JP3525358B6 - 医療用貼付材 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用の貼付材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、静脈注射や皮下注射を行った場合、注射針を抜いた後の穿刺孔からの感染を防止するために、消毒綿や消毒ガ−ゼを当てて手で押えたりしていたが、ずっと手で押さえておくことが煩雑であることから、小さな絆創膏を貼付けることが行われるようになってきた。しかし、この方法では穿刺部が不潔になったりするし、血液や薬液などが漏れたときに吸収できず、患部に悪影響を与えることもあった。また、献血の際の止血や低レベル汎用タイプの止血等の事後処理も同様にして行われていた。
【0003】その後、粘着シ−トの中央部に薄いガ−ゼを定置したものも用いられるようになって来たが、こうしたものは剥離紙の上にそのまま貼付けられているので剥し難いし、剥がしたときに粘着面同志が付着することもあって使用しずらく、また貼付する際に粘着剤面を直接に指で触ってしまうという難点もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、注射等を行った後の穿刺部を確実に保護できて、充分に衛生的な事後処理が可能であり、また貼着操作も容易にでき、しかも経済的に製造できるものを得ようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、帯状の基材の片面に設けた粘着剤層の上に、所定間隔を置いて複数個のパッドを定置し、その上に上記基材より広幅の剥離シートを仮着して粘着剤層とパッドを被覆し、帯状基材の一側縁に沿って基材の粘着剤層と剥離シートの間にテープ状の摘み片を介存させる。そして上記剥離シートに連結部を残して、各パッド間で上記基材、摘み片及び剥離シートを一緒にカットして、複数の貼付片が連結部によって連なっている医療用の貼付材を得る。
【0006】上記摘み片を摘んで引張れば、パッドの付いた一個の貼付片を剥離シートから引き剥せるので、パッドの部分を穿刺孔等に当てて粘着剤層で貼付け、摘み片を取除けば患部にキチンと貼付できる。また、上記剥離シートに設けた切断線によって各貼付片はそれぞれ切り離して使用することができる。
【0007】
【実施例】本発明を実施例と共に更に詳細に述べれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミドその他のプラスチックフイルム、不織布、布、紙その他のシ−ト体で形成した基材1の一面に、粘着剤層2を形成する。この粘着剤層の粘着剤には、ゴム系、アクリル系、ビニル系、シリコン系などの適宜の粘着剤を使用することができるが、アクリル系を用いると皮膚に対する刺激が少なくて好ましいことが多い。
【0008】上記基材の粘着剤層の上にはパッド3を定置しており、パッドの両側部には粘着剤層が露出状態に残されている。図1〜3のものではパッドの上下の部分にも粘着剤層が残っているが、この部分には粘着剤層を残さないようにしたものであってもよい。このパッドは、不織布、綿、圧縮綿、ガ−ゼその他の吸液性等を持つものを使用するとよく、これらのものを適宜組合せて使用することもできる。パッドの厚みは特に限定されるものではないが、通例、約0.5〜2.5mm程度の厚みにすると好ましいことが多い。
【0009】上記基材の一側部の粘着剤層には、剥離性を有する摘み片6を仮着している。この摘み片は一枚のシート状であってもよいが、図示のものでは、剥離性の面が外側になるように折曲げ、その折曲部7が上記パッド3側を向くようにして、基材の粘着剤層2と後記する剥離シート4の間に介在させている。また、折曲げた摘み片6は基材1の側縁部8より外方へ突出しており、後記するように摘み易いが、外方へ突出しないほぼ同程度の大きさのものとすることもできる。また、図示のものでは、折曲げた摘み片の基材側9が剥離シート側13よりもやゝ長く形成されているが、剥離シート側13を長くすることができる。
【0010】こうした貼付片12は、その粘着剤層側で、剥離紙、剥離性プラスチックその他の剥離シート4に複数枚を隙間なく並べたような状態に貼付されており、この剥離シートは上記基材よりも広幅で、基材の両側方から剥離シートの一部が突出5するようになっている。
【0011】こうした各貼付片12を形成する切断腺は、その個々のものを剥離シ−トと共に分離することができるように、上記剥離シートにも貫通するように設けている。この切断線10は基材1の側方へ突出している剥離シートの部分5に連結部11を残して、上記基材1の幅よりも広く、剥離シートの幅よりも狭い範囲に形成されている。この切断線10は、連続切線15にすることができる。
