JP3526892B2 - ホルムアルデヒド含有ガスの浄化方法 - Google Patents

ホルムアルデヒド含有ガスの浄化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホルムアルデヒド含有
ガスの浄化処理方法に関するもので、より詳細には、塗
装排ガス等に含有され、従来捕捉の困難であったホルム
アルデヒドを有効に捕捉し、浄化する方法に関する。特
に、本発明は、低濃度のホルムアルデヒドを含む有機溶
剤排ガスを疎水性ゼオライトを担持したフィルターを用
いて効果的に浄化する方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】工場等から排出される炭化水素類は、光
化学スモッグの発生要因である。また、それらの多くは
有臭であり、工場が住宅地に隣接している場合にはしば
しば悪臭公害として捉えられることがある。
【0003】これら炭化水素類を含む排ガスの浄化方法
としては、吸着式溶剤回収法(吸着剤に吸着させて回収
する方法)、酸化分解法(高温に加熱し酸化分解させる
方法)等が広範に行われてきた。これらの方法が急速に
普及したのは排ガスを浄化するという目的と同時に、炭
化水素類を溶剤またはエネルギーとして回収できるとい
う経済的なメリットがあったためと考えられる。
【0004】しかし、近年環境保全の立場から、こうい
った経済的なメリットを期待出来ない排ガスに対して
も、その浄化に取り組まなければならない状況になって
いる。すなわち、低濃度の排ガス浄化が、特に臭気対策
として必要になっている。なかでも、化学工場、塗装工
場、飼料工場などの排ガスに数ppm〜数十ppm含ま
れるホルムアルデヒドについてはこれまで有効な対策が
なかった。
【0005】炭化水素濃度がメタン換算で5000pp
m以下の場合は、多量の補助燃料が必要となるため経済
性が失われる。
【0006】この様な低濃度の炭化水素排ガスを経済的
に浄化する方法として、ハニカム式濃縮装置により連続
的に排ガス中の炭化水素を濃縮し、濃縮された小風量の
排ガスを小型の回収装置或いは酸化分解装置で処理する
方式がある。しかし、炭化水素排ガス中にホルムアルデ
ヒドが含まれる場合には、その沸点が−19.5℃と低
く吸着剤に捕捉されにくいためその処理が困難であっ
た。
【0007】従来、溶剤を含む排ガスの浄化には吸着剤
として活性炭が広範に使用されてきた。しかし、活性炭
自体は可燃性の物質であり活性炭を吸着剤として使用す
る排ガス浄化装置には潜在的に火災や爆発などの危険が
あった。
【0008】この様な排ガス浄化装置の潜在的な危険を
回避する方法として、不燃性の吸着剤を使用することが
考えられ、新しい吸着剤として疎水性を高めたゼオライ
トが使用され始めている(特表昭60−501495号
公報および特開昭64−85113号公報)。
【0009】ケトン系有機溶剤含有ガスの浄化に際して
再生過程で触媒性を示さないゼオライト系吸着剤とし
て、特開平4−210235号公報では、水熱処理した
疎水性ゼオライトを、特開平4−244230号公報で
はアルカリ金属イオン型の疎水性ゼオライトを提供して
いる。また、特開平5−23586号公報は、高沸点成
分を含む排ガスの浄化に対して、吸着剤として固体酸量
0.1mmol/g以下でSiO2/A 23モル比50以上
のゼオライトを提供している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、疎水性ゼオラ
イトの排ガス浄化装置への適用に関する応用研究は始ま
ったばかりであり、特にその吸着特性については未だ十
分に解明されているとは言い難い。
【0011】一般的には、空気中の有機物は疎水性ゼオ
ライト結晶内の細孔に捕捉されるので、ゼオライト結晶
単位容積当たりの細孔の占める容積(以下、空隙率とい
う)の大きいものほど有機化合物を多く吸着すると考え
られる。実際に大部分の有機溶剤排ガスについてこのこ
とが確認され、通常は空隙率が0.268ml/gとゼ
オライトの中でも最も大きいフォージャサイト型ゼオラ
イトが最も一般的に使用されている。
【0012】そこで本発明者らも、疎水性のフォージャ
サイト型ゼオライトを吸着剤としたハニカム式濃縮装置
でホルムアルデヒドを含む排ガスの浄化を試みた。しか
しホルムアルデヒドの濃度が50ppm以下領域ではホ
