図4において、カップリングレンズ200
は、光源側面が曲率半径:rcp1=∞の平面で、アパー
チュア側の面が曲率半径:rcp2=−10.2987の
球面、肉厚:dcp=3、材質の屈折率ncp=1.712
205で、焦点距離:fcp=14.46の「平凸レン
ズ」であり、光源部100からの光束を平行光束に近い
弱い発散性の光束にする。
【0031】シリンダレンズ250は、アパーチュア側
の面が曲率半径:rcy1=29.5のシリンドリカル
面、ポリゴンミラー側の面が曲率半径:rcp2=∞の平
面で、肉厚:dcy=3、材質の屈折率:ncy=1.51
1176の「平凸レンズ」である。光源100からシリ
ンダレンズ250に至る部分は光源側光学系ユニットA
1としてユニット化されている。
【0032】fθミラー42の鏡面は、光軸方向にX
軸、光軸直交方向にY軸を取るとき、Rを近軸曲率半
径、K,A,B,C,D,..を定数として、 X=Y2/[R+R√{1−(1+Ki)(Y/R)2}]+A
・Y4+B・Y6+C・Y8+D・Y10+... なる式で表される「非円弧形状」を、対称軸の回りに回
転して得られる共軸非球面であって、上記非円弧形状
は、 R=−405.046,K=−1.46661, A= 3.12269×10~10,B=−9.1975
6×10~15, C=−1.14431×10~18,D=−1.3909
5×10~23 により特定される。
【0033】長尺トロイダルレンズ45は、fθミラー
42側の面が「樽型トロイダル面」で、被走査面側の面
が「ノーマルトロイダル面」である。「樽型トロイダル
面」は、「光軸と長手方向(光軸に直交する長手方向)
を含む平面内の形状」が、光軸方向にx軸、長手方向に
y軸を取るとき、rM1を上記平面内における近軸曲率半
径、k,a,b,c,d,..を定数として、 x=y2/[rM1+rM1√{1−(1+k)(Y/rM1)2}]
+a・y4+b・y6+c・y8+d・y10+... なる式で表される「非円弧形状」で、この非円弧形状
を、光軸上でこの非円弧形状からfθミラー側に
「rS1」だけ離れ「上記長手方向に平行な軸」の回りに
回転して得られる形状である。
【0034】「ノーマルトロイダル面」は、光軸と上記
長手方向とを含む面内の曲率半径が「rM2」で、光軸を
含み長手方向に直交する面内の曲率半径が「rS2」であ
るトロイダル面である。
【0035】長尺トロイダルレンズ45に関する上記各
量および、肉厚:dTR、材質の屈折率:nTRは以下の如
くである。
【0036】 rM1= 692.522,k=−1.7171 , a=−8.45792×10~10,b= 1.09879×10~14, c= 1.47422×10~18,d= 2.92312×10~23S1=69.2, rM2=667.087,rS2=30.8,dTR=3.254, nTR=1.5721 。
【0037】図4に示す間隔:d1〜d5、L0,L、f
θミラー42の主走査対応方向のティルト角:α41、副
走査対応方向のシフト量:Z41、長尺トロイダルレンズ
45の副走査対応方向のシフト量:Z45およびティルト
角:α45,β45は以下の値である。 d1=12.569,d2=14.46,d3=20,d4
=57.8,d5=122.27,L0=124.17
9,L=105.53、α41=0.2度、Z41=14,
45=7.6,α45=0.05度,β45=1.28度。
【0038】図4に示す「実施例1」において、光源部
100は、発光波長:780nmの3つの光源LD1,
LD2,LD3を、副走査対応方向に間隔:P0=14
μmで配列したモノリシックな半導体レーザアレイであ
り、真中の光源LD2の発光部はカップリングレンズ2
00の光軸上に位置する。
【0039】このとき、同時に走査される3本の走査
線:S1〜S3を、相続く2回の走査にD1,D2就
き、図5に示す。図のように、3本の走査線は「同じ像
高で同じ向き」に曲がっている。走査幅:297mmに
対し、走査線の湾曲量(図2における「w2」)は25
〜27μmと微少であり、隣接する走査線のピッチ偏差
は1.3〜1.6μmと僅少である。また、走査がくり
返されるとき、先の走査:D1の走査線:S3と後の走
査:D2の走査線:S1とのピッチ偏差も2μmのオー
ダーで小さい。
【0040】図6は「実施例2」の特徴部分のみを示し
ている。実施例2は、図4に示した実施例1における光
源側光学系ユニットA1を、光源側光学系ユニットA2
に換えたものであり、シリンダレンズ250から被走査
面に至る光路上の光学系配置は、実施例1と全く同じで
ある。
【0041】光源部は光源として、独立した半導体レー
ザLD1’,LD2’を有する。これら半導体レーザL
D1’,LD2’からの光束は、対応するカップリング
レンズ15−1,15−2により「弱い発散性の光束」
