JP3500014B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

Info

Publication number
JP3500014B2
JP3500014B2 JP24774196A JP24774196A JP3500014B2 JP 3500014 B2 JP3500014 B2 JP 3500014B2 JP 24774196 A JP24774196 A JP 24774196A JP 24774196 A JP24774196 A JP 24774196A JP 3500014 B2 JP3500014 B2 JP 3500014B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voxel
ultrasonic
light amount
ultrasonic beam
opacity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24774196A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1085215A (ja
Inventor
義博 吉川
剛 望月
昌紀 広瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Aloka Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aloka Co Ltd filed Critical Aloka Co Ltd
Priority to JP24774196A priority Critical patent/JP3500014B2/ja
Publication of JPH1085215A publication Critical patent/JPH1085215A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3500014B2 publication Critical patent/JP3500014B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波診断装置、特
に超音波ビームの電子フォーカス制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波診断装置における二次元断
層画像表示(いわゆるBモード表示)では、生体内の断
面が白黒の濃淡画像として表示される。しかし、観察し
たい組織の切断面のみしか表現されないため、画像上で
組織を立体的に認識・把握するのは困難である。その一
方、生体内の三次元領域に対して超音波の送受波を行
い、組織の三次元画像を形成する装置が実用化されつつ
ある。その三次元画像は、例えば、表面抽出を行って得
られた組織表面に対し、奥行き感をもたせるための濃淡
付けを行ったものであり、組織を立体的に表現すること
が可能である。なお、三次元領域を画像化する手法とし
ては、積算法や投影法なども知られているが、そのよう
な手法による画像は平面的で奥行き感のないものであ
る。
【0003】上記従来の三次元画像処理においては、三
次元領域内で取り込まれたエコーデータのすべてをいっ
たん三次元エコーデータメモリに格納した上で、その後
に、各エコーデータをソフトウエア処理などにより再構
成する必要がある。このため、1枚の三次元画像を得る
ための演算に多大なる時間を要し、リアルタイムで三次
元画像を表示することは到底困難であった。また、従来
の三次元画像は基本的に表面の濃淡付けを基本としてい
るため、組織を透かしてその内部を空間的に表現するこ
とは基本的にできなかった。
【0004】そこで、本願出願人は、特願平8−185
781号において新しい画像処理法を提案している。そ
の原理については後に詳述するが、かかる画像処理法に
よれば組織を立体かつ透過的に表現でき、またユーザー
の好みに応じて、組織表面の立体的表現を強調したり、
あるいは組織内部の透過表現を強調したりすることがで
きる。
【0005】この画像処理法では、取り込まれた受信信
号の時系列順で、すなわち、超音波ビームに沿って存在
している各エコーデータごとにボクセル演算(後述)が
順次実行され、ここで、そのボクセル演算は所定の終了
条件が満たされるまで実行される。そして、その終了時
点でのボクセル演算値が画素値に対応付けられる。よっ
て、その終了条件を適宜設定すれば、組織表面近傍でボ
クセル演算を終了させて組織表現を強調した表示を行な
える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の超音
波診断装置において、アレイ振動子を構成する各振動素
子に対し、適切な送信遅延量又は受信遅延量を設定する
ことにより、超音波ビームの電子フォーカスが行なわれ
る。ここで、電子フォーカスのフォーカス点(焦点)の
深さは、人為的にあるいは最大計測深度などの関係から
自動的に、走査面を構成する各超音波ビームについて一
様にかつ固定的に設定されるものである。
