JP3519707B2 - 卵母細胞または卵細胞選別方法および装置 - Google Patents

卵母細胞または卵細胞選別方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は卵母細胞または卵細
胞を選別する装置及び方法に関する。また、特定の膜電
位を有する卵母細胞または卵細胞集団、及びこれらを販
売又は譲渡する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】卵母細胞は、遺伝子、色素、蛋白、ペプ
チド、薬物等の試料を導入し、これらの作用の確認、遺
伝子機能の解析、遺伝子産物としての蛋白質の生産など
の目的で広く使用されている。従来の卵母細胞または卵
細胞を選別する基準は、主に卵母細胞または卵細胞の外
観である。たとえばアフリカツメガエル卵母細胞の選別
基準は、直径が1.2mm、真球形であること、黒面と白
面の境界が明瞭であること、斑点などがないこと、など
である。また選別作業そのものは顕微鏡下の手作業によ
るものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の外観による卵母
細胞または卵細胞の選別作業は、技術者個人の技量、熟
練度等によって、選別した卵母細胞または卵細胞の質が
変動するという問題があった。これは、選別基準があい
まいで客観化しにくいことが一因である。また上記の従
来技術では、選別した卵母細胞または卵細胞の格付けが
しにくく、生存率や受精率、遺伝子等の試料導入効率な
どが細胞ごとにばらつきがあった。また、生存率や受精
率、遺伝子導入効率などの親ごとの変動の是正は困難で
あった。その結果、生存率や受精率、遺伝子導入効率な
どのばらつきの少ない細胞の入手は偶然に頼っていた。
本発明は卵母細胞または卵細胞の選別基準を数値化する
ことを目的の一つとしている。
【0004】さらに上記の従来技術では、選別した細胞
の情報を保存することへの配慮がされておらず、選別基
準の情報とその後の細胞反応との相関を得ることが困難
であった。従って本発明の目的はこれらの相関を得るこ
とにある。また、従来は卵母細胞を手作業で選別してい
たため、大量生産は不可能であった。従って本発明の他
の目的は、一定の基準で選別したことを保証した卵母細
胞または卵細胞を、生産・販売及び輸送することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、卵母細胞または卵細胞を選別するための計
測手段と、計測結果に基づいて前記卵母細胞または卵細
胞を選別する選別手段を有する卵母細胞または卵細胞の
選別装置及び方法を提供するものである。
【0006】すなわち本発明は、複数の卵母細胞または
卵細胞をフィルターなどにより一定の大きさの卵母細胞
を選別する方法または機構と、上記複数の卵母細胞また
は卵細胞の膜電位を計測して一定の膜電位を有するもの
を分別する方法または機構を提供する。これにより、一
定の質を有する卵母細胞または卵細胞を提供することが
可能になった。
【0007】まず、本発明は、卵母細胞または卵細胞の
膜電位を計測する計測手段と、前記卵母細胞または卵細
胞を膜電位の計測結果に基づいて選別する選別手段を有
することを特徴とする卵母細胞または卵細胞の選別装置
を提供する。これにより、一定の膜電位を有する卵母細
胞または卵細胞を得ることが可能になった。
【0008】本発明者らはアフリカツメガエル卵母細胞
を始めとして種々の卵母細胞及び卵細胞の外観、すなわ
ち形状、黒面及び白面の境界の明瞭さ、斑点などの有無
と膜電位との間に相関があることを見出した。具体的に
は、真球形に近く、境界が明瞭であり、かつ斑点が見ら
れない正常な卵母細胞においては特定の範囲、例えば単
離直後に約−70mVに保たれている電位が、球形から
外れたり、境界が不明瞭になったりしている細胞、ある
いは斑点などがある細胞においては、その度合いに応じ
て浅く(膜電位の値が大きい、すなわち絶対値が小さ
