JP3521104B2 - 排ガス中のpm測定装置 - Google Patents

排ガス中のpm測定装置

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JP3521104B2
JP3521104B2 JP21504896A JP21504896A JP3521104B2 JP 3521104 B2 JP3521104 B2 JP 3521104B2 JP 21504896 A JP21504896 A JP 21504896A JP 21504896 A JP21504896 A JP 21504896A JP 3521104 B2 JP3521104 B2 JP 3521104B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、例えばディーゼ
ルエンジンなど内燃機関から排出されるガス中に含まれ
るPM(Particulate Matter、すす
などの微粒子状物質)を定量分析する排ガス中のPM測
定装置に関する。 【0002】前記PMは、フィルタ重量法によって、次
のように定義されている。すなわち、エンジン排ガスを
希釈トンネルを用いて空気で52℃以下まで希釈、冷却
し、0.3μmの標準粒子を95%以上捕集できる炭化
フッ素被膜ガラス繊維フィルタやメンブランフィルタな
どによってフィルタ上に捕集された固形または液状の粒
子の総和をPMという。そして、捕集後、気温25℃、
湿度60%の雰囲気中に8時間以上放置した後の重量を
PMの重量という。 【0003】また、前記PMは、有機溶媒に溶解し主と
して炭化水素成分であるSOF(Soluble Or
ganic Fraction)とISF(Insol
uble Fraction)との大別でき、ISFに
は、主として炭素成分であるdry Soot(以下、
単にSootという)とサルフェートと水分とが含まれ
る。なお、PMの測定と分析については、例えば、日本
機械学会(No.95−29)講習会教材(’95.
6.1〜2、東京、内燃機関の燃焼と排気改善のための
計測技術)「粒子状物質の測定と分析」〔(財)日本自
動車研究所 山崎 均〕がある。 【0004】 【従来の技術】ところで、上述のフィルタ重量法は、P
Mを付着・捕集したフィルタを精密天秤を用いて測定す
るものであり、所謂連続測定を行うことができない。こ
れに対して、排気ガス中のPMを連続的に測定する方法
としては、特公平2−31820号公報に示すものがあ
る。このPM測定方法は、HC(炭化水素)に感度があ
る波長の光とHCに感度がない波長の光とをサンプルガ
スに照射して、サンプルガスの吸収を測定し、そのとき
得られるデータを、経験によって得られた数式を用い
て、SOFおよびSootの量を算出するようにしたも
のである。 【0005】しかしながら、上記公報のPM測定方法
は、理論的裏付けに乏しく、真にSOFやSootを計
測しているとはいえないといった問題があるほか、セル
が汚れやすく、メンテナンスが面倒であるといった不都
合がある。 【0006】これに対して、カーボンバランス法があ
る。このカーボンバランス法によるPM測定装置の構成
を図7を参照しながら説明する。 【0007】図7において、61は図示してないディー
ゼルエンジンからの排ガス(サンプルガスSG)が定量
流れるガス流路で、その下流側の点62において二つの
流路63,64に二分されている。一方の流路63は、
サンプルガスSG中のPMを捕集するための捕集フィル
タ65を内蔵したフィルタ66と加熱燃焼炉67とを備
えており、リファレンスガス流路として構成されてい
る。他方の流路64は、リファレンスガス流路63とむ
だ容積を同じにするための、フィルタを有してないダミ
ーフィルタ68と、加熱燃焼炉67と同様に構成された
加熱燃焼炉69とを備えており、サンプルガス流路とし
て構成されている。 【0008】70は流体変調方式のガス分析計で、ガス
分析部71と、これにサンプルガス流路64からのサン
プルガスSGと、リファレンスガス流路63からのリフ
ァレンスガスRGとを交互に一定量ずつ供給するガス供
給部72とからなる。すなわち、ガス分析部71は、二
つのセル73,74を並列的に配置し、各セル73,7
4のそれぞれ一方の側に赤外光源75,76を配置する
とともに、セル73,74の他方の側に例えばコンデン
サマイクロホン型検出器よりなるCO2 検出器77とH
2 O検出器78とを光学的に直列配置してなる。 【0009】そして、ガス供給部72は、例えばロータ
リバルブよりなり、図示してないモータによって回転す