【0007】従って、従来において、各超音波ビームご
とにそのフォーカス点を注目部位に適応的に合わせるよ
うな自動制御は行なわれていなかった。このため、超音
波画像上において、任意の注目部位を中心として局所集
中的に分解能を向上させることはできなかった。近年、
組織形態などの自動計測のために、組織輪郭抽出や組織
境界(表面)抽出の自動化が要請されているが、仮に、
注目部位に沿って分解能(画質)を向上できれば、その
ような抽出処理の精度を向上できるものと思われる。
【0008】また、上述したように、ボクセル演算に基
づく画像処理において、所定の終了条件を適宜設定すれ
ば、組織表面又はその近傍でボクセル演算処理を終了さ
せて組織表面を強調した立体的投影画像を取得できる
が、その場合、組織表面又はその近傍にフォーカス点が
設定されていれば、より組織表面を明瞭に画像化するこ
とができる。よって、そのような装置においてもフォー
カス点の適応的制御が要請されている。
【0009】なお、以上のような特定部位に対するフォ
ーカス点の適応的設定は、各種の超音波画像の形成に当
たって上記同様に要請されるものである。
【0010】 本発明は、上記従来の課題に鑑みなされ
たものであり、その目的は、超音波ビームのフォーカ
ス点を適応的に設定できる超音波診断装置を提供するこ
とにある。
【0011】 また、本発明の目的は、二次元又は三次
画像上において組織の輪郭や境界に自動的にフォーカ
ス点が設定されるようにすることにある。
【0012】 また、本発明の目的は、上記のボクセル
演算に基づく立体的投影画像の形成に当たって、ボクセ
ル処理の終了条件を利用してフォーカス点を設定するこ
とにある。
【0013】
【0014】
【0015】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、電子フォーカスがなされた超音波
ビームを形成する送受波手段と、記電子フォーカスに
おけるフォーカス点の深さ前記超音波ビームごとに
応的に制御するフォーカス点制御手段と、前記超音波ビ
ーム上の各エコーデータに対して所定のボクセル演算を
順次行うことにより立体的投影画像を形成する手段であ
って、各超音波ビームごとに所定の終了条件が満たされ
た終了点で前記所定のボクセル演算が終了する立体的投
影画像形成手段と、を含み、前記フォーカス点制御手段
は、前記超音波ビームごとの終了点の深さに応じてフォ
ーカス点の深さを設定することを特徴とする。
【0016】 上記構成によれば、超音波の送受波によ
り得られたエコーデータに対するボクセル処理の終了条
を利用して終了点としての特定部位の深さが判定さ
れ、その深さに応じてフォーカス点が適応的に設定され
る。ここで、特定部位は、例えば、組織境界や組織表
面、あるいは血管などであってもよい。本発明によれ
ば、超音波ビームごとにフォーカス点をダイナミックに
可変設定できるという利点もある。なお、走査面の全体
ではなく、所定範囲について上記のフォーカス点の適応
的制御を適用してもよい。また、所定の深さ範囲内で
了点としての特定部位が認識された場合に限って、フォ
ーカス点の適応的制御を行ってもよい。更に、終了点と
しての特定部位を基準点とし、その基準点から例えば浅
い方又は深い方へ所定距離だけ離れた深度にフォーカス
点を設定してもよい。
【0017】上記のフォーカス点の制御の結果、超音波
ビームの形状が可変され、特定の深度で超音波ビームが
絞り込まれた超音波ビームが得られることになる。よっ
て、特定部位にフォーカス点が設定されるならば、その
特定部位及びその周囲の分解能が向上され、すなわちそ
の部分の画質が向上する。
【0018】本発明におけるフォーカス点の制御には、
送信ビームの制御及び受信ビームの制御の両者が含まれ
る。なお、受信時に多段階フォーカスが行われる場合に
は、その中の1つのフォーカス点を特定部位に設定し、
残りの1又は複数のフォーカス点を計測範囲内で均等配
分するような制御を行ってもよい。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】(2)また、上記構成によれば、終了点が
組織表面となるような終了条件が設定されていれば、結
果として、その終了点の特定により組織の表面の深さを
認識できるので、組織表面又はその近傍にフォーカス点
を設定してその部位の分解能の向上を図れる。
【0023】()本発明の好適な態様では、前記立体
的投影画像形成手段は、前記所定のボクセル演算を行う
手段として、エコー値eiに基づきボクセルiの不透明度
αiを演算する不透明度演算手段と、エコー値eiに基づ
きボクセルi の透明度βiを演算する透明度演算手段
と、エコー値ei に不透明度αiを乗算し、ボクセルi
の発光量を演算する発光量演算手段と、1つ前のボクセ
ルi-1 の出力光量にボクセルi の透明度βiを乗算し、
ボクセルi の透過光量を演算する透過光量演算手段と、
前記発光量と前記透過光量とを加算し、ボクセルi の出
力光量を求める光量加算手段と、を含み、前記終了点で
終了ボクセルの出力光量を画素値に対応させて前記立
