JP3523559B2 - 複合蒸着材およびその製造方法 - Google Patents

複合蒸着材およびその製造方法

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JP3523559B2 JP2000075661A JP2000075661A JP3523559B2 JP 3523559 B2 JP3523559 B2 JP 3523559B2 JP 2000075661 A JP2000075661 A JP 2000075661A JP 2000075661 A JP2000075661 A JP 2000075661A JP 3523559 B2 JP3523559 B2 JP 3523559B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放熱効果の高い膜
の作製に用いる蒸着材に関し、特にブラウン管の内壁に
設ける放熱用膜を製造する際に用いる蒸着材に係わる。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管のガラスの内壁は蛍光体、光
反射膜、シャドーマスクが配置されている。電子銃から
放出された電子がシャドーマスクを通り蛍光体に当たる
と、蛍光体が発光して画像が得られる。蛍光体から出た
光を有効に利用するため、光反射膜が設けられている。
この光反射膜は可視光領域の光反射率の高いアルミニウ
ムの蒸着膜が主に用いられている。
【0003】ブラウン管においては、電子銃から放出さ
れる電子によりシャドーマスクの温度が上昇するととも
に、赤外線が放出される。アルミニウムに赤外線が反射
されシャドーマスクの温度はますます上がることとな
る。シャドーマスクが熱膨張することで蛍光体に電子が
正確に当たらなくなり、色ずれが生じる問題があった。
この色ずれを防ぐ方法として、シャドーマスクに熱膨張
係数の小さいインバー材を使用したり、光反射膜の上に
カーボン粉末を塗布し赤外線の反射を下げる、つまり放
熱膜の作用をさせることが行われている。しかしなが
ら、インバー材は高価であることや、カーボン粉末塗布
は設備的に大掛かりになるなどの問題点があった。
【0004】これらの従来技術において、1回の蒸着作
業で蒸着初期と終期で組成の異なる膜を作製する方法
は、ほとんど検討されていない。本来、蒸着作業は蒸着
初期と終期で蒸着膜に組成差がない均一な蒸着膜を得る
ことを主目的に技術検討されているため、蒸着初期と終
期で組成の異なる膜を作製するには、初期蒸着材(A蒸
着材と言う)を蒸発トレーに載せ蒸発させた後、初期蒸
着材と異なった蒸着材(B蒸着材と言う)を再度蒸発ト
レーに載せ、蒸発させる事で実現させてきた。ただし、
この方法ではA組成膜とB組成膜が完全に分離した2層
構造の蒸着膜となるが、2回の蒸着作業が必要となる。
【0005】1回の蒸着で実現する方法として、蒸気圧
の差を利用することが考えられる。つまりA蒸着材とB
蒸着材を、溶解もしくは粉末冶金法で一体化して蒸着材
とすることが考えられる。蒸気圧の差で蒸着初期と蒸着
終期では異なった組成が得られるが、その組成差は小さ
いものである。
【0006】本発明者の研究よれば、例えばニッケル8
1.4wt%、鉄18.6wt%の原料を溶解した蒸着
原料を用いて蒸着した時の膜の組成は、蒸着初期の膜で
はニッケル80.2wt%、鉄19.8wt%で、約3
800Å蒸着された蒸着終期では、ニッケル81.0w
t%、鉄19.0wt%となる。蒸着初期と終期では
0.8wt%の組成の差が生じる。蒸着原料と比べて蒸
着された膜の組成が異なるのは、ニッケルに比べ鉄の蒸
気圧が高く、ニッケルより鉄が蒸発し易いためである。
蒸着初期と終期では0.8wt%の差は、同一組成膜を
作るには大き過ぎ、一回の蒸着で蒸着初期と終期で組成
差の大きい膜を作るには満足出来る組成差ではない。
【0007】従来、組成差を大きくする方法として、蒸
発トレーに蒸気圧の低い蒸着材を載せ、その上に蒸気圧
の高い蒸着材を載せるような事が行われている。例えば
ニッケルと鉄の板状のものを、ニッケル81.4wt
%、鉄18.6wt%の重量で蒸着トレー上に、ニッケ
ル、鉄の順に鉄を上にして蒸着すると、蒸着膜組成は蒸
着初期ではニッケル60.0wt%、鉄40.0wt
%、蒸着終期ではニッケル92.0wt%、鉄8.0w
t%と、合金法に比べ組成差は大きくなるが、蒸発トレ
ーへの2種類の蒸着材をずれることなくセットする、つ
まり蒸発トレー上で2種類の蒸着材の積み重ねを正確に
行う必要がある。また、ニッケルと鉄を表裏に貼り合わ
