JP3522601B2 - 自動車用シートバック - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、自動車用シート
バック、特に自車が他車に追突された時に、自車乗員の
頚椎を保護する自動車のシートバック構造に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来のかかる自動車のシートバックとし
ては、例えば特開平１０−１１９６１９号公報に示すよ
うに、サイドフレームの上端部の前側に回転ヒンジを有
する横フレーム部材を備え、追突されたことに伴う受圧
部を備えている。

【０００３】このため、例えば自車が追突された時、シ
ートバックには、前側に向けての衝撃的な荷重（一次衝
突）が最初に作用し、次に、乗員による反動荷重（二次
衝突という）が後ろ側に向けて作用する。即ち、受圧部
に該荷重が作用する。その際、受圧部は、後ろ側に移動
することにより、前側の回転ヒンジを中心に横フレーム
が前側に回転して、該横フレームに支持されたヘッドレ
ストが乗員の頭部相当部に移動することで、ヘッドレス
トは、乗員の頭部に接近する方向に作動する。

【０００４】従って、自車が追突された時に、自車乗員
の反動荷重でシートバックが後ろ側に撓んでも、該反動
荷重によって受圧部が梃子の原理によりヘッドレストを
瞬時にして乗員の頭部に接近作動させるので、乗員の頭
部は、ヘッドレストに確実に受け止められ、乗員の頚椎
の保護が図られる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術にあっては、前側に回転ヒンジが設けら
れているので、前側からシートバックを押圧すると、そ
こに回転ヒンジを異物として捕らえられることになる。
また、横フレーム部材が前側に傾くので、乗員の肩部に
干渉し易くなり、肩部などにより横フレーム部材の移動
が停止されるおそれがあり、ヘッドレストの前側への移
動量に改善が求められている。

【０００６】この発明は、このような従来の技術に着目
してなされたものであり、ヘッドレストが前側に移動す
る際の回転中心位置が異物感として乗員に与えることが
なく、しかも、受圧部で押された分だけヘッドレストが
大きく前側に移動することができることを目的とした自
動車用シートバックを提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、両側部に少なくともサイドフレームを有するシート
バックフレームと、該サイドフレームの上端部の前側間
に左右に架設されてなるアッパクロスメンバと、該アッ
パクロスメンバに前後回転自在に軸支されてなると共に
追突に伴う衝撃荷重を受け得る位置に受圧部が下端部に
配されてなる受圧部材と、該受圧部材の上端部に固設さ
れてなると共に左右に延在されてなるヘッドレスト支持
部材と、前記受圧部材を挟む位置に前記ヘッドレスト支
持部材に支持されてなるヘッドレストホルダブラケット
と、該ヘッドレストホルダブラケットに上下移動自在に
支持されてなるヘッドレストとより少なくとも構成され
てなる。

【０００８】請求項１に記載の発明によれば、受圧部材
の下端部に配された受圧部に乗員の二次衝突による荷重
が加えられた場合、受圧部材が前後に回転して、上端部
を介してヘッドレストを支持した前記ヘッドレスト支持
部材が前後に回転するので、回転中心がアッパクロスメ
ンバにあり、異物感を乗員に与えることがない。また、
ヘッドレストと共に回転する受圧部材は、乗員の肩部に
干渉しにくい位置にあり、その分、ヘッドレストは前側
に移動できることになり、乗員の頸部を確実に保持でき
ることになる。また、サイドフレームとアッパクロスメ
ンバとにより方形をなすので、シートバックの強度が著
しく向上し、二次衝突を受圧する受圧部を支持するアッ
パクロスメンバが変形するような支障を来すようなこと
がない。

【０００９】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
の自動車用シートバックであって、前記受圧部材の上端
部と下端部とは、正面視で略Ｉ字状をなす。