体的投影画像を形成することを特徴とする。
【0024】 また、本発明の好適な態様では、前記立
体的投影画像形成手段は、前記所定のボクセル演算を行
う手段として、エコー値ei に基づきボクセルi の不透
明度αi を演算する不透明度演算手段と、前記エコー
値ei 、前記不透明度αi 、及び、
1つ前のボクセルi-1 の出力光量に相当する入力光量C
INi に基づいて、ボクセルi の出力光量COUTiを演算す
る出力光量演算手段と、を含み、前記終了点での終了ボ
クセルの出力光量を画素値に対応させて前記立体的投影
画像を形成することを特徴とする。
【0025】上記構成によれば、超音波ビームに沿って
不透明度などを利用したボクセル処理が実行される。こ
れにより、順次取り込まれるエコーデータを時系列順で
逐次的にリアルタイム処理でき、また、従来装置におい
て必要であった三次元データメモリを不要にすることが
できる。すなわち、取り込まれたエコーデータはその取
り込み順序で処理され、三次元データメモリにいったん
すべてのエコーデータを格納させなくても、データ処理
を十分に行える。
【0026】ちなみに、不透明度αi は、ボクセルi に
ついての周囲への超音波の拡散・散乱の度合いに関わる
もので、発光量は、ボクセルi の音源(光源)としての
強さを表すものと思われる。一方、透明度βi は、超音
波の透過率に関わるもので、透過光量は、ボクセルi を
伝達媒体として見た場合にその伝達率に相当するものと
思われる。このような発光量と透過光量とが加算されて
ボクセルi の出力光量が演算される。ここで、出力光量
はボクセルi の画素値への寄与度を表すものである。こ
の出力光量は、次のボクセルのボクセル処理(透過光量
の演算)に引き渡される。そして、ボクセル処理が最終
ボクセルに到達すると、その最終ボクセルの出力光量が
画素値に変換される。そして、各画素値が求まれば、そ
れらの画素値の集合として1枚の立体的投影画像が形成
される。
【0027】この超音波画像は、投影画像としての性格
と立体画像としての性格とを併せて有することが実験に
より確認されている。すなわち、生体内の組織をレント
ゲン写真のように透かして表現でき、その一方、超音波
三次元画像のような奥行き感をもって表現できる。よっ
て、例えば胎児の表面と内部の同時観察などを行うこと
ができ、疾病診断に当たって組織の三次元的な把握を容
易に行うことができる。
【0028】もちろん、不透明度及び透明度の定義を変
化させることによって、所望の画質の超音波画像を構成
でき、例えば透明感を強調したり、または立体感を強調
したりすることができる。あるいは、組織表面を強調し
たり、または組織内部を強調することができる。
【0029】このような調整は、不透明度などの定義を
可変することにより行われ、具体的には、不透明度をパ
ラメータとする終了条件を適宜設定することにより行な
うことが可能である。この場合、逐次加算される各不透
明度αiの値が大きければ、比較的早い段階で処理が終
了することになり、例えば、組織の表面まで透視して画
像表現が終了することになる。逆に、各不透明度αi
値が小さければ、比較的遅い段階で処理が終了すること
になり、例えば、組織の内部の深いところまで透視して
画像処理が終了することになる。
【0030】()本発明の好適な態様では、前記フォ
ーカス点制御手段は、最初の超音波ビームを形成する際
にはブロードな超音波ビームとなるように制御を行うこ
とを特徴とする。
【0031】最初の超音波ビームの形成においてはそれ
自体に適応的制御を行えないため、幅広く特定部位をサ
ーチするためにブロードな超音波ビームを形成するもの
である。この場合、例えば適当な中間深度にフォーカス
点を設定することもできる。
【0032】 本発明の好適な態様では、隣接する超音
波ビーム間において、一方の超音波ビームについての終
了点の深さに基づいて、他方の超音波ビームのフォーカ
ス点が設定される。
【0033】すなわち、前回の送受波により得られたエ
コーデータの処理結果を次の送受信に利用するものであ
る。これは、超音波ビームが連続的に電子走査されるよ
うな場合、隣接する超音波ビーム間では特定部位の深さ
はほぼ同じであるとみなせることに基づくものである。
なお、同一方向に複数回の超音波ビームの形成が行われ
る場合には同一方向における2回目からの送受信では最
初に決定されたフォーカス点の深さをそのまま利用して
もよい。
【0034】 望ましくは、前記フォーカス点制御手段
は、前記超音波ビームごとの終了点の深さを基準として
そこから浅い方又は深い方へ所定距離だけ離れた深さに
フォーカス点を設定する。
【0035】 望ましくは、前記送受波手段は、三次元
データ取込空間を形成し、前記三次元データ取込空間内
における各超音波ビームごとに前記フォーカス点の深さ
が適応的に制御される。
【0036】
【発明の実施の形態】まず、装置構成の説明に先立っ
て、実施形態に係る立体的投影画像の形成方法について
説明する。
【0037】[画像形成原理の説明]本実施形態に係る
画像処理法は、公知のボリューム・レンダリング(Volum
e Rendering)法を基礎とし、リアルタイムの画像処理