く)なっていることを見出した。この知見を利用して、
膜電位を計測することにより選別時に外観を観察する作
業を省略することが可能になった。
【0009】膜電位の計測手段は、細胞内電極法または
膜電位感受性色素法による膜電位計測手段とすることが
好ましい。ここで、膜電位感受性色素法とは、予め細胞
に色素を注入(染色)しておき、細胞の膜電位が変化す
るとこの色素により波長が変化するので、この波長を検
出する方法である。
【0010】ここで細胞内電極法とは、細胞膜の内外の
電位差を測定する方法であり、一方の電極を細胞膜の外
側に、他方の電極を細胞膜の内側におき、これらの電位
差を測定する方法である。この他方の電極については、
電極を0.1μmから0.5mm程度細胞表面から挿入
する。更に、膜電位を計測する際に用いる容器の内側に
はアース用の金属がコーティングされていると、計測を
簡便かつ迅速に行うことができる。
【0011】更に本発明者等は、卵母細胞に遺伝子を導
入した場合、導入前の卵母細胞の膜電位によって蛋白質
の機能発現効率が異なることを見出した。つまり、卵母
細胞間での蛋白質の機能発現効率のばらつきを抑えるた
めには、同じ膜電位を有する卵母細胞を選別することが
重要となる。本発明は、さらに特定の膜電位を有する卵
母細胞または卵母細胞を選択的に分取する手段を有する
上記卵母細胞または卵細胞の選別装置を提供する。これ
により、特定の膜電位を有する卵母細胞または卵細胞を
選別することが可能になった。
【0012】更に、本発明は、卵母細胞または卵細胞の
大きさを計測する計測手段と、前記卵母細胞または卵細
胞を大きさの計測結果に基づいて選別する選別手段を有
することを特徴とする卵母細胞または卵細胞の選別装置
を提供する。これにより、特定の大きさの卵母細胞また
は卵細胞のみを選別することが可能になった。この場
合、卵母細胞または卵細胞の膜電位を記憶するコントロ
ール部を設け、上記選別手段が上記コントロール部の情
報に基づいて選別するように構成することが好ましい。
【0013】特定の大きさの卵母細胞または卵細胞を分
取するためには、一定の穴径を持つフィルターを用いる
ことが好ましい。卵母細胞の直径が約1.2mmである
ことから、フィルターの穴径は1.4mm以下が好まし
い。フィルターは、穴の形状がハニカムでも良いし、円
でも良い。また、1.0mm以上1.4mm以下の穴径
のフィルターを複数用いて、所定範囲の直径の卵母細胞
または卵細胞を得るようにしても良い。
【0014】更に本発明は、一定の大きさの卵母細胞ま
たは卵細胞を選別する手段と、上記卵母細胞または卵細
胞の膜電位を計測する手段を有することを特徴とする、
卵母細胞または卵細胞選別装置を提供する。これによ
り、大きさ及び膜電位の点で特定の範囲内にある卵母細
胞または卵細胞を選別することが可能となる。
【0015】更に本発明は、卵母細胞または卵細胞を収
容する開口部を有し、前記開口部の内側にアース用の金
属がコーティングされたことを特徴とする卵母細胞また
は卵細胞の膜電位計測用トレイを提供する。さらにまた
本発明は、卵母細胞または卵細胞を選別するための計測
工程を有する卵母細胞または卵細胞の選別方法を提供す
る。
【0016】本発明の方法は、卵母細胞または卵細胞の
膜電位を計測する計測工程、または卵母細胞または卵細
胞の大きさを計測する工程、あるいはその双方の工程を
含む。これにより、特定の範囲の膜電位及び/または大
きさを有する卵母細胞または卵細胞のみを選別すること
ができる。
【0017】本発明の方法は、例えば、卵母細胞または
卵細胞を一定の穴径を持つフィルターを用い、一定の大
きさの卵母細胞または卵母細胞を選別する工程と、上記
卵母細胞または卵細胞の膜電位を計測する工程を有する
選別方法として提供することができる。更に本発明は、
選別時の卵母細胞または卵細胞の情報を保存し、その後
の細胞反応との相関を容易に導き出すことを可能にする
ものである。
【0018】上記卵母細胞または卵細胞選別装置または
