JP3521131B2 - クロストーク補償を含む強化通信コネクタ組立体 - Google Patents

クロストーク補償を含む強化通信コネクタ組立体

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    • Y10S439/941Crosstalk suppression

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  • Details Of Connecting Devices For Male And Female Coupling (AREA)
  • Coupling Device And Connection With Printed Circuit (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、概して、通信コネ
クタに関し、特に組立体を通る異なる信号経路間のクロ
ストークを補償するためのコネクタ組立体に関する。
【0002】
【従来の技術、及び、発明が解決しようとする課題】コ
ネクタ組立体での異なる信号経路間のクロストークを、
(例えば、打ち消しまたは低減のような)補償を行う、
耐久性の高い、高周波通信コネクタの開発が待望されて
いる。本明細書に広義に定義するように、クロストーク
は、例えば、通信コネクタに関連する一組のターミナル
接点ワイヤのような、第一の信号経路を通る信号の一部
が、誘導結合または容量結合により、例えば、同じコネ
クタの他の一組のターミナル接点ワイヤのような、第二
の信号経路に移動する際に発生する。移動した信号は、
第二の信号経路で「クロストーク」を発生し、このよう
なクロストークは、この第二の経路を通るすべての信号
を劣化させる。
【0003】例えば、工業用のRJ−45通信コネクタ
は、四つの異なる信号経路を形成する4組のターミナル
・ワイヤを含む。代表的なRJ−45プラグ/ジャック
型コネクタの場合には、四組のターミナル・ワイヤは、
すべて相互に平行に接近してコネクタ本体の全長を延び
る。それ故、信号クロストークは、特に、コネクタが係
合している場合に、RJ−45プラグ/ジャック型コネ
クタの、異なる組のターミナル・ワイヤの間で発生する
恐れがある。クロストークの振幅は、結合信号周波数ま
たはデータ速度が増大するにつれて大きくなる。
【0004】通信用コネクタが起こすクロストークの程
度を測定するための関連工業規格は、いわゆる近端漏
話、すなわち、「近接」漏話を基準にして測定を行う。
さらに、「近接度」の定格は、通常、例えば、RJ−4
5タイプのプラグ/ジャック組合せのような係合型コネ
クタについて定義されている。この場合、プラグ・コネ
クタの入力ターミナルは、基準面として使用される。銅
線でできている、シールドしていないツイストペア(U
TP)を使用する通信リンクは、100MHzまでのデ
ータ速度、すなわち、工業規格「分類5」に規定する性
能をサポートするばかりでなく、250MHzにおい
て、少なくとも46dBのクロストークを要求する「分
類6」に規定する性能に適合するものと考えられてい
る。
【0005】本発明および本出願の譲受人に譲渡された
(1993年2月16日付の)デンクマン他の米国特許
第5,186,647号は、高周波信号を伝送するため
の電気的コネクタを開示している。コネクタは、リード
・フレームの対向端部のところに形成されたコネクタ・
ターミナルと一緒に、誘電体スプリング・ブロックと同
一平面上に装着された一組の金属リード・フレームを持
つ。リード・フレーム自身は、複数の平らな細長い導線
を含み、その各導線は、係合相手のコネクタの、対応す
るターミナル・ワイヤに接触するための一方の端部のと
ころに、スプリング・ターミナル接点ワイヤと、外側の
絶縁ワイヤリード線と接続するための他方の端部のとこ
ろの絶縁変位コネクタ・ターミナルとを含む。リード・
フレームは、スプリング・ブロック上に相互に重畳して
いて、一つのリード・フレームの3本の導体は、他のリ
ード・フレームの3本の導体で形成された、対応する交