る仕切り板79によって、一方のセル73にリファレン
スガスRGが供給されているときには、他方のセル74
にサンプルガスSGが供給され、また、一方のセル73
にサンプルガスSGが供給されているときには、他方の
セル74にリファレンスガスRGが供給されるように、
一定周期でガスSG,RGの切換え供給を行うように構
成されている。80,81はガス供給部72とセル7
3,74との間を接続するガス流路である。 【0010】なお、上記流体変調方式のガス分析計の基
本的原理は、この出願人による特公昭56−48822
号公報に詳しく説明されている。 【0011】上記構成のPM測定装置においては、ガス
流路61を流れるサンプルガスSGの一部は、点62に
おいてリファレンスガス流路63に分流し、フィルタ6
6を通過する際、含有するPMが除去されてリファレン
スガスRGとなり、加熱燃焼炉67に導入される。そし
て、残りのサンプルガスSGは、そのままダミフィルタ
68を経て、同じく加熱燃焼炉69に導入される。 【0012】前記加熱燃焼炉67,69の内部は、例え
ば1000℃程度に加熱され、CO,HC成分は酸化
(燃焼)されてCO2 ,H2 Oとなる。その後、両ガス
流路63,64における燃焼ガスは、ガス供給部72の
働きによって、サンプルガスSG、リファレンスガスR
Gとしてセル73,74に互いに違いに交互に供給され
る。 【0013】そして、前記両セル73,74に光源7
5,76から赤外光を照射することにより、セル73,
74を通過する赤外光は、セル73,74内で所定の吸
収を受けた後、CO2 検出器77およびH2 O検出器7
8に入射される。このとき、両検出器77,78から得
られる信号の大きさは、サンプルガスSGとリファレン
スガスRGとにおけるCO2 およびH2 Oに比例したも
のが差分として得られる。すなわち、CO2 検出器77
およびH2 O検出器78の出力の和がPM濃度となる。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】上述のように、上記カ
ーボンバランス法によれば、ディーゼルエンジンなどの
排ガス中に含まれるPMを連続的に定量することができ
るが、次のような問題がある。すなわち、 (1)リファレンスガス流路63とサンプルガス流路6
4における流量抵抗差に起因するノイズにより、高速応
答性で測定することが困難である。 (2)赤外光によるCO2 およびH2 Oの測定は、干渉
成分が多く、誤差が生じやすい。 (3)CO2 およびH2 Oの二つの成分を検出するため
に二つの検出器67,68を用いる必要がある。 (4)共存ベースガスが測定成分であるCO2 およびH
2 Oと同じであるため、高感度化が困難である。 【0015】ところで、従来より、サンプルガス中の全
炭化水素(Total Hydro−Carbon、以
下、THC)などHCを定量分析するものとして、図4
に示すような水素炎イオン化検出器(Flame Io
nization Detector、以下、FIDと
いう)40が知られている。すなわち、図4において、
41は燃焼室で、その内部にはノズル42と、コレクタ
電極43が設けられている。そして、44はサンプルガ
スSを供給するためのサンプルガス供給路、45は水素
ガスのみまたは水素ガスと他の燃焼性ガスとからなる燃
料ガスFを供給する燃料ガス供給路で、両ガス供給管4
4,45はノズル42の上流側で一体となってノズル4
2に接続されている。また、46は助燃用空気Aを供給
するための助燃ガス供給路で、その端部は燃焼室41の
適宜箇所で開口接続されている。 【0016】前記ノズル42は、高圧配線47を介して
高圧直流電源(図示してない)に接続され、コレクタ電
極43は、信号線48を介して信号処理回路(図示して
ない)に接続されている。なお、49は燃焼室41の内
部上方に設けられる着火装置、50は排気口、51は絶
縁スリーブである。 【0017】上記構成のFID40においては、例えば
HC成分を含むサンプルガスSを、燃料ガスF、助燃用
空気Aとともに燃焼室41内に導入し、着火装置49に
よって例えば放電スパークを生じさせることにより、ノ
ズル42の先端に所望の炎52が形成され、この炎52
のエネルギーでHCの熱イオン化が生じ、サンプルガス
S中に含まれるHC量に比例した電流出力が信号線48
を介して出力され、これによって、サンプルガスS中の
HC濃度を分析することができる。 【0018】ところで、ディーゼルエンジンからの排ガ
ス中に含まれるPMには、上述したように、主として炭
