JP3518056B2 - ディコンボルューション回路 - Google Patents

ディコンボルューション回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーダー装置等において
パルス状の信号を送出してその反射波をディコンボルー
ションする際に用いられるディコンボルーション回路に
関し、特に、物標分布(元の信号原波形)に対する復元
性を向上させるためのディコンボルーション回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、パルスレーダー装置ではパルス
状の電磁波を送出後、所定の物標分布波形(真の信号源
波形,ここではx(i)とする)からの反射波を受信装
置で観測して波形を得ている。ところが、レーダー装置
(送信回路)から送信される電磁波のパルス幅、アンテ
ナビーム幅、受信回路の帯域幅(一般に、1.2/送信
パルス幅(秒)の値に設定されている)等の影響によっ
て、上述のようにして、得られた波形は、もとの物標分
布関数波形とは異なった波形となってしまう。
【0003】このため、一般に、パルス幅及びアンテナ
ビーム幅等によって装置関数を予め計算して、この装置
関数と波形データ(受信装置で観測して得られた波形デ
ータ)とから物標分布波形を計算することが行われてお
り、このような処理演算手法として、所謂ディコンボル
ューション法と呼ばれる処理演算手法が知られている。
このディコンボルューション法を用いた回路をここでは
ディコンボルューション回路と呼ぶ。なお、ティコンボ
ルューション法にはフーリエ面処理法と信号面処理法と
に大別される。
【0004】ここで、図8に従来のディコンボルューシ
ョン回路を用いたレーダ装置について概説する。図示の
レーダ装置はアンテナ11、受信回路12、レーダ指示
機13、ディコンボルューション処理回路14、及び表
示回路15を備えている(なお、このレーダ装置におい
ては、送信側回路は示さず)。
【0005】前述のように、反射波はアンテナ11で受
信され、受信回路12で増幅されてレーダ指示機13に
送られ、リアルタイムにPPI表示された反射波がオペ
レータによって観測されているとする。いまオペレータ
によって特定のエコー表示位置を含むレンジ方向範囲と
して、例えば、256から512のレンジビン、方位方
向指定範囲として、例えば、0.0[°]から30.0
[°]の範囲(この範囲には256回の送信と受信波に
よる観測がなされているとする)が指定されたとし、こ
の範囲の観測波は、レーダ指示機に与えられるとともに
信号面処理回路14にも転送されるものとする。受信回
路12の出力段にA/D回路が組み込まれている場合
は、ディジタル信号の形で観測データが信号面処理回路
14に転送され、受信回路12の出力段にA/D回路が
組み込まれていない場合は、信号面処理回路14でA/
D変換され、観測データ(y(i))が作成されるもの
とする。
【0006】ディコンボルューション処理回路14では
ディコンボルューション法によって物標分布波形を計算
するが、この計算に必要なデータは、観測データ(y
(i))及び予め算出しておかれる装置関数(h(i)
とする)であり、レーダーのレンジ方向に関する処理演
算を行う際、y(i)(i=0,1,2,…,N)は1
スイープ期間における所定の範囲の受信波形をA/D変
換して得られるレンジ方向に連なる受信データ波形を意
味する。同様にして、方位方向に関する演算を行う際、
y(i)は方位方向に連なる受信波形データを意味す
る。
【0007】図8のディコンボルューション処理回路1
4としてフーリエ面処理法を用いる場合、y(i)及び
h(i)をそれぞれフーリエ変換してから周波数領域で
処理を行い、この結果をさらにフーリエ逆変換する。x
(i)が波形変形要素(伝達関数:H(s))を通過し
た結果、y(i)の波形にまで変形したという考え方に
よっている。ここで、H(s)は装置関数(h(i))
をフーリエ変換することによって求められる。周波数領
域での主要な処理としては、Y(s)/H(s)のみと
なる。
【0008】このフーリエ面処理法は、信号面処理法に
比べて処理時間が短くて済む反面、上述のように割り算
を行うので、雑音に弱いという欠点がある。
【0009】次に図8のディコンボルューション処理回
路14として信号面処理法を用いた場合の処理演算につ
いて説明する。
【0010】一般に、観測データ(y(i))は数1で
示すようなx(i)とh(i)とのコンボルューション
(畳み込み)関係で表される。
【0011】
【数1】
【0012】信号面処理では信号源波形(x(i))と
観測波形(y(i))とは数2で示す連立1次方程式で
