JP3517284B2 - クレンメ - Google Patents

クレンメ

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JP3517284B2
JP3517284B2 JP21781994A JP21781994A JP3517284B2 JP 3517284 B2 JP3517284 B2 JP 3517284B2 JP 21781994 A JP21781994 A JP 21781994A JP 21781994 A JP21781994 A JP 21781994A JP 3517284 B2 JP3517284 B2 JP 3517284B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟性を有するチュー
ブを圧閉してその内腔を閉塞するクレンメに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば貯尿バッグ、輸液バッグ、血液バ
ッグ、透析液バッグ等の各種バッグや、人工肺、透析
器、貯血槽、濾過装置等の各種医療器具には、柔軟性
(可撓性)を有するチューブが接続されているが、これ
らの使用時には、液の流通を制御するために、チューブ
の途中をクレンメにより圧閉し、その内腔を閉塞してチ
ューブ内の流路を遮断することが行われる。
【0003】このクレンメには、種々の形態、構造のも
のがあるが、その中で、いわゆるスライドクレンメと呼
ばれる単一部品で構成された簡易な構成のものがある。
このスライドクレンメは、板状のクレンメ本体に、チュ
ーブを挿通するほぼ円形の挿通孔とこれより幅狭のスリ
ット部とで構成される開口部が形成された構造のもので
あり、前記挿通孔にチューブが挿通された状態で、該チ
ューブを摺動させて前記スリット部内へ移動すると、チ
ューブが幅狭のスリット部内面に圧閉されてその内腔が
閉塞し、チューブを挿通孔内へ戻すとチューブの復元力
によりその内腔が開放するよう構成されている。
【0004】ところで、このスライドクレンメにおいて
は、チューブ開閉の操作性等を考慮して、チューブを挿
通孔とスリット部との間で摺動させる際のチューブの摺
動抵抗を低減することが要請されており、そのために、
開口部の内面に潤滑剤をコーティングしておくことが提
案されている。
【0005】しかしながら、従来のスライドクレンメ
は、開口部の内面が平坦な面であるため、チューブの摺
動を繰り返すうちに、コーティングされた潤滑剤が離脱
(剥離)し、チューブの円滑な摺動が持続的に得られな
いという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、チュ
ーブ内腔の円滑な開閉操作を持続することができるクレ
ンメを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)および(2)の本発明により達成される。
【0008】(1) 柔軟性を有するチューブを挿通し
得る挿通孔と、前記挿通孔と連通し、前記挿通孔より幅
が狭いスリット部とを有する開口部が形成され、前記挿
通孔に挿通された前記チューブを前記挿通孔と前記スリ
ット部との間で移動することにより前記チューブの内腔
を開放・閉塞するクレンメであって、前記開口部の内面
のほぼ全周に、前記チューブとの摺動抵抗を減少するた
めの潤滑剤を保持する潤滑剤保持手段を設け、前記潤滑
剤保持手段は、前記開口部の内面に前記チューブの移動
方向に沿って形成された少なくとも1本の溝または段差
部であり、前記潤滑剤は、前記開口部の少なくとも前記
チューブの移動経路の途中に保持されていることを特徴
とするクレンメ。
【0009】(2) 柔軟性を有するチューブを挿通し
得る挿通孔と、前記挿通孔より幅が狭いスリット部と、
前記挿通孔と前記スリット部との間に位置するガイド部
とで構成される開口部が形成され、前記挿通孔に挿通さ
れた前記チューブを前記挿通孔と前記スリット部との間
で移動することにより前記チューブの内腔を開放・閉塞
するクレンメであって、前記開口部の内面のほぼ全周
に、前記チューブとの摺動抵抗を減少するための潤滑剤
を保持する潤滑剤保持手段を設け、前記潤滑剤保持手段
