JP3522313B2 - フッ素樹脂材料の接着方法 - Google Patents

フッ素樹脂材料の接着方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素樹脂材料相互も
しくはフッ素樹脂材料と異種材料との接着方法、および
フッ素樹脂複合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は他物質との親和性が小さ
く、接着が困難であることから、従来、フッ素樹脂材料
相互もしくはフッ素樹脂材料と異種材料とを接着させる
場合、フッ素樹脂材料の表面を予め何らかの方法で表面
処理し接着性を改善することが行われている。例えば金
属ナトリウムを含む液体アンモニアあるいは、ナフタリ
ンおよびテトラヒドロフランを含む処理液で化学的にフ
ッ素樹脂材料の表面を改質する方法、スパッタリング、
コロナ放電、プラズマ等により物理的にフッ素樹脂材料
の表面を改質する方法が従来知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の化学的
改質方法では、フッ素樹脂材料表面が褐色になり、表面
部分が脆弱になって、接着層が剥離してしまうという問
題が生じる。他方、従来の物理的表面改質方法も、形成
された粗面が応力集中点になり、接合破壊を誘起する。
そのため、従来のいずれの方法も高い接着強度が得られ
なかった。
【0004】したがって、本発明は、極めて高い接着強
度が得られるフッ素樹脂材料の接着方法を提供すること
を目的とする。さらに本発明は、高い接着強度で接合さ
れたフッ素樹脂材料複合体の製造方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、フッ素原子との結合エネルギーが、炭素
原子とフッ素原子との結合エネルギーである128Kc
al/mol以上の原子(ケイ素を除く)、例えばB、
Al、Ba、Ga、Li、H、Tiと、接着剤に対し親
和性を有する親水基、親油基その他の官能基、例えば−
OH、−Cl、−NO2 等とを有する溶液をフッ素樹脂
材料表面に接触させ、その状態でフッ素樹脂材料と溶液
との界面に光子エネルギーが128Kcal/mol以
上の紫外線を照射し、これによりフッ素樹脂材料から脱
フッ素すると同時に、この官能基で置換して、表面改質
処理を行い、その上で他の材料と接着剤を介して接合さ
せるという手段を採用した。
【0006】すなわち、本発明は、フッ素樹脂材料を同
種または異種の材料と接着剤を介して接合させるのに先
立ち、フッ素原子との結合エネルギーが128Kcal
/mol以上の原子(ケイ素を除く)と、親水基、親油
基あるいは該接着剤固有の官能基とを有する化合物を
含む溶液に該フッ素樹脂材料を接触させ、その状態で該
フッ素樹脂材料と該溶液との界面に光子エネルギーが1
28Kcal/mol以上の紫外線を照射し、これによ
り該フッ素樹脂材料から脱フッ素すると同時に、該親水
基、親油基または官能基で置換する表面改質処理を行う
ことを特徴とするフッ素樹脂材料の接着方法を提供する
ものである。
【0007】さらに、本発明は、以上のように表面改質
処理されたフッ素樹脂材料相互を、または表面改質処理
されたフッ素樹脂材料と異種樹脂材料とを、こられが可
溶な有機溶剤で圧着接合することを特徴とするフッ素樹
脂複合材料の製造方法を提供するものである。
【0008】
【0009】なお、本発明において、フッ素樹脂とは、
フッ素原子を含有する単量体の重合体もしくは共重合体
からなる樹脂、ならびにこれを基材とする樹脂を含み、
例えばポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化塩化エチレ
ン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン、ポリフッ
化ビニリデンなどを挙げることができる。
【0010】フッ素原子との結合エネルギーが128K
cal/mol以上の原子を有する化合物の例として
は、ホウ素化合物、アルミニウム化合物、バリウム化合
物、ガリウム化合物、リチウム化合物(ケイ素化合物で
あるものを除く)、水素化合物、チタン化合物を挙げる
ことができる。具体的には、(BHNH)3 、LiBH
4 、NaBH4 、KBH4 、CsBH4 、H3 BO3
B(CH33 、B(C253 、B(C37