差部分の上に位置するように構成された交差部分を持
つ。上記米国特許第5,186,647号のすべての関
連部分は、引用によって本明細書の記載に援用する。
(1996年12月3日付の)米国特許第5,580,
270号も、交差した一組の接点ストリップを持つ電気
的プラグ・コネクタを開示している。
【0006】クロストーク補償回路は、また、それに対
して、通信ジャックのスプリング・ターミナル接点ワイ
ヤが、ジャック・ハウジング内で接続している印刷ワイ
ヤ・ボードの複数の層上またはその内部に設置すること
ができる。本出願および本発明の譲受人に譲渡された、
1997年9月29日付の米国特許出願08/923,
741を参照されたい。上記米国特許のすべての関連部
分は、引用によって本明細書の記載に援用する。また、
(1994年4月5日付の)米国特許第5,299,9
56号も参照されたい。
【0007】本出願および本発明の譲受人に譲渡され
た、1999年3月8日付の米国特許出願09/26
4,506は、同一平面に位置するターミナル接点ワイ
ヤを持つ通信用コネクタ組立体を開示している。この出
願の場合には、いくつかの組の接点ワイヤは、誘導性ク
ロストークの補償を行うための、対向交差部分を持つ。
上記米国特許出願’506のすべての関連部分は、引用
によって本明細書の記載に援用する。
【0008】さらに、(1996年8月20日付の)米
国特許第5,547,405号は、金属シートからリー
ド・フレームとして型抜きされる信号伝送接点を持つ電
気的コネクタを開示している。いくつかの接点は、容量
性のクロストークを補償するための他の接点の広い隣接
部分に重なる一体型側部延長部を持つ。誘電体スペーサ
が、一方の接点の延長部と他の接点の広い隣接部分との
間に位置している。それ故、上記米国特許第5,54
7,405号のコネクタ用の型抜きされたリード・フレ
ームは複雑な形をしていて、正確に製造し、組み立てる
のがかなり難しい。
【0009】代表的なRJ−45プラグと係合した場合
に、係合したコネクタが分類6が規定する性能に適合す
るか、それを凌ぐような、誘導性および容量性クロスト
ークを補償するような通信ジャック・コネクタ組立体の
開発が待望されている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の場合には、通信
用コネクタ組立体は、ワイヤ・ボードと、それぞれが、
上記ワイヤ・ボードにより支持されている基部と、係合
相手のコネクタと電気的に接触するための、上記基部に
対向する自由端部とを持つ多数の広いターミナル接点ワ
イヤとを含む。ワイヤ・ボード上のクロストーク補償デ
バイスは、接点ワイヤが、係合相手のコネクタと係合し
た場合に、選択したターミナル接点ワイヤとの間に、指
定の量の容量性補償結合を形成するために、選択したタ
ーミナル接点ワイヤの一部と協力する。
【0011】ある実施形態の場合には、通信コネクタ組
立体のワイヤ・ボードは、ジャック・ハウジング内に挿
入され、ジャック・ハウジングの前面の開口部は、係合
相手のプラグ・コネクタを収容できる大きさに作られて
いる。本発明をよりよく理解してもらうために、添付の
図面および特許請求の範囲を参照しながら、以下の説明
を読んでほしい。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、強化通信用コネクタ組立
体10と、組立体10を挿入および装着することができ
る通信用ジャック・フレームまたはハウジング12の斜
視図である。ジャック・ハウジング12は、前面部を持
ち、その内部にはプラグ開口部13が形成されている。
プラグ開口部13は軸Pを持ち、組立体10と電気的に
接続するために、この軸Pの方向に沿って、係合プラグ
・コネクタを、ハウジング開口部13に挿入することが
できる。図2は、図1のコネクタ組立体10の前面部の
拡大斜視図である。
【0013】例示としての実施形態の場合には、通信用
コネクタ組立体10は、関連するほぼ長方形の印刷ワイ
ヤ・ボード14を持つ。このワイヤ・ボード14は、例