にされ、アパーチュア20−1,20−2によりそれぞ
れ光束周辺部の光を遮断される。半導体レーザLD1か
らの光束はP偏光状態にあり、アパーチュア20−1を
通過後、ビーム合成プリズムPLの偏光反射膜62を透
過する。半導体レーザLD2’からの光束は当初P偏光
状態にあるが、アパーチュア20−2を通過後、1/2
波長板60を透過してS偏光状態となり、ビーム合成プ
リズムPLのプリズム面61で内部反射され偏光反射膜
62により反射されてビーム合成プリズムPLから射出
する。
【0042】カップリングレンズ15−1,15−2は
光軸が互いに平行であり、これらの光軸はシリンダレン
ズ250以下の光学系の光軸Axに合致する。半導体レ
ーザLD1’は、副走査対応方向(図7の上下方向)に
おいて、カップリングレンズ15−1の光軸上に発光部
を有するが、半導体レーザLD2’の発光部は、副走査
対応方向においてカップリングレンズ15−2の光軸か
ら微少距離:δZだけずれている。このため、半導体レ
ーザLD2’からの光束は、ビーム合成プリズムPLか
ら射出するとき、半導体レーザLD1’からの光束に対
し副走査対応方向に対して微少角傾いており、これによ
り各光束は被走査面上で副走査方向に分離した光スポッ
トとなる。
【0043】図6に示す距離:d1,d2(半導体レーザ
LD1’,LD2’からの光束に共通である)、d
3(=d31+d32+d33)およびδZの値はそれぞれ、
1=12.569,d2=6.0,d3=29,δZ=
0.0141である。
【0044】実施例2において、同時に光走査される2
本の走査線:S1,S2の様子を相続く2回の光走査:
E1,E2に就き図6に示す。図のように、2本の走査
線:S1,S2は「同じ像高で同じ向き」に曲がってい
る。光走査幅:297mmに対し、走査線の湾曲量(図
2の「w2」)は25〜27μmと微少であり、隣接す
る走査線のピッチ偏差は1.2μmと僅少である。ま
た、走査がくり返されるとき、先の走査:E1の走査
線:S2と後の光走査:E2の走査線:S1とのピッチ
偏差も1μmのオーダーと小さい。
【0045】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば新規なマルチビーム走査装置を実現できる。この発明
においては、上記のように、複数の光スポットにより同
時に走査される走査線の曲がりが同じ向きに揃っている
ので、ピッチ偏差を有効に軽減して「見た目に良好」な
記録画像を形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の1形態を説明するための図で
ある。
【図2】この発明の解決課題であるマルチビーム走査に
特有のピッチ偏差を説明するための図である。
【図3】この発明の実施の別の形態を説明するための図
である。
【図4】この発明の実施例を説明するための図である。
【図5】図4の実施例による走査線の状態を示す図であ
る。
【図6】この発明の別実施例を特徴部分のみ説明するた
めの図である。
【図7】図6の実施例による走査線の状態を示す図であ
る。
【符号の説明】 S1,S2,S3,S4 4つの光スポットにより
同時に走査される走査線 50 被走査面

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の光源からの複数の光束を、共通のカ
    ップリングレンズにより平行光束化し、共通のシリンダ
    レンズによりそれぞれ副走査対応方向に集束し、共通の
    光偏向器であるポリゴンミラーの偏向反射面近傍に主走
    査対応方向に長い線像として結像させ、上記共通の光偏
    向器で偏向させ、複数の偏向光束を共通の走査結像光学
    系により、被走査面上に、副走査方向に互いに分離した
    複数の光スポットとして集光させ、複数走査線を同時に
    走査するマルチビーム走査装置において、 走査結像光学系が、結像機能を持つ反射型結像素子を有
    し、 共通の光偏向器により偏向された複数の偏向光束が、上
    記反射型結像素子に入射して反射され、 上記反射型結像素子は、反射光束の光路が入射光束の光
    路と重ならず、且つ、複数の光スポットの同時の走査に
    よる複数の走査線の曲がりが同じ向きとなるように、配
    備態位を定められていることを特徴とするマルチビーム
    走査装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のマルチビーム走査装置にお
    いて、 反射型結像素子と被走査面との間に、少なくとも副走査
    対応方向にパワーを持つ光学素子を有することを特徴と
    するマルチビーム走査装置。
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