選別方法の発明により、本発明はさらに膜電位や細胞の
大きさが所定の範囲内にある卵母細胞または卵細胞集団
を提供する。すなわち本発明は、一定の膜電位を有する
ことを特徴とする選別された卵母細胞または卵細胞集団
を提供する。試料導入等の用途を考慮した場合、好適な
膜電位の範囲は、例えば−70〜−40mVの範囲であ
る。この範囲の膜電位を有する卵母細胞または卵細胞で
あれば、例えば遺伝子を導入した場合、蛋白質発現効率
が高いことが期待される。本発明においては、好適な卵
母細胞または卵細胞として選別すべき基準をこのように
数値化することができ、予め設定された基準に合う卵母
細胞または卵細胞のみを選別することが可能である。更
に、設定基準を適宜設定することによって、生存率、受
精率、遺伝子導入効率、発現効率等の品質が非常に高い
卵母細胞または卵細胞からなる細胞集団から、上記品質
が非常に劣る細胞のみが除かれた細胞集団まで、得られ
る細胞集団の品質を適宜選択して提供することができ
る。
【0019】更に本発明においては、予め設定された基
準、すなわち一定の膜電位を有するという条件に合う卵
母細胞または卵細胞のみを選別した後、遺伝子等の試料
を導入した卵母細胞または卵細胞集団を提供することが
できる。従って、例えば−70〜−40mVの範囲の膜
電位を有することを条件として選別した後、遺伝子を導
入した卵母細胞または卵細胞集団は、蛋白質発現効率が
高いことが期待される。さらに本発明は、一定の膜電位
を有する複数の卵母細胞または卵細胞をセットにするこ
とを特徴とする、複数の卵母細胞または卵細胞を販売又
は譲渡する方法を提供する。
【0020】更に本発明は、選別時の膜電位が一定であ
る複数の卵細胞または卵母細胞を容器に入れ、上記容器
に上記複数の卵母細胞または卵細胞の膜電位等の品質に
関する情報を、例えば情報を記したラベルの形で添付し
て卵母細胞または卵細胞を販売又は譲渡する方法を提供
する。膜電位に関する情報としては、容器に含まれる卵
母細胞または卵細胞の膜電位の範囲、計測の条件、計測
日時等を含むことができる。
【0021】更に本発明は、膜電位に関する品質を保証
して複数の卵母細胞または卵細胞を販売又は譲渡する方
法を提供する。よって、本発明により、客観的な基準に
より選別された複数の卵母細胞群または卵細胞群を、そ
れらの情報と共に得ることが可能になった。
【0022】更に本発明は、卵母細胞の膜電位を計測す
る工程と、前記卵母細胞を膜電位の計測結果に基づいて
選別し、複数の卵母細胞を得る工程と、前記複数の卵母
細胞に、実質的に等しい深度で試料を注入する工程とを
有することを特徴とする卵母細胞製造方法を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しながら本発
明を更に説明する。
【0024】図1に、この方法の原理を示す。ここでは
アフリカツメガエル卵母細胞での例を示すが、必ずしも
アフリカツメガエル卵母細胞に限定するものではない。
【0025】アフリカツメガエル卵母細胞を母体より摘
出し、一つずつ単離するための酵素(コラゲナーゼ等)
処理を行う。その後、適当な溶液で卵母細胞を洗浄す
る。その後、細胞の膜電位を計測する。アフリカツメガ
エル卵母細胞の場合、酵素処理直後(酵素処理から約2
時間後)の膜電位は0〜-70mVの間である。これらのう
ち、膜電位が-10mV以上のものは、細胞表面に顕著なし
みがあったり、黒面と白面の境界があいまいであったり
する(図1)。また、膜電位が-20mV〜-40mVのものには
形が真球でないものが多く含まれる(図1)。つまり、膜
電位を計測することにより、目視による観察なしに目的
の形状の卵母細胞を得ることができる。
【0026】また、図2に示すように、例えばアフリカ
ツメガエルの卵母細胞の場合、酵素処理直後の膜電位と
その後の細胞の生存率には相関がある。酵素処理直後の
膜電位が-20mV以下のものの、酵素処理後24時間後の生
存率は0%である。以降4日後までの間、酵素処理直後