えば、一層または多層の誘電体基板を備えることができ
る。多数の、例えば、八つの幅の広いターミナル接点ワ
イヤ18a−18hが、図1に示すように、印刷ワイヤ
・ボード14の中央部から突出している。接点ワイヤ1
8a−18hは、相互にほぼ平行に延びていて、二つの
部分からなる接点ワイヤ案内構造体16の頂面15か
ら、ほぼ均一な間隔で配置されている。案内構造体16
の第一の支持部分17は、ワイヤ・ボード14の前面部
上に固定されている。
【0014】第二の支持部分19は、第一の支持部分1
7の前端部に固定されていて、図1および図3に示すよ
うに、ワイヤ・ボード14から前方に突出している。案
内構造体の第二の支持部分19は、図1−図3に示すよ
うに、対応する接点ワイヤの自由端部を予め装填し、案
内するために、頂面15に多数の平行なチャネル開口部
を持つ。
【0015】接点ワイヤは、ワイヤの自由端部70a−
70hが、頂面に平行な方向に沿って、係合相手のコネ
クタと係合した場合に、案内構造体16の頂面15の方
向に弾力で湾曲するように、形成され、配置されてい
る。ターミナルの接点ワイヤ18a−18hを作ってい
る材料としては、例えば、スプリング焼き戻し燐青銅、
ベリリウム銅等のような銅の合金を使用することができ
る。ターミナルの接点ワイヤ18a−18hの断面の広
さは、通常、0.015インチ(0.0381cm)平
方である。
【0016】ワイヤ・ボード14は、コネクタ誘導のク
ロストークを補償するように配置されている導電性トレ
ース、電気回路構成部材、または他のデバイスを内蔵す
ることができる。上記デバイスは、上記米国特許出願’
741が開示しているような、ボードの層内に印刷され
たワイヤ・トレースを含むことができる。ワイヤ・ボー
ド14によるすべてのクロストーク補償は、以下に説明
するように、ターミナルの接点ワイヤ18a−18h、
およびワイヤ・ボード14上の、接点ワイヤ案内構造体
16によるクロストーク補償の、最初の段に追加するこ
ともできるし、この段と協力するようにすることもでき
る。
【0017】ターミナルの接点ワイヤ18a−18h
は、ワイヤ・ボード14に関連する導線に、一方の端部
で、電気的に接続している直立基部20a−20hを持
つ。例えば、基部20a−20hの接点脚部、すなわ
ち、「終」端部は、ワイヤ・ボード14の一つまたはそ
れ以上の層上または内の、導電性トレースまたは他の電
気的構成部材と接続するために、ワイヤ・ボード14内
の対応するプレート状のターミナルの開口部に半田付け
することもできるし、圧入することもできる。
【0018】基部20a−20hは、接点ワイヤ18a
−18hの長手方向に、交互にオフセットした状態で、
ワイヤ・ボード14と接続している。このオフセット構
成は、ワイヤ・ボード14内の、隣接するプレート状の
ターミナル開口部の間を同じように狭い間隔にしなくて
も、接点ワイヤの隣接する自由端部の間の中心間の間隔
を、例えば、0.040インチ(0.1016cm)の
ような、比較的狭くすることができるようにするために
必要である。そうでないと、ワイヤ・ボード上の隣接す
るターミナルが、相互に「ショート」する恐れがある。
図1および図2に示す接点ワイヤの基部20a−20h
のオフセット構成を使用すれば、満足すべき結果がえら
れるが、他の構成も同様に使用することができる。例え
ば、各歯の縁部を形成するように、三つまたはそれ以上
の連続しているターミナル開口部が整合している交互の
「鋸歯」パターンを使用しても、用途によっては十分満
足できる性能が得られる。従って、ワイヤ・ボード14
内の、隣接するプレート状のターミナル開口部の間の間
隔が、電気的ショートを防止するだけ十分に開いている
限りは、コネクタ組立体10の製造が、図に示すオフセ
ット・パターンにより制限されると考えるべきではな
い。
【0019】ワイヤ・ボード14は、ワイヤ接続ターミ
ナル領域52(図1)を持ち、その外側においては、絶
縁リード線が、上記領域52内に位置する接点ターミナ
ルのアレー(図示せず)に接続している。上記ターミナ
