JP3517177B2 - 燃焼排ガス中のダイオキシン濃度の推定方法および装置とそれを用いた廃棄物燃焼炉制御装置 - Google Patents

燃焼排ガス中のダイオキシン濃度の推定方法および装置とそれを用いた廃棄物燃焼炉制御装置

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JP3517177B2
JP3517177B2 JP2000055992A JP2000055992A JP3517177B2 JP 3517177 B2 JP3517177 B2 JP 3517177B2 JP 2000055992 A JP2000055992 A JP 2000055992A JP 2000055992 A JP2000055992 A JP 2000055992A JP 3517177 B2 JP3517177 B2 JP 3517177B2
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実 坂入
雄一郎 橋本
朋之 飛田
将三 阪本
穣慈 本田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼排ガス中のダ
イオキシン類の濃度をオンラインで連続的に推定する方
法に係わり、特に、ダイオキシン濃度を従来よりも高精
度に推定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な廃棄物燃焼炉の構成の概
略を図5に示す。燃焼装置は廃棄物ピット43、廃棄物
投入ホッパ45、焼却炉54、廃棄物燃焼用の空気流量
調節計92、二次燃焼用空気流量調節弁95、温度調節
用水蒸気流量調節計63、廃棄物供給量調節用給塵装置
96、ガス冷却用ボイラ46、電気集塵器(またはダス
トフィルタ)48、煙道ライン1、吸引ブロワ49およ
び煙突51で構成されている。
【0003】本装置は、吸引ブロワ49により燃焼炉5
4全体を吸引して負圧にした後、助燃バーナ87を着火
する。その後、廃棄物44を連続的に給塵装置96を用
い、供給量を調節しながら焼却炉54内に投入し、焼却
炉54下部から供給している空気88により燃焼させ
る。
【0004】炉内温度が850℃になるように空気量を
空気流量調節計92で調節する。この空気は空気予熱器
86で250〜300℃に加熱する。
【0005】炉内温度が900℃近くに上昇した場合に
は、炉上部から水蒸気流量調節弁93により、水蒸気を
供給し温度を低下させる。燃えかす(または灰と称す)
53は連続的に焼却炉54の下部から抜き出す。
【0006】一方、燃焼ガスは850℃と高温なため、
後流機器への影響を軽減するためにガス冷却用ボイラ4
6で、ガス温度を850℃から300℃前後に低下させ
る。燃焼ガス中には灰およびHCl等を含有しているた
め、HClは集塵器48の手前からHCl除去剤94を
投入し、HCl濃度を低減する。
【0007】また、灰は電気集塵器またはバグフィルタ
48を用いて除去し、燃焼排ガスは煙突51から大気中
に放出される(燃焼ガス中の主成分は、窒素,水蒸気,
二酸化炭素であり、微量成分は塩化水素,硫黄酸化物,
窒素酸化物,一酸化炭素等である)。なお、煙道部には
燃焼ガス中の成分を監視するために、NOX,CO,O
2,HCl等を分析する分析計84を設けている。
【0008】このような、燃焼炉54から排出される燃
焼ガス中には、ダイオキシン類が微量含有されると云わ
れており、その制御,処理および測定技術の向上が廃棄
物焼却の課題の一つとして挙げられる。
【0009】一般に、ダイオキシンと云われているもの
は、ポリ塩化ジベンゾパラダイオキシン(PCDDsと
略称する)のことである。2つのベンゼン核が2個の酸
素によって並列に結ばれ、ベンゼン核に付いている水素
の一部が塩素に置換されたものである。該塩素の置換数
とその位置によって75種類の異性体がある。
【0010】また、PCDDsと一緒に生成するポリ塩
化ジベンゾフランも135種類の異性体を有するが、こ
れらの2種を併せてダイオキシン(以下、DXNと云
う)類と呼んでいる。
【0011】廃棄物の燃焼過程におけるDXNの生成過
程は明らかではないが、多くの研究結果から、2次燃焼
室において完全燃焼しないで残留した未燃成分、あるい