化水素成分(HC)であるSOFと主として炭素成分
(C)であるSootがあり、従来までの考えによれ
ば、前記FID30によっては、炭素成分を検出するこ
とができないとされていた。 【0019】しかしながら、この出願の発明者の研究に
よれば、従来からHC成分の分析に使用されているFI
D40によって、HCのみならず、C(炭素)をも検出
することができることを見出した。 【0020】すなわち、図5は、FID40の燃焼室4
1内における熱イオンの生成過程を説明するための図
で、ノズル42とコレクタ電極43との間に設けられる
高圧直流電源53によって、例えばノズル42に+30
0Vの電圧が印加した状態で、着火装置39によって放
電スパークを生じさせると、ノズル42の先端には例え
ば1500Kといった高温の炎52が形成される。 【0021】このとき、炭素(グラファイト)を主成分
とするサンプルガスS中に含まれるSootは、下記の
理由により検出されると発明者は推定している。すなわ
ち、上述のような高温下で、Sootは、熱エネルギー
により電子を放出し、熱イオン化が行われるのではない
かということである。このときグラファイトがイオン化
するエネルギーは4.5eV(103.7kcal/m
ol)である。本来、グラファイトは、その比抵抗が4
×10-5Ω・cmであり、半導体であるが、前記大きさ
のエネルギーを受けることにより、比較的容易に帯電し
たグラファイトとなると考えられる。そして、このイオ
ン化により放出される電子がノズル42に集められるこ
とにより、炭素成分であるグラファイトをも検出するこ
とができると推定している。 【0022】図6は、前記FID40におけるグラファ
イトに対する応答性を示す実測例を示すものである。 【0023】この発明は、上述の事柄および知見に基づ
いてなされたもので、ディーゼルエンジンなど内燃機関
から排出されるガス中に含まれるPMを連続的にしかも
精度よく定量分析することができる新規で有用な排ガス
中のPM測定装置(以下、単にPM測定装置という)を
提供することを目的としている。 【0024】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明のPM測定装置は、内燃機関から排出され
るガスがサンプルガスとして定流量流れるガス流路の上
流側および下流側にそれぞれ分岐流路を接続し、これら
の分岐流路に第1水素炎イオン化検出器と第2水素炎イ
オン化検出器とをそれぞれ設けるとともに、前記ガス流
路における二つの分岐流路の接続箇所の間に、前記サン
プルガスを冷却するためのガスの導入路および冷却され
たサンプルガス中に含まれるPMを捕集するフィルタ装
置を設け、所定の高温の排ガスを第1水素炎イオン化検
出器に供給するとともに、前記冷却されたサンプルガス
を第2水素炎イオン化検出器に供給し、第1水素炎イオ
ン化検出器から得られる信号を信号処理することによっ
てTHC濃度とSoot濃度を求めるとともに、第2水
素炎イオン化検出器と第1水素炎イオン化検出器のそれ
ぞれの出力信号におけるトレンドの比を求め、この比を
前記THC濃度に乗ずることによりSOF濃度を求める
ようにしている。 【0025】191℃に保持されたサンプルガス(排ガ
ス)を第1FIDによって測定すると、THCとSoo
tとの合計濃度が測定される。そして、サンプルガス中
に含まれるTHCは、前記191℃から例えば52℃に
冷却されコンデンスされると、そのうちのいくらかがS
OFに変化する。その変化の割合kは、近似的に冷却温
度Tの関数である。すなわち、PMの総量TPMは、近
似的に、下記(1)式で表される。 TPM(t)=Soot(t)+k(T)・THC(t) ……(1) ここに、(t)はそれぞれの量が時間の関数(瞬時値)
で表されることを示している。 【0026】前記(1)式におけるk(T)を定めるの
に、冷却前後のサンプルガスを第1、第2のFIDにそ
れぞれ供給したときにそれぞれのFIDから出力される
信号の差を用いる。SOFの生成、すなわち、THCの
冷却には、サンプルガスの十分な混合を必要とするの
で、FIDの応答時間や内燃機関の状態変化より十分遅
くすることができる。したがって、サンプルガスの冷却
前の瞬時値データ、すなわち、第1FIDの出力信号に
基づく瞬時値データにおけるトレンド<THC1 >(十
分に長い時間幅における平均)と、サンプルガスの冷却
後の瞬時値データ、すなわち、第2FIDの出力信号に
基づく瞬時値データにおけるトレンド<THC2 >との
