JP3521539B2 - ラケットフレーム - Google Patents

ラケットフレーム

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JP3521539B2
JP3521539B2 JP09065695A JP9065695A JP3521539B2 JP 3521539 B2 JP3521539 B2 JP 3521539B2 JP 09065695 A JP09065695 A JP 09065695A JP 9065695 A JP9065695 A JP 9065695A JP 3521539 B2 JP3521539 B2 JP 3521539B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はテニス、バドミントンあ
るいはこれに類似したスポーツに用いられるラケットフ
レームに係り、特に複層構造のヘッド部を有したラケッ
トフレームに関する。
【0002】
【従来の技術】芯材を表裏両側からプレートで挟んだサ
ンドイッチ状複層構造のラケットフレームがイギリス特
許第1307305号に記載されている。同号のラケッ
トフレームは、ガラス繊維を含んだエポキシ樹脂製の芯
材と、該芯材を挟む1対のアルミ製プレートとからなる
3層構造のものであり、アルミ製プレートはガット面と
平行方向に延設されている。この芯材にストリング孔が
貫設され、ストリング(ガット)が張られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記イギリス特許第1
307305号のラケットフレームにおいては、芯材を
貫通させてストリング孔を設けているため芯材の強度が
低いという問題があった。
【0004】本発明は芯材の強度がきわめて高い複層構
造のラケットフレームを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のラケットフレー
ムは、グリップ部、シャフト部及びストリングが挿通さ
れるストリング孔を有したヘッド部を備え、少なくとも
該ヘッド部が、芯材と、該芯材に対しガット面を挟んで
両側から積層された1対の外層とを有した複層構造とな
っているラケットフレームにおいて、前記ストリング孔
は、前記芯材の外層との合わせ面に設けられた凹溝によ
り構成されていることを特徴とするものである。
【0006】
【0007】
【作用】本発明のラケットフレームでは、ストリング孔
、芯材の外層との合わせ面に設けられた凹溝により構
成され、芯材を貫通する貫通孔としては設けられていな
いので、芯材の強度及び剛性が高いものとなる。
【0008】なお、この凹溝を芯材だけに設けることに
より、外層の構成がシンプルなものとなる。また、外層
の全体にわたって強度及び剛性が一様なものとなる。
【0009】
【実施例】図1は実施例に係るラケットフレームの構成
図であり、図2のI部分の構成を示している。なお、図
1の(a),(b)図は斜視図、(c)図は側面図、
(d)図は(c)図のd−d線に沿う断面図である。図
2はこのラケットフレームの正面図である。
【0010】このラケットフレーム1は、ヘッド部2、
シャフト部3及びグリップ部4からなる。ヘッド部2、
シャフト部3及びグリップ部4は、いずれも、芯材5
と、該芯材5をガット面の両側から挟む1対の外層6,
7とからなる3層構造のものである。ヘッド部2にあっ
ては、この芯材5の外層6,7との合わせ面に凹溝を設
けることによりストリング孔8が形成されている。ま
た、ヘッド部2の芯材5の外周面には、隣接するストリ
ング孔8同士をつなぐようにストリング用凹溝9が形成
されている。ストリング10をこのストリング孔8を通
すと共に凹溝9内に入り込ませることにより、ガット張
りを行なう。なお、凹溝9を設けてあるため、このガッ
ト張りに際してグロメットは不要である。
【0011】このように、このラケットフレーム1はス
トリング孔8を芯材5の外層6,7との界面に溝状に設
けており、ストリング孔8が芯材5を貫通していないた
め、ラケットフレーム1の強度及び剛性が高いものとな
る。また、本実施例では、ストリング孔8用の凹溝が芯
材5にのみ設けられ、外層6,7には凹溝は全く設けら
れておらず、外層6,7が全体として一様な強度及び剛
性を有する。
【0012】本実施例では、ヘッド部2からグリップ部
4まで3層構造となっており、ラケットフレーム全体と
して強度及び剛性が高い。また、ラケットフレーム全体
として軽量化が図れると共に、剛性のコントロール設計
の自由度が大きい。
【0013】本実施例では、ストリング孔8が芯材5の
図1の上面側、下面側と交互に設けられ、隣接するスト
リング10が段違い状に張られているため、ガットのト
ランポリン効果が大きく、反発力が高い。
【0014】本発明のラケットフレームにおいては、芯
材5及び外層6,7とも繊維強化合成樹脂とするのが特
に好ましいが、外層6,7については軽量金属(例えば
アルミ、アルミ合金など)としても良い。また、芯材5
及び外層6,7のいずれかに木材を用いることもでき
る。
【0015】なお、図1に示す実施例では芯材が中実と
なっているが、本発明ではこれに限らず、中空の(断面
形状が筒状の)芯材としてもよい。この場合には中空の
芯材は特に繊維強化合成樹脂から形成するのが好まし
い。中空芯材の壁厚は一般に1〜2mmとする。このよ
うな中空芯材を用いるとより軽量なラケットとすること
ができる。
【0016】芯材5及び外層6,7を構成する合成樹脂
としては、エポキシ樹脂、ナイロンなどが好適である
が、強度、耐久性及び価格の点でエポキシ樹脂が好適で