ルとしては、それぞれが、ワイヤ・ボード14上で導電
性トレースに接続している脚部を持つ、いわゆる絶縁変
位コネクタ(IDC)を使用することができる。上記ト
レースは、ターミナル接点ワイヤ18a−18hの中の
一つに関連する。ワイヤ接続ターミナル領域52は、ワ
イヤ・ボード14の頂部側のターミナル・ハウジング、
およびワイヤ・ボードの底面上のカバーで囲むことがで
きる。1997年8月1日付の、本発明および出願の譲
受人に譲渡された同時係属特許出願08/904,39
1を参照されたい。米国特許出願’391のすべての関
連部分は、引用によって本明細書の記載に援用する。
【0020】図2および図3を見れば分かるように、タ
ーミナル接点ワイヤの自由端部70a−70hは、下向
きでアーチ状をしていて、ワイヤ・ボード14の前面の
縁部71を越えて突出している。自由端部70a−70
hは、接点ワイヤの基部20a−20hにより、カンチ
レバー状に支持されている。この場合、基部は、ワイヤ
・ボード14により支持される。接点ワイヤの自由端部
は、接点ワイヤを横切る方向に、接点の列72(図2)
を形成し、ワイヤはこの接点72の列に沿って、いくつ
かの点で、係合相手のコネクタと電気的に接続してい
る。接点ワイヤ18a−18hが、係合相手のコネクタ
の対応するターミナルと係合すると、自由端部70a−
70hは、接点ワイヤ案内構造体16の頂面15の方向
に、すなわち、ワイヤ・ボード14の方向にカンチレバ
を形成する。
【0021】以下の説明においては、ターミナル接点ワ
イヤ18a−18hの各組は、場合によっては、下記の
ように、ワイヤのペア1からワイヤのペア4までのペア
番号で呼ぶこともある。
【0022】 ペア番号 ターミナル接点ワイヤ 1 18d、18e 2 18a、18b 3 18c、18f 4 18g、18h
【0023】図1−図3に示すように、ターミナル接点
ワイヤのペア番号1、2、および4は、交差部分74を
持ち、この部分で、所与のペアの各接点ワイヤは、その
ペアの他の接点ワイヤの方向に突出していて、その上ま
たは下で交差し、全体的に「S」の形の側部ステップ7
6を形成する。ターミナル接点ワイヤは、また、図3に
示すように、各交差部分74のところでその共通の面の
上方、または下方にアーチ状に湾曲している。接点ワイ
ヤ内のステップ76の対向面は、通常、約0.035イ
ンチ(0.0889cm)だけ、(すなわち、ターミナ
ル・ワイヤが係合相手のコネクタに係合した場合に、シ
ョートを防止するのに十分な距離だけ)離れている。タ
ーミナル接点ワイヤの長手方向の通常の長さは、約0.
144インチ(0.3658cm)である。
【0024】ターミナル接点ワイヤ18a−18h内の
交差部分74は、ワイヤが同一平面上にある領域内にお
いて、接点ワイヤ間の誘導性クロストーク補償接続を始
める働きをする。上記米国特許出願’506を参照され
たい。この領域は、交差部分74のセンターラインから
他のライン77まで延びる。この場合、ターミナル接点
ワイヤは、交互にワイヤ・ボード14の方向に曲がる。
残りのターミナル接点ワイヤは、ワイヤ・ボード14の
方向に曲がりすぎるようになるまで、ライン77から、
ワイヤ・ボード14の上を延びる。誘導性クロストーク
補償の同一平面領域の長さは、例えば、約0.180イ
ンチ(0.4572cm)である。
【0025】図示の実施形態の場合には、交差部分74
は、八つのターミナル接点ワイヤ18a−18hのペア
番号1、2、および4上に位置する。「ペア3」接点ワ
イヤ、すなわち、18c、18fは、接点ワイヤのペア
1(接点ワイヤ18d、18e)を跨いでいて、交差し
ていない部分は、接点ワイヤ18c、18f内に形成さ
れる。すなわち、各接点ワイヤ18c、18fは、側部
ステップを形成しないで、ワイヤ・ボード14上を延び
る。交差部分74を持つターミナル接点ワイヤの各組
は、「まっすぐな」各点ワイヤ18c、18fのどちら
かの側面に位置する。
【0026】交差部分74は、接点の列72に比較的近
接している。接点の列72と、交差部分74のセンター