は、前駆体物質はボイラや集塵器を通過する過程で、温
度,雰囲気,触媒等の条件が適当に揃えば、燃焼によっ
て発生した塩化水素と反応してDXNが生成する。
【0012】即ち、生成反応には(1)300〜500
℃の雰囲気で灰中の重金属、未燃炭素等による触媒反応
による合成(de novo合成)と、(2)クロロフ
ェノール,クロロベンゼンと云った前駆体物質の分解,
合成反応で合成される反応経路がある。
【0013】従って、燃焼ガス中のDXNを推定するに
は、未燃の炭化水素類とクロロフェノール,クロロベン
ゼン等の前駆体物質に着目すればよいことが分かる。
【0014】このように発生するDXNの発生量を制御
するための分析計は、燃焼ガス中のDXN濃度をリアル
タイムで、しかも正確に予測できることが重要である。
【0015】従来の排ガス中のDXNの摂取装置の概略
図を図6に示す。摂取装置80は排ガス摂取管3、ダス
ト補集部55、液体捕集部58,59、樹脂吸着部6
1、液体捕集部64,65、吸引ポンプ66、ガス計量
部68、および、それぞれの連結管57,67からな
る。
【0016】本装置は、吸引ポンプ66により一定流量
で吸引しながら各捕集部に吸着,吸収捕集した後、規定
されている分析法により分析し、DXN濃度を算出す
る。
【0017】排ガス摂取管3の構造は、煙道内1のガス
温度により規定され、500℃以上の場合では、外部を
水で冷却する冷却方式とし、摂取管3の内壁材質は透明
石英ガラスを使用する。また、500℃未満の場合で
は、硬質ガラス製のものを使用するよう規定している。
【0018】ダスト捕集部55は、円筒ろ紙を内臓した
容器を摂取管3の出口部に設置し、排ガス中のダストを
除去する。その後、1リットルのガラス容器58内にヘ
キサン洗浄水を100〜300ml充填した液体捕集部
58,59(空)を流通させて吸収捕集した後、XAD
−2樹脂62を40〜70g充填した樹脂吸着部61を
流通して吸着捕集し、その後、ジエチレングリコールを
100ml充填した容器64,65(空)内に流通し、
吸収捕集する。
【0019】また、液体捕集部58,59から液体捕集
部64,65の間は、摂取ガス中の温度を5〜6℃以下
に保持するために、容器63内の氷浴中に設置する。ま
た、排ガス摂取管3から液体捕集部58,59までの連
結管56の長さはできるだけ短くし、ガラス管またはフ
ッ素樹脂管を用いる。DXNはダスト、水分および液体
中に取り込まれるため、これらの液、カラムおよびダス
ト等を回収し、その中に吸着,吸収したDXNを分析す
る。
【0020】上記の方式では、プラントからガスを摂取
して持ち帰り分析操作に入り、DXNの分析値が得られ
るまでに約1ヶ月を要すると云う問題がある。従って、
この方式ではDXN自体の濃度を基準とした燃焼炉の運
転制御には適用できない。
【0021】また、DXN濃度を抑制する制御方法とし
ては、DXN濃度とCO濃度とに相関性があるとされて
いることから、燃焼排ガス中のCO濃度に基づき、燃焼
炉の空気量、ダンパの開度、水蒸気量による炉内温度調
節、および、消石灰の投入による塩化水素濃度の抑制を
行ない、運転制御している。但し、DXN濃度が低い領
域ではCO濃度との相関は低く、より高い相関性を有す
る代替指標の開発が進められている。
【0022】このような代替指標としては、下記に挙げ
る方法がある。
【0023】(1)排ガス中のクロロベンゼン類の濃度
とクロロフェノール類の濃度およびダスト濃度を測定
し、これらの測定結果と排ガスの滞留時間からDXN濃
度を推定計算する方法(特開平9―15229号公
報)。
【0024】(2)炉から発生する排ガスを50〜20
0℃で除塵処理し、クロロベンゼン類およびクロロフェ
ノール類を吸着、濃縮、脱着し、分析する方法(特開平
8−266863号公報)。
【0025】(3)低濃度領域においてDXNとの相関
が認められるクロロベンゼン類の濃度との相関からDX
N濃度を推定する方法(特開平5―312796号公
報)。
【0026】(4)DXNの指標物質としてクロロフェ
ノール類を用いることによりDXN濃度を迅速に正確に
推定する方法(特開平10―153591号公報)等が
ある。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】これら前駆体濃度とD