せた蒸着材を使用したとしても、表裏の確認が必要であ
り自動化等がネックであった。2種類の蒸着材の積み重
ね位置がずれると膜の組成が変わる。つまり蒸着作業毎
に蒸着初期と終期での組成差にばらつきが発生すること
になる。本発明者が30回の実験を行ったところ、蒸着
初期の膜組成がニッケル53.4〜81.0wt%、鉄
19.0〜46.6wt%の範囲で大きくばらつき、使
用することができなかった。
【0008】例えば、ブラウン管の内壁に蒸着膜を付け
る蒸着装置において、蒸着材の蒸発トレーへの供給自動
化を行うには、蒸着材形状が揃っていること、パーツフ
ィーダーでの整列、送りが容易な形状、ロボット等で取
り扱う時の取扱易さが重要である事と、蒸着膜厚を制御
するためにも蒸着材の体積(重量)を正確にする必要が
ある。φ2〜3mm*7〜15mm長さの丸棒形状の蒸
着原料の場合、外形寸法φは±0.05mm、長さは±
0.1mm程度の公差が要求される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】粉末冶金、熔解鋳造法
ではこれらの形状、精度を得るためには非常に高価な金
型を製作するか、母原料を機械加工を行い所望の形状に
する必要があった。高価な金型の製作もしくは機械加工
いずれにしても価格的に高いものとなってしまう欠点が
あった。
【0010】また、粉末冶金法で製造する時、融点の低
い錫を原料とすることは難しかった。例えば融点660
℃のアルミニウムと融点231℃の錫の粉末をホットプ
レス(HP)を用いた粉末冶金法では、錫の融点より低
い200℃位の温度ではHPを行っても粉末がほとんど
固まらない。アルミニウムの比重2.69g/cm
比べ錫の比重は7.28g/cmと約3倍あり、50
wt%でも体積では約20vol%位になるため、アル
ミニウムを熔着させられず、HPを行っても非常に脆
く、必要な形状に機械加工することは出来なかった。
【0011】例えばアルミニウムと錫よりなる蒸着材と
して、本発明者等は錫の延性に着目し、アルミニウム管
に錫棒を挿入し、冷間で線引き加工することによりアル
ミニウム外装、錫芯材のクラッド蒸着材およびその製造
方法を既に発明しており、既に出願中でアルミニウムと
錫の組成が蒸着初期と終期で異なり、蒸着初期ではアル
ミニウム含有量の多い蒸着膜を1回の蒸着作業で得られ
ることを説明している。
【0012】芯材として錫やニッケル、鉄、白金、金、
鉛等の様に容易に棒状のものが容易に入手出来るもの
は、特に問題とはならなかったが、例えばクロームの様
に棒状の入手は可能であるが、粉末に比べ非常に高価で
ある様なものには適用が難しかった。
【0013】また、延性の小さな金属を芯材として用い
クラッド形状の蒸着材を作る場合は径の小さな芯材を用
いる必要があり、またアルミニウム管との延性の差でア
ルミニウムが主に延ばされ線引き加工時に切断する等の
問題があり、適用が難しい点があった。
【0014】そこで、本発明では、蒸着初期の膜組成と
蒸着終期の膜組成は異なっており、蒸着初期の組成は蒸
気圧の高い材料がリッチであり、蒸着終期の組成は蒸気
圧の低い材料がリッチである蒸着膜を得ることを目的と
する。また、蒸着膜が容易に得られ、蒸着初期と終期の
組成差が大きい蒸着膜を、1回の蒸着で飛ばす事が出来
る複合蒸着材を提供すること、さらに蒸着装置に容易に
複合蒸着材を自動供給出来る複合蒸着材を提供すること
を目的とする。また、丸棒等の製造が難しい金属や、製
造出来ても粉末に比べ価格が高い金属、延性の小さな金
属を用いることが出来る複合蒸着材を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の蒸着材は、アル
ミニウム基体と前記アルミニウム基体の軸領域に分散さ
れた金属粒子を備え、前記アルミニウム基体が高蒸気圧
の金属であり、前記金属粒子が低蒸気圧の金属である複
合構造を有し、一回の蒸着作業で蒸着膜の蒸着初期の組
成は高蒸気圧のアルミニウムがリッチであり、蒸着終期
の組成は低蒸気圧の金属がリッチとなる蒸着膜を得るた
めの複合蒸着材である。
【0016】同一の真空度において、低温で蒸発する金
属を高蒸気圧の金属といい、高温にしなければ蒸発しな
い金属を低蒸気圧の金属という。例えば、アルミニウム
とクロムを比較した場合、同一の真空度であればアルミ
ニウムの方が低温で蒸発するので高蒸気圧と言え、クロ
ムはアルミニウムより高温にしないと蒸発しないので低
蒸気圧と言える。つまり、同一真空度ではアルミニウ
ム、クロムの順で蒸発に必要な温度が高くなると言え
る。
【0017】本発明の蒸着材は、アルミニウム基体の軸