ルムアルデヒドは吸着されず、ホルムアルデヒドを含む
排ガスの浄化がまったく行われないことが判明した。
【0013】本発明者らは、ホルムアルデヒドを含む有
機溶剤排ガスの最適な疎水性ゼオライトを用いたハニカ
ム式濃縮装置による浄化方法を提供すべく鋭意検討を重
ねた。
【0014】その結果、SiO2/A 2 3モル比10
0以上のZSM−5型ゼオライトを50kg/m3以上
の量で有するハニカム構造フィルターが、ホルムアルデ
ヒドの吸着に有効であることを見いだした。
【0015】即ち、本発明の目的は、低濃度のホルムア
ルデヒドを含む有機溶剤排ガスを疎水性ゼオライトのフ
ィルターを用いて効果的に浄化する方法を提供するにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、ホルムアルデ
ヒドを含有するガスの浄化に最適な、SiO2 /Al 2
3 モル比100以上のZSM−5型ゼオライトを50
kg/m3 以上の量で有するハニカム構造フィルターに
0.2〜0.5秒間接触させる方法を提供するものであ
る。
【0017】
【作用】ゼオライト結晶の基本構造は、SiO4とその
置換体のAlO4それぞれの四面体で、それらがお互い
に頂点の酸素原子を共有し、3次元方向に発達した結晶
構造を形成している。その結果、ゼオライト結晶は他の
鉱物にみられないような非常に大きな空洞や孔路を有し
ている。これらの細孔の入口径はゼオライトによってこ
となるが、通常3〜9オングストロームであり、種々の
分子を細孔内部に捕捉することができる。また、結晶内
部にはAlO4 の負電荷を補うために陽イオンが存在し
ている。この陽イオンによって形成された静電場の影響
により極性分子や分極性分子を選択的に吸着する。汎用
の吸着剤として一般的に使用されているA型ゼオライ
ト、X型ゼオライト等のSiO2/A 23モル比は2
〜5と低く、これらのゼオライトは有機化合物よりも水
を選択的に吸着する。したがって、有機溶剤を含む排ガ
スの浄化用吸着剤としては適当ではない。
【0018】ゼオライトはSiO2/A 23モル比2
0以上で親水性を失い、次第に疎水性を示すようにな
る。このように疎水性を示すゼオライトは、有機溶剤を
含む排ガスの浄化に対して、活性炭と同様に疎水性吸着
剤として有用である。特に、水分が共存する系でも有機
溶剤に対する吸着容量の低下が小さく一定の吸着性能を
示すため気象条件によってその性能が低下する事はな
い。
【0019】本発明者らは、前述のごとくホルムアルデ
ヒドを含む有機溶剤排ガスの浄化という課題に対して、
当初疎水性のフォージャサイト型ゼオライトを吸着剤と
したハニカム式溶剤濃縮装置を使用して検討を重ねた。
しかし、一般的な有機溶剤は吸着できるのに、ホルムア
ルデヒドだけは全く吸着されず、十分な排ガス浄化がで
きなかった。
【0020】そこで、種々の結晶構造を有する疎水性ゼ
オライトについてホルムアルデヒドの吸着等温線を測定
した。その結果、これまでの知見では予測できなかった
ことであるが、ZSM−5型の結晶構造を有する疎水性
ゼオライトのみが特異的に高いホルムアルデヒドの吸着
特性を示すことがわかった。
【0021】有機化合物の疎水性ゼオライトにおける吸
着サイトは、結晶内の細孔であるが、その表面は結晶構
造に関係なく酸素原子で形成されている。従って、この
ZSM−5型に対するホルムアルデヒドの特異的な吸着
はその特殊な細孔構造によるものではないかと推定され
る。
【0022】ちなみに、一例として、フォージャサイト
型のゼオライト結晶の空孔率は0.268ml/gであ
り、ZSM−5型の場合は0.199ml/gである。
また、窒素吸着法により求めた比表面積はフォージャサ
イト型で約700m2 /g、ZSM−5型で約300m
2 /gである。疎水性ゼオライトは実質的に珪素と酸素
から形成されており、吸着剤の表面状態によって吸着力
が決まるならば、低濃度でもZSM−5型に対してフォ
ージャサイト型の疎水性ゼオライトは常に高い吸着量を
示すはずである。しかし、フォージャサイト型の疎水性
ゼオライトは50ppm以下の濃度域でホルムアルデヒ
ドを全く吸着しないにもかかわらず、ZSM−5型のそ
れは常温でたしかにホルムアルデヒドを吸着する。たと
えば、50ppmのホルムアルデヒドを、30℃におい
て、疎水性のZSM−5型ゼオライトは約1.5g/1
00g吸着するが、疎水性のフォージャサイト型は0.