は、前記開口部の内面に前記チューブの移動方向に沿っ
て形成された少なくとも1本の溝または段差部であり、
前記潤滑剤は、前記開口部の少なくとも前記ガイド部付
近に保持されていることを特徴とするクレンメ。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【実施例】以下、本発明のクレンメを添付図面に示す好
適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明のクレンメの構成例を示す
平面図である。同図に示すように、本発明のクレンメ1
は、板状のクレンメ本体2を有し、該クレンメ本体2に
は、以下に説明するような開口部3が形成されている。
【0017】開口部3は、柔軟性(可撓性)を有するチ
ューブ(またはカテーテル)10を挿通し得るほぼ円形
の挿通孔31と、挿通孔31の一端側に形成され、挿通
孔31より幅が狭いスリット部33と、挿通孔31とス
リット部33との間に位置してこれらを接続し、スリッ
ト部33の一端に向かって幅が漸減するガイド部32と
で構成されている。この場合、ガイド部32は、対向す
る一対のテーパ面34を有し、挿通孔31内のチューブ
10を該テーパ面34に沿ってスリット部33内へ誘導
するように構成されている。
【0018】挿通孔31の内径Dは、チューブ10の外
径より0〜10mm程度大きい値とするのが好ましく、
0.3〜5mm程度大きい値とするのがより好ましい。こ
れにより、挿通孔31へのチューブ10の挿通が容易に
行える。
【0019】また、スリット部33の幅Wは、前記Dよ
り小さく、好ましくは、チューブ10の肉厚の0.3〜
2倍程度、より好ましくは、0.4〜1.9倍程度とさ
れる。これにより、チューブ10を過度に圧閉すること
なくチューブ10の内腔を気密的に閉塞することができ
る。
【0020】ガイド部32の両テーパ面のスリット部3
3に対する傾斜角θは、特に限定されないが、θ=1〜
60°程度が好ましく、θ=5〜30°程度がより好ま
しい。このような角度範囲において、特にチューブ10
のスリット部33への誘導を円滑かつ容易に行うことが
できる。
【0021】クレンメ本体2の構成材料は、特に限定さ
れず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、硬質ポ
リ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレ
ン、アクリル−スチレン共重合体、アクリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
アセタール、ポリエーテルケトン等の各種樹脂や、ステ
ンレス鋼、アルミニウム等の各種金属を挙げることがで
きる。
【0022】チューブ10としては、柔軟性を有し、圧
閉によりその内腔が閉塞可能なものであれば、いかなる
ものでもよく、例えば軟質ポリ塩化ビニル、 ポリウレタ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等の軟質樹脂
や、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、シリ
コーンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合
体、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマ
ー等の各種弾性材料で構成されたものが挙げられる。
【0023】図1に示すように、チューブ10が挿通孔
31内にあるときには、チューブ10の内腔は開放し、
チューブ10内を流体が流通可能な状態となっている。
チューブ10をクレンメ本体2に対し図1中下方へ移動
すると、チューブ10は、その移動経路の途中にあるガ
イド部32の両テーパ面34により挟まれて徐々に変形
し、さらに摺動してスリット部33内へ入ると、スリッ
ト部33の対向する内面に挟持されて扁平な形状に圧閉
され、チューブ10の内面同士が密着して内腔が閉塞す
る。これにより、チューブ10内の流体の流通が遮断さ
れる。スリット部33にあるチューブ10を前記と逆方