【0012】この医療用貼付材は、帯状に形成した基材の一面に設けた粘着剤層の上に、所定間隔を置いて複数個のパッドを定置し、剥離性の一枚のテ−プ状の摘み片または剥離性の面が外側になるように折曲げたテ−プ状の摘み片を上記基材の一側方より挿入するようにしながら、同じく上記基材よりも広幅の帯状の剥離シートを粘着剤層側に貼付けて行き、上記パッド及び粘着剤層を覆い、各パッド間に剥離シートに連結部を残して、上記基材、摘み片及び剥離シートに貫通する切断線を設けるようにする。これにより連続的な製造が可能であって経済的に得ることができる。こうした医療用貼付材は所望の長さのものを巻回したり、上記切断線の部分で剥離シート4の連結部11を切離して幾つかの貼付片が連なった所望の長さのものにし、包装袋や包装箱などに収納すると都合がよい。
【0013】これを使用する場合、折曲げられている摘み片の間に指を差入れたりして、摘み片と基材を摘み、これを引張れば剥離シートから剥せるので、注射針を抜いた後の穿刺孔等に上記パッドを当てるようにして患部に貼付けることにより注射後等の事後処理を行うことができる。また、予防接種などの多数の人々に注射を行う場合にも、順次上記の如くしてこの貼付片を剥しながら患部に貼付けて行くことができる。献血、血液検査などによって血液を取った後の止血を行うような場合には、穿刺孔の部分に同様に貼付ければよいが、必要に応じて上記パッドの上から押圧するようにすれば、更に確実に止血を行うことができる。
【0014】この医療用貼付材は、例えば1個づつの貼付片の基材を約20×20mmとし、その中央部に約8×8mmのパッドを位置させたものを10個連結したもの、基材を約27×27mmとし、その中央部に約13×13mmのパッドを位置させたものを8個連結したもの、基材を約35×35mmとし、その中央部に約20×20mmのパッドを6個連結したものなど、用途に応じて各種の大きさのものを用意しておくと便利である。また、上記摘み片は、基材や剥離紙と色違いに形成しておけば使用の際に一層便利である。
【0015】上記の如き各貼付片は、長方形の基材に長方形のパッドを組み合わせたり、長方形の基材に正方形のパッドを組み合わせたり、正方形の基材に長方形のパッドを組み合わせたりして形成することができる。図4に示すものは、各貼付片の基材を正方形とし、上記パッドを円形状にしたものである。また、この剥離シ−トには各貼付片を形成している基材及び摘み片に対応する部分は連続切線17とし、剥離シ−トの突出部分5には不連続切線18を設けて併せて連結部11を形成している。
【0016】図5に示すように、基材の両側部を弧状に形成し、矩形のパッドを定置するようにしたり、図6のように円形のパッドを定置するなど各種の変形を加えたものが同様に形成できる。
【0017】
【発明の効果】本発明は上記したように、摘み片を摘んで剥離シートから剥がし、そのまま患部の穿刺孔等に貼付けることができて、衛生状態を保ちながら注射等の後の事後処理を確実に行うことができ、こうした注射絆の他、止血絆、救急絆創膏、創傷保護絆その他の医療用貼付材として広く用いることができるし、また、帯状の粘着剤付基材、摘み片、剥離シートを使用して連続的に製造することができるので、経済的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す一部切欠平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】他の実施例の一部省略平面図である。
【図5】更に他の実施例の一部省略平面図である。
【図6】他例の一部省略平面図である。
【符号の説明】
1 基材
2 粘着剤層
3 パッド
4 剥離シート
6 摘み片
7 摘み片の折曲部
10 切断線
11 連結部
12 貼付片
【産業上の利用分野】本発明は、医療用の貼付材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、静脈注射や皮下注射を行った場合、注射針を抜いた後の穿刺孔からの感染を防止するために、消毒綿や消毒ガ−ゼを当てて手で押えたりしていたが、ずっと手で押さえておくことが煩雑であることから、小さな絆創膏を貼付けることが行われるようになってきた。しかし、この方法では穿刺部が不潔になったりするし、血液や薬液などが漏れたときに吸収できず、患部に悪影響を与えることもあった。また、献血の際の止血や低レベル汎用タイプの止血等の事後処理も同様にして行われていた。
【0003】その後、粘着シ−トの中央部に薄いガ−ゼを定置したものも用いられるようになって来たが、こうしたものは剥離紙の上にそのまま貼付けられているので剥し難いし、剥がしたときに粘着面同志が付着することもあって使用しずらく、また貼付する際に粘着剤面を直接に指で触ってしまうという難点もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、注射等を行った後の穿刺部を確実に保護できて、充分に衛生的な事後処理が可能であり、また貼着操作も容易にでき、しかも経済的に製造できるものを得ようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、帯状の基材の片面に設けた粘着剤層の上に、所定間隔を置いて複数個のパッドを定置し、その上に上記基材より広幅の剥離シートを仮着して粘着剤層とパッドを被覆し、帯状基材の一側縁に沿って基材の粘着剤層と剥離シートの間にテープ状の摘み片を介存させる。そして上記剥離シートに連結部を残して、各パッド間で上記基材、摘み片及び剥離シートを一緒にカットして、複数の貼付片が連結部によって連なっている医療用の貼付材を得る。
【0006】上記摘み片を摘んで引張れば、パッドの付いた一個の貼付片を剥離シートから引き剥せるので、パッドの部分を穿刺孔等に当てて粘着剤層で貼付け、摘み片を取除けば患部にキチンと貼付できる。また、上記剥離シートに設けた切断線によって各貼付片はそれぞれ切り離して使用することができる。
【0007】
【実施例】本発明を実施例と共に更に詳細に述べれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミドその他のプラスチックフイルム、不織布、布、紙その他のシ−ト体で形成した基材1の一面に、粘着剤層2を形成する。この粘着剤層の粘着剤には、ゴム系、アクリル系、ビニル系、シリコン系などの適宜の粘着剤を使用することができるが、アクリル系を用いると皮膚に対する刺激が少なくて好ましいことが多い。
【0008】上記基材の粘着剤層の上にはパッド3を定置しており、パッドの両側部には粘着剤層が露出状態に残されている。図1〜3のものではパッドの上下の部分にも粘着剤層が残っているが、この部分には粘着剤層を残さないようにしたものであってもよい。このパッドは、不織布、綿、圧縮綿、ガ−ゼその他の吸液性等を持つものを使用するとよく、これらのものを適宜組合せて使用することもできる。パッドの厚みは特に限定されるものではないが、通例、約0.5〜2.5mm程度の厚みにすると好ましいことが多い。
【0009】上記基材の一側部の粘着剤層には、剥離性を有する摘み片6を仮着している。この摘み片は一枚のシート状であってもよいが、図示のものでは、剥離性の面が外側になるように折曲げ、その折曲部7が上記パッド3側を向くようにして、基材の粘着剤層2と後記する剥離シート4の間に介在させている。また、折曲げた摘み片6は基材1の側縁部8より外方へ突出しており、後記するように摘み易いが、外方へ突出しないほぼ同程度の大きさのものとすることもできる。また、図示のものでは、折曲げた摘み片の基材側9が剥離シート側13よりもやゝ長く形成されているが、剥離シート側13を長くすることができる。
【0010】こうした貼付片12は、その粘着剤層側で、剥離紙、剥離性プラスチックその他の剥離シート4に複数枚を隙間なく並べたような状態に貼付されており、この剥離シートは上記基材よりも広幅で、基材の両側方から剥離シートの一部が突出5するようになっている。
【0011】こうした各貼付片12を形成する切断腺は、その個々のものを剥離シ−トと共に分離することができるように、上記剥離シートにも貫通するように設けている。この切断線10は基材1の側方へ突出している剥離シートの部分5に連結部11を残して、上記基材1の幅よりも広く、剥離シートの幅よりも狭い範囲に形成されている。この切断線10は、連続切線15にすることができる。
【0012】この医療用貼付材は、帯状に形成した基材の一面に設けた粘着剤層の上に、所定間隔を置いて複数個のパッドを定置し、剥離性の一枚のテ−プ状の摘み片または剥離性の面が外側になるように折曲げたテ−プ状の摘み片を上記基材の一側方より挿入するようにしながら、同じく上記基材よりも広幅の帯状の剥離シートを粘着剤層側に貼付けて行き、上記パッド及び粘着剤層を覆い、各パッド間に剥離シートに連結部を残して、上記基材、摘み片及び剥離シートに貫通する切断線を設けるようにする。これにより連続的な製造が可能であって経済的に得ることができる。こうした医療用貼付材は所望の長さのものを巻回したり、上記切断線の部分で剥離シート4の連結部11を切離して幾つかの貼付片が連なった所望の長さのものにし、包装袋や包装箱などに収納すると都合がよい。
【0013】これを使用する場合、折曲げられている摘み片の間に指を差入れたりして、摘み片と基材を摘み、これを引張れば剥離シートから剥せるので、注射針を抜いた後の穿刺孔等に上記パッドを当てるようにして患部に貼付けることにより注射後等の事後処理を行うことができる。また、予防接種などの多数の人々に注射を行う場合にも、順次上記の如くしてこの貼付片を剥しながら患部に貼付けて行くことができる。献血、血液検査などによって血液を取った後の止血を行うような場合には、穿刺孔の部分に同様に貼付ければよいが、必要に応じて上記パッドの上から押圧するようにすれば、更に確実に止血を行うことができる。
【0014】この医療用貼付材は、例えば1個づつの貼付片の基材を約20×20mmとし、その中央部に約8×8mmのパッドを位置させたものを10個連結したもの、基材を約27×27mmとし、その中央部に約13×13mmのパッドを位置させたものを8個連結したもの、基材を約35×35mmとし、その中央部に約20×20mmのパッドを6個連結したものなど、用途に応じて各種の大きさのものを用意しておくと便利である。また、上記摘み片は、基材や剥離紙と色違いに形成しておけば使用の際に一層便利である。
【0015】上記の如き各貼付片は、長方形の基材に長方形のパッドを組み合わせたり、長方形の基材に正方形のパッドを組み合わせたり、正方形の基材に長方形のパッドを組み合わせたりして形成することができる。図4に示すものは、各貼付片の基材を正方形とし、上記パッドを円形状にしたものである。また、この剥離シ−トには各貼付片を形成している基材及び摘み片に対応する部分は連続切線17とし、剥離シ−トの突出部分5には不連続切線18を設けて併せて連結部11を形成している。
【0016】図5に示すように、基材の両側部を弧状に形成し、矩形のパッドを定置するようにしたり、図6のように円形のパッドを定置するなど各種の変形を加えたものが同様に形成できる。
【0017】
【発明の効果】本発明は上記したように、摘み片を摘んで剥離シートから剥がし、そのまま患部の穿刺孔等に貼付けることができて、衛生状態を保ちながら注射等の後の事後処理を確実に行うことができ、こうした注射絆の他、止血絆、救急絆創膏、創傷保護絆その他の医療用貼付材として広く用いることができるし、また、帯状の粘着剤付基材、摘み片、剥離シートを使用して連続的に製造することができるので、経済的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す一部切欠平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】他の実施例の一部省略平面図である。
【図5】更に他の実施例の一部省略平面図である。
【図6】他例の一部省略平面図である。
【符号の説明】
1 基材
2 粘着剤層
3 パッド
4 剥離シート
6 摘み片
7 摘み片の折曲部
10 切断線
11 連結部
12 貼付片
Claims (4)
- 帯状の基材の一面に粘着剤層を設け、該粘着剤層上に所定の間隔を置いて複数個のパッドを定置し、該パッド及び基材の粘着剤層の表面を上記帯状の基材よりも広幅の剥離シートで覆い、該帯状基材の一側縁に沿って基材の粘着剤層と剥離シートの間にテープ状の摘み片を介在させ、上記広幅の剥離シートの両側縁部に連結部を残して各パッド間に上記基材、摘み片及び剥離シートを貫通してカットする連続切線を設け、上記連結部で連なる剥離シート上に複数個の貼付片を連設形成した医療用貼付材。
- 上記摘み片は一枚のテープ状である請求項1記載の医療用貼付材。
- 上記摘み片は長手方向に沿って折曲げられたテ−プ状であり、その折曲部を上記パッドに向けて配置している請求項1記載の医療用貼付材。
- 上記摘み片はその一部が基材の一側端部より外方へ突出している請求項1〜3のいずれかに記載の医療用貼付材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995087503A JP3525358B6 (ja) | 1995-03-20 | 医療用貼付材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995087503A JP3525358B6 (ja) | 1995-03-20 | 医療用貼付材 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08257057A JPH08257057A (ja) | 1996-10-08 |
JP3525358B2 JP3525358B2 (ja) | 2004-05-10 |
JP3525358B6 true JP3525358B6 (ja) | 2004-08-11 |
Family
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