JP3520696B2 - レピア織機用キャリアテープ及び繊維構造体 - Google Patents

レピア織機用キャリアテープ及び繊維構造体

Info

Publication number
JP3520696B2
JP3520696B2 JP29286996A JP29286996A JP3520696B2 JP 3520696 B2 JP3520696 B2 JP 3520696B2 JP 29286996 A JP29286996 A JP 29286996A JP 29286996 A JP29286996 A JP 29286996A JP 3520696 B2 JP3520696 B2 JP 3520696B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrier tape
yarn
fiber structure
fiber
yarns
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29286996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10130995A (ja
Inventor
雅彦 金原
誠 都築
雅彦 安江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP29286996A priority Critical patent/JP3520696B2/ja
Priority to CN97123400A priority patent/CN1183489A/zh
Priority to KR1019970057926A priority patent/KR19980042060A/ko
Priority to EP97119289A priority patent/EP0845552A3/en
Publication of JPH10130995A publication Critical patent/JPH10130995A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3520696B2 publication Critical patent/JP3520696B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D03WEAVING
    • D03DWOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
    • D03D47/00Looms in which bulk supply of weft does not pass through shed, e.g. shuttleless looms, gripper shuttle looms, dummy shuttle looms
    • D03D47/27Drive or guide mechanisms for weft inserting
    • D03D47/271Rapiers
    • D03D47/272Rapier bands

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Looms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレピア織機用キャリ
アテープ及びそのキャリアテープの強化材となる繊維構
造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レピア織機の緯入れ装置は先端にレピア
ヘッドを固定したレピアバンド(キャリアテープ)と、
キャリアテープが巻き掛けられたレピアホイールとを備
えている。レピアホイールは往復回動され、その回動に
伴ってキャリアテープが往復移動される。そして、キャ
リアテープの往復動に伴ってキャリアテープに固定され
たレピアヘッドが経糸開口内へ進入すると共に、経糸開
口内から退避して緯糸の緯入れが行われる。
【0003】キャリアテープを往復動させる構成とし
て、特開平3−180542号公報に開示された装置の
ように、レピアホイールとして駆動スプロケットを使用
し、キャリアテープには駆動スプロケットの歯と係合す
る係合孔がその長さ方向に所定ピッチで列設されたもの
がある。レピアホイールの往復回動は歯と係合孔との嵌
合に基づいてキャリアテープに伝達され、キャリアテー
プはレピアホイールの往復回動に伴って往復動される。
【0004】また、特公昭60−40538号公報には
歯と係合孔との嵌合以外の手段でキャリアテープを往復
動させる緯入れ装置が開示されている。この装置では先
端にレピアヘッドが固定されたキャリアテープが、その
基端部がレピアホイールの周面に固定された状態でレピ
アホイールに巻き付けられている。また、レピアホイー
ルの回転に伴なう遠心力の作用によるレピアホイールの
周面からのキャリアテープの浮き上がりを防止するた
め、レピアホイールの上方に2個のローラが配設され、
レピアホイールと両ローラとの間にキャリアテープをレ
ピアホイールへの巻き付き面に押圧するロープが巻き掛
けられている。
【0005】キャリアテープとしてはプラスチック(例
えば、ポリエステル)製のものと、繊維強化プラスチッ
ク(FRP)製のものとがある。FRP製のキャリアテ
ープは、キャリアテープの厚さ方向に強化繊維層(平織
りの織物あるいは一方向に繊維が配列されたシート)が
複数層積層された構成となっている。また、実開平2−
125979号公報には複数の基布からなる積層構造を
有し、該積層構造の厚さ方向の少なくとも一部で、かつ
スプロケット係合孔の外側の長手方向に補強材が存在し
ているレピア織機用フレキシブルテープが提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】プラスチック製あるい