向へ摺動させ、挿通孔31内に位置させると、チューブ
10は、その復元力により元の形状に戻り、チューブ1
0の内腔が開放する。
【0024】このようなクレンメ1には、開口部3の内
面に、チューブ10との摺動抵抗を減少するための潤滑
剤(図示せず)がコーティングされている。この潤滑剤
により、前述したようにチューブ10を図1中上下方向
に移動する際に、チューブ10との摺動抵抗が減少し、
チューブ10の移動、すなわち、チューブ10内の流路
の開閉を軽微な力で円滑に行うことができる。なお、潤
滑剤としては、例えばシリコーン油、食物油、鉱物油等
を用いることができる。
【0025】潤滑剤をコーティングする箇所は、開口部
3の内面全体であっても、開口部3の内面の一部であっ
てもよい。後者の場合、例えば、ガイド部32の両テー
パ面34およびその近傍や、スリット部33の内面に潤
滑剤をコーティングするのが好ましい。また、ディッピ
ング等により、開口部3の内面を含むクレンメ本体2の
表面全体を潤滑剤でコーティングしてもよい。
【0026】このようなクレンメ1では、開口部3に、
前記潤滑剤を保持する潤滑剤保持手段が設けられてい
る。潤滑剤保持手段は、後述するような種々の凹部を有
し、該凹部内に潤滑剤を充填、貯留して、潤滑剤を保持
する構成のものであるのが好ましい。以下、このような
潤滑剤保持手段の好適な構成例を挙げて説明する。
【0027】図2は、クレンメ1における潤滑剤保持手
段の構成を示す斜視図である。同図に示すように、挿通
孔31、ガイド部32およびスリット部33のそれぞれ
の内面には、潤滑剤保持手段として、溝4がチューブ1
0の移動方向に沿って形成されている。この場合、溝4
は、開口部3の内面のほぼ全周に渡って形成され、図2
中の断面で示すように、スリット部33およびガイド部
32においては、クレンメ本体長手方向の中心線に対し
左右対称な形状に形成されている。
【0028】開口部3の内面に潤滑剤がコーティングさ
れているとともに溝4内に潤滑剤が保持されており、前
述したようにチューブ10を挿通孔31とスリット部3
3との間で摺動させると、それに伴って溝4内から微量
の潤滑剤が供給される。従って、チューブ10の内腔の
開閉操作を繰り返し行っても、潤滑剤が欠如することが
なく、チューブの円滑な摺動が持続的に得られる。
【0029】溝4の横断面形状は、特に限定されず、例
えば、半円形、半楕円形、U字状、V字状、W字状、矩
形等、いかなるものでもよい。溝4の寸法は、特に限定
されないが、溝4の幅は0.01〜5mm程度、溝の深さ
は0.01〜10mm程度とするのが好ましい。
【0030】また、溝4の形状、横断面積、幅、深さ等
は、溝4の長手方向に沿って同一でも異なっていてもよ
い。例えば、ガイド部32に形成された溝4の横断面積
を他の部分に形成された溝4の横断面積に比べ大きいも
のとして、潤滑剤の保持量が多くなるようにすることも
できる。なお、図示の構成では、溝4は、ガイド部32
およびスリット部33の対向する内面の両方に形成され
ているが、片方にのみ形成されていてもよい。
【0031】図3は、潤滑剤保持手段の他の構成例を示
す斜視図である。同図に示すように、挿通孔31、ガイ
ド部32およびスリット部33のそれぞれの内面には、
潤滑剤保持手段として、複数本の前記と同様の溝4がチ
ューブ10の移動方向に沿ってそれぞれほぼ平行に形成
されている。この場合、各溝4の形状、寸法等は、前記
と同様である。
【0032】図示の例では、溝4は3本形成されている
が、溝4の形成本数はこれに限定されず、例えば、10
本以下程度であればよい。このような複数の溝4による
潤滑剤保持手段では、より多くの潤滑剤を保持すること
ができ、チューブの円滑な摺動をより長く持続すること
ができる。
【0033】なお、溝4の形成本数は、開口部3内の箇
所により異なっていてもよく、例えば、ガイド部32に
形成された溝4の形成本数を他の部分に形成された溝4
の形成本数より増加して、潤滑剤の保持量が多くなるよ
うにすることもできる。
【0034】なお、溝4の形成方向は、図2および図3
に示す方向に限らず、例えば、クレンメ本体4の厚さ方
向、または該方向に対し所定角度傾斜した方向に形成さ
