JP3522488B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JP3522488B2
JP3522488B2 JP09215297A JP9215297A JP3522488B2 JP 3522488 B2 JP3522488 B2 JP 3522488B2 JP 09215297 A JP09215297 A JP 09215297A JP 9215297 A JP9215297 A JP 9215297A JP 3522488 B2 JP3522488 B2 JP 3522488B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波診断装置、特
に立体的投影画像を形成する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波診断装置における二次元断
層画像表示(いわゆるBモード表示)では、生体内の断
面が白黒の濃淡画像として表示される。しかし、観察し
たい組織の切断面のみしか表現されないため、画像上で
組織を立体的に認識・把握するのは困難である。その一
方、生体内の三次元領域に対して超音波の送受波を行
い、組織の三次元画像を形成する装置が実用化されつつ
ある。その三次元画像は、例えば、表面抽出を行って得
られた組織表面に対し、奥行き感をもたせるための濃淡
付けを行ったものであり、組織を立体的に表現すること
が可能である。なお、三次元領域を画像化する手法とし
ては、積算法や投影法なども知られているが、そのよう
な手法による画像は平面的で奥行き感のないものであ
る。
【0003】上記従来の三次元画像処理においては、三
次元領域内で取り込まれたエコーデータのすべてをいっ
たん三次元エコーデータメモリに格納した上で、その後
に、各エコーデータをソフトウエア処理などにより再構
成する必要がある。このため、1枚の三次元画像を得る
ための演算に多くの時間を要し、リアルタイムで三次元
画像を表示することは到底困難であった。また、従来の
三次元画像は基本的に表面の濃淡付けを基本としている
ため、組織を透かしてその内部を空間的に表現すること
は基本的にできなかった。
【0004】そこで、本願出願人は、特願平8−185
781号において新しい画像処理法を提案している。そ
の原理については後に詳述するが、かかる画像処理法に
よれば組織を立体的かつ透過的に表現でき、またユーザ
ーの好みに応じて、組織表面の立体的表現を強調した
り、あるいは組織内部の透過表現を強調したりすること
ができる。
【0005】この画像処理法では、取り込まれた受信信
号の時系列順で、すなわち、超音波ビームに沿って存在
している各エコーデータごとにボクセル演算(後述)が
順次実行され、ここで、そのボクセル演算は所定の終了
条件が満たされるまで実行される。そして、その終了時
点でのボクセル演算値が画素値に対応付けられる。よっ
て、その終了条件を適宜設定すれば、組織表面近傍でボ
クセル演算を終了させて組織表現を強調した表示を行え
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
画像処理方法では、画像化したい物体の手前に、すなわ
ちその物体と超音波探触子との間に、超音波を散乱させ
るノイズ源が存在していると、物体と共にそのノイズも
画像化されてしまうという問題があった。例えば、上記
画像処理方法によって胎児の表面を画像化するような場
合において、上記のノイズ源が存在すると、胎児の立体
的投影画像にノイズが輝点として混入し、診断を妨げる
おそれがあった。また、上記従来の画像処理方法では、
超音波ビームに沿ったボクセル演算の終了条件がその超
音波ビーム上のエコーデータに支配されるため、ノイズ
が含まれると本来予定していた終了点よりも前にボクセ
ル演算が終了してしまうという問題があった。
【0007】本発明の目的は、立体的投影画像を形成す
る場合に、ノイズによる影響をできる限り排除すること
にある。
【0008】本発明の他の目的は、立体的投影画像を形
成する場合に、リアルタイム性を損なうことなく、ノイ
ズを低減することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、超音波ビ
ームを走査して三次元領域に対して超音波を送受波する
ことにより、前記三次元領域内における各ボクセルのエ
コーデータを得る送受波手段と、前記超音波ビームに沿