ある。
【0017】強化用繊維としては、カーボン繊維、ボロ
ン繊維、アルミナ繊維、超極細鉄線、Ti−Si−C−
O系繊維(商品名チラノ繊維)、芳香族ポリアミド繊
維、芳香族ポリエステル繊維、超高分子ポリエチレン繊
維などを用い得るが、コストの面からもカーボン繊維が
好適である。
【0018】このように芯材5及び外層6,7を繊維強
化合成樹脂製とした場合、芯材5及び外層6,7の厚さ
は15〜40mmとりわけ20〜30mmが好適であ
る。また、この厚さの合計を100%とした場合、芯材
5の厚さを25〜95%とりわけ50〜90%とするの
が好ましい。外層6及び外層7の厚さは等しくしても良
く、異ならせても良い。外層6の厚さと外層7の厚さを
異ならせると、表裏で反発性能が異なるラケットフレー
ムとすることができる。
【0019】外層6,7をアルミ又はアルミ合金とする
場合、その厚さを1〜15mmとりわけ2〜5mm程度
とするのが好ましい。この場合も、外層6,7の厚さを
等しくしても良く、異ならせても良い。
【0020】芯材5、外層6,7の厚さは、ヘッド部2
からグリップ部4にかけて均等であっても良く、部分的
に異ならせても良い。
【0021】なお、本発明では、ヘッド部2のみを上記
のような複層構造としても良く、ヘッド部2とシャフト
部3とを複層構造としても良い。ただし、ラケットフレ
ームとしての一体性を高めるために全体として複層構造
とするのが好ましい。
【0022】芯材5及び外層6,7とも繊維強化合成樹
脂よりなるラケットフレームは、例えば次のようにして
製造できる。
【0023】芯材5については、従来公知のラケットフ
レームの製造方法と同様の方法で製造する。即ち、所望
の材料からなる繊維強化合成樹脂プリプレグをレイアッ
プした部材を金型キャビティ内に配設し、加熱加圧して
フレーム骨格形状を有する芯材を形成する。これとは別
に、繊維強化合成樹脂板からフレーム形状の外層を形成
しておき、成形された芯材の両面にエポキシ樹脂等の接
着剤を用いて外層をはり合わせる。
【0024】また、別な方法としては、上記の方法等で
成形された芯材と、B−ステージまで処理された(半硬
化状態の)外層部材とを金型キャビティ内に配設し、加
熱加圧して一体硬化させる工程も採ることができる。
【0025】さらに別な方法としては、外層部材、芯材
とも半硬化状態のものを用い、これらを積層してキャビ
ティ内に配設し、加熱加圧して一体形成する方法があ
る。
【0026】芯材5を繊維強化合成樹脂とし、外層6,
7を金属製としたラケットフレームは、例えば次のよう
にして製造できる。
【0027】即ち、上記した方法により形成した芯材と
外層とをエポキシ樹脂等の接着剤を用いてはり合わせる
か、または芯材となるレイアップしたプリプレグ部材と
外層部材とを金型キャビティ内に配設し、加熱加圧して
プリプレグ部材の硬化とともに外層部材を芯材に固着す
る。
【0028】
【発明の効果】以上の通り、本発明のラケットフレーム
は、ヘッド部の強度及び剛性が高い。また、軽量化と剛
性のコントロール設計の自由度の増大も図ることができ
る。
【0029】また、芯材のみにストリング孔用凹溝を設
けることにより、外層の強度及び剛性が一様なものとな
り、ラケットフレーム全体として強度及び剛性がきわめ
て高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るラケットフレームのヘッド部の構
成を示すものであり、(a)図及び(b)図は斜視図、
(c)図は側面図、(d)図は(c)図のd−d線に沿
う断面図である。
【図2】実施例に係るラケットフレームの正面図であ
る。
【符号の説明】
1 ラケットフレーム 2 ヘッド部 3 シャフト部 4 グリップ部 5 芯材 6,7 外層 8 ストリング孔 9 凹溝 10 ストリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−125135(JP,A) 特開 平5−208054(JP,A) 実開 昭50−79562(JP,U) 実開 平2−74068(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A63B 49/00 - 49/12 A63B 51/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリップ部、シャフト部及びストリング
    が挿通されるストリング孔を有したヘッド部を備え、少
    なくとも該ヘッド部が、芯材と、該芯材に対しガット面
    を挟んで両側から積層された1対の外層とを有した複層
    構造となっているラケットフレームにおいて、前記スト
    リング孔は、前記芯材の外層との合わせ面に設けられた
    凹溝により構成されていることを特徴とするラケットフ
    レーム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記芯材及び外層と
    も繊維強化樹脂よりなることを特徴とするラケットフレ
    ーム。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記繊維強化樹脂の
    繊維がカーボン繊維であることを特徴とするラケットフ
    レーム。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、前記芯材が中空芯材であることを特徴とするラケッ
    トフレーム。
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