XN濃度との相関の代表的な例として、図4にクロロフ
ェノール類濃度とDXN濃度との関係を示す。
【0028】図中には複数の焼却場で測定した結果をプ
ロットしたものである。横軸には、クロロフェノール類
濃度(μg/Nm3)、縦軸にはDXN濃度(ng−T
EQ/Nm3)を表す。
【0029】この図から分かるように、DXN濃度に対
するDXN前駆体(クロロフェノール類またはクロロベ
ンゼン類)濃度との相関に広い幅がある。
【0030】本発明の目的は、排ガス中のDXN濃度を
リアルタイムで正確に推定する燃焼排ガス中のDXN濃
度の推定方法を提供することにある。
【0031】本発明の他の目的は、上記DXN濃度の推
定装置を提供することにある。
【0032】本発明の他の目的は、上記DXN濃度の推
定方法を用いた廃棄物燃焼炉制御装置を提供することに
ある。
【0033】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の要旨は次のとおりである。
【0034】〔1〕 燃焼炉の燃焼排ガス中のDXN濃
度の推定方法であって、前記排ガス中のDXN前駆体
(クロロフェノール類)濃度と、炭化水素類濃度に基づ
き、次式(1)
【0035】
【数4】
【0036】〔但し、Cpはクロロフェノール類の濃
度、Hcは炭化水素類の濃度、a,bは補正係数
(−),n,mは乗数〕によりDXN濃度を推定するこ
とを特徴とする燃焼排ガス中のDXN濃度の推定方法に
ある。
【0037】前記炭化水素類がベンゼン,フェノール,
トルエン,クレゾール,キシレンおよびヒドロキノンで
ある。
【0038】〔2〕 DXN前駆体(クロロフェノール
類)濃度と炭化水素類濃度に基づき、前記式(1)によ
りDXN濃度を推定するDXN濃度推定装置にある。
【0039】〔3〕 廃棄物の供給部、該廃棄物を燃焼
する燃焼炉、該燃焼炉の燃焼排ガス中のDXN濃度を推
定するDXN濃度推定装置を備え、該濃度推定装置の演
算処理データに基づき前記燃焼炉の燃焼を制御する廃棄
物燃焼炉制御装置であって、前記DXN濃度推定装置
が、DXN前駆体(クロロフェノール類)濃度と炭化水
素類濃度に基づき、前記式(1)によりDXN濃度を推
定する廃棄物燃焼炉制御装置にある。
【0040】本発明は、クロロフェノール類の濃度のn
乗と炭化水素類の濃度のm乗との和よりDXNの濃度を
推定することにより、リアルタイムで算出することが可
能となる。ここでのn、mの値は、燃焼炉の性能により
異なるがその範囲は0.5〜2である。
【0041】また、前記式(1)を記憶させたDXN予
測装置の指示値に基づき廃棄物燃焼炉の空気流量調節
弁,温度調節器,燃焼用空気量,ダンパおよび二次燃焼
用空気量等を操作,制御する廃棄物燃焼炉制御装置を敷
設することにより、燃焼炉のDXN濃度を制御すること
ができ、DXNの発生量を制御することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】〔実施例 1〕本発明の煙道排ガ
ス中のDXN前駆体(クロロフェノール類)濃度と炭化
水素類濃度によりDXN濃度を推定するに当り、排ガス
を連続的に供給するDXN前駆体分析計に連結する前処
理装置と併せた実施例を図1〜3により説明する。
【0043】図1〜3で本発明のDXN前駆体と炭化水
素類の排出濃度を、連続的に測定するDXN前駆体分析
計に連結する前処理装置について説明する。
【0044】図1は、本発明の一実施例の構成の概略図
を示す。全体の前処理装置の構成は、排ガス摂取管3、
ダスト捕集器7、阻害物質の吸収管14、排ガス供給ラ
イン25、排ガスの吸引ポンプ27、各装置の連結管を
加熱する温度調節器、クロロフェノール類濃度校正用標
準物質供給系29、ダスト捕集器逆洗用ガス系23およ
び排ガス供給ラインの開閉バルブ4,6,9,13,1
6等で構成されている。
【0045】排ガス吸引ポンプ27の設置場所は、分析
計28の導入部の前後のいずれでもよい。前処理装置に
おいては、DXN前駆体分析計28に至るラインでDX
N前駆体物質等が煙道内の濃度と同等になるよう配慮し
た。
【0046】次に、本装置の運転手順について説明す
る。開閉バルブ4,9および16を閉、開閉バルブ13
と6を開にした後、空気ポンプ31と吸引ポンプ27を
同時に作動し、空気をクロロフェノール類濃度校正用標