【００１０】請求項２に記載の発明によれば、受圧部材
の上端部と、追突に伴う衝撃荷重を受け得る位置である
乗員の背中部に相当する受圧部とが正面視で略Ｉ字状で
あるので、受圧用の作動板などが不用である分安価であ
ると共に垂直部が１本だけであり、著しい軽量化が図れ
る。

【００１１】請求項３に記載の発明は、請求項１又は請
求項２に記載の自動車用シートバックであって、前記受
圧部材の受圧部は、常時前側に付勢されてなると共に着
座荷重では伸長せず、追突に伴う衝撃荷重でのみ伸長可
能なる付勢手段を介在してなる。

【００１２】請求項３に記載の発明によれば、前記受圧
部材の受圧部は、常時前側に付勢されてなると共に着座
荷重では伸長せず、追突に伴う衝撃荷重でのみ伸長可能
なる付勢手段を介在してなるので、通常時の乗員の着座
やリラックス状態においては、該乗員の背中による背凭
れ荷重に対応して付勢手段が伸長せず、背中を保持でき
ることになる。また、追突による二次衝突による荷重が
加わった時には、伸張することが可能であるので、受圧
部が移動することに支障を与えないことになり、確実に
移動できる。

【００１３】請求項４に記載の発明は、請求項１乃至請
求項３の何れかに記載の自動車用シートバックであっ
て、前記受圧部は、前記合成樹脂製のカバーによって覆
われてなると共に該カバーに形成されたロック部により
前記付勢手段が係止されてなる。

【００１４】請求項４に記載の発明によれば、付勢手段
と受圧部との間で擦れても、合成樹脂製のカバーが介在
されるので、擦れ音の発生が生じにくいことになる。ま
た、カバーに形成されたロック部により、付勢手段が確
実に係止されてなるので、受圧部材が如何様に回転して
も外れることが確実に防止されることになる。

【００１５】請求項５に記載の発明は、請求項１乃至請
求項４の何れかに記載の自動車用シートバックであっ
て、前記アッパクロスメンバには、前記ヘッドレスト支
持部材が前側に回転した時に、該ヘッドレスト支持部材
の回転を阻止するストッパ面が形成されてなる。

【００１６】請求項５に記載の発明によれば、二次衝突
によりヘッドレストが前側に回転して乗員の頸部を保護
可能なる状態になっても、ストッパ面によりその前側へ
の回転角度を制限できるので、異常に前側に回転してし
まう不具合の発生は阻止される。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を図面に基づいて説明する。尚、ＦＲを前側、ＲＲを後
ろ側、ＵＰは上側、ＬＷＲは下側として説明する。

【００１８】図１乃至図４は、この発明の一実施形態を
示すもので、符号１は自動車のシートバック、符号３は
ヘッドレストである。

【００１９】該シートバック１は、両側部に少なくとも
鉄板製のサイドフレーム２，２を有するシートバックフ
レーム４と、該シートバックフレーム４のサイドフレー
ム２，２の上端部２ａ，２ａの前側ＦＲ間に左右に延在
架設されてなるアッパクロスメンバ１０と、該アッパク
ロスメンバ１０の後述する回転支持装置３６により前後
回転自在に支持されてなると共に追突に伴う二次衝撃荷
重を受け得る下端部位置に受圧部３８が配されてなるパ
イプを潰した板状の受圧部材３５と、該受圧部材３５の
上端部３７に溶接ＧＷにより支持されていて、前記受圧
部材３５の回転に伴って前後ＦＲ，ＲＲに回転自在に架
設されてなる鉄板製のヘッドレスト支持部材７と、前記
サイドフレーム２の下端部２ｂ，２ｂに略水平状に架設
されてなるロアクロスメンバ１１とより構成されてな
る。