って、各ボクセルごとにボリュームレンダリングに基づ
くボクセル演算を順次実行することにより、前記三次元
領域の立体的投影画像を形成する立体的投影画像形成手
段と、注目ボクセルのエコーデータとそれに隣接する1
又は複数の隣接ボクセルのエコーデータに基づいて、前
記注目ボクセルのボクセル演算で用いる不透明度を決定
する不透明度決定手段と、を含むことを特徴とする。
【0010】上記構成によれば、各ボクセルのボクセル
演算を行う場合に、注目ボクセルに隣接する1または複
数の隣接ボクセルのエコーデータが参照され、これによ
って当該注目ボクセルのエコーデータがノイズである可
能性が判定される。この場合、ノイズである可能性が高
ければ、不透明度として、より小さな値が設定される。
不透明度の値が小さく設定されると、画素値への当該エ
コーデータの寄与度が小さくなり、結果としてノイズが
低減されることになる。
【0011】以上のように、本発明では、ノイズのラン
ダム性あるいは非連続性に着目し、注目エコーデータと
その近傍のエコーデータの相関性から、ノイズである可
能性を判定して、ノイズの排除が行われる。
【0012】本発明の好適な態様では、前記不透明度決
定手段は、前記注目ボクセルが存在する超音波ビームに
隣接する超音波ビーム上における同一深さの隣接ボクセ
ルのエコーデータを利用して、前記注目ボクセルの不透
明度を決定することを特徴とする。
【0013】ちなみに、既に取得されている1つ前の超
音波ビーム上の同一深さのエコーデータを利用すれば、
リアルタイム性を損なうことなく、ボクセル演算に当た
ってノイズを抑制できる。この場合、超音波ビーム1本
分のエコーデータを格納するラインメモリを設け、今回
のエコーデータと前回のエコーデータとを同時に利用で
きるように構成するのが望ましい。
【0014】本発明の好適な態様では、前記不透明度決
定手段は、前記注目ボクセルのエコーデータ及び前記隣
接ボクセルのエコーデータを用いてエコーデータの差分
値を演算する差分値演算手段と、前記注目ボクセルのエ
コーデータ及び前記隣接ボクセルのエコーデータを用い
てエコーデータの平均値を演算する平均値演算手段と、
前記差分値及び前記平均値に従って前記不透明度を判定
する不透明度判定手段と、を含むことを特徴とする。
【0015】ノイズは概してエコーレベルが低く、か
つ、個別的に発生する可能性が高いため、隣接する複数
のエコーデータ間で差分値及び平均値を求めれば、それ
らの2つの指標を利用して、ノイズである可能性を判断
できる。もちろん、そのような2つの指標によらずに、
いずれか一方を利用してもよい。但し、この場合にはノ
イズ判別精度が低下する。また、これ以外の指標を利用
してノイズ判別を行うこともできる。いずれにしても、
当該エコーデータとそれに隣接するエコーデータを何ら
かの形で比較して当該エコーデータがノイズであるか否
かが判定される。本発明の好適な態様では、超音波ビー
ムを走査して三次元領域に対して超音波を送受波するこ
とにより、前記三次元領域内における各ボクセルのエコ
ーデータを得る送受波手段と、前記超音波ビームに沿っ
て、各ボクセルごとにボリュームレンダリングに基づく
ボクセル演算を順次実行することにより、前記三次元領
域の立体的投影画像を形成する立体的投影画像形成手段
と、注目ボクセルのエコーデータとそれに隣接する1又
は複数の隣接ボクセルのエコーデータに基づいて、前記
注目ボクセルのボクセル演算に当たってノイズが抑圧さ
れるように、そのボクセル演算で使用するパラメータの
値を決定する手段と、を含むことを特徴とする。
【0016】ここで、上記のボクセル演算で使用するパ
ラメータは、望ましくは不透明度であり、それ以外に
は、透明度自体やそれらを計算するための係数等が考え
られる。
【0017】(2)本発明の好適な態様では、前記立体
的投影画像形成手段は、エコーデータei に基づきボク
セルi の不透明度αi を演算する不透明度演算手段と、
エコーデータei に基づきボクセルi の透明度βi を演
算する透明度演算手段と、エコーデータei に不透明度
αi を乗算し、ボクセルi の発光量を演算する発光量演
算手段と、1つ前のボクセルi −1の出力光量にボクセ
ルi の透明度βi を乗算し、ボクセルi の透過光量を演
算する透過光量演算手段と、前記発光量と前記透過光量
とを加算し、ボクセルi の出力光量を求める光量加算手
段と、を含み、終了ボクセルの出力光量を画素値に対応
させて前記立体的投影画像を形成することを特徴とす
る。
【0018】また、本発明の好適な態様では、前記立体
的投影画像形成手段は、エコーデータei に基づきボク
セルi の不透明度αi を演算する不透明度演算手段と、
前記エコーデータei 、前記不透明度αi 、及び、1つ
前のボクセルi −1の出力光量に相当する入力光量C
INi に基づいて、ボクセルi の出力光量COUTiを演算す
る出力光量演算手段と、を含み、終了ボクセルの出力光
量を画素値に対応させて前記立体的投影画像を形成する
ことを特徴とする。
【0019】上記構成によれば、超音波ビームに沿って
不透明度などを利用したボクセル処理が実行される。こ
れにより、順次取り込まれるエコーデータを時系列順で
逐次的にリアルタイム処理でき、また、従来装置におい
て必要であった三次元データメモリを不要にすることが
できる。すなわち、取り込まれたエコーデータはその取
込み順序で処理され、すべてのエコーデータをいったん
三次元データメモリに格納させなくても、データ処理を
十分に行える。
【0020】ちなみに、不透明度αi は、ボクセルi に
ついての周囲への超音波の拡散・散乱の度合いに関わる
もので、発光量は、ボクセルi の音源(光源)としての
強さを表すものと思われる。一方、透明度βi は、超音
波の透過率に関わるもので、透過光量は、ボクセルi を
伝達媒体として見た場合にその伝達率に相当するものと
思われる。透明度は一般に1−不透明度で定義される。
このような発光量と透過光量とが加算されてボクセルi
の出力光量が演算される。ここで、出力光量はボクセル
i の画素値への寄与度を表すものである。この出力光量
は、次のボクセルのボクセル処理(透過光量の演算)に
引き渡される。そして、ボクセル処理が最終ボクセルに
到達すると、その最終ボクセルの出力光量が画素値に変
換される。そして、各画素値が求まれば、それらの画素
値の集合として1枚の立体的投影画像が形成される。
【0021】この超音波画像は、投影画像としての性格
と立体画像としての性格とを併せて有することが実験に
より確認されている。すなわち、生体内の組織をレント
ゲン写真のように透かして表現でき、その一方、超音波
三次元画像のような奥行き感をもって表現できる。よっ
て、例えば胎児の表面と内部の同時観察などを行うこと
ができ、疾病診断に当たって組織の三次元的な把握を容
易に行うことができる。
【0022】もちろん、不透明度及び透明度の定義を変
化させることによって、所望の画質の超音波画像を構成
でき、例えば透明感を強調したり、または立体感を強調
したりすることができる。あるいは、組織表面を強調し
たり、または組織内部を強調することができる。
【0023】このような調整は、不透明度などの定義を
可変することにより行われ、具体的には、不透明度をパ
ラメータとする終了条件を適宜設定することにより行う
ことが可能である。この場合、逐次加算される各不透明
度αi の値が大きければ、比較的早い段階で処理が終了
することになり、例えば、組織の表面まで透視して画像
表現が終了することになる。逆に、各不透明度αi の値
が小さければ、比較的遅い段階で処理が終了することに
なり、例えば、組織の内部の深いところまで透視して画
像処理が終了することになる。
【0024】
【発明の実施の形態】まず、装置構成の説明に先立っ
て、実施形態に係る立体的投影画像の形成方法について
説明する。
【0025】[画像形成原理の説明]本実施形態に係る
画像処理法は、公知のボリューム・レンダリング(Volum
e Rendering)法を基礎とし、リアルタイムの画像処理
(特に、超音波画像処理)にその手法を発展させたもの
である。その際には、特有の条件が加味されている。
【0026】図1(A)に示すように、Y方向に向く超
音波ビームがX方向に走査されると、走査面10が形成
される。この走査面10をZ方向に移動させると、周知
のように三次元エコーデータ取込み空間12が形成され
る。この三次元エコーデータ取込み空間12に対して、
各超音波ビームに沿って本実施形態に係るボクセル処理
を行い、投影面16上に三次元エコーデータ取込み空間
12を投影したものが、図1(B)の超音波画像100
である。超音波画像100では、そのX方向の1ライン
100aが1つの走査面10に相当する。換言すれば、
超音波ビーム(透視線)1本が超音波画像100内の1
画素に相当する。
【0027】ここで、取り込まれたエコーデータの時系
列順でそのエコーデータに対して以下に詳述するボクセ
ル処理が行われるので、各エコーデータを三次元エコー
データメモリにいったん蓄積して画像形成に必要な順序
でエコーデータを読み出す必要はなく、データ取込みと
同期したデータ処理が可能となる。
【0028】さて、図2及び図3には、ボクセル20の
概念が示されている。1つのボクセルは、受信信号をA
/D変換して得られた1つのエコーデータに相当し、換
言すれば、そのA/D変換レートの1周期に相当するボ
リューム(標本点)に相当するものである。すなわち、
超音波ビームは、多数のボクセルの集合体として仮定さ
れる。図2には各ボクセルがi−1からLLASTまで示さ
れている。最初のボクセルから順次処理を行って得られ
た値が超音波画像を構成する1画素の輝度値P(x,
y)に対応する。
【0029】ここで、各ボクセルに対し、不透明度αと
透明度β[本実施形態ではβ=(1−α)]を定義する
ことにする。不透明度αは、図3に示すようにボクセル
の周囲への自発的な発光に相当するものである。透明度
(1−α)は1つ前のボクセルからの光に対する当該ボ
クセル中の透過度合いに相当するものである。本実施形
態において、不透明度αは0≦α≦1の範囲に設定され
る。具体的には、不透明度はエコーデータ(エコー値)
の関数として定義される。
【0030】この場合、上記特願平8ー185781号
では、例えば、ボクセルiの不透明度αiは、
【数1】 αi=k1・ei k2 …(1) として定義される。ここで、eiはボクセルiのエコー
データの値であり、またk1は係数(パラメータ)であ
り、ユーザーにより可変設定される。k2としては望まし
くは1よりも大きい数値が代入され、例えばk2=2又は
3である。すなわち、エコーデータの値eiに対してαi
は非線形に変化する。
【0031】しかしながら、単純に当該ボクセルのエコ
ーデータに関数として不透明度を定義すると、それがノ
イズである場合にも、画像化されてしまうことになる。
そこで、本実施形態では、ノイズとみなされるエコーデ
ータについては、不透明度の値を小さくするようにして
いる。具体的には、例えば、当該ボクセルに隣接する1
又は複数のボクセルのエコーデータを参照して、当該エ
コーデータと隣接エコーデータの差分値及び平均値を演
算し、それらの差分値及び平均値の関数として不透明度
を決定している。ここで、ノイズ判別ができる情報であ
れば、差分値及び平均値以外の情報を基準としてもよ
い。
【0032】よって、本実施形態では、ノイズとみなさ
れたエコーデータについては不透明度として小さな値が
決定されるため、後述の終了ボクセルの出力光量に対し
てノイズが寄与する割合が小さくなる。換言すれば、ノ
イズの影響を軽減できる。
【0033】さて、図2に示されるように、あるボクセ
ルi には、入力光量CINi と出力光量COUTiとが定義さ
れ、その入力光量CINi は1つ前のボクセルi −1の出
力光量COUTi-1に等しい。すなわち、
【数2】 CINi =COUTi-1 …(2) の関係がある。ただし、ボクセル処理が開始される開始
ボクセルにおいてはCIN i =0である。なお、開始ボク
セルは自動的に設定され又は人為的に設定される。
【0034】各ボクセルには、上記の不透明度αと透明
度(1−α)に基づいて、発光量と透過光量が定義され
る。すなわち、ボクセルi の発光量は、不透明度とエコ
ーデータの積として定義され、αi ・ei である。ボク
セルi の透過光量は透明度と入力光量の積として定義さ
れ、(1−αi )・CINi である。
【0035】本実施形態において、図4に示すように、
その発光量と透過光量は以下のように加算され、当該ボ
クセルの出力光量COUTiが決定される。
【0036】
【数3】 COUTi=(1−αi )・CINi +αi ・ei …(3) ただし、上記第2式からCINi =COUTi-1である。すな
わち、1つ前のボクセルでの計算結果が次のボクセルの
計算に利用される。
【0037】上記の第3式を開始ボクセルから次のボク
セルへ、そして、その次のボクセルへと順次行っていく
間において、各ボクセルの不透明度αi を加算し、その
加算値Σαi が1に到達した時点で、処理を終了させる
(終了条件)。ただし、処理が最後(又は設定された深
さ)のボクセルLLASTとなった場合にも処理を終了させ
る(強制終了条件)。すなわち、処理が終了する条件
は、
【数4】 Σαi =1 or i=LLAST …(4) である。Σαi =1での処理の終了は、不透明度の総和
が1に到達した時点で処理を停止させることを意味し、
もちろん、条件に応じて上記第4式の条件、特にαi
最大加算値(終了判定値)を変更させてもよい。
【0038】以上の終了判定がなされた時点でのボクセ
ル(最終ボクセル)の出力光量COU T が、対応する画素
の輝度P(x,y)として利用される。そして、このよ
うな超音波ビームごとの画素値演算がすべての超音波ビ
ームについて行われると、超音波画像を構成するすべて
の画素の画素値を得られる。すなわち、1枚の超音波画
像が形成される。
【0039】上記第3式が示すように、画素の輝度値P
(x,y)には、開始ボクセルから終了ボクセルまでの
すべてのエコーデータの値が反映されている。しかし、
それは従来のように単なる単純積算でなく、各ボクセル
での超音波の散乱と吸収の両方を反映したものとなって
いる。よって、あたかも光源から光が出て、各ボクセル
での散乱及び吸収を経て透過した光によって形成される
像のような奥行き感(立体感)と透明感の両者の性質を
もった超音波画像を構成できる。
【0040】ところで、上記第3式においては、透明度
が(1−αi )で定義され、すなわち不透明度αi によ
って透明度を表すことができるので、演算式中から透明
度の概念を見掛け上消去することができる。よって、以
下のように第3式を式変形することにより、同じ原理に
基づいて、出力光量COUTiを演算できる。
【0041】
【数5】 COUTi=(1−αi )・CINi +αi ・ei …(3) =CINi +αi ・(ei −CINi ) …(5−1) =CINi +Δi …(5−2) (ここで、Δi =αi ・(ei −CINi )) 上記の第5−1式は第3式を書き換えたもので、その第
2項をΔi で置き換えると、第5−2式が得られる。す
なわち、ボクセルi の出力光量COUTiは、入力光量C
INi に修正光量Δi を加算したものとして定義できる。
この5−2式においても、上記の式変形の過程を見れば
明らかなように、透明度(1−αi )の概念は内包され
ており、原理上異ならない。
【0042】[好適な実施形態]以下、上記の画像処理
の原理が適用された本発明に係る超音波診断装置の好適
な実施形態について説明する。図5には、本実施形態に
係る超音波診断装置の全体構成がブロック図で示されて
いる。
【0043】三次元エコーデータ取込み用超音波探触子
8は、アレイ振動子22と走査機構とを含むものであ
る。アレイ振動子22は、複数の超音波振動素子を配列
してなるものであって、アレイ振動子22を電子走査す
ることによって超音波ビームが走査され、これによって
走査面10が形成される。走査機構は、駆動モータ9及
びエンコーダ26を含むものである。駆動モータ9はア
レイ振動子22を図5においてZ方向に駆動させるため
の駆動力を発生する。エンコーダ26は、アレイ振動子
22のZ方向の位置を検出する検出する検出器である。
アレイ振動子22を電子走査しながらZ方向に機械走査
することによって三次元エコーデータ取込み空間が形成
される。図5におけるZ方向はアレイ振動子22の機械
走査方向であり、X方向は超音波ビームの電子走査方向
であり、Y方向は超音波ビームに沿う深さ方向である。
【0044】駆動部24は、図示されていない制御部に
よって制御されており駆動モータ9へ駆動信号を供給す
る。送受信部30は、アレイ振動子22に対して送信信
号を供給すると共に、アレイ振動子22から出力された
受信信号を処理する手段である。送受信部30は増幅器
や検波器などが含まれる。
【0045】立体的投影画像形成部(Vol−mode
演算部)34は、上述した画像処理法に基づいてボリュ
ームレンダリングに基づく画像処理を実行するものであ
り、その画像処理によって三次元エコーデータ取込み空
間についての立体的投影画像が形成される。その立体的
投影画像の画像データは、DSC(デジタルスキャンコ
ンバータ)36において一時的に格納され、最終的に、
表示器38に立体的投影画像が表示される。
【0046】本実施形態では、送受信部30から出力さ
れた受信信号は立体的投影画像形成部34に供給される
と共に、それとは別にオパシティ(不透明度)決定部3
2に入力されている。このオパシティ決定部32は、ラ
インメモリ40、演算部42及びオパシティ決定テーブ
ル44を含むものである。このオパシティ決定部32に
よって、注目するボクセルについての不透明度αが決定
される。
【0047】具体的に説明すると、ラインメモリ40に
は超音波ビーム1本分のエコーデータが格納される。演
算部42には、ラインメモリ40から出力された1つ前
の超音波ビーム上におけるエコーデータe1と、当該超
音波ビーム上におけるエコーデータe2とが入力され
る。これらのエコーデータe1及びe2は同一深さにお
ける電子走査方向に隣接するエコーデータである。な
お、図6には、アレイ振動子22によって形成される超
音波ビームのうち特に隣接する2つの超音波ビーム#n
及び#n+1が示されている。このような隣接する2つ
の超音波ビーム上における同一深さのエコーデータe1
及びe2が演算部42の演算で利用される。演算部42
では、平均値演算及び差分値演算の2つの演算が実行さ
れている。平均値演算に当たっては、
【数6】 e=(e1+e2)/2 …(6) の計算が実行され、また、差分値演算に当たっては、
【数7】 Δe=|e1−e2| …(7) の計算が実行される。なお、eは平均値を表しており、
Δeは差分値の絶対値を表している。
【0048】オパシティ決定テーブル44では、これら
の平均値e及び差分値Δeに基づいて不透明度αが決定
されている。その具体的な関数の例が図7に示されてい
る。この図7に示す例では、平均値eが上昇するにした
がって、及び、差分値Δeが上昇するにしたがって、徐
々にオパシティ(不透明度)が大きくなるような非線形
の関数Fが設定されている。
【0049】これは、図8に示すように、組織表面から
のエコーデータは比較的値が大きくかつ広範囲に分布す
るのに対し、散乱ノイズのエコーデータは基本的に値が
小さく局所的に存在するという性質に基づくものであ
る。すなわち、平均値eと差分値Δeの2つの座標軸を
用いれば、組織とノイズと区別して適切な不透明度を設
定することが可能である。
【0050】このように設定された不透明度αは、オパ
シティ決定部32から上記の立体的投影画像形成部34
へ出力され、当該ボクセルのボクセル演算でその不透明
度が利用される。
【0051】上述した実施形態では、平均値及び差分値
が利用されていたが、これ以外の情報を指標としてオパ
シティを決定することも可能である。また、上記の実施
形態では、当該ボクセルに隣接する同一深さの他の1つ
のボクセルのエコーデータを利用してオパシティの決定
を行ったが、例えば左右に隣接するボクセルのエコーデ
ータを利用してオパシティを決定してもよい。この場合
には、ラインメモリ40を複数段設ければよい。
【0052】以上のように、上記実施形態では、ある注
目するボクセルの不透明度を決定する場合に、そのボク
セルのエコーデータの他、隣接するボクセルのエコーデ
ータを参照して不透明度の決定を行ったので、組織とノ
イズとを識別してノイズによる影響を極力低減すること
ができる。したがって、より実組織に忠実な立体的投影
画像を形成でき、診断精度を向上できるという利点があ
る。
【0053】なお、図7に示したオパシティ決定関数F
は一例であって、対象臓器や他の条件などに応じてその
関数を適宜変更して用いることも可能である。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
立体的投影画像形成する場合に、ノイズによる影響をで
きるかぎり排除することができる。また、本発明によれ
ば、リアルタイム性を損なうことなくノイズを低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 三次元エコーデータ取込み空間と立体的投影
画像の関係を示す図である。
【図2】 各ボクセルの入力光量と出力光量の関係を示
す図である。
【図3】 各ボクセルの発光量を示す図である。
【図4】 ボクセルの出力光量を説明するための図であ
る。
【図5】 本発明に係る超音波診断装置の全体構成を示
すブロック図である。
【図6】 隣接する2つのエコーデータを示す説明図で
ある。
【図7】 オパシティ決定関数を示す図である。
【図8】 平均値と差分値とにより定義される平面上に
おけるエコーデータの性質を示す図である。
【符号の説明】
8 三次元エコーデータ取込み用超音波探触子、10
走査面、22 アレイ振動子、30 送受信部、32
オパシティ決定部、34 立体的投影画像形成部(Vo
l−mode演算部)、40 ラインメモリ、42 演
算部、44 オパシティ決定テーブル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 8/00 - 8/15

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波ビームを走査して三次元領域に対
    して超音波を送受波することにより、前記三次元領域内
    における各ボクセルのエコーデータを得る送受波手段
    と、 前記超音波ビームに沿って、各ボクセルごとにボリュー
    ムレンダリングに基づくボクセル演算を順次実行するこ
    とにより、前記三次元領域の立体的投影画像を形成する
    立体的投影画像形成手段と、 注目ボクセルのエコーデータとそれに隣接する1又は複
    数の隣接ボクセルのエコーデータに基づいて、前記注目
    ボクセルのボクセル演算で用いる不透明度を決定する不
    透明度決定手段と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 前記不透明度決定手段は、前記注目ボクセルが存在する
    超音波ビームに隣接する超音波ビーム上における同一深
    さの隣接ボクセルのエコーデータを利用して、前記注目
    ボクセルの不透明度を決定することを特徴とする超音波
    診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の装置において、 前記不透明度決定手段は、 前記注目ボクセルのエコーデータ及び前記隣接ボクセル
    のエコーデータを用いてエコーデータの差分値を演算す
    る差分値演算手段と、 前記注目ボクセルのエコーデータ及び前記隣接ボクセル
    のエコーデータを用いてエコーデータの平均値を演算す
    る平均値演算手段と、 前記差分値及び前記平均値に従って前記不透明度を判定
    する不透明度判定手段と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の装置において、 前記立体的投影画像形成手段は、 エコーデータei に基づきボクセルi の不透明度αi
    演算する不透明度演算手段と、 エコーデータei に基づきボクセルi の透明度βi を演
    算する透明度演算手段と、 エコーデータei に不透明度αi を乗算し、ボクセルi
    の発光量を演算する発光量演算手段と、 1つ前のボクセルi −1の出力光量にボクセルi の透明
    度βi を乗算し、ボクセルi の透過光量を演算する透過
    光量演算手段と、 前記発光量と前記透過光量とを加算し、ボクセルi の出
    力光量を求める光量加算手段と、 を含み、 終了ボクセルの出力光量を画素値に対応させて前記立体
    的投影画像を形成することを特徴とする超音波診断装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の装置において、 前記立体的投影画像形成手段は、 エコーデータei に基づきボクセルi の不透明度αi
    演算する不透明度演算手段と、 前記エコーデータei 、前記不透明度αi 、及び、1つ
    前のボクセルi −1の出力光量に相当する入力光量C
    INi に基づいて、ボクセルi の出力光量COUTiを演算す
    る出力光量演算手段と、 を含み、 終了ボクセルの出力光量を画素値に対応させて前記立体
    的投影画像を形成することを特徴とする超音波診断装
    置。
  6. 【請求項6】 超音波ビームを走査して三次元領域に対
    して超音波を送受波することにより、前記三次元領域内
    における各ボクセルのエコーデータを得る送受波手段
    と、 前記超音波ビームに沿って、各ボクセルごとにボリュー
    ムレンダリングに基づくボクセル演算を順次実行するこ
    とにより、前記三次元領域の立体的投影画像を形成する
    立体的投影画像形成手段と、 注目ボクセルのエコーデータとそれに隣接する1又は複
    数の隣接ボクセルのエコーデータに基づいて、前記注目
    ボクセルのボクセル演算に当たってノイズが抑圧される
    ように、そのボクセル演算で使用するパラメータの値を
    決定する手段と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置。
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