ラインとの間の通常の距離は、約0.149インチ
(0.3785cm)である。従って、コネクタ組立体
10による誘導性クロストーク補償は、接点の列72の
近くの交差部分74から始まる。
【0027】図1−図3に示す接点ワイヤ案内構造体1
6を、以下にさらに詳細に説明する。案内構造体16の
第一の支持部分17は、全体が「L」字形のプロファイ
ルを持っていて、ターミナル領域52の次のワイヤ・ボ
ード14の前部上に装着されている。支持部分17は、
ワイヤ・ボード14内に形成された、対応する開口部8
2内に圧入される、一つまたはそれ以上のリブ付き装着
ポスト80により、ワイヤ・ボードの頂面上に固定され
ている。
【0028】広くて、全体が長方形のブロック84は、
支持部分17の後端部から、上に向かって突出してい
る。ブロック84は、例えば、このブロックの頂面に設
けられている、ほぼ等間隔の八つの開口部またはスロッ
ト86を形成する。各スロット86は、ターミナル接点
ワイヤ18a−18hの中の、対応するものの一部を収
容するために、ブロック84内に位置する。上記ブロッ
ク84に関連する構成部材は、以下にさらに説明するよ
うに、ターミナル接点ワイヤの中の選択したものの一部
の間に容量性クロストーク補償接続の最初の段を形成す
るか、投入する働きをする。
【0029】第二の支持部分19は、図3の矢印の方向
に向けて、ターミナル接点ワイヤの自由端部上に、ある
予加重バイアス力Fを加える。第二の支持部分19は、
また、図3に示すように、ワイヤ・ボードの前面の縁部
71の近くの、ワイヤ・ボード14内に形成された、対
応する孔部87に圧入される関連するリブ付き装着ポス
ト85を持つ。
【0030】八つの平行チャネル89は、第二の支持部
分19の頂面に設けられる。チャネル89は、ターミナ
ル接点ワイヤの対応する自由端部70a−70hと整合
し、収容するように、また係合相手のプラグ・コネクタ
の運動により湾曲した場合に、自由端部を案内するよう
に位置する。第二の支持部分19の前端部90は、図3
に示すように、各チャネル89で、接点ワイヤ自由端部
に、予加重バイアス力Fを加えれるように構成されてい
る。
【0031】すでに説明したように、第一の支持部分1
7は、誘導性クロストーク補償を行うために、あるター
ミナル接点ワイヤの間に誘導結合を形成する関連構成部
材を持つ。図3は、ブロック84内の、接点ワイヤ・ス
ロット86の一つを通って切断した断面図である。ター
ミナル接点ワイヤのペアの1と3との間のクロストーク
を打ち消すためには、スロット86内の接点ワイヤの区
分の間に導入された容量結合に対して、ターミナル接点
ワイヤ18cと18eとの隣接する部分の間、および接
点ワイヤ18d、18fの部分の間に、高い数値の容量
結合が必要である。
【0032】その後で、ワイヤ・ボード14上のクロス
トーク補償のための、追加の一つの段または複数の段
を、例えば、上記米国特許出願08/923,741が
開示しているような方法で設置することができる。その
後で、このような追加の一つの段または複数の段は、こ
れらの段を使用しない場合には、ターミナル接点ワイヤ
のペア1および3に対応する、組立体10の出力ターミ
ナルのところで発生するクロストークを効果的に打ち消
すか、かなり低減することができる。
【0033】ブロック84により支持されている一組の
補償用板コンデンサ100を使用することにより、スロ
ット86内の接点ワイヤのペア1および3の、隣接する
区分の間の容量結合を増大することができる。コンデン
サ100の誘電体の部分は、その内部に接点ワイヤ18
cおよび18e、および18dおよび18fを含む、こ
れらスロット86の間に壁部を形成する。コネクタ組立
体10が、以下に説明するように、係合相手のコネクタ
と係合した場合、板コンデンサ100は、上記接点ワイ
ヤ部分に整合し、電気的に接続する。それ故、容量性ク
ロストーク補償結合は、接点の列72および接点ワイヤ
のペア1の交差部分74の比較的近くに投入される。
【0034】各板コンデンサ100は、例えば、約3.