は強化繊維が僅かに使用されたプラスチック製のキャリ
アテープを使用すると、キャリアテープはレピアホイー
ルの外周面の曲率に対応して湾曲変形する。また、剛性
が低いためレピアホイールから繰り出された状態におい
て下方に湾曲する状態となったり、後退時にキャリアテ
ープの先端側が浮き上がる状態になる等、ガイド部材が
ない状態では経糸開口内への進入及び経糸開口内からの
退避が円滑に行われない。
【0007】そこで、図11に示すように、経糸Yの開
口時に経糸Yの下側から経糸開口内に進入してキャリア
テープ51を案内するガイド部材52a,52bを設け
る必要がある。ガイド部材52a,52bは筬が支持さ
れるスレー(図示せず)上に千鳥状に配設されている。
そして、ガイド部材52a,52bはスレーの揺動によ
り経糸開口内に対して出入りするため、L字状のガイド
部材52a,52bに経糸Yが引っかかって切断された
り、経糸Yがガイド部材52a,52bとの摩擦により
毛羽立つ等の問題がある。
【0008】一方、複数の繊維層を積層したFRP製の
キャリアテープ51は剛性が大きいため、レピアヘッド
の姿勢が安定して経糸開口内への進入及び経糸開口から
の退避が円滑に行われる。
【0009】キャリアテープ51のレピアホイールから
の繰り出し及びレピアホイールへの巻き付けが緯入れ毎
に繰り返されるので、キャリアテープ51には頻繁に曲
げ応力が加えられる。そして、繊維強化複合材は応力を
受けた際に、繊維切断面が端部に存在するとその部分が
破壊の起点となって破壊が生じ易く、その強度が著しく
低下する。従来のFRP製のキャリアテープ51は、繊
維の切断端がキャリアテープ51の幅方向の両端に位置
するように各繊維層が配置されているため、キャリアテ
ープ51の端部から剥離破壊が生じ易い。また、係合孔
が形成されたキャリアテープでは、係合孔に挟まれた部
分は強い剪断力を受ける状態となり、層間の剪断破壊が
発生する。また、レピアホイールの歯が係合孔から離脱
する際の歯と係合孔との摩擦により、表面剥離が発生す
る。
【0010】従来のFRP製のキャリアテープ51で
は、厚さ方向に積層された各繊維層間を貫く糸条(糸あ
るいは繊維束)が存在しないため、前記層間の剪断破壊
や表面剥離が発生した場合、それが伝播拡大し易くキャ
リアテープの耐久性が悪くなってキャリアテープの寿命
が短くなるという問題がある。
【0011】この問題を解消するため、本願発明者は幅
方向の端部で糸条が折り返されるとともに厚さ方向と直
交する平面を境にした層間剥離の進行不能に組織された
繊維構造体を強化材としたFRP製のキャリアテープを
発明した。このキャリアテープでは、従来のFRP製キ
ャリアテープと異なり、その端部からの破壊や厚さ方向
に積層された繊維層の層間剥離の進行が抑制され、従来
品に比較して寿命が大幅に延びる。従来のキャリアテー
プでは幅方向の端部からの破壊や層間剥離がある程度進
んだ段階、即ちキャリアテープが破断する前に異常が検
出されてキャリアテープの交換が行われる。
【0012】しかし、本願発明者が発明した前記キャリ
アテープでは、一種類の材質(例えば炭素繊維)の糸条
で繊維構造体を構成すると、徐々に破壊が進行せずに、
寿命がきた時点で最も弱い箇所において破断する事態が
生じる。そして、キャリアテープの先端側が経糸開口
内、即ちレピア織機の製織部に残ったまま、基端側だけ
がレピアホイールに巻き取られる。キャリアテープの一
部が製織部に残っていると、筬打ち時にレピア織機の筬
やテンプル等の破損を引き起こすという問題がある。
【0013】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的はレピアヘッドの姿勢が安
定して経糸開口内への進入及び経糸開口内からの退避が
可能で耐久性が良く、しかも寿命がきてもテープの切断
による織機の損傷を回避できるレピア織機用キャリアテ
ープを提供することにあり、第2の目的はそのキャリア
テープの強化材として使用される繊維構造体を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため請求項1に記載の発明は、レピア織機に使用され
るキャリアテープであって、幅方向の端部で糸条が折り
返されるとともに厚さ方向と直交する平面を境にした層
間剥離の進行不能に組織された帯状の繊維構造体を強化
材とした繊維強化プラスチック(FRP)で形成され、
かつ前記繊維構造体を構成する糸条の大部分を弾性率の
大きな第1の糸条とし、該第1の糸条より破断時の伸度
が大きい第2の糸条を、繊維構造体のほぼ全長に亘って
少なくとも1本配列させるように前記繊維構造体を構成
した。なお、糸条とは糸だけでなくフィラメントを引き
揃えた繊維束いわゆるロービングをも意味する。
【0015】請求項2に記載の発明では、前記第2の糸
条はキャリアテープを構成する第1の糸条が全て破断し
た際におけるキャリアテープのねじれを防止可能なよう
に、キャリアテープの幅方向に所定間隔をおいて少なく
とも2本配列されている。
【0016】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記第2の糸条は、レピア織機のキ
ャリアテープ駆動用ホイールに形成された歯と係合可能
な孔が形成される範囲を挟んだ両側に少なくとも1本ず
つ配列されている。
【0017】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記繊維
構造体は三次元組みひもである。請求項5に記載の発明
では、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明
において、前記第2の糸条は繊維構造体の長手方向と平
行に延びる芯糸として繊維構造体内に配列されている。
【0018】請求項6に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、前記第2の糸条は三次元組みひもの