3 、B(C493 、B(C653 、B(OH)
2 (C65 )、NaB(C654 、B(CH3
O)3 、B(C25O)3 、B(C49 O)3
(NH4247 、Al(OH)3 、Al(NO
33 、AlCl3 、AlBr3 、AlI3 、Al2
(SO43 、Al(CH3 COO)2 OH、Al2
aO4 、NH4 AlCl4 、LiAlH4 、AlNa
(SO42 、AlK(SO42 、Al(NH4 )S
4 、Al(CH33 、Al(C373 、Al
(C253 、Al(C653 、Al(C25
O)3 、Al(C37O)3 、Al(C49 O)
3 、Ba(ClO42 、BaBr、BaI2 、Ba
(OH)2 、BaS23 、Ba(NO22 、Ba
(CN)2 、GaCl3、GaBr、Ga(OH)3
Ga(SO43 、Ga(NO33 、Ga(CH3
OO)3 、GaK(SO42 、Ga(CH33 、G
a(C253、Ga(C373 、Ga(C49
3、Ga(C653 、LiCl、LiBr、Li
I、LiOH、LiSH、LiN、LiNO3 、Li
(CH3 )、Li(炭化水素化合物)、Li(C6
5)、LiCH3 O、LiAlH[OC(CH3
33 、LiNH2 、H2 O、D2 O、H22 、HC
OOH、CH3 COOH、HCl、HNO3 、H2 SO
4 、C66 、C65 CH3 、Ti(CH26
54 、[Ti(C6522 、TiCl3 、Ti
Br4、TiI4 を挙げることができる。
【0011】接着剤と親和性を有する官能基の例として
は、−OH、−Cl、−NO2 、−CN、−NH2 、−
COOH、−CO、−OCH3 、−OC25 、−OC
37 、−OC49 、−CONH、−CH3 、−C2
5 、−CH2 、−SO3 H、−C37 、−C4
9 、−C65 を挙げることができる。
【0012】なお、ホウ素化合物、アルミニウム化合
物、バリウム化合物、ガリウム化合物、リチウム化合物
(ケイ素化合物であるものを除く)が常温で液体の場合
は、その液体中にて、光子エネルギーが128Kcal
/mol以上の紫外線を試料との界面に照射すればよ
く、また、これら化合物が固体または粉体の場合は、
水、重水、アンモニア、硫酸、四塩化炭素、二硫化水
素、炭化水素類、ハロゲン化合物類、アルコール類、フ
ェノール類、有機酸およびその誘導体、ニトリル類、ニ
トロ化合物類、アミン類および硫黄化合物類などの溶媒
に溶解して、その溶液中にて、光子エネルギーが128
Kcal以上/molの紫外線を試料との界面に照射す
ればよい。
【0013】光子エネルギーが128Kcal/mol
以上の紫外線の例としては、ArFエキシマレーザー、
HgランプまたはHg−Xeランプからのものなどを挙
げることができる。ArFエキシマレーザーはシリンド
リカルレンズで線状ビームに変形させ、該溶液から連続
的に引上げられたフッ素樹脂材料の該溶液との界面に沿
って照射するようにしてもよい。また、フッ素樹脂材料
の接着部に対応するパターンを介してArFエキシマレ
ーザーを照射してもよい。その他の上記紫外線の例とし
ては、空気、窒素または他のガス雰囲気のアーク、コロ
ナまたは無声放電により得られる紫外光ランプからのも
のでもよい。
【0014】フッ素原子との結合エネルギーが128K
cal/mol以上の原子と、親水基、親油基あるいは
該接着剤固有の官能基とを有する化合物を含む溶液は、
接着剤に予め混入させてもよい。また、この混入させた
溶液をフッ素樹脂材料の表面に塗布し、ついでその塗布
層界面に光子エネルギーが128Kcal/mol以上
の紫外線を照射し、フッ素樹脂材料の表面に接着層を形
成するようにしてもよい。さらに、フッ素原子との結合
エネルギーが128Kcal/mol以上の原子と、親
水基、親油基あるいは該接着剤固有の官能基とを有する
化合物を含む溶液を多孔質材料に含浸させ、これをフッ
素樹脂材料と密着させた状態で、その界面に光子エネル
ギーが128Kcal/mol以上の紫外線を照射して
もよい。
【0015】
【作用】このように、本発明では、フッ素樹脂材料の表
面部から脱フッ素が行われ、このフッ素の代わりに接着
剤と親和性を有する官能基が置換され、その結果、フッ
素樹脂材料の表面は接着剤との親和性が改良され、強固
な接着強度が達成される。
【0016】