の膜電位が深いもの(膜電位が小さいもの、すなわち絶
対値が大きいもの)ほど生存率が高くなる。すなわち、
酵素処理直後の膜電位を指標に細胞の生存率を求めるこ
とができる。
【0027】続いて、卵母細胞に試料を注入した例につ
いて説明する。導入する試料としては、遺伝子、色素、
蛋白、ペプチド、薬物等が挙げられる。尚、遺伝子の注
入の場合には、cDNA、cRNA、DNA、RNA、合成したオリゴ
ヌクレオチド等が挙げられる。この試料の注入は、ピペ
ット等の針を用いて行われる。
【0028】また図3に示すように、例えばアフリカツ
メガエルの卵母細胞の場合、酵素処理直後の膜電位と遺
伝子導入による蛋白質機能発現率には相関がある。ここ
で蛋白質機能発現率が高いほど電流変化量は大きい。な
お、ここではアフリカツメガエル卵母細胞にヒスタミン
受容体遺伝子を導入し、ヒスタミン反応を計測した結果
を例とするが、必ずしもヒスタミン受容体遺伝子やヒス
タミン反応に限定されるべきものではない。ヒスタミン
受容体遺伝子導入後、3日間培養した細胞を1μMヒスタ
ミンにて刺激し、その電気的反応を計測すると、酵素処
理直後の膜電位が深いものほど電気的反応が大きい。す
なわち、酵素処理直後の膜電位を指標に、一定の蛋白質
機能発現量の細胞を選別することができる。このように
して蛋白がほぼ均等に発現した細胞を複数得ることによ
り、これらの複数の卵母細胞各々に異なるリガンド等を
反応させることでその結果を比較して、高精度にスクリ
ーニングを行うことが可能となる。
【0029】さらに、この原理を元に卵母細胞または卵
細胞を選別する装置を作製することができる。ここでは
アフリカツメガエル卵母細胞を選別するための装置につ
いて図4に基づいて記述するが、本装置構成はアフリカ
ツメガエル卵母細胞選別に限定されるべきものではな
い。酵素処理直後のアフリカツメガエル卵母細胞群1の中
には完全に単離されていないものも多く含まれる。そこ
で例えば直径1mmのハニカム構造を有するフィルター2
にて細胞群をろ過することによって、まず細胞を特定の
大きさの細胞を選別する。この際、適度な圧力をかける
ことにより、スピードアップを図ることができる。単離
した細胞を25°〜90°の傾斜を有し、楔形または半球で
半径が1〜2mmの水路3に流す。この水路には緩衝液を満
たす。緩衝液の構成は、例えば以下の組成のものを好適
に使用することができる。この溶液のpHは7.5であ
る。 NaCl 96mM KCl 2mM CaCl2 1.8mM MgCl2 1mM HEPES 5mM 硫酸ゲンタマイシン 50μg/ml ピルビン酸ナトリウム 2.5mM ペニシリン 10U/ml ストレプトマイシン 10μg/ml
【0030】水路の途中に卵母細胞を保持し、その状態
で膜電位を計測するための歯車4を設ける。予め歯車4の
内側にはアース用金属をコーティングしておく。ここで
は膜電位の測定する際に用いる容器が歯車としても機能
するものとなっているが、特に限定するものではない。
図5に1個の卵母細胞または卵細胞を含有する容器の内
側に金属コーティングした構成について拡大して示す。
【0031】歯車4は定点で回転を止め、垂直方向から3
M KClを満たしたガラス電極5を刺すことにより、細胞
の膜電位を計測する。水路6に設けた弁7を予め入力して
おいた膜電位基準によって開閉し、膜電位基準を満たす
細胞8と、そうでない細胞9を別々の水路10に流す。この
ようにして膜電位基準を満たす細胞8のみを分取する。
【0032】膜電位を計測する手段としてガラス電極5
を例としているが、このような情報を得るために必要な
手段は、ガラス電極法に限定されるものではない。例え
ば、膜電位感受性色素、金属電極により、これらの情報
を基に細胞の膜電位を計測することができる。
【0033】本発明の装置の別の例として、図6に示す
例を挙げることができる。本実施例においては、卵母細
胞または卵細胞は各々複数のウェルを有するプレートの
各ウェルに1個ずつ入れられ、各ウェルはアドレス情報