【００２０】前記サイドフレーム２、２とアッパクロス
メンバ１０とロアクロスメンバ１１とは、相互に溶接に
より支持されている。前記サイドフレーム２，２間に
は、「付勢手段」である通常使用時には撓むことのない
アクティブヘッドレスト用リターンスプリング１２と、
通常使用時の荷重で撓むことが可能な乗り心地用スプリ
ング４５、４５とが配されて、クリップ１７、１７、１
７間に架設されてなる。前記アクティブヘッドレスト用
リターンスプリング１２と前記乗り心地用スプリング４
５とは、共にＳ字状をなすが、ばね定数は前記したよう
に大きく異なる。

【００２１】前記受圧部材３５の受圧部３８である下端
部には、図３に示すように、合成樹脂製のカバー３９が
覆ってなり、アクティブヘッドレスト用リターンスプリ
ング１２の一部が直接カバー３９に係止部４０により係
合されることで、受圧部３８は、常時前側ＦＲに付勢さ
れてなる。また、前記アクティブヘッドレスト用リター
ンスプリング１２は、図示しない乗員の着座荷重では伸
長せず、追突に伴う二次衝撃の荷重でのみ伸長が可能で
ある「ばね力」を有する。

【００２２】前記ヘッドレスト支持部材７は、図３に示
すように、中空状のヘッドレストホルダブラケット２２
の上端部が挿通される上下貫通孔１９を有する左右に水
平状に延在されてなる上面部７ａと、該上面部７ａの後
端部から前記ヘッドレストホルダブラケット３５の後ろ
側ＲＲの面に沿って垂下されてなる後面部７ｂとが直角
状に折り曲げられて形成されてなる。該後面部７ｂの前
側ＦＲの面には、前記したように、受圧部材３５の上端
部３７が、溶接ＧＷにより支持されている。また、該後
面部７ｂの下端部には、前記アッパクロスメンバ１０の
第１ストッパ面１０ａに離間した位置にて更に下側に垂
下される第２ストッパ部７ｃが形成されている。

【００２３】前記上面部７ａの前端部には、第１ストッ
パ部７ｄが形成され、該第１ストッパ部７ｄ及び前記第
２ストッパ部７ｃには、前記アッパクロスメンバ１０に
メタルコンタクトすることを防止した緩衝部材１８、１
８がそれぞれ配されてなる。

【００２４】前記アッパクロスメンバ１０は、図１に示
すように、前側ＦＲが閉じられ且つ後ろ側ＲＲが開口さ
れてなる断面コの字状をなし、第１ストッパ面１０ａが
そのまま受圧部材３５の後ろ側ＲＲに沿って垂下されて
なり、乗員が寄りかかるなどした荷重が加わった時に、
該第１ストッパ面１０ａが前記第２ストッパ部７ｃに緩
衝部材１８を介して圧接されることで、ヘッドレスト３
の位置が保持される。前記ヘッドレスト支持部材７が後
述する手段により、前側ＦＲに回転した時には、該ヘッ
ドレスト支持部材７の第１ストッパ部７ｄが緩衝部材１
８を介して当接して、ヘッドレスト支持部材７の回転を
阻止するストッパ面１０ｂが形成されてなる。

【００２５】前記ヘッドレストホルダブラケット２２，
２２の中空部内には、合成樹脂製のヘッドレストホルダ
１６、１６がそれぞれ嵌合されていて、該ヘッドレスト
ホルダ１６、１６それぞれには、ヘッドレスト３のステ
ー１３、１３が上下動可能に装設されている。また、前
記受圧部３８は、配設される位置が、図示しない乗員の
背中部近傍であり、前側ＦＲに寄るように形成されてい
る。前記ヘッドレスト３のステー１３は、図示しない乗
員の肩部相当部を避けるように所定位置上側ＵＰに上が
り、それから前側ＦＲに傾いて形成されている。

【００２６】また、前記ヘッドレストホルダブラケット
２２，２２に支持されるステー１３，１３の下端部１３
ａ，１３ａは、ヘッドレストホルダブラケット２２，２
２から露出しているが、ヘッドレストホルダブラケット
２２，２２そのものの下端部が前記ヘッドレスト支持部
材７内にあって突出せず、しかもステー１３，１３は細
いので、ヘッドレスト３が前側ＦＲに回転した時に、後
ろ側ＲＲに回転したステー１３，１３の下端部１３ａ，
１３ａの突出量が少なくてすむことになる。