領域に金属粒子を分散させ、前記金属粒子がクロム、コ
バルト、モリブデン、ニオブ、タンタル、タングステ
ン、ベリリウム、ニッケル、スズ、鉄,鉛、シリコン、
チタン、バナジウム、白金、カーボンから選ばれる少な
くとも一つの材料で構成される。この蒸着材は、蒸着初
期と蒸着終期の膜組成を変化させた蒸着膜を得ることが
できる。この構成において、金属粒子を次のように構成
することもできる。すなわち、同一の単体金属粒子のみ
を用いること、異なる単体金属粒子を混合したものを用
いること、複数の元素からなる合金の粒子を用いるこ
と、異なる組成の合金粒子を混合したものを用いること
としてもよい。
【0018】上記金属粒子は、次に挙げる効果の少なく
とも一つを奏するような添加物を含むものを使用しても
よく、ステアリン酸アルミニウムなどが添加物として例
示される。前記効果として、金属粒子の表面を滑らかに
すること、金属粒子の帯電を防止すること、金属粒子同
士の摩擦あるいは吸着を抑制することなどが挙げられ
る。
【0019】金属粒子には、アルミニウム基体より蒸気
圧の低い材料を用いる。これは蒸着膜の基板側をアルミ
ニウムを主とする組成にする上で必要な条件である。た
だし、通常は蒸着に向かない材料の粒子であっても、ア
ルミニウム基体軸領域に分散させることで、アルミニウ
ムがキャリアとなって当該粒子を蒸発させることができ
る。
【0020】金属粒子の形状は、球状、楕円状、6面体
や8面体もしくはこれ以上の多面体状、板状、フレーク
状、針状、個々の形状に規則性が見いだし難い不定形、
またはこれらの組合せ形状のものを用いることができ
る。また、単体の粒子ではなく、複数の粒子を結合させ
た粒子を用いてもよい。ただし、蒸着材における蒸発速
度など均一性を保持し、組成の均一な蒸着膜を形成する
ためには、ほぼ類似の形状であって粒径の分布が均一で
ある粒子からなる粉末を用いるほうが好ましい。
【0021】蒸着材の軸領域に金属粒子を分散させる度
合いは適宜選択可能である。すなわち、基体軸領域断面
に一様に金属粒子を分布させた構造の複合蒸着材、蒸着
膜を実質的に2層構造にさせるためには、基体断面の中
心付近に金属粒子を偏在させた構造の複合蒸着材が最も
好ましい。ここで、基体の断面とは、アルミニウム基体
のペレットを長手方向に直交する向きで切断した断面の
ことをいう。これらの基体軸領域は、長手方向において
は粒子の分布が一様であることが好ましい。
【0022】アルミニウム基体の組成には、アルミニウ
ム、アルミニウムを主として添加物を添加したもの、ま
たはアルミニウム合金を用いることができる。添加物と
しては蒸着残渣として蒸着トレーに蒸発しない物質が、
残らないものを選定することが望ましく、クロム、コバ
ルト、モリブデン、ニオブ、ニッケル、シリコンなどが
添加物として例示される。
【0023】本発明の複合蒸着材の外観は、柱状(円
柱、多角柱等)あるいは棒状とする。以下、これらの形
状を纏めてペレットあるいはチップと称する。ハンドリ
ングマシーンや供給機により、個々の複合蒸着材を蒸着
装置に供給する場合、複合蒸着材の形状は柱状とするこ
とが望ましい。ペレットの代わりに線状(ワイヤー)の
蒸着材の場合、蒸着材としての体積を確保するために折
り畳んだ束や円状の巻線とすることもある。
【0024】本発明の複合蒸着材において、前記金属粒
子の粒径が、少なくとも単位体積中の粒子の70%以上
について、30μm以下である。さらに望ましくは、前
記金属粒子の粒径が、10μm以下であることとする。
前記金属粒子の平均粒径が0.1〜100μmの範囲に
あることとしてもよい。さらに密集させた粒子の均一性
を向上させるためには、平均粒径を0.1〜40μmの
範囲とすることが望ましい。金属粒子の径を規定するこ
とにより、粒子の表面積を確保しバインダー(つなぎ)
の役目をするアルミニウム粉末との、結合面積を増やす
ことにより金属粒子の脱落を防止することができる。ま
た、金属粒子とアルミニウムを混合した粉末の見かけ比
重(嵩密度)を大きくすることができ、複合蒸着材の軸
領域の寸法の安定化につながる。
【0025】粉末中で粒径の大きすぎる粒子の割合が増
えると、基体の長手方向における粒子の分布が不均一と
なったり、基体と粒子の間に空隙・ボイドが生じたりす
るおそれがある。そこで、粒子の分布の均一性を保持す
るために、粒径の小さいものの割合を確保したり、適切
な平均粒径を規定する。粒径の均一性つまり粒度分布を
向上させるほど、蒸着膜の均一性を良くすることもでき
る。
【0026】ここで上記粒径は、本発明の複合蒸着材の