5の導電率を持つポリアミド・フィルム材料のような、
全体的に長方形の基部誘電体102を備える。誘電体1
02の上部は、また、図4に示すように、ブロック84
内の隣接するスロット86の間に隔壁を形成する。一組
の導電性のコンデンサのプレート104、106は、基
部誘電体102の対向側面上に配置または接着されてい
る。図示の実施形態の場合には、コンデンサ・プレート
104の面積は、コンデンサ・プレート106の面積よ
り小さい。それ故、必要なキャパシタンスを得るため
に、プレート104、106を正確に整合する必要はな
い。すなわち、各コンデンサ100が形成する誘導結合
は、小さい方のプレート104の面積の関数であり、プ
レート104、106の相互の整合が、相互に若干ズレ
た場合でも、下記式で表わされるキャパシタンスの数値
は変化しない。
【数1】 ここで、ε=基部誘電体102の導電率、 A=平方センチ当りの導電性プレートの面積、 t1=センチメートル単位の基部誘電体の厚さ。
【0035】各コンデンサ・プレート104、106
は、プレートの頂縁部に沿って、一つまたはそれ以上の
接触点、すなわち、「突起」108を持つ。図3参照。
プレート104、106の厚さ(t3)は、図3および
図4に示すように、係合相手のコネクタが、ワイヤ部分
を、スロット86内で下方に押した場合、対応する接点
ワイヤ部分が、プレート上の突起108と十分に電気的
に接触するようになっている。突起108により、プレ
ート104、106、およびターミナル接点ワイヤの協
力部分は確実によく接触する。突起108は、例えば、
接点ワイヤ部分が、突起の接点に対して押しつけられた
場合、すべての異物を押し退けるように、頂部のところ
で鋭角に湾曲することができる。
【0036】下記の条件の場合には、接点ワイヤ18c
および18eの隣接する部分の間、および接点ワイヤ1
8dおよび18fの間の容量結合は、接点ワイヤ18d
および18eの隣接する部分の間に発生するものより1
4倍以上も大きくなる。この場合、t2は、板コンデン
サ100の誘電体ブロック84内で相互に対向してい
る、プレート106、104の間の距離である(図4参
照)。 間隔比 t2/t1=12.3 基部誘電体102の誘電率=3.5 ブロック84の誘電率=3.0
【0037】図5および図6は、ワイヤ・ボード14上
のブロック84のところの、いくつかのターミナル接点
ワイヤ間にクロストーク補償用の容量結合を形成するた
めの別の装置である。図5の二つの側面を持つ柔軟な板
コンデンサ回路120は、全体が長方形の、例えば、ポ
リアミドのような細長い柔軟なフィルム基部誘電体12
2でできている。一組の導電性のコンデンサ・プレート
124は、基部誘電体の近接対向端部の領域のところ
の、基部誘電体122の前面上に形成される。一組の柔
軟な接続ストリップ126も、誘電体122の前面上
に、導電性材料により形成され、ストリップ126は、
コンデンサ・プレート124と電気的に接続している。
接続ストリップ126は、基部誘電体122の長い方の
軸にほぼ垂直に延びる。
【0038】もう一つの一組の導電性コンデンサ・プレ
ート128は、前面上のプレート124の後ろの、基部
誘電体122の後面上に形成される。後部プレート12
8の既知の面積が、前部プレートに完全に完全に対向し
ている限りは、後部プレート128の面積は、対向前部
プレート124の面積より小さい。それ故、各組のプレ
ートは、必要なキャパシタンスを得るために相互に正確
に整合している必要はない。すなわち、小さい方の各プ
レート128の既知の面積は、上記式(1)により、キ
ャパシタンス値を定義するために使用することができ
る。
【0039】第二の組の接続ストリップ130は、基部
誘電体122の前面上に、導電性材料により形成され
る。ストリップ130は、基部誘電体122の軸にほぼ
垂直に、大きい方のコンデンサ・プレート124に関連
する二つの接続ストリップ126の間を延びる。一組の
ターミナル・ポストまたはバイヤ132は、基部誘電体
122を貫通して延びていて、誘電体の前面のところの
ストリップ130の端部を、後部の小さい方の導電性プ
レート128に電気的に接続している。
【0040】図6は、ターミナル支持構造体16の第一
の支持部分17上の誘電体ブロック84の前壁部に沿っ
て固定されている柔軟な板コンデンサ回路120であ
る。接続ストリップ126、130は、選択したターミ
ナル接点ワイヤの部分の下を、ブロック84内の対応す
るスロット86の底面に沿って水平に延びるように折り
曲げられている。それ故、接点ワイヤが、係合相手のコ
ネクタの運動により、スロット86内でストリップに対
して押しつけられると、接点ワイヤ部分は、接続ストリ
ップ126、130と電気的に接触する。ストリップ1
26、130の自由端部は、ブロック84の後壁部のと
