JP3525837B2 - 電気生理自動計測装置及び電気生理自動計測方法 - Google Patents

電気生理自動計測装置及び電気生理自動計測方法

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    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/483Physical analysis of biological material
    • G01N33/487Physical analysis of biological material of liquid biological material
    • G01N33/48707Physical analysis of biological material of liquid biological material by electrical means
    • G01N33/48728Investigating individual cells, e.g. by patch clamp, voltage clamp

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,卵母細胞を用いる
電気生理自動計測装置及び電気生理自動計測方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】生体の電気的性質に関する科学は「電気
生理学」として約200年の歴史を持ち,生理学の中で
も主要な分野の一つとして発展してきた。特に神経・筋
肉に於いては活動電位が興奮の最も本質的な現象であ
り,興奮伝導が電流の媒介によって行われることが明ら
かにされ,電気生理学はその最も重要な研究分野となっ
ている。
【0003】電位固定法(Voltage clamp
method)は1940年代にアメリカのCole
によって提案された。この電位固定法は,膜電位が変動
する瞬間に膜電位を抑制する方向に電流を流すフィード
バック回路を利用することで膜電位を常に一定にする方
法である。この電位固定法を用いて膜電位とイオン透過
性の関係についての定量的な計測が可能になり,イギリ
スのHodgikin,HuxleyとKatzらは電
位固定法を用いてヤリイカの巨大神経の膜コンダクタン
スの性質を解析し,その後の神経生物学研究の基礎にな
る多くの業績を挙げた。
【0004】これらの成果はジャーナル・オブ・フィジ
オロジー,第116号(1952年),第424頁から
第448頁(Hodgikin,A,L.,Huxle
y,A.F. and Katz,B.,J.Phys
iol.,116(1952),pp.424−44
8)に報告されている。
【0005】その後,この方法はNeherとSack
manによって更に洗練された。彼らは生きた細胞から
単一チャネル分子に流れる電流をリアルタイムで計測す
ることに成功した。この技術はパッチクランプ法と呼ば
れる。このパッチクランプ法の技術については,サック
マンらによって「シングルチャネルレコーディング」
(1995年)(Sackman,B.,Neher,
E.(eds.):Single−Channel R
ecording(2nd ed.),Plenum
Press,New York 1995))に於いて
詳しく述べられている。
【0006】電気的シグナルを記録するための電極とし
て,直径約1mmの硬質ガラス毛細管の中央部をヒータ
ーで熱して軟らかくし,長軸方向に急速に引き伸ばして
引き切ったものを用意する。引き伸ばされた先端が開口
しており,その直径が1μm以下であるものを選んで,
この毛細管の内部に3Mの塩化カリウム(KCl)溶液
を注入して満たし,これを電極として手動で細胞に突き
刺すことで膜電位を測定することが可能である。
【0007】ホルモンや神経伝達物質の多くは,7回膜
貫通型受容体あるいはG蛋白共役型受容体と呼ばれる受
容体を介して細胞に情報を伝えている。近年ヒトゲノム
計画が急速に進展し,遺伝子の塩基配列に関する情報が
大量に蓄積しており,リガンドが不明のいわゆる「オー
ファン」の受容体遺伝子も数多く存在しているものと推
定されている。
【0008】7回膜貫通型受容体のリガンドはホルモ
ン,情報伝達物質,サイトカイン,酵素など多岐にわた
り,分子種としてもアミン,アミノ酸,ペプチド,タン
パク質,脂質,核酸,イオンなどが含まれる。更に,光
や匂い,味などに対する感覚受容体も7回膜貫通型受容
体の一種であり,生体機能の調節に重要な役割を果たし
ている。このため,7回膜貫通型受容体は,しばしば疾
患にも深く関与しているため創薬の重要なターゲットと
されてきた。実際,市販されている医薬品には7回膜貫
通型受容体に結合することにより薬効を示すものが多
い。このようなオーファン受容体のリガンドをスクリー
ニングし,決定する手段の一つとしても,電気生理法は
重要である。