側面、あるいは複合蒸着材を切断した断面で観察するも
のである。断面は、複合蒸着材の長手方向に垂直な断面
あるいは長手方向に平行な断面に限らず、任意に切断し
た断面としてよい。断面で観察するときの粒径とは、粒
子の最短径と最長径を測定し平均値を取る2軸平均径を
いう。平均粒径については、任意の仮想線を横断する粒
子の径の合計長さを粒子数で除したものをいう。また、
混合前の粉末の粒径や平均粒径も同様に粉末を写真に撮
り2軸平均径から求めた粒径と、写真上の任意の仮想線
を横断する粒子の径の合計長さを粒子数で除した平均粒
径を用いた。粒度分布は前記方法で求めた粒径をヒスト
グラム化したものである。
【0027】本発明の複合蒸着材の製造方法は、金属粒
子とアルミニウム粒子を混合した粉末を形成する工程
と、前記粉末をアルミニウム管の中に充填する工程と、
前記アルミニウム管に通気性の栓をする工程と、前記ア
ルミニウム管を冷間加工して径を縮小してアルミニウム
線にする工程と、前記アルミニウム線を分割して複合蒸
着材を得る工程とを備える。
【0028】アルミニウム粒子は、金属粒子とアルミニ
ウム基体を一体として接合するバインダーの機能を持
つ。バインダー機能を有効に達成するために、金属粒子
の寸法規定範囲に対して、アルミニウム粒子の寸法μm
や、アルミニウム粒子と金属粒子の混合比(重量比での
比較、すなわちwt%)も規定する必要がある。金属粒
子よりもアルミニウム粒子が少なければ、ペレット状に
切断した複合蒸着材の側面から金属粒子が剥離や脱落す
ることがないとも限らない。逆に、金属粒子がアルミニ
ウム粒子に対して少なすぎると、バインダー効果は十分
であるが、蒸着膜中の金属膜の厚さが薄くなり、2層膜
として機能が十分に得られないことも考えられる。
【0029】そこで、アルミニウム粒子の粒径は、少な
くとも単位体積中の粒子の70wt%以上について、1
00μm以下とする。さらに望ましくは粒径が70μm
以下であることとする。また、平均粒径を1〜100μ
mの範囲に設定することとしてもよい。粒子の作製は、
ガスアトマイズ法、所定の大きさの固まりを粉砕するボ
ールミリング法等を用いる。なお、本発明において、
「1〜100」の表記は、「1以上、かつ100以下」
と等価である。
【0030】アルミニウム粒子と金属粒子の混合比は、
Rv=(金属粒子のwt%)/(アルミニウム粒子のw
t%)で表し、Rv=0.5以上、かつ19以下とす
る。さらに望ましくは、Rv=2以上、かつ15以下の
範囲とすることで、双方を混合させた粉末の均一性が向
上される。2種類以上の粒子を混合させる方法として、
粉末を密封容器に入れ不活性ガスを封入して、容器を回
転、揺動させる混合機、あるいは不活性ガスを封入出来
るV型ミキサーを用いる。不活性ガスを封入するのは、
粉末の酸化や爆発を防ぐためである。また、密封容器は
金属製のものを用い、容器の一部をアースすることで静
電気の帯電を防止し、爆発の危険性を下げる事で、安全
に粉末を混合することが出来る。また、上記の様に粒径
や混合比等を規定することで、本発明のアルミニウムと
金属粒子の複合蒸着材を欠陥なく構成できる。
【0031】アルミニウム管に充填する混合粉末は、粉
末の流動性を表す安息角で45度以下であることが必要
である。好ましくは安息角が35度以下である。安息角
は10cmの高さから混合粉末を一点に自然落下させ、
混合粉末が作る円錐形の底辺と斜面で構成する角度で規
定した。一般に安息角が小さいほど粉末の流動性は良い
ものである。
【0032】アルミニウム管に混合粉末を充填するに
は、アルミニウム管を地面に対し60度から80度に傾
けて保持し、混合粉末を自然落下で充填することが好ま
しい。80度から90度の角度にアルミニウム管を保持
し、混合粉末を自然落下で充填するとアルミニウム管内
の空気が抜けず、混合粉末がブリッジを作り、空気溜ま
りが発生して、完全に充填することができない。この状
態で振動を与えたり、棒で突っついても空気溜まりを除
去することは難しいものである。また、60度以下の角
度で混合粉末を充填したのち、アルミニウム管を略垂直
に立てると、混合粉末がブリッジを作りやすく好ましい
ものではない。
【0033】前記したように、アルミニウム管に混合粉
末を充填する際のアルミニウム管の傾斜角度、混合粉末
の安息角を規定することで、アルミニウム管に混合粉末
を自然落下で確実に充填することが可能となる。アルミ
ニウム管に混合粉末を充填した後、アルミニウム管に振
動を与えたり、棒で突っついたりしてより充填密度を上
げることもできる。
【0034】前記アルミニウム管に前記混合粉末を充填