ころの誘電体の棚部により、正しい位置に保持される。
別の方法としては、ストリップの端部を、アクリル感圧
接着剤によりスロット86の底面に固定することもでき
る。
【0041】図7は、コネクタ組立体10の略図であ
る。ターミナル接点ワイヤ18a−18hの自由端部
は、図7の接点72のラインの下に位置し、ターミナル
のペア1、2および4内の交差部分74は、接点72の
ライン上に位置する。接点ワイヤ案内構造体16内の板
コンデンサ100は、ターミナル・ワイヤのペア1(1
8dおよび18e)が形成する、交差部分74の真上
の、接点ワイヤ18cおよび18eの間、および接点ワ
イヤ18dおよび18fの間を接続する。
【0042】コネクタ組立体10が、今使用しているプ
ラグ・コネクタと係合し、その補償用の板コンデンサ1
00の数値が、約2.0ピコファラッド(pf)であ
り、クロストーク補償の二つの追加段が、ワイヤ・ボー
ド14上に位置している場合には、分類6に規定するク
ロストーク分離が達成できるものと考えられている。板
コンデンサ100の数値が約1.2pfであり、クロス
トーク補償の一つの追加段が、ワイヤ・ボード14上に
位置している場合には、コネクタ組立体10を使用した
場合、性能も強化される。ワイヤ・ボード14により、
追加のクロストーク補償が行われない場合には、コンデ
ンサ100は約0.72pfの数値を持つことができ、
依然として、満足すべき性能を得ることができる。要す
るに、上記コネクタ組立体10は、下記の機能を供給す
る。
【0043】(1)選択したターミナル接点ワイヤの間
の容量性クロストーク補償接続の強化。 (2)係合コネクタを備える接点72の列と同一平面上
の誘導性クロストーク補償が始まる交差部分74の位置
との間の距離を比較的短くし、それにより、信号の送信
の遅延を最小にし、クロストーク打消し性能を改善する
ことができる。 (3)同一平面上の誘導性クロストーク補償が始まる交
差部分74と、容量性補償が投入される位置との間の距
離が、比較的短くなり、それにより、信号の送信の遅延
が最も少なくなり、クロストークの打ち消しが改善され
る。 (4)印刷ワイヤ・ボード14の限られたスペース内に
収容しなければならない追加のクロストーク補償段の大
きさがかなり小さくなり、かなり簡単になる。
【0044】本発明の好適な実施形態を説明してきた
が、当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載す
る、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、
種々の変更および修正を行うことができることを理解す
ることができるだろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】通信コネクタ組立体と、上記組立体を挿入し装
着することができるジャック・ハウジングの斜視図であ
る。
【図2】図1のコネクタ組立体の前面部の拡大斜視図で
ある。
【図3】図2のコネクタ組立体の前面部の部分断面側面
図である。
【図4】図3の4−4線に沿って切断したコネクタ組立
体の断面図である。
【図5】平板コンデンサ回路の平面図である。
【図6】コネクタ組立体上に装着した、図5のコンデン
サ回路の斜視図である。
【図7】ターミナル接点ワイヤのセクション間に容量性
クロストーク補償結合を持つコネクタ組立体の電気的略
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート レイ グッドリッチ アメリカ合衆国 46250 インディアナ, インディアナポリス,ケープ コッド サークル 7440 (72)発明者 アミッド イフサン ハシム アメリカ合衆国 07869 ニュージャー シィ,ランドルフ,カントリー レーン 6 (56)参考文献 特開 平6−243937(JP,A) 特開 平7−106010(JP,A) 特開 平11−144816(JP,A) 特開2000−3764(JP,A) 実開 昭64−20690(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 13/719 H01R 13/33 H01R 24/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ・ボードと、多数の細長いターミ
    ナル接点ワイヤとからなる、強化通信コネクタ組立体で
    あって、 該接点ワイヤの各々は、該ワイヤ・ボード上に支持され
    ている基部と、係合コネクタと電気的に接続する、該基
    部に対向する自由端部と、該基部及び自由端部を互いに
    接続する領域とからなり、 該自由端部は、接点ワイヤの領域が係合コネクタの動作