比をk(T)とする。すなわち、 k(T)=1−<THC 2 >/<THC 1 とするのである。 【0027】この発明によれば、ディーゼルエンジンな
どの排ガスにおけるPM濃度を、SOF成分とSoot
成分に区別した状態で同時にかつ高速(サブミリ秒オー
ダー)に測定することができる。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施例
を、図を参照しながら説明する。 【0029】図1は、この発明のPM測定装置の一例を
概略的に示すもので、この図において、1はディーゼル
エンジン、2はディーゼルエンジン1に接続される排気
管、3は排気管2に接続されるサンプルガス流路で、そ
の下流端には排気管2を流れる排ガスGをサンプルガス
流路3内に所定の定流量で吸引するポンプ4が設けられ
ている。 【0030】前記サンプルガス流路3の上流側の接続点
5とポンプ4との間には、適宜の間隔をおいて2つの分
岐流路流6,7(以下、第1分岐流路6、第2分岐流路
7という)がそれぞれプローブ8,9をサンプルガス流
路3に挿入するようにして接続されている。第1分岐流
路6、第2分岐流路7には、それぞれ、図4に示したF
ID40と同様構成のFID10,11(以下、第1F
ID10、第2FID11という)が設けられている。 【0031】前記サンプルガス流路3の第1分岐流路6
と第2分岐流路7との間には、第1分岐流路6の接続点
より下流側を流れる排ガスGを所定の温度に冷却するた
めの冷却ガスCGを導入するための冷却ガス導入管12
が接続されている。この冷却ガス導入管12には冷却ガ
スCGの流量を測定し、これ所定の流量になるように調
整するためのマスフローコントローラ13が設けられて
いる。14は冷却ガス導入管12が接続される近傍に形
成される冷却部である。15は冷却部14において冷却
された排ガスG中に含まれるPMを除去するための捕集
フィルタ16を備えたフィルタ装置である。 【0032】前記サンプルガス流路3の上流側の接続点
5から下流側の冷却・混合部12までの部分17および
第1分岐流路6は、適宜の温調手段(図示してない)に
より、これらを流れる排ガスGの温度が191℃になる
ように温調されている。この温度においては、排ガスG
中に含まれているSOFはほとんど気体である。このよ
うな排ガスGがプローブ8および第1分岐流路6を経て
第1FID10にサンプルガスS1 として供給される。 【0033】前記温調部分17を経て冷却部14に至っ
た排ガスGは、冷却ガス導入管12を介して導入される
清浄で低温の空気または窒素ガスなどの冷却ガスCGと
接触し、これと混じり合うことにより冷却され、52℃
になるように調整される。したがって、冷却ガス導入管
12を介して冷却部14に供給される冷却ガスCGは、
所定の温度に調整されるとともに、冷却ガス導入管12
に設けられたマスフローコントローラ13によって流量
調整される。 【0034】前記サンプルガス流路3の冷却部14から
第2分岐流路7の接続点までの部分18および第2分岐
流路7は、適宜の温調手段(図示してない)により、こ
れらを流れる排ガスGの温度が52℃になるように温調
されている。この温度においては、排ガスG中に含まれ
ているSOFはPMに吸着している。このような排ガス
Gは、フィルタ装置15を経てプローブ9および第2分
岐流路を介して第2FID11にサンプルガスS2
して供給される。 【0035】19,20は第1FID10、第2FID
11のそれぞれ信号出力ラインで、プリアンプ21,2
2を備えている。23は例えばアナログ系の信号処理装
置で、プリアンプ21,22を経た第1FID10、第
2FID11のそれぞれの出力信号a,bが入力され
る。 【0036】図2は、前記信号処理装置23の構成の一
例を示すもので、24はコンパレータ、25,26は移
動平均回路などの平滑回路、27は減算回路、28は除
算回路、29は乗算回路、30は加算回路である。ま
た、31〜33は出力点である。 【0037】上述のように構成されたPM測定装置の動
作について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1
に示すように、排気管2を流れるディーゼルエンジン1
から排出されるPMを含んだ排ガスGは、ポンプ4の吸
引動作によりサンプルガス流路3に一定量吸い込まれ、
サンプルガス流路3を定流量の排ガスGが流れ、その一
部がプローブ8を介して第1分岐流路6に191℃のサ
ンプルガスS1 として取り入れられる。このサンプルガ
スS1 中には、上述したようにSOFが気体として含ま
れている。 【0038】前記サンプルガスS1 は、第1FID10