【実施例】以下、図示の実施例を参照して本発明をより
具体的に説明する。 (実施例1)図1に示す装置を用いて、フッ素樹脂材料
(ポリ四フッ化エチレン)の表面処理を行った。なお、
図中、1はエキシマレーザー装置、2はマスク、3はミ
ラー、4および5はレンズ、6は反応容器、7は試料と
してのフッ素樹脂シートである。
【0017】まず、反応容器6にメチルアルコール(C
3 OH)50ccと、テトラヒドロ硼酸ナトリウム
(Na[BH4 ])5gを溶かした溶液を満たし、その
中にフッ素樹脂シート7を入れ、溶液とフッ素樹脂シー
ト7との界面にArFレーザー光を照射したところ、図
2に示すように親油基と親水基が共に発現された。これ
は、ATR−FTIRによる赤外線吸収スペクトル測定
の結果、メチル基の置換については2900cm-1付近
での吸収により、また、水酸基の置換については330
0cm-1付近での吸収により確認された。また、脱フッ
素についてはX線光電子分光法(XPS)により確認さ
れた。このように処理されたフッ素樹脂シート7をステ
ンレス板にエポキシ樹脂系接着剤で接着し、引張り剪断
試験を行ったところ、140Kgf/cm2 の接着強度
が確認された。
【0018】(実施例2)図3に示す装置を用いて、フ
ッ素樹脂材料(FEP)の表面処理を行った。なお、図
中、1はエキシマレーザー装置、2はマスク、3はミラ
ー、4はレンズ、5は化合物液体、6は反応容器、7は
試料としてのフッ素樹脂シート、8はスポンジシートで
ある。
【0019】まず、50ccの水の中にテトラヒドロ硼
酸ナトリウム5gを溶かし、この溶液5をスポンジシー
ト8に浸し、これにより気泡の発生とフッ素樹脂シート
試料7との液の離脱を抑え、その上に透明フッ素樹脂
(FEP)シート試料7を載せ、上方からArFレーザ
ー光(10mJ/cm2 )を照射したところ、図4に示
すように未処理のとき、水との接触角が110度であっ
たものが10度に改質された。この表面改質されたフッ
素樹脂シート試料をステンレス板にアロンアルファー
(商標)を介して接着したところ、60Kgf/cm2
の接着強度が確認された。
【0020】(実施例3)2gの硼酸(H3 BO3 )を
50ccの水の中に溶かし、この溶液をスポンジシート
に浸し、実施例2と同様に透明フッ素樹脂(FEP)シ
ート試料を処理したところ、ArFレーザーエネルギー
密度15mJ/cm2 で、フッ素樹脂シート試料表面に
水酸基(OH)が置換され、水との接触角が5度になっ
た。この表面改質されたフッ素樹脂シート試料をステン
レス板にアロンアルファー(商標)を介して接着したと
ころ、60Kgf/cm2 の接着強度が確認された。
【0021】(実施例4)2gの硼酸(H3 BO3 )を
50ccのアンモニア水の中に溶かし、この溶液をスポ
ンジシートに浸し、実施例2と同様に透明フッ素樹脂
(FEP)シート試料を処理したところ、フッ素樹脂シ
ート試料表面にアミノ基(−NH2 )が置換され、親水
性が発現された。このアミノ基の置換については、AT
R−FTIRによる赤外線吸収スペクトル測定の結果、
3500cm-1付近でのNHの吸収により確認された。
また、脱フッ素についてはX線光電子分光法(XPS)
により確認された。この時のArFレーザーエネルギー
密度は20mJ/cm2 で、水との接触角は5度であっ
た。この表面改質されたフッ素樹脂シート試料をステン
レス板にエポキシ樹脂系接着剤を介して接着し、引張り
剪断試験を行ったところ、140Kgf/cm2 の接着
強度が確認された。
【0022】(実施例5)2gの硼酸(H3 BO3 )を
50ccのメチルアルコールに溶した溶液を図1に示す
反応容器6に入れ、その中にフッ素樹脂シート試料を入
れ、溶液と試料との界面に15mJ/cm2 のArFレ
ーザー光を照射したところ、ベンゼンとの接触角は10
度となり、親油性が発現された。この表面改質されたフ
ッ素樹脂シート試料をステンレス板にエポキシ樹脂系接
着剤を介して接着し、引張り剪断試験を行ったところ、
120Kgf/cm2 の接着強度が確認された。
【0023】(実施例6)2gの硼酸(H3 BO3 )を
50ccのトルエン(C65 ・CH3 )に溶した溶液
を図1に示す反応容器6に入れ、実施例1と同様に、そ
の中にフッ素樹脂シート試料を入れ、溶液と試料との界
面にArFレーザー光を照射したところ、実施例1とほ