する際には、冷間加工の工程で混合粉末が漏洩しないよ
うにアルミニウム管の開口を閉じる必要がある。この開
口部の閉鎖方法には、次の方法を用いることができる。
アルミニウム管の一方の端を機械的につぶして閉じる方
法、アルミニウム管内に固定用の栓を設ける方法、アル
ミニウム管の端を変形させて且つ固定用の栓を併用する
方法などが挙げられる。固定用の栓には、通気性あるい
は弾力性を持たせることが重要である。通気性は、粉末
の隙間に含まれる空気を逃がす作用をもたらし、結果と
して蒸着材中の残留酸素量を低減させたり、ボイドの発
生を防止させる。弾力性は、栓の移動を防止して、粉末
を十分に充填させることに寄与する。
【0035】前記の粉末固定の手段を設けた後、アルミ
ニウム管の中に粉末を注入する。この際、粉末の充填率
(密度)を高めるための工程を付加することができる。
この工程では、一方の開口から細い棒で粉末の上面を突
き固める方法、あるいはアルミニウム管をハンマーで軽
く叩いて衝撃や揺動、振動で粉末の密度を上げる方法、
アルミニウム管に超音波を与えて粒子間の空隙を埋める
方法などを用いる。これら充填工程の後、アルミニウム
管の開口部に固定用の栓をする。しかしながら、過度の
揺動や振動を加えることは、粒径や比重の差によって生
じるアルミニウム粒子と金属粒子の分離を起こす恐れが
あるため注意を要する。
【0036】アルミニウム管の冷間加工には、押し出し
加工あるいは引き抜き加工(線引き加工ともいう)を用
いる。これらの加工方法は、線引きあるいは押出し用ダ
イスに前記アルミニウム管を通すことによって径方向に
圧縮し、その径を細くさせて且つ長手方向に伸ばす。こ
の圧縮・伸長において、アルミニウム管や装置自体に対
して熱処理の付加は行わないが、冷間工程で圧縮された
アルミニウム粒子が塑性をもって流動するか、粉末同士
の摩擦による発熱で局所的に溶解することにより、金属
粒子同士の間に入り込むと考えられる。こうして細く線
引きされたアルミニウム管と金属粒子の間にアルミニウ
ムが充填され、アルミニウム管とアルミニウム粒子およ
び金属粒子は一体化し、実質的にアルミニウム基体の軸
領域に金属粒子が分散する構造を得る。
【0037】分割工程では、ねじ切り、切断などによっ
てアルミニウム線を所定の長さに切り分けてペレット状
の複合蒸着材を得る。続けて、ペレットの端面にできた
バリの除去を兼ねてパーツフィーダー等の自動供給がし
易いように面取り加工を行う。少なくとも蒸着材の側面
(長手方向の面)の端部の角が面取りによって除去され
ていることが望ましい。アルミニウム線の切り分けと面
取りもしくは端面丸め加工を同時に行うことも可能であ
る。また、端部の角を側面の側に押しつぶす転造加工を
施して、端面丸め加工を行ってもよい。
【0038】
【発明の実施の形態】図面を参照しながら本発明の実施
形態について、以下に詳細を説明する。図1は、本発明
の複合蒸着材の一実施態様の斜視図、図2は本発明の複
合蒸着材の一実施態様の断面図であって、円柱状のアル
ミニウム基体1と、前記アルミニウム基体軸領域に分散
された金属粒子2を有する複合蒸着材を示した。点線は
アルミニウム基体軸領域4に相当し、主として金属粒子
がアルミニウム粒子中に分散されている領域である。こ
の軸領域4の側面には、金属粒子2が露出された部分が
存在する。アルミニウム基体1中の軸領域4以外の部分
は、アルミニウムで構成されている。円柱の両方の端面
には面取り3を施した。寸法としてはアルミニウム基体
の外径をφ2.0mmとして、端面の面取りをC0.3
mmとした。点線の軸領域4の径を約φ0.7〜0.9
mmとして、長さを14mmとした。本実施例では金属
をクロム(Cr)として、基体をアルミニウム(Al)
とした。
【0039】次に本実施例で用いた製造方法について図
3と図4の工程フロー図で説明する。まず、アルミニウ
ム粉末とクロム粉末を不活性ガスを充填した密封容器に
いれて、密封容器を回転・揺動させて、アルミニウム粉
末とクロム粉末を均一に混合した(ステップ1)。不活
性ガスを充填した状態で混合するのは、アルミニウムお
よびクロム粉末の酸化を防ぎ、静電気等による爆発を防
ぐためである。混合させた粉末中、アルミニウム粉末は
平均粒径が75μmであり、クロム粉末は平均粒径が1
0μmとした。アルミニウム管(パイプ)には外径φ1
5.0mmであり、内径φ6.25mmであり、長さ3
50mmの中空棒を用いた。アルミニウム管の中空部に
アルミニウムとクロムの粉末を挿入する前に、アルミニ
ウム管の特に内表面の油等の付着物や酸化皮膜を除去す
るために、酸洗い、水洗、乾燥をおこなった。