準物質供給系29を流通させ、ダスト捕集器7の入口ラ
インから排ガスラインに供給し、ダスト捕集器7、吸収
管14、排ガス供給ライン25を流通させて、DXN前
区体分析計28に供給する。
【0047】その後、校正用標準試料装填部30に校正
用標準試料を充填し、校正用標準試料の信号強度の検出
状況を確認する。空気中で校正用標準試料が所定の質量
数の位置に安定に検出することを確認後、開閉バルブ4
を開にし、燃焼ガス2を排ガス摂取管3により吸引す
る。
【0048】吸引後は、空気量および燃焼ガス吸引量を
所定の流量に設定し、燃焼ガス中のクロロフェノール類
および炭化水素類の検出強度信号から、その濃度をDX
N予測装置(またはデータ処理装置)70で算出し、D
XN濃度を推定した。なお、DXN前駆体分析計28
は、大気圧下のイオン源内で、イオン/分子反応により
微量成分の試料をイオン化する分析方法である。
【0049】図2に炭化水素類濃度に対するクロロフェ
ノール類濃度とDXN濃度の関係を示した。横軸には、
クロロフェノール類濃度(μg/Nm3)、縦軸にはD
XN濃度(ng−TEQ/Nm3)を示す。
【0050】図2には、炭化水素類の濃度1〜1000
μg/Nm3におけるDXN濃度を示すが、炭化水素類
濃度によって、従来よりも正確にDXN濃度を推定でき
ることが分かる。
【0051】即ち、クロロフェノール類と炭化水素類の
濃度を測定し、クロロフェノール類の濃度のn乗と、炭
化水素類の濃度のm乗との和よりDXNの濃度を推定す
ることにより、リアルタイムで正確に算出することが可
能となる。即ち、前記の式(1)の関係により求めるこ
とができる。
【0052】また、炭化水素類中のベンゼン,フェノー
ル,トルエン,クレゾール,キシレンおよびヒドロキノ
ン等の信号強度からDXN濃度を推定できる。
【0053】前記式(1)でのn,mの値は、各焼却炉
から生成する炭化水素類とクロロフェノール類の性能に
より異なり、その範囲は0.5〜2である。
【0054】次に、排ガス供給ライン25に設置してい
る各機器について説明する。吸引ポンプ27を用いて、
排ガス摂取管3から燃焼炉の煙道ライン1中の燃焼ガス
2を、一定流量で等速吸引しながらダスト捕集器7およ
び吸収管14で排ガス2中の阻害成分(灰や塩化水素
等)を除去した後、排ガス供給ライン25を流通し、吸
引ポンプ27を介して、DXN前駆体分析計28の検出
部に排ガス(阻害物質を除去したもの)を供給する。
【0055】各機器は、DXN前駆体が吸着,分解しな
いようにある程度の温度に加熱,保温する。加熱手段と
して、各機器および連結管の外壁部にシーズヒータを巻
き付け、保温材で断熱し、主要個所に熱電対12,1
5,18,26,39,11を設置し、温度調節器72
により温度制御した。
【0056】ダスト捕集器7は、エレメント方式を採用
し、外筒容器内にフィルタ8を内臓し、連続的に灰を回
収した。このダスト捕集器には、フィルタ8に付着した
灰を剥離するダスト捕集器逆洗用ガス供給系23を有し
ている。この操作は、ダスト捕集器7の出口ライン(配
管)89に圧力計17を設置し、その指示値が予め設定
した指示値に達した時に、開閉バルブ90を開、開閉バ
ルブ6を閉にする。
【0057】空気ボンベ24の圧力調節計は予め開にし
ておく。その後、開閉バルブ13を閉じると同時に電磁
弁22を開にし、空気タンク20内に空気を溜めた後、
電磁弁19と開閉バルブ16を同時に開き、空気タンク
20内の空気を瞬間的にダスト捕集器7内のフィルタ8
に強制的に吹き付け、フィルタ8の表面に付着した灰を
除去する。この操作を2〜3回繰り返した後、通常運転
に入る。
【0058】吸引ポンプ27は、ダイヤフラム式で耐温
度240℃、吸引容量は連結管の長さにもよるが18リ
ットル/分のものを使用した。
【0059】吸収管14は塩化水素、硫酸および硝酸等
の阻害物質を除去する触媒層からなり、予め充填された
触媒と接触反応し、燃焼ガス2中に含有している微量な
塩化水素等を除去後、該燃焼ガスは排ガス供給ライン2
5を流通する。
【0060】また、DXN前駆体分析計28の入口部配
管内に分析計28のイオン部の保護用として金属フィル
タ74を設置した。ダスト捕集器7内のフィルタ8のろ
過精度は5〜10μmであるため、10μm以下のダス
トは金属フィルタ74で除去した。このろ過精度は0.