表す。
【0013】
【数2】
【0014】ここで、xi を要素とするベクトルをxと
し、yi を要素とするベクトルをyとし、さらに、hij
を要素とする行列をHとすると、行列Hとベクトルx及
びyとの関係は数3で表すことができる。
【0015】
【数3】
【0016】数3において、yは1スイープ又は1スキ
ャン期間におけるレーダー受信信号波形内の特定区間の
信号波形をA/D変換して得られる連続したN個の受信
データによって構成される。yがレンジ方向に連続した
観測データであると、Hはレンジ方向の応答関数を1ス
テップずつ横にずらしたものを縦方向に並べることによ
って得られる。xを未知数として、数3を解く際には、
各種の数値演算手法が用いられる。この際、Hの対角要
素の近房のみに値をもつので、Jacobiの反復法又
はGauss−Seidelの反復法が用いられる。
【0017】加法性雑音がある場合、これをベクトルn
で表すと、数3は数4で表される。
【0018】
【数4】
【0019】観測データy(i)及びHx(i)に注目
すると、y(i)とHx(i)は独立な系から得られた
ものであり、Hとx(i)のマトリックス演算は、信号
源波形と装置関数のコンボルューション演算をしている
ことに他ならない。従ってhが適正な装置関数になって
いて、しかも、観測データy(i)に含まれる加法性雑
音が十分小さい場合、y(i)とHx(i)とは等しく
なるべきものである。実際には、y(i)に無視できな
い加法性雑音が含まれているので、両者の差の絶対値を
最小にする最小2乗法の条件式(両者の差の絶対値の一
次微分をゼロと置いて得られる)から、より最適なx
(i)を計算することができる。この結果を数5に示
す。
【0020】
【数5】
【0021】数5を変形すると、数6となる。
【0022】
【数6】
【0023】つまり、数3で示される連立1次方程式を
xについて解くよりも、Hを(HTH)で置き換え、y
をHT yで置き換えた連立1次方程式をJacobi法
又はGauss−Seidel反復法で解いてxを求め
ると、有効な解ベクトルxが算出されることになる。そ
して、(HT H)-1を予め求めておき、記憶回路等に記
憶させておけば、新しい観測データを得る都度HT yを
求めて、これを(HTH)-1に掛けることによってxを
求めることができる。この結果、N行の連立1次方程式
を解くよりも短時間で処理できることになる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、(HT H)
-1で示される逆行列演算は、マトリックスの次数Nが大
きくなるほど困難となり、解が得られないことがある。
このため、新しい観測データを得る都度,数6で示され
るN次の連立1次方程式をxについて反復法を用いて解
くことが行われている。
【0025】ヤコビ法及びガウス・ザイデル法の収束条
件は川上一郎著 理工系の数学入門数値計算 岩波書店
刊の101頁によると、マトリックスHの行列要素h
ijを用いると、数7となるとある。
【0026】
【数7】
【0027】同著95頁によると、収束しさえすれば解
ベクトルが求められるという記述がある。しかしなが
ら、実際には、Hマトリックスの値として、hij=h
iiの場合があり、数7で計算されるノルムが1.0に
近くなる場合が多い。さらに、あまり適正でないHマト
リックスを使用し、加法性雑音が突発的に大きくなるこ
とがある場合では、収束解が得られないか又は非常に多
くの反復回数が必要になると考えられる。以上の場合に
は、より信号源波形に近い初期値を与えて反復計算を行
わせることがしばしば行われている。一般には、初期値
を設定する際には、観測データyを係数倍したものが初
期として用いられる。しかしながら、このような初期値
の設定では近接して置かれた2物標などが設定された場
合、元の信号源波形が復元できなくなってしまうことが
多い。
【0028】本発明の目的は元の信号源波形を精度よく
復元できるディコンボリューション回路を提供すること
にある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、予め近
接して置かれた数個の物標からの反射波を受け該反射波
に応じて観測データ得て該観測データと予め計算された
装置関数とに基づいて物標分布を得る際に用いられ、前
記観測データと前記装置関数とに基づいて逆フィルタ処
理を行い逆フィルタ処理結果を得る逆フィルタ処理手段
と、前記逆フィルタ処理結果を初期値として用いて信号
面処理処理を行って前記物標分布を得る信号面処理手段
とを有することを特徴とするディコンボルューション回