【0040】クロム粉末80wt%とアルミニウム粉末
20wt%を、不活性ガス中で混合した混合粉末を10
cmの高さから自然落下させた時の安息角は33〜40
度であった。
【0041】次に、アルミニウム管の片方の端をハンマ
ーで叩いて、内径を若干量小さくした。アルミニウム管
の一方の端に、綿状に丸めたステンレスワイヤーからな
る栓8を詰めて固定した(ステップ2)。アルミニウム
管を地面に対し約75度の角度に保持し、アルミニウム
管の他方の端の開口からアルミニウムとクロムを混合さ
せた粉末を注いだ後、アルミニウム管を地面に対し略直
角に保持し細い棒で突き固めた(ステップ3)。開口を
ふさぐように同様のステンレスワイヤーの栓を詰めてハ
ンマーで叩き、アルミニウム管に粉末を充填させた(ス
テップ4)。ステンレスワイヤーの栓はφ18μmのS
US糸を絡ませた構造であり、粉末を固定するに十分な
弾力性と、通気性を合わせ持つ。この通気性は、次の冷
間加工工程でアルミニウムとクロムの混合粉末の粒子間
に存在する空気を排除させるための通気孔として機能す
る。通気孔によって粉末内部の空気を除去することはア
ルミニウム基体と金属粒子の強固な密着を得るためであ
り、空気が残るとアルミニウム基体と金属粒子の間に隙
間が出来たり、アルミニウム管から金属粒子が抜け落ち
るおそれがあるためである。また、蒸着材中の不純物酸
素量が多くなったり、蒸着を行ったときアルミナの様な
蒸着残渣の発生が起こることを防ぐ機能もある。
【0042】次にアルミニウムとクロムの粉末を充填さ
せたアルミニウム管を伸長させる冷間加工工程を説明す
る。アルミニウム管の一方の端を頭打ち機と呼称される
装置で均一に叩き、線引き用ダイス孔径より小さい固定
部9を形成した。固定部9の長さは約40mmとした。
この固定部9を線引き用ダイス10の孔に通し、引っ張
り加重装置11で挟持して引っ張り加重装置を動かし、
固定部に引っ張り加重をかけることで、線引き用ダイス
の孔からアルミニウム管を引き抜いた(ステップ5)。
引き抜きの速度、すなわち伸線速度は約30m/分とし
た。引き抜かれたアルミニウム管の外径はダイスの孔の
径に絞られて小さくなった。この引き抜き工程を線引き
と呼称する。次に、線引き用ダイスを孔の径の小さいも
のに交換して、同様の引き抜き工程を行って、アルミニ
ウム管の径をさらに小さくした。線引き用ダイス孔径よ
り径の小さい固定部9の形成は適時行った。この工程を
繰り返して、外径を徐々に細くさせてアルミニウム管を
伸長させ、所定の外径のアルミニウム線を得た(ステッ
プ6)。ステンレスワイヤーの栓が詰まっている部分
を、a−a’,b−b’で切断し、アルミニウム基体の
軸領域に金属粒子を分散させた外径φ2mmの線材が得
られた(ステップ7)。この線材を所定の長さに切断、
面取り加工することでアルミニウム基体の軸領域に金属
粒子を分散させた複合蒸着材ができた。
【0043】冷間の線引き工程でアルミニウム管を外径
φ15.0mmから外径φ2.0mmまで加工するの
に、一回の線引きで断面積で約10〜25%の減少率と
したため、20種の線引きダイスを使用した。ここで用
いたダイスの孔の径Rd(mm)と、リダクションRe
d.(%)を図5に示す。リダクション率Red.=
(1−線線引き後の断面積/線引き前の断面積)*10
0(%)である。外径φ2.0mmになると、アルミニ
ウム粒子とアルミニウム管は一体のアルミニウム基体と
なり、このアルミニウム基体軸領域にクロム粒子が分散
する構造を有するアルミニウム線を得ることができた。
常温かつ大気圧中で冷間線引き加工行ったが、熱間線引
き加工することで一回の線引きでの線引き率を上げ、線
引きダイスの数を減らすことは可能であるが、アルミニ
ウム管内の空気中酸素によりアルミニウムおよびクロム
の酸化を防止する方策を取る必要がある。このことか
ら、リダクション率を落とし線引き回数を増やす方が、
製造する上では容易であると言える。
【0044】次に、アルミニウム線から所定の長さのペ
レットを得るために、線引き完了したアルミニウム線を
切断機で長さ14mmに切り分けた。面取りは旋盤を用
いて行ったが、プレスを用い加工する事も可能である。
切断と面取り加工もしくは端部丸め加工を同時に行うこ
とも可能である。端部丸め加工は、転造機を用いアルミ
ニウムの塑性変形加工を行なう事で達成することもでき
る。図1に示すような面取りを行った丸棒形状としたた
め、振動式パーツフィーダーで複合蒸着材を整列し、搬
送を行っても、何ら問題なく蒸着機に供給できた。面取
りを行わない複合蒸着材についても実験を行ったが、複