1g/100g以下の吸着量しか示さない。
【0023】この様に、ZSM−5ゼオライトはホルム
アルデヒドに対して格段に優れた吸着性を示すことが判
明したので、さらにハニカム式濃縮装置への適用につい
て検討を行った。
【0024】ハニカム式濃縮装置は、一例として、ハニ
カム構造を有するセラミック繊維のローターに疎水性ゼ
オライトを担持した主要部からなり、このローターは、
吸着部と再生部とにシールで区分され、ローターの各部
分は吸着部と再生部とに交互に出入りする構造になって
いる。ローターは低速で回転し、疎水性ゼオライトに吸
着されたホルムアルデヒドや有機溶剤は再生部で熱風に
より連続的に脱着される。このため、吸着部のローター
は常にホルムアルデヒドや有機溶剤を吸着することがで
きる。
【0025】このハニカム式濃縮装置のローターとし
て、疎水性ZSM−5型ゼオライトを担持したものを製
作し、ホルムアルデヒドを含む有機溶剤排ガスの浄化に
適用した。
【0026】ハニカムローターにおける疎水性ゼオライ
トの量、即ちローター単位容積当たりの重量(kg/m
3 )は、ローターの有機溶剤保持量および濃縮倍率を決
定する因子であり、特に重要である。ローターに吸着さ
れた有機溶剤は、再生部においてローターから脱着され
るが、このとき熱風とローターの間で熱交換が行われる
ので、吸着された有機溶剤あたりの再生に必要な熱風量
はゼオライトの容積あたりの量が多いほど少なくてす
み、濃縮倍率も高く取れる。実際には、50kg/m3
以上の量があれば、十分な浄化性能及び経済的な有機溶
剤濃縮性能が達成される。
【0027】また、疎水性ZSM−5型ゼオライトを担
持したローターにおいて、排ガスのローター内における
滞留時間、すなわち接触時間が0.2〜0.5秒の条件
で、最も効率良くホルムアルデヒドが除去された。接触
時間が0.2秒以下の場合は、ローター部におけるホル
ムアルデヒド分子の拡散過程が律速となり、ホルムアル
デヒドの吸着が十分に行われなかったと考えられる。一
方、0.5秒以上の場合は排ガスの浄化は申し分なく達
成されるものであるが、接触時間を長くするということ
は一定の処理ガス量に対して大型のローターを必要とす
ることであり、過大な設備投資につながるので好ましく
ない。
【0028】ローターの再生温度は、共存する有機溶剤
の種類にもよるが、ホルムアルデヒドだけであれば10
0℃以上の温度で行えば良い。
【0029】
【発明の好適態様】本発明において、ホルムアルデヒド
含有ガスとしては、ホルムアルデヒドを比較的低濃度で
含む任意のガス、例えば、化学工場、塗装工場、飼料工
場などの排ガスに適用することができる。
【0030】本発明は、これらのガスの内でも、全有機
溶剤濃度がメタン換算で500〜5000ppmであ
り、かつホルムアルデヒド濃度が5〜100ppmであ
る排ガス、特に塗料やインクの乾燥乃至焼き付け排ガス
の処理に有用である。
【0031】塗料やインクの樹脂分としては、各種樹脂
が使用されているが、樹脂の主成分や樹脂の硬化剤成分
として、或いは樹脂の変性剤成分として、フェノール−
ホルムアルデヒド樹脂や、メラミン−ホルムアルデヒド
樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂が使用されているこ
とが多い。
【0032】塗料乃至インクの乾燥乃至焼き付け工程で
は、樹脂の重縮合により、或いは樹脂の熱分解により、
樹脂中のホルムアルデヒドが発生する。このホルムアル
デヒドは、濃度が比較的低いものであるが、本発明によ
れば、このホルムアルデヒドを有効に除去することがで
きる。
【0033】また、有機溶剤成分の含有量の低い排ガス
としては、水性塗料乃至インクの乾燥乃至焼き付け排ガ
スや、無溶剤型乃至低溶剤型の塗料乃至インクからの排
ガスが挙げられる。水性塗料乃至インクの場合、溶剤の
主たるものは勿論水であるが、樹脂分の水に対する溶解
性や分散性を向上させ、塗料等に造膜性を付与するた
め、極性有機溶媒等が必ず含有されている。無溶剤型乃
至低溶剤型の塗料乃至インクでは、液状の樹脂分が、紫
外線、放射線、触媒等の作用により硬化して、緻密な被
覆となるものであるが、基体への濡れ性や塗装性等を高