(特に、超音波画像処理)にその手法を発展させたもの
である。その際には、特有の条件が加味されている。
【0038】図1(A)に示すように、Y方向に向く超
音波ビームがX方向に走査されると、走査面10が形成
される。この走査面10をZ方向に移動させると、周知
のように三次元エコーデータ取込み空間12が形成され
る。この三次元エコーデータ取込み空間12に対して、
各超音波ビームに沿って本実施形態に係るボクセル処理
を行い、投影面16上に三次元エコーデータ取込み空間
12を投影したものが、図1(B)の超音波画像100
である。超音波画像100では、そのX方向の1ライン
100aが1つの走査面10に相当する。換言すれば、
超音波ビーム(透視線)1本が超音波画像100内の1
画素に相当する。
【0039】ここで、取り込まれたエコーデータの時系
列順でそのエコーデータに対して以下に詳述するボクセ
ル処理が行われるので、各エコーデータを三次元エコー
データメモリにいったん蓄積して画像形成に必要な順序
でエコーデータを読み出す必要はなく、データ取り込み
と同期したデータ処理が可能となる。
【0040】さて、図2及び図3には、ボクセル20の
概念が示されている。1つのボクセルは、受信信号をA
/D変換して得られた1つのエコーデータに相当し、換
言すれば、そのA/D変換レートの1周期に相当するボ
リューム(標本点)に相当するものである。すなわち、
超音波ビームは、多数のボクセルの集合体として仮定さ
れる。図2には各ボクセルがi−1からLLASTまで示さ
れている。最初のボクセルから順次処理を行って得られ
た値が超音波画像を構成する1画素の輝度値P(x,
y)に対応する。
【0041】ここで、各ボクセルに対し、不透明度αと
透明度β[本実施形態ではβ=(1−α)]を定義する
ことにする。不透明度αは、図3に示すようにボクセル
の周囲への自発的な発光に相当するものである。透明度
(1−α)は1つ前のボクセルからの光に対する当該ボ
クセル中の透過度合いに相当するものである。不透明度
αは0≦α≦1の範囲に設定され、本実施形態におい
て、その不透明度はエコーデータ(エコー値)の関数と
して定義される。具体的には、例えば、
【数1】 α=k1・ek2 …(1) として定義される。ここで、eはエコーデータの値であ
り、またk1は定数(係数)である。k2としては望ましく
は1よりも大きい数値が代入され、例えばk2=2又は3
である。すなわち、エコーデータの値eに対してαは非
線形に変化する。なお、定数k1を可変できるように構成
するのが望ましい。
【0042】図2に示されるように、あるボクセルiに
は、入力光量CINi と出力光量COU Tiとが定義され、そ
の入力光量CINi は1つ前のボクセルi−1の出力光量
OU Ti-1に等しい。すなわち、
【数2】 CINi =COUTi-1 …(2) の関係がある。ただし、ボクセル処理が開始される開始
ボクセルにおいてはCIN 1 =0である。なお、開始ボク
セルは自動的に設定され又は人為的に設定される。
【0043】各ボクセルには、上記の不透明度αと透明
度(1−α)に基づいて、発光量と透過光量が定義され
る。すなわち、ボクセルiの発光量は、不透明度とエコ
ーデータの積として定義され、αi ・ei である。ボク
セルiの透過光量は透明度と入力光量の積として定義さ
れ、(1−αi )・CINi である。
【0044】本実施形態において、図4に示すように、
その発光量と透過光量は以下のように加算され、当該ボ
クセルの出力光量COUTiが決定される。
【0045】
【数3】 COUTi=(1−αi )・CINi +αi ・ei …(3) ただし、上記第2式からCINi =COUTi-1である。すな
わち、1つ前のボクセルでの計算結果が次のボクセルの
計算に利用される。
【0046】上記の第3式を開始ボクセルから次のボク
セルへ、そして、その次のボクセルへと順次行っていく
間において、各ボクセルの不透明度αi を加算し、その
加算値Σαi が1に到達した時点で、処理を終了させる
(終了条件)。ただし、処理が最後(又は設定された深
さ)のボクセルLLASTとなった場合にも処理を終了させ
る(強制終了条件)。すなわち、処理が終了する条件
は、
【数4】 Σαi =1 or i=LLAST …(4) である。Σαi =1での処理の終了は、不透明度の総和
が1に到達した時点で処理を停止させることを意味し、
もちろん、条件に応じて上記第4式の条件、特にαi
最大加算値(終了判定値)を変更させてもよい。
【0047】以上の終了判定がなされた時点でのボクセ
ル(最終ボクセル)の出力光量COU T が、対応する画素
の輝度P(x,y)として利用される。そして、このよ
うな超音波ビームごとの画素値演算がすべての超音波ビ
ームについて行われると、超音波画像を構成するすべて
の画素の画素値を得られる。すなわち、1枚の超音波画
像が形成される。
【0048】上記第3式が示すように、画素の輝度値P
(x,y)には、開始ボクセルから終了ボクセルまでの
すべてのエコーデータの値が反映されている。しかし、