【0009】電気生理法は膜タンパク質分子の機能をリ
アルタイムで計測することのできる数少ない方法の一つ
であり,受容体タンパク質の中心的研究法である。従っ
て,電気生理法は医薬品開発に於いても欠くことのでき
ない技術であり,将来的にもその重要性は増していくも
のと考えられる。
【0010】なお,特開平11−083785号公報
に,卵母細胞にヒスタミン受容体を発現させ,卵母細胞
のヒスタミンに対する応答を計測し,組織特異的にアレ
ルギー反応を検出する技術が記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記したように,電気
生理法はイオンチャネルの研究及び医薬品の開発に欠か
せないものである。しかし,電気生理実験を行なうため
には多くの煩雑な手作業を必要とするという問題があ
る。まず,測定者は細いガラス管を熱して引き延ばし,
先端の直径が1μm以下のガラス微小電極を手作業で作
成する必要がある。更に,ガラス電極を細胞に挿入する
ためには,マイクロマニュピレーターを手動で操作する
必要がある。
【0012】マイクロマニュピレーターはガラス電極を
保持し,ガラス電極の微量変位を手動で調節できる装置
であるが,その操作については熟練した技術が要求され
るという問題がある。一般にガラス電極を細胞内に挿入
するためには手動でマイクロマニュピレーターを用い
る。このため,ガラス電極が考案された1940年代か
ら現在に至るまで電気生理に関する計測は測定者の職人
的な手作業に大きく依存していた。
【0013】既存技術を用いてガラス電極の卵母細胞へ
の挿入の自動化を考える時,画像認識の応用が考えられ
る。上部からCCDカメラにより卵母細胞の膜表面の存
在位置を計測し,ガラス電極をモータなどで駆動し移動
させ,挿入することが考えられる。しかし,ガラス電極
の挿入時には卵母細胞の膜表面は弾性変形を伴うため,
上方からの画像認識により,膜内にガラス電極が正確に
挿入されたかどうかについて判断を行うことは極めて難
しい。また,画像認識によるガラス電極の挿入制御は,
極めて高価になるため現実的な制御手段とはいえない。
【0014】卵母細胞あるいは培養細胞を用いた電気生
理実験に於ける電流変化応答は細胞によるばらつきが大
きいため,多数の細胞からの電流応答を平均化すること
でデータの信頼性を増す必要がある。従って,十分に信
頼できるデータを得るためには各計測者が手作業で細胞
にガラス電極を挿入する電気生理実験を多数回行う必要
がある。そのため,信頼できるデータを得るためには長
時間と多大な労力を要するという問題がある。
【0015】本発明の目的は,ガラス電極からの電気信
号の基づいてガラス電極を卵母細胞膜内に挿入し,膜電
位を固定し薬物投与した時の反応を自動計測する卵母細
胞を用いる電気生理自動計測装置及び電気生理自動計測
方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の電気生理自動計
測装置では,アース電極が配置又は形成されるセルの複
数個(例えば,8×12=96個)が規則正しく配列さ
れ成型されている容器の各セルに卵母細胞を保持し,容
器を保持し移動させて所定のセル内の卵母細胞の位置決
めをXYステージの移動により行ない,所定のセル内の
卵母細胞に1本又は2本のガラス電極を挿入手段により
挿入して,ガラス電極から発する電気信号を検出手段に
より検出して,卵母細胞の膜電位を固定手段により所定
の値に固定して,マイクロシリンジにより卵母細胞に化
学物質を投与し,卵母細胞についての電気生理測定を自
動で行なう。
【0017】電気生理測定を自動で行なうために,XY
ステージ,挿入手段,固定手段,及びマイクロシリンジ
は,制御手段により制御される。制御手段は,ガラス電
極から発する電気信号に基づいて,ガラス電極のセル内
の溶液面への接触,卵母細胞の膜表面への接触,卵母細
胞の膜内への挿入を検出識別して,ガラス電極の卵母細
胞への挿入の制御,マイクロシリンジによる卵母細胞へ
の化学物質の投与の制御を行ない,電気生理自動計測装
置の自動化を可能とする。即ち,ガラス電極の抵抗の測
定,ガラス電極の零点電位の調整,ガラス電極のバイブ
レーション,膜電位の固定及び化学物質の投与の制御に
より自動計測を行う。
【0018】各セルの形状は,円錐の先端に半球を持つ
形状を有し,各セルに卵母細胞を効率よく保持する。
【0019】より好ましくは,電気生理自動計測装置
を,遮蔽手段により電磁波から遮蔽する。また,肉眼で
セルに保持された卵母細胞を光学的にモニタする光学顕
微鏡を配置しても良い。
【0020】アース電極は,導電性を持つ金属により成
形され,表面が塩化銀により被覆され,セルに個別にア
ース線を付加する。容器を寒天により成型して,寒天の
一部にアース電極を接触させて複数のセルを一様に接地
できる。また,アース電極を1軸上でセルに保持された
溶液内で移動させて,セル毎に独立して接地する構成と
しても良い。