路を提示しており、前記信号面処理手段は、例えば、ヤ
コビ法又はガウスーザイデル法による反復計算法によっ
て前記信号面処理を行う。
【0030】
【作用】本発明では、逆フィルタ処理結果を初期値デー
タとして用いて信号面処理を行うようにしたから、物標
分布を観測する際の復元性及び分解能を良好にすること
ができる。
【0031】観測データy(i)とHx(i)の計算値
(これは装置関数と信号源波形のコンボルューションに
等価)の差の2乗を最小とする条件式(微分した式をゼ
ロとおくと得られる)から信号源波形x(i)を計算す
ることによって加法性雑音レベルを減少させることがで
きる。
【0032】
【実施例】以下本発明について実施例によって説明す
る。
【0033】図1を参照して、図示のレーダ装置におい
て、図8に示すレーダ装置と同一の構成要素については
同一の参照番号を付し説明を省略する。図示のレーダ装
置は逆フィルタ処理回路21を備えており、逆フィルタ
処理回路21は観測データ(y(i))を受ける。そし
て、逆フィルタ処理回路21の出力は信号面処理回路2
2に与えられる。
【0034】逆フィルタ回路21は、受信信号対称化回
路、FFT回路、割り算回路、IFFT回路、及び記憶
回路(ともに図示せず)を備えており、記憶回路には伝
達関数(H(s))が記憶されている。前述のように、
x(t)が伝達関数H(s)を通過することによって観
測データy(t)に変化したとすると、Y(s)=H
(s)・X(s)が成立する。Y(s)はy(t)をF
FTして得られる周波数関数であり、X(s)はx
(t)をFFTして得られる周波数関数である。原理的
には、X(s)=Y(s)/H(s)によりX(s)を
求め、このX(s)をIFFTすることによって、x
(t)を得ることができる(なお、逆フィルタ処理回路
21については、特願平6−147号明細書及び特願平
6−198930号明細書に詳説されているので、ここ
では、これ以上の説明を省略する)。そして、逆フィル
タ回路21の出力は信号面処理回路22に与えられる。
【0035】一般に、レーダ受信信号のうちビデオ信号
を信号処理する場合、ゼロ以下の値は考えなくてよいの
で、ガウス・ザイデル法による反復計算の途中でゼロ以
下の計算結果が得られた場合、一般には、これを係数倍
してゼロに近づけた値と入れ替えるのが普通である。図
2はこのゼロに近づけた値といれ替える処理を省き、ガ
ウス・ザイデル法の計算プログラム例に基づいた計算回
路の一例である。以下図2の補充説明を記述する。
【0036】まず従来のパルスレーダ1スイープの受信
信号のうち、特定の距離方向又はレンジ方向に連なるN
個のデータが従来のレーダ受信回路のほうから転送され
てきていてこれを図示の回路によって信号処理する場合
に関しては以下のように機能する。
【0037】逆フィルタ処理回路から転送された初期値
データは初期値記憶回路41(N個の配列メモリを持
つ)に記憶される。
【0038】変数iはiクロックのクロック数を意味す
る。マトリックス又はベクトルの添字として書かれた場
合は、メモリ配列番号を表し、一回のiクロックの期間
にjクロックはN回だされ、N個のデータを要素とする
ベクトルのうちの一つの値を計算するのにjクロックは
N回必要となる。iクロックがN回出された時点でガウ
ス・ザイデル法による1回の反復計算が終了する。解ベ
クトルx[i](i=0,1,2,…,N−1)は1回
の反復計算の度に真の信号源ベクトルに近い値に修正さ
れる。解ベクトルx[i]はN個の要素から構成され、
N番地のメモリ配列に格納され、修正された最も新しい
値のみがこの配列メモリに格納される構成となり、第1
回目の演算に関してはこのメモリには、初期設定された
値(ここでは逆フィルタ処理回路の出力値)が入る。
【0039】次に、N個の要素からなる解ベクトル、N
個の要素からなる観測データが用意され、そのうちii
番目のベクトル要素に関する計算に関して数式を用いて
説明する。i=iiについての演算に関しては次に示す
(1)と(2)を行う。
【0040】(1)観測データをHT y[ii]に変換
したベクトルとHT Hに変換した装置関数と解ベクトル
のコンボルューション演算により推定した観測データの
誤差を数8で計算して求める。
【0041】
【数8】
【0042】(2)前回の解ベクトルのii番目の要素
x[ii]に対して、(1)で計算された誤差を加算し
解ベクトルx[ii]を修正する(x[ii]=x[i
i]+d)。
【0043】この式は、i=iiの場合であるが、i=
0からi=N−1までi=iiの場合と同一の演算を行
うことによってN個のデータから構成される方位方向又
は距離方向に連なる一つの観測データについての1回目