によって特定することが可能である。個々の卵母細胞ま
たは卵細胞について膜電位を計測した後、その情報は該
細胞が位置するアドレス情報と共にコンピュータ(コン
トロール部)に記録することができる。予め設定した膜
電位基準を満たす細胞は、その後、または計測直後に、
記録された情報に基づき、例えばポンプ等を使用して分
取される。
【0034】本発明の方法および装置を使用することに
より、客観的な選別基準を有する複数の卵母細胞または
卵細胞を販売又は譲渡することが初めて可能になったの
である。従って別の観点において、本発明は特定の選別
基準が保証された卵母細胞または卵細胞を提供する。ま
た、特定の膜電位を有する卵母細胞または卵細胞のみを
収集し、販売又は譲渡することができる。販売又は譲渡
の際には、複数個の卵母細胞をパッケージングし、膜電
位に関する条件等の情報を記載したラベルを付すことが
できる。
【0035】図7に、選別工程をとらないアフリカツメ
ガエル卵母細胞集団の場合における静止膜電位の分布を
示す。上記したように、アフリカツメガエル卵母細胞の
場合、酵素処理直後の膜電位は0〜-70mVの間であるが、
膜電位が-55mV以下(-60)、-55〜-45mV(-50)、-45〜-35mV
(-40)、-35〜-25mV(-30)、-25〜-15mV(-20)、及び-15mVを
超えるもの(-10)に分けてその全集団に占める割合を算
出した結果、それぞれ約26%、約20%、約15%、
約10%、約6%、約22%であった。この分布は、細
胞の種類や採取条件によっても変動するが、選別基準と
なる膜電位の範囲を設定することによって、細胞集団か
らどの程度の割合で細胞が選別され得るかが理解され
る。図7から明らかなように、選別基準を高くすれば、
品質が非常に高い細胞のみが得られるものの、得られる
細胞数は少なくなり、販売を考慮した場合には価格が非
常に高いものとならざるを得ない。一方、選別基準をよ
り低く設定した場合には、選別される細胞群の品質の幅
が広くなるものの、細胞数が比較的多くなるため、価格
を低く設定することも可能となる。
【0036】次に、本発明に係る膜電位を計測した卵母
細胞または卵細胞を輸送する方法について、図8に従っ
て記載する。上記の卵母細胞を販売・輸送する際には、
該当する生物の卵母細胞または卵細胞用に通常使用され
る緩衝液に、例えば硫酸ゲンタマイシン、ペニシリン、
ストレプトマイシン等の抗生物質を加えた溶液を満たし
た容器11に卵母細胞または卵細胞12を入れ、発泡スチロ
ール等の梱包材13を使用し、衝撃を避けながら、輸送す
ることが好ましい。
【0037】販売・輸送のために好適な容器としては、
容器11内で細胞が比較的自由に移動でき、開閉できる蓋
のある密閉可能なものであれば特に限定されるものでは
なく、その容積の9割5分程度まで上記の溶液を満たす
ことが好ましい。例えば50mlのコニカルチューブの場合
には、約100〜200個の細胞、好ましくは約130〜180個の
細胞を入れることが好ましい。この割合は細胞1個に対
して約0.3〜0.5ml程度に相当するが、細胞の種類、容器
の種類等によって変動し得る。
【0038】この方法により卵母細胞または卵細胞の機
能を損なうことなく購入先まで運搬することができる。
また、販売・譲渡の際には選別時の膜電位の情報を一緒
に提供する。その方法としては例えばそれらの情報を記
載した紙面を添付またはラベルを複数の卵母細胞を有す
る容器11に添付すること等がある。
【0039】卵母細胞または卵細胞の膜電位は、単離直
後から時間が経過するにつれて、次第に浅くなり、それ
と共に試料導入などの種々の用途に適さないものとなっ
ていくことが判明している。具体的には、細胞の膜電位
の平均値を算出したところ、以下の表1に示すような傾
向が見られた。尚、4日目以降は死んだ細胞も多く見ら
れ、生存している細胞のみで算出した。
【0040】
【表1】
【0041】このように、膜電位は時間が経過すると共
に変化することから、酵素処理から24時間以内、好ま