構成繊維として交織されている。また、第2の目的を達
成するため請求項7に記載の発明では、繊維構造体を請
求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の繊維構造体と
した。
【0019】請求項1〜請求項6に記載の発明のレピア
織機用キャリアテープは、先端にレピアヘッドが固定さ
れて使用される。キャリアテープは剛性の大きな繊維強
化プラスチック(FRP)で形成されているため、レピ
アヘッドが安定した姿勢を保持した状態で、レピアホイ
ールの回動に伴って経糸開口内への進入及び経糸開口内
からの退避が可能となる。キャリアテープの強化材に使
用される帯状の繊維構造体が、幅方向の端部で糸条(糸
あるいは繊維束)が折り返されるように組織されている
ため、繊維切断面がキャリアテープの幅方向の両端部に
存在せず、キャリアテープに頻繁に曲げ応力が加えられ
ても、キャリアテープの幅方向の端部から破壊が生じ難
い。また、厚さ方向と直交する平面を境にした層間剥離
の進行不能に組織されているため、従来のFRP製キャ
リアテープと異なり、層間剥離の進行が阻止される。
【0020】そして、繰り返し曲げ応力が頻繁に作用す
ることにより、キャリアテープの寿命がくると、繊維構
造体を構成する第1の糸条が殆ど同じ時期に破断する。
繊維構造体には第1の糸条より破断時の伸度が大きい第
2の糸条が、繊維構造体のほぼ全長に亘って少なくとも
1本存在するため、第1の糸条が殆ど同じ時期に破断し
ても、第2の糸条は破断せず、キャリアテープ全体とし
ては第2の糸条を介して繋がった状態となる。従って、
キャリアテープの一部が経糸開口内に置き去りにされる
事態の発生に起因するレピア織機の破損が回避される。
【0021】請求項2に記載の発明では、第2の糸条が
キャリアテープの幅方向に所定の間隔をおいて少なくと
も2本配列されているため、長期使用によりキャリアテ
ープの寿命がきてキャリアテープの第1の糸条が破断し
た際、キャリアテープに破断箇所を境にして先端側と基
端側との間でのねじれの発生が防止される。従って、破
断箇所より先端側の部分が基端側の移動に伴って第2の
糸条を介して経糸開口外に引き出される際、経糸が切断
されるのが回避される。
【0022】請求項3に記載の発明では、前記第2の糸
条は、レピア織機のキャリアテープ駆動用ホイールに形
成された歯と係合可能な孔が形成される範囲を挟んだ両
側に少なくとも1本ずつ配列されているため、強化材と
しての繊維構造体をキャリアテープに係合孔を形成する
か否かに拘わらず共用できる。
【0023】請求項4に記載の発明では、前記繊維構造
体が三次元組みひもであるため、キャリアテープの厚さ
方向に明確に積層された繊維層、即ち、厚さ方向と直交
する平面で明確に分けられる繊維層が存在せず、しか
も、キャリアテープの長手方向と斜めに交差して厚さ方
向に延びる糸条が存在するため、層間剥離が発生しな
い。
【0024】請求項5に記載の発明では、前記第2の糸
条は繊維構造体の長手方向と平行に延びる芯糸として繊
維構造体内に配列されているため、キャリアテープの曲
げ弾性に対しては第2の糸条の特性の影響が出難い。
【0025】請求項6に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、前記第2の糸条は三次元組みひもの
構成繊維として交織されているため、キャリアテープが
寿命により破断した際、第2の糸条が繊維構造体から素
抜けることなく、先端側のキャリアテープの破断部が確
実に経糸開口外へ引き出される。
【0026】また、請求項7に記載の発明の繊維構造体
を強化繊維としたFRP製のキャリアテープは、請求項
1〜請求項6のいずれかに記載の発明のうちの対応する
発明と同様な作用をなす。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明を具体化した第1の
実施の形態を図1〜図5に従って説明する。図1はレピ
ア織機用の繊維強化プラスチック製のキャリアテープ1
の部分模式斜視図である。キャリアテープ1はその幅と
ほぼ同じ(若干狭く)に組織された繊維構造体2に樹脂
の含浸硬化処理を施すとともに、レピア織機のキャリア
テープ駆動用スプロケット(図示せず)の歯と係合可能
な孔としての係合孔3を加工することによって形成され
ている。係合孔3は菱形に形成されている。
【0028】繊維構造体2は緯入れ時にキャリアテープ
1が水平方向に延びた状態で経糸開口内を移動可能な剛
性を付与可能な厚さ(1〜3mm)に組織された三次元
組みひもで構成されている。繊維構造体2は断面ほぼ長
方形をなし、多数の糸条が繊維構造体2の表面で折り返
すとともに、繊維構造体2の長手方向に所定の配向角を
なすように配列されている。配向角とは繊維構造体2の
長手方向となす角度であり、その値は±1°〜60°の
範囲で適宜設定されるが、この実施の形態では±45°
に設定されている。従って、繊維構造体2を構成する糸
条の切断端が繊維構造体2の幅方向の端部に露出するこ
とはない。
【0029】繊維構造体2を構成する糸条の大部分を占
める第1の糸条4には弾性率の大きな繊維、例えば炭素
繊維、セラミック繊維等のロービングが使用されてい
る。繊維構造体2には、第1の糸条4より破断時の伸度
が大きい第2の糸条5が、三次元組みひもの製織(組
織)時に製織動作に関与しない芯糸5aとして、繊維構
造体2のほぼ全長に亘って配列(挿入)されている。
【0030】芯糸5aはキャリアテープ1を構成する第
1の糸条4が全て破断した際におけるキャリアテープ1
のねじれを防止可能なように、キャリアテープ1の幅方
向に所定間隔をおいて少なくとも4本配列されている。
この実施の形態では芯糸5aは、係合孔3が形成される
範囲を挟んだ両側に少なくとも2本ずつ配列されてい
る。第2の糸条5には第1の糸条4より破断時の伸度が
大きな繊維、例えばポリアラミド繊維、高強度ポリエチ