それは従来のように単なる単純積算でなく、各ボクセル
での超音波の散乱と吸収の両方を反映したものとなって
いる。よって、あたかも光源から光が出て、各ボクセル
での散乱及び吸収を経て透過した光によって形成される
像のような奥行き感(立体感)と透明感の両者の性質を
もった超音波画像を構成できる。
【0049】ところで、上記第3式においては、透明度
が(1−αi )で定義され、すなわち不透明度αi によ
って透明度を表すことができるので、演算式中から透明
度の概念を見掛け上消去することができる。よって、以
下のように第3式を式変形することにより、同じ原理に
基づいて、出力光量COUTiを演算できる。
【0050】
【数5】 COUTi=(1−αi )・CINi +αi ・ei …(3) =CINi +αi ・(ei −CINi ) …(5−1) =CINi +Δi …(5−2) (ここで、Δi =αi ・(ei −CINi )) 上記の第5−1式は第3式を書き換えたもので、その第
2項をΔi で置き換えると、第5−2式が得られる。す
なわち、ボクセルiの出力光量COUTiは、入力光量C
INi に修正光量Δi を加算したものとして定義できる。
この第5−2式においても、上記の式変形の過程を見れ
ば明らかなように、透明度(1−αi )の概念は内包さ
れており、原理上異ならない。
【0051】[好適な実施形態]次に、上記画像処理が
適用された超音波診断装置につき図面を用いて説明す
る。
【0052】図5は本発明の原理を説明するための図で
ある。図5(A)において、複数の振動素子で構成され
るアレイ振動子30の中の全部又は一部の振動素子が駆
動され、これにより超音波ビーム32が形成される。こ
の場合、対象臓器36の表面を特に観察したいにもかか
わらず、その対象臓器36の表面から離れた位置に焦点
位置(フォーカス点)34が設定されると、結果とし
て、対象臓器36の表面付近において超音波ビーム32
は広がることになり、このため対象臓器36の表面では
分解能が低下することになる。すなわち、その部位にお
いてはあまり良好な画質を得ることはできない。
【0053】一方、図5(B)に示すように、何らかの
手段を適用して対象臓器36の表面の深さを特定し、そ
の深さに焦点位置34を設定できるのであるならば超音
波ビーム32が最も絞り込まれた部分を対象臓器36の
表面と合致することができ、その結果、その対象臓器3
6の表面付近において分解能を高められ、良好な画質を
得ることが可能となる。本発明は特に、対象臓器の表面
を観察したりあるいはその対象臓器の表面を画像化する
ような場合において、図5(B)に示したように、注目
する部位又はその近傍に適応的に焦点位置34を設定す
ることを特徴とするものである。
【0054】図6には、本発明に係る超音波診断装置の
全体構成がブロック図で示されている。図6に示された
超音波診断装置は、上述したボクセル演算を行って立体
的透影画像を形成する装置である。このため、上述した
計算式に基づくボクセル演算を実行して立体的投影画像
を形成する立体的投影画像形成部44が設けられてい
る。
【0055】図6において、超音波探触子38は、電子
走査されるアレイ振動子35をその走査面に直交する方
向に機械的に移動させて三次元取込み空間を形成する三
次元データ取込み用超音波探触子である。なお、本発明
は、このような三次元計測の場合に限られず、二次元計
測あるいはそれ以外の計測に対しても適用できる。
【0056】送受信部40は、超音波探触子38に対し
て送信信号を供給すると共に、超音波探触子38からの
受信信号に対して増幅などの処理を行うものである。超
音波ビームのフォーカス制御は、この送受信部40によ
って行われており、具体的には後述する焦点距離制御部
42によって設定された焦点位置に超音波ビームの絞り
込みが行われるように、そのフォーカス制御が行われて
いる。
【0057】立体的投影画像形成部44は、上述した例
えば第3式に基づいてボクセル演算を行って、各超音波
ビームごとに画素値を決定して立体的投影画像を形成す
るものである。その際利用される不透明度は例えば上述
した第1式に基づいて定義されており、ここにおいて計
数k1は不透明度調整部54によって適宜設定可能であ
る。この不透明度調整を行うことにより、例えば胎児表
面においてボクセル演算を終了させるような終了条件を
容易に設定することができる。
【0058】デジタルスキャンコンバータ(DSC)4
6は、形成された立体的投影画像に対して所定の画像処
理や座標変換などを施すものであり、DSC46から出
力された立体的投影画像は表示部48へ送られ画像表示
される。
【0059】一方、立体的投影画像における各ボクセル
の不透明度の値は、演算終了位置判定部50に送られて
いる。そして、演算終了位置判定部50は上述した終了
条件が満たされた時点の最終ボクセルの位置(演算終了
位置)を判定する。これは各超音波ビームごとに行われ
る。そして、焦点距離演算部52は、判定された終了位
置に基づきアレイ振動子から焦点位置までの距離を演算
し、その焦点距離の情報を焦点距離制御部42へ出力す
る。これにより、焦点距離制御部42は送受信部40を