【0021】より具体的には,8×12=96個の卵母
細胞が各セル内に規則的に配置された卵母細胞保持用プ
レートは,XYステージ上に搭載される。1つの卵母細
胞が保持されているセルにはそれぞれ独立にアース電極
が付加されている。実体顕微鏡の視野中央にXYステー
ジにより位置決めされた1つの卵母細胞に,2本のガラ
ス電極をモーター駆動による移動により自動挿入する。
XYステージ,ガラス電極を駆動するモーター,リガン
ド投与用マイクロシリンジを駆動するモーター及び電気
生理計測装置を,ガラス電極からの電気信号に基づいて
外部より一括して制御用コンピューターで制御し,複数
の卵母細胞についての電気生理測定を自動で行なうこと
ができる。計測された卵母細胞の電流応答は計測記録用
コンピューターで記録する。
【0022】本発明の電気生理自動計測方法では,卵母
細胞を保持し,アース電極が配置又は形成されるセルの
複数個を有する容器をXYステージに保持して,XYス
テージを移動させて,所定のセル内の卵母細胞の位置決
めを行ない,所定のセル内の卵母細胞に1本又は2本の
ガラス電極を挿入して,ガラス電極から発する電気信号
を検出して,卵母細胞の膜電位を所定の値に固定して,
マイクロシリンジにより卵母細胞に化学物質を投与し,
卵母細胞についての電気生理測定を自動で行なう。電気
生理測定を自動で行なうために,XYステージの移動の
制御,卵母細胞へのガラス電極を挿入の制御,卵母細胞
の膜電位の固定の制御,卵母細胞への化学物質の投与の
制御の,各制御を,ガラス電極から発する電気信号に基
づいて行なう。上記の各制御は,ガラス電極のセル内の
溶液面への接触,卵母細胞の膜表面への接触,卵母細胞
の膜内への挿入を検出識別することにより行ない,電気
生理自動計測の自動化を可能とする。
【0023】本発明では,ガラス電極を卵母細胞膜に自
動挿入し膜電位を保持し,薬物投与した時の反応を自動
計測する電気生理自動計測装置を提供する。図3を参照
して,以下に本発明の原理を説明する。まず,空中にあ
るガラス電極103をセル内に保持された卵母細胞60
1に向けて移動する。ガラス電極103が溶液面603
に着水し,アース電極604と通電すると,ガラス電極
の電位は0mV付近を示す。ガラス電極103を移動さ
せ卵母細胞601の膜表面にガラス電極103が接触す
る時に,−5mV程度の電位を示す。更に,ガラス電極
102を移動させ膜内にガラス電極102が挿入された
時,−20mV程度の電位を示す。以上のガラス電極の
電位状態を制御用コンピューターにより取り込み,ガラ
ス電極102と卵母細胞601の相対位置を識別し,ガ
ラス電極102を卵母細胞601に挿入し膜電位を保持
し薬物を投与する,一連の電気生理計測を自動化する。
【0024】本発明の卵母細胞を用いる電気生理自動計
測装置では,電気生理計測を自動化し計測者の負担を軽
減し,計測の回数を増すことによりデータの信頼性を向
上させることが可能となる。また,自動化により多数の
試料の計測を高速化し,多数の電気生理計測を短時間に
処理することが可能となる。更に,塩基配列が既知であ
るが機能が未知である遺伝子の機能をスクリーニングす
ることも可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は,本発明の実施例の電気生
理自動計測装置の構成例を示す図である。本発明の実施
例の電気生理自動計測装置では,複数の細胞を電気生理
法を用いて連続かつ自動に計測する。
【0026】図1に示すように,本発明の電気生理自動
計測装置は,卵母細胞を観察する実体顕微鏡116;卵
母細胞に挿入するガラス電極102,103;微小電気
信号を増幅する微小電気信号増幅回路部122,12
3;リガンドを卵母細胞に投与するリガンド投与用マイ
クロシリンジ126;実体顕微鏡116及びガラス電極
102,103を保持するXYステージ101;卵母細
胞を保持する96個の(セル)穴を持つ96穴卵母細胞
保持用プレート111;96穴プレート用アース電極1
24;ガラス電極102,103の電位状態及び抵抗状
態を示す電気信号を測定する電気生理測定回路部10
9;XYステージ101,及びガラス電極102,10
3の移動を行なうためのモーターの駆動を制御するモー
ター駆動用コントローラー107;計測結果を記録する
計測記録用コンピューター121;電気生理測定回路部
109,モーター駆動用コントローラー107,及び計
測記録用コンピューター121を制御する制御用コンピ
ューター108から構成される。
【0027】実体顕微鏡116はその光軸が垂直になる
ようにXYステージ101に配置される。モーター10
4,105によりそれぞれ駆動されるガラス電極10
2,103は,実体顕微鏡116を配置した垂直軸から
30度傾けた位置に対称に配置される。また,ノイズを
低減させ,効率よく電気生理実験を行うためにシールド
により装置全体を覆い,空気中の電磁波を遮蔽する。
【0028】本実施例では,ヒトヒスタミン受容体遺伝