れていてもよい。また、溝4は、直線的なものに限ら
ず、例えば、波状、円形、矩形等の形状であってもよ
い。
【0035】図4は、潤滑剤保持手段の他の構成例を示
す斜視図である。同図に示すように、ガイド部32およ
びスリット部33のそれぞれにおいて、対向する内面の
一方には、潤滑剤保持手段として、段差部5が形成され
ている。
【0036】この段差部5の凹没した部分に潤滑剤が保
持され、前述したようにチューブ10の摺動に伴って段
差部5から微量の潤滑剤が供給され、チューブの円滑な
摺動が持続的に得られる。なお、段差部5の段差は、特
に限定されないが、0.01〜10mm程度とするのが好
ましい。
【0037】図5は、潤滑剤保持手段の他の構成例を示
す斜視図である。同図に示すように、挿通孔31、ガイ
ド部32およびスリット部33のそれぞれの内面には、
潤滑剤保持手段として、前記と同様の段差部6が形成さ
れている。この場合、段差部6は、開口部3の内面のほ
ぼ全周に渡って形成され、図5中の断面で示すように、
スリット部33およびガイド部32においては、クレン
メ本体長手方向の中心線に対し左右対称な形状に形成さ
れている。
【0038】図6は、潤滑剤保持手段の他の構成例を示
す斜視図である。同図に示すように、ガイド部32およ
びスリット部33において、対向する両内面には、それ
ぞれ、潤滑剤保持手段として、前記と同様の段差部71
および72が形成されている。この場合、図6中の断面
で示すように、段差部71と段差部72とは、図中上下
が互いに逆に形成されている。
【0039】なお、前記段差部5、6、71および72
は、それぞれ、複数形成されていてもよい。また、段差
部5、6、71および72の段差も、前記溝4と同様
に、その長手方向に沿って同一でも異なっていてもよ
い。
【0040】図7は、潤滑剤保持手段の他の構成例を示
す斜視図である。同図に示すように、挿通孔31、ガイ
ド部32およびスリット部33のそれぞれの内面には、
潤滑剤保持手段として、多数の微小な凹凸8が形成され
ている。すなわち、開口部3の内面に、エンボス加工が
施され、粗面を構成している。
【0041】このような凹凸8を設けると、凹凸8の凹
部に充填、保持されかつ凸部表面に付着した潤滑剤によ
り摩擦低減作用が生じ、チューブ10の摺動抵抗が減少
する。この場合、前述したようにチューブ10の摺動に
伴って、凹凸8の凹部から微量の潤滑剤が供給され、チ
ューブの円滑な摺動が持続的に得られる。この構成で
は、凹凸8の表面積(凹部の容積)が大きいので、潤滑
剤の保持量も多く、摺動抵抗低減効果の持続性が特に優
れている。
【0042】なお、凹凸8の程度、すなわち表面粗度
は、JIS B 0601で規定する十点平均粗さが、1〜200
μm程度、特に5〜100μm程度であるのが好まし
い。このような範囲において、潤滑剤の保持量を十分に
確保することができ、チューブ10の摺動抵抗低減効果
が長期的に得られる。
【0043】図8は、潤滑剤保持手段の他の構成例を示
す斜視図である。同図に示すように、クレンメ本体2の
両面における開口部3の縁部35は、いわゆるRが形成
されて丸みを帯びた形状となっており、ガイド部32お
よびスリット部33における各縁部35には、それぞ
れ、縁部35の円弧方向に延びる縦溝の溝列9が形成さ
れている。
【0044】この溝列9の各溝内に潤滑剤が保持され、
前述したようにチューブ10の摺動に伴って該溝内から
微量の潤滑剤が供給され、チューブの円滑な摺動が持続
的に得られる。
【0045】溝列9における溝の横断面形状は、特に限
定されず、前記溝4と同様のものが挙げられる。溝列9
における溝の寸法は、特に限定されないが、溝の幅は
0.01〜5mm程度、溝の深さは0.01〜5mm程度、
溝のピッチは0.01〜20mm程度とするのが好まし
い。このような溝の各寸法は、縁部35の長手方向に沿
って同一でも変化していてもよい。
【0046】なお、上記溝4、段差部5、6、71、7
2、凹凸8、溝列9は、それぞれ、少なくともチューブ
10の移動経路の途中の任意の箇所、特にガイド部32
に形成されていればよく、挿通部31およびスリット部
33の一方または双方に形成されていなくてもよい。