    によってそれるよう配置されており、更に、該強化通信
    コネクタ組立体は、 該ワイヤ・ボードに設けた第1のクロストーク補償デバ
    イスと、 平面誘電体によって分離されかつそれに接触する第1及
    び第2の平面容量性プレートとからなり、 該第1のクロストーク補償デバイスは、平面アレイ内に
    該接点ワイヤを整列させる複数の、底面を有するスロッ
    トを有する誘電性支持部材からなり、 該容量性プレートの各々は、該誘電性支持部材に設けら
    れかつスロットの底面の上方に延びており、 該容量性プレートは、接点ワイヤの領域が該係合コネク
    タによってそらされるときに、該スロット内の該接点ワ
    イヤのうちの選択したものに接触するようになっている
    ことを特徴とする通信コネクタ組立体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の通信コネクタ組立体に
    おいて、該容量性プレートの各々は、該スロットのうち
    の1つに整合することを特徴とする通信コネクタ組立
    体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の通信コネクタ組立体に
    おいて、該容量性プレートは該支持部材内に含まれてお
    り、かつ該平面誘電性部材によって分離されており、該
    容量性プレートの各々は、該スロットのうちの選択した
    1つのスロットの下方に配置されることを特徴とする通
    信コネクタ組立体。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の通信コネクタ組立体に
    おいて、該容量性プレートは該支持部材に設けられた共
    通の誘電性基部に形成されており、各コンデンサは、該
    誘電性基部から延びる柔軟なコンデンサ接続ストリップ
    を含み、該接続ストリップは選択したスロットの底面に
    置かれるよう構成されていることを特徴とする通信コネ
    クタ組立体。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の通信コネクタ組立体に
    おいて、該ワイヤのうちの選択したワイヤ間にて誘導性
    補償結合を生成するための第2のクロストーク補償デバ
    イスをさらに含むことを特徴とする通信コネクタ組立
    体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の通信コネクタ組立体に
    おいて、4対のワイヤ指定ペア1,2,3,4を有し、
    該ペア1,2,4のみが誘導性クロストーク補償を有す
    ることを特徴とする通信コネクタ組立体。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の通信コネクタにおい
    て、 前面と、該前面にあるプラグ用開口部とを有するジャッ
    ク・ハウジングをさらに備え、該プラグ用開口部は軸を
    有し、そして係合プラグ・コネクタを収容するように形
    成されており、さらに、 該ジャック・ハウジング内の該プラグ用開口部の軸に沿
    って該プラグが挿入されたときに、該係合プラグ・コネ
    クタと電気的に接触する、該ジャック・ハウジング内に
    挿入されている通信コネクタ組立体を備え、 該接点ワイヤの該自由端部は、該プラグ用開口部に向か
    って下方に傾斜しており、そして該係合プラグにより接
    触されるときに、該接点ワイヤのうちの選択したものを
    該コンデンサプレートに接触させることを特徴とする通
    信コネクタ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の通信コネクタにおい
    て、該ワイヤのうちの選択したワイヤ間にて誘導性補償
    結合を生成するための第2のクロストーク補償デバイス
    をさらに含むことを特徴とする通信コネクタ。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の通信コネクタにおい
    て、4対のワイヤ指定ペア1,2,3,4を有し、該ペ
    ア1,2,4のみが誘導性クロストーク補償を有するこ
    とを特徴とする通信コネクタ。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の通信コネクタにおい
    て、プラグが該ジャック・ハウジングに挿入されるとき
    に、該ペア1,3のみがコンデンサプレートに接触する
    ことを特徴とする通信コネクタ。
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