めるために、若干の溶剤が希釈剤として含まれている場
合がほとんどである。また、無溶剤型乃至低溶剤型の塗
料では、塗膜の硬化は紫外線等により行われるとして
も、塗膜の硬化を完結させ、塗膜の歪を取り除くため、
熱処理を行うのが一般的である。従って、排出される排
ガスには、低濃度の有機溶剤成分が含有されているが、
本発明によれば、この様な塗料乃至インクの処理時の
ガスから、低濃度の有機溶剤成分をも同時に除去するこ
とができる。
【0034】本発明で用いるZSM−5型ゼオライト
は、SiO2/A 23のモル比が100以上、特に2
00乃至5000の範囲にあるのがよい。このZSM−
5型ゼオライトは、上記シリカ分及びアルミナ分に加え
て、ナトリウム等のアルカリ金属分を含有していてもよ
く、またアルカリ金属分が水素に置換された水素型ゼオ
ライトであってもよい。
【0035】このZSM−5型ゼオライトのBET法比
表面積は、一般に300乃至400m2 /gの範囲にあ
り、一方細孔容積は、0.18〜0.21cc/gの範
囲にあることが望ましい。また、その粒子径は、一般に
1乃至5μmの範囲内にある。
【0036】ZSM−5型ゼオライトは、それ自体公知
の方法、例えば、シリカ源、アルミナ源、アルカリ金属
成分及び水を、塩基性有機窒素化合物をテンプレートと
して水熱処理する方法や、テンプレートを用いることな
く、水性コロイドシリカゾル、アルミン酸アルカリ、及
び水酸化アルカリを水熱処理する方法等により得られ
る。
【0037】ZSM−5型ゼオライトのハニカム式フィ
ルターとしては、既に指摘した通り、ハニカム構造を有
するセラミック繊維のローターに疎水性ゼオライトを担
持させたものが有利に使用されるが、これに限定される
ことなく、他のハニカム基体にZSM−5型ゼオライト
を担持させたものや、ZSM−5型ゼオライトを、必要
によりクレイ等の無機成形助剤や樹脂等の有機成形助剤
と共に、ハニカムに成形したものを用いることもでき
る。
【0038】ZSM−5型ゼオライトのハニカムへの充
填量は、50kg/m3 以上、特に70乃至150kg
/m3 の範囲にあることが好ましい。ZSM−5型ゼオ
ライトの充填量が余り大きくなりすぎると、ガスの圧損
が増大し、コストも高くなるので好ましくない。
【0039】ハニカム式ローターの径は、特に制限はな
いが、一般に400乃至6000mm程度のものが適当
であり、吸着部と脱着部との面積比率は、一般に7:1
乃至3:1の範囲にあるのがよい。ローターの回転速度
は、1.5乃至8回転/時間、特に2乃至5回転/分の
範囲で変化させることができる。
【0040】処理ガスは、ホルムアルデヒドや有機溶剤
の吸着性の点で、ハニカムフィルターに、60℃以下、
特に40℃以下の温度で供給することが好ましい。勿
論、排ガスが上記温度よりも高温である場合には、冷却
し、または排ガス中にタール分や粉塵が含有されている
場合には集塵操作を行うことができる。
【0041】本発明において、この処理により、全有機
溶剤濃度を100ppm以下となし、かつ同時にホルム
アルデヒド濃度を5ppm以下とすることが望ましい。
【0042】脱着は100℃以上、特に130乃至25
0℃の温度で、また吸着剤の吸着平衡特性によっても相
違するが、脱着−吸着の温度差が30乃至450℃、特
に80乃至200℃となるように、吸着処理を行うこと
が好ましい。脱着用高温キャリアーガスは、処理用ガス
の一部を、上記温度に加熱して、用いるのが好ましい。
【0043】吸着工程からの脱着ガスは、有機成分が高
濃度に濃縮されており、有機成分の濃度は、一般に爆発
下限界値の30%以下の範囲であり、濃縮の程度は、5
乃至15倍のオーダーである。このため、この濃縮ガス
は、少ない燃料での混燃で、或いは触媒との接触による
酸化で容易に処理を行えるという利点を与える。
【0044】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0045】(ハニカム式濃縮試験装置)装置の概略図
を図1に示す。本実施例で使用するローター式吸着装置
1は、吸着剤ローター2からなっており、この吸着剤ロ
ーター2は、吸着域3、脱着域4及び冷却域5をこの順
序に横切るように設けられている。