【0047】また、潤滑剤保持手段は、上記構成に限ら
ず、例えば、潤滑剤を含浸して保持する例えば、織布、
不織布、発泡ポリウレタンのような多孔質材であっても
よい。
【0048】また、本発明のクレンメは、開口部3が挿
通孔31とスリット部33とで構成され、それらの間に
ガイド部32を有さない構成のものであってもよく、こ
の場合には、少なくとも挿通孔31とスリット部33と
の境界部付近に前記潤滑剤保持手段が設けられているの
が好ましい。
【0049】本発明のクレンメにおいて以上のような各
潤滑剤保持手段を形成するには、クレンメ本体2を樹脂
成型により製造する際に、その成型金型を潤滑剤保持手
段と対応する形状にして成型すればよいため、製造が容
易であり、量産にも適する。以下、本発明のクレンメの
具体的実施例について説明する。
【0050】(実施例1)図1および図2に示す構成の
クレンメを製造した。その条件は、次の通りである。
【0051】クレンメ本体の構成材料:ポリプロピレン クレンメ本体の板厚:4mm 挿通孔の内径D:10.6mm スリット部の幅W:1.3mm 潤滑剤保持手段:1本の溝 溝の形成箇所:開口部の内面全周 溝の横断面形状:半円形 溝幅:0.4mm 溝深さ:0.2mm
【0052】(実施例2)図1および図3に示す構成の
クレンメを製造した。下記条件以外は、実施例1と同様
とした。
【0053】潤滑剤保持手段:3本の溝 溝の形成箇所:開口部の内面全周 溝の横断面形状:各々V字状 溝幅:各々0.3mm 溝深さ:各々0.2mm
【0054】(実施例3)図1および図4に示す構成の
クレンメを製造した。下記条件以外は、実施例1と同様
とした。
【0055】潤滑剤保持手段:1つの段差部 段差部の形成箇所:ガイド部およびスリット部の片側内
面 段差部の段差:0.3mm
【0056】(実施例4)図1および図5に示す構成の
クレンメを製造した。下記条件以外は、実施例1と同様
とした。
【0057】潤滑剤保持手段:1つの段差部 段差部の形成箇所:開口部の内面全周 段差部の段差:0.3mm
【0058】(実施例5)図1および図6に示す構成の
クレンメを製造した。下記条件以外は、実施例1と同様
とした。
【0059】潤滑剤保持手段:互いに逆向きの2つの段
差部 段差部の形成箇所:ガイド部およびスリット部の対向す
る両内面 段差部の段差:各々0.3mm
【0060】(実施例6)図1および図7に示す構成の
クレンメを製造した。下記条件以外は、実施例1と同様
とした。
【0061】潤滑剤保持手段:微小な凹凸(エンボス加
工) 凹凸の形成箇所:開口部の内面全周 開口部の内面の表面粗さ(JIS B 0601の十点平均粗
さ):50μm
【0062】(実施例7)図1および図8に示す構成の
クレンメを製造した。下記条件以外は、実施例1と同様
とした。
【0063】潤滑剤保持手段:縦溝による溝列 溝列の形成箇所:ガイド部およびスリット部の各縁部 溝幅:0.1mm 溝深さ:0.1mm 溝ピッチ:0.2mm
【0064】(比較例)開口部の全内面を平坦な面とし
た以外は実施例1と同様のクレンメを製造した。前記実
施例1〜7および比較例の各クレンメに対し、開口部の
全内面に、潤滑剤として0.01gのシリコーン油を塗
布、乾燥した。
【0065】開口部3の挿通孔31に、内径9mm、外径
14mm(肉厚2.5mm)の軟質ポリ塩化ビニル製チュー
ブ10を挿通し、該チューブを挿通孔31とスリット部
33との間で往復移動させて、チューブ内流路の開閉を
繰り返し(80回)行った。このとき、チューブ10が
ガイド部32を経てスリット部33に挿入される際の抵
抗値を10回毎に測定した。その結果を下記表1に示
す。
【0066】
【表1】
【0067】表1に示すように、実施例1〜7のクレン
メでは、比較例に比べ、いずれも、チューブとの摺動抵
抗が低く、しかも繰り返しの開閉操作を行ってもその抵
抗値の増大が少ないことが確認された。
【0068】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のクレンメに
よれば、潤滑剤の作用によりチューブの摺動抵抗を低減
し、チューブ内腔の開閉操作を円滑かつ容易に行うこと
ができるとともに、潤滑剤を保持する潤滑剤保持手段を