レン(超高分子量ポリエチレン)繊維等が使用される。
ポリアラミド繊維のなかでもケブラー(デュポン社の商
品名)が好ましい。
【0031】繊維構造体2は、例えば特開平2−259
148号公報、特開平2−307949号公報等に開示
されている三次元ブレーダ(ロータ・キャリア方式三次
元織物織機)により製織される。三次元ブレーダは図2
に示すように、キャリア軌道面に沿って多数行、多数列
に配列されたキャリア駆動ユニット6を備え、該駆動ユ
ニット6により、図示しないボビンを支承する糸条キャ
リア7(図3に図示)に所要の軌跡を走行するように運
動を与え、それらのボビンから解じょした糸条を製織す
るものである。
【0032】キャリア駆動ユニット6は、図3に示すよ
うに、それぞれ独立したアクチュエータ8により駆動さ
れるロータ9を備えている。ロータ9は隣接するロータ
9との間で糸条キャリア7を挟持するための凹部10を
外周の4箇所に備えている。凹部10は隣接するロータ
9の回転軸を中心とする円弧状に形成され、隣接するロ
ータ9の一方が回転するときに、他方のロータ9の凹部
10が糸条キャリア7のガイドとして機能するように配
設されている。なお、図2に示すように、複数行、複数
列に配設されたキャリア駆動ユニット6の周囲には糸条
キャリア7と係合する凹部11aを有する固定ガイド1
1が配設されている。
【0033】図3に示すように、糸条キャリア7はロー
タ9の凹部10と対応する一対の円弧面12a(一方の
み図示)を備えた保持部12と、保持部12の両端に形
成されたフランジ13と、ボビン支持軸14とを備えて
いる。そして、糸条キャリア7は保持部12がロータ9
間あるいはロータ9及び固定ガイド11間に挟持される
ようになっている。また、ロータ9の中心には孔9aが
形成されている。
【0034】前記構成の三次元ブレーダで繊維構造体2
を製織する場合は、糸条キャリア7をその移動域におい
て繊維構造体2の断面形状に対応して配置する。また、
芯糸5aをその配列位置と対応するロータ9の孔9aを
通して導出した状態に張設する。そして、その状態で三
次元ブレーダを運転する。
【0035】製織に際しては、ロータ配列の行及び列内
において互いに隣接しないロータ9同士を一つの群とし
て全体を2群に分け、各群毎のロータ9を一斉に駆動す
る。なお、図4において斜線を付したロータ9と、斜線
を付していないロータ9によって二つの群を区別してい
る。以下、図4で斜線を付したロータ9を時計方向に9
0°又は180°の間欠回転を行うロータ(第1群のロ
ータ)とし、斜線の付してないロータ9を反時計方向に
90°又は180°の間欠回転を行うロータ(第2群の
ロータ)とする。
【0036】製織は一方の群のロータを非回転の固定ガ
イドとして、他方の群を一方向に90°又は180°回
転させ、次いで先に回転させた一方の群のロータを固定
ガイドとして他方の群のロータを逆の方向に90°又は
180°回転させ、この動作を順次繰り返すことによっ
て行われる。
【0037】糸条キャリア7は、製織時に糸条キャリア
7の配列範囲内で比較的単純な規則性の下で移動する。
例えば、図4において、隣接する各ロータ9間に糸条キ
ャリア7を挟持させ、第1群及び第2群のロータ9をそ
れぞれ90°回転させたときの各糸条キャリア7の移動
軌跡は図5(a)〜(c)に示すようになる。即ち、糸
条キャリア7に支持されたボビンから解じょされる糸条
は図5(a)〜(c)に示す曲線に沿って閉ループを形
成して移動することになる。一方、第1群及び第2群の
ロータをそれぞれ180°回転させた場合は、別の単純
な移動軌跡となる。従って、両群のロータを順次逆の方
向に90°又は180°回転させることにより、糸条が
繊維構造体2の各表面で折り返すように配列されるとと
もに、所定の位置に芯糸5aが挿入された繊維構造体2
が製織される。
【0038】製織中に必要に応じて筬打ちを行うことが
でき、筬打ちの程度と製織された織物(三次元組みひ
も)の巻取速度とを調整することにより、繊維構造体2
における糸条の配向角度を調整できる。
【0039】このように製織された繊維構造体2を強化
材としたFRP製のキャリアテープ1を製造する場合
は、繊維構造体2に樹脂を含浸させた後、硬化させる。
樹脂の含浸硬化には、例えば、レジントランスファーモ
ールディング(RTM)法が採用される。RTM法で
は、成形金型内に繊維構造体2を載置し、この成形金型
内に熱硬化性のマトリック樹脂を注入して繊維構造体2
に含浸させた後、加熱硬化させることにより、複合成形
材(FRP製キャリアテープ)が製造される。樹脂には
例えばエポキシ樹脂が使用される。
【0040】キャリアテープ1を駆動するレピアホイー
ルとして、スプロケットを使用する場合はキャリアテー
プ1にスプロケットの歯と係合する係合孔3を形成す
る。係合孔3の形成はFRP製のキャリアテープ1の製
造後にプレス加工あるいはドリル加工で形成する方法が
ある。また、樹脂含浸用の金型に係合孔3を形成するた
めの突起を設け、樹脂含浸時に形成することも可能であ
る。
【0041】この実施の形態では以下の効果を有する。 (イ) FRP製のキャリアテープ1の強化材として使
用される繊維構造体2が、緯入れ時にキャリアテープ1
がレピアヘッドの姿勢が安定した状態で移動可能な剛性
を付与可能な帯状に組織されているため、レピアヘッド
の姿勢が安定した状態で、レピアホイールの回動に伴っ
て経糸開口内への進入及び経糸開口内からの退避が可能
となる。
【0042】(ロ) FRP製のキャリアテープ1の強
化材として使用される繊維構造体2の大部分を構成する
第1の糸条4が、キャリアテープの幅方向の両端部で折
り返されるように組織されており、繊維切断面がキャリ
アテープ1の幅方向の両端部に存在しない。従って、キ
ャリアテープ1に頻繁に曲げ応力が加えられても、キャ
リアテープ1の幅方向の端部から破壊が生じ難く、従来
の積層繊維を強化材としたFRP製のキャリアテープに