子をインジェクションした後に数日間の培養を経た卵母
細胞を使用する。これらの卵母細胞は,96穴卵母細胞
保持用プレート111に保持される。ヒトヒスタミン受
容体を発現している96個の卵母細胞は,8×12=9
6のマトリックス上に規則正しく配置される。
【0029】ガラス電極102,103の位置は,実体
顕微鏡116の視野中央に位置決めされたセル内の1つ
の卵母細胞に挿入が可能な位置に調整されている。
【0030】制御用コンピューター108による制御に
より,ガラス電極駆動用モーター104,105を一軸
(図1に示す矢印で示す)上に駆動させ,実体顕微鏡1
16の視野中央に位置決めされた卵母細胞に,ガラス電
極102,103を挿入できる。
【0031】ガラス電極102,103の細胞膜内への
挿入の過程を実体顕微鏡116により肉眼で観察でき
る。また,実体顕微鏡116にCCDカメラを付加し,
ガラス電極102,103の卵母細胞への挿入状況をモ
ニターし,画像処理からガラス電極102,103の移
動を制御することも可能である。
【0032】なお,実体顕微鏡116は必ずしもガラス
電極102,103を卵母細胞へ挿入するために必須な
構成ではなく,ガラス電極102,103の動作を目視
により確認するためだけのものである。従って,ガラス
電極102,103の移動機構の精度を高めて,目視に
よる確認なしにガラス電極102,103を卵母細胞へ
挿入可能な構成とすることにより,実体顕微鏡116は
装置から除去することが可能である。
【0033】リガンド投与用マイクロシリンジ126
は,支持体127を通して微小電気信号増幅回路部12
2に保持されているため,ガラス電極駆動用モーター1
05によりガラス電極102と共に移動できる。ガラス
電極102が卵母細胞膜内に挿入された時に,リガンド
投与用マイクロシリンジ126の先端は,卵母細胞の膜
表面付近に十分に接近する位置に調整されており,ヒス
タミンを効率よく投与できる。
【0034】電気生理測定回路部109ではガラス電極
102,103の電位状態及び抵抗状態を示す電気信号
を測定する。細胞膜にガラス電極102,103が挿入
されたことを示す電気信号が電気生理測定回路部109
により取り込まれ,これを識別した制御用コンピュータ
ー108は電気生理測定回路部109に膜電位を−60
mVに固定する信号を送り返し,卵母細胞の膜電位が固
定される。
【0035】細胞の膜電位の固定を確認した後に,制御
用コンピューター108は,マイクロシリンジ駆動用モ
ーター125を駆動させて,卵母細胞の膜表面に発現し
ているヒスタミン受容体にリガンドであるヒスタミンを
マイクロシリンジ126により投与する。
【0036】なお,卵母細胞の膜表面に発現可能な受容
体はヒスタミン受容体に限定されるものではなく,種種
の受容体を発現させることが可能である。卵母細胞の膜
表面に存在するヒスタミン受容体は,ヒスタミンの結合
により活性化され,一連のシグナル伝達が進行し,最終
的に卵母細胞のクロライドチャネルよりクロライドイオ
ンが細胞外に流れ出す。
【0037】計測記録用コンピューター121は,この
クロライドイオン流を電流変化として捉え記録する。1
つの細胞についての測定が終了した後,制御用コンピュ
ーター108は,電気生理測定回路部109を通じ,膜
電位の固定を解除し,ガラス電極駆動用モーター10
4,105を初期位置にまで移動させ,2本のガラス電
極102,103を卵母細胞より引き抜く。次に,XY
ステージ101を隣り合ったセルの間隔分だけ移動さ
せ,実体顕微鏡116の視野中央に,次の計測を行なう
卵母細胞の位置決めを行なう。以上の操作を繰り返すこ
とにより,複数の卵母細胞について効率的に連続して電
気生理実験を自動化することが可能である。
【0038】一般に,卵母細胞を用いた電気生理的測定
方法では,ガラス電極102,103を2本用いる2電
極膜電位固定法が広く用いられている。一方,卵母細胞
より小さな神経細胞では,1本のガラス電極のみを使用
する1電極膜電位固定法が広く用いられている。これは
神経細胞では,ピコアンペアレベルのイオン電流量を測
定するのに対し,卵母細胞の場合は細胞体が大きいため
に,マイクロアンペアの電流量が発生するために,従来
の1電極膜電位固定法をそのまま使用することが困難な
ためである。しかし,原理的には,イオン電流レベルを
卵母細胞で予想される数マイクロアンペアの電流が測定
可能な電気回路を設計することにより,卵母細胞の計測
においても1電極膜電位固定法を適用することが可能で
ある。これにより,2電極膜電位固定法に於ける複数の
ガラス電極の挿入が単純化され,ガラス電極の挿入に伴
うエラーの発生を減少させることが可能である。また,
計測の手続きも同様に簡素化するために,2電極膜電位
固定法と比較して1電極膜電位固定法は単位時間当たり
に計測できる卵母細胞の個数を増すことが可能であるた
め,スループットが向上する。また,装置の製造コスト
も低くできるという利点もある。
【0039】また,ガラス微小管を用いて目的となる遺
伝子を手作業で細胞に注入するマイクロインジェクショ
ン法が,従来,細胞への遺伝子導入の主流な方法の一つ
であるが,本実施例のガラス微小管の細胞への挿入方法
を応用し,一定量の遺伝子を細胞に注入する機構を付加
することにより,複数の細胞の各細胞にガラス微小管を
自動挿入した後に,目的となる遺伝子を一定量注入する
装置を製作することが可能である。
【0040】図2は,本発明の実施例のアレルギー診断
を行なう電気生理自動計測装置の構成例を示す図であ
る。複数の96穴卵母細胞保持用プレート111がベル
トコンベア809により搬送され,プレートスタッカー
803に装着される。プレートスタッカー803を使用
することにより,ベルトコンベアに809により搬送さ
れてきた複数の96穴卵母細胞保持用プレート111を
効率よく整理し,円滑にXYステージ101に96穴卵
母細胞保持用プレート111を順次送り込むことが可能
となる。各プレート上の卵母細胞にはヒスタミン受容体
が既に発現している。
【0041】アレルギー診断の具体的な検査項目として
挙げられるのが,杉花粉,ハウスダスト,イエダニなど
である。予め検体から採取された血液にアレルゲンを添
加し,30〜90分程インキュベートしたものを遠心分
離し,血漿成分を回収する。この前処理を事前に行って
おく。これらの各検体からの血漿成分を反応ディスク8
06内の反応容器805に設置する。
【0042】リガンド投与用マイクロシリンジ126に
反応容器805内の血漿成分を採取し,モーター810
によりマイクロシリンジ126を回転させて,96穴卵
母細胞保持用セル111に保持された卵母細胞に血漿成
分を投与する。これにより,多数の検体から採取された
血液について多項目について検査を行うことが可能であ
る。以上の動作を,制御用コンピューター108’によ
り統合して行う。制御用コンピューター108’は,図
2に図示しない,図1に示すモーター駆動用コントロー
ラー107,及び電気生理測定回路部109を制御する
と共に,図1に示す計測記録用コンピューター121を
兼ねており,計測データの取得,管理も一括して行う。
【0043】図3は,本発明の実施例で使用する96穴
卵母細胞保持用プレートの構成例を示す平面図であり,
図4は,図3に示す96穴卵母細胞保持用プレートの断
面図である。卵母細胞保持用プレート111は,8×1
2=96個の独立したセル202をもつ。セル202
は,上方に90度の角度で開いており,セルの下方部に
半球部203をもつ。なお,プレート上のセル数は96
個に限定する必要はなく,電気生理実験に使用する細胞
の大きさに応じて384,864,1536個のセル数
に拡張することが可能である。
【0044】セル202のそれぞれは1つの卵母細胞を
保持し,保持することが可能である。卵母細胞保持用プ
レート111は,市販の96穴タイタープレートと同様
の大きさ及び穴(セル)の位置をもつ。卵母細胞保持用
プレート111の大きさは縦85mm,横127mm,
厚さ10mmである。セル202の直径は9mmであ
り,セル202の間隔は9.5mmである。
【0045】セル202は卵母細胞をセル下方部の半球
部203に保持できる。この半球部203の径が大きす
ぎるとガラス電極102,103の挿入時に,卵母細胞
がセル202内に安定して保持されず,移動するため,
安定してガラス電極102,103を卵母細胞に挿入で
きない。一方,半球部203の径が小さすぎると,卵母
細胞が半球部203内に入りきらないために,卵母細胞
の安定した保持ができない。2本のガラス電極102,
103を卵母細胞に挿入する時に,卵母細胞を半球部2
03内で安定して保持するために最適な径は,1.2m
m±0.1mmである。
【0046】また,実体顕微鏡116を用いてガラス電
極102,103の卵母細胞への挿入を目視により観察
する場合は,ガラス電極102,103を卵母細胞保持
用プレート111の垂直方向から卵母細胞に挿入きな
い。この場合は,ガラス電極102,103は卵母細胞
保持用プレート111から垂直方向の軸に対して一定の
角度を保持する必要がある。
【0047】図5は,本発明の実施例に於けるガラス電
極の卵母細胞への挿入制御を示す図である。本発明で
は,ガラス電極の電位信号に基づいて,ガラス電極の卵
母細胞への挿入のための制御を行なう。
【0048】卵母細胞保持用プレートの1つのセルに卵
母細胞601が保持されている。ガラス電極102,1
03が移動する軸上に卵母細胞601は位置している。
リガンド投与用シリンジ126は,ガラス電極103よ
り微小量後退した位置に調整され,設置されている(従
って,図5には図示せず)。図5に示すグラフは,時間
と共に変化するガラス電極102,103の電位の変遷
を示し,(a)から(e)に示すガラス電極の異なる位
置に対応する異なる電位状態を示す。
【0049】(a)に示すように,ガラス電極102は