に導入され、図4に示すように、着火装置49によって
ノズル42の先端に所望の炎52が形成され、この炎5
2のエネルギーでHCの熱イオン化が生じ、図3(A)
に示すような信号aが出力信号ライン19に出力され
る。 【0039】前記信号aにおいて、ゆるやかに変化する
部分a1 はトレンドと呼ばれるもので、これは、サンプ
ルガスS1 中に含まれるTHC(SOFに変化する部分
を含む)に対応する信号であり、ショットノイズ状の部
分a2 がサンプルガスS1 中に含まれるSootに対応
する信号である。 【0040】排ガスGのうち、冷却部14に至ったサン
プルガスは、冷却ガス導入管12を介して冷却部14に
供給される冷却ガスCGと接触して冷却され、52℃に
まで温度調整されたサンプルガスS2 となる。このサン
プルガスS2 においては上述したように、SOFはPM
に吸着されている。そして、このサンプルガスS2 が、
フィルタ装置15を通過する際、それに含まれたPM
(SOFおよびSoot)が除去され、PMを含まない
状態のサンプルガスS2 となり、その一部がプローブ9
を介して第2分岐流路7に52℃のサンプルガスS2
して取り入れられる。 【0041】前記サンプルガスS2 は、第2FID11
に導入され、上記第1FID10におけると同様に、着
火装置49によってノズル42の先端に所望の炎52が
形成され、この炎52のエネルギーでHCの熱イオン化
が生じ、図3(B)に示すような信号bが出力信号ライ
ン20に出力される。 【0042】前記信号bにおいては、そのゆるやかに変
化するトレンドb1 がサンプルガスS2 中に含まれるT
HC(SOFが除去されている)に対応する信号であ
る。 【0043】前記第1FID10、第2FID11の出
力a,bは、プリアンプ21,22を経て、図2に示す
ような信号処理装置23に入力される。この信号処理装
置23においては、例えば次のような信号処理が行われ
る。 【0044】まず、前記信号aは、コンパレータ24、
移動平均回路25および減算回路27に入力される。コ
ンパレータ24は、立ち上がりの速さと高さを基準にし
てショットノイズと判定することができる機能を備えて
おり、このコンパレータ24によって、信号aにおける
Sootに対応する信号成分a2 に対応する濃度成分c
〔=Soot(t)〕が得られる。この信号cは、減算
回路27、加算回路30に入力されるとともに、出力点
31にSoot(t)を表す信号として出力される。 【0045】また、移動平均回路25は、前記信号aに
おけるゆるやかな変化をするトレンドa1 を検出しこれ
を分離するもので、信号d〔=<THC1 >〕を出力
し、この信号dは除算回路28に入力される。 【0046】一方、前記信号bは、前記移動平均回路2
5と同様の機能を有する移動平均回路26に入力され、
この移動平均回路26からは信号e〔=<THC2 >〕
が出力され、この信号eは除算回路28に入力される。 【0047】そして、前記減算回路27においては、信
号aと信号cとの差が求められる。つまり、冷却前の温
度191℃における排ガスGに含まれるTHC(t)が
求められ、これが信号fとして乗算回路29に入力され
る。 【0048】また、前記除算回路28においては、1−
e/dなる演算、すなわち、1−<THC2 >/<TH
1 >なる演算が行われて、係数k(T)が求められ,
信号gとして乗算回路28に入力される。 【0049】前記乗算回路28においては、冷却前の温
度191℃における排ガスGに含まれるTHC(t)の
量と係数k(T)とが掛算され、SOF(t)が求めら
れる。このSOF(t)は、信号hとして加算回路30
に入力されるとともに、出力点32にSOF(t)を表
す信号として出力される。 【0050】前記加算回路30においては、コンパレー
タ24の出力c〔=Soot(t)と乗算回路29の出
力h〔=SOF(t)〕が加算され、PMのトータル濃
度であるTPM(t)が求められ、これを表す信号iが
として出力点33に出力される。 【0051】つまり、最終出力として、TPM(t)、
Soot(t)およびSOF(t)を各別に得ることが
できる。 【0052】上述の説明から理解されるように、二つの
FID10,11のうち、上流側の第1FID10から
排ガスGに含まれるTHCやSootなどの成分を瞬時
的に測定する一方、下流側の第2FID11を信号の補
償用としている。したがって、応答に係わる量の測定
は、第1FID10のみでよく、2つのFID10,1
1を用いているにもかかわらず、十分な応答性があり、