の反復回数分の演算を終了する。2回目の反復回数分の
演算も全く同様になる。一回の反復回数毎にN個の要素
をもった解ベクトルが一回ずつ修正されていく。
【0044】図示の回路は、iクロック、jクロックに
同期して動作し、iクロックがN回出た時点で1回の反
復回数分の演算処理が終了する。jクロックがN回でた
時点でiクロックが一回出るものとする。ここで1回の
クロックの立上がり又は立ち下がりを1回のクロックと
呼んでいる。
【0045】iクロックに同期して、x[0],x
[1],…,x[N−1]の順で解ベクトルの要素がラ
ッチ回路34の出力に取り出され、また掛算回路32の
B入力端子に用意されるものとする。
【0046】ここで、解データx(i)(i=0,1,
…,N−1)はベクトルx[i]で表され、[i]のi
値が要素番号を表す。ここで、反復法では最初の解ベク
トルx[ii](ii=0,1,2,…,N−1)は定
義されず、初期設定されなければならない。第1回目の
x(i)(i=0,1,…,N−1)(:x[i])は
逆フィルタ処理回路から転送されるものとし、これが図
示の回路の入力データとなる。
【0047】観測データy(i)(i=0,1,…,N
−1)はベクトルy[i]のレンジ方向又は方位方向に
連なるN個の観測データを表し、ベクトルyで表す。最
小2乗法の条件式に従ってyはHT yに変換され、HT
yの演算結果が記憶回路38に予め記憶されており、第
0回目のiクロックでHT y[0]、第1回目のiクロ
ックでHT y[1]、第2回目のiクロックでHT
[2]、…、HT y[N−1]が記憶回路38から読み
出されて、加算回路39の入力側に用意されるとする。
ここで、ベクトルHT yが記憶されている記憶回路38
はN回のクロックパルスを出力するiクロックの数によ
ってアドレス指定されるものとする。ただし、iクロッ
クとjクロックはどちらもN回のクロックパルスをもつ
が、iクロックはjクロックがN回出される度に1回出
力されるものとする。また、マトリックスHは前述のよ
うにHT Hに変換され、HT Hが記憶回路31に予め記
憶されており、第0回目のjクロックでHT H[0]
[0]、第1回目のjクロックでHT H[0][1]、
第2回目のjクロックでHT H[0][2]、…が記憶
回路31から読み出されて、掛算回路32の入力側の端
子Aに用意されるとする。
【0048】HT H[i][j]が記憶された記憶回路
31のアドレス指定回路にはjクロックとiクロックが
入力されており、ia 回のiクロックが入力した時点か
らさらにjb回のjクロックが入力された時点ではHT
H[ia][jb]の値が記憶回路31から読み出さ
れ、掛算回路32の入力側の端子A(上側の端子)に用
意されるものとする。
【0049】jクロックは各回路31,32,36,4
1に共通に入力されている。iクロックは各回路33,
38,31,41,43,34に共通に入力されてい
る。ただし、掛算回路32ではiクロックよりもさらに
周期の短い掛算演算に必要となる所定のクロックが必要
であり、割算回路33にはiクロックよりもさらに周期
の短い割算演算に必要となる所定のクロックが必要であ
ることはいうまでもない。以上のような初期設定の後以
下の演算がなされる。
【0050】(1).一回目の反復回数の演算 jクロック=0,iクロック=0の立上がりの時点で加
算回路35のA入力端子にHT H[0][0]・x
[0]、加算回路35のB入力端子に0が用意される。
jクロック=0,iクロック=0の立ち下がりの時点で
これらの加算結果がラッチ回路10にラッチされ、ラッ
チ回路10の出力側に現れ、加算回路35のB入力端子
にHT H[0][0]・x[0]が用意される。
【0051】jクロック=1,iクロック=0の立上が
りの時点でHT H[0][1]・x[1]の演算結果が
加算回路35のA入力端子に用意され、加算回路35の
B入力端子のHT H[0][0]・x[0]との加算が
行われる。jクロック=1,iクロック=0の立ち下が
りの時点では、これらの加算が終了しており、結果がラ
ッチ回路10にラッチされ、ラッチ回路10の出力側に
現れ、加算回路35のB入力端子にHT H[0][0]
・x[0]+HT H[0][1]・x[1]が用意され
る。
【0052】jクロック=2,iクロック=0の立上が
りの時点でHT H[0][2]・x[2]の演算結果が
加算回路35のA入力端子に用意され、加算回路35の
B入力端子のHT H[0][0]・x[0]+HT
[0][1]・x[1]との加算が行われる。jクロッ
ク=2,iクロック=0の立ち下がりの時点では、これ
らの加算が終了しており、結果がラッチ回路10にラッ