溶液面603より上方に位置し,アース電極604とは
通電しておらず,従って,電位は無限大となる。制御用
コンピューターは,電位が無限大であることから,ガラ
ス電極102が空中にあることを認識する。
【0050】(b)に示すように,卵母細胞601に向
かって移動を開始したガラス電極102が溶液面603
に到達すると,ガラス電極102とアース電極604と
が溶液603を通して接触し通電するため,電位は0±
3mV付近となる。ガラス電極102の溶液面603へ
の到達を認識した制御用コンピューターは,ガラス電極
102の抵抗が0.8MΩ〜2.4MΩの許容値の範囲
に収まるかどうかを計測し,判定する。ガラス電極10
2の抵抗が許容値内に入らない場合は,モーターにより
ガラス電極102は引き上げられ,ガラス電極102の
交換を行なう。更に,制御用コンピューターは±3mV
程度のオフセット電位を自動で除去し,0mVに電位を
調整する。
【0051】(c)に示すように,制御用コンピュータ
ーは,モーター駆動によりガラス電極102を卵母細胞
601に向かって移動させる。ガラス電極102が卵母
細胞601に接触すると,卵母細胞は弾性変形する。こ
の時,ガラス電極の電位は更に,約5mV程度降下す
る。制御用コンピューターは,この電位降下を検出し,
ガラス電極102が卵母細胞601の膜表面に接触した
ことを認識する。
【0052】(d)に示すように,制御用コンピュータ
ーは,卵母細胞102の膜表面に圧力をかけた状態でガ
ラス電極102をモーターの駆動軸上で振動させる。こ
れにより,卵母細胞601に大きな損傷を与えることな
く円滑にガラス電極102を膜内に挿入することが可能
である。通常の卵母細胞102の膜電位は−20mV程
度なので,制御用コンピューターは,−20mV程度の
電位を検出することにより,ガラス電極102が卵母細
胞601内に挿入されたことを認識する。
【0053】(e)に示すように,ガラス電極103
も,(a)〜(d)の操作を繰り返すことで,卵母細胞
601膜内に挿入する。2本のガラス電極102,10
3が卵母細胞601に挿入された後に,制御用コンピュ
ーターは電気生理測定回路部109に膜電位を−60m
Vに固定する信号を送ることにより,膜電位を−60m
Vに固定する。
【0054】以上,詳述したように,本実施例ではガラ
ス電極102,103から得られる電気信号のみを用い
て,卵母細胞601に2本のガラス電極102,103
の挿入を実行でき,更に,ヒスタミン投与に応答する電
流変化を検出することが可能である。
【0055】次に,96穴卵母細胞保持用プレート11
1を使用して電気生理計測を行う際のアースの3種類の
取り方について以下に説明する。
【0056】図6は,本発明の実施例で使用する96穴
プレート用アース電極の形状を示す平面図であり,図7
は,図6に示す96穴卵母細胞プレート用アース電極の
部分斜視図である。図6は,96穴卵母細胞保持用プレ
ート111に組み合わせる96穴プレート用アース電極
301を示す。96穴プレート用アース電極301の材
質は,銅又はアルミニウムであり,形成された後に銀メ
ッキを施す。更に,銀メッキを施した96穴プレート用
アース電極301を150mMの塩化ナトリウム溶液中
に浸し,1.5V程度の直流電流を流した状態で24時
間以上放置することにより,銀と塩素イオンとを反応さ
せ,96穴プレート用アース電極301の表面に塩化銀
の皮膜を作る。生体中の細胞外液の主成分はNaClで
あり,銀電極とNaCl溶液との間に両方に共通したイ
オンをもつ化学物質(ここでは,塩化銀)があれば分極
電圧の発生を防ぎ,計測上の電気雑音を低減できる。
【0057】図7は,96穴プレート用アース電極30
1を斜め上方よりみた図である。96穴プレート用アー
ス電極301は,各セル202に対してそれぞれ独立に
伸びるアース部302をもち,アース部302はセル2
02の側面に沿って45度の角度で折り込まれている。
このため,96穴プレート用アース電極301を1箇所
で接地することにより,96個のセル202全てのアー
スをとることが可能である。また,上記の方法以外に,
96穴卵母細胞保持用プレート111に直接アース電極
をパターニングし,アースを取ることもできる。
【0058】図8は,本発明の実施例で使用する寒天か
らなる96穴卵母細胞保持用プレートを作成し,アース
をとる方法を示す図である。次に説明する方法では,寒
天からなる卵母細胞保持用プレート405を作成しアー
スをとる。容器403に,予め加熱してゾル化した寒天
402を流し込む。次に,96穴卵母細胞保持用セルの
型401をゾル化した寒天402中に浸し,固定する。
一定時間放置した後,ゾル化した寒天402は室温まで
冷却され,ゲル化する。型401をゲル化した寒天40
4より取り外すと,ゲル化した寒天404は卵母細胞を
保持可能な形状に成型されており,寒天からなる96穴
卵母細胞保持用セル405を作成できる。ゲル化した寒
天404は通電に十分な水溶液をゲル内に含むため,寒