制御して前記終了条件が満たされた終了点に焦点位置が
合致するように超音波ビームの形状を制御する。
【0060】したがって、不透明度調整部54によって
適当に不透明度が定義されるならば、例えば胎児の表面
においてボクセル演算を終了させることができ、結果と
して、その胎児表面に超音波ビームのフォーカス点を適
応的に設定することが可能となる。これにより、胎児の
立体的投影画像を形成する場合においてその胎児の画像
の画質をきわめて向上することが可能となる。
【0061】 図7には、参考例が示されている。この
図7に示す構成においても立体的投影画像形成部44が
設けられており、すなわち、超音波ビームが三次元的に
走査され、それにより得られた各エコーデータに基づき
立体的投影画像が形成されている。
【0062】 ただし、この参考例においては、振幅値
比較部56において、送受信部40から出力された受信
信号が、しきい値設定部58から出力されたしきい値と
比較されており、そのしきい値を受信信号が越えた時点
で所定の信号が焦点距離演算部52へ出力されている。
すなわち、このしきい値は組織表面あるいは組織境界を
抽出するためのしきい値である。もちろん、そのような
しきい値は、例えば超音波ビームの深さ方向に沿って適
応的に可変設定されるように構成してもよい。
【0063】したがって、焦点距離演算部52は、組織
表面のエコーデータが取得できたタイミングで振幅値比
較部から所定の信号を受けることになり、焦点距離演算
部52は送信時点からそのような信号を受けるまでの期
間に基づき組織表面までの距離を演算し、それを焦点距
離として出力する。焦点距離制御部42は、図6に示し
た構成と同様に、判定された焦点距離に基づいて送受信
部40を制御し、組織表面に超音波ビームの焦点位置が
合致するような制御を行う。
【0064】図7に示した構成においては、受信信号自
体を利用して生体内の特定部位が判定されており、この
原理によれば立体的投影画像以外の画像、例えば二次元
断層画像などを形成する場合においても組織境界に超音
波ビームの焦点位置を合わせることが可能となる。
【0065】図8には、上記の実施形態における超音波
ビームの電子スキャンが概念として示されている。例え
ば図8に示されるように、対象臓器36の表面がなだら
かに変化しているような場合において、本実施形態にお
いては、隣接する超音波ビーム間において、最初に形成
された超音波ビーム上で取得された臓器の表面位置を利
用して、次に形成される超音波ビームの焦点位置が制御
される。具体的には、例えば超音波ビーム32Bと32
Cに着目すると、超音波ビーム32Bの形成により判定
された対象臓器36の表面位置36Bに基づきそれと同
じ深さで超音波ビーム32Cにおける焦点位置34Cが
設定される。この場合、厳密にはその焦点位置34Cと
その超音波ビーム32C上における対象臓器36の表面
位置36Cは相違することになるが、組織の連続性を考
慮するならば、一般にそのような差は実質的に問題とな
らない。
【0066】ちなみに、最初の超音波ビーム32Aの形
成時においては、その焦点位置を判定するための基準が
得られていないため、例えばブロードな超音波ビーム3
2Aを形成して広い範囲で表面位置36Aの判定を行う
ことができるようにするのが望ましい。もちろん、適当
な位置に焦点位置を設定して同様の処理を行うこともで
きる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
超音波ビームのフォーカス点を適応的に設定すること
ができ、注目する部位付近の分解能を高めて画質向上を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 三次元取込み空間と投影画像との関係を示す
図である。
【図2】 各ボクセルの入力光量と出力光量との関係を
示す図である。
【図3】 各ボクセルの発光量を示す図である。
【図4】 ボクセルの出力光量を説明するための図であ
る。
【図5】 本発明の原理を説明するための図である。
【図6】 本発明に係る超音波診断装置の実施形態を示
すブロック図である。
【図7】 参考例を示すためのブロック図である。
【図8】 超音波ビームの電子スキャンの概念を示す図
である。
【符号の説明】
30 アレイ振動子、32 超音波ビーム、34 焦点
位置、36 対象臓器、38 超音波探触子、40 送
受信部、42 焦点距離制御部、44 立体的投影画像
形成部、50 演算終了位置判定部、52 焦点距離演
算部、54 不透明度調整部、56 振幅値比較部、5
8 しきい値設定部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−29342(JP,A) 特開 平1−94830(JP,A) 特開 平1−209050(JP,A) 特開 平2−98340(JP,A) 特開 平3−205041(JP,A) 特開 平8−266538(JP,A) 特開 平10−33538(JP,A) 特表 昭64−500294(JP,A) 望月剛、赤羽陸弘、広瀬昌紀、笠原英 司,リアルタイム超音波3次元表示を目 指した高速投影表示(Vol−mod e)装置の開発,日本超音波医学会第67 回研究発表会講演抄録集,(社)日本超 音波医学会,1996年 4月26日,298 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 8/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子フォーカスがなされた超音波ビーム