合蒸着材の端面がパーツフィーダーの壁面に引っかかっ
たり、複合蒸着材同士が引っかかったりして、整列や搬
送が上手く行かない。また、面取りをC1mmつまり端
部を円錐形にすると、複合蒸着材の下に他の複合蒸着材
が潜り込み、これも整列や搬送が上手く行かなかった。
これらの事から、面取りはC0.3〜0.6mmが最も
整列、搬送が問題なく行える値と考えられる。ただし、
これらの最適な面取りの寸法は、外径φ2、長さ14m
mの複合蒸着材形状の時であり、外径、長さが変われば
最適値は変わるが、概略外径値の15〜30%の面取り
を行えば良い。実施例ではC面取りを行ったが、曲面を
持ったr面取りでも良いものである。
【0045】外径φ15.0mmと内径φ6.25mm
の寸法であるアルミニウム管に、クロム80wt%,ア
ルミニウム20wt%で混合した粉末を詰め、外径φ
2.0mmに線引きした場合、クロムの分散した軸領域
の径はφ約0.85mmとなり、全体に占めるクロムは
約15wt%となった。
【0046】本発明の複合蒸着材を用いて、蒸着した膜
の組成に付いて図6を用いて説明する。図6中aと示し
ているのが本発明の複合蒸着材である。図6中bと示し
ているのが比較の蒸着材で、平均粒径75μmのアルミ
ニウム粉末と平均粒径10μmのクロム粉末を、アルミ
ニウム85wt%、クロム15wt%になるように秤
量、混合し油圧プレスで仮成形を行った後、真空ホット
プレスを用いて温度600℃、圧力0.3t/cm
真空度10−2Paの条件下で焼結を行ったものであ
る。このアルミニウムとクロムの焼結体を、機械加工で
外径φ2mm、長さ14mm、面取り0.3mmに仕上
げた。
【0047】本発明の複合蒸着材と比較用の蒸着材を使
用して蒸着膜を形成した。真空装置のベルジャー内に、
前記の蒸着材とガラス基板を配置し、前記蒸着材を加熱
・蒸発させて、前記ガラス基板にアルミニウムとクロム
の蒸着膜を形成した。蒸着膜は、アルミニウムとクロム
の合金膜であって、ガラス基板側つまり蒸着初期がアル
ミニウムリッチで蒸着終期がクロムリッチな蒸着膜とな
った。使用したガラス基板は、分析精度を上げるためア
ルミニウムとクロムが含まれない組成のものを使用し
た。
【0048】蒸着条件は真空度10−2Pa、印加電圧
3.5V、蒸着時間70秒、蒸着材を載せるトレーはボ
ロンナイトライト(BN)を使用し、3200Åの蒸着
膜厚となるようにした。ガラス基板に蒸着された膜の、
膜厚方向の膜組成をオージェ分析機を用いて分析した。
【0049】図6に示すように、aの本発明の複合蒸着
材は、蒸着初期の膜組成はAlがほぼ100%であり、
蒸着終期の膜組成ではAlが約30%(残りはCr)に
なっている。比較に入れたbの蒸着材は蒸着初期の膜組
成はAlが約87%であり、蒸着終期でもAlが約55
%である。本発明の複合蒸着材は、金属粒子とアルミニ
ウム基体が同時に溶けたとしても、アルミニウム基体が
金属粒子を覆うようになり、蒸気圧の高いアルミニウム
が飛び出すと同時に、溶融したアルミニウム基体と金属
粒子が混じり始め、合金となり蒸発していくものと考え
られる。蒸気圧の高いアルミニウム基体が蒸発し、その
後アルミニウム基体と金属粒子の合金が蒸発するため、
蒸着初期と終期で組成に大きく差がついた蒸着膜が得ら
れたと考えられる。比較として用いたbの蒸着材は、両
方の金属が表面に出ているため、蒸気圧の差のみで蒸着
膜組成の差が生じて、蒸着初期と終期で蒸着膜組成の差
が小さいものと考えられる。
【0050】実施例2を説明する。外径φ15.0mm
と内径φ6.25mmの寸法を有するアルミニウム管
に、クロム30wt%とアルミニウム70wt%を混合
した粉末を詰めて、外径φ2.0mmとなるまでアルミ
ニウム管を線引きした。線引き後、クロムの分散した軸
領域の径はφ約0.83mmとなり、全体に占めるクロ
ムは約5.5wt%となった。アルミニウムの比率が高
いため、複合蒸着材の断面を観察すると、円形のアルミ
ニウム地の軸領域にはクロム粒子が島状に分散配置され
ていた。
【0051】実施例3を説明する。図7の工程フローに
示すように、ステップ2の開口を密封閉鎖してアルミニ
ウム20wt%、クロム80wt%の混合粉末を充填
し、他方の開口閉鎖はφ18μmのステンレスワイヤー
で栓閉鎖を行なった。密封閉鎖した側を頭打ち機で加工
しダイス孔径より小さい固定部9を形成し、線引きして
所定の外径のアルミ線を得た。(ステップ6)線引き条
件等は実施例1と同じである。逆に、ステンレスワイヤ
ーの栓で閉鎖した側を頭打ち機で叩いて固定部9を形成
し、線引き加工を行ったところ、充填した混合粉末間に