しくは12時間以内に膜電位を測定すると良い。従っ
て、アフリカツメガエル卵母細胞に遺伝子を導入する場
合には、酵素処理後40時間まで、特に36時間までの導入
が望ましい。それに対応して導入が有効である期間を明
示するために「○月○日までの使用が望ましい」等の記
載をすることが好ましい。
【0042】次に、膜電位計測後の卵母細胞に引き続き
自動注入装置を用いて試料を注入する例を、図面を参照
しながら説明する。
【0043】図9に示す自動注入装置において、卵母細
胞を整列配置させるトレイは、例えば水平方向に12個、
直行方向に8個の計96個の深さ及び形状が均一な穴の開
いたトレイが使用できるが、トレイの穴数は必ずしも96
個には限定しない。卵母細胞を整列させるための穴の形
状は、底面が円形の平面であって底面から開口部までの
底面に平行な断面形状が一定である円筒形、又は底部が
円錐形の形が好ましい。上記穴の開口部の直径は、用い
る卵母細胞の直径以上である必要がある。また生理食塩
水等を満たした上記穴中で卵母細胞が回転できる程度の
余地があることが望ましく、具体的には用いる卵母細胞
直径の105−150%を穴の最大直径とすることが望
ましい。例えばアフリカツメガエルの卵母細胞の直径が
約1.3mm程度であることから、穴の直径を1.4〜2mm程度
とすることにより、細胞を傷つけることなく、特定の方
向に固定することが可能になる。
【0044】遺伝子等の試料を導入するための針は、ピ
ペット様の針であることが好ましいが、特に限定するも
のではない。また、卵母細胞の向き等の細胞情報を収得
するためにデジタルカメラ28を、導入針26が卵母細胞表
面が接触したことを検知するための手段として、CCDカ
メラ27を通した視覚情報を例としているが、これらの情
報を得るために必要な手段はデジタルカメラ28やCCDカ
メラ27に限定されるものではない。例えば、圧力、温
度、電気、湿度、pH等の変化を感知するセンサーを導
入装置にとりつけることで、これらの情報を基に細胞表
面を検知することができる。
【0045】トレイ29の穴に膜電位計測後で試料導入前
の卵母細胞を並べ、トレイ29に生理食塩水34を満たした
後、直交移動台31と水平移動台32の上に設置する。この
直交移動台31と水平移動台32の移動を制御装置21により
X軸方向及びY軸方向に制御することによって、導入針
26から試料を導入する卵母細胞33の位置を決定すること
が好ましいが、図9の構成と逆に、トレイ29を固定し、
導入針26を移動可能な構成とすることもできる。トレイ
29が破線の位置にあるとき、デジタルカメラ28で卵母細
胞を撮影し、制御装置21にその撮影データを送ることに
より、卵母細胞の良否及び向きなどの情報を蓄積するこ
とができる。
【0046】水平移動台32と直交移動台31を制御装置21
の指示で動作し、トレイ29に並べられた卵母細胞のうち
所定の位置にある最初の卵母細胞33の中心を遺伝子導入
針26の下方位置に移動する。ここで導入針のZ軸方向の
移動のために導入針移動台24が制御装置21の指示で動作
し、導入装置25に装着された導入針26の先端を卵母細胞
の表面よりわずかに離れた位置、例えば数100mm手前ま
で下降させる。ここで、CCDカメラ27で撮影された画像
をモニター23で観察しながら、制御補助装置22で指令を
出し、導入針移動台24を低速で下降させる。視覚情報、
圧力変化、温度変化、電気変化、湿度変化、pH変化等で
卵母細胞33の表面に導入針26の先端が接触したことを検
知し、この位置で導入針移動台24を止める。この位置が
以降の遺伝子導入操作の基準点となる。この位置を制御
装置21に記憶させ、以下の操作を実施する。すなわち、
上記基準点から試料を導入する位置までの、トレイの置
かれている面に対して垂直方向の導入針の移動距離、深
度を設定し、上記設定された深度で導入針26を刺入して
試料を一定量吐出させる。試料導入のためには、例えば
上記の卵母細胞33表面に導入針26が接触した位置から0.