    を形成する送受波手段と、 記電子フォーカスにおけるフォーカス点の深さ前記
    超音波ビームごとに適応的に制御するフォーカス点制御
    手段と、前記超音波ビーム上の各エコーデータに対して所定のボ
    クセル演算を順次行うことにより立体的投影画像を形成
    する手段であって、各超音波ビームごとに所定の終了条
    件が満たされた終了点で前記所定のボクセル演算が終了
    する立体的投影画像形成手段と、 を含み、 前記フォーカス点制御手段は、前記超音波ビームごとの
    終了点の深さに応じてフォーカス点の深さを設定する
    とを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項記載の装置において、 前記立体的投影画像形成手段は、前記所定のボクセル演
    算を行う手段として、 エコー値ei に基づきボクセルi の不透明度αi を演算
    する不透明度演算手段と、 エコー値ei に基づきボクセルi の透明度βi を演算す
    る透明度演算手段と、 エコー値ei に不透明度αi を乗算し、ボクセルi の発
    光量を演算する発光量演算手段と、 1つ前のボクセルi-1 の出力光量にボクセルi の透明度
    βi を乗算し、ボクセルi の透過光量を演算する透過光
    量演算手段と、 前記発光量と前記透過光量とを加算し、ボクセルi の出
    力光量を求める光量加算手段と、 を含み、前記終了点での 終了ボクセルの出力光量を画素値に対応
    させて前記立体的投影画像を形成することを特徴とする
    超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項記載の装置において、 前記立体的投影画像形成手段は、前記所定のボクセル演
    算を行う手段として、 エコー値ei に基づきボクセルi の不透明度αi を演算
    する不透明度演算手段と、 前記エコー値ei 、前記不透明度αi 、及び、1つ前の
    ボクセルi− 1の出力光量に相当する入力光量CINi
    基づいて、ボクセルiの出力光量COUTiを演算する出力
    光量演算手段と、 を含み、前記終了点での 終了ボクセルの出力光量を画素値に対応
    させて前記立体的投影画像を形成することを特徴とする
    超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項又は記載の装置において、 前記終了条件は、各ボクセルの不透明度の加算値が所定
    値に到達した場合に前記ボクセル演算を終了させる条件
    であることを特徴とする超音波診断装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の装置において、 前記フォーカス点制御手段は、最初の超音波ビームを形
    成する際にはブロードな超音波ビームとなるように制御
    を行うことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の装置において、 隣接する超音波ビーム間において、一方の超音波ビーム
    についての終了点の深さに基づいて、他方の超音波ビー
    ムのフォーカス点が設定されることを特徴とする超音波
    診断装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の装置において、 前記フォーカス点制御手段は、前記超音波ビームごとの
    終了点の深さを基準としてそこから浅い方又は深い方へ
    所定距離だけ離れた深さにフォーカス点を設定すること
    を特徴とする超音波診断装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の装置において、 前記送受波手段は、三次元データ取込空間を形成し、 前記三次元データ取込空間内における各超音波ビームご
    とに前記フォーカス点の深さが適応的に制御されること
    を特徴とする超音波診断装置。
JP24774196A 1996-09-19 1996-09-19 超音波診断装置 Expired - Fee Related JP3500014B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24774196A JP3500014B2 (ja) 1996-09-19 1996-09-19 超音波診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24774196A JP3500014B2 (ja) 1996-09-19 1996-09-19 超音波診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1085215A JPH1085215A (ja) 1998-04-07