チされ、ラッチ回路10の出力側に現れ、加算回路35
のB入力端子にHT H[0][0]・x[0]+HT
[0][1]・x[1]+HT H[0][2]・x
[2]が用意される。以上のようにして、jクロック=
N−1,iクロック=0の立ち下がりの時点でラッチ回
路10の出力側に数9で示す値が用意される。
【0053】
【数9】
【0054】iクロックはi=0の状態であるので、こ
のi=0の時点で、記憶回路38の出力はHT y[0]
となっており、割算回路のA入力端子にはHT H[0]
[0]が用意されているので、割算回路33の出力側に
は数10で示す値が現れる。
【0055】
【数10】
【0056】上記dの値は加算回路40のA入力端子に
入る。また加算回路40のB入力端子には、逆フィルタ
処理回路から得られる初期設定値解ベクトルの最初の要
素x[0]が用意されており、x[0]+dのように修
正される。これが記憶回路43の[0]に格納される。
このx[0]の記憶はiクロックの立上がりに同期して
行われる。ここで、i=0に関する演算は終了し、解ベ
クトルの2番目の要素の修正演算に移る。
【0057】jクロック=0,iクロック=1の立上が
りの時点で加算回路35のA入力端子にHT H[1]
[0]・x[0]、加算回路35のB入力端子に0が用
意される。jクロック=0,iクロック=1の立ち下が
りの時点でこれらの加算結果がラッチ回路10にラッチ
され、ラッチ回路10の出力側に現れ、加算回路35の
B入力端子にHT H[1][0]・x[0]が用意され
る。
【0058】jクロック=1,iクロック=1の立上が
りの時点でHT H[1][1]・x[1]の演算結果が
加算回路35のA入力端子に用意され、加算回路35の
B入力端子のHT H[1][0]・x[0]との加算が
行われる。jクロック=1,iクロック=1の立ち下が
りの時点では、これらの加算が終了しており、結果がラ
ッチ回路10にラッチされ、ラッチ回路10の出力側に
現れ、加算回路35のB入力端子にHT H[1][0]
・x[0]+HT H[1][1]・x[1]が用意され
る。
【0059】jクロック=2,iクロック=1の立上が
りの時点でHT H[1][2]・x[2]の演算結果が
加算回路35のA入力端子に用意され、加算回路35の
B入力端子のHT H[1][0]・x[0]+HT
[1][1]・x[1]との加算が行われる。jクロッ
ク=2,iクロック=1の立ち下がりの時点では、これ
らの加算が終了しており、結果がラッチ回路10にラッ
チされ、ラッチ回路10の出力側に現れ、加算回路35
のB入力端子にHT H[1][0]・x[0]+HT
[1][1]・x[1]+HT H[1][2]・x
[2]が用意される。以上のようにして、jクロック=
N−1,iクロック=1の立ち下がりの時点でラッチ回
路10の出力側に数11で示す値が用意される。
【0060】
【数11】
【0061】iクロックはi=1の状態であるので、こ
のi=1の時点で、記憶回路38の出力はHT y[1]
となっており、割算回路のA入力端子にはHT H[1]
[1]が用意されているので、割算回路33の出力側に
は数12で示す値が現れる。
【0062】
【数12】
【0063】上記dの値は加算回路40のA入力端子に
入る。また加算回路40のB入力端子には、逆フィルタ
処理回路から得られる初期設定値解ベクトルの2番目の
要素x[1]が用意されており、x[1]+dのように
修正される。これが記憶回路43の[1]に格納され
る。このx[1]の記憶はiクロックの立上がりに同期
して行われる。ここで、i=1に関する演算は終了し、
解ベクトルの3番目の要素の修正演算に移る。同様にし
て、i=N−1に関する演算が終了した場合、数13で
示す値が算出される。
【0064】
【数13】
【0065】これに基づいて、x[N−1]+dのよう
に修正され、修正結果は解ベクトル記憶回路[N−1]
に格納されて最初の反復回数の処理演算が終了する。
【0066】この時点でスイッチ回路42により、解ベ
クトル記憶回路43の出力側と加算回路40のB入力端
子が接続される。
【0067】続いて、iクロック=0,jクロック=0
として前と全く同様の処理演算を実行させる(具体的に
は上記の一回目の反復回数の計算のところに戻る)。
【0068】以上のようにして、iクロックがN回出さ
れる度にN点の要素をもつ解ベクトルの修正が行われ、
iクロックがN*mp回出された時点では、mp回の反
復計算が実行されたことになる。
【0069】ここで、図3乃至図7を参照して、観測値
(y(t))として、図3に示す観測値が得られたとす
る(ここでは、近接した2隻の船舶をレーダ装置で観測