比較して耐久性が向上する。
【0043】(ハ) 繊維構造体2が三次元組みひもで
構成されているため、キャリアテープ1とした場合、厚
さ方向と直交する平面で明確に分けられる層が存在せ
ず、キャリアテープ1に曲げ応力が繰り返し作用して
も、従来の平面状の織物を積層した強化材を使用したも
のと異なって層間剥離が発生せず、耐久性が向上する。
【0044】(ニ) 繊維層が積層された従来のFRP
製のキャリアテープと異なり、長期使用によりキャリア
テープ1の寿命がくると、第1の糸条4で構成された部
分がほぼ同時期に全幅方向に亘って破断する場合があ
る。しかし、第1の糸条4より破断時の伸度が大きい第
2の糸条5が芯糸5aとして繊維構造体2のほぼ全長に
亘って配列(挿入)されているため、キャリアテープ全
体としては第2の糸条5を介して繋がった状態となる。
従って、キャリアテープ1の一部が経糸開口内に置き去
りにされることがなく、キャリアテープの一部が経糸開
口内に存在した状態での筬打ちによりレピア織機が破損
するという事態が回避される。
【0045】(ホ) 芯糸5aはキャリアテープ1を構
成する第1の糸条4が全て破損した際におけるキャリア
テープ1のねじれを防止可能なように、キャリアテープ
1の幅方向に所定間隔をおいて少なくとも2本配列され
ているため、第1の糸条4の破断時に第1の糸条4の破
断部を境にしてキャリアテープ1がねじれることが防止
され、キャリアテープ1が経糸開口内から退避する際
に、ねじれた先端側による経糸の切断が防止される。
【0046】(ヘ) 芯糸5aは係合孔3が形成される
範囲を挟んだ両側に少なくとも1本ずつ配列されている
ため、繊維構造体2に樹脂の含浸硬化処理を施した後に
係合孔3を形成する際に、芯糸5aが切断されることが
ない。従って、強化材としての繊維構造体2をキャリア
テープ1に係合孔3を形成するか否かに拘わらず共用で
きる。
【0047】(ト) 第2の糸条5が繊維構造体2の長
手方向と平行に延びる芯糸5aとして繊維構造体2内に
配列されているため、キャリアテープ1の曲げ弾性に対
しては第2の糸条5の特性の影響が出難く、例えば第2
の糸条5が第1の糸条4よりも曲げ剛性が小さい場合で
も、キャリアテープ1全体として曲げ剛性が低下するこ
とがない。
【0048】(チ) キャリアテープ1がスプロケット
ホイールによって駆動される場合、スプロケットホイー
ルの歯と係合孔3との摩擦により、表面剥離が発生する
ことがある。しかし、繊維構造体2に厚さ方向と直交す
る平面で明確に分けられる層が存在せず、しかもキャリ
アテープ1の長手方向と斜めに交差して厚さ方向に延び
る糸条が存在するため、剥離した部分が経糸を引っかけ
て織物の品質あるいは織機の稼動率に悪影響を与えるま
で表面剥離が拡大するのが防止される。
【0049】(リ) 繊維構造体2が三次元組みひもで
構成されているため、係合孔3を形成する場合、繊維構
造体2への樹脂の含浸硬化を行う金型に突起を設けて樹
脂含浸時に係合孔3を形成する際、突起が第1の糸条4
を分けながら繊維構造体2を貫通し易い。このようにし
て係合孔3を形成したキャリアテープ1は、樹脂成形後
にプレス加工やドリル加工で係合孔3を形成した場合と
異なり、係合孔3の周囲に繊維の切断端が存在しないた
め、スプロケットの歯と係合孔3との摩擦による表面剥
離が防止されるとともに、係合孔3の周囲が破壊の起点
となることが防止されて寿命が延びる。
【0050】(第2の実施の形態)次に第2の実施の形
態を図6に従って説明する。この実施の形態は三次元組
みひもで構成された繊維構造体2に配列される第2の糸
条5が芯糸5aとしてではなく、三次元組みひもを組織
する第1の糸条4の一部と交織(組織)されている点が
前記実施の形態と異なっている。図6に示すように、第
2の糸条5は繊維構造体2の表面付近のみで折り返すよ
うに第1の糸条4と組織されている。第2の糸条5は繊
維構造体2の係合孔3が形成される範囲を挟んだ両側の
上下両面に交織されている。
【0051】この繊維構造体2を製織する場合も第1の
実施の形態と同じ三次元ブレーダが使用される。三次元
ブレーダは前記のように多数のロータ9を二つの群に分
けて駆動することにより三次元組みひもを製織するが、
駆動するロータ9の一部を一時停止させることにより、
糸条キャリア7の反転位置を変更することが可能であ
り、特定の糸条の反転位置を他の糸条と異なるように製
織することもできる。従って、第2の糸条5が巻かれた
ボビンを、第1の糸条4が巻かれたボビンを支持する糸
条キャリア7と異なる移動軌跡で運動する所定の糸条キ
ャリア7にセットすることにより、第2の糸条5が繊維
構造体2の表面付近のみで折り返すように第1の糸条4
と組織(交織)された繊維構造体2を製織できる。この
実施の形態の繊維構造体2を製織する場合は芯糸5aが
不要なため、ロータ9の中心に孔9aを形成する必要が
なく、三次元ブレーダの構造が簡単になる。
【0052】この繊維構造体2を強化材として製造され
たFRP製のキャリアテープは、(ト)を除いて第1の
実施の形態と同様な作用効果を発揮する。また、第2の
糸条5が第1の糸条4と交織されているため、芯糸5a
のように繊維構造体2内に単に挿入されている場合に比
較して第2の糸条5を繊維構造体2から引き抜くのに必
要な力が大きくなる。その結果、第1の糸条4の破断時
に第2の糸条5が繊維構造体2から素抜ける虞がない。
【0053】なお、本発明は前記各実施の形態に限定さ
れるものではなく、例えば、次のように具体化してもよ
い。 (1) 第2の糸条5を第1の糸条4と交織した状態で
配列する場合、図7に示すように、繊維構造体2の幅方
向の両端に位置するように配列したり、繊維構造体2の
上下両面と幅方向の両端とに位置するように配列しても
よい。また、図8に示すように、第2の糸条5を第1の
糸条4と交織した状態と、芯糸5aの状態との両方を組
み合わせた状態でも配列してもよい。いずれの場合にも
第2の実施の形態と同様な効果を発揮する。