ぼ同様の親油基が発現され、この処理されたフッ素樹脂
シートをステンレス板にエポキシ樹脂系接着剤で接着
し、引張り剪断試験を行ったところ、140Kgf/c
2 の接着強度が確認された。
【0024】(実施例7)2gの水酸化アルミニウム
(Al(OH)3 )を、0.1規定のNaOH水溶液で
溶かし、実施例2と同様にして、この溶液をスポンジシ
ートに浸し、これに透明フッ素樹脂(FEP)シート試
料を載せ、上方からArFレーザー光(10mJ/cm
2 )を照射したところ、実施例2と同様の親水性が発現
され、この表面改質されたフッ素樹脂シート試料をステ
ンレス板にアロンアルファー(商標)を介して接着した
ところ、60Kgf/cm2 の接着強度が確認された。
【0025】(実施例8)トリメトキシボロン(B(O
CH33 )の液体を図1に示す反応容器6に入れ、実
施例1と同様に、その中にフッ素樹脂シート試料を入
れ、溶液と試料との界面にArFレーザー光を照射した
ところ、実施例1とほぼ同様の接触角が得られ、この処
理されたフッ素樹脂シートをステンレス板にエポキシ樹
脂系接着剤で接着し、引張り剪断試験を行ったところ、
140Kgf/cm2 の接着強度が確認された。
【0026】(実施例9)2gの水酸化バリウム(Ba
(OH)2 )を、50ccの水に溶かし、この溶液をス
ポンジシートに浸し、これに透明フッ素樹脂(FEP)
シート試料を載せ、上方からArFレーザー光(20m
J/cm2 )を照射したところ、実施例2と同様の親水
性が発現され、この表面改質されたフッ素樹脂シート試
料をステンレス板にアロンアルファー(商標)を介して
接着したところ、30Kgf/cm2 の接着強度が確認
された。
【0027】(実施例10)2gの酢酸ガリウム(Ga
(CH3 COO)3 を、50ccの水に溶かし、この溶
液をスポンジシートに浸し、これに透明フッ素樹脂(F
EP)シート試料を載せ、上方からArFレーザー光
(20mJ/cm2 )を照射したところ、実施例2と同
様の親水性が発現され、この表面改質されたフッ素樹脂
シート試料をステンレス板にアロンアルファー(商標)
を介して接着したところ、25Kgf/cm2 の接着強
度が確認された。
【0028】(実施例11)2gの酢酸リチウム(Li
CH3 COO)を、50ccのメチルアルコールに溶か
し、この溶液をスポンジシートに浸し、これに透明フッ
素樹脂(FEP)シート試料を載せ、上方からArFレ
ーザー光(20mJ/cm2 )を照射したところ、実施
例2と同様の親水性が発現され、この表面改質されたフ
ッ素樹脂シート試料をステンレス板にアロンアルファー
(商標)を介して接着したところ、20Kgf/cm2
の接着強度が確認された。
【0029】(実施例12)純水(H2 O)をスポンジ
シートに浸し、これに透明フッ素樹脂(FEP)シート
試料を載せ、上方からArFレーザー光(20mJ/c
2 )を照射したところ、実施例2と同様の親水性が発
現され、この表面改質されたフッ素樹脂シート試料をス
テンレス板にアロンアルファー(商標)を介して接着し
たところ、20Kgf/cm2 の接着強度が確認され
た。なお、純水に代えて水道水を用いて同様の実験を繰
り返したところ、ほぼ同様の結果が得られた。
【0030】(実施例13)ギ酸(HCOOH)をスポ
ンジシートに浸し、これに透明フッ素樹脂(FEP)シ
ート試料を載せ、上方からArFレーザー光(25mJ
/cm2 )を照射したところ、実施例2と同様の親水性
が発現され、この表面改質されたフッ素樹脂シート試料
をステンレス板にアロンアルファー(商標)を介して接
着したところ、25Kgf/cm2 の接着強度が確認さ
れた。
【0031】(実施例14)テトラベンジルチタンTi
(CH2654 2gを50ccのヘキサン(C6
14)に溶かした溶液を図1に示す反応容器6に入れ、
実施例1と同様に、その中にフッ素樹脂(FEP)シー
ト試料を入れ、溶液と試料との界面にArFレーザー光
を照射したところ、実施例1と同様の親油性が発現さ
れ、この表面改質されたフッ素樹脂シート試料をステン
レス板にエポキシ樹脂系接着剤で接着し、剪断試験を行
ったところ、65Kgf/cm2 の接着強度が確認され
た。
【0032】(実施例15)ギ酸(HCOOH)をスポ
ンジシートに浸し、これに透明フッ素樹脂(FEP)シ
ート試料を載せ、上方かトロイダル面を有する反射鏡と