【００２７】前記回転支持装置３６は、前記アッパクロ
スメンバ１０の下側の部材１０ａの前側ＦＲの面に溶接
ＧＷにより支持されるブラケット４２、４２と、前記受
圧部材３５に溶接支持されてなるパイプ状のカラー４４
と、該ブラケット４２，４２間に軸支されてなると共に
前記カラー４４内に回転自在に軸支されてなるピン４３
とよりなる。

【００２８】次に、この実施形態に係る作動を説明す
る。

【００２９】乗員が、前記シートバック１と図示しない
シートクッションとよりなるシートのシートクッション
に着座し、前記シートバック１に背中を凭れかけない運
転状態などでは、乗員の頭部とヘッドレスト３との間に
は、隙間があり、乗員の背中と受圧部３８との間にも隙
間が形成されている。尤も、該乗員の背中と受圧部３８
との間には、図示しないパッドや表皮部材などが介在さ
れている。着座時における乗員が、リラックス状態で、
シートバック１に凭れかけると、乗員の背中から加えら
れた荷重により、パッドの撓みによって、後ろ側ＲＲに
移動できるので、乗員の背中を柔らかに受け止めること
ができる状態にある。従って、着座感が良いものとな
る。勿論、受圧部３８には、荷重が加わらない。

【００３０】この状態で、自車が追突されて、衝撃荷重
が加わると、乗員には、後ろ側ＲＲに移動される荷重が
加わることになる。かかる二次衝突に伴う衝撃値は、ア
クティブヘッドレスト用リターンスプリング１２が伸長
を始める荷重以上であるので、前記受圧部３８が、回転
支持装置３６のブラケット４２，４２間でピン４３を中
心に後ろ側ＲＲに回転されることで、アクティブヘッド
レスト用リターンスプリング１２が伸長を始め、前記受
圧部３８の上端部３７によって支持されてなるヘッドレ
スト支持部材７が、回転支持装置３６を中心に前側ＦＲ
に回転する。こうして、ヘッドレスト支持部材７が回転
することで、該ヘッドレスト支持部材７に支持されたヘ
ッドレストホルダブラケット２２、２２内に保持された
ステー１３、１３を介してヘッドレスト３を前側ＦＲへ
回転制御させることになり、乗員の頭部を確実に保持で
き、頚部の保護が可能となる。

【００３１】また、かかるヘッドレスト３の回転中心
が、アッパクロスメンバ１０の下側の部材１０ａ側にあ
るので、回転支持装置３６が設けられていても、異物感
を与えないことになる。また、受圧部３８に乗員の二次
衝突による荷重が加えられた場合、アッパクロスメンバ
１０の下側の部材１０ａを中心に回転するので、乗員の
肩部に干渉しにくい位置にあり、その分、ヘッドレスト
３は大きく前側ＦＲに移動できることになり、乗員の頸
部を確実に保持できることになる。

【００３２】また、アクティブヘッドレスト用リターン
スプリング１２と受圧部３８との間で擦れても、合成樹
脂製のカバー３９が介在されるので、擦れ音の発生が生
じにくいことになる。また、カバー３９に形成されたロ
ック部４０により、アクティブヘッドレスト用リターン
スプリング１２が確実に係止されてなるので、受圧部材
３５が如何様に回転しても外れることが確実に防止され
ることになる。

【００３３】こうして、乗員の背中が、衝撃によって、
後ろ側ＲＲに移動することで、残される挙動をするはず
の乗員の頭部が、ヘッドレスト３の移動により、確実に
保持されることになる。しかも、この状態で、前記ヘッ
ドレスト３のステー１３，１３の下端部１３ａ，１３ａ
のみで細いので、受圧部３８が後ろ側ＲＲに移動した時
に、ステー１３の下端部１３ａが後ろ側ＲＲに出っ張ら
ず、後席乗員との空間が確保されることになる。

【００３４】また、前記ヘッドレストホルダー１６，１
６に、前記ヘッドレスト３のステイ１３，１３が上下移
動自在に支持されてなるので、体格の異なる乗員の頭部
の位置に適宜ヘッドレスト３を合致させることができ
る。

【００３５】また、サイドフレーム２，２と、アッパク
ロスメンバ１０と、ロアクロスメンバ１１とにより方形
をなすので、シートバック１の強度が著しく向上し、二
次衝突を受圧する受圧部３８を支持するヘッドレスト支
持部材７が変形するような支障を来すようなことがな
い。

【００３６】また、前記受圧部材３５の受圧部３８は、
常時アクティブヘッドレスト用リターンスプリング１２
により、前側ＦＲに付勢されてなると共に着座荷重では
伸長せず、追突に伴う衝撃荷重でのみ伸長可能なるの
で、通常時の乗員の着座やリラックス状態においては、
該乗員の背中による背凭れ荷重に対応してアクティブヘ
ッドレスト用リターンスプリング１２が伸長せず、背中
を保持できることになる。また、追突による二次衝突に
よる荷重が加わった時には、伸張することが可能である
ので、受圧部３８が移動することに支障を与えないこと
になり、確実に移動できる。

【００３７】二次衝突により、ヘッドレスト３が前側Ｆ
Ｒに回転して乗員の頸部を保護可能なる状態になって
も、アッパクロスメンバ１０のストッパ面１０ｂによ
り、その前側ＦＲへの回転角度を制限できるので、異常
に前側ＦＲに回転してしまう不具合の発生は阻止され
る。

【００３８】前記作動説明で、乗員の頭部が、ヘッドレ
スト３の移動により、確実に保持されるとしたが、ヘッ
ドレスト３の移動と、シートバック１の移動とは、相対
的なものであり、乗員の背中によってシートバック１が
後ろ側ＲＲに移動しても、乗員の頭部に対してヘッドレ
スト３が移動せず、その位置に保持されることで、乗員
の頭部が保護されるものと説明されるものも含むもので
ある。

【００３９】前記説明で、「付勢手段」としてアクティ
ブヘッドレスト用リターンスプリングを例にして説明し
たが、受圧部材３５にコイルスプリング、ねじりコイル
ばね、トーションバーを懸架するものでも良いことは勿
論である。

【００４０】

【発明の効果】請求項１に記載の発明によれば、受圧部
材の下端部に配された受圧部に乗員の二次衝突による荷
重が加えられた場合、受圧部材が前後に回転して、上端
部を介してヘッドレストを支持した前記ヘッドレスト支
持部材が前後に回転するので、回転中心がアッパクロス
メンバにあり、異物感を乗員に与えることがない。ま
た、ヘッドレストと共に回転する受圧部材は、乗員の肩
部に干渉しにくい位置にあり、その分、ヘッドレストは
前側に移動できることになり、乗員の頸部を確実に保持
できることになる。また、サイドフレームとアッパクロ
スメンバとにより方形をなすので、シートバックの強度
が著しく向上し、二次衝突を受圧する受圧部を支持する
アッパクロスメンバが変形するような支障を来すような
ことがない。

【００４１】請求項２に記載の発明によれば、受圧部材
の上端部と、追突に伴う衝撃荷重を受け得る位置である
乗員の背中部に相当する受圧部とが正面視で略Ｉ字状で
あるので、受圧用の作動板などが不用である分安価であ
ると共に垂直部が１本だけであり、著しい軽量化が図れ
る。