して得られた受信データを用いた)。また、装置関数
(h(t):パターン測定データ)として、図4に示す
装置関数が得られたものとすると、図8に示すディコン
ボルューション回路においては、図5に示す物標分布波
形が得られた。
【0070】一方、図1に示すディコンボルューション
回路においては、逆フィルタ処理回路21において、図
6に示す逆フィルタ処理波形が得られる結果、信号面処
理回路22においては図7に示す物標分布波形が得られ
た。
【0071】上述の結果から容易に理解できるように、
接近した物標分布を観測しようとする場合、逆フィルタ
処理回路の出力データを初期値データとして用いること
によって復元性及び分解能が向上できることがわかる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では観測デ
ータ及び装置関数を用いて逆フィルタ処理を行い、その
処理結果に基づいて、つまり、その処理結果を初期値デ
ータとして用いてディコンボルューションを行うように
したから、物標分布を観測する際の復元性及び分解能を
良好にすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるディコンボルューション回路を用
いたレーダ装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す信号面処理回路の一実施例を説明す
るためのブロック図である。
【図3】実観測データの一部を取り出した観測値(y
(i))(i=0,1,2,…,N−1)を示す波形図
である。
【図4】アンテナパターン関数から作成した装置関数
(h(i))(i=0,1,2,…,2N−1)を示す
波形図である。
【図5】従来の信号面処理法だけによるディコンボルュ
ーション回路により求められた物標分布波形の一例を示
す図である。
【図6】図1に示す逆フィルタ処理回路からの出力波形
の一例(逆フィルタ処理波形)を示す図である。
【図7】図1に示す逆フィルタ出力値を初期値として信
号面処理をしたディコンボルューション回路による物標
分布波形の一例を示す図である。
【図8】従来のディコンボルューション回路を用いたレ
ーダ装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 アンテナ 12 受信回路 13 レーダ指示機 14 ディコンボルューション回路(ディコンボルュー
ション処理回路) 22 信号面処理回路 15 表示回路 21 逆フィルタ回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−125484(JP,A) 特開 昭55−51351(JP,A) 特開 平7−318635(JP,A) 特開 平1−212543(JP,A) 特開 平8−43525(JP,A) 特開 平8−201516(JP,A) 河田聡 中村収,科学計測におけるデ ータ処理技法 第5章 最小2乗法と非 線形最適化,インターフェース 第20巻 第1号,日本,CQ出版株式会社, 1994年 1月 1日,第20巻 第1号, 122−139 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/64 G01S 13/00 - 13/95 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス変調された電磁波が送信された時
    物標から反射波を受け該反射波に応じてA/D変換され
    た観測データ得て該A/D変換された観測データと使用
    レーダ装置のアンテナビーム又は送信パルス幅により算
    出される予め定められた装置関数とに基づいて観測デー
    タよりも更に正確な信号源波形に近い物標分布を得る際
    に用いられ、前記観測データと前記装置関数とに基づい
    て逆フィルタ処理を行い逆フィルタ処理結果を得る逆フ
    ィルタ処理手段と、前記逆フィルタ処理結果を初期値と
    して用いて信号面処理を行って前記物標分布データを得
    る信号面処理手段とを有することを特徴とするディコン
    ボルューション回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたディコンボルュー
    ション回路において、前記信号面処理手段は、反復法で
    連立1次方程式を解く手法、ここではヤコビ法又はガウ
    スーザイデル反復法によって前記信号面処理を行うよう
    にしたことを特徴とするディコンボルューション回路。
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