レンズによって集光(直径約10mm)された100W
低圧水銀ランプ光を3分間照射したところ、実施例2と
同様の親水性が発現され、この表面改質されたフッ素樹
脂シート試料をステンレス板にアロンアルファー(商
標)を介して接着したところ、20Kgf/cm2 の接
着強度が確認された。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
フッ素原子との結合エネルギーが、炭素原子とフッ素原
子との結合エネルギーである128Kcal/molよ
り大きい原子、例えばB、Al、Ba、Ga、Li、
H、Tiと、接着剤に対し親和性を有する官能基、例え
ば−OH、−Cl、−NO2 等とを有する溶液をフッ素
樹脂材料表面に接触させ、その状態でフッ素樹脂材料と
溶液との界面に光子エネルギーが128Kcal/mo
以上の紫外線を照射し、これによりフッ素樹脂材料か
ら脱フッ素すると同時に、この官能基で置換して、表面
改質処理を行い、その上で他の材料と接着剤を介して接
合させるようにしたから、フッ素樹脂材料本来の特性を
何ら損なうことなく、フッ素樹脂材料を極めて高い接着
強度で同種または異種の材料と接着させることができ
る。その結果、エポキシ樹脂、ベークライト、ABS樹
脂、コンクリート、金属などの構造対表面にフッ素樹脂
シートを接合さ競ることにより、耐薬品性のすぐれたフ
ッ素樹脂材料複合体を提供することができる。
【0034】これにより、機械的強度が要求される化学
プラントの容器壁面、化学レーザー用容器、高電圧機
器、プリント基板など、化学工業、機械工業、電気部品
工業、ガス、電力工業など、広範な用途にフッ素樹脂の
適用を拡大することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するのに用いられるフッ素
樹脂表面処理装置の模式図。
【図2】本発明の方法により処理されたフッ素樹脂表面
の性状を示す線図。
【図3】本発明の方法を実施するのに用いられるフッ素
樹脂表面処理装置の斜視図。
【図4】本発明の方法により処理されたフッ素樹脂表面
の性状を示す線図。
【符号の説明】
1…エキシマレーザー装置 2…マスク 3…ミラー 4、5…レンズ 6…反応容器 7…フッ素樹脂シート

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂材料を同種または異種の材料
    と接着剤を介して接合させるのに先立ち、フッ素原子と
    の結合エネルギーが128Kcal/mol以上の原子
    (ケイ素を除く)と、親水基、親油基あるいは該接着剤
    固有の官能基とを有する化合物を含む溶液に該フッ素
    樹脂材料を接触させ、その状態で該フッ素樹脂材料と該
    溶液との界面に光子エネルギーが128Kcal/mo
    l以上の紫外線を照射し、これにより該フッ素樹脂材料
    から脱フッ素すると同時に、該親水基、親油基または官
    能基で置換する表面改質処理を行うことを特徴とするフ
    ッ素樹脂材料の接着方法。
  2. 【請求項2】 該化合物が、ホウ素化合物、アルミニウ
    ム化合物、バリウム化合物、ガリウム化合物、リチウム
    化合物(ケイ素化合物であるものを除く)、水素化合
    物、チタン化合物から選ばれるものであることを特徴と
    する請求項1記載のフッ素樹脂材料の接着方法。
  3. 【請求項3】 該溶液を作るための溶媒として、重水、
    アンモニア、硫酸、四塩化炭素、二硫化水素、炭化水素
    類、ハロゲン化合物類、アルコール類、フェノール類、
    有機酸およびその誘導体、ニトリル類、ニトロ化合物
    類、アミン類および硫黄化合物類を用いることを特徴と
    する請求項1記載のフッ素樹脂材料の接着方法。
  4. 【請求項4】 該官能基が、−OH、−Cl、−NO
    2 、−CN、−NH 2 、−COOH、−CO、−OCH 3
    、−OC 2 5 、−OC 3 7 、−OC 4 9 、−C
    ONH、−CH 3 、−C 2 5 、−CH 2 、−SO 3
    H、−C 3 7 、−C 4 9 、−C 6 5 から選ばれる
    ものである請求項1記載のフッ素樹脂材料の接着方法。
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