存在した空気が抜けず、外径φ10mm程度まで線引き
した時点でアルミニウム基体が圧縮された空気のため破
裂してしまった。片端を密封したアルミニウム管を用い
ることは可能であるが、密封した方を頭打ち加工して線
引き加工する必要がある。
【0052】
【発明の効果】以上で説明したように、アルミニウム基
体と、前記アルミニウム基体軸領域に分散された金属粒
子を備え、前記アルミニウム基体が高蒸気圧の金属であ
り、前記金属粒子が低蒸気圧の金属である複合蒸着材を
用いることにより、蒸着初期の膜組成と蒸着終期の膜組
成が異なっており、蒸着初期の組成は蒸気圧の高い材料
がリッチであり、蒸着終期の組成は蒸気圧の低い材料が
リッチである蒸着膜が容易に得られる。また、蒸着初期
と終期の組成差が大きい蒸着膜を、一回の蒸着で飛ばす
事ができる。また、蒸着装置に容易に複合蒸着材を自動
供給出来る。また、丸棒等の製造が難しい金属や、製造
出来ても粉末に比べ価格が高い金属、延性の小さな金属
を用いた複合蒸着材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合蒸着材の斜視図である。
【図2】本発明の複合蒸着材の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る複合蒸着材の製造方
法を説明する工程フロー図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る複合蒸着材の製造方
法を説明する工程フロー図である。
【図5】ダイスの径Rdとアルミニウム管のリダクショ
ンの関係を説明するグラフである。
【図6】蒸着初期と蒸着終期の蒸着膜組成を示すグラフ
である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る複合蒸着材の製造
方法を説明する工程フロー図である。
【符号の説明】
1 基体、2 金属粒子、3 面取り、4 軸領域、5
アルミニウム粒子、6 密封容器、7 アルミニウム
管、8 固定用栓、9 頭打ちされた部分、10 線引
き用ダイス、11 引っ張り加重装置、12 13 ア
ルミニウム線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム基体と前記アルミニウム基
    体の軸領域に分散された金属粒子を備え、前記アルミニ
    ウム基体が高蒸気圧の金属であり、前記金属粒子が低蒸
    気圧の金属である複合構造を有し、一回の蒸着作業で蒸
    着膜の蒸着初期の組成は高蒸気圧のアルミニウムがリッ
    チであり、蒸着終期の組成は低蒸気圧の金属がリッチと
    なる蒸着膜を得るための複合蒸着材。
  2. 【請求項2】 アルミニウム基体の軸領域に金属粒子を
    分散させ、前記金属粒子がクロム、コバルト、モリブデ
    ン、ニオブ、タンタル、タングステン、ベリリウム,ニ
    ッケル、スズ、鉄、鉛、シリコン、チタン、バナジウ
    ム、白金、カーボンから選ばれる少なくとも一つの材料
    で構成されることを特徴とする請求項1に記載の複合蒸
    着材。
  3. 【請求項3】 前記金属粒子の平均粒径が、0.1〜1
    00μmの範囲にあり、また、前記金属粒子の粒径が少
    なくとも単位体積中の金属粒子の70%以上について、
    30μm以下であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の複合蒸着材。
  4. 【請求項4】 金属粒子とアルミニウム粒子を混合した
    粉末を形成する工程と、前記混合粉末をアルミニウム管
    の中に充填する工程と、前記アルミニウム管に通気性の
    栓をする工程と、前記アルミニウム管を冷間線引き加工
    して径を縮小してアルミニウム線にする工程と、前記ア
    ルミニウム線を分割して蒸着材を得る工程とを備えるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の複合蒸着材の製造方
    法。
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KR101378307B1 (ko) * 2012-01-27 2014-03-27 한국교통대학교산학협력단 수소 생산 멤브레인용 바나듐-알루미늄 복합재료의 제조방법 및 이 방법에 의해 제조된 복합재료

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