4μmである。
【0061】また、各機器を連結している連結管の材質
はステンレス製で、管の大きさは1/4インチ〜1/2
インチ管を用いた。
【0062】〔実施例 2〕図3に廃棄物燃焼炉にDX
N予測装置70を敷設した廃棄物燃焼炉制御装置75に
よるDXN抑制法の概略図を示す。
【0063】DXN予測装置70を敷設した廃棄物燃焼
炉制御装置75を、煙道部または燃焼炉54の出口部に
設置し、DXN予測装置70の指示値に基づき各操作弁
の流量や開度を調節することにより、廃棄物の燃焼炉5
4のDXN発生量を抑制する。
【0064】即ち、予めDXN予測装置70にDXN基
準濃度を設定しておき、その基準値を基にDXN予測装
置70で得られた指示値と比較する。該指示値が基準値
以上の場合には、廃棄物燃焼炉制御装置75から各操作
機器に操作信号80,81,82,97,98を送信
し、空気調節用の空気ダンパ76,77,78の開度
や、二次燃焼用空気流量調節弁95、および、廃棄物の
供給量を調節する給塵装置96等を状況に応じて調節す
る操作を実行する。これらの操作により、目的とするD
XNの発生量を抑制することができ、廃棄物燃焼炉を長
期間安定に運転することができる。
【0065】上記の廃棄物用燃焼炉に本発明の燃焼制御
方法を適用した一実施例を示したが、本発明はこれに限
らず、各種の型式の炉にも適用可能である。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、排ガス中のDXN前駆
体(クロロフェノール類)の濃度と燃焼排ガス中に含ま
れている炭化水素類の濃度とからDXNの濃度を高精度
に推定することができ、これにより、リアルタイムで連
続的にDXN濃度を算出することが可能となる。
【0067】また、上記により廃棄物燃焼炉等のDXN
発生量を抑制することが可能となり、長期間安定したク
リーンな運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のDXN濃度予測装置を敷設したDXN
前駆体分析装置の前処理装置を含めた構成の概略図であ
る。
【図2】本発明の炭化水素類濃度に対するクロロフェノ
ール類濃度とDXN濃度との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の廃棄物燃焼炉制御装置を敷設した廃棄
物燃焼炉の一例の構成を示す概略図である。
【図4】従来のDXN濃度とクロロフェノール類濃度と
の関係を示すグラフである。
【図5】代表的な廃棄物燃焼炉の構成を示す概略図であ
る。
【図6】従来のDXNの分析方法の構成の概略図であ
る。
【符号の説明】
1…煙道ライン、2…燃焼ガス、3…排ガス摂取管、
4,13,16…開閉バルブ、5…温度計(または熱電
対)、6,9,90…開閉バルブ、7…ダスト捕集器、
8…フィルタ、10…灰回収容器、11,12,15,
18,26,36,39…温度計(または熱電対)、1
4…吸収管、17,21…圧力計、19,22…電磁
弁、20…空気タンク、21…圧力計、23…ダスト捕
集器逆洗用ガス供給系、24,31…空気ボンベ、25
…排ガス供給ライン、27…吸引ポンプ、28…ダイオ
キシン前駆体分析計、29…クロロフェノール類濃度校
正用標準物質供給系、30…校正用標準試料装填部、3
2…各部機器作動操作機構装置、33…開閉バルブ4作
動信号、34…開閉バルブ6の作動信号、35…開閉バ
ルブ13の作動信号、36…開閉バルブ9の作動信号、
37…電磁弁19の作動信号、38…電磁弁22の作動
信号、40…温水器、41…蒸気ヘッダ、42…ガス冷
却用ボイラ、43…廃棄物ピット、44…廃棄物、45
…廃棄物投入ホッパ、46…伝熱管、47…空気、48
…電気集塵器(またはバグフィルタ)、49…吸引ブロ
ワ、50…煙道、51…煙突、52…前処理系、53…
灰、54…燃焼炉、55…ダスト補集部、56,57,
67…連結管、58…液体補集部1、59…液体補集部
2、60…氷浴、61…樹脂吸着部、62…XAD−2
樹脂、63…氷浴容器、64…容器、65…空容器、6
6…吸引ポンプ、68…ガス流量計、70…ダイオキシ