【0054】(2) 第2の糸条5を2本以上配列する
場合、繊維構造体2の中心に対して対称位置に限らず、
適宜の位置に配列してもよい。また、第2の糸条5を第
1の糸条4が破断した際にキャリアテープのねじれを防
止可能な位置以外に配列してもよい。そのときは第2の
糸条5は1本であってもよい。第1の糸条4が破断した
際にキャリアテープにねじれが発生すると、キャリアテ
ープを経糸開口から退避させる際に経糸を切断すること
があるが、キャリアテープの一部が経糸開口内に残った
まま筬打ちされることによる織機の破損を回避できる。
【0055】(3) 繊維構造体2を三次元組みひもで
構成する場合、図9に示すように、係合孔3が形成され
る領域A1における第1の糸条4の配向角を、その両側
の領域A2における配向角より大きな値に設定してもよ
い。この場合、全ての領域で同じ配向角に糸条を配列し
た場合に比較してキャリアテープの耐久性が向上する。
【0056】(4) 繊維構造体2を三次元組みひもに
代えて、厚さ方向に複数の繊維層が積層されるとともに
各繊維層を貫通する糸条が存在する三次元織物で構成し
てもよい。三次元織物としては例えば特開平5−272
030号公報等に開示されている方法で製造されるもの
や、特公昭54−38673号公報、特開昭61−24
5335号公報等に開示された三次元織物と同様なもの
が使用される。
【0057】特開平5−272030号公報に開示され
た方法では、三次元織物の長手方向、長手方向と直交す
る方向及び長手方向に対して所定の角度をなすように幅
方向に糸条をそれぞれ折り返し状に配列した繊維層(糸
層)を厚さ方向に積層し、各繊維層を貫通して厚さ方向
に折り返し状に配列された糸条により各繊維層を結合す
る。この方法の場合は、長手方向に折り返し状に配列さ
れる糸状とともに第2の糸条を所定の箇所に長手方向に
配列することにより、所望の繊維構造体を製造できる。
また、特公昭54−38673号公報、特開昭61−2
45335号公報等に開示された方法では、経糸を複数
行、複数列に張設した状態で各行間及び各列間に第1及
び第2の緯糸を経糸と直交する状態で順次折り返し状に
挿入するとともに耳糸で抜け止めを図って三次元織物を
製織する。なお、第2の糸状は経糸の一部として張設さ
れる。
【0058】この場合も第1の実施の形態の効果のう
ち、(ハ)及び(リ)の三次元組みひもの組織に起因す
る効果を除いた効果を発揮する。また、強化材として三
次元織物で構成された繊維構造体を使用した場合は、三
次元組みひもで構成された繊維構造体2と異なり、繊維
構造体の厚さ方向と直交する平面で分けられる糸層(繊
維層)が存在する。従って、キャリアテープに頻繁に曲
げ応力が加えられると一部に層間の剪断破壊や表面剥離
が発生する場合がある。しかし、繊維構造体の厚さ方向
に各糸層を貫通して配列される糸状により各糸層が結合
されているため、層間剥離の進行が阻止される。その結
果、繊維層が厚さ方向に積層されただけで、積層された
繊維層を貫く糸条がない従来のキャリアテープに比較し
てその耐久性が向上する。
【0059】(5) 図10に示すように、繊維構造体
2を多数の第1の糸条4が平打ちの二次元組みひもを組
織し、第2の糸状が芯糸5aとして配列されたた二次元
組みひもで構成する。三次元組みひもと異なり、繊維構
造体2の厚さ方向に配列される第1の糸条4の本数は2
本のため、厚さ方向に配列される繊維の本数を増やして
所望の剛性を確保することはできない。しかし、太い糸
条を使用することにより、所望の剛性を確保できる。こ
の繊維構造体2も前記各実施の形態と同様に樹脂の含浸
硬化によりFRP製のキャリアテープに形成される。
【0060】この場合、繊維構造体2が組みひもで構成
されている点は第1の実施の形態と同じであり、組みひ
もに三次元構造か二次元構造かの違いがあるだけのた
め、第1及の実施の形態とほぼ同様な効果を発揮する。
しかし、同じ材質の第1の糸条4を使用して所定の剛性
を確保するには、三次元組みひもの方が細い糸条を多数
本使用することができ、多数の糸条が交錯した状態で配
列されるため、曲げ応力に対する耐久性が良い。
【0061】(6) 繊維構造体として二次元組みひも
を使用する場合、平打ちの組みひもに代えて芯糸入りの
丸打ちの組みひも使用する。丸打ちの二次元組みひもは
円筒状(チューブ状)に形成されるため、強化材として
使用する場合は、丸打ちの組みひもを押しつぶした状態
でミシンがけ等により厚さ方向にステッチ糸を縫い込ん
だ繊維構造体とする。この場合、繊維構造体は実質的に
三次元織物となり、前記(4)と同様な効果を発揮す
る。
【0062】(7) 繊維構造体として小幅織機やテー
プ織機で製織される平織りの単層の織物を使用する。キ
ャリアテープを形成した場合に所定の剛性を持たせるに
は繊維構造体を構成する糸条として、複数の繊維層でキ
ャリアテープを構成したときの厚さに近い太さの糸条が
使用される。経糸の一部を第2の糸条で置き換えること
により単層織物の所定位置に第2の糸条が配列される。
【0063】この繊維構造体を強化材としたFRP製の
キャリアテープは、繊維構造体が単層の織物であるため
層間剥離が発生しない。また、糸条が繊維構造体の幅方
向の両端部で折り返されているため、繊維切断面がキャ
リアテープの幅方向の両端部に存在せず、キャリアテー
プに頻繁に曲げ応力が加えられても、キャリアテープの
幅方向の端部から破壊が生じ難い。
【0064】(8) 繊維構造体として三次元組みひも
を使用する場合、第2の糸条を第1の糸条と交織して三
次元織物内に組織する場合、その表面付近で折り返す代
わりに、係合孔が形成される範囲の外側ほぼ全域で折り
返すように組織してもよい。
【0065】(9) 係合孔の平断面形状は菱形に限ら
ず、長方形、多角形、円形、楕円形等任意の形状に形成
してもよいが、金型による樹脂成形と同時に係合孔を形
成する場合は菱形にするのが好ましい。
【0066】(10) 係合孔を形成しないキャリアテ