JP3500014B2 true JP3500014B2 (ja) 2004-02-23

Family

ID=17167985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24774196A Expired - Fee Related JP3500014B2 (ja) 1996-09-19 1996-09-19 超音波診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3500014B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5348829B2 (ja) * 2006-06-08 2013-11-20 株式会社東芝 超音波診断装置、超音波画像表示方法及び超音波画像表示プログラム
JP2008048951A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Shimadzu Corp 超音波診断装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
望月剛、赤羽陸弘、広瀬昌紀、笠原英司,リアルタイム超音波3次元表示を目指した高速投影表示(Vol−mode)装置の開発,日本超音波医学会第67回研究発表会講演抄録集,(社)日本超音波医学会,1996年 4月26日,298

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1085215A (ja) 1998-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6450962B1 (en) Ultrasonic diagnostic methods and apparatus for generating images from multiple 2D slices
KR100908252B1 (ko) 영상 처리 시스템 및 방법
CN103648400B (zh) 超声波诊断装置以及方法
JP4795675B2 (ja) 医療用超音波システム
US5065763A (en) Combined reflection and transmssion untrasonic imaging method and apparatus
JPH10277030A (ja) 超音波診断装置
US7108658B2 (en) Method and apparatus for C-plane volume compound imaging
JP2009011468A (ja) 超音波診断装置
US20070038106A1 (en) Ultrasound diagnostic system and method of automatically controlling brightness and contrast of a three-dimensional ultrasound image
JP2883584B2 (ja) 超音波画像処理装置及び方法
US6059729A (en) Method and apparatus for edge enhancement in ultrasound imaging
JP3015728B2 (ja) 超音波診断装置
JP4917259B2 (ja) 角度依存型後方散乱空間合成のための方法及びシステム
JP3500014B2 (ja) 超音波診断装置
JP3522488B2 (ja) 超音波診断装置
JP3015727B2 (ja) 超音波診断装置
JP2001017428A (ja) オパシティ設定方法、3次元像形成方法および装置並びに超音波撮像装置
JP3394648B2 (ja) 超音波診断装置
JP2000300555A (ja) 超音波画像処理装置
JP3977779B2 (ja) 超音波診断装置
JP3776523B2 (ja) 超音波診断装置
JPH1085213A (ja) 超音波診断装置
US20240000430A1 (en) Processing ultrasound scan data
JP3069404B2 (ja) 超音波診断装置
EP1039312A2 (en) Ultrasonic imaging system for realizing optimum harmonic image and a method therefor

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101205

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101205

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees