JP3517071B2

JP3517071B2 - 毛髪化粧料

Info

Publication number: JP3517071B2
Application number: JP02007697A
Authority: JP
Inventors: 真由美児島
Original assignee: カネボウ株式会社
Priority date: 1997-01-17
Filing date: 1997-01-17
Publication date: 2004-04-05
Anticipated expiration: 2017-01-17
Also published as: JPH10203934A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、毛髪に対してべた
つき感なく、しなやかさとしっとり感を付与し、すべり
感を向上させるといったすぐれた使用感を有する毛髪化
粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、理・美容の現場においては熱、摩
擦等による物理的要因、ないしはパーマ、ブリーチ処理
等の化学的要因によって毛髪が損傷を受ける結果、断
毛、枝毛等多くの損傷毛の発生が見られる。その結果、
毛髪はしなやかさ、しっとり感、すべり感を失う場合が
多い。しかし、美的感覚上の重要性からこれらの処理を
しないで済ますことは極めて難しい。したがって、消費
者は、それらの処理を施す前提に立って損傷毛を予防す
る、或いは修復するといった機能を有する毛髪化粧料、
例えばアウトバストリートメントを求めることになり、
市場でも近年注目されてきている。このような背景にあ
って、上記のような毛髪の損傷の予防ないし損傷の修復
を目的とした毛髪化粧料には従来よりエステル、多価ア
ルコール、炭化水素、シリコン等の油性成分が配合され
ていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の成分を配合した毛髪化粧料ではべたつきが生じたり、
すべり感が低減したり、毛髪が固くなったりするなどの
欠点が生じ、十分に満足されるものは得られなかった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は鋭意
検討した結果、後記の特定の原料からなる毛髪化粧料
が、毛髪に対してべたつき感なく、しなやかさ、しっと
り感を付与し、すべり感を向上させるといったすぐれた
使用感を有する毛髪化粧料が得られることを見出し、本
発明を完成した。すなわち、本発明の請求項１は、ポリ
アクリル酸アミド、分岐状炭化水素、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテルの非イオン界面活性剤、分枝状高級
アルコール、水を配合することを特徴とする毛髪化粧料
である。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳述
する。

【０００６】本発明に用いられるポリアクリル酸アミド
は分子量１，０００〜５，０００，０００の範囲のもの
が好ましい。この配合量は本毛髪化粧料中０．１〜５．
０重量％が好ましい。

【０００７】本発明に用いられる分岐状炭化水素は炭素
数が１０〜３０のものが好ましい。この配合量は本毛髪
化粧料中０．１〜５．０重量％が好ましい。

【０００８】本発明に用いられる非イオン界面活性剤で
あるポリオキシエチレン（以下、ＰＯＥと略す）アルキ
ルエーテルとしては、例えばＰＯＥセチルエーテル、Ｐ
ＯＥラウリルエーテル、ＰＯＥオレイルエーテル、ＰＯ
Ｅステアリルエーテル等のＰＯＥアルキルエーテルであ
る。これらの中でＨＬＢが８以上のＰＯＥアルキルエー
テルが好ましく、ＨＬＢが８以上になるような複数の非
イオン界面活性剤の組み合わせでもよい。この配合量は
本毛髪化粧料中０．０１〜１．０重量％が好ましい。

【０００９】本発明に用いられる分岐状高級アルコール
は炭素数１２〜２４のものが好ましい。炭素数１２未満
の分岐状高級アルコールの場合、しっとり感、すべり感
の点で十分ではなく、炭素数２４を超える場合、べたつ
き感が生じ、しなやかさに欠ける場合がある。炭素数１
２〜２４の分岐状高級アルコールのもの２種以上を組み
合わせても使用される。この配合量は本毛髪化粧料中
１．０〜５０．０重量％が好ましい。なお、分岐状高級
アルコールの代わりに直鎖状高級アルコールを本毛髪化
粧料に配合するとべたつき感、しなやかさ、しっとり
感、すべり感などの点で十分には満足されないことは後
述の通りである。

【００１０】本発明に用いられる水の配合量は、本毛髪
化粧料中３９〜９０重量％が好ましい。

【００１１】本発明の毛髪化粧料には上記の必須構成成
分の他に目的に応じて本発明の効果を損なわない範囲内
で、油脂類、ロウ類、エステル油、シリコーン油、多価
アルコール、界面活性剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱
剤、酸価防止剤、金属封鎖剤、防腐剤、消炎剤、ビタミ
ン、ホルモンなどの薬剤、色素、香料などの他の化粧品
原料を配合することができる。

【００１２】本発明の毛髪化粧料はアウトバス用トリー
トメントという使用形態を主にとるが、これ以外の一般
の毛髪化粧料にも適用される。

【００１３】

【実施例】以下実施例によって、本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例、比較例中の配合量の単位は重量
％である。それに先立ち、実用試験の方法について以下
に述べる。

【００１４】（実用試験：使用感）女子パネラー２０名
により毛髪化粧料を１週間使用した場合の、毛髪の状態
（べたつき感、しっとり感、すべり感等）を自己申告に
よる評価により行なった。１．毛髪のべたつき感 ◎：２０名中８０％以上が「良い」と答えた。 ○：２０名中６０％以上が「良い」と答えた。 △：２０名中４０％以上が「良い」と答えた。 ×：２０名中「良い」と答えた人が４０％未満であっ
た。２．毛髪のしなやかさ ◎：２０名中８０％以上が「良い」と答えた。 ○：２０名中６０％以上が「良い」と答えた。 △：２０名中４０％以上が「良い」と答えた。 ×：２０名中「良い」と答えた人が４０％未満であっ
た。３．毛髪のしっとり感 ◎：２０名中８０％以上が「しっとりする」と答えた。 ○：２０名中６０％以上が「しっとりする」と答えた。 △：２０名中４０％以上が「しっとりする」と答えた。 ×：２０名中「しっとりする」と答えた人が４０％未満
であった。４．毛髪のすべり感 ◎：２０名中８０％以上が「良い」と答えた。 ○：２０名中６０％以上が「良い」と答えた。 △：２０名中４０％以上が「良い」と答えた。 ×：２０名中「良い」と答えた人が４０％未満であっ
た。

【００１５】（実施例１、比較例１〜４）表１に示す配
合処方により次の方法で毛髪化粧料を調製した。各成分
を順次添加して溶解し、高速ミキサーにて均一に混合し
た後、脱泡・濾過し、毛髪化粧料を得た。これを試験試
料として上記評価試験を行ない、評価した。その結果を
表２に示す。

【００１６】

【表１】

【００１７】

【表２】

【００１８】この結果からポリアクリル酸アミド、炭化
水素、ＰＯＥオレイルエーテル、分岐状高級アルコー
ル、精製水の何れが欠けても毛髪のしなやかさやべたつ
き、髪のしっとり感、すべり感といった使用特性で満足
されないことがわかった。

【００１９】（実施例２、比較例６〜８）表３に示す配
合処方により次の方法で毛髪化粧料を調製した。各成分
を順次添加して加熱溶解し、高速ミキサーにて均一に混
合した後、脱泡・濾過し、毛髪化粧料を得た。これを試
験試料として上記評価試験を行ない、評価した。その結
果を表４に示す。

【００２０】

【表３】

【００２１】

【表４】

【００２２】この結果から実施例２の毛髪化粧料は、比
較例６〜９の毛髪化粧料と比べてしなやかさやべたつ
き、髪のしっとり感、すべり感といった使用特性上十分
に満足されることがわかった。

【００２３】

【発明の効果】以上記載の通り、ポリアクリル酸アミ
ド、分岐状炭化水素、ＰＯＥアルキルエーテル、分枝状
高級アルコール、水の組み合わせによって毛髪に対する
すぐれた感触を与える毛髪化粧料が得られることは明ら
かである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61K 7/06 - 7/155

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ポリアクリル酸アミド、分岐状炭化水
素、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの非イオン界
面活性剤、分枝状高級アルコール、水を配合することを
特徴とする毛髪化粧料。
【請求項２】炭素数が１２〜２４の範囲である分岐状
高級アルコールを配合することを特徴とする請求項１記
載の毛髪化粧料。