ープに適用してもよい。前記実施の形態及び変更例から
把握できる請求項記載以外の発明について、以下にその
効果とともに記載する。
【0067】(1) 請求項1〜請求項3のいずれか一
項に記載の発明において、繊維構造体を三次元織物とす
る。この場合も請求項1〜請求項3に記載の発明と同様
な効果を発揮する。
【0068】(2) 請求項1〜請求項3のいずれか一
項に記載の発明において、繊維構造体をキャリアテープ
の厚さとほぼ同じ太さの糸条で製織された単層織物とす
る。この場合も請求項1〜請求項3に記載の発明と同様
な効果を発揮する。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項6
に記載の発明のキャリアテープを使用すれば、緯入れ時
にレピアヘッドが安定した姿勢を保持した状態で経糸開
口内への進入及び経糸開口内からの退避が可能となるた
め、ガイド部材とキャリアテープとの摩擦でキャリアテ
ープが磨耗して寿命が短くなることが抑制される。ま
た、従来の積層繊維を強化材としたFRP製のキャリア
テープに比較して耐久性が向上するとともに、寿命がき
てもテープの切断による織機の損傷を回避できる。
【0070】請求項2に記載の発明では、第2の糸条以
外の部分が破断した際、経糸を切断せずにキャリアテー
プを経糸開口内から退避させることができる。請求項3
に記載の発明では、第2の糸条が孔3が形成される範囲
を挟んだ両側に少なくとも1本ずつ配列されているた
め、繊維構造体に樹脂の含浸硬化処理を施した後に孔を
形成する際に第2の糸条が切断されることがなく、強化
材としての繊維構造体をキャリアテープに孔を形成する
か否かに拘わらず共用できる。
【0071】請求項4に記載の発明では、繊維構造体が
三次元組みひもで構成されているため、キャリアテープ
に曲げ応力が繰り返し作用しても、従来の平面状の織物
を積層した強化材を使用したものと異なって層間剥離が
発生せず、耐久性が向上する。
【0072】請求項5に記載の発明では、キャリアテー
プの曲げ弾性に対しては第2の糸条の特性の影響が出難
く、例えば第2の糸条が第1の糸条よりも曲げ剛性が小
さい場合でも、キャリアテープ全体として曲げ剛性が低
下することがない。
【0073】請求項6に記載の発明では、第2の糸条が
第1の糸条と交織されているため、第2の糸条を芯糸と
して繊維構造体内に単に挿入した場合に比較して第2の
糸条を繊維構造体から引き抜くのに必要な力が大きくな
る。その結果、第1の糸条の破断時に第2の糸条が繊維
構造体から素抜ける虞がない。
【0074】請求項7に記載の発明の繊維構造体を使用
して形成したFRP製のキャリアテープは、請求項1〜
請求項6に記載の対応する発明と同様な効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態のキャリアテープの模式斜
視図。
【図2】 同じく繊維構造体の製織(組織)状態の模式
斜視図。
【図3】 キャリア駆動ユニットの斜視図。
【図4】 ロータと糸条キャリアの配置を説明する模式
図。
【図5】 ロータを90°回転させたときの糸条キャリ
アの軌跡の模式図。
【図6】 第2の実施の形態のキャリアテープの模式斜
視図。
【図7】 変更例のキャリアテープの模式斜視図。
【図8】 別の変更例のキャリアテープの模式斜視図。
【図9】 別の変更例のキャリアテープの模式斜視図。
【図10】 変更例の繊維構造体の模式平面図。
【図11】 レピア織機のガイド部材と経糸の関係を示
す模式側面図。
【符号の説明】
1…キャリアテープ、2…繊維構造体、3…孔としての
係合孔、4…第1の糸条、5…第2の糸条、5a…第2
の糸条としての芯糸。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−327249(JP,A) 実開 昭55−4002(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 47/27 D03D 25/00 D04C 1/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レピア織機に使用されるキャリアテープ
    であって、幅方向の端部で糸条が折り返されるとともに
    厚さ方向と直交する平面を境にした層間剥離の進行不能
    に組織された帯状の繊維構造体を強化材とした繊維強化
    プラスチックで形成され、かつ前記繊維構造体を構成す
    る糸条の大部分を弾性率の大きな第1の糸条とし、該第
    1の糸条より破断時の伸度が大きい第2の糸条を、繊維
    構造体のほぼ全長に亘って少なくとも1本配列させるよ
    うに前記繊維構造体を構成したレピア織機用キャリアテ
    ープ。
  2. 【請求項2】 前記第2の糸条はキャリアテープを構成
    する第1の糸条が全て破断した際におけるキャリアテー
    プのねじれを防止可能なように、キャリアテープの幅方
    向に所定間隔をおいて少なくとも2本配列されている請
    求項1に記載のレピア織機用キャリアテープ。
  3. 【請求項3】 前記第2の糸条は、レピア織機のキャリ
    アテープ駆動用ホイールに形成された歯と係合可能な孔
    が形成される範囲を挟んだ両側に少なくとも1本ずつ配
    列されている請求項2に記載のレピア織機用キャリアテ
    ープ。
  4. 【請求項4】 前記繊維構造体は三次元組みひもである
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のレピア織機
    用キャリアテープ。
  5. 【請求項5】 前記第2の糸条は繊維構造体の長手方向
    と平行に延びる芯糸として繊維構造体内に配列されてい
    る請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のレピア織