サブミリ秒オーダーでの測定が可能である。 【0053】そして、第1FID10からの出力信号a
を、その信号における特徴に応じた信号処理を行うこと
により、Sootに対応する信号を求めるとともに、S
OFの生成を温度の関数として捉え、191℃の排ガス
Gにおけるトレンド<THC1 >に対する52℃の排ガ
スGにおけるトレンド<THC2 >の割合を求めて、T
HCからSOFに相変化する量を定量的に求めるように
しているので、個々の成分濃度を正確に求めることがで
きる。 【0054】なお、上述の実施例においては、ディーゼ
ルエンジン1に接続された排気管2に、定流量で排ガス
Gをサンプリングするサンプルガス流路3を接続し、こ
のサンプルガス流路3から、FID10,11に排ガス
Gを導入するようにしていたが、必ずしもこのようにす
る必要はなく、例えば、前記排気管2を定流量でサンプ
ルガスが流れるようにし、この排気管2からFID1
0,11に排ガスGを導入するようにしてもよく、ま
た、排気管2に排ガスGを希釈する希釈用トンネルを接
続し、これに定流量採取装置(ConstantVol
ume Sampler、)を設けて、希釈された排ガ
スGをFID10,11に導入するようにしてもよい。 【0055】また、上述の実施例においては、信号処理
装置23をアナログ系に構成しているが、これに限られ
るものではなく、信号処理装置23をディジタル系に構
成してもよく、その場合、信号処理装置23としてコン
ピュータを用いることもできる。 【0056】 【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ディーゼルエンジンなど内燃機関からの排ガスにお
けるPM濃度を、SootとSOFとを区別して連続的
かつ同時にしかも精度よく定量分析することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明のPM測定装置の構成の一例を概略的
に示す図である。 【図2】前記PM測定装置において用いられる信号処理
装置の一例を概略的に示す図である。 【図3】前記PM測定装置の動作説明図である。 【図4】この発明で用いる水素炎イオン化検出器の一例
を示す図である。 【図5】前記水素炎イオン化検出器の燃焼室内における
熱イオンの生成過程を説明するための図である。 【図6】前記水素炎イオン化検出器におけるグラファイ
トに対する応答性を示す実測例を示す図である。 【図7】従来技術を説明するための図である。 【符号の説明】 1…内燃機関、3…ガス流路、6,7…分岐流路、10
…第1水素炎イオン化検出器、11…第2水素炎イオン
化検出器、12…冷却ガス導入管、15…フィルタ装
置、23…信号処理装置、G…排ガス、S,S1 ,S2
…サンプルガス、c…Soot濃度、i…SOF濃度、
i…PM濃度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山岸 豊 京都府京都市南区吉祥院宮の東町2番地 株式会社堀場製作所内 (56)参考文献 特開 平9−5299(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/62 - 27/70 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 内燃機関から排出されるガスがサンプル
    ガスとして定流量流れるガス流路の上流側および下流側
    にそれぞれ分岐流路を接続し、これらの分岐流路に第1
    水素炎イオン化検出器と第2水素炎イオン化検出器とを
    それぞれ設けるとともに、前記ガス流路における二つの
    分岐流路の接続箇所の間に、前記サンプルガスを冷却す
    るためのガスの導入路および冷却されたサンプルガス中
    に含まれるPMを捕集するフィルタ装置を設け、所定の
    高温の排ガスを第1水素炎イオン化検出器に供給すると
    ともに、前記冷却されたサンプルガスを第2水素炎イオ
    ン化検出器に供給し、第1水素炎イオン化検出器から得
    られる信号を信号処理することによってTHC濃度とS
    oot濃度を求めるとともに、第2水素炎イオン化検出
    器と第1水素炎イオン化検出器のそれぞれの出力信号に
    おけるトレンドの比を求め、この比を前記THC濃度に
    乗ずることによりSOF濃度を求めるようにしたことを
    特徴とする排ガス中のPM測定装置。
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