【0046】ホルムアルデヒド及び有機溶剤含有ガス6
を、吸着域3に供給して、有機成分を吸着剤ローター2
に吸着させ、前記ガスの一部を冷却域5に供給し、この
ガス7を熱交換器8により高温に加熱し、この高温ガス
9を、前記吸着装置の脱着域4に供給し、有機成分を脱
着して、有機成分の濃縮ガス10を生成させる。
【0047】この有機成分の濃縮ガス10を、接触式排
気処理装置11に供給し、濃縮ガス中の有機成分を酸化
燃焼させることにより、大気中に放出可能なガスに転化
する。このガスは高温であるので、前述した熱交換器8
に供給し、脱着用高温ガスへの加熱に利用する。
【0048】試験装置ハニカムローター2の直径は60
0mmφであった。ローター2の約75%は吸着部であ
り、残り約25%は再生部(脱着域4及び冷却域5)で
ある。ローターは4rpmで回転し、再生部には180
℃の熱風が供給され、ホルムアルデヒド及び有機溶剤を
吸着した部分は連続的に再生される。
【0049】実施例1 SiO2/A 23モル比が1000のZSM−5型ゼ
オライトを100kg/m3で担持したハニカムロータ
ーを用い有機溶剤排ガスの浄化試験を行った。排ガスの
温度、組成を表1に示す。
【0050】ローターへの排ガス接触時間を変えたとき
の排ガス中の全有機溶剤濃度(以下THCという)およ
びホルムアルデヒド濃度を表2に示す。この結果から、
接触時間が0.2秒以上であれば、ホルムアルデヒドを
含む排ガスの浄化が有効に行われることがわかる。
【0051】比較例1 SiO2/A 23モル比が5000のフォージャサイ
ト型ゼオライトを100kg/m3で担持したハニカム
ローターを用い、実施例1と同様に有機溶剤排ガスの浄
化実験を行った。結果を表3に示す。THC濃度は低下
しているがホルムアルデヒドはほとんど除去されていな
いことがわかる。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】この発明により、従来困難であったホル
ムアルデヒド含有ガスの浄化が可能になった。特に、ホ
ルムアルデヒドの濃度が50ppm以下である有機溶剤
排ガスがハニカム式濃縮装置において可能になった意義
は大きい。すなわち、人体に有害なホルムアルデヒドの
放出が抑制するため経済的で、装置の発火などの危険性
のない方法が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた装置の概略配置図であ
る。
【符号の説明】
1 ローター式吸着装置 2 吸着剤ローター 3 吸着域 4 脱着域 5 冷却域 6 ホルムアルデヒド及び有機溶剤含有ガス 7 冷却域からのガス 8 熱交換器 9 高温ガス 10 有機成分の濃縮ガス 11 接触式排気処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森下 悟 神奈川県綾瀬市寺尾台4丁目2番15号 (72)発明者 野田 志知 神奈川県座間市入谷4−3011−6東建座 間ハイツ2−510 (72)発明者 小峰 高吉 神奈川県横浜市泉区新橋1029−19 (56)参考文献 特開 平4−250846(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/34 - 53/90,53/06 B01J 20/18,20/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホルムアルデヒド含有ガスをSiO2
    2 3 モル比100以上のZSM−5型ゼオライト
    を50kg/m3以上の量で有するハニカム構造フィル
    ターに0.2〜0.5秒間接触させることを特徴とする
    ホルムアルデヒド含有ガスの浄化方法。
  2. 【請求項2】 全有機溶剤濃度がメタン換算で500〜
    5000ppmであり、かつホルムアルデヒド濃度が5
    〜100ppmであるホルムアルデヒド含有ガスを、前
    記接触により、全有機溶剤濃度を100ppm以下とな
    し、かつ同時にホルムアルデヒド濃度を5ppm以下と
    する請求項1記載の方法。
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