    機用キャリアテープ。
  6. 【請求項6】 前記第2の糸条は三次元組みひもの構成
    繊維として交織されている請求項4に記載のレピア織機
    用キャリアテープ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記
    載の繊維構造体。
JP29286996A 1996-11-05 1996-11-05 レピア織機用キャリアテープ及び繊維構造体 Expired - Fee Related JP3520696B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29286996A JP3520696B2 (ja) 1996-11-05 1996-11-05 レピア織機用キャリアテープ及び繊維構造体
CN97123400A CN1183489A (zh) 1996-11-05 1997-11-04 剑杆织机用载体带及其纤维构造体
KR1019970057926A KR19980042060A (ko) 1996-11-05 1997-11-04 레이피어직기용 캐리어테이프 및 섬유구조체
EP97119289A EP0845552A3 (en) 1996-11-05 1997-11-04 Carrier tape and fabric for rapier loom

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29286996A JP3520696B2 (ja) 1996-11-05 1996-11-05 レピア織機用キャリアテープ及び繊維構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10130995A JPH10130995A (ja) 1998-05-19
JP3520696B2 true JP3520696B2 (ja) 2004-04-19

Family

ID=17787436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29286996A Expired - Fee Related JP3520696B2 (ja) 1996-11-05 1996-11-05 レピア織機用キャリアテープ及び繊維構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3520696B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10130995A (ja) 1998-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5783278A (en) Reinforcing woven fabric and method and apparatus for manufacturing the same
JP4080005B2 (ja) テープ状のたて糸とよこ糸を含む織物およびこの織物を製造する装置
JP3094835B2 (ja) 補強織物とその製造方法および製造装置
US6494235B1 (en) Bias-bound fabric, method for making same and weaving machine for continuously making such a fabric
JPH06136632A (ja) 扁平糸織物とその製造方法および製造装置
US4825912A (en) Apparatus for weaving spheriodially contoured fabric
JP5049215B2 (ja) 強化繊維織物とその製織方法
JP2009074186A (ja) 炭素繊維織物の製造方法
JP3214647B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂成形用材料およびその製造方法
JP3520696B2 (ja) レピア織機用キャリアテープ及び繊維構造体
JP3089984B2 (ja) 補強織物とその製造方法および製造装置
JPH10130994A (ja) レピア織機用キャリアテープ及び繊維構造体
US7779870B2 (en) Method and equipment for manufacturing reinforced fiber textile
JP2001164441A (ja) 開繊糸織物
EP0845552A2 (en) Carrier tape and fabric for rapier loom
JPH10130996A (ja) レピア織機用キャリアテープ、繊維構造体及びその製造方法
JP4242031B2 (ja) 補強用織物の製造方法および装置
US5529094A (en) Method and apparatus for manufacturing carbon fiber woven fabric by water-jet loom
CN115369542B (zh) 一种带螺纹的机织纤维增强筋及织造方法
JP3608645B2 (ja) 扁平糸織物とその製造方法および製造装置
CN215757817U (zh) 一种抗静电尼丝纺面料
CN215560942U (zh) 一种手感柔软的拉毛面料
Mishra et al. Fabric Formation and Recent Developments
JP2964840B2 (ja) 炭素繊維織物の製造方法
US20140170364A1 (en) Homogeneous and stretchable high modulus material structure

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040126

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees