JP3524797B2 - 親巻搬送及びリールスプール返還装置 - Google Patents

親巻搬送及びリールスプール返還装置

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JP3524797B2
JP3524797B2 JP02165599A JP2165599A JP3524797B2 JP 3524797 B2 JP3524797 B2 JP 3524797B2 JP 02165599 A JP02165599 A JP 02165599A JP 2165599 A JP2165599 A JP 2165599A JP 3524797 B2 JP3524797 B2 JP 3524797B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば製紙工場の
抄紙機に設備される親巻搬送及びリールスプール返還装
置に関するもので、特に親巻搬送ラインの上方にリール
スプール返還ラインが形成されている装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図13に示すように、比較的最近の巻取
紙製造設備配置は、親巻搬送装置4において、リールパ
ート1とアンワインダ3とを下り勾配の親巻搬送レール
で連結してリールパート1で出来た親巻11をアンワイ
ンダ3まで自動的に搬送する方式を採用している。同図
に示す親巻搬送装置4は、クレーンを用いることなく重
量の大きい親巻11の搬送が安全、確実、自動的にでき
るので、業界ではすでに稼動例もあり、省力省人化が進
む中で、今後標準的に採用されていくと予想される。同
図の設備配置では、アンワインダ3に接近してスプール
アンローダ5が配置されており、ワインダ2による巻取
紙生産過程でアンワインダ3に運ばれた親巻11から紙
が取除かれた後、わずかに紙が残ったリールスプール1
2は、スプールアンローダ5によってアンワインダ3の
垂直上方に運び上げられる。スプールアンローダ5の上
方に運び上げられたリールスプール12は、クレーン
(図示省略)によってリールパート1に戻される。すな
わち、アンワインダ3からリールパート1にリールスプ
ール12を返還する作業には、クレーンとともにオペレ
ータがリールパート1とアンワインダ3との間を往復す
ることが必要となってしまう。
【0003】図14に示すように、特開昭59−838
40号公報には、図13に対してスプールアンローダ5
とリールパート1上部間に下り勾配のスプール返還レー
ル(スプール返還装置)6を追加配置した設備が記載さ
れている。これによると、クレーンを使うことなくアン
ワインダ3からリールパート1までのリールスプール返
還を行うことが一応可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図14による
設備を適用すると、実際に操業する上で、次のような問
題を生ずる。 (1)リールスプール12をスプールアンローダ5によっ
てアンワインダ3から取除く前に、アンワインダ3上で
リールスプール12に僅かに残った紙(残紙)を完全に除
去する必要がある。したがって、アンワインダ3で残紙
除去作業が終わるまで、上流から次の親巻11をアンワ
インダ3に搬入できないので、ワインダはその間停止を
余儀なくされ、巻取り生産能力が低下してしまう。最近
の抄紙機では高速化が進んでおり、ワインダを長時間止
める余裕はなくなってきているので、アンワインダ3上
での残紙除去は、実用上ほとんどの場合に行うことがで
きない。 (2)このことから、残紙が付着したままのリールスプー
ル12をアンワインダ3から上に運び出すことが考えら
れる。そのような場合には、リールスプール12がリー
ルパート1で再び使用される前に残紙を取除く必要があ
るが、同図に示す装置では、残紙除去を行う具体的な装
置を含んでおらず、スプール返還レール6上のリールス
プール12をクレーンで一旦オペレータ作業の可能な位
置まで下ろし、残紙除去終了後再びそのリールスプール
12をスプール返還レール6上に戻す作業が必要となっ
てしまう。この作業は、非常に手間のかかるものであ
り、昨今の製紙工場では受け入れられないと思われる。
【0005】(3)親巻搬送装置4で万一機械設備に故障
が発生した場合には、リールパート1で出来上がった親
巻11をアンワインダ3まで搬送することができず、故
障個所が修復されるまでの間ワインダ及び抄紙機の操業
を行うことができない事態に陥ってしまう。スプール返
還レール6の間には、装置の構造強度上の理由で数個所
クロスビーム7が配置されてスプール返還レール6と連
結している。このため、クレーンで吊られた親巻11が
親巻搬送装置4とスプール返還レール6の間の空間を移
動することが妨げられてしまう。また、リールパート1
からアンワインダ3に親巻11を運搬するために、スプ
ール返還レール6上方空間の使用を試みる場合、クレー
ンで吊られた親巻11をスプール返還レール6の上方に
一旦運び出すための開放された空間が用意されていない
ので、運び出し不可能である。
【0006】本発明は、かかる状況に鑑みてなされたも
のであり、親巻搬送ラインの上方にリールスプール返還
ラインが形成されていても、リールスプールの残紙を除
去する作業が容易に行える親巻搬送及びリールスプール
返還装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る親巻搬送及
びリールスプール返還装置は、かかる課題を解決するた
めになされたものであり、親巻搬送ラインの上方にリー
ルスプール返還ラインが形成されている親巻搬送及びリ
ールスプール返還装置において、該リールスプール返還
ラインの一部を開閉可能な旋回レールで構成したことを
特徴とする。ここにいう親巻搬送ラインは、リールパー
トとアンワインダとをアンワインダ側に下り勾配の2本
の親巻搬送レールで連結し、リールパートでできた親巻
をアンワインダまで自動的に搬送するラインをいい、リ
ールスプール返還ラインは、リールパート側に下り勾配
の2本のリールスプール返還レールにより、アンワイン
ダで巻き取られたリールスプールをリールパートまで自
動的に搬送するラインをいう。また、ここにいう開閉可
能とは、旋回レールがリールスプール返還ラインに対し
て開閉可能なことをいう。すなわち、旋回レールが閉状
態のときは、リールスプール返還ラインが連続し、リー
ルスプールが旋回レール上を移動可能な場合であり、旋
回レールが開状態のときは、リールスプール返還ライン
の連続しておらず、一部が欠けている場合である。この
ように、リールスプール返還ラインを必要に応じて欠く
ことにより、例えばクレーン等の移送手段を用いて、残
紙のあるリールスプールを親巻搬送ライン上に移動させ
ることができる。親巻搬送ラインにおいては、オペレー
タがリールスプールから残紙を取除く作業を容易に行う
ことができる。ここで、旋回レールは、1個所のみでな
く、リールスプール返還ラインに関して異なる複数個所
に設けても良い。旋回レールは、設ける個所にかかわら
ず、リールスプール返還ラインを横切る方向に関して同
じ場所に設けるのが好ましい。また、旋回レールは、支
点を中心に旋回できるように装置本体側に取付けられて
いるのが好ましい。
【0008】上記旋回レールをリールパート直後上部に
設けるのが好ましい。上記旋回レールをアンワインダ直
前上部とリールパート直後上部に配置するのが最適であ
る。ここにいうリールパート直後とは、リールパートで
紙巻きが完了した親巻が搬送していく側の近接した位置
をいう。
【0009】上記旋回レールは、水平に旋回するように
構成するのが好ましい。例えばアンワインダ直前上部と
リールパート直後上部に水平旋回レールを有するリール
スプール返還装置を上部に備えるようにする。また、ア
ンワインダ直前上部とリールパート直後上部に最大90
度旋回可能な水平旋回レールを配置しても良い。
【0010】上記旋回レールは、閉状態のときにその先
端下部がレール受け金の上部と係合するもので、該旋回
レールの先端下部と該レール受け金の上部との隙間が調
整可能であるように構成するのが好ましい。すなわち、
リールスプール返還時に作用する荷重を旋回レール先端
下部に係合するレール受け金で分担できるように工夫さ
れた水平旋回レールをアンワインダ直前上部とリールパ
ート直後上部に配置する。隙間は、狭すぎると旋回レー
ルが円滑に開閉しなくなり、また、大きすぎると荷重の
分担がなされなくなる。具体的には、荷重による旋回レ
ール自体のたわみ量を考慮して決定するが、例えば0.