設けたことにより、該潤滑剤保持手段から潤滑剤が供給
されるので、チューブの開閉操作を繰り返し行っても、
チューブの摺動抵抗を低く維持でき、チューブ内腔の円
滑な開閉操作を持続的に得ることができる。
【0069】特に、潤滑剤保持手段が、溝、段差部、微
小な凹凸、縦溝による溝列のような潤滑剤を充填する凹
部を有するものである場合には、十分な量の潤滑剤を保
持するとともに、チューブの摺動に伴って潤滑剤を微量
づつ供給するので、上記効果が顕著に得られる。また、
本発明のクレンメは、製造が容易であり、量産にも適す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレンメの実施例を示す平面図であ
る。
【図2】図1に示すクレンメにおける潤滑剤保持手段の
構成を示す斜視図である。
【図3】本発明のクレンメにおける潤滑剤保持手段の他
の構成例を示す斜視図である。
【図4】本発明のクレンメにおける潤滑剤保持手段の他
の構成例を示す斜視図である。
【図5】本発明のクレンメにおける潤滑剤保持手段の他
の構成例を示す斜視図である。
【図6】本発明のクレンメにおける潤滑剤保持手段の他
の構成例を示す斜視図である。
【図7】本発明のクレンメにおける潤滑剤保持手段の他
の構成例を示す斜視図である。
【図8】本発明のクレンメにおける潤滑剤保持手段の他
の構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 クレンメ 2 クレンメ本体 3 開口部 31 挿通部 32 ガイド部 33 スリット部 34 テーパ面 35 縁部 4 溝 5、6 段差部 71、72 段差部 8 凹凸 9 溝列 10 チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−103289(JP,A) 特開 昭61−100258(JP,A) 特開 平3−96715(JP,A) 特開 平4−89891(JP,A) 実開 昭63−20853(JP,U) 実開 平4−111111(JP,U) 実開 平3−80740(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 5/168 A61M 1/10 525

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柔軟性を有するチューブを挿通し得る挿
    通孔と、前記挿通孔と連通し、前記挿通孔より幅が狭い
    スリット部とを有する開口部が形成され、前記挿通孔に
    挿通された前記チューブを前記挿通孔と前記スリット部
    との間で移動することにより前記チューブの内腔を開放
    ・閉塞するクレンメであって、 前記開口部の内面のほぼ全周に、前記チューブとの摺動
    抵抗を減少するための潤滑剤を保持する潤滑剤保持手段
    を設け、 前記潤滑剤保持手段は、前記開口部の内面に前記チュー
    ブの移動方向に沿って形成された少なくとも1本の溝ま
    たは段差部であり、 前記潤滑剤は、前記開口部の少なくとも前記チューブの
    移動経路の途中に保持されていることを特徴とするクレ
    ンメ。
  2. 【請求項2】 柔軟性を有するチューブを挿通し得る挿
    通孔と、前記挿通孔より幅が狭いスリット部と、前記挿
    通孔と前記スリット部との間に位置するガイド部とで構
    成される開口部が形成され、前記挿通孔に挿通された前
    記チューブを前記挿通孔と前記スリット部との間で移動
    することにより前記チューブの内腔を開放・閉塞するク
    レンメであって、 前記開口部の内面のほぼ全周に、前記チューブとの摺動
    抵抗を減少するための潤滑剤を保持する潤滑剤保持手段
    を設け、 前記潤滑剤保持手段は、前記開口部の内面に前記チュー
    ブの移動方向に沿って形成された少なくとも1本の溝ま
    たは段差部であり、 前記潤滑剤は、前記開口部の少なくとも前記ガイド部付
    近に保持されていることを特徴とするクレンメ。
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