【００４２】請求項３に記載の発明によれば、前記受圧
部材の受圧部は、常時前側に付勢されてなると共に着座
荷重では伸長せず、追突に伴う衝撃荷重でのみ伸長可能
なる付勢手段を介在してなるので、通常時の乗員の着座
やリラックス状態においては、該乗員の背中による背凭
れ荷重に対応して付勢手段が伸長せず、背中を保持でき
ることになる。また、追突による二次衝突による荷重が
加わった時には、伸張することが可能であるので、受圧
部が移動することに支障を与えないことになり、確実に
移動できる。

【００４３】請求項４に記載の発明によれば、付勢手段
と受圧部との間で擦れても、合成樹脂製のカバーが介在
されるので、擦れ音の発生が生じにくいことになる。ま
た、カバーに形成されたロック部により、付勢手段が確
実に係止されてなるので、受圧部材が如何様に回転して
も外れることが確実に防止されることになる。

【００４４】請求項５に記載の発明によれば、二次衝突
によりヘッドレストが前側に回転して乗員の頸部を保護
可能なる状態になっても、ストッパ面によりその前側へ
の回転角度を制限できるので、異常に前側に回転してし
まう不具合の発生は阻止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施形態に係るシートバックを示
す中央の縦断面図。

【図２】図１の斜視図。

【図３】図２の要部拡大斜視図。

【図４】図１の作動後の縦断面図。

【符号の説明】

１ シートバック ２ サイドフレーム ３ ヘッドレスト ４ シートバックフレーム ７ ヘッドレスト支持部材 １０ アッパクロスメンバ １０ａ ストッパ面 １２ 付勢手段としてのアクティブヘッドレスト用リタ
ーンスプリング １３ ヘッドレストステー ３５ 受圧部材 ３８ 受圧部 ＦＲ 前側 ＲＲ 後ろ側 ＵＰ 上側 ＬＷＲ 下側

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−119619（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−181403（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−291434（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−39435（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−149545（ＪＰ，Ｕ) 実開 平６−38708（ＪＰ，Ｕ) 特表2000−517269（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B60N 2/42 A47C 7/38 A47C 7/44 B60N 2/48

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 両側部に少なくともサイドフレームを有
   するシートバックフレームと、該サイドフレームの上端
   部の前側間に左右に架設されてなるアッパクロスメンバ
   と、該アッパクロスメンバに前後回転自在に軸支されて
   なると共に追突に伴う衝撃荷重を受け得る位置に受圧部
   が下端部に配されてなる受圧部材と、該受圧部材の上端
   部に固設されてなると共に左右に延在されてなるヘッド
   レスト支持部材と、前記受圧部材を挟む位置に前記ヘッ
   ドレスト支持部材に支持されてなるヘッドレストホルダ
   ブラケットと、該ヘッドレストホルダブラケットに上下
   移動自在に支持されてなるヘッドレストとより少なくと
   も構成されてなることを特徴とする自動車用シートバッ
   ク。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の自動車用シートバック
   であって、 前記受圧部材の上端部と下端部とは、正面視で略Ｉ字状
   をなすことを特徴とする自動車用シートバック。
3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２に記載の自動車用
   シートバックであって、 前記受圧部材の受圧部は、常時前側に付勢されてなると
   共に着座荷重では伸長せず、追突に伴う衝撃荷重でのみ
   伸長可能なる付勢手段を介在してなることを特徴とする
   自動車用シートバック。
4. 【請求項４】 請求項１乃至請求項３の何れかに記載の
   自動車用シートバックであって、 前記受圧部は、前記合成樹脂製のカバーによって覆われ
   てなると共に該カバーに形成されたロック部により前記
   付勢手段が係止されてなることを特徴とする自動車用シ
   ートバック。
5. 【請求項５】 請求項１乃至請求項４の何れかに記載の
   自動車用シートバックであって、 前記アッパクロスメンバには、前記ヘッドレスト支持部
   材が前側に回転した時に、該ヘッドレスト支持部材の回
   転を阻止するストッパ面が形成されてなることを特徴と
   する自動車用シートバック。