5mm以下となるように調整することが考えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る親巻搬送及び
リールスプール返還装置の実施の形態について図面に基
づいて説明する。図1と図2は、本発明に係る親巻搬送
及びリールスプール返還装置の一実施の形態についてそ
の全体を示す。本実施形態において、リールパート1
は、抄紙機の最後のパートであり、紙はこの位置でリー
ルスプール12に連続的に巻き付けられて親巻11がで
き上がる。同図に示すように、親巻11は、その後リー
ルパート1を構成する最後の装置であるブレーキスタン
ド10でブレーキ装置の働きにより親巻11の回転が一
旦停止させられる。これら一連のリールパート1内装置
の構成及び各装置の役割動作等については、製紙工場で
現在多数稼動しているものを用いれば足りるので、その
説明は省略する。
【0012】親巻搬送装置4は、ブレーキスタンド10
からアンワインダ3まで親巻11を自動的に搬送する一
連の装置である。図1と図2に示す方式は、下り勾配の
親巻搬送レールでリールスプール12の両端部の軸受け
ハウジング外面を支えて、親巻11が持つ位置エネルギ
ーを移動のための運動エネルギーに変えて親巻11の搬
送を実現している。この装置の構成、移動及び停止のメ
カニズム等については、製紙工場に多数稼動しているも
のと同じものを用いることができる。親巻搬送装置4を
構成する最初の装置として、上下スイングレール41が
ブレーキスタンド10の直後に配置されている。上下ス
イングレール41は、図1に仮想線で示した状態までス
イングさせることができ、これにより形成された開口部
から、オペレータが機内に入り、リールパート1で巻き
取られている親巻11の状態をチェックしたり、ブレー
キスタンド10に停止した親巻11からシートサンプル
を採取したりする。
【0013】上下スイングレール41の下流側には、ア
ンワインダ3の方向に下り勾配のレールが配置されてい
る。このレールは、複数の親巻スタンド42、43、4
4に両端が固定されている。親巻スタンドの設置数及び
設置間隔は、リールパート1からアンワインダ3までの
距離や親巻11の最大直径によって適宜決定されるもの
であり、図1と図2では、その一例を示したに過ぎな
い。アンワインダ3の直前部には、上下スイングレール
45が配置されている。上述した上下スイングレール4
1の場合と同様に、スイングさせてできた開口部からア
ンワインダ3上にある親巻11にオペレータが接近し
て、各種の作業を行うために設けられたものである。上
下スイングレール41、45は、いずれも上流側にスイ
ング支点を有するように設置される。スイングした状態
のレールが親巻11の移動を規制するようにとの配慮か
らである。また、親巻搬送ラインに組み込まれる可動式
レールが上下スイング式であるのは、主としてオペレー
タが機内に出入りし易くするためである。
【0014】以上、リールパート1からアンワインダ3
に至る親巻搬送装置4について概略を説明したが、具体
的には、従来製紙工場で稼動例のある装置を用いること
ができる。親巻搬送装置4は、後述するリールスプール
返還装置の下部に配置されており、リールスプール返還
装置の構成や各部機能に大きく関わっているので、上記
に簡単に説明した。
【0015】図1と図2におけるスプールアンローダ5
は、特公平2−11493号公報で説明されているもの
と同じ方式を簡略化して図示したものである。なお、こ
の方式のものは、製紙工場で多数稼動している。スプー
ルアンローダ5の構成装置の一つであるキャリッジ51
は、アンワインダ3に位置するリールスプール12を垂
直上方に移動させる。上昇中のリールスプール12を、
任意の位置や予め特定した位置に配置されたセンサ(図
示省略)からの信号に基づき、必要に応じて停止させた
り下降させたりすることも可能である。なお、両図は、
一旦上限位置近くまで上昇させたリールスプール12を
下降させて、リールスプール返還装置上に降ろす直前の
状態を表している。
【0016】次に、スプール返還装置の構成について図
1と図2を用いて説明する。スプール返還装置を構成す
る最初の装置として、水平旋回レール61がある。図2
では、油圧シリンダ71によって水平旋回レール61が
閉じられた状態を実線で示し、一番開かれた状態(閉止
状態から90度旋回した状態)を一点鎖線で示してい
る。水平旋回レール61の下流側(図中の右側)には、
リールパート1に向かって下り勾配を有するスプール返
還レール6及びスプールスタンド62、63、64が配
置されている。親巻搬送装置4の場合と同じ動作でリー
ルスプール12を順次リールパート1側に搬送する。リ
ールパート1の上部にもスプール返還レール81が配置
されており、このスプール返還レール81とスプール返
還レール6の間には、水平旋回レール65が配置されて
いる。なお、両図では、油圧シリンダ72によって水平
旋回レール65が閉じられた状態を実線で示し、一番開
かれた状態(閉止状態から90度旋回した状態)を一点
鎖線で示している。
【0017】次に、スプール変換装置の動きの様子につ
いてその一例として図3乃至図5を用いて説明する。す
なわち、リールスプール12がアンワインダ3からスプ
ールスタンド62まで移動する過程を説明する。図3乃
至図5は、いずれも(a)が平面図、(b)が正面図で
あり、キャリッジ51、リールスプール12及び水平旋
回レール61の動きを順次示している。図3に示すよう
に、リールスプール12がアンワインダ3から上昇を始
めるに先立って、水平旋回レール61が油圧シリンダ7
1によって全閉状態から30度の角度旋回し、リールス
プール12が図4に示す位置まで上昇するための空間を
作り出す。水平旋回レール61は、前述したように最大
90度まで開くことができるが、動作時間の短縮を考
え、リールスプール12を下から上に通過させるスプー
ルアンローディングにおいては30度開けば十分である
ことから、開度を30度付近に制限している。図4に示
すように、リールスプール12は、水平旋回レール61
より高い位置に持上げられた後、水平旋回レール61を
全閉状態に閉じる。この状態になった後に、キャリッジ
51が下降し始める。図5に示すように、キャリッジ5
1が下降動作を継続した結果、リールスプール12が水
平旋回レール61上に残り(一点鎖線で図示)、更にリ
ールスプール12が水平旋回レール61の下り勾配によ
ってスプールスタンド62まで移動した後に停止する。
【0018】次に、スプールアンローダ5と水平旋回レ
ール61のロック状態及びアンロック状態について図6
乃至図9を用いて説明する。図6に示すように、レール
受け52は、スプールアンローダ5のメインフレームか
ら一部が突き出るように形成されており、水平旋回レー
ル61の先端部は、このレール受け52によって完全に
支えられている。また、レール受け52には、コの字形
ガイド53が固定されており、ロックバー66は、この
コの字形ガイド53の穴にエアシリンダ67によって挿
入されている。ロックバー66は、水平旋回レール61
側においてもコの字形ガイド68、69の穴を貫通して
いる。ロックバー66のロック強度は、最大重量のリー
ルスプール12が水平旋回レール61の先端部に乗った
状態下で、例えば水平震度0.3に十分耐え得るだけの
強度に設計されている。また、レール受け52には別体
のレール受金54がボルトで取付けられており、その上
面と水平旋回レール61の下面との間には、リールスプ
ールが乗っていない状態で0.5mm(ミリメートル)
以下の隙間となるように調整されている。このため、水
平旋回レール61上に、場合によっては10トンを超え
るようなリールスプール12が乗った状態では、水平旋
回レール61は、片側支持状態から両端支持状態に変わ
り、水平旋回レール61の支点ピン及び軸受けに作用す
る力を大幅に軽減することができる。
【0019】レール受け52、レール受金54、水平旋
回レール61、コの字形ガイド68及びロックバー66
の位置係合状態は、図7に示すようになる。また、水平
旋回レール61が閉じる直前の状態は、図8及び図9に
示すようになる。このように、水平旋回レール61は、
スプールアンローダ5とリールスプール返還レール6と
の連結及び分離機能を果たす。なお、図1と図2に示す
ように、親巻搬送装置4上部のスプール返還レール6と
リールパート1上部のスプール返還レール81との間に
も水平旋回レール65があるが、その構造、動作及びロ
ック・アンロック方式については、上述した水平旋回レ
ール61と同様である。また、水平旋回レール65が完
全に閉じられた状態では水平旋回レール61の先端部が
スプール返還レール81から突き出たレール受け52に
係合し、水平旋回レール61上をリールスプール12が
移動する時にその荷重は、水平旋回レール61が両端支
持梁となって支える点等も同様である。
【0020】次に、親巻スタンド42にある親巻11を
クレーンでアンワインダ3上に搬入する手順について、
図10と図11を用いて説明する。抄紙室内には、両図
に示すように、旋回機能付きクレーン90が配置されて
いる。親巻スタンド42に搬入された親巻11は、この
クレーン90によって、まず斜め上方に吊出される。そ
して、図11の矢印Aの方向に水平移動することで親巻
11を機外に出し、図10の矢印Bの方向に水平移動さ
せる。アンワインダ3の直前に配置された上下スイング
レール45の上には空間があり、親巻11は、この空間
から図11の矢印Cの方向に水平移動させて再び機内に
入れられ、最終的にアンワインダ3上に搬入される。別
の手順として、スプール返還装置上方に、親巻11の移
動に必要なだけの空間がある場合には、クレーン90に
よって斜め上方に吊出された後、図11の矢印Dの方向
に垂直移動させて上昇し、同図の矢印Bの方向に水平移
動させ、そして、上下スイングレール45の上にある空
間を下降させれば、最終的に親巻11をアンワインダ3
上に搬入することもできる。以上、一例として、親巻ス
タンド42に搬入された親巻11をクレーン90を用い
てアンワインダ3まで搬送する順序を説明したが、この
他にブレーキスタンド10上の親巻11を類似の方法で
搬送することもできる。
【0021】通常時には図10と図11を用いて説明し
たロールハンドリングを行うことはないが、例えば万
一、親巻搬送装置やスプール返還装置内でトラブルが発
生した時には、このようなロールハンドリングを行うこ
とによって抄紙機及びワインダの操業を継続でき、損失
防止上必要な配慮である。また、たまたまアンワインダ
3に送りたくないような品質の親巻がリールパート1で
できてしまった場合等には、その親巻11を機外に出し
て処理することが可能であることは、両図から明らかに
されている。また、上述したように、従来技術では残紙
の付着したリールスプール12からどの場所で残紙を取
り除くかということが課題の一つとなっているが、図1
0と図11に示すように、リールスプール返還装置内に
残紙除去装置が組み込まれていない場合には、親巻スタ
ンド42上が最良である。このことは、従来からリール
パート1に近い操作床上でこの作業が行われている例が
多いことからしても、妥当と言える。
【0022】図10と図11に具体例を示していない
が、スプールスタンド64まで自動返還されたスプール
を、クレーンを使用して親巻スタンド42上に搬入し、
残紙を除去した後、リールパート1上部のスプール返還
レール上に搬送するということは、太径の親巻11をハ
ンドリングするよりもはるかに容易であり、実用的と言
える。また、図12に示すように、旋回機能付きクレー
ン90を用いると、一旦機外に吊出した親巻11を18
0度回転させた後、アンワインダ3に搬入することもで
きる。例えば、ブレーキスタンド10上の親巻11を反
転させて親巻スタンド42上に搬入することも可能であ
る。親巻11をリールパート1とアンワインダ3との間
で反転させることは手間の掛かる仕事であり、通常その
必要が無いように抄紙設備が作られるが、非常に少ない
割合ながら、ワインダ2で生産される巻取紙の表裏を反
転させた製品需要がある場合には、有効である。
【0023】以上説明したように、本発明では、従来技
術の課題(図14参照)に関して実用上十分許容できる
改善がなされている。すなわち、 (1)残紙の付着したリールスプール12をリールパート
1近くまで自動返還し、リールパート1担当のオペレー
タが、スプール返還ラインに設置された水平旋回レール
65を開き、クレーンを使用してブレーキスタンド10
直後に配置された親巻スタンド42にリールスプール1
2を降ろし、そのスプールリール12から残紙を取り除
いた後再びリールスプール12をリールパート1の上部
に配置されたスプール返還レール81上に運び上げる操
作が可能である。ここで、通常ワインダ2におけるオペ
レータの作業は、数分周期で繰り返されている。それに
対して、リールパート1におけるオペレータの作業は、
約1時間周期で繰り返されている。また、残紙除去及び
それに伴うすべての作業は、ほとんどの場合30分以内
に終了できる。したがって、リールパート1担当のオペ
レータがリールパート1から大きく離れることなく残紙
除去作業ができるように設備を配置することは、非常に
利点が多い。リールパート1の残紙は、除去した後に、
通常図13に示すリールパート下部パルパ(損紙溶解設
備)91に投入される。ブレーキスタンド10直後に配
置された親巻スタンド42に降ろされたリールスプール
12から残紙の先端をパルパ91内に導いた後、パルパ
91内に設置された水シャワーやパルパ91内で渦巻く
水流の力によって連続的にリールスプール12から残紙
をパルパ91内に移動させる方法が採用されている。こ
の方法を実現するには、パルパ91とリールスプール1
2の幅方向中心を一致させることが不可欠となるが、図
14の従来例では、この条件を満足することは実用上不
可能である。
【0024】(2)アンワインダ3直前上部とリールパー
ト1直後上部に水平旋回レール61、65をそれぞれ配
置している。アンワインダ3直前上部に配置された水平
旋回レール61は旋回半径(旋回中心からレール先端ま
での距離)が3000mm(ミリメートル)以上、リー
ルパート1直後上部に配置された水平旋回レール65
は、旋回半径が2000mm(ミリメートル)以上、ま
た、旋回角度は全閉から全開まで90度が満足できるよ
うに構造を決めている。このような旋回半径及び旋回角
度の条件を満足させたことにより、親巻搬送装置4を経
由することなく天井クレーンを用いて直径2600mm
(ミリメートル)以上の親巻11をリールパート1から
アンワインダ3に搬送できる。この機能は、万一親巻搬
送装置及びリールスプール返還装置が故障した場合に、
ワインダ及び抄紙機の操業を継続するために必要とする
ものであるが、上述したように、ワインダ2で生産され
る巻取紙の表と裏を反転させたいという特別の要求をも
満足させることができる。また、上述したように、ブレ
ーキスタンド10の直後に配置された親巻スタンド42
で残紙除去作業を行う場合において、クレーンによるス
プールハンドリングに広い空間的範囲と視界を与えてお
り、操作を容易にしている。
【0025】(3)水平旋回レール61、65は、その上
をリールスプール12が通過するときの最大荷重作用時
には、十分な強度を有するレール受け金でその先端部を
支えて、両端支持梁構造になるように工夫されている。
この工夫によって、長い旋回半径を有する水平旋回レー
ル61、65をコンパクトな構造で実現している。さら
に、水平旋回レール61、65が閉じられた状態では、
閂構造のロック装置となり、不測の旋回動作が発生しな
いようにしている。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る親巻搬送及びリールスプー
ル返還装置は、親巻搬送ラインの上方にリールスプール
返還ラインが形成されている親巻搬送及びリールスプー
ル返還装置において、該リールスプール返還ラインの一
部を開閉可能な旋回レールで構成したので、リールスプ
ール返還ラインにあるリールスプールを例えばクレーン
等を用いて、オペレータの手が届き易い親巻搬送ライン
に搬入することができ、リールスプールの残紙を容易に
取除くことができる。
【0027】上記旋回レールをリールパート直後上部に
設けると、親巻搬送ラインにおけるリールパート直後の
場所は親巻が長い間とどまっている所ではないので、装
置の稼動状態は通常のままで支障なくリールスプール返
還ラインからリールスプールを親巻搬送ラインに搬入す
ることができる。
【0028】上記旋回レールは、水平に旋回するように
構成すると、例えば垂直旋回の場合と比べて、小さい旋
回角度で開口部を形成できるので、状況に応じて旋回レ
ールをある程度旋回させれば済む場合もあり、動作時間
を短縮化することができる。
【0029】上記旋回レールは、閉状態のときにその先
端下部がレール受け金の上部と係合するもので、該旋回
レールの先端下部と該レール受け金の上部との隙間が調
整可能であるように構成すると、リールスプール返還時
に作用する荷重をレール受け金を介して装置本体側で分
担するので、旋回レールの強度をあまり上げなくても済
み、簡易な構成であっても、重量が重いリールスプール
に適用することができ、汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る親巻搬送及びリール
スプール返還装置の正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る親巻搬送及びリール
スプール返還装置の平面図である。
【図3】図1と図2の親巻搬送及びリールスプール返還
装置におけるアンワインダ3付近を部分的に表した図面
であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図4】図1と図2の親巻搬送及びリールスプール返還
装置におけるアンワインダ3付近を部分的に表した図面
であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図5】図1と図2の親巻搬送及びリールスプール返還
装置におけるアンワインダ3付近を部分的に表した図面
であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図6】図1と図2の親巻搬送及びリールスプール返還
装置における水平旋回レール61付近を部分的に拡大し
て表したロック状態の図面であり、(a)は平面図、
(b)は正面図である。
【図7】図6の線VII−VIIによる断面図である。
【図8】図1と図2の親巻搬送及びリールスプール返還
装置における水平旋回レール61付近を部分的に拡大し
て表したアンロック状態の図面であり、(a)は平面
図、(b)は正面図である。
【図9】図8の線IX−IXによる断面図である。
【図10】図1と図2の親巻搬送及びリールスプール返
還装置においてクレーンにより親巻11を搬送する手順
を示す正面図である。
【図11】図1と図2の親巻搬送及びリールスプール返
還装置においてクレーンにより親巻11を搬送する手順
を示す平面図である。
【図12】図1と図2の親巻搬送及びリールスプール返
還装置においてクレーンにより親巻11を180度旋回
させて搬送する手順を示す平面図である。
【図13】従来の巻取紙製造設備配置を示す正面図であ
る。
【図14】従来の別の巻取紙製造設備配置を示す正面図
である。
【符号の説明】
1 リールパート 2 ワインダ 3 アンワインダ 4 親巻搬送装置 5 スプールアンローダ 6、81 スプール返還レール 7 クロスビーム 10 ブレーキスタンド 11 親巻 12 リールスプール 41、45 上下スイングレール 42、43、44 親巻スタンド 51 キャリッジ 52 レール受け 53、68、69 コの字形ガイド 54 レール受け金 61、65 水平旋回レール 62、63、64 スプールスタンド 66 ロックバー 67 エアシリンダ 71、72 油圧シリンダ 90 クレーン 91 パルパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−69499(JP,A) 特開 昭60−2551(JP,A) 実開 昭59−83840(JP,U) 特公 平2−11493(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 19/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親巻搬送ラインの上方にリールスプール
    返還ラインが形成されている親巻搬送及びリールスプー
    ル返還装置において、該リールスプール返還ラインの一
    部を開閉可能な旋回レールで構成したことを特徴とする
    親巻搬送及びリールスプール返還装置。
  2. 【請求項2】 上記旋回レールをリールパート直後上部
    に設けたことを特徴とする請求項1に記載の親巻搬送及
    びリールスプール返還装置。
  3. 【請求項3】 上記旋回レールは、水平に旋回すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の親巻搬送及びリー
    ルスプール返還装置。
  4. 【請求項4】 上記旋回レールは、閉状態のときにその
    先端下部がレール受け金の上部と係合するもので、該旋
    回レールの先端下部と該レール受け金の上部との隙間が
    調整可能であることを特徴とする請求項3に記載の親巻
    搬送及びリールスプール返還装置。
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