2mm下方に導入針を下げるといったZ軸制御を行うこと
ができる。細胞への導入針26の最適な導入深度は、導入
する試料の種類や導入の目的により異なり、適宜設定す
ることができる。試料は導入深度が浅すぎると細胞中に
広がらず、又深すぎると核を傷つけたり細胞を傷める確
率が高くなる。よって、試料の導入にはほぼ一定の深度
に導入することが発現効率の点からも望ましい。例え
ば、細胞質内にmRNAを導入し、蛋白質を発現させたい場
合には、細胞表面から0.02〜0.1mmの深度に針を刺入す
ることが望ましい。一方、核内にDNAを導入し、蛋白質
を発現させたい場合には、細胞表面から0.05〜0.2mmの
深度に針を刺入することが望ましい。但し、導入時に卵
母細胞の形状が針の接触によりわずかにゆがむため、実
際には設定した深度よりも浅い位置に試料が導入され
る。試料導入のための時間は、細胞への注入量等に応じ
て、針が細胞内に注入されている時間を設定することに
より制御する。尚、導入効率を更に向上させるために、
導入針26は複数個にすることもできる。この場合、装置
の駆動部は、導入針とトレイの相対的位置を1次元又は
2次元方向に移動させることで十分とすることもでき
る。
【0047】この後、最初の卵母細胞の3次元的な位置
情報を基に、自動制御によりトレイ29内の二つ目以降の
任意の数の卵母細胞に、指示された時間と速度及び導入
深度で試料を自動的に導入する。また、卵母細胞の大き
さにばらつきがある場合があるため、導入の都度表面位
置検出を行う機能も備えさせることもできる。また、卵
母細胞の細胞情報をコンピュータに記憶させ、必要時に
それを引き出すこともできる。
【0048】更に、試料導入時の上記導入針26及び卵母
細胞33の動きや、導入時の卵母細胞の視覚情報等をコン
ピュータに記憶させ、導入操作終了後に試料導入位置、
深度、細胞の特徴等を読み出すように設定することもで
きる。この場合、各卵母細胞に関する視覚情報は番号を
付す等することによって上記トレイ上の位置と関連付け
て行うことが望ましい。
【0049】上記の構成の装置を使用することにより、
卵母細胞の特定位置及び深度に試料を導入することがで
き、導入された試料の機能発現効率(導入効率)がほぼ
同品質の卵母細胞を、迅速に、かつ大量に生産すること
ができる。従って、本発明は、本発明の装置を使用して
所定範囲の膜電位を有する卵母細胞の特定の位置及び深
度に試料を導入する方法も提供する。
【0050】従って、上記自動注入装置を使用すること
により、操作者の技量に依存することなく、約80〜90%
の導入効率が達成され、所定範囲の膜電位を有すると共
に試料導入条件の制御された複数の卵母細胞を販売又は
譲渡することが可能になるのである。従って別の観点に
おいて、本発明は所定範囲の膜電位を有すると共に、特
定の位置及び深度への試料の導入が保証された両生類卵
母細胞を提供する。
【0051】このような自動注入装置を用いて試料を注
入すると、所定範囲の膜電位を有する卵母細胞に、ほぼ
均等な条件で試料を注入しているため、特に、蛋白発現
量等がほぼ均等な卵母細胞集団が得られることとなる。
これは、ほとんど均質な卵母細胞集団であるため、特に
スクリーニングに有用である。
【0052】
【発明の効果】本発明により、客観的な選別基準を有す
る卵母細胞または卵細胞を得ることができる。また細胞
の選別基準を情報として保存しておくことにより、生存
率や受精率、遺伝子導入効率などとの相関を得ることが
できる。また本発明の方法によって得られた、特定の膜
電位を有する卵母細胞または卵細胞のみを回収し、販売
又は譲渡することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】膜電位と細胞の形状の関係を示す。
【図2】膜電位と細胞の生存率の関係を示す。
【図3】膜電位と細胞反応の一例を示す。
【図4】本発明の装置の一例を示す。
【図5】卵母細胞または卵細胞を含有する容器の内側に
金属コーティングした構成の一例を拡大して示す。
【図6】本発明の装置の別の一例を示す。
【図7】選別していない卵母細胞集団における特定の膜
電位を有する細胞の割合を示す。
【図8】卵母細胞または卵細胞の輸送方法を示す。
【図9】本発明に使用する自動注入装置の一例を示す。