天上の任意の箇所にアース電極406を配置することに
より,96の個々のセルについて一括してアースをとる
ことが可能である。従って,寒天からなる96穴卵母細
胞保持用セル405を用いることにより,煩雑なアース
電極を付加することなく簡便に電気生理測定を連続で行
なうことが可能となる。使い捨て可能な寒天製の容器
は,プラスチックで作成する容器に比較して,非常に安
価である。
【0059】図9は,本発明の実施例に於いてアース電
極を移動させて各セルについてアースをとる構成例を示
す図である。図9に示すように,アース電極をガラス電
極に付随させて移動することにより,各セル内の電気生
理計測でアースをとる。アース電極503をガラス電極
103の先端付近に支持体502を通して固定する。リ
ガンド投与用マイクロシリンジ126は,ガラス電極1
02にオフセットを保った形で固定されている。
【0060】ガラス電極103を卵母細胞601に向か
って移動させていくと,アース電極503が溶液面60
3に接触する。アース電極503が溶液603に接触し
たことでガラス電極103は通電し,オフセット電位を
除去する。ガラス電極102についても同様にアースを
取ることが可能である。ガラス電極103にアース電極
503を付随させることにより,複雑なアース電極を付
加することなく,複数のセルについて安定したアースを
とることが可能である。また,アース電極503をガラ
ス電極103に付随させるのではなく,新たに一軸上に
アース電極503を独立に移動させるアース電極駆動用
モーターを用意する。これにより,ヒスタミン投与時に
於ける卵母細胞の膜表面上での2本のガラス電極,アー
ス電極,リガンド投与用シリンジが非常に接近するた
め,計測上のエラーが発生しやすいという問題を解決
し,安定した状態でアースをとることも可能である。
【0061】図10は,本発明の実施例の電気生理自動
計測装置を用いて卵母細胞にヒスタミンを投与した時の
反応を示す実験データである。図10は,ヒスタミン受
容体を発現させた卵母細胞に対して膜電位の固定を全自
動で行い,ヒスタミンを投与し自動計測を行なった結果
の一例を示す。図5で説明した,ガラス電極の異なる位
置(a)〜(e)の状態を経て,矢印(e)で示した時
刻で細胞の膜電位を固定し,矢印(f)で示した時刻で
1μMのヒスタミンを5μL(リットル)投与を行い,
卵母細胞から発する電流応答を自動計測した結果であ
る。
【0062】図10に示す計測では,1個の卵母細胞の
計測に約180秒必要である。しかし,計測時間につい
ては,ガラス電極及びステージの移動の高速化,2本の
ガラス電極を同時に卵母細胞へ挿入するなどの工夫によ
り,大幅に短縮することが可能である。また,図10に
示す例では,20秒間で膜電位の固定の確認を行ってい
るが,これは省略できる。更に,ヒスタミン濃度のみを
測定するのであれば発生した内向き電流のピーク値(図
10に示す例では,約130秒の点での電流ピーク)の
みを検出すれば良く,ヒスタミン投与後の履歴計測は省
くことができる。従って,60秒以内での1個の卵母細
胞の計測は容易に達成できる。
【0063】本発明の電気生理自動計測装置によれば,
遺伝子導入によりにある受容体を発現させた複数の卵母
細胞のそれぞれに,全自動でガラス電極を挿入し,電位
を固定し,対応するリガンドを投与した時の電流応答を
計測できる。この結果,例えば,アレルギー関連の診断
を高速化でき,大量の検体について短時間に診断を行え
る。更に,機能が未知である7回膜貫通型受容体の遺伝
子を卵母細胞に導入し,未知の受容体を発現した卵母細
胞に対して対応するリガンドをスクリーニングする作業
を自動化することにより,大規模な遺伝子の機能解析探
索を効率良く行なえる。
【0064】
【発明の効果】本発明の電気生理自動計測装置によれ
ば,ルーチンワーク的な仕事の自動化により計測者の負
担を軽減でき,計測を高速化でき,多数の計測を短時間
にできるため,ばらつきの少ない信頼性の高いデーター
を取得できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の電気生理自動計測装置の構成
例を示す図。
【図2】本発明の実施例のアレルギー診断を行なう電気
生理自動計測装置の構成例を示す。
【図3】本発明の実施例で使用する96穴卵母細胞保持
用プレートの構成例を示す平面図。
【図4】図3に示す96穴卵母細胞保持用プレートの断
面図。
【図5】本発明の実施例に於けるガラス電極の卵母細胞
への挿入制御法を示す図。
【図6】本発明の実施例で使用する96穴プレート用ア
ース電極の形状を示す平面図。
【図7】図6に示す96穴卵母細胞プレート用アース電
極の部分斜視図。
【図8】本発明の実施例で使用する寒天からなる96穴
卵母細胞保持用プレートを作成し,アースをとる方法を
示す図。
【図9】本発明の実施例に於いてアース電極を移動させ
て各セルについてアースをとる構成例を示す図。
【図10】本発明の実施例の電気生理自動計測装置を用
いて卵母細胞にヒスタミンを投与した時の反応を示す実
験データ。
【符号の説明】 101…XYステージ,102,103…ガラス電極,
104,105…ガラス電極駆動用モーター,107…
モーター駆動用コントローラー,108,108’…制
御用コンピューター,109…電気生理測定回路部,1
11…96穴卵母細胞保持用プレート,116…実体顕
微鏡,121…計測記録用コンピューター,125…マ
イクロシリンジ駆動用モーター,126…リガンド投与
用マイクロシリンジ,202…セル,203…半球部,
301…96穴プレート用アース電極,302…アース
部,401…型,402…ゾル化した寒天,404…ゲ
ル化した寒天,405…寒天からなる卵母細胞保持用プ
レート,127,502…支持体,406…寒天に挿入
するアース電極,503…支持体に固定されたアース電
極,604…アース電極,603…溶液面,601…卵
母細胞,803…プレートスタッカー,805…反応容
器,806…反応ディスク,809…ベルトコンベア,
810…モーター。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/483 G01N 27/30 351 (72)発明者 竹下 智子 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 齊藤 栄 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 松波 正吉 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 守谷 騰 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 平6−308118(JP,A) 特開 平11−299496(JP,A) 特開 平11−83785(JP,A) 特開 昭57−196145(JP,A) 実公 昭54−58092(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/327 G01N 27/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】卵母細胞を保持するセルを複数もつ容器
    と, 前記各セルに配置されるアース電極と, 前記容器を保持し移動させて所定の前記セル内の第1の
    卵母細胞の位置決めを行うステージと, 前記セル内の前記卵母細胞に1本又は2本のガラス電極
    を挿入するための挿入手段と, 前記ガラス電極から発する電気信号を検出する検出手段
    と, 前記卵母細胞の膜電位を所定の値に固定する固定手段
    と, 前記卵母細胞に化学物質を投与するマイクロシリンジ
    と, 前記マイクロシリンジを駆動するマイクロシリンジ駆動
    手段と、 前記ステージ,前記挿入手段,前記固定手段,及び前記
    マイクロシリンジを制御する制御手段とを有し, 前記制御手段は,前記ガラス電極から発する前記電気信
    号に基づき,前記ガラス電極の,前記セル内の溶液面へ
    の接触,前記卵母細胞の膜表面への接触,及び前記卵母
    細胞の膜内への挿入を識別し、前記固定手段に前記膜電
    位を固定する信号を送信し、前記膜電位の固定を認識
    し、その後、前記マイクロシリンジ駆動手段に駆動信号
    を送信する手段であって、さらに、前記検出手段により
    電気信号が測定された後、前記ステージ及び前記挿入手
    段を第2の卵母細胞の測定をするように制御する手段で
    り、 更に、前記ガラス電極が前記セル内の溶液面へ接触した
    後、前記ガラス電極の抵抗値を計測する手段と、 前記抵抗値が所定の許容値内に入らないとき、前記ガラ
    ス電極を引き上げる手段とを有する ことを特徴とした電
    気生理自動計測装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電気生理自動計測装置に
    於いて,前記アース電極が,表面が塩化銀により被覆さ
    れた金属から構成されることを特徴とした電気生理自動
    計測装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の電気生理自動計測装置に
    於いて,前記容器が寒天により成型され,前記アース電
    極が前記寒天の一部と接触することを特徴とした電気生
    理自動計測装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の電気生理自動計測装置に
    於いて,前記セルの形状が円錐の先端に半球を持つ形状
    であることを特徴とした電気生理自動計測装置。
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