ン予測装置(またはデータ処理装置)、71…信号、7
2…温度調節器、73…排ガス導入ライン、74…金属
フィルタ、75…廃棄物燃焼炉制御装置、76,77,
78…空気ダンパ、84…NOX,CO,O2,HCl
等分析計、85…電気信号、86…空気予熱器、87…
助燃バーナ、88…空気、89…ダスト捕集器出口ライ
ン、90…開閉バルブ、92…空気流量調節弁、93…
水蒸気流量調節弁、94…HCl除去剤、95…二次燃
焼用空気流量調節弁、96…給塵装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森原 淳 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社日立製作所 電力・電機開発研 究所内 (72)発明者 坂入 実 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所 中央研究所内 (72)発明者 橋本 雄一郎 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所 中央研究所内 (72)発明者 飛田 朋之 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株式会社日立製作所 計測器グループ内 (72)発明者 阪本 将三 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株式会社日立製作所 計測器グループ内 (72)発明者 本田 穣慈 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株式会社日立製作所 計測器グループ内 (56)参考文献 特開 平9−15229(JP,A) 特開2000−258406(JP,A) 特開 平10−153591(JP,A) 特開 平10−220727(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/00 G01N 31/00 B09B 3/00 F23G 5/50

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼炉の燃焼排ガス中のダイオキシン濃
    度の推定方法であって、 前記燃焼排ガス中のダイオキシン前駆体(クロロフェノ
    ール類)濃度と、炭化水素類濃度に基づき、次式(1) 【数1】 〔但し、Cpはクロロフェノール類の濃度、Hcは炭化水
    素類の濃度、a,bは補正係数(−),n,mは乗数〕
    によりダイオキシン濃度を推定することを特徴とする燃
    焼排ガス中のダイオキシン濃度の推定方法。
  2. 【請求項2】 前記炭化水素類がベンゼン,フェノー
    ル,トルエン,クレゾール,キシレンおよびヒドロキノ
    ンである請求項1に記載の燃焼排ガス中のダイオキシン
    濃度の推定方法。
  3. 【請求項3】 ダイオキシン前駆体(クロロフェノール
    類)濃度と炭化水素類濃度に基づき、次式(1) 【数2】 〔但し、Cpはクロロフェノール類の濃度、Hcは炭化水
    素類の濃度、a,bは補正係数(−),n,mは乗数〕
    によりダイオキシン濃度を推定することを特徴とするダ
    イオキシン濃度推定装置。
  4. 【請求項4】 廃棄物の供給部、該廃棄物を燃焼する燃
    焼炉、該燃焼炉の燃焼排ガス中のダイオキシン濃度を推
    定するダイオキシン濃度推定装置を備え、該濃度推定装
    置の演算処理データに基づき前記燃焼炉の燃焼を制御す
    る廃棄物燃焼炉制御装置であって、 前記ダイオキシン濃度推定装置が、ダイオキシン前駆体
    (クロロフェノール類)濃度と炭化水素類濃度に基づ
    き、次式(1) 【数3】 〔但し、Cpはクロロフェノール類の濃度、Hcは炭化水
    素類の濃度、a,bは補正係数(−),n,mは乗数〕
    によりダイオキシン濃度を推定することを特徴とする廃
    棄物燃焼炉制御装置。
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