【符号の説明】
1:卵母細胞群、2:フィルター、3:水路、4:歯車、
5:ガラス電極、6:水路、7:弁、8:基準を満たす細
胞、9:基準を満たさない細胞、10:水路、11:容器、1
2:卵母細胞または卵細胞群、13:梱包材、21:制御装
置、22:制御補助装置、23:モニター、24:導入針移動
台、25:導入装置、26:導入針、27:CCDカメラ、28:
デジタルカメラ、29:トレイ、30:光源、31:直交移動
台、32:水平移動台、33:卵母細胞、34:生理食塩水、
A:電流計、PC:コンピュータ、P:ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松波 正吉 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式 会社 日立製作所 基礎研究所内 (56)参考文献 特開 平6−308118(JP,A) 特開 平11−83785(JP,A) 特開 平6−308118(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12M 1/00 - 1/70 C12N 15/00 - 15/90 C12N 5/00 - 5/28 C12Q 1/00 - 1/70

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料が導入される前の卵母細胞または卵
    細胞の静止膜電位を計測する計測手段と、前記卵母細胞
    または卵細胞を静止膜電位の計測結果に基づいて選別す
    る選別手段を有することを特徴とする卵母細胞または卵
    細胞の選別装置。
  2. 【請求項2】 前記卵母細胞または卵細胞の膜電位を記
    憶するコントロール部を有し、前記選別手段は前記コン
    トロール部の情報に基づいて選別することを特徴とする
    請求項1に記載の選別装置。
  3. 【請求項3】 膜電位を計測する際に用いる容器の内側
    にアース用の金属がコーティングされていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の選別装置。
  4. 【請求項4】 前記選別手段により選別された卵母細胞
    または卵細胞を、選択的に分取する分取手段を有するこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の選
    別装置。
  5. 【請求項5】 試料が導入される前の卵母細胞または卵
    細胞の静止膜電位を計測する計測工程と、前記卵母細胞
    または卵細胞を静止膜電位の計測結果に基づいて選別す
    る工程を有することを特徴とする卵母細胞または卵細胞
    の選別方法。
  6. 【請求項6】 上記計測工程が細胞内電極法または膜電
    位感受性色素法を用いた計測工程であることを特徴とす
    る請求項5に記載の選別方法。
  7. 【請求項7】 前記卵母細胞または卵細胞は複数あり、
    前記複数の卵母細胞または卵細胞の膜電位及びアドレス
    情報をコントロール部で記憶し、前記記憶した情報に基
    づいて卵母細胞または卵細胞を選別することを特徴とす
    る請求項5または6に記載の選別方法。
  8. 【請求項8】 前記選別された卵母細胞または卵細胞を
    分取する工程を有することを特徴とする請求項5〜7の
    いずれか1項に記載の選別方法。
  9. 【請求項9】 静止膜電位が−70mV以上−40mV
    以下の前記卵母細胞または卵細胞を選別することを特徴
    とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の選別方法。
  10. 【請求項10】 卵母細胞を単離するための酵素処理を
    行う工程と、 前記酵素処理から24時間以内に、試料が導入される前
    前記卵母細胞の静止膜電位を計測する工程と、静止 膜電位が−70mV以上−40mV以下の卵母細胞
    を選択的に採取する工程と、 を有することを特徴とする